JPH09296871A - シール構造およびそれを用いた湯水混合装置 - Google Patents

シール構造およびそれを用いた湯水混合装置

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JPH09296871A
JPH09296871A JP8112463A JP11246396A JPH09296871A JP H09296871 A JPH09296871 A JP H09296871A JP 8112463 A JP8112463 A JP 8112463A JP 11246396 A JP11246396 A JP 11246396A JP H09296871 A JPH09296871 A JP H09296871A
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博明 ▲よし▼田
Hiroaki Yoshida
Shigeru Shirai
白井  滋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シール構造またはそのシール構造を用いた湯
水混合装置における軸部材または弁体の摺動摩擦力を軽
減するとともに、摺動摩擦力の増加を抑制する。 【解決手段】 ハウジング11の摺動ガイド面27の一
部にOリング29を保持する保持溝28と、弁体20の
外周面に摺動溝30を設けるとともに、保持溝28に保
持される保持部29cと弁体45の径方向のしめしろの
増加による軸線方向への摺動摩擦力増加を抑制する弾性
摺動部29dからなるOリング29にシール層29aと
中空部29bを備えて構成したことにより、弁体45の
摺動摩擦力を低減するとともに、Oリング29のしめし
ろの増加による弁体45の軸線方向の摺動摩擦力の増加
を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸線方向への摺動
部を有するシール構造および湯と水の混合比率を調節し
て適温を得る湯水混合技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のシール構造を有する湯水
混合装置としては、図8(例えば特開平6−14733
3号公報)に示すようなものがあった。
【0003】図8において、ハウジング1の周壁には軸
線方向に間隔をおいて水流入口1aおよび湯流入口1b
をそれぞれ開けると共に、これらの流入口1a、1bに
連通する下流側には混合水流出口1cが開けてある。水
流入口1aは湯水混合装置の本体の中の給水室に連通
し、同様に湯流入口1bと混合水流出口1cはそれぞれ
湯室および混合室に連通し、この混合室を経由して混合
水が吐出端から吐出される。
【0004】ハウジング1の内部には、水流入口1a側
および湯流入口1b側にそれぞれ水弁座2および湯弁座
3が設けてある。そしてこれら水弁座2と湯弁座3との
間には、軸線方向に移動可能な略H状の縦断面形状の温
度調節用の弁体4が組み込まれている。この弁体4は、
その軸線方向の両端を水弁座2および湯弁座3との着座
面とし、水側と湯側とを区画する隔壁4aに連通口4b
が開けられている。そして弁体4の周りには環状のパッ
キン5を組み込み、このパッキン5をハウジング1の内
壁に密着させて水側と湯側とを遮断している。
【0005】ハウジング1の内部は、弁体4によって水
室1dおよび湯室1eに区画され、これらの下流に混合
室1fが形成される。そして混合室1fから水室1dに
かけて、一端が弁体4の隔壁4aに突き当たるスリーブ
6が組み込まれ、このスリーブ6は水室1dに臨む周壁
に水用の開口6aを開け、隔壁4aの連絡口4bを包囲
する内径に形成してある。そして、スリーブ6によって
水室1dおよび湯室1eと混合室1fとが連通し、弁体
4の水弁座2および湯弁座3に対する弁開度に応じた量
比の水と湯が混合室1fへ供給される。
【0006】混合室1fには、ハウジング1の内壁に一
端が突き当たり他端をスリーブ6の端面に嵌め込んだ形
状記憶合金のスプリング7が組み込まれている。このス
プリング7は、混合室1fを通過する混合水の温度に応
じて膨張、収縮し、吐出される混合水の温度が設定温度
に保持されるように弁体4をシフトさせる機能を持つ。
【0007】弁体4の位置設定は、ハウジング1に対し
てネジ接合したスピンドル8のハンドル8aによって行
われる。このスピンドル8の一端はスリップワッシャを
介してスプリング7に連接され、ハンドル8aの操作に
よって軸線方向に移動させることにより、スプリング7
を介して弁体4を設定温度値に対応した位置に設定す
る。さらに、湯室1eにはスプリング7と反対方向に弁
体4を付勢するバイアススプリング9が組み込まれ、こ
のバイアススプリング9は弁体4を水弁座2側に移動さ
せる機能を持ち、温度設定用のスプリング7に対して弁
体4の位置をバランスさせ湯水の混合比が加減されるよ
うになっていた。
【0008】しかし上記のような構成において、図9の
ように弁体4にパッキン5が一体となっていることか
ら、給水圧Pcと給湯圧PHとの差圧による作用力Fが
弁体4を押す力となり、設定温度からずれたりする悪影
響があるということから、図10のような構成が提案さ
れている。図10において、内壁ガイド1gに環状の凹
部1hを設け、この凹部1hの中にパッキン5を嵌め込
んで保持した構造で、前記給水圧Pcと給湯圧PHとの
差圧によって弁体4を押す力Fの値が零になって、設定
温度が安定保持できるという説明がされている。また、
水流入口1aと湯流入口1bの間を移動する弁体4の摺
動摩擦力を低減するために、パッキン5の代わりに断面
形状が図11(a)〜(c)に示すような形状である樹
脂製のシール環10を設けた構成も提案されている。図
11において、10aはハウジング1の内壁と接する突
起であり、その接触面積を小さくして摺動摩擦力を低減
するというものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし現実としては、
図10の構造にしても給水圧Pcおよび給湯圧PHが作
用し弁体4を押す実効受圧面積を零にできる構成ではな
いため、説明されているような給水圧Pcおよび給湯圧
PHの差圧による作用力Fが零にできるというものでは
なかった。
【0010】さらに上記のような従来の湯水混合装置に
おいて、水流入口1aと湯流入口1bの間を遮断シール
するパッキン5の摺動摩擦力が大きいことから、形状記
憶合金のスプリング7およびバイアススプリング9の発
生力をともに大きくする等の方策によって、温度ヒステ
リシスや温度ずれを小さくすることが必要になる。
【0011】たとえば図8において、形状記憶合金のス
プリング7とバイアススプリング9の力がバランスする
位置に弁体4が安定しているときに、給水圧Pcが変動
して混合室1fの温度が変動すると、形状記憶合金のス
プリング9の温度変化に伴って、そのスプリング9の力
が変化して、弁体4を移動させて設定温度を保持するべ
きであるが、パッキン5の摺動摩擦抵抗により弁体4の
移動が阻害される。図9および図10のいずれの構成お
いても、パッキン5との摺動面は弁体4の外径とほぼ同
じ大きい径シール部なので、パッキン5による摺動摩擦
力はいずれも大きく、図8と同様にパッキン5の摺動摩
擦抵抗により弁体4の移動が阻害される。
【0012】そこで温度変化に伴うスプリング9の力の
変化量を大きくすれば、相対的にパッキン5による摺動
摩擦の影響を軽減することができる。ところが、温度変
化に伴うスプリング9の発生力を大きく変化させるため
に、形状記憶合金のスプリング7もバイアススプリング
9も、ともに太く大きいスプリングになってしまってい
た。
【0013】したがって、湯水混合装置が大型化した
り、太く大きい形状記憶合金スプリング7の熱容量が大
きくなって応答時間が遅くなったり、形状記憶合金のス
プリング9および湯水混合装置がコスト高になったり、
設定温度を変えるときハンドル8a操作が重いなど多く
の問題点があった。
【0014】また、図11のように樹脂製のシール環1
0を用いた場合、スケールやゴミなどが弁体4摺動時に
ハウジング1の内壁と突起10aの間に咬み込むと弁体
4がロックされたり、ハウジング1の内壁と突起10a
の間に隙間をでき湯水間での漏れを生じるため温度調節
を行えないという問題点があった。
【0015】さらに、シール環10またはパッキン5の
径方向の肉厚などが大きくなり、しめしろが生じると弁
体4の摺動摩擦力が大幅に増大する可能性があった。す
なわち、ハウジング1の内径および弁体4の溝径および
シール環10の肉厚の寸法精度が要求され、製造コスト
が高くなるという問題点があった。
【0016】本発明は上記問題点を解決するものであ
り、弾性シール部材の径方向のしめしろが増加しても軸
線方向の摺動摩擦力を増大することがなく、確実にシー
ルを行えるシール構造を提供することを第一の課題とし
ている。
【0017】また効果的に感温体ばねおよびバイアスば
ねを細く小さくでき、応答が速く、コンパクトで、小さ
い駆動力で操作できる湯水混合装置を提供することを第
二の課題としている。
【0018】また組立時に弾性シール部材を損傷するこ
となく正確にセットでき、組立性がよいとともに、弾性
シール部材の交換等のメンテナンスが容易であるシール
構造または湯水混合装置を提供することを第三の課題と
している。
【0019】また特に寸法精度を要すことなく弁体と弾
性シール部材との摺動性およびシール性に優れ、コンパ
クトなシール構造または湯水混合装置を提供することを
第四の課題としている。
【0020】またしめしろの寸法精度が向上するととも
に、高圧下でも弁体と弾性シール部材との摺動性および
シール性に優れ、コンパクトなシール構造または湯水混
合装置を提供することを第五の課題としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は前記する課題を
解決するために、摺動ガイド面の一部に設けられ弾性シ
ール部材を保持する保持溝と、軸部材の外周面に設けら
れ弾性シール部材に対して摺動する摺動溝と、保持溝に
保持される保持部および記弁体の径方向のしめしろの増
加による軸線方向への摺動摩擦力増加を抑制する弾性摺
動部からなる弾性シール部材を設けて構成したものであ
る。従って、摺動溝により軸部材の摺動径が小さくなり
摺動摩擦力の絶対値を低減できるとともに、弾性摺動部
によりしめしろ増加による軸線方向への摺動摩擦力増加
が抑制される作用を奏するものである。
【0022】
【発明の実施の形態】上記課題を解決するために、請求
項1記載の発明のシール構造は、第一の流体流入口と第
二の流体流入口を軸線方向に間隔をおいて周壁に開けた
ハウジングと、第一の流体流入口と第二の流体流入口と
の間のハウジングの内壁を摺動ガイド面として軸線方向
に移動する軸部材と、摺動ガイド面の一部に設けられ弾
性シール部材を保持する保持溝と、軸部材の外周面に設
けられ弾性シール部材に対して摺動する摺動溝を有し、
弾性シール部材を保持溝に保持される保持部と、軸部材
の径方向のしめしろの増加による軸線方向への摺動摩擦
力増加を抑制する弾性摺動部から構成したものである。
【0023】そして、上記発明により、摺動溝により軸
部材の摺動径が小さくなり摺動摩擦力の絶対値を低減で
きるとともに、弾性摺動部によりしめしろ増加による軸
線方向への摺動摩擦力増加が抑制されるように作用する
ので、十分なしめしろを確保でき確実にシールが行える
とともに、摺動性が維持できる。
【0024】また、請求項2記載の発明の湯水混合装置
は、水を流入する第一の流体流入口と湯を流入する第二
の流体流入口とを軸線方向に間隔をおいて周壁に開けた
ハウジングと、水流入口と湯流入口との間のハウジング
の内壁を摺動ガイド面として軸線方向に移動可能に組み
込んだ湯と水の混合比を調節する略円筒状の弁体と、水
流入口側で弁体の軸線方向の一端面に対向する水弁座
と、湯流入口側で弁体の軸線方向の他端面に対向する湯
弁座と、水弁座の下流側に設けた混合水流出口と、混合
水の温度上昇に伴い湯の割合を減少させる方向に弁体を
付勢する感温体ばねと、弁体を感温体ばねとは反対方向
に付勢するバイアスばねと、二つのばねの少なくとも一
方の付勢力を可変し混合温度を調節する付勢力調節手段
と、摺動ガイド面の一部に設けられ弾性シール部材を保
持する保持溝と、略円筒状の弁体の外周面に設けられ弾
性シール部材に対して摺動する摺動溝を有し、弾性シー
ル部材を保持溝に保持される保持部と、弁体の径方向の
しめしろの増加による軸線方向への摺動摩擦力増加を抑
制する弾性摺動部から構成したものである。
【0025】そして、上記発明において、感温体ばねと
バイアスばねの付勢力とがバランスする位置に略円筒状
の弁体が軸線方向に摺動移動して、付勢力調節手段で設
定した混合水温度になるとき、略円筒状の弁体の外周面
に設けられた弾性シール部材は、ハウジングの内壁の保
持溝に保持されており、弁体の外周面の摺動溝が弾性シ
ール部材の弾性摺動部に対して滑りながら相対移動す
る。ここで、弾性シール部材と摺動する弁体の摺動溝は
弁体の外径より細いので、それだけ摺動接触面が細く小
さくなり、この弾性シール部材との摺動摩擦力を低減で
きるとともに、弾性シール部材の弾性摺動部がしめしろ
の増加により軸線方向の摺動摩擦力の増加を抑制するよ
うに作用する。したがって、感温体ばねおよびバイアス
ばね共に小さい付勢力で弁体を駆動させることができ
る。このことから、感温体ばねおよびバイアスばねは細
く小さいばねで、熱容量が小さく温度変化に対して熱応
答速度が速く作動するように作用するとともに、湯水混
合装置を小型コンパクトにできるものである。
【0026】また、請求項3に記載の発明のシール構造
は、ハウジングを第一の流体流入を有する第一の流体部
材と第二の流体流入口を有する第二の流体部材に分割可
能とし、第一の流体部材と第二の流体部材とから保持溝
を構成したものである。
【0027】そして、上記発明においては、弁体および
弾性シール部材組立時に、まず弁体に弾性シール部材を
はめ込み、その後第一の流体部材または第二の流体部材
のいずれか一方に弁体をセットし、第一の流体部材と第
二の流体部材を勘合することによってハウジングを形成
するので、弾性シール部材を圧入して組立を行う必要が
なく、弾性シール部材を損傷することなく確実にセット
できる。また、長期間使用し、弾性シール部材が劣化し
た場合などのメンテナンスも、ハウジングを分割するこ
とによって簡単に弾性シール材を交換できる。
【0028】また、請求項4に記載の発明のシール構造
は、弾性シール部材を断面外周部が略円形となるシール
層とシール層内部に多数の中空部を有するOリングで構
成したものである。
【0029】そして、上記発明においては、Oリング
は、Oリングの内径,線径または弁体の摺動溝径または
ハウジングの摺動ガイド面の径に寸法ばらつきが生じ、
圧縮のしめしろが増加しても、内部が中空状であるため
弁体またはハウジングへの押しつけ力の増加が通常のO
リングよりも抑制されるので、弁体の軸線方向への摺動
摩擦力を増加しないよう作用する。また、外周部のシー
ル層は略円形となっているので通常のOリングと同様に
確実なシールが可能である。
【0030】また、請求項5に記載の発明のシール構造
は、弾性シール部材をXリングで構成したものである。
【0031】そして、上記発明においては、Xリングの
外周側の二片を保持部とし、内周側の二片を弾性摺動部
としているので、Xリングの内径,線径または弁体の摺
動溝径またはハウジングの摺動ガイド面の径に寸法ばら
つきが生じ、径方向へのしめしろが増加しても保持部お
よび弾性摺動部の両側で曲げ弾性によってしめしろの増
加を吸収している。圧縮弾性ではなく曲げ弾性のしめし
ろ増加であるとともに、保持部および弾性摺動部の両側
でしめしろを吸収しているので、しめしろ増加による弁
体への押しつけ力が抑制され、弁体の軸線方向への摺動
摩擦力を増加しないよう作用する。また、保持溝側およ
び摺動溝側ともにそれぞれ二片でシールを行うので確実
なシールが可能である。
【0032】また、請求項6に記載の発明のシール構造
は、弾性シール部材の断面形状を略Y字形状とし、弾性
シール部材の外周側の一片を保持部とし、弾性シール部
材の内周側の二片を軸部材または弁体に接する弾性摺動
部として構成したものである。
【0033】そして、上記発明においては、弾性シール
部材の内径,線径または弁体の摺動溝径またはハウジン
グの摺動ガイド面の径に寸法ばらつきが生じ、径方向へ
のしめしろが増加しても、圧縮弾性ではなく曲げ弾性で
しめしろの増加を吸収しており、弾性摺動部による弁体
への押しつけ力を抑制され、弁体の軸線方向への摺動摩
擦力を増加しないよう作用する。また、スケールやゴミ
等が弁体摺動時に弁体と弾性摺動部の間に咬み込んで
も、弾性摺動部がスケールやゴミの形状に応じて変形
し、シール性を維持するとともに、前述したように弁体
または軸部の軸線方向への摺動摩擦力を増加しないよう
作用する。
【0034】また、請求項7に記載の発明のシール構造
は、弾性シール部材の保持部から軸線方向に突出した固
定部と、固定部を保持し保持部の径方向へのずれを防止
する径方向保持溝を備えているものである。
【0035】そして、上記発明においては、固定部は径
方向保持溝に保持されるので、弾性シール材が組立時や
外周側から高圧がかかる場合においても、弾性シール部
材の径方向へのずれを防止している。従って、弾性摺動
部が位置決めされるので、しめしろのばらつきを低減す
るように作用する。また、第一の流体または第二の流体
の圧力が高圧であり、第一の流体部材と第二の流体部材
と勘合部を通じて弾性シール部材外周側に高圧がかかっ
ても固定部が径方向保持溝に押しつけられるので、外周
部にかかる圧力が高いほど第一および第二の流体間のシ
ール性が向上するようになっている。
【0036】以下、本発明の第1の実施例を図1を参照
しながら説明する。図1は本発明の第1の実施例の湯水
混合装置の断面図である。
【0037】図において、ハウジング11の周壁には軸
線方向に間隔をおいて水を流入する第一の流体流入口で
ある水流入口12および湯を流入する第二の流体流入口
である湯流入口13をそれぞれ開けると共に、これらの
流入口12、13に連通する下流側には混合水流出口1
4が開けてある。水流入口12は湯水混合装置の本体の
中の水室15に連通し、同様に湯流入口13と混合水流
出口14はそれぞれ湯室16および混合室17に連通
し、この混合室17を経由して混合水が混合水流出口1
4に至る。
【0038】ハウジング11の内部には、水流入口12
側および湯流入口13側にそれぞれ水弁座18および湯
弁座19が設けてある。そしてこれら水弁座18と湯弁
座19との間には、軸線方向に移動可能で湯と水の混合
比を調節する略円筒状の軸部材である弁体20が組み込
まれている。
【0039】また、混合水の温度上昇に伴い湯の割合を
減少させる方向に弁体20を付勢する感温体ばね21
と、その弁体20を感温体ばね21とは反対方向に付勢
するバイアスばね22との力の釣り合いにより、弁体2
0が移動位置決めされる構成で、これら二つのばね2
1、22の少なくとも一方の付勢力を可変し混合温度を
調節する付勢力調節手段23は、図1の実施例ではバイ
アスばね22の方を調節する構成である。つまり、ハン
ドル24を回転すると送りネジ25が回転し、可動ばね
受け26が軸方向に進退する構成で、バイアスばね22
の付勢力が調節される。
【0040】また、ハウジング11の内壁で弁体20の
外側をガイドする摺動ガイド面27の一部に設けられた
保持溝28は、弾性シール部材であるOリング29の外
周が嵌まる凹溝で、この保持溝28によって、弁体20
が軸方向に動作してもOリング29は定位置のまま保持
される。
【0041】また、略円筒状の弁体20の外周面に設け
られた摺動溝30は、弾性シール部材29の内径とほぼ
同じ外径で、Oリング29の幅に弁体20の軸方向の最
大移動幅を加えた幅を有する構成である。なお感温体ば
ね21は、形状記憶合金ばねやバイメタルばね等が使用
でき、特に形状記憶合金ばねは、温度変化に対する発生
力の点で好ましい。
【0042】Oリング29には、図1の部分拡大断面図
である図2に示すように、断面外周側にはOリング29
の形状が通常のOリングと同様となるようにシール層2
9aが形成されており、その内部には多数の中空部29
bが設けてある。ここで、Oリング29は、湯水間の漏
れがないように保持溝28と摺動溝30により径方向の
しめしろを有している。Oリング29のおいて保持部2
9cは保持溝28に保持されているシール層29a上側
であり、弾性摺動部29dはシール層29a下側および
中空部29bから構成されている。なお図1には示して
いないが図2において31および32は、ばね受けリン
グである。
【0043】上記構成において動作を説明すると、水流
入口12と湯流入口13とからそれぞれ水と湯が供給さ
れ、弁体20と水弁座18との隙間および弁体20と湯
弁座19との隙間に応じて、混合室31に混合されなが
ら流入する。その混合室17に設けられた感温体ばね2
1は温度に応じて付勢力が変化し、感温体ばね21とバ
イアスばね22の付勢力とがバランスする位置に略円筒
状の弁体20が軸線方向に摺動移動して、付勢力調節手
段23で設定した混合水温度になる。このとき、略円筒
状の弁体20の外周面に設けられたOリング29は、ハ
ウジング11の内壁の保持溝28に保持されており、弁
体20の外周面の摺動溝30が弾性シール部材29に対
して滑りながら相対移動する。ここで、弁体20の外径
部はハウジング11の内壁である摺動ガイド面27に軽
く接触する程度に摺動し、この摺動摩擦力は小さく、ま
たOリング29と摺動する弁体20の摺動溝30は弁体
20の外径より細いので、それだけ摺動接触面が細く小
さくなり、このOリング29との摺動摩擦力も小さい。
したがって、感温体ばね21およびバイアスばね22共
に小さい付勢力で弁体20を駆動することができる。こ
のことから、感温体ばね21およびバイアスばね22は
細く小さいばねにできるため、熱容量が小さく、それだ
け温度変化に対して敏感に速く作動する。
【0044】また、Oリング29には内部に多数の中空
部29bが設けられているため、Oリング29の線径お
よび内径,摺動ガイド面の径,摺動溝30の径などに寸
法ばらつきが生じ、Oリングのしめしろが増加しても、
その圧縮歪みの増加に伴う反力の増加を抑制するように
なっている。すなわち、Oリング29のしめしろが増加
してもOリング29の摺動溝30への押しつけ力が通常
のOリングよりも大幅に抑制されるので、弁体20の摺
動摩擦力が抑制される。さらに、Oリング29の外周に
はシール層29aが通常のOリングと同様に略円形とな
るように設けてあり、中空部29bがOリング29の表
面に開口しないので、湯水間のシールを確実に行える。
【0045】また、ハウジング11に保持溝28を形成
し、弁体20に摺動溝30を形成した構成により、シー
ル性を確保しながら摺動摩擦力を小さくできる効果のほ
かに、湯または水の供給圧力の変動に対して、弁体20
の開度を自動補正でき、混合温度性能を安定できるとい
う特有の効果がある。たとえば、他栓の開閉などによっ
て水流入口12の供給水圧が変動した場合、水弁座18
と弁体20との開度がそのままであれば水圧に応じて混
合室31に流入する水量が変動し、湯と水の混合比が変
動して混合水温度も変動することになる。ところが、供
給水圧が上昇すると、弁体20の摺動溝30内の水圧も
上昇し、弾性シール部材29はハウジング11に固定さ
れた状態なので、摺動溝30内の水圧は弁体20を水弁
座18側に付勢するように作用する。弁体20と水弁座
18間の流速は速く摺動溝30内の流速が遅いことか
ら、ベルヌーイの定理からしても弁体20と水弁座18
間の圧力の方が摺動溝30内の圧力より低い。したがっ
て供給水圧が上昇すれば、弁体20を水弁座18側に付
勢する力が増大し、供給水圧が低下した場合には、弁体
20を水弁座18側に付勢する力が減少する。これは湯
側においも同様に作用する。すなわち湯側、水側とも供
給圧変動に対して、その影響を打ち消すように弁体20
の開度が自動的に補正される。
【0046】つまり、混合水の温度が変動してその温度
が感温体ばね21に伝達されて、感温体ばね21の付勢
力変化によって弁体20を移動して設定温度に保つ本来
の作用は、温度変動してからの修正動作であるのに対
し、温度変動が発生する事前に、供給圧の変動圧力によ
って弁体20を移動補正するので、温度変動を事前に抑
制防止でき、安定した温度性能が得られる。
【0047】なお、ばね受けリング31および32は、
感温体ばね21およびバイアスばね22の不要なねじり
やこじりを防止しており、弁体32がさらに安定して作
動でき優れた温度調節機能を確保するものである。
【0048】本発明の第1の実施例によれば、ハウジン
グ11の摺動ガイド面27の一部に弾性シール部材29
を保持する保持溝28と、弁体20の外周面に摺動溝3
0を設けた構成により、弁体20の摺動摩擦抵抗を小さ
くでき、細く小さい感温体ばね21にできるようになる
ため、熱応答性に優れ、供給される湯温変動や圧力変動
に対し敏感に速く作動することと、供給圧変動によっ
て、弁体20の開度が自動補正されることにより安定し
た混合温度を得ることができるという効果がある。
【0049】また、Oリング29にその断面外周部が略
円形となるシール層29aとシール層29a内部に多数
の中空部29bを設けた構成により、Oリングのしめし
ろが増加しても、弁体20の摺動摩擦力増加を抑制でき
るので、前述した効果を維持しつつ、Oリング29の線
径および内径,摺動ガイド面の径,摺動溝30の径など
の許容寸法が範囲が拡げることができる。従って、寸法
精度を要しないので量産性が向上し、低コスト化が可能
となる。
【0050】さらに、二つのばね21、22の力を小さ
くできることから、付勢力調節手段23のハンドル24
の回転操作も軽く操作性がよく、小型コンパクトな湯水
混合装置が得られる。
【0051】なお図1の実施例では、付勢力調節手段2
3に手動のハンドル24を用いた場合を説明したが、こ
のような手動に限らずモータ等の電気的駆動手段による
場合も同様の効果を得ることができる。
【0052】次に本発明の第2の実施例を図3を用いて
説明する。図3は本発明の第2の実施例の湯水混合装置
の要部断面の構成図である。
【0053】図3において、33はハウジングであり、
ハウジング33はねじにより勘合され着脱可能な第一の
流体流入口を有する第一の流体部材34と第二の流体流
入口を有する第二の流体部材35から構成されている。
ハウジング33の周壁には軸線方向に間隔をおいて水流
入口36および湯流入口37をそれぞれ開けると共に、
これらの流入口36、37に連通する下流側には混合水
流出口38が設けてある。水流入口36は湯水混合装置
の本体の中の水室39に連通し、同様に湯流入口37と
混合水流出口38はそれぞれ湯室40および混合室41
に連通し、この混合室41を経由して混合水が混合水流
出口38に至る。その混合室41から混合水流出口38
に至る流路の途中に、混合水の温度を検出する温度検出
手段42が設けられている。
【0054】ハウジング33の内部には、水流入口36
側および湯流入口37側にそれぞれ水弁座43および湯
弁座44が設けてある。そしてこれら水弁座43と湯弁
座44との間には、軸線方向に移動可能で湯と水の混合
比を調節する略円筒状の弁体45が組み込まれている。
【0055】また、混合水の温度上昇に伴い湯の割合を
減少させる方向に弁体45を付勢する感温体ばね46
と、その弁体45を感温体ばね46とは反対方向に付勢
するバイアスばね47との力の釣り合いにより、弁体4
5が移動位置決めされる構成で、これら二つのばね4
6、47の少なくとも一方の付勢力を可変し混合温度を
調節する付勢力調節手段である電気的付勢力調節手段4
8は、図3の実施例ではバイアスばね47の方を調節す
る構成である。つまり、電気的付勢力調節手段48であ
るモータ49の出力軸50を回転するとネジ軸51が回
転し、可動ばね受け52が軸方向に進退する構成で、バ
イアスばね47の付勢力が調節される。
【0056】また、ハウジング33の内壁で弁体45の
外側をガイドする摺動ガイド面53および摺動ガイド面
53の一部に設けられた保持溝54は、保持溝54を中
心として水側は第一の流体部材34により、また湯側は
第二の流体部材35によって構成されている。すなわ
ち、保持溝54はその中心から分割可能となっている。
この保持溝54は弾性シール部材55の外周側に設けら
れた保持部56が嵌まる凹溝で、この保持溝54によっ
て、弁体45が軸方向に動作しても弾性シール部材55
は定位置のまま保持される。弾性シール部材55は、図
3の部分拡大断面図である図4に示すようにその断面形
状が略Y字形状であり、略Y字形状の外周側の一片が保
持溝54に保持される保持部56に、また、内周側の他
の二片が弁体45の摺動溝57と摺動する弾性摺動部5
8になっている。
【0057】略円筒状の弁体45の外周面に設けられた
摺動溝57は、弾性シール部材55の弾性摺動部58の
内径よりも大きい外径で、弾性摺動部58の幅に弁体4
5の軸方向の最大移動幅を加えた幅を有する構成であ
る。ここで、弾性シール部材55のしめしろは、保持部
56の圧縮歪みではなく、弾性摺動部58の曲げ歪みに
より吸収されている。なお感温体ばね46は、形状記憶
合金ばねやバイメタルばね等が使用でき、特に形状記憶
合金ばねは、温度変化に対する発生力の点で好ましい。
【0058】さらに、混合水温度の目標値を設定する温
度設定手段59と、温度検出手段42で検出された温度
と温度設定手段59で設定された目標値に基づいて電気
的付勢力調節手段49を制御する電子制御手段60とを
備えた構成である。
【0059】上記構成において、水流入口36と湯流入
口37とからそれぞれ水と湯が供給され、弁体45と水
弁座43との隙間および弁体45と湯弁座44との隙間
に応じて、混合室41に混合されながら流入する。その
混合室41に設けられた感温体ばね46は温度に応じて
付勢力が変化し、感温体ばね46とバイアスばね47の
付勢力とがバランスする位置に略円筒状の弁体45が軸
線方向に摺動移動して、電気的付勢力調節手段48によ
って可動ばね受け52の位置が可変されて決まるバイア
スばね47の付勢力に応じた混合水温度になる。このと
き、略円筒状の弁体45の外周面に設けられた弾性シー
ル部材55の保持部56はハウジング33の内壁の保持
溝54に保持されており、弁体45の外周面の摺動溝5
7が弾性シール部材55の弾性摺動部58に対して滑り
ながら相対移動する。ここで、弁体45の外径部はハウ
ジング33の内壁である摺動ガイド面53に軽く接触す
る程度に摺動し、この摺動摩擦力は小さく、また弾性シ
ール部材55の弾性摺動部58と摺動する弁体45の摺
動溝57は弁体45の外径より細いので、それだけ摺動
接触面が細く小さくなり、この弾性シール部材55との
摺動摩擦力も小さい。したがって、感温体ばね46およ
びバイアスばね47共に小さい付勢力で弁体45を駆動
することができる。このことから、感温体ばね46およ
びバイアスばね47は細く小さいばねにできるため、熱
容量が小さく、それだけ温度変化に対して敏感に速く作
動する。
【0060】弾性シール部材55の肉厚および内径,摺
動ガイド面53の径,摺動溝30の径などに寸法ばらつ
きが生じ、弾性シール部材55のしめしろが増加して
も、弾性シール部材55はしめしろ増加を圧縮歪みでは
なく、弾性摺動部58の曲げ歪みにより吸収しているの
で、しめしろ増加に伴う反力の増加を抑制するようにな
っている。すなわち、弾性シール部材55のしめしろが
増加しても弾性摺動部58の摺動溝30への押しつけ力
が抑制されるので、弁体20の摺動摩擦力が抑制され
る。
【0061】さらに、弾性摺動部58は外周側から水お
よび湯の圧力により内側に押さえられており摺動溝57
に密着するようになっているのでシール性がよく、スケ
ールやゴミが咬み込みにくい。かりに、弾性摺動部の肉
厚が薄ければ(望ましくは0.2mm〜1mm)ゴミや
スケールが咬み込んでも、弾性摺動部がその形状になじ
み、シール性が確保することができるとともに、摺動摩
擦力は増加せず弁体のロックを防ぐことができる。保持
部56は保持溝に密着するように第一の流体部材34と
第二の流体部材35から保持溝54を構成しており、第
一の流体部材34と第二の流体部材35の勘合した隙間
からの漏れや弾性シール部材55の外周側の漏れを防止
している。従って、第一の流体部材34と第二の流体部
材35の勘合部にシールテープやパッキンを必要としな
い。
【0062】ハウジング33は第一の流体部材34と第
二の流体部材35に分割できるので組立時には、まず、
弾性シール部材55を弁体45の摺動溝57にセット
し、弁体45を保持部56が第二の流体部材35の保持
溝56に挿入して、第一の流体部材34を勘合すればよ
い。従って、弾性シール部材55を摺動ガイド面53か
ら圧入する必要がなく、弾性シール部材55の破損を防
ぐことができる。また、長期間使用した後に弾性シール
部材55が劣化し交換する必要性が生じても、第一の流
体部材34をはずせば弁体45を無理抜きしなくてもよ
いので、弁体45やハウジング33の摺動ガイド面53
を傷つけることなくメンテナンスが行える。
【0063】また、ハウジング33に保持溝54を形成
し、弁体45に摺動溝57を形成した構成により、シー
ル性を確保しながら摺動摩擦力を小さくできる効果のほ
かに、湯または水の供給圧力の変動に対して、弁体45
の開度を自動補正でき、混合温度性能を安定できるとい
う特有の効果がある。たとえば、他栓の開閉などによっ
て水流入口36の供給水圧が変動した場合、水弁座43
と弁体45との開度がそのままであれば水圧に応じて混
合室41に流入する水量が変動し、湯と水の混合比が変
動して混合水温度も変動することになる。ところが、供
給水圧が上昇すると、弁体45の摺動溝57内の水圧も
上昇し、弾性シール部材55はハウジング47に固定さ
れた状態なので、摺動溝57内の水圧は弁体45を水弁
座43側に付勢するように作用する。弁体45と水弁座
43間の流速は速く摺動溝37内の流速が遅いことか
ら、ベルヌーイの定理からしても弁体45と水弁座43
間の圧力の方が摺動溝37内の圧力より低い。したがっ
て供給水圧が上昇すれば、弁体45を水弁座43側に付
勢する力が増大し、供給水圧が低下した場合には、弁体
45を水弁座43側に付勢する力が減少する。これは湯
側においても同様に作用する。すなわち湯側、水側とも
供給圧変動に対して、その影響を打ち消すように弁体5
7の開度が自動的に補正される。
【0064】つまり、混合水の温度が変動してその温度
が感温体ばね46に伝達されて、感温体ばね46の付勢
力変化によって弁体45を移動して設定温度に保つ本来
の作用は、温度変動してからの修正動作であるのに対
し、温度変動が発生する事前に、供給圧の変動圧力によ
って弁体45を移動補正するので、温度変動を事前に抑
制防止できる。
【0065】さらに、感温体ばね46のヒステリシスや
弁体45のわずかな摺動摩擦などによる温度ずれがもし
生じた場合でも、混合水の温度を温度検出手段42が検
出して電子制御手段60にフィードバックされ、その電
子制御手段60が温度設定手段59で設定した温度と比
較して偏差を解消する方向に電気的付勢力調節手段48
を制御する構成ため、温度設定手段59で設定された温
度に対する温度ずれ、いわゆる温度オフセットが極めて
少ない安定した温度性能が得られる。
【0066】しかも、上記のように弁体45の摺動摩擦
力が小さいことから、感温体ばね46およびバイアスば
ね47は細く付勢力の小さいばねにできるため、電気的
付勢力調節手段48の駆動力も小さくでき、たとえば微
小な低トルクモータにできる。
【0067】本発明の第2の実施例によれば、感温体ば
ね46およびバイアスばね47共に小さい付勢力で弁体
45を駆動させることができ、小さい駆動力の電気的付
勢力調節手段48で高速応答の混合温度制御ができる。
かつ、温度検出手段42で検出された温度と温度設定手
段59で設定された目標値に基づいて電気的付勢力調節
手段48を電子制御手段60が制御するので、安定した
温度制御ができるという効果がある。
【0068】また、弾性シール部材55の肉厚および内
径,摺動ガイド面53の径,摺動溝30の径などに寸法
ばらつきが生じ、弾性シール部材55のしめしろが増加
しても、弾性シール部材55はしめしろ増加を圧縮歪み
ではなく、弾性摺動部58の曲げ歪みにより吸収してい
るので、しめしろ増加に伴う反力の増加を抑制するよう
になっている。すなわち、弾性シール部材55のしめし
ろが増加しても弾性摺動部58の摺動溝30への押しつ
け力が抑制されるので、弁体20の摺動摩擦力が抑制さ
れ、上記効果を寸法精度を要することなく実現できる。
【0069】さらに、シール性がよく、スケールやゴミ
が咬み込みにくいとともに、ゴミやスケールが咬み込ん
でも、シール性が確保することができ、摺動摩擦力は増
加せず弁体のロックを防ぐことができる。
【0070】ハウジング33は第一の流体部材34と第
二の流体部材35に分割できるので組立時に、弾性シー
ル部材55を摺動ガイド面53から圧入する必要がな
く、弾性シール部材55の破損を防ぐことができる。ま
た、弾性シール部材55および弁体45を着脱する際に
弾性シール部材55および弁体45を無理抜きしなくて
もよいので、弁体45やハウジング33の摺動ガイド面
53を傷つけることなく簡単にメンテナンスを行うこと
ができる。
【0071】次に本発明の第3の実施例を図5を用いて
説明する。図5は本発明の第3の実施例の湯水混合装置
の部分拡大断面図である。第3の実施例において第2の
実施例と相違する点は、弾性シール部材の保持部56か
ら軸線方向に突出した円弧状の固定部61と、固定部6
1を保持し保持部の径方向へのずれを防止する径方向保
持溝62を備え、固定部61の円弧面を径方向保持溝6
2に密着するよう構成としたことにある。
【0072】上記構成において、固定部61は第一の流
体部材34および第二の流体部材35の径方向保持溝6
2に保持されるため、組立時にその位置決めが簡単に行
えるとともに、セット時に径方向のずれを生じない。従
って、弁体45の軸が感温体ばね46やバイアスばね4
7および摺動ガイド部53の軸に対してずれを生じにく
く、弁体45の傾きを防止するとともに、弾性シール部
材55のしめしろを均一化するように作用するので、弁
体の摺動抵抗増加を防止できるとともに、シールの信頼
性を向上できる。また、水側の圧力が高く、第一の流体
部材34と第二の流体部材35の勘合隙間を通じ、弾性
シール部材55の外周部に高圧がかかると、弾性シール
部材55は内側につぶれようとするが、径方向保持部6
2により固定部61が保持されるため、弾性シール部材
55が保持溝54から外れたり内側にずれることがな
い。すなわち、弾性シール部材55の外周部から力が作
用してもしめしろが増加せず、摺動摩擦力の増加を防ぐ
ことができる。さらに、弾性シール部材55の保持溝5
4および径方向保持溝62の両方でシールを行ってお
り、シールの信頼性向上が可能となる。
【0073】本発明の第3の実施例によれば、弁体45
の軸ぶれを防止し、弾性シール部材55のしめしろを均
一化するので、弁体の摺動抵抗増加を防止できるととも
に、シールの信頼性を向上できる。
【0074】また、弾性シール部材55が保持溝54か
ら外れたり内側にずれることがないので、弾性シール部
材55の外周部から力が作用してもしめしろが増加せ
ず、摺動摩擦力の増加を防ぐことができる。
【0075】なお、第2および第3の実施例において、
摺動溝57と摺動弾性部58の間にグリスを用いること
によって、より摺動摩擦力を軽減できるとともに、摺動
溝57と摺動弾性部58の間にスケールやゴミが咬む込
むことを防止できる。また、シール性がよいのでグリス
の流出を抑えることができ、長期間に渡って摺動摩擦力
を低減できる。
【0076】図6は本発明の第4の実施例を示すシール
構造を有する自動調圧弁63の断面図であり、図7は図
6の部分拡大断面図である。同図において64はハウジ
ングであり、ハウジング64の周壁には軸線方向に間隔
をおいて第一の流体流入口である水流入口65および第
二の流体流入口である湯流入口66が設けてある。水流
入口65は自動調圧弁63の本体の中の水一次室67お
よび水二次室68を経由し水流出口69に連通し、同様
に湯流入口66は湯一次室70および湯二次室71を経
由し湯流出口72に連通している。ハウジング64内部
には水一次室67と水二次室68の境界部分に水弁座7
3が、また、湯一次室70と湯二次室71の境界部分に
湯弁座74が設けてある。
【0077】75は水一次室67と水二次室68を区切
る水側弁体76と湯一次室70と湯二次室71を区切る
湯側弁体77を連結する軸部材であり、軸部材75の中
心にはハウジング64の摺動ガイド面78と摺動する摺
動部79が設けられている。水側弁体76及び湯側弁体
77は、水弁座73と湯弁座74と間を軸線方向に移動
可能となっており、そのリフト量に応じて、それぞれ水
及び湯の一次側圧力を減圧している。また、摺動部79
の外径と水側弁体76及び湯側弁体77の外径をほぼ同
一とし、水一次室67および湯一次室70において摺動
部79の受圧面積と水側弁体76及び湯側弁体77の一
次室受圧面積がほぼ一致するように構成しており、一次
圧の影響を排除している。
【0078】また、ハウジング64の内壁で摺動部79
の外側をガイドする摺動ガイド面78の一部に設けられ
た保持溝80は、弾性シール部材であるXリング81の
外周側二片からなる保持部82が嵌まる凹溝で、この保
持溝80によって、摺動部79(軸部材75)が軸方向
に動作してもXリング81は定位置のまま保持される。
【0079】また、摺動部79の外周面に設けられた摺
動溝83は、Xリング81の内径側二片からなる弾性摺
動部84とほぼ同じであり、Xリング81がしめしろを
有する外径で、Xリング81の幅に軸部材75の軸方向
の最大移動幅を加えた幅を有する構成である。
【0080】なお、軸部材75の軸のこじれを防止する
ためガイド部85、86が設けられている。また、87
は組立時に軸部材75を挿入するための挿入孔であり、
軸部材75が挿入された後、ガイド部85を設けたプラ
グ88をねじ込むようになっている。
【0081】以上の構成において本実施例の動作につい
て説明する。軸部材75にかかる力を考えた場合、水一
次室67と湯一次室70はXリング81によりシールさ
れているので、水側と湯側をそれぞれ別に考えてよい。
水一次室67における水一次圧の軸線方向への受圧面は
摺動部79と水側弁体76の一次室67側の面および摺
動溝83水側の面であり、軸線方向左側に圧力を受ける
のは摺動部79、軸線方向右側に圧力を受けるのは水側
弁体76の一次室67側の面および摺動溝83水側の面
である。摺動部79の受圧面積と、水側弁体76の一次
室67側の面と摺動溝83水側の面の受圧面積の和は等
しく、軸線方向の力が相殺されるので、水一次室67に
おいて水一次圧の軸部材75への影響を無視できる。こ
こで、軸線方向への力を考えているため受圧面積とは軸
に垂直な面への投影した面積である。同様に、湯一次室
70における湯一次圧の軸線方向への受圧面は摺動部7
9と湯側弁体77の一次室70側の面および摺動溝83
湯側の面であり、軸線方向右側に圧力を受けるのは摺動
部79、軸線方向左側に圧力を受けるのは湯側弁体77
の一次室70側の面および摺動溝83湯側の面である。
摺動部79の受圧面積と、湯側弁体77の一次室70側
の面と摺動溝83湯側の面の受圧面積の和は等しく、軸
線方向の力が相殺されるので、湯一次室70における湯
一次圧の軸部材75への影響を無視できる。従って、軸
部材75の軸線方向に移動しようとする力は、水および
湯二次室68,71側で水側および湯側弁体76,77
の受ける二次圧力の影響のみである。すなわち水および
湯二次室68,71の二次圧が水側弁体及び湯側弁体7
6,77に及ぼす力(すなわち湯と水の二次圧の圧力
差)によって軸線方向に移動する。ここで、水側弁体7
6及び湯側弁体77の二次側受圧面積は等しくしてある
ので、湯と水の二次圧が高い側から低い側へと軸部材7
5は移動し、圧力が高い側の弁開度を小さくし、圧力が
低い側の弁開度を大きくする。従って、圧力が高い側で
は弁による圧力損失が増加することにより二次圧が減少
し、圧力が低い側では弁による圧力損失が減少すること
により二次圧が増加する。そして、湯と水の二次側圧が
等しくなると、軸部材75の軸線方向の力がすべて釣り
合い、軸部材75は停止する。すなわち、二次圧の圧力
バランスが崩れると圧力差によって軸部材75が移動
し、それに従って水側弁体76及び湯側弁体77のリフ
トが変化することで、一次圧の減圧の割合を変化させ、
二次圧を等圧化するというものである。
【0082】このとき、摺動部79もしくはシール部分
の摺動抵抗が大きいと、その摺動抵抗を越える力が軸部
材75に加わるまで軸部材75は移動しない。すなわち
摺動抵抗分の圧力差が二次側圧に生じてしまい、その摺
動抵抗が大きいほど圧力差が大きくなってしまう。
【0083】しかるに、軸部材75の外周面に設けられ
たXリング81の保持部82はハウジング64の内壁の
保持溝80に保持されており、軸部材75の外周面の摺
動溝83がXリング81の弾性摺動部84に対して滑り
ながら相対移動する。ここで、軸部材75の外径部はハ
ウジング64の内壁である摺動ガイド面78に軽く接触
する程度に摺動し、この摺動摩擦力は小さく、またXリ
ング81の弾性摺動部84と摺動する軸部材75の摺動
溝83は摺動部79の外径より細いので、それだけ摺動
接触面が細く小さくなり、このXリング81との摺動摩
擦力も小さい。このことから、水二次圧と湯二次圧の圧
力差がほとんど生じることなく、正確に等圧化を行える
ものである。また摺動抵抗が小さいので、水または湯の
一次圧が変動し、軸部材75が移動する場合でも敏感に
速く作動する。
【0084】また、Xリング81の肉厚および内径,摺
動ガイド面78の径,摺動溝83の径などに寸法ばらつ
きが生じ、Xリング81のしめしろが増加しても、Xリ
ング81はしめしろ増加を圧縮歪みではなく、弾性摺動
部84および保持部82の各片の曲げ歪みにより吸収し
ているので、しめしろ増加に伴う反力の増加を抑制する
ようになっている。すなわち、Xリング81のしめしろ
が増加しても弾性摺動部84の摺動溝83への押しつけ
力が抑制されるので、軸部材75の摺動摩擦力が抑制さ
れる。
【0085】以上述べたように本実施例によれば、ここ
で、Xリング81の弾性摺動部84と摺動する軸部材7
5の摺動溝83は摺動部79の外径より細いので、それ
だけ摺動接触面が細く小さくなり、Xリング81との摺
動摩擦力も小さいので、水二次圧と湯二次圧の圧力差が
ほとんど生じることなく、敏感に速く正確に等圧化を行
うことができる。
【0086】また、Xリング81はしめしろ増加を圧縮
歪みではなく、弾性摺動部84および保持部82の各片
の曲げ歪みにより吸収しているので、Xリング81のし
めしろが増加しても弾性摺動部84の摺動溝83への押
しつけ力が抑制され、軸部材75の摺動摩擦力が抑制す
ることができる。従って、寸法精度を要することなく、
量産性を向上し、低コスト化が実現できる。
【0087】なお、本発明の第1から第4の実施例以外
においても軸部材または弁体が軸線方向に摺動するシー
ル構造であれば、同様の効果が得られる。
【0088】
【発明の効果】以上のように本発明のシール構造は、軸
部材と、弾性シール部材を保持する保持溝と、軸部材の
外周面に設けられ弾性シール部材に対して摺動する摺動
溝を有し、弾性シール部材を保持溝に保持される保持部
と、軸部材の径方向のしめしろの増加による軸線方向へ
の摺動摩擦力増加を抑制する弾性摺動部から構成してお
り、摺動溝により軸部材の摺動径が小さくなり摺動摩擦
力の絶対値を低減できるとともに、弾性摺動部によりし
めしろ増加による軸線方向への摺動摩擦力増加が抑制さ
れるように作用するので、十分なしめしろを確保でき確
実にシールが行えるとともに、摺動性が維持できる。
【0089】また、本発明の湯水混合装置は、ハウジン
グの内壁を摺動ガイド面として軸線方向に移動可能に組
み込んだ湯と水の混合比を調節する略円筒状の弁体と、
摺動ガイド面の一部に設けられ弾性シール部材を保持す
る保持溝と、弁体の外周面に設けられ弾性シール部材に
対して摺動する摺動溝を有し、弾性シール部材を保持部
と、弁体の径方向のしめしろの増加による軸線方向への
摺動摩擦力増加を抑制する弾性摺動部から構成したこと
により、摺動摩擦力を低減できるとともに、弾性シール
部材の弾性摺動部がしめしろの増加により軸線方向の摺
動摩擦力の増加を抑制するように作用するので、感温体
ばねおよびバイアスばね共に小さい付勢力で弁体を駆動
させることができ、感温体ばねおよびバイアスばねは細
く小さいばねで、熱容量が小さく温度変化に対して熱応
答速度が速く作動するように作用するとともに、湯水混
合装置を小型コンパクトにできるものである。
【0090】さらに、ハウジングは第一の流体部材と第
二の流体部材に分割可能であり、第一の流体部材と第二
の流体部材とから保持溝を構成したことにより、弾性シ
ール部材を圧入して組立を行う必要がなく、弾性シール
部材を損傷することなく確実にセットできる。また、長
期間使用し、弾性シール部材が劣化した場合などのメン
テナンスも、ハウジングを分割することによって簡単に
弾性シール材を交換できる。
【0091】加えて、弾性シール部材を断面外周部が略
円形となるシール層とシール層内部に多数の中空部を有
するOリングで構成したことにより、Oリングの圧縮の
しめしろが増加しても、内部が中空状であるため弁体ま
たはハウジングへの押しつけ力の増加が通常のOリング
よりも抑制されるので、弁体の軸線方向への摺動摩擦力
を増加しないという効果がある。また、外周部のシール
層は通常のOリングと同様に略円形となっているので確
実なシールが可能である。
【0092】また、弾性シール部材をXリングで構成し
たことにより、径方向へのしめしろが増加しても、圧縮
弾性ではなく曲げ弾性のしめしろ増加であるとともに、
保持部および弾性摺動部の両側でしめしろを吸収してい
るので、しめしろ増加による弁体への押しつけ力が抑制
され、弁体の軸線方向への摺動摩擦力増加をより抑制す
るという効果がある。また、保持溝側および摺動溝側と
もにそれぞれ二片でシールを行うので確実なシールを行
うことができる。
【0093】また、弾性シール部材の断面形状を略Y字
形状とし、弾性シール部材の外周側の一片を保持部と
し、弾性シール部材の内周側の二片を軸部材または弁体
に接する弾性摺動部として構成したことにより、曲げ弾
性でしめしろの増加を吸収し、弾性摺動部による弁体へ
の押しつけ力を抑制するので、弁体の軸線方向への摺動
摩擦力を増加しないという効果がある。また、スケール
やゴミ等が弁体摺動時に弁体と弾性摺動部の間に咬み込
んでも、弾性摺動部がスケールやゴミの形状に応じて変
形するので、シール性を維持することができるととも
に、弁体または軸部の軸線方向への摺動摩擦力増加を抑
制することができる。
【0094】また、弾性シール部材の保持部から軸線方
向に突出した固定部と、固定部を保持し保持部の径方向
へのずれを防止する径方向保持溝を備えて構成したこと
により、弾性シール部材の径方向へのずれを防止してい
るので、しめしろのばらつきを低減でき、寸法精度を要
することなく、量産性を向上し、低コスト化が実現でき
る。また、第一の流体または第二の流体の圧力が高圧で
あり、第一の流体部材と第二の流体部材と勘合部を通じ
て弾性シール部材外周側に高圧がかかっても固定部が径
方向保持溝に押しつけられるので、外周部にかかる圧力
が高いほど第一および第二の流体間のシール性が向上す
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における湯水混合装置の
断面図
【図2】同湯水混合装置の部分拡大断面図
【図3】本発明の第2の実施例における湯水混合装置の
要部断面の構成図
【図4】同湯水混合装置の部分拡大断面図
【図5】本発明の第3の実施例における湯水混合装置の
部分拡大断面図
【図6】本発明の第4の実施例の自動調圧弁の断面図
【図7】同自動調圧弁の部分拡大断面図
【図8】従来の湯水混合装置の断面図
【図9】同湯水混合装置の部分拡大断面図
【図10】同湯水混合装置の部分拡大断面図
【図11】(a)従来の湯水混合装置の中央部に突起を
設けたツール環の部分拡大断面図 (b)従来の湯水混合装置の両端に突起を設けたツール
環の部分拡大断面図 (c)従来の湯水混合装置の中央及び両端に突起を設け
たツール環の部分拡大断面図
【符号の説明】
11 ハウジング 12 水流入口 13 湯流入口 14 混合水流出口 18 水弁座 19 湯弁座 20 弁体 21 感温体ばね 22 バイアスばね 23 付勢力調節手段 27 摺動ガイド面 28 保持溝 29 Oリング(弾性シール部材) 29c 保持部 29d 弾性摺動部 30 摺動溝 48 電気的付勢力調節手段(付勢力調節手段) 53 摺動ガイド面 54 保持溝 55 弾性シール部材 56 保持部 57 摺動溝 58 弾性摺動部 61 固定部 62 径方向保持溝 64 ハウジング 65 水流入口(第一の流体流入口) 66 湯流入口(第二の流体流入口) 75 軸部材 78 摺動ガイド面 79 摺動部 80 保持溝 81 Xリング(弾性シール部材) 82 保持部 83 摺動溝 84 弾性摺動部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一の流体流入口と第二の流体流入口を軸
    線方向に間隔をおいて周壁に開けたハウジングと、前記
    第一の流体流入口と第二の流体流入口との間の前記ハウ
    ジングの内壁を摺動ガイド面として軸線方向に移動する
    軸部材と、前記摺動ガイド面の一部に設けられ弾性シー
    ル部材を保持する保持溝と、前記軸部材の外周面に設け
    られ前記弾性シール部材に対して摺動する摺動溝を有
    し、弾性シール部材は前記保持溝に保持される保持部
    と、前記軸部材の径方向のしめしろの増加による軸線方
    向への摺動摩擦力増加を抑制する弾性摺動部からなるシ
    ール構造。
  2. 【請求項2】水を流入する第一の流体流入口と湯を流入
    する第二の流体流入口とを軸線方向に間隔をおいて周壁
    に開けたハウジングと、前記水流入口と湯流入口との間
    の前記ハウジングの内壁を摺動ガイド面として軸線方向
    に移動可能に組み込んだ湯と水の混合比を調節する略円
    筒状の弁体と、前記水流入口側で前記弁体の軸線方向の
    一端面に対向する水弁座と、前記湯流入口側で前記弁体
    の軸線方向の他端面に対向する湯弁座と、前記水弁座の
    下流側に設けた混合水流出口と、前記混合水の温度上昇
    に伴い湯の割合を減少させる方向に前記弁体を付勢する
    感温体ばねと、前記弁体を前記感温体ばねとは反対方向
    に付勢するバイアスばねと、前記二つのばねの少なくと
    も一方の付勢力を可変し混合温度を調節する付勢力調節
    手段と、前記摺動ガイド面の一部に設けられ弾性シール
    部材を保持する保持溝と、略円筒状の前記弁体の外周面
    に設けられ前記弾性シール部材に対して摺動する摺動溝
    を有し、弾性シール部材は前記保持溝に保持される保持
    部と、前記弁体の径方向のしめしろの増加による軸線方
    向への摺動摩擦力増加を抑制する弾性摺動部からなる湯
    水混合装置。
  3. 【請求項3】ハウジングは第一の流体流入口を有する第
    一の流体部材と第二の流体流入口を有する第二の流体部
    材に分割可能であり、第一の流体部材と第二の流体部材
    とから保持溝を構成した請求項1記載のシール構造。
  4. 【請求項4】弾性シール部材は、断面外周部が略円形と
    なるシール層と、前記シール層内部に多数の中空部を有
    するOリングで構成された請求項1または3記載のシー
    ル構造。
  5. 【請求項5】弾性シール部材はXリングで構成された請
    求項1または3記載のシール構造。
  6. 【請求項6】弾性シール部材は断面形状が略Y字形状で
    あり、前記弾性シール部材の外周側の一片を保持部と
    し、前記弾性シール部材の内周側の二片を軸部材または
    弁体に接する弾性摺動部として構成した請求項1または
    3記載のシール構造。
  7. 【請求項7】弾性シール部材の保持部から軸線方向に突
    出した固定部と、前記固定部を保持し前記保持部の径方
    向へのずれを防止する径方向保持溝を有する請求項6記
    載のシール構造。
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