JPH09299317A - 内視鏡 - Google Patents

内視鏡

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JPH09299317A
JPH09299317A JP8119096A JP11909696A JPH09299317A JP H09299317 A JPH09299317 A JP H09299317A JP 8119096 A JP8119096 A JP 8119096A JP 11909696 A JP11909696 A JP 11909696A JP H09299317 A JPH09299317 A JP H09299317A
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guide hole
hole
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guide
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JP8119096A
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Ryuichi Toyama
隆一 外山
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 組立性が良好であり、しかも湾曲部に大きな
引張力がかかっても節輪の連結が外れない湾曲部を有す
る内視鏡を提供すること。 【解決手段】 湾曲部の骨格を形成する円筒形状の節輪
25、37の一方の端部にはその軸に対称な2箇所にそ
れぞれ突起部29、30を設けた耳部27、28が形成
され、他方の端部には対称な2箇所の位置に突起部2
9、30を係入可能な係合孔34がそれぞれ形成され、
各係合孔34は節輪25、37の軸と垂直な方向に延び
る第2の誘導孔(誘導溝)32と連通し、該誘導孔32
は節輪25、37の軸と平行な方向に延びる第1の誘導
孔31を経て開口する構造にし、係合孔34に突起部2
9、30が係入した状態で湾曲部に引張力が加わっても
係合が外れないで、しかも節輪25、37を連結する組
立を簡単に行うことができるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複数の節輪により回
動自在の湾曲部を有する内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】内視鏡の先端挿入部に設けられた湾曲部
の骨格部は、一般に複数の節輪を互いにピンで回動可能
に係合することによって構成されている。各節輪を接続
するためにピンで係合する作業は、ピン自体の大きさが
かなり小さく、またその数が多いために、かなり煩雑な
作業となりしかも熟練を要するものであった。
【0003】この解決策の1つが、実開昭63−200
401号公報に示されている。これは図22(A)に示
すように、一方の節輪の舌片部167の連通孔168に
誘導溝169を設け、他方の節輪の舌片部170に軸部
材171を設けている。
【0004】上記構成の節輪の舌片部167,170と
を接合する際には、図22(B)に示すような形で行わ
れる。すなわち、突起171を誘導溝169に当てて、
図中矢印方向に押し込むことにより、舌片部167が弾
性変形し、その為誘導溝169の幅が広がり、突起17
1を連通孔168まで挿入するようになっている。
【0005】挿入後は舌片部167は、図22(C)に
示すように元の形状に復帰し、舌片部167,170
は、突起171を軸中心として回転可能に係合させて、
節輪を連結させる。
【0006】上記構成によると、図23に示すように、
節輪の舌片部167、170は、通常、節輪の中心軸
(長手軸)に対して対称に1つの端部に2つ設けられて
いるが、その2つの舌片部167、170とも誘導溝1
69の開口方向が同じなので、両方の開口をいっぺんに
視野に入れることができる(点線で示している)。
【0007】このことにより、突起171を誘導溝16
9に対して突き当てる作業が非常にやりやすい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】内視鏡は、例えば大腸
検査の様に管腔のひだに内視鏡の先端部を引っかけて引
き寄せて奥に挿入することがある。この場合、節輪に対
してその長手軸方向に大きな引張力が加わる。また、内
視鏡を洗滌する際、湾曲部においてはスポンジを擦りつ
けて汚れを落とす方法が一般的である。この場合にもみ
湾曲部は長手方向に大きな引張力がかかり、節輪に負担
がかかる。
【0009】ところが実開昭63−200401号公報
の従来技術では、節輪の舌片部の誘導溝は、長手方向に
切り欠かれて形成されているので、前述のような引張り
力が加わると、舌片部が塑性変形して、節輪の連結が外
れ易くなるという不具合があった。
【0010】これを防ぐ為に舌片部の弾性率を大きくし
て変形を防ぐことが考えられる。しかし、この方法によ
ると、舌片部が変形しにくいわけであるから節輪同士を
接合する際には組付けにかなり大きな力が必要となる。
【0011】本発明は以上の事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは組立性が良好であり、
しかも湾曲部に大きな引張力がかかっても節輪の連結が
外れない湾曲部を有する内視鏡を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】互いに回動可能な複数の
円筒状の節輪の組み合わせにより構成されている関節機
構を有する内視鏡において、上記関節機構の少なくとも
一部が、2つの突起を一端に有する第1の節輪と、上記
第1の節輪と隣合う第2の節輪と、上記第2の節輪の第
1の節輪と隣合う側の端部に設けられ、上記第1の節輪
の突起に対応している2つの係合孔と、少なくとも上記
第2の節輪の各係合孔と連通し、第2の節輪の長手方向
と略垂直方向に延びている第1の誘導孔と、上記第1の
誘導孔とそれぞれ連通し、第1の節輪側の外縁に開口し
ている第2の誘導孔と、を有し、上記第1の節輪の各突
起を上記第2の節輪の各第2の誘導孔及び第1の誘導孔
を介して各係合孔に誘導することによって互いを回動自
在に係合することにより構成されている。
【0013】従って、各係合孔に連通する第1の誘導孔
が引っ張り力の方向に対して略垂直方向に延びているの
で、引っ張り力に対して外れにくく、また第2の誘導孔
により連結する組立の際の位置決め等が容易となり組立
性も良好である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を具体的に説明する。 (第1の実施の形態)図1乃至図8は本発明の第1の実
施の形態に係り、図1は本発明の内視鏡を備えた内視鏡
装置の全体構成を示し、図2は湾曲部を形成する節輪の
構成を示し、図3は耳部及び突起部の詳細を示し、図4
は節輪の導入孔を示し、図5は誘導孔の他の具体例を示
し、図6は節輪を組み立てた状態を示し、図7は節輪の
他の具体例を示し、図8は2つの節輪の一方の突起部と
他方の係合孔とを係合させる説明図を示す。
【0015】図1に示すように、本発明の第1の実施の
形態の内視鏡1は、体腔内等に挿入される細長の挿入部
3と、この挿入部3の後端に形成された操作部2と、こ
の操作部2から延出されたユニバーサルコード4とを備
えている。操作部2は術者が把持するための筒状のグリ
ップ部2aと、このグリップ部2aの後端に中空状に形
成された本体2bとから構成されている。
【0016】照明光を伝送するライトガイド等が挿通さ
れたユニバーサルコード4の末端部にはコネクタ5が設
けられ、このコネクタ5は照明光を供給する光源装置6
に着脱自在で接続される。挿入部3は硬質の先端構成部
7と、この先端構成部7の後端に形成された湾曲自在の
湾曲部8と、この湾曲部8の後端に形成された可撓性を
有する長尺の可撓部9とからなる。
【0017】操作部2には湾曲操作を行うためのアング
ルノブ10が設けられ、このアングルノブ10を回動操
作することにより、湾曲部8を上下、左右の任意の方向
に湾曲することができるようにしている。
【0018】グリップ部2aの前部には鉗子挿入用開口
部11が設けられ、この開口部11は内部の鉗子チャン
ネルを介して先端構成部7のチャンネル出口7aで開口
している。この鉗子挿入用開口部11には必要に応じて
鉗子栓11aが取り付けられる。
【0019】更に先端構成部7には、観察窓7bと、こ
の観察窓7bに向かって送気や送水を行うことができる
ノズル7cと、観察対象物を照明するための照明窓7d
とが設けられている。
【0020】そして、光源装置6から供給される照明光
はユニバーサルコード4等を挿通されたライトガイドに
より伝送され、照明窓から前方に出射され、患部等の被
写体を照明する。照明された被写体は観察窓7bに取り
付けた対物レンズにより、その結像位置に像を結ぶ。こ
の結像位置にはCCD等の固体撮像素子が配置され、光
電変換する撮像手段を形成している。前記挿入部3の後
端と操作部2との接続部には破損を防止するための折れ
止めカバー12が設けられている。
【0021】また、前記ユニバーサルコード4のコネク
タ5は、送気装置13と送水装置14および送ガス装置
15に接続されているとともに、固体撮像素子の撮像信
号に対する信号処理を行うビデオプロセッサ16に接続
アダプタ16aを介して接続されている。
【0022】ビデオプロセッサ16には信号処理された
映像信号による被写体像を表示するモニタ17と、映像
信号を記録再生するVTRデッキ18と、映像信号によ
り被写体を印字するビデオプリンタ19と、映像信号を
記録する大容量の記憶装置であるビデオディスク20等
が接続されている。ビデオプロセッサ16を操作するス
イッチ21は前記操作部2に設けられている。
【0023】更に操作部2には挿入部3の先端構成部7
に開口するノズル7cへ連なり、送気、送水するための
送気送水切換装置22と、吸引するための吸引操作装置
23とCO2 等の不活性ガスなどのガスを圧送するため
の送ガス操作装置24が設けられている。このようにし
て内視鏡装置を形成している。
【0024】次に本実施の形態の主要部となる湾曲部8
を形成する節輪の構造を説明する前に図22を改良した
節輪を図24、図25を参照して説明する。図24に示
すように、この節輪ではその舌片部167の連通孔16
8と連通する誘導溝169の延出方向を節輪の長手軸と
略垂直方向に形成し、湾曲部に大きな引張力がかかって
も、節輪の連結が外れない構造にしている。つまり、こ
の構成によれば、長手軸方向に強い力が加わっても、舌
片部同志の連結が外れない。しかし、以下のように組立
性が低い。
【0025】まず、図25(A)に示すように節輪の端
部に設けられた2つの舌片部167の誘導溝169の開
口方向がそれぞれ反対方向であった場合、開口部分を両
方とも同時に見ることができない為(この様子を2方向
から見た点線で示す)、突起171を誘導溝169の開
口に位置合わせする作業がやりづらく、組立性が悪い。
【0026】また、図25(B)に示すように誘導孔1
69の開口が同じ方向であった場合には、開口は両方と
も同時に見える為(この様子を点線で示す)、突起17
1を誘導溝169の開口に位置合わせする作業はやり易
い。
【0027】しかし、図26(A)に示すように位置合
わせした状態から突起171を連通孔168に挿入する
為に、図中矢印のように力を入れると、節輪端部がてこ
の支点となる為、図26(B)のように係合されずに節
輪が持ち上げられるだけという状態に陥り易い。このよ
うに節輪が持ち上がると、突起と開口の位置がずれるの
で、再度位置合わせを行わなければならなず、大変面倒
である。
【0028】その為、節輪の組立性に関しては、従来の
ピンによる連結よりも優れているが、十分でない。本実
施の形態は以下に説明するように、この節輪の組立性も
満足する構造にしたものであり、その詳細を説明する。
【0029】図1の湾曲部8はその骨格は複数の節輪の
接合によって形成され、その節輪の詳細を図2に示す。
節輪25は円筒形状或いはリング形状の金属部材である
筒部26を有している。この筒部26の一端には、その
外周に筒部26の中心軸と平行な方向(単に長手方向或
いは長手軸方向とも記す)に突出した細長い板状部材で
ある耳部27が、上記筒部26と一体に設けられてい
る。
【0030】この耳部27に対して上記筒部26の中心
軸に対して180°回転した軸対称となる位置に耳部2
8が設けられている。これら両耳部27、耳部28はお
互い同一の形状をなしている。これら耳部27、28の
内径は、筒部26の外径よりも少し大きくなっている。
【0031】耳部27、28の先端にはそれぞれ、半径
内側方向に突出する突起部29、30が一体に設けられ
ている。
【0032】この突起部29、30は図3(A)に示す
ように略円柱状の形状をなしている。本実施の形態では
突起部29、30は単なる円柱形状であるが、例えば図
3(B)に示すように突起部29、30の先端に円盤状
の鍔部49を設けて、回転時のガタを軽減するようにし
ても良い。
【0033】図2(A)、(B)に示すように、上記筒
部26の他端には、筒部26の中心軸と平行な方向(或
いは長手方向)に第1の誘導孔(或いは誘導溝)31が
設けられている。上記第1の誘導孔31は略長方形状の
孔であり、その短辺幅w1は上記突起部29、30の外
径よりやや大きくなっている。
【0034】上記第1の誘導孔31の端部から、続いて
第2の誘導孔(或いは誘導溝)32が筒部26の周方向
(つまり、筒部26の長手方向と垂直な方向)に延びて
いる。上記第2の誘導孔32は略長方形状の孔であり、
その短辺幅w2は上記突起部29、30の外径よりもや
や小さ目になっている。
【0035】上記第2の誘導孔32の他端には円形の孔
である係合孔34が続いている。この係合孔34の内径
は上記突起部29、30の外径よりもやや大きめになっ
ている。
【0036】つまり、各節輪25の筒部26の一方の端
部には180°回転した対称な2箇所にそれぞれ突起部
29、30を設けた耳部27、28が設けられ、かつ突
起部29、30が設けられた位置を軸方向に延長した筒
部26における他方の端部の2箇所には(他の節輪25
の筒部26の一端に設けた突起部29、30を係入して
回動自在に連結するための)係合孔34がそれぞれ形成
され、各係合孔34は筒部26の軸に垂直な方向に延び
る第2の誘導孔32の一端と連通し、この第2の誘導孔
32の他端は筒部26の軸に平行な方向に延びる第1の
誘導孔31を介してその他端の端面(或いは外縁)に開
口している。
【0037】この第1の誘導孔31の開口の位置につい
ては、この第1の誘導孔31が設けられた節輪25に連
結される際の隣接することになる別の節輪25の突起部
29、30が形成された一方の端部側に開口していると
も言える。
【0038】換言すると、各筒部26の他端の係合孔3
4はL字状の誘導溝を介して外部に開口し、従って節輪
25(或いは筒部26)の軸方向に各節輪25を連結し
た場合には、その軸方向に力が加わっても、係合孔34
に連通する溝部分は軸に垂直な方向に延びているので、
係合孔34に係入された突起部29、30との係合が外
れないようにしていることが特徴の1つとなっている。
【0039】また、第2の誘導孔32から垂直に延出さ
れる第1の誘導孔31が形成され、この第1の誘導孔3
1は隣接する節輪25側に開口しているので、連結の位
置決め等を行い易くして、連結して組立てる作業を簡単
にできるようにしていることも特徴の1つになってい
る。
【0040】上記係合孔34、第2の誘導孔32によっ
て、筒部26には細長く突出した弾性腕33が形成され
る。上記弾性腕33は上記第2の誘導孔32に突起部2
9、30と同一形状の突起が挿入された際に、十分弾性
変形してスムーズにそれが通過できるような弾性を有し
ている。
【0041】上記第1の誘導孔31、第2の誘導孔3
2、係合孔34は筒部26の軸に対称な位置に同一形状
のものがそれぞれ設けられている。この場合、図4
(A)に示すように第2の誘導孔32が同じ方向に設け
てある場合と、図4(B)に示すように反対側に設けて
ある場合とのいずれの構成を用いても良い。
【0042】図4(A)の場合に対してさらに詳しく述
べると、一方の第1の誘導孔31、第2の誘導孔32、
係合孔34は他方の第1の誘導孔31、第2の誘導孔3
2、係合孔34とは筒部26の中心軸を含む面に関して
互いに鏡像となるミラー対称な関係であり、また両係合
孔34を結ぶ線は中心軸を通ることになる。
【0043】また、図4(B)の場合には一方の第1の
誘導孔31、第2の誘導孔32、係合孔34は筒部26
の中心軸の回りで180°回転すると、他方の第1の誘
導孔31、第2の誘導孔32、係合孔34に重なる軸対
称な関係である。
【0044】また本実施の形態では短辺幅w2が第2の
誘導孔32の全域にわたって、突起部29、30の外径
よりも小さくなっているが、これは何もこれほど広い範
囲に設ける必要はなく、例えば図5(A)に示すように
第2の誘導孔32の係合孔34との接合部近傍のみが幅
が狭くなるように突起42を設けても良い。
【0045】また、節輪の結合時の抵抗感を少なくする
為に、図5(B)に示すように、短辺幅w2を係合孔3
4に向かうにつれて、漸減(徐々に小さく)していく方
法も考えられる。
【0046】或いは図5(C)に示すように切り欠き溝
43を形成して弾性腕33の幅を小さくして、より弾性
変形しやすくすることで組み付け時の抵抗感を少なくす
るようにすることもできる。
【0047】上記節輪25は図2(B)に示すように筒
部26の両端部は、係合孔34の軸方向から見た場合に
節輪の中心軸を頂点とする山形形状となる肩口35、3
6が形成されている。
【0048】上記節輪25は突起部29、30と係合孔
34とが長手方向に平行なライン上の位置に設けられて
いるが、上下及び左右に湾曲可能な湾曲部8の場合に
は、図7に示すようにその相対位置を中心軸に対して9
0°ずらして、各節輪の回転方向を90°変更した節輪
37も使用される。
【0049】上記節輪25、37を複数組み合わせるこ
とにより、上下及び左右の4方向に湾曲可能な湾曲部8
の骨組みが形成される。なお、上下方向或いは左右方向
の2方向に湾曲可能な場合には節輪25のみを複数組み
合わせて湾曲部8の骨組みが形成される。具体的には以
下のように組み立てる。まず、図4(B)の節輪に対す
る組立を説明する。
【0050】ある節輪の上記突起部29、30を、他の
節輪の上記第1の誘導孔31の開口位置に合わせ、突き
当たるまで押し当てる。次に突起部29、30が第2の
誘導孔32に挿入される方向に各節輪をその中心軸に対
して相対的に回転させる。この際、弾性腕33が弾性変
形しながら突起部29、30が係合孔34に押し込まれ
る。
【0051】係合孔34に突起部29、30が完全に挿
入されると、弾性腕33が元の状態に復帰するため、容
易には突起部29、30が係合孔34から外れなくな
る。また係合孔34の内径は突起部29、30の外径よ
りもやや大きめになっているので、突起部29、30は
係合孔34に対して回動自在となる。
【0052】以上の組み立ての繰り返しにより、図6の
ように節輪25、37が組み合わされた状態になる。こ
れが湾曲部8の骨組みとなっており、更にこの上から金
属製の円筒状網状部材(図示しない)、軟質の円筒状ゴ
ム部材(図示しない)が被覆されることによって湾曲部
8が形成されるようにしている。
【0053】次に図4(A)に示す構成の節輪に対する
組立を説明する。この場合は第1の誘導孔31に、突起
部29、30を位置合わせし、突き当たるまで押し込
む。その後は、図8(A)のように図中矢印方向に力を
加えて弾性腕33を変形させて係合させる。この際、節
輪25をしっかり保持しないと図8(B)のようにな
り、係合されないが、突起30は第1の誘導孔31内に
残ったままであり、再度突起29、30と誘導孔31の
位置合わせをする必要はない。この後の組立は図4
(B)と同様である。
【0054】次に本実施の形態の作用を説明する。図6
のように組み立てられた状態で、各節輪25、37は突
起部29、30の軸中心に対して、それぞれの節輪の肩
部35、36が突き当たるまで回転可能である。
【0055】また長手軸方向での引っ張り力に対しては
突起部29、30は係合孔34の壁面に押し付けられ、
第2の誘導孔32の延出方向には向かわない為、その接
合が外れることはない。
【0056】また節輪を捻る力に対しては、第2の誘導
孔32の幅が突起部29、30の外径よりも小さいので
その方向には突起29、30が容易に移動しないという
ことと、被覆した金属製の円筒状部材が捻り力の一部を
受けることとの、相乗効果により、容易には各節輪の接
続が外れない。
【0057】また、上述したようにこの湾曲部8の回動
自在となる関節機構としての節輪25、37の連結の組
立作業は容易にできる。さらに例えば、図4(A)の構
造の場合には、捻る力が加わった場合、一方の係合孔3
4に係入された突起部には第2の誘導孔32側に移動さ
せる力が作用するが、他方の突起部には第2の誘導孔3
2とは反対側に移動させる力が作用するため、その係合
孔34の壁面で動きが規制され、捻りに対して外れな
い。
【0058】本実施の形態は以下の効果を有する。
【0059】湾曲部の長手方向に対して引っ張り力がか
かっても、各節輪の接合が外れない為、大腸内視鏡検査
時や、洗滌時のように湾曲部に強い引っ張り力がかかる
ような場合でも、各節輪の接合が外れることはない。
【0060】しかも上記構成によれば節輪の組み付けが
従来のピンによる接合方法より簡単であり、更に突起部
と誘導孔の開口の位置合わせが容易であるため、組立性
が向上し、生産コストの低減に大きな効果がある。
【0061】(第2の実施の形態)次に第2の実施の形
態について説明する。図9及び図10は第2の実施の形
態に係り、図9は第2の実施の形態における節輪の概要
を示し、図10は外れ止め部材の詳細を示す図である。
本実施の形態は第1の実施の形態における節輪に外れ止
め手段を設けた構成にしている。
【0062】従って、節輪自体は第1の実施の形態と同
じ構成である。図9に示すように節輪25には、他の節
輪の突起部がその係合孔34に係合された状態で、外れ
止め部材38が第1の誘導孔31及び第2の誘導孔32
に取り付けられている。
【0063】図10(A)に示すように上記外れ止め部
材38は板状の接合部39を有している。この接合部3
9は節輪25の内径と略同一の曲率をなしている。
【0064】上記接合部39には第1の誘導孔31、第
2の誘導孔32によって形成されるL字状の孔と略同一
形状の凸部40が一体で形成されている。
【0065】第1の実施の形態で述べたように各節輪を
接合した後に、第1の誘導孔31、第2の誘導孔32に
上記凸部40を合わせて、節輪の内側から上記外れ止め
部材38を節輪に対して接着固定する。この状態を図1
0(B)で示している。
【0066】本実施の形態は以下の作用を有する。第1
の実施の形態の作用に加えて、捻り方向に力が加わって
も誘導孔方向に突起部が移動しない。その他は第1の実
施の形態と同様の作用を有する。
【0067】本実施の形態は以下の効果を有する。第1
の実施の形態と比較して、捻りに対してより強固な接合
がなされる為、例えば大腸内視鏡検査で大きな捻り力が
湾曲部に掛かっても、その接続が外れる恐れが全く無
い。
【0068】本実施の形態では外れ止め部材38が誘導
孔と同一形状の部材の接着による方法が示してあるが、
これに限定する必要はなく、例えば樹脂をこの孔に装填
することによって外れ止めの防止とする方法も考えられ
る。具体的には接着剤の充填、経時硬化性のシリコンゴ
ムの充填、紫外線硬化性樹脂の充填・紫外線照射等によ
っても良い。
【0069】または節輪を組み付けた後に熱硬化性樹脂
や熱可塑性樹脂を誘導孔に対してインサート成形した
り、MIM(メタルインジェクションモールド法)によ
り金属粉体を焼結・一体成形する方法によっても良い。
これらの変形例の場合も同様の効果を有する。
【0070】なお、本実施の形態では、外れ止め部材3
8を組み付ける前段階までに、節輪が外れてしまわない
ようにとの組立上の観点から、第1の実施の形態と同様
に弾性腕を設けているが、治具等により節輪の外れを抑
える等の他の工夫を用いれば、特にこれを設ける必要は
ない。
【0071】なお、係合孔34に連通する誘導溝として
は第1の実施の形態で説明したように係合孔34に連通
する第2の誘導孔32が節輪25、37の軸と垂直な方
向に限定されるものでなく、軸に略垂直な方向に延びる
ものでも良く、また第1の誘導孔31が軸に平行な方向
に限定されるものでなく、軸に略平行な方向でも良い。
また、係合孔34に一端が連通する第1の誘導孔32の
他端側を円弧状等で屈曲させてその節輪の(係合孔34
が設けられた端部側の)端面に開口するものでも良い。
【0072】さらに、第2の誘導孔32が軸に垂直ない
しは略垂直な方向に延出されるように形成された場合、
第1の誘導孔31の延出方向が第2の誘導孔32の延出
方向と異なる延出方向に形成し、(係合孔34が設けら
れた端部側の)端面に開口するものでも良い。例えば第
1の誘導孔31の延出方向がその節輪の軸方向に対して
斜め方向等でも良い(斜め方向等の場合でも、組立性を
確保できる)。
【0073】さらに、第2の実施の形態のように係合孔
34に係入された突起部29、30が外れるのを防止す
る外れ止め部材38等を採用する場合には誘導溝の形成
方向は第1の実施の形態等で説明した方向に限定される
ものでない。
【0074】(第3の実施の形態)次に本発明の第3の
実施の形態を図11ないし図13を参照して説明する。
本実施の形態は操作部内に配置され、捻り力に対しても
対応できる構造の地板を用いた内視鏡であり、この内視
鏡の湾曲部は第1の実施の形態と同様の構成である。図
11に示すように地板50は第1の樹脂製板状部材であ
る長方形状の板状部51を有している。
【0075】上記板状部51には、その底部に幅方向の
断面がU字状で、その長手方向長さは上記板状部51よ
りも短い第2の樹脂製板状部材をU字状に屈曲成形した
U字部52が、上記板状部51の略中央に一体に設けら
れており、このU字部52は板状部51の捻りに対する
耐性を高める補強部材としての機能を有する。
【0076】上記板状部51とU字部52とが一体に成
形されていることにより、U字部52と板上部51とに
挟まれた略長方形の孔である挿通孔53が形成されてい
る。なお、U字部52は板状部51に対して接着固定す
る構造にしても良い。
【0077】この挿通孔53には吸引チューブ、送気チ
ューブ、送水チューブ、画像信号伝送ケーブル、ライト
ガイド等の各種内蔵物が挿通される(図示しない)。本
実施の形態では上記挿通孔53は長方形状になっている
が、これは何もこの形状に限定する必要はない。
【0078】補強部材としてはU字部52によるものの
他に、例えば図12(A)に示すように、各種内蔵物の
大きさに対応する大きさをもつ孔53a,53b,…を
複数設けた挿通用部材52Aとすることで、幅方向断面
積をより大きくして、捻り強度を上げる方法も考えられ
る。
【0079】或いは図12(B)に示すように、各種内
蔵物の大きさに対応する孔をそれぞれ連通させて一つの
孔53sとすることで、成形型の型構造を簡単にした挿
通用部材52Bにすることでも補強するようにしても良
い。
【0080】図13に示すように、上記板状部51に
は、上記U字部52と接合させていない前端部55、後
端部56が形成されている。上記前端部55、後端部5
6にはそれぞれ複数のネジ挿通孔54が設けられてい
る。
【0081】上記前端部55のネジ挿通孔54を介し
て、ネジ孔60を有した第1の金属板57に対してネジ
59を組み付けることで、上記第1の金属板57が前端
部に対して取り付けられている。同様の方法で、後端部
56に対しては第2の金属板58が取り付けられてい
る。
【0082】上記実施の形態では金属板57、58は単
に補強部材となっているが、例えば金属板に対して挿入
部や、ユニバーサルコード等の各種部品を組み付けるよ
うにしても良い。また金属板の数も特に限定するもので
はなく、例えば第1の金属板57、と第2の金属板58
を一体化しても良いし、金属板の数をもっと多数に分割
しても良い。
【0083】更に上記U字部52の数も本実施の形態で
は地板中央部に一つ設けられているだけであるが、要は
金属板で補強されていない部分に設けられていれば良い
のであって、これを満足する限りにおいては、U字部の
位置、数、形状ともに限定されるものではない。
【0084】また本実施の形態では説明を簡単にするた
めに、各種部品を取り付ける為の手段として上記ネジ挿
通孔54以外は省略している。従って実際には、他の部
品を組み付ける為に板状部51の形状に凹凸を施した
り、各部品を取り付ける為の取付孔を設ける等の細部に
おける工夫がなされることは言うまでもない。
【0085】また同様に説明を簡略化する理由で、地板
のみが樹脂成形されているが、本来地板の樹脂化の主眼
は部品の一体化による組立性の向上であるから、地板に
組み付ける部品の一部または全部を地板に一体成形する
方法を用いても当然良い。
【0086】次に本実施の形態の作用を説明する。地板
50に大きな捻り力が掛かった際、前端部55、後端部
56は金属板57、58で補強されている為強度が強
く、その部分において地板50が破壊されることはな
い。
【0087】U字部52が取り付けられている部分は、
断面積が板状部の数倍あり、更に筒状をなしている為、
捻り剛性に対しても十分な強さを有しており、この部分
においても地板50は破壊されない。
【0088】本実施の形態は以下の効果を有する。捻り
強度が構造的に強いため、安価な樹脂を使用しても十分
実用に耐える地板となる。また、単に樹脂性の地板の底
面全体に金属板を取り付けたものと比較すると、重量を
飛躍的に軽くすることができる。
【0089】(第4の実施の形態)次に本発明の第4の
実施の形態を図14ないし図17を参照して説明する。
図14はガイド部の斜視図、図15は地板の上面図、図
16は地板とガイド部との組み立て状態を説明する図、
図17は突起部と接続孔とが接続された状態における、
それらの幅の関係を示す局部断面図である。
【0090】本実施の形態は操作部内に配置され、引っ
張り力に対しても対応できる構造の地板を用いた内視鏡
であり、この内視鏡の湾曲部は第1の実施の形態と同様
の構成である。
【0091】従来例の地板の構成を図27〜図32に示
している(詳細は後述の付記を参照)。この従来例に示
す通り、操作部の内部にはワイヤの連結部材の動きを誘
導する為に内側仕切壁部材、外側仕切板部材、隔壁部
材、支持部材等が設けられている。
【0092】以下に一例として、上記のうち内側仕切板
部材と隔壁部材を樹脂で一体成形した部品であるガイド
部64と、地板65との接続方法を示す。図15に示す
ように地板65は金属製の板状部材である。地板65の
端部には、長方形状の接続孔66が、その長辺の方向が
地板長手軸方向と一致するように設けられている。上記
第1の接続孔66と地板65の長手方向中心軸に対して
対象な位置に、第1の接続孔と同一形状の第2の接続孔
67が設けられている。
【0093】地板65の他端にはその長手方向中心軸に
対して略垂直な一線上に、中止軸に対して対称位置に雌
ネジ孔101、102が設けられている。本実施の形態
では地板65にかかる引っ張り力が、主に地板65の長
手方向に一致していると仮定している為、上記雌ネジ孔
101、102は地板65にかかる引っ張り力の方向に
対して略垂直な一線上に位置することになる。
【0094】なお上記雌ネジ孔101、102の配置位
置に関して肝要な点は、地板65にかる引っ張り力の方
向に対して略垂直な一線上に配置することであって、地
板65にかかる引っ張り力が地板65の長手軸と一致し
ないのであれば、その引っ張り力の方向に対して略垂直
な一線上に上記雌ネジ孔を配置するようにしなければな
らない。
【0095】図14に示すように、ガイド部64は樹脂
性の板状部材である底辺部68を有している。上記底辺
部68に対して板状部材である縦板部69、70が底辺
部68に対して直交に一体的に設けられている。上記縦
板部69、70は底辺部68の長手方向中心軸に対して
対象位置にあり、互いに平行に向かい合うように配置さ
れている。
【0096】上記縦板部69、70の中間部には、それ
らの直交して中間仕切板71、72がそれぞれ一体に成
形されている。更に縦板部69、70の上端部には、そ
れらと直交して上部仕切板73、74がそれぞれ一体に
成形されている。
【0097】底辺部68の前端部には、上記地板65の
接続孔66、67に対応して突起部75、76が設けら
れている。上記接続孔66、67と突起部75、76の
接合の様子に関しては、図17の断面図に示すように、
接続孔66、67と突起部75、76とが接合した際、
突起部75、76の長手方向長さが、接続孔66、67
の長手方向長さより十分短くなるようになっている。
【0098】更に突起部75、76の前端部105及
び、後端部106の両方とも接続孔66、67の前部側
壁面108、後部側壁面109とは接触しておらず、ま
た突起部75、76の長手方向と略垂直方向の幅は、接
続孔66、67の幅に対してやや小さめになっている。
そのため接続孔66、67の側壁と突起部との接触部分
107の摩擦抵抗が十分小さくなるようになっている。
【0099】本実施の形態では上記の構成により、突起
部75、76が接続孔66、67に対して、地板65の
長手方向に対して微小移動できるようになっている。し
かし、これは前記したように、地板の長手方向と引っ張
り力の方向とが一致している場合においてであって、引
っ張り力方向と地板の長手方向とが一致しないケースで
あれば、引っ張り力のかかる方向に、突起部が微小移動
可能な方向を設定しなければならないことは言うまでも
ない。
【0100】また本実施の形態では、引っ張り力と圧縮
力の両方に対して対応できるよう前端部105、後端部
106の両方を接続孔66、67の壁面から離している
が、少なくとも引っ張り力に対する対策ができれば良
く、前端部105は接続孔の前部側壁面108と接触し
ていても構わない。
【0101】本実施の形態は突起部75、76と接続孔
66、67の幅を調整することで、上記摩擦抵抗の調整
を行っているが、それに加えて潤滑剤を突起部75、7
6の周囲に塗布する方法によって摩擦抵抗を軽減しても
良い。
【0102】またはガイド部64の材質を、自己潤滑製
の高いポリアセタールにする方法も考えられる。
【0103】本実施の形態では上記突起部75、76と
接続孔66、67の接続位置(以下半固定部と呼ぶ)は
前端部の2箇所のみになっているが、特にこの位置、数
に限定する必要はなく、例えばガイド部64の中間部や
後端部にも同様の突起を設けてより多くの接合によって
安定性を高めても良いし、1つだけ設けて成形性を向上
させても良い。
【0104】上記突起部75、76は先端部にカギ型の
爪部77、78を有している。上記接続孔66、67と
突起部75、76の関係はいわゆるスナップフィットに
なっており、接続孔に突起部を完全に挿入すると、爪部
77、78が接続孔66、67の裏面に引っ掛かりガイ
ド部64が地板65から外れるのを防ぐ構造になってい
る。
【0105】更に底辺部68の他端部にはネジ挿通孔7
9、80が設けられている。このネジ挿通孔79、80
は、上記地板65の接続孔66、67にガイド部64の
突起部75、76を挿入・接合した際に、上記地板65
の雌ネジ孔101、102の位置と一致するようになっ
ている。
【0106】図16に示すように、この状態でネジ挿通
孔79、80を介して地板65に対してネジ103、1
04で組み付けることで、地板65とガイド部64との
接合がなされる(以下、この接合部を完全固定部と呼
ぶ)。
【0107】本実施の形態では上記のように、完全固定
部の固定方法としてネジを用いているが、移動不能に固
定しさえすれば良く、例えば接着、熱溶着、スナップフ
ィット等による方法を用いても良い。また完全固定部の
数も特に限定されるものではない。
【0108】本実施の形態では地板65とガイド部64
との接合について説明したが、これはあくまでも接続方
法を示す為の一例であって、上記部品の組み合わせに特
に限定されるものではない。すなわち複数の固定位置を
設ける必要がある樹脂部材すべてに対して同様の方式が
適用できるのは言うまでもない。
【0109】また必要がなければ半固定部は必ずしも設
ける必要はなく、この場合は複数の完全固定部が、引っ
張り力がかかる方向と略垂直なある一つの直線上に位置
していれば良い。
【0110】次に本実施の形態の作用を説明する。地板
65に長手軸方向に対して強い引っ張り力が生じた際
に、ガイド部材64と地板65とが完全に固定されてい
るのは、ネジ挿通孔79、80部分であるが、これらは
引っ張り力方向と略垂直な一線上に配置されているの
で、これらの間には引っ張り力は生じない。
【0111】また突起部75、76は接続孔66、67
に対して、その長手軸方向(引っ張り力の生じている方
向)に拘束されていないので、地板65にかかっている
引っ張り力をガイド部64には伝えない。
【0112】本実施の形態は以下の効果を有する。ガイ
ド部64には地板65に生じた引っ張り力が伝達されな
いので、ガイド部64の材質として引っ張り力に対する
耐性の弱い易い樹脂を利用することができ、製品のコス
トダウンにつながる。
【0113】(第5の実施の形態)次に本発明の第5の
実施の形態を図18ないし図21を参照して説明する。
図18はガイド部の説明図、図19は地板の上面図、図
20は地板とガイドの組み付け状態を示す図、図21は
接続孔と突起部との接続の様子を示すガイド部と地板と
を組み付けた状態での断面図である。
【0114】本実施の形態は操作部内に配置され、引っ
張り力に対しても対応できる構造の地板を用いた内視鏡
であり、この内視鏡の湾曲部は第1の実施の形態と同様
の構成である。ガイド部110の構成は、突起部の構成
を除いて第4の実施の形態のガイド部64と同じであ
る。
【0115】図18に示すように、ガイド部110の前
端部の中心軸上に断面T字形の突起部113が一体に設
けられている。図19に示すように、地板111の中心
線上には一端に向けて開口している長方形の切り欠き1
12が設けられている。
【0116】上記切り欠き112の長さは、上記突起部
113の長手方向長さよりも長くなっている。地板11
1の他端には、その長手方向中心軸に対して略垂直な一
線上に、中心軸に対して対称位置に雌ネジ孔116、1
17が設けられている。
【0117】ガイド部110と地板111との組付けは
以下のように行う。まず切り欠き112が開口している
方向から、ガイド部110の突起部113を突き当たり
まで挿入する。
【0118】突き当たり位置で上記地板111の雌ネジ
孔116、117とガイド部110のネジ挿通孔11
4、115が同位置に来るようになっている。この状態
でガイド部110のネジ挿通孔114、115を介して
雌ネジ孔114、115に対してネジ118、119を
組み付けることによって、ガイド部110が地板111
に組み付けられる(図20参照)。
【0119】図21に示すように突起部113の根元部
120の幅は切り欠き112の幅より小さい。また組み
付けた際に切り欠き112の壁面と根元部120の側面
とが接触しないようになっている。
【0120】更に組み付けた際に突起部113と地板と
の接触面121、122における摩擦抵抗が十分小さく
なるように、根元部120の幅方向と直交する方向の長
さが、地板111の厚さよりも僅かに大きくなってい
る。本実施の形態の作用は第4の実施の形態の作用と同
じであるので、その説明を省略する。
【0121】本実施の形態は以下の効果を有する。突起
部113と地板111との接合に第4の実施の形態のよ
うに弾性爪を使用してない為、接合時のガタが少なく、
また接合強度が強い。
【0122】[付記] 1.互いに回動可能な複数の円筒状の節輪の組み合わせ
により構成されている関節機構を有する内視鏡におい
て、上記関節機構の少なくとも一部が、2つの突起を一
端に有する第1の節輪と、上記第1の節輪と隣合う第2
の節輪と、上記第2の節輪の第1の節輪と隣合う側の端
部に設けられ、上記第1の節輪の突起に対応している2
つの係合孔と、少なくとも上記第2の節輪の各係合孔と
連通し、第2の節輪の長手方向と略垂直方向に延びてい
る第1の誘導孔と、上記第1の誘導孔と連通し、第1の
節輪側の外縁に開口している第2の誘導孔と、を有し、
上記第1の節輪の各突起を上記第2の節輪の各第2の誘
導孔及び第1の誘導孔を介して各係合孔に誘導すること
によって互いを回動自在に係合することにより構成され
ていることを特徴とする内視鏡。
【0123】(付記1〜3の作用)係合孔に連通する第
1の誘導孔が引っ張り力の方向に対して略垂直方向に延
びているので、引っ張り力に対して外れにくく、第2の
誘導孔により組立性も良好となる。
【0124】(付記1の効果)節輪の組み付けが従来の
ピンによる接合方法よりも簡単であり、更に突起部と誘
導孔の開口との位置合わせが容易なため、生産コストの
低減に大きな効果があり、また、湾曲部の長手軸に対し
て引っ張り力がかかっても、各節輪の連結或いは接合が
外れない為、大腸内視鏡検査時や、洗滌時のように湾曲
部に強い引っ張り力がかかるような場合でも、各節輪の
接合が外れることはない。
【0125】2.上記第1の節輪の突起を有する側とは
他の端部に設けられ、上記第1の節輪が有している突起
と同様な他の節輪に対して係合可能であり、上記第2の
節輪に設けられているのと同様な係合孔及び第1、第2
の誘導孔と、上記第2の節輪の係合孔を有する側とは他
の端部に設けられ、上記第2の節輪が有している係合孔
及び誘導孔と同様な他の節輪の係合孔及び誘導孔に対し
て係合可能であり、上記第1の節輪に設けられているの
と同様な突起と、を有することを特徴とする付記1記載
の内視鏡。 (付記2の効果)上記第1の付記の効果に加えて、第
1、第2の節輪を共通部品にできる為、生産コストが削
減される。
【0126】3.上記第2の誘導孔が、第1の誘導孔に
対して略垂直方向に延出していることを特徴とする付記
1記載の内視鏡。 (付記3の効果)誘導孔の開口方向と、各節輪を近接さ
せる方向が一致しているため、組立作業が非常にやりや
すい。
【0127】4.上記係合孔と上記第1の誘導孔との接
合部近傍において、通常時は第1の誘導孔の幅が上記突
起部の外径より小さいが、上記突起が挿通される際には
弾性変形により、少なくともその幅が突起部の外径と同
じになるまで増加する誘導孔幅可変部を有する事を特徴
とする付記1記載の内視鏡。 (付記4〜8の作用)付記1の作用に加えて、湾曲部に
捻り力がかかっても確実に連結状態を保持できる。 (付記4の効果)前記付記1の効果に加えて、湾曲部に
捻りが加わるような使用方法によっても節輪の接続が外
れることがない。
【0128】5.各節輪が係合された状態で、少なくと
も上記係合孔と第1の誘導孔とが接する部分の誘導孔の
一部を塞ぐ外れ防止部材を有することを特徴とする付記
1記載の内視鏡。 (付記5の効果)上記付記1の効果に加えて、付記4よ
りも、より捻り力に対して接合が外れにくい。
【0129】6.上記外れ防止部材が経時硬化性の充填
材が形成されることを特徴とする付記5記載の内視鏡。 (付記6の効果)前記第5の付記の効果に加えて、外れ
防止部材を金属の切削や、MIM(メタルインジョクシ
ョンモールド、樹脂モールド等によって製作するよりも
はるかに安価である。
【0130】7.上記外れ防止部材が硬化した紫外線硬
化樹脂で形成されることを特徴とする付記5記載の内視
鏡。 (付記7の効果)上記付記5の効果に加えて、付記6の
場合のように作業にもたついて塗布作業中に硬化してし
まう恐れがなく、不良品発生率を抑えることができる。
【0131】8.上記外れ防止部材が、上記節輪に対す
る樹脂のインサート成形により形成されることを特徴と
する付記5記載の内視鏡。 (付記8の効果)上記付記6、7より外れ防止部材と節
輪との接合がより強固になる。
【0132】9.上記外れ防止部材が金属粉体を上記節
輪に対して一体に焼結することにより形成されているこ
とを特徴とする付記5記載の内視鏡。 (付記9の効果)上記付記8よりも更に外れ防止部材と
節輪との接合が強固であり、しかも周囲の温度変化によ
る強度の低下が起こりにくい為、上記付記8よりも過酷
な条件下での使用が可能である。
【0133】10.挿入部の先端湾曲部を遠隔操作する
機構等を取り付ける為の基板である地板を有する内視鏡
において、上記地板が樹脂製であって、更に上記地板
が、内部に内蔵物が挿通可能な少なくとも1つの挿入孔
を有する厚肉部と、上記厚肉部と一体に成形されてお
り、金属により補強される薄肉部と、から構成されるこ
とを特徴とする内視鏡。 (付記10の効果)捻り強度が構造的に強いため、安価
な樹脂を使用しても十分実用に耐える地板が製作でき
る。また、単に地板底面全体に金属板を取り付けたもの
と比較して重量を軽くできる。
【0134】11.上記挿通孔が、各種内蔵物の外径よ
りもやや大きい内径を有する複数の孔から構成されてい
ることを特徴とする付記10記載の内視鏡。 (付記11の効果)付記10の効果に加えて、挿通孔の
大きさを必要最低限に抑えたことで樹脂部の断面積を大
きくとることができる為、更なる強度UPが期待でき
る。
【0135】12.上記複数の孔が互いに連通している
ことを特徴とする付記11記載の内視鏡。 (付記12の効果)付記11の効果に加えて、複数ある
挿通孔を一本のスライダーで成形できるようになる為型
構造が簡単になり、成形費用の削減につながる。 (付記10〜12の背景) (従来技術)実開昭58−153801号公報に示すよ
うに一般に内視鏡の操作部の内部には、挿入部の先端湾
曲部を遠隔操作する機構をはじめ、多数の各種部品を取
り付ける為の基盤である地板と呼ばれる金属製の板状部
材が内蔵されている。
【0136】従来の地板の構成を図27乃至図32に示
す。図27は内視鏡操作部の一部を断面した側面図、図
28は上記操作部の内部を示す断面図、図29は図28
のI−I線に沿う湾曲操作装置の断面図、図30は同じく
側面図、図31は湾曲操作装置の先端側の正面図、図3
2は同じく断面図である。
【0137】図27に示すように内視鏡1Aの操作部2
を形成するグリップ2aはその一端が本体2bの端面に
Oリング164を介して液密に、しかもその端面から突
設された突起165により位置決めされて接合されてい
る。グリップ部2aの下方に鉗子挿入口11が設けてあ
る。
【0138】操作部2内には湾曲操作装置130が内蔵
されている。その構成を図28に示す。この湾曲操作装
置130の基板である地板131は、上記本体2bに比
べて長尺に形成され、その一端は本体2bの一側壁を挟
持して固定された金属体である内側金具132と外側金
具133のうちの内側金具132に折曲形成された一対
の舌片134,134に連結固定されている。
【0139】上記地板131の他端にはフレーム135
が一端を固定していて、このフレーム135の他端には
上記挿入部3を操作部2に連結するための連結筒(図示
せず)が取着されている。なお、上記グリップ部2a
は、上記連結筒に取着される押え金具(図示せず)によ
って本体2bに固定されている。さらに、上記外側金具
133はスイッチ21を本体2bに取着するための接続
体を兼ねている。
【0140】また、上記地板131の本体2b内に位置
する一端側上面には軸136が突設されていて、この軸
136には内側スリーブ137と外側スリーブ138と
が回転自在に被嵌されている。各スリーブ137,13
8の一端は上記軸136の軸方向に上下に位置して回転
自在に設けられた一対のスプロケット139,139
(一方のみ図示)にそれぞれ係合し、他端は本体2から
突出して上記アングルノブ10,10にそれぞれ連結さ
れている。
【0141】また、上記地板131のグリップ部2a内
に突出した他端側上面には、図29に示すように断面U
字状の隔壁部材140が押え板141により地板131
の長手方向に沿って取付け固定されている。そして、こ
の隔壁部材140の両側辺外側には、仕切壁142…に
よって上下2段に通路143…が区画形成されている。
【0142】上記仕切壁142…は通路143…の幅方
向において内側仕切壁142aと外側仕切壁142bと
に分割されていて、各仕切壁142a,142bはその
長手方向中途部とスプロケット139側の端部とが地板
131に立設された第1、第2の支持部144a,14
4bに支持固定されている。
【0143】上記隔壁部材140の反スプロケット13
9側の端面にはこの隔壁部材140と同一部材あるいは
別部材の取付板145が立設されていて、この取付板1
45には隔壁部材140よりも幅寸法が大きい平板状の
保持部材146が接合固定されている。この保持部材1
46付近を図31及び図32に示す。
【0144】この保持部材146の幅方向両端にはそれ
ぞれ上記通路143…と対応して2個づつ切欠147…
が形成されている。この切欠147には、軸方向中途部
に小径な段部148aが形成された中空筒状の規制部材
148がその段部148aを係合させて軸方向の動きが
規制された状態で設けられている。
【0145】この規制部材148は、上記外周仕切壁1
42bの端部によって上記切欠147から外れないよう
保持されている。さらに、規制部材148には、挿入部
3の全長にわたって挿通された密巻きコイルなどからな
る可撓性のワイヤガイドパイプ149がその基端部を嵌
入してろう剤150によりろう付け固定されている。上
記ワイヤガイドパイプ149にはワイヤ151が挿通さ
れている。このワイヤ151の先端は湾曲部を構成する
駒或いは節輪(図示せず)に連結固定され、基端側は上
記通路143に導かれている。
【0146】通路143に導かれたワイヤ151の基端
には連結部材152が連結され、この連結部材152に
は中途部を上記スプロケット139に係合させたチェー
ン153の端部が連結されている。上記連結部材152
にはワイヤ151の軸線に対して直交する状態で衝突部
材154が植設されている。この衝突部材154の一部
は上記地板131の幅方向外側に向って突出していて、
この突出部分の外周面はその端面とで鋭角をなす斜面1
55に形成されている。
【0147】一方、地板131に立設された第1の支持
部144aと第2の支持部144bとの間にはこの地板
131の一部あるいは別部材をL字状に折曲形成した壁
部156が設けられている。この壁部156付近を図3
0でも示している。この壁部156の地板131の幅方
向に沿う一辺には支持孔157が穿設され、この支持孔
157には、ねじ部158aと頭部158bとの間に受
け部158cを有するねじ158がその受け部158c
を介して回転自在に支持されている。
【0148】すなわち、このねじ158はその軸線をワ
イヤ151の軸線と平行かつワイヤ151の軸線よりも
地板131の幅方向外側に位置させて設けられ、ねじ部
158aの末端は第2の支持部144bに形成された支
持孔159に係合させている。このねじ158のねじ部
158aにはストッパ160が螺着されている。
【0149】このストッパ160の高さ寸法は、上記通
路143の高さ寸法よりもわずかに小さく形成されてい
るので、ねじ158を回転させるとストッパ160は回
転せずに上記通路143を進退するようになっている。
【0150】なお、ねじ158が設けられた部分の通路
143は、外側仕切壁142bによって区画形成されて
いる。上記ストッパ160の隔壁部材140側に向いた
一側には、上記衝突部材154の斜面155と対応する
角度をなした斜面161が形成されていて、このストッ
パ160の斜面161に衝突部材154の斜面155が
衝突してワイヤ151の走行、すなわち湾曲部の上下左
右方向の最大湾曲角度が規制されるようになっている。
【0151】一方、上記ねじ158の頭部158bに
は、その径方向に貫通した係合孔162が穿設されてい
る。この係合孔162には線材を波形状に曲成してなる
係止ばね163が一端を係合させて設けられている。ま
た、この係止ばね163は圧縮された状態でその他端を
上記第1の支持部144aに圧接させている。
【0152】したがって、上記ねじ158は係止ばね1
63により回転が規制され、かつ頭部158bの端面が
係止ばね163の復元力で壁部156の側面に圧接させ
られて支持孔157から抜け出る方向の動きが規制され
ている。
【0153】(従来技術の問題点)上記のように地板に
は多くの部品が組み付けられており、これの組立性の悪
さがコストアップの要因の一つになっている。その問題
を解決する一手段として、地板の材質を金属から樹脂に
変更し、それに対して周辺部品の一部を予め一体に成形
することが考えられる。
【0154】ところで地板は挿入部と直結しており、更
に挿入部には頻繁に捻り操作が加えられる為、捻り強度
が強いことが要求される。ところが、例えばポリカーボ
ネート等の比較的安価な樹脂材料で、板状に成形しただ
けでは、捻り強度が不十分であった。
【0155】また強度を保たせる為に高価な樹脂で成形
すると、コストダウンという目的が十分に達成できない
という問題がある。他には地板の厚さを増加させたり、
裏面にリブを設ける等が考えられる。
【0156】地板の厚さを増加させる方法の場合は、樹
脂の成形では品質や生産性の関係から成形可能な厚さに
おのずと限界があり、期待する強度にまで厚さを増加さ
せることは非常に困難であった。また、裏面にリブを一
体に成形する案によっても、リブ程度では捻り強度を十
分に強化するには到らなかった。或いは、樹脂の平板に
金属板を重ねて組み付けて強度を増す方法も考えられる
が、その場合には重量がかなり重くなるという問題があ
った。
【0157】(付記10〜12の目的)強度の比較的弱
い安価な樹脂を用いても、捻り力に対して十分な強度を
有する地板を提供すること。
【0158】(付記10〜12の作用)地板に大きな捻
り力が掛かった際、薄肉部は金属で補強されている為強
度が強い。厚肉部は筒状である為、構造的に平板よりも
捻り剛性が強い。それに加えて平板形状より断面積を大
きくできるので、地板に要求される捻り剛性を十分に満
足することができる。
【0159】13.操作部内部に設けられた地板と、上
記地板に固定される少なくとも一つの樹脂製部品と、を
有する内視鏡において、上記樹脂製部品の少なくとも一
つが、上記地板に加わる引っ張り力に対して垂直なある
1つの直線上で、上記地板に対して少なくとも1点以上
で移動不能に固定されている完全固定部と、上記直線上
から外れており、少なくとも上記引っ張り方向に対して
移動可能なように固定されている少なくとも一つの半固
定部と、を有することを特徴とする内視鏡。
【0160】(付記13〜16の背景) (従来技術)実願昭57−51572或いは付記10〜
12と同様。 (従来技術の問題点)従来例に示すとおり、地板に組み
付けられている部品は様々なものがあり、これの組み付
け性の悪さがコストアップの原因となっている。そこで
上記を解決する手段として、地板に組み付ける部品類を
樹脂で一体に成形し、部品数の削減を図る方法がある。
【0161】例えば隔壁部材と仕切壁部、仕切壁の間隔
を保持する支持部等を樹脂で一体成形する方法が挙げら
れる。この場合の地板に対する一般的な接続方法として
は、地板の長手軸方向に長い部品である為、長手軸方向
で2点以上のネジ止めをする方法が用いられる。
【0162】ところで上記従来例の構造によれば、操作
部に内蔵されている地板は、挿入部と連結している為
に、比較的大きな引っ張りがかかりやすい。従って上記
隔壁部周辺を樹脂で一体化した例のように、地板の長手
方向に対して2点以上の接合部位が存在するような部品
を樹脂化すると、地板と同等の引っ張り力を受けること
となる。
【0163】樹脂は一般に引っ張り力に対する強度が弱
く、この為上記のような接続方法によると、地板に大き
な引っ張り力が加わった場合、樹脂部品が破損してしま
う恐れがあった。それを防ぐ為に引っ張り強度の高い効
果な樹脂を使用することも考えられるが、目的のコスト
ダウンが十分に達成できないという問題があった。
【0164】これは特に上記隔壁周辺部材に限ったこと
ではなく、地板の長手軸方向に対して、2点以上で地板
に組み付けられている部品には共通した問題であり、こ
の事が地板に組み付ける部品を樹脂で一体化する際の障
害となっていた。
【0165】(付記13〜16の目的)内部に地板を有
する内視鏡において、その地板に取り付ける部品が安価
な樹脂であっても、引っ張り力による破壊の危険性のな
い内視鏡を提供すること。
【0166】(付記13〜16の作用)地板に引っ張り
力が掛かった際に、樹脂製部品にはその力が伝達されな
い。 (付記13の効果)地板に生じた引っ張り力が樹脂部品
に伝達されないので、引っ張り力に対する耐性の弱い安
い樹脂を利用することができ、製品のコストダウンにつ
ながる。
【0167】14.操作部内部に設けられた地板と、上
記地板に固定される少なくとも一つの樹脂製部品と、を
有する内視鏡において、上記樹脂製部品の少なくとも一
つが、上記地板に加わる引っ張り力に対して垂直なある
1つの直線上で上記地板に対して少なくとも2点以上で
移動不能に固定されている完全固定部を有することを特
徴とする内視鏡。 (付記14の効果)上記付記13の効果に加えて、半固
定部を設けない分成形成が良くなる為、付記1よりも更
にコストダウンを狙える。
【0168】15.上記付記1において、上記半固定部
が、上記地板に設けられた接続孔に対して挿入可能で、
完全固定部と反対側の接続孔の端面に接触しない突起部
と、上記突起部と一体に設けられ、上記突起が地板から
抜けるのを防止する弾性爪部と、から構成されているこ
とを特徴とする付記13記載の内視鏡。 (付記15の効果)上記付記13の効果に加えて、組付
け作業が簡単な為、より効果的なコストダウンが狙え
る。
【0169】16.上記地板に設けられた引っ張り力方
向と同方向に延出する切り欠きに対して、その開口から
挿入可能な突起部と、上記突起部に一体に設けられ、上
記突起が地板から抜けるのを防止する爪部と、から構成
されていることを特徴とする付記13記載の内視鏡。 (付記16の効果)上記付記13の効果に加えて、突起
部と地板との接合に弾性爪を使用しない為、接合時のガ
タが少なく、また接合強度が強い。
【0170】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、互
いに回動可能な複数の円筒状の節輪の組み合わせにより
構成されている関節機構を有する内視鏡において、上記
関節機構の少なくとも一部が、2つの突起を一端に有す
る第1の節輪と、上記第1の節輪と隣合う第2の節輪
と、上記第2の節輪の第1の節輪と隣合う側の端部に設
けられ、上記第1の節輪の突起に対応している2つの係
合孔と、少なくとも上記第2の節輪の各係合孔と連通
し、第2の節輪の長手方向と略垂直方向に延びている第
1の誘導孔と、上記第1の誘導孔と連通し、第1の節輪
側の外縁に開口している第2の誘導孔と、を有し、上記
第1の節輪の各突起を上記第2の節輪の誘導孔及び第1
の誘導孔を介して各係合孔に誘導することによって互い
を回動自在に係合することにより構成されているので、
節輪の組み付けが従来のピンによる接合方法よりも簡単
であり、更に突起と誘導孔の開口との位置合わせが容易
なため、生産コストの低減に大きな効果があり、また、
湾曲部の長手軸に対して引っ張り力がかかっても、各節
輪の連結が外れない為、大腸内視鏡検査時や、洗滌時の
ように湾曲部に強い引っ張り力がかかるような場合で
も、各節輪の連結が外れることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内視鏡を備えた内視鏡装置全体を示す
図。
【図2】湾曲部を形成する節輪の構造を示す斜視及び側
面図。
【図3】耳部及び突起部の詳細を示す斜視図。
【図4】節輪の導入孔を示す拡大斜視図。
【図5】誘導孔の他の具体例を示す図。
【図6】節輪を組み立てた状態を示す側面図。
【図7】節輪の他の具体例を示す斜視図。
【図8】2つの節輪の一方の突起部と他方の係合孔とを
係合させる作業の説明図。
【図9】本発明の第2の実施の形態における連結された
節輪を示す斜視図。
【図10】単独の及び取付け状態での外れ止め部材を示
す斜視図。
【図11】本発明の第3の実施の形態における地板を示
す斜視図。
【図12】挿通用部材の他の具体例を示す図。
【図13】地板を示す縦断面図。
【図14】本発明の第4の実施の形態におけるガイド部
の斜視図。
【図15】地板を示す平面図。
【図16】地板とガイド部の組立状態を示す斜視図。
【図17】接続孔に係入された状態の突起部を示す断面
図。
【図18】本発明の第5の実施の形態におけるガイド部
の斜視図。
【図19】地板を示す平面図。
【図20】地板とガイド部の組立状態を示す斜視図。
【図21】ガイド部の切欠に突起部が係入された位置で
の地板を示す横断面図。
【図22】従来例における節輪の連結用舌片部の構造及
び連結する動作等を示す図。
【図23】図22の節輪を連結する説明図。
【図24】従来例を改良した節輪の舌片部の誘導溝を示
す図。
【図25】図24を有する節輪を連結する説明図。
【図26】図22の節輪を連結する組立作業を改良する
余地があることの説明図。
【図27】従来例の内視鏡の操作部を切り欠いて示す
図。
【図28】従来例の操作部の内部の湾曲操作装置を示す
断面図。
【図29】図28のI−I線断面図。
【図30】図28の湾曲操作装置を示す側面図。
【図31】図28の湾曲操作装置を先端側から見た正面
図。
【図32】図28の保持部材付近での断面図。
【符号の説明】
1…内視鏡 2…操作部 3…挿入部 4…ユニバーサルコード 7…先端構成部 8…湾曲部 9…可撓部 25、37…節輪 26…筒部 27、28…耳部 29、30…突起部 31…第1の誘導孔 32…第2の誘導孔 33…弾性腕 34…係合孔 38…外れ止め部材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに回動可能な複数の円筒状の節輪の
    組み合わせにより構成されている関節機構を有する内視
    鏡において、 上記関節機構の少なくとも一部が、2つの突起を一端に
    有する第1の節輪と、 上記第1の節輪と隣合う第2の節輪と、 上記第2の節輪の第1の節輪と隣合う側の端部に設けら
    れ、上記第1の節輪の突起に対応している2つの係合孔
    と、 少なくとも上記第2の節輪の各係合孔と連通し、第2の
    節輪の長手方向と略垂直方向に延びている第1の誘導孔
    と、 上記第1の誘導孔と連通し、第1の節輪側の外縁に開口
    している第2の誘導孔と、 を有し、上記第1の節輪の各突起を上記第2の節輪の各
    第2の誘導孔及び第1の誘導孔を介して各係合孔に誘導
    することによって互いを回動自在に係合することにより
    構成されていることを特徴とする内視鏡。
JP8119096A 1996-05-14 1996-05-14 内視鏡 Withdrawn JPH09299317A (ja)

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