JPH09295411A - インクジェットプリンタ及びその駆動方法 - Google Patents

インクジェットプリンタ及びその駆動方法

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JPH09295411A
JPH09295411A JP5034297A JP5034297A JPH09295411A JP H09295411 A JPH09295411 A JP H09295411A JP 5034297 A JP5034297 A JP 5034297A JP 5034297 A JP5034297 A JP 5034297A JP H09295411 A JPH09295411 A JP H09295411A
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千代茂 中澤
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政寛 箕輪
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Abstract

(57)【要約】 【課題】印刷の休止期間中におけるノズル部でのインク
の粘度の増加によるノズル目詰まりの防止あるいは最適
な回復処理を実行し、良好な印字品質を得るようにした
インクジェットヘッドの駆動方法及びその駆動装置を提
供する。 【解決手段】ノズルと該ノズル内のインクに圧力を印加
する圧力発生素子を具備したインクジェットヘッドの駆
動方法であって、第1の電圧を印加する第1の電圧印加
手段と、第1の電圧とは大きさが異なる第2の電圧を印
加する第2の電圧印加手段とを有し、印刷工程に先立っ
て行う予備吐出において、印刷工程の駆動周期と略同
一、ないしより短い周期で複数回分、前記第2の印加手
段を作動し、次に前記第1の印加手段を作動する単位回
復処理工程を少なくとも2回以上実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微少なインク滴を
吐出し、文字、記号、画像等を記録するインクジェット
プリンタに関し、特にインクジェットヘッドのノズルで
増粘したインクを排除するために行うインクジェットヘ
ッドの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタに於いては、イ
ンクジェットヘッドのノズルの目詰まりを防止するため
に印刷開始前、ないしは印刷の休止期間中にインク滴を
数発吐出する動作、いわゆる予備吐出を行っている。即
ち、ヘッドを駆動しない状態で長時間プリンタを放置し
た場合、ヘッド先端のノズルよりインクの溶媒である水
分等が蒸発し、その部分のインクの粘度が上昇し、印刷
の際にインクが吐出しなくなったり、吐出しても本来の
大きさやスピードのインク滴が吐出されなくなる、いわ
ゆるノズル目詰まりを防止するためと、インクの粘度が
上昇することにより、ノズルに対するインクのリフィル
速度が遅くなり、吐出インク量に対してリフィル量が追
いつかず、インクの中に気泡が混入することでインク滴
が吐出されなくなる、いわゆる不吐状態を防止するため
に予備吐出を行っている。
【0003】この予備吐出におけるインクジェットヘッ
ドの駆動方法として、特開平3−15556号公報や特
公平6−39163号公報に開示されている技術があ
る。前者の方法は、インクを吐出可能な値の電力を記録
手段に印加して記録を行った後に、インクを吐出可能な
値未満の値の電力を記録手段に印加することにより、安
定した印字品位の記録を得るものである。後者の方法
は、予備吐出動作時にインクジェットヘッドを駆動する
周波数を、文字や画像等の記録時の最高駆動周波数より
も低く設定することにより、ヘッドの回復を促進し、ヘ
ッドの特性を急速に立ち上げ、速やかに記録動作への移
行を可能にするものである。
【0004】また、ノズルと該ノズルに連通するインク
流路と、該流路の一部に設けられた振動板と、該振動板
に空隙をもって対向する電極とを有し、前記振動板と前
記電極間に電気パルスを印加し、発生する静電気力によ
って前記振動板を変形させ、次にその電気パルスを解除
することにより、振動板の復元力によりインク滴を吐出
するインクジェットヘッドにおいては、ヘッドの繰り返
しの駆動により、振動板及び電極間の誘電体に電荷が残
留し、この残留電荷が作り出す電界により、振動板が完
全に復元せずに撓みを含むことになる。それでは振動板
と電極の相対変位量が低下し、これにより、インク滴の
吐出量や吐出スピードの低下等の不良となり、例えば印
字濃度や画素ずれ等の印刷品質不良や画素抜け等の信頼
性の低下を招くという問題がある。これを防止するた
め、特願平7−81088号公報に記載されている技術
が開示されている。この方法は、記録の際のパルス電圧
とは逆方向のパルス電圧を、1ドット若しくは1行印字
する毎、又はノズルの回復処理動作を行う前に、振動板
と個別電極間に印加して残留電荷を消滅させることによ
り、振動板を完全に復元させ振動板と個別電極との相対
変位量が低下しないようにするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平3−1
5556号公報の技術においては、記録終了後に所定の
電力を記録手段に印加するため、短期間の記録休止後の
ヘッドの回復性はよいが、長期間の休止後のノズル目詰
まりの回復性が劣るという課題があった。また、特公平
6−39163号公報の技術においては、予備吐出動作
時の駆動周波数における周期と、記録時の最高駆動周波
数における駆動の最短周期との間の時間は、ただ単にヘ
ッドが休止している状態であり、ノズル目詰まりの回復
性が劣るという課題があった。
【0006】更に、振動板と電極間に電気パルスを印加
し、発生する静電気力によってインク滴を吐出するイン
クジェットヘッドにおいては、予備吐出のためのヘッド
駆動中にも、振動板及び電極間の誘電体に電荷が残留
し、この残留電荷が作り出す電界により、振動板が変形
し難くなることにより、ノズル目詰まりの回復性が低下
するという課題があった。
【0007】本発明はこのような課題を解決するために
なされたものであり、インクジェットプリンタのノズル
目詰まり防止のための予備吐出を効率よく行うためのヘ
ッド駆動方法を提供することを目的とする。更に、振動
板と電極間に発生する静電気力によってインク滴を吐出
するインクジェットプリンタの予備吐出を効率よく行う
ためのヘッド駆動方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ノズルと該ノ
ズルに対応して該ノズル内のインクに圧力を印加する圧
力発生素子を具備したオンデマンド型のインクジェット
ヘッドを用い、前記ノズルからインク滴を吐出しなが
ら、前記インクジェットヘッドを被記録媒体に対して相
対移動し、文字、記号、画像等を印刷するインクジェッ
トプリンタの駆動方法であって、第1の電圧を印加する
第1の電圧印加手段と、前記第1の電圧とは大きさが異
なる第2の電圧を印加する第2の電圧印加手段とを有
し、印刷工程に先立って、前記インクジェットヘッドを
駆動する予備吐出時において、前記印刷工程の駆動周期
と略同一、ないしより短い周期で複数回分前記第2の印
加手段を作動し、次に前記第1の印加手段を作動する単
位回復処理工程を少なくとも2回以上実行することを特
徴とする。
【0009】本発明によれば、より短い時間に予備吐出
のためのヘッドの駆動を多く行うため、ノズル目詰まり
回復のための効率が良く、上記の課題を解決することが
できる。
【0010】この場合において、第1の電圧の値が、印
刷工程におけるヘッド駆動電圧の値と略同一であり、第
2の電圧の絶対値が、第1の電圧の絶対値より小さく、
前記ノズルからインク滴を吐出せしめない程度の電圧で
あることが望ましく、これにより、第1の電圧ではイン
クが吐出するが、第2の電圧ではインクが吐出しないた
め、たとえノズル部のインクの粘度が上昇しインクのリ
フィル速度が遅くなっても、インクの中に気泡が混入す
ることが無く、不吐状態を招くことはない。更に第1の
電圧を印加する前に、第2の電圧を印加することによっ
て、前記圧力発生素子がPZT等の電気機械変換素子の
場合には、ノズルにできたインクのメニスカスが移動
し、ノズルを形成する流路壁とインクとの摩擦によりイ
ンクが活性化し、加熱され、インクの粘度が低下するこ
とにより、また前記圧力発生素子がサーマルヘッド等の
電気熱変換素子の場合には、素子の発熱によりインクの
粘度が低下することによって、インクが吐出し易くな
り、ひいてはノズル目詰まり回復性が良くなるという効
果を奏する。
【0011】また本発明のインクジェットプリンタの駆
動方法は、インクジェットヘッドが、少なくとも、ノズ
ルと該ノズルに連通するインク流路と、該流路の一部に
設けられた振動板と、該振動板に空隙をもって対向する
電極とを有し、前記振動板と前記電極間に電気パルスを
印加し、発生する静電気力によって前記振動板を変形さ
せ、インク滴を吐出するインクジェットヘッドであり、
第2の電圧が、第1の電圧と逆電位であることを特徴と
する。本発明によれば、印刷工程に先だって行う予備吐
出に於いて、第2の電圧を振動板と電極間に印加するこ
とにより残留電荷を消滅させている。このため、残留電
荷による振動板の撓みはなくなり、振動板と電極との相
対変位量は低下しないため、第1の電圧を振動板と電極
間に印加することにより行うインク吐出を効率よく行う
ことができ、上記の課題を解決することができる。
【0012】また本発明は、ノズルと該ノズルに対応し
て該ノズル内のインクに圧力を印加する圧力発生素子を
具備したオンデマンド型のインクジェットヘッドを用
い、前記ノズルからインク滴を吐出しながら、前記イン
クジェットヘッドを被記録媒体に対して相対移動し、文
字、記号、画像等を印刷するインクジェットプリンタで
あって、第1の電圧を印加する第1の電圧印加手段と、
前記第1の電圧とは大きさが異なる第2の電圧を印加す
る第2の電圧印加手段とを有し、印刷工程に先立って、
前記印刷工程の駆動周期と略同一、又はより短い周期で
複数回分前記第2の印加手段を作動し、次に前記第1の
印加手段を作動する単位回復処理工程を少なくとも2回
以上実行し、第1の電圧の値が、印刷工程におけるヘッ
ド駆動電圧の値と略同一であり、第2の電圧の絶対値
が、第1の電圧の絶対値より小さく、前記ノズルからイ
ンク滴を吐出せしめない程度の電圧であることを特徴と
する。
【0013】更に本発明のインクジェットプリンタは、
前記インクジェットヘッドが、少なくとも、ノズルと該
ノズルに連通するインク流路と、該流路の一部に設けら
れた振動板と、該振動板に空隙をもって対向する電極と
を有し、前記振動板と前記電極間に電気パルスを印加
し、発生する静電気力によって前記振動板を変形させ、
インク滴を吐出するインクジェットヘッドであり、第2
の電圧が、第1の電圧と逆電位であることを特徴とす
る。
【0014】また、本発明のインクジェットプリンタの
駆動方法は、更に、前記第1、第2の電圧とは極性が異
なる第3の電圧を印加する第3の電圧印加手段を有し、
印刷工程に先立って、前記インクジェットヘッドを駆動
する予備吐出時において、前記印刷工程の駆動周期と略
同一、ないしより短い周期で複数回分前記第2の印加手
段を作動し、次に前記第1の印加手段を作動し、更に次
いで前記第3の印加手段を1回以上作動する単位回復処
理工程を少なくとも2回以上実行することを特徴とす
る。また、本発明のインクジェットプリンタは、 複数
の圧力発生素子を備え、各圧力発生素子に共通に接続さ
れる共通端子と、前記各圧力発生素子に個別に接続され
る複数の個別端子と、前記共通端子に第1の電圧を印加
する第1の駆動手段と、 前記各個別端子に、前記第1
の電圧とは異なる第2の電圧を印加する第2の駆動手段
とを有することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を用いて
本発明を詳細に説明する。
【0016】まず、本発明に用いるインクジェットプリ
ンタの一例について以下に説明する。図5は本発明に用
いるインクジェットプリンタの実施例における動作部分
の外観斜視略図である。201はインクジェットヘッ
ド、202はインクジェットヘッド201を搭載するキ
ャリッジ、203はキャリッジ202を支持し、印刷用
紙220上を往復走査させるためのキャリッジ軸、20
4はインクジェットヘッド201に駆動信号を導通させ
るためのFPCである。220は被記録媒体であるとこ
ろの印刷用紙、211は用紙220を案内する紙案内、
210はプリンタ全体を支持するフレーム、213はモ
ータ(図示されていない)へ駆動信号を入力するリード
線とそのコネクタである。また、214はモータの回転
を伝えるモータ歯車、215はキャリッジ202に嵌合
し、モータ歯車214に係合してキャリッジ202を駆
動するタイミングベルト、216a及び216bはタイ
ミングベルト215を案内するプーリである。
【0017】インクジェットヘッド201をキャリッジ
202に搭載し、タイミングベルト215を介してモー
タにより、用紙220上を用紙幅方向に走査し、モータ
信号と同期した信号により選択的にインクジェットヘッ
ド201の任意のノズルを駆動させて、ドットを印刷す
ることにより文字等の情報を印刷する。
【0018】231は紙送り用の傘歯歯車で、232は
紙送り歯車231の円筒上に彫られた紙送り駆動力の切
り替えのための円筒カムである。217はモータ歯車2
14から紙送り歯車231に駆動力を伝達するための伝
達歯車である。233は紙送りの切り替えレバーであ
り、234はレバー233に設けられ紙送り切り替えカ
ム232に係合したカムフォロアピンである。235は
紙送り用の動力を紙送り歯車231の円筒部側面から取
り出すための紙送り動力伝達レバーであり、切り替えレ
バー233と係合し、紙送りローラ(図示せず)に所定
の紙送り動力がキャリッジ202の往復動作に同期して
与えられるよう構成されている。
【0019】250はインク受け部で、251はインク
受け部250に収納されたインク吸収体であり、フェル
トや発泡ゴム等の多孔質材料等よりなる。インク吸収体
251はフレーム210内にも通じて収納されており、
十分なインク量を吸収してもプリンタ外部にはインクが
漏出しないように設けられている。このインク吸収体2
51はインクジェットヘッドのノズルの目詰まりを防止
する際に所定量のインクを吐出するノズル目詰まり回復
処理動作時にインクを受ける為に設置されている。
【0020】ノズル目詰まり回復処理動作ではキャリッ
ジ202をインクジェットヘッド201のノズル部がイ
ンク受け部250に対向する位置までモータによりタイ
ミングベルト215を介して移動させる。ノズル目詰ま
り回復処理動作により吐出されたインクはインク吸収体
251に吸収されて収蔵される。
【0021】更に、インク受け部250に隣接して、ノ
ズルをキャップするキャッピング部を設置し、長期間の
放置によってノズルの目詰まりが制御上の手段によって
も回復できないほどに進行しないような構成にする事も
可能である。
【0022】図4は本発明の一実施例の機能構成図であ
る。420はプリンタを作動可能にする電源スイッチで
あり、電源には一例としてAC電源を駆動源として用い
てこれにDCレギュレーターが接続されている。401
はノズル、圧力発生素子を有し、ノズルよりインク滴を
吐出させる機能を有するインクジェットヘッドである。
402はインクジェットヘッドを移動させたり、紙など
の被記録媒体を移動させたりする機能を有する駆動モー
タである。404は計時手段で、時間の計測を行う。4
06はノズル目詰まりの回復処理を制御する回復処理手
段である。
【0023】また、410は印刷演算制御手段であり、
パソコン等の外部指令装置からの印刷データをプリンタ
言語に展開すると共に、印刷指令信号に基づき、インク
ジェットヘッド401及び駆動モータ402を印刷制御
信号により制御し印刷制御を実行する。更に印刷演算制
御手段410は、液晶パネル等からなる表示手段409
の表示制御等を行うと共に、上記計時手段404を起動
するための初期化信号を出力する。411は記憶手段で
あり、印刷演算制御手段が演算処理等をする時に用いる
ものであり、印刷データや展開されたプリンタ言語を一
時記憶する。412も記憶手段であり、ノズル目詰まり
回復処理に必要なデータや、計時手段404の計時結果
を一時記憶する。
【0024】一方、プリンタの電源が投入された時点
や、印刷指令信号が入力された時点では一般的に長時間
プリンタが使用されていない可能性が極めて高いので、
この時点で回復処理手段406を作動し、インクジェッ
トヘッド401及び駆動モータ402を制御して回復処
理を行う。
【0025】その回復処理と同時に、計時手段404を
リセットする。計時手段404は所定の時間の計測を行
い、その計時情報を回復処理手段406に伝達する。回
復処理手段406は計時情報に基づいて、回復処理信号
により、インクジェットヘッド401及び駆動モータ4
02を制御して回復処理を行う。一般に回復処理はイン
ク受け部までキャリッジを移動して実行されるため駆動
モータの制御が必要となる。しかしながら、記録紙の上
に吐出しても、この後所定の紙送り動作を実行すれば印
刷結果と混同することはないので必ずしも駆動モータの
制御を必要としない。
【0026】図1は本発明のインクジェットプリンタの
制御方法の一例を示すフローチャートであり、(a)は
メインルーチンを、(b)はサブルーチンを示してい
る。
【0027】プリンタの電源スイッチ420が投入され
ると、まず、ステップS0で回路、プリンタ機構部等の
イニシャライズが実行される。ステップS1で未使用期
間中に増粘したインクからの回復を促進するため、回復
処理手段406を作動し、ノズル目詰まり回復処理動作
を行う。ノズル目詰まり回復処理動作は図中ノズル目詰
まり回復処理動作ルーチン(b)のステップSS1から
SS3で示され、インクジェットヘッドの回復処理を行
う一連の動作により示される。ステップSS1でインク
ジェットヘッドを搭載したキャリッジを待機位置より、
インク吸収体が収納されたインク受け部へ移動する。次
にステップSS2でノズル目詰まり回復処理を行う。ノ
ズル目詰まり回復処理とは、インクジェットヘッドのノ
ズル部で増粘したインク等の、インク吐出不良の原因と
なる不良インクを排出するために、全ノズルに対応する
圧力発生素子を駆動することで、全てのノズルからイン
クを所定回数吐出させることである。通常、ノズル当た
り、数発から数百発の吐出を行い、増粘した不良インク
をノズル外に排出する。電源投入時は一般的に長時間ヘ
ッドが使用されていない可能性が高いので、数百発とい
う、ノズル目詰まり回復処理動作による回復可能な最大
処理回数のインク吐出が実行される。ノズル目詰まり回
復処理終了後、ステップSS3で再び待機位置へキャリ
ッジを復帰させて、一連のノズル目詰まり回復処理動作
を終了する。
【0028】ノズル目詰まり回復処理動作終了後、計時
手段404のリセットが行われ、所定時間を計測し始め
る。この計時はノズル目詰まり回復処理の必要な最低時
間の経過を判断するためと、更にその時点からの経過時
間を計測する。ステップS2で計時手段が所定の時間を
計測したかどうか判断するために、タイマーアップ信号
の発生の有無を判断する。ここで、タイマーアップ信号
が発生していた場合には、ステップS8へ進み、ノズル
目詰まり回復処理動作ルーチンに示されるノズル目詰ま
り回復処理動作を行って、ステップS3へ進む。ここで
行うノズル目詰まり回復処理における吐出回数は、計時
手段404の設定時間によって予め決められている。ス
テップS2でタイマーアップ信号が無かった場合には、
ステップS3へ進む。ステップS3では印刷を行うか否
かの判断を行う。印刷を行わない場合にはステップS2
へ戻る。パソコン等からの印刷指令信号があり、印刷を
行う場合には、ステップS4で、ノズル目詰まり回復処
理動作ルーチンに示されるノズル目詰まり回復処理動作
を行って、ステップS5で計時手段404をリセットす
る。ステップS6で、印刷を実行し、ステップS7でキ
ャリッジを待機位置へ復帰させ、ステップS9で電源が
ON状態かどうか判断しON状態ならステップS2へ戻
る。電源がOFFされていれば一連の動作を終了する。
【0029】このようにして、本発明の一実施例によれ
ば、電源投入直後にノズル目詰まり回復処理動作による
回復処理をし、その後、印刷が行われなければ、所定時
間毎に回復処理を行うことになる。又、印刷の直前にも
回復処理を行う。
【0030】電源投入時に一度回復処理を実行しておく
ので、プリンタを実際に使用する直前でのノズル目詰ま
り回復処理はきわめて短時間、及び小回数に抑制でき印
刷待ち時間を抑制することが可能である。
【0031】印刷直前のノズル目詰まり回復処理は、そ
れ以前の未使用時間の間にインクジェットヘッドのノズ
ル部で増粘したインク等の不良インクを排出するために
行うものであるが、所定時間毎に回復処理を行っている
ため、印刷直前のノズル目詰まり回復処理時間、回数を
更に抑制できる。
【0032】電源投入直後に行うノズル目詰まり回復処
理回数、所定時間毎に行うノズル目詰まり回復処理回数
とその所定時間、印刷の直前に行うノズル目詰まり回復
処理回数は、全て記憶手段412にテーブルとして記憶
されていて、回復処理手段406はこのデータに基づい
て、ノズル目詰まり回復処理回数と所定時間を設定す
る。
【0033】またノズルのキャッピング機構やポンピン
グ機構と組み合わせることにより更に信頼性を高めるこ
とができる。本実施例においては、プリンタの電源投入
直後と所定時間毎にノズル目詰まり回復処理を行ってい
るが、キャッピング機構やポンピング機構を有する場合
には、これらのノズル目詰まり回復処理を実施しない場
合もある。
【0034】図2は、本発明のプリンタの動作を記述し
たタイミングチャートである。40aは電源の状態を、
40bは計時手段のカウント状態、すなわちタイマー信
号を示している。図中一点鎖線40fはタイマー信号4
0bのタイマーアップ時間を示し、タイマー信号40b
が時間あるいはクロックを計数する所定の値を示してい
る。
【0035】40cはタイマーアップした時に計時手段
により出されるタイマーアップ信号である。また、40
dは印刷信号を、40eはノズル目詰まり回復処理信号
を示している。電源投入a41後、ノズル目詰まり回復
処理動作e31によりノズル目詰まり回復処理を行う。
次に所定時間内に印刷信号40dがなく、印刷が行われ
ないのでタイマーアップ信号40cはタイマーアップc
41を発生し、ノズル目詰まり回復処理e42が実行さ
れる。その後間もなく、印刷d41が行われ、この印刷
の最初に印刷信号により計時手段はリセットされると共
に、ノズル目詰まり回復処理動作e51が実行される。
以降、印刷信号40dが長時間なければタイマーアップ
c42、c43、c44毎にノズル目詰まり回復処理動
作e43、e44、e45が実行される。
【0036】ここで前述のタイマーアップ時間40fが
短いと、頻繁にノズル目詰まり回復処理を行うため、こ
れに消費されるインク量が多くなり、印刷に使えるイン
ク量が少なくなるため、1つのヘッドないし、1つのカ
ートリッジ当たりの印刷可能文字数が低下する。更にキ
ャリッジを移動するためこれに要するエネルギー消費が
無視できない。またタイマーアップ時間40fが余り長
いとノズル部分における不良インク量が多くなり、印刷
直前の回復処理回数が大幅に多くなり、印刷待ち時間が
長くなる。このため、タイマーアップ時間40fは放置
によるインクジェットヘッドのノズル内のインクの粘度
の増加が印刷直前の回復処理により回復可能となる時間
以内に設定される。言い換えると、タイマーアップ信号
40cによるノズル目詰まり回復処理動作e42、e4
3、e44、e45、e46での消費インク量と、印刷
信号40dによるノズル目詰まり回復処理動作e51、
e52での消費インク量の総和が最少になるように設定
される。本実施例では、タイマーアップまでの所定時間
を60分間とし、吐出回数をノズル当り3回から10回
の単位回復処理工程としている。
【0037】長時間印刷を行わない場合、ノズル部での
インクの増粘が生ずるので、上記のようにタイマーアッ
プ毎にノズル目詰まり回復処理動作による回復処理を行
うことにより、安定したインク吐出を行い、優れた印刷
品質を確保することができるのである。
【0038】上記印刷信号による計時手段のリセットに
は一連の印刷データの最初に発生する信号であっても良
いし、一行に一回発生する信号であっても良い。更に印
刷終了時の印刷終了信号でも良い。これらは印刷演算制
御手段の処理によって任意に選択可能である。上記実施
例では一連の印刷の最初の信号を用いている。
【0039】ここで本実施例におけるノズル目詰まり回
復処理信号によるヘッド駆動方法を、図3のタイミング
チャートを用いて更に詳細に説明する。図3のタイミン
グパルス310は、ヘッド駆動の基本となるタイミング
パルス波形であり、所定の周期T0でパルスt1、t2、
t3、t4、t5…が出力されている。印刷におけるヘッ
ド駆動は、パルスt1、t2、t3…に基づき行われる。
すなわち印刷において連続してインク滴を吐出する場合
には、t1、t2、t3、t4、t5…と周期T0でインク
滴を吐出する。また時間をあけてインク滴を吐出する場
合には、例えばt1、 t5とT0の4倍の周期でインク
滴を吐出する。311はノズル目詰まり回復処理におけ
るヘッド駆動信号であり、便宜的に縦軸はヘッド駆動電
圧を示す。一定周期T1で出力されるノズル目詰まり回
復処理信号f1、f2、f3、f4のヘッ ド駆動電圧は、
印刷の際のヘッド駆動電圧と同じVHであり、その間に
タイミングパルス波形と同じ周期T0で出力されるノズ
ル目詰まり回復処理信号f11、 f12、f13、f2
1、f22、f23、f31、f32、f33、f41、f4
2、f43のヘッド駆動電圧は、VHより小さいVLで
ある。すなわち図のようにタイミングパルス波形の周期
と同じT0で駆動電圧VLで3回ヘッドを駆動し、更に
周期T0後に、印刷の際のヘッド駆動電圧VHで1回ヘ
ッドを駆動する。この一連の動作を周期T1で4回繰り
返す。
【0040】こうすることにより、f11、f12、f1
3のヘッド駆動電圧VLはVHより小さいため、吐出イ
ンク量が小さく、予備吐出による無駄なインク消費量は
少なくなる。
【0041】更にヘッド駆動電圧VLをインクを吐出さ
せない最大値とする場合には、予備吐出による無駄なイ
ンク消費量は更に少なくなると共に、f11、f12、f
13のヘッド駆動により、ノズル内のインクのメニスカ
スが移動し、ノズルを形成する流路壁とインクとの摩擦
によりインクが活性化し、加熱され、インクの粘度が低
下するか、素子の発熱によりインクが加熱され、インク
の粘度が低下することによりインクが吐出し易くなり、
f1信号のヘッド駆動によるインクの吐出において、よ
り効率よくノズル目詰まり回復がなされる。この場合更
に、インクの溶媒である水分等が蒸発することで、たと
えノズル部のインクの粘度が上昇しても、上記理由でイ
ンクが活性化されているため、インクのリフィル速度が
遅くなることによるインクへの気泡の混入が無く、不吐
状態を招くことはない。
【0042】本実施例においては、ノズル目詰まり回復
処理におけるヘッド駆動信号f11、f12、f13等の
周期を印刷におけるヘッド駆動信号の周期T0と同一に
したが、これより短くしても構わない。またノズル目詰
まり回復処理信号f1、f2、f3、f4それぞれの前の
ヘッド駆動を、信号f11、f12、f13等と3回実施
したが、3回にこだわることはなく、2回以上であれば
何回でも構わない。更に印加電圧がVLであるノズル目
詰まり回復処理におけるヘッド駆動信号f11、f12、
f13と印加電圧がVHであるノズル目詰まり回復処理
におけるヘッド駆動信号f1の単位回復処理工程を4回
行ったが、2回以上何回でも構わない。これらの周期と
処理回数は、ノズル部におけるインクの増粘のし易さ
(インクの溶媒の蒸発のし易さ)、インクジェットヘッ
ドのインク吐出性能、ノズル目詰まり回復処理で消費で
きるインク量、ノズル目詰まり回復処理に当てられる時
間等から決定される。
【0043】図6は本発明の一実施例のインクジェット
プリンタに用いるインクジェットヘッドの振動部すなわ
ちアクチュエータ部の分解斜視図である。インクジェッ
トヘッド10は次に詳述する構造を持つ3枚の基板1、
2、3を重ねて接合した積層構造となっている。
【0044】中間の第1の基板1は、シリコンウエハー
からできており、複数のノズル孔4を構成するように、
基板1の表面に一端より平行に等間隔で形成された複数
のノズル溝11と、各々のノズル溝11に連通し、底壁
を振動板5とする吐出室6を構成することになる凹部1
2と、インク流入口のための細溝13と、各々の吐出室
6にインクを供給するための共通のインクキャビティ8
を構成することになる凹部14とがあらかじめ形成され
る。また、振動板5の下面には、シリコンの熱酸化によ
り絶縁層(図6においては図示せず)が形成され、更に
下部には電極を被着し振動室9を構成することになる凹
部15が設けられている。
【0045】また、第1の基板1には共通電極17が付
与されているが、共通電極17の材料として、本実施例
ではクロムを下付けとした金を使用しているが、これに
限定されるものではなく、シリコンウエハー及び電極材
料の特性により別の組合わせでもよい。また、本実施例
で用いられるシリコンウエハーの抵抗率は8〜12Ωc
mである。
【0046】第1の基板1の下面に接合される第2の基
板2にはホウ珪酸系ガラスを使用し、この第2の基板2
の接合によって振動室9を構成するとともに、第2の基
板2上の振動板5に対応する各々の位置に、金を略0.
1μmスパッタリングにより被着し、振動板5とほぼ同
じ形状に金パターンを形成して個別電極21としてい
る。個別電極21はリード部22と端子部23を持つ。
更に、電極端子部を除きパイレックスガラスのスパッタ
膜を全面に0.2μm被覆して絶縁層24を形成し、イ
ンクジェットヘッド駆動時の絶縁破壊、ショートを防止
するための膜を形成している。
【0047】第1の基板1の上面に接合される第3の基
板3は、第2の基板2と同じくホウ珪酸系ガラスを用い
ている。この第3の基板3の接合によって、ノズル孔
4、吐出室6、オリフィス7及びインクキャビティ8が
構成される。そして、第3の基板3にはインクキャビテ
ィ8に連通するインク供給口31が設けられる。インク
供給口31はパイプ32及びチューブ33を介して図示
しないインクタンクに接続される。
【0048】次に、第1の基板1と第2の基板2を適当
な位置で重ね合わせた後、300〜500℃の周囲温度
において、500〜800Vの電圧を印加し、いわゆる
陽極接合し、また同条件で第1の基板1と第3の基板3
を接合し、インクジェットヘッドを組み立てる。陽極接
合後に、振動板5と第2の基板2上の個別電極21との
間の間隔は、凹部15の深さと個別電極21の厚さとの
差であり、本実施例では0.5μmとしてある。また、
振動板5と個別電極21上の絶縁層24との空隙間隔は
0.3μmとなっている。
【0049】上記のように構成されたアクチュエータ部
を固定するように外装部品で被ってインクジェットヘッ
ドと成し、図示しないインクタンクよりインク供給口3
1を経て第1の基板1の内部、インクキャビティ8、吐
出室6、ノズル孔4等にインクを供給すると共に、共通
電極17と個別電極21の端子部23にそれぞれFPC
204の端子部を結線し、ヘッド制御部102に接続す
る。ヘッド制御部102は、図4に示す印刷演算制御手
段、回復処理手段等から構成されている。このようにし
て構成したインクジェットヘッドを図5に斜視外観を、
図4に機能構成を示すインクジェットプリンタに搭載
し、図1のフローチャートに示す制御方法と図2のタイ
ミングチャートに従って駆動する。
【0050】次に上記のように構成された本実施例のイ
ンクジェットヘッドのアクチュエータ部の電気的接続に
ついて説明する。
【0051】金属−絶縁層−半導体層からなる構造、い
わゆるMIS構造において、印加電圧の極性により、電
流の値に大きな差がある場合と差のない場合が生ずるこ
とが、空間電荷層(空乏層ともいう)の影響から現象と
して知られている。基板材質である半導体がP形シリコ
ンの場合は、基板電極側にプラス電圧をかけた時は導体
とみなせるが、マイナス電圧をかけた時は空間電荷層の
存在により導体とはみなせずに容量を持つことがわかっ
ている。
【0052】図7及び図8は本実施例におけるインクジ
ェットヘッドの駆動原理を示す振動板5と個別電極21
の部分の動作説明図であり、電荷の様子を模式化して示
したものである。第1の基板1にP形シリコンを用い、
第1の基板1(振動板5)側、すなわち共通電極17を
プラス極性、個別電極21側をマイナス極性になるよう
に駆動回路102に接続し、パルス電圧を印加した場合
である。
【0053】P形シリコンはボロンをドープしており、
電子がドープされたボロンの数だけ不足するので、ドー
プ量と等しい正孔を持っていることが知られている。P
形シリコン中の正孔19は共通電極17のプラス電荷に
より、絶縁層26側へ反発させられる。この正孔19の
移動により、アクセプター(イオン化したボロン)は、
共通電極17から電荷の供給を受けるので、第1の基板
1内には正孔の流れが生じ、空間電荷層を発生せず導体
とみなすことができる。また個別電極21側はマイナス
電荷が帯電され、この結果、印加したパルス電圧が振動
板5を撓ませるに充分な静電気による吸引力を発生す
る。したがって、振動板5は個別電極21側へ撓むこと
になる。
【0054】次に振動板と個別電極との間にある誘電体
の残留電荷について説明する。前述したように振動板5
は半導体であり、共通電極17は金属で形成され、それ
らは、オーミック接続されている。
【0055】この振動板5は絶縁層26で覆われてい
る。そして、個別電極21に形成された絶縁層24はギ
ャップ16を介して絶縁層26と対向しており、これら
の絶縁層26、ギャップ16及び絶縁層24は全体とし
て絶縁層27を形成している。従って、ここでは振動板
5と個別電極21とによって構成される平行平板コンデ
ンサ内に誘電体が介在したモデルとしてとらえることが
できる。誘電体は保護膜絶縁層24,26に相当する。
平行平板に電圧を印加すると、誘電体は印加電界を打ち
消すような方向の(電界とは逆方向に)分極を発生す
る。この分極のほとんどは印加電圧を切り、コンデンサ
に蓄えられた電荷を抵抗を介して放電すると短い時間で
消滅する。放電後から分極が消滅するまでの遅れ時間を
緩和時間といい、分極の種類によって大きく異なる。
【0056】本実施例の振動板5と個別電極21の内部
の誘電体(絶縁層)の分極の場合には、緩和時間の短い
原子分極や電子分極以外に、イオン分極や界面分極と呼
ばれる比較的分極緩和時間の長い分極成分を含んでい
る。イオン分極は絶縁層内部のNa+,K+,B+等が
印加電界に沿って移動することによって発生するもので
あり、界面分極は、誘電体が不均質構造である場合、誘
電率の異なる媒質が接触する境界面に発生する分極であ
り、酸化シリコンと純シリコンの境界面に生ずるもので
ある。このため、本実施例の振動板5と個別電極21の
内部の誘電体(24,26)は、電界の繰返し印加もし
くは長時間の連続印加により分極の一部が完全に消失せ
ず分極が長時間にわたって残る。これにより誘電体は残
留分極を有するようになり、振動板5−電極21間に残
留する分極が作り出す残留電界Pが振動板5と個別電極
21とのギャップを小さくし結果として相対変位量の低
下を招く。
【0057】このような振動板5と個別電極21との相
対変位量の低下は、インク滴の吐出量や吐出スピードの
低下等の吐出不良の原因となり、インクジェットプリン
タの信頼性や印刷品質に悪影響を及ぼしてしまう。ま
た、一度吐出不良が発生したノズルではインクの粘度が
徐々に増加し、通常の吐出動作では、増粘したインクを
排出することができなくなってしまう。この相対変位量
の低下は、ノズル目詰まり回復処理のための予備吐出中
においても発生する。そこで、本実施例においては後述
するように、振動板5と個別電極21との間に予備吐出
とは逆方向の電界の印加を施すことにより、上述の残留
電荷を消滅させ、ノズル目詰まり回復処理の効果を向上
させている。
【0058】本実施例におけるノズル目詰まり回復処理
信号によるヘッド駆動方法を、図3のタイミングチャー
トを用いて説明する。図3における312が、本実施例
におけるノズル目詰まり回復処理の為のヘッド駆動信号
であり、信号311と同様に、便宜的に縦軸はヘッド駆
動電圧を示す。一定周期T2で出力されるノズル目詰ま
り回復処理信号g1、g2、g3のヘッド駆動電圧は、印
刷の際のヘッド駆動電圧と同じVHであり、その間にタ
イミングパルス波形と同じ周期T0で出力されるノズル
目詰まり回復処理信号g11、g12、g13、g14、g
21、g22、g23、g24、g31、g32、g33、g
34のヘッド駆動電圧は、VHより小さく逆電位のVL
Lである。すなわち図のようにタイミングパルス波形の
周期と同じT0で駆動電圧VLLで4回ヘッドを駆動
し、更に周期T0後に、印刷の際のヘッド駆動電圧VH
で1回ヘッドを駆動する。この一連の動作を周期T2で
3回繰り返す。
【0059】こうすることにより、g1のヘッド駆動に
より発生した残留電荷を、g21、g22、g23、g2
4のヘッド駆動により消滅させ、同様にg2のヘッド駆
動により発生した残留電荷を、g31、g32、g33、
g34のヘッド駆動により消滅させることにより、ノズ
ル目詰まり回復処理信号g2、g3によるヘッド駆動に
おいて、振動板5と個別電極21との相対変位量は低下
することなく、本来の吐出量やインクスピードのインク
滴が吐出されるため、ノズル目詰まり回復処理の効果が
向上する。更に前述した予備吐出による無駄なインク消
費量は少ないこと、g21、g22、g23、g24のヘ
ッド駆動により、ノズル内のインクのメニスカスが移動
し、ノズルを形成する流路壁とインクとの摩擦によりイ
ンクが活性化し、加熱され、インクの粘度が低下するこ
とによりインクが吐出し易くなり、g1、g2、g3信号
のヘッド駆動によるインクの吐出において、より効率よ
くノズル目詰まり回復がなされること、インクのリフィ
ル速度が遅くなることによるインクへの気泡の混入が無
く、不吐状態を招くことが無いこと等の効果を合わせて
持つ。
【0060】本実施例においては、ノズル目詰まり回復
処理におけるヘッド駆動信号g21、g22、g23、g
24等の周期を印刷におけるヘッド駆動信号の周期T0
と同一にしたが、これより短くしても構わない。またノ
ズル目詰まり回復処理信号g1、g2、g3それぞれの前
のヘッド駆動を、信号g11、g12、g13、g14等
と4回実施したが、4回にこだわることはなく、2回以
上であれば何回でも構わない。更に印加電圧がVLLで
あるノズル目詰まり回復処理におけるヘッド駆動信号g
11、g12、g13、g14と印加電圧がVHであるノ
ズル目詰まり回復処理におけるヘッド駆動信号g1から
構成される単位回復処理工程を3回行ったが、2回以上
何回でも構わない。これらの周期と処理回数は、ノズル
部におけるインクの増粘のし易さ(インクの溶媒の蒸発
のし易さ)、インクジェットヘッドのインク吐出性能、
ノズル目詰まり回復処理で消費できるインク量、ノズル
目詰まり回復処理に当てられる時間等から決定される。
【0061】図10は、本発明の他の実施例を示すもの
であり、ノズル目詰まり回復処理信号によるヘッド駆動
方法を示すタイミングチャートである。
【0062】図10のタイミングパルス310は、ヘッ
ド駆動の基本となるタイミングパルス波形であり、所定
の周期T0でパルスt1、t2、t3、t4、t5…が出力
されている。印刷におけるヘッド駆動は、パルスt1、
t2、t3…に基づき行われる。すなわち印刷において
連続してインク滴を吐出する場合には、t1、t2、t
3、t4、t5…と周期T0でインク滴を吐出する。また
時間をあけてインク滴を吐出する場合には、例えばt
1、 t5とT0の4倍の周期でインク滴を吐出する。3
13はノズル目詰まり回復処理におけるヘッド駆動信号
であり、便宜的に縦軸はヘッド駆動電圧を示す。一定周
期T1で出力されるノズル目詰まり回復処理信号f1、
f2、f3のヘッド駆動電圧は、印刷の際のヘッド駆動
電圧と同じVHであり、その前にタイミングパルス波形
と同じ周期T0で出力されるノズル目詰まり回復処理信
号f11、f12、f13、f21、f22、f23、f3
1、f32、f33のヘッド駆動電圧は、VHより小さい
VLである。また、信号f1、f2、f3の後にタイミン
グパルス波形と同じ周期T0で出力されるノズル目詰ま
り回復処理信号g11、g12、g21、g22、g31、
g32のヘッド駆動電圧は、VHより小さく逆電位のV
LLで ある。すなわち図のようにタイミングパルス波
形の周期と同じT0で駆動電圧VLで3回ヘッドを駆動
し、更に周期T0後に、印刷の際のヘッド駆動電圧VH
で1回ヘッドを駆動し、更に周期T0後に、タイミング
パルス波形の周期と同じT0で駆動電圧VLLで2回ヘ
ッドを駆動する。この一連の動作を周期T1で3回繰り
返す。
【0063】こうすることにより、f11、f12、f1
3のヘッド駆動電圧VLはVHより小さいため、吐出イ
ンク量が小さく、予備吐出による無駄なインク消費量は
少なくなる。
【0064】更にヘッド駆動電圧VLをインクを吐出さ
せない最大値とする場合には、予備吐出による無駄なイ
ンク消費量は更に少なくなると共に、f11、f12、f
13のヘッド駆動により、ノズル内のインクのメニスカ
スが移動し、ノズルを形成する流路壁とインクとの摩擦
によりインクが活性化し、加熱され、インクの粘度が低
下するため、インクが吐出し易くなり、f1信号のヘッ
ド駆動によるインクの吐出において、より効率よくノズ
ル目詰まり回復がなされる。この場合更に、インクの溶
媒である水分等が蒸発することで、たとえノズル部のイ
ンクの粘度が上昇しても、上記理由でインクが活性化さ
れているため、インクのリフィル速度が遅くなることに
よるインクへの気泡の混入が無く、不吐状態を招くこと
はない。
【0065】また更にf11、f12、f13とf1信号
のヘッド駆動により発生した残留電荷を、g11、g1
2のヘッド駆動により消滅させ、f21、f22、f23
とf2信号のヘッド駆動により発生した残留電荷を、g
21、g22のヘッド駆動により消滅させることによ
り、ノズル目詰まり回復処理信号f2、f3によるヘッ
ド駆動において、振動板5と個別電極21との相対変位
量は低下することなく、本来の吐出量やインクスピード
のインク滴が吐出されるため、ノズル目詰まり回復処理
の効果が向上する。
【0066】またヘッド駆動電圧VLLをインクを吐出
させない最大値とする場合には、予備吐出による無駄な
インク消費量は更に少なくなる。
【0067】本実施例においては、ノズル目詰まり回復
処理におけるヘッド駆動信号f11、f12、f13やg
21、g22等の周期を印刷におけるヘッド駆動信号の
周 期T0と同一にしたが、これより短くしても構わな
い。またノズル目詰まり回復処理信号f1、f2、f3そ
れぞれの前のヘッド駆動を、信号f11、f12、f13
等と3回実施したが、3回にこだわることはなく、2回
以上であれば何回でも構わない。またノズル目詰まり回
復処理信号f1、f2、f3それぞれの後のヘッド駆動
を、信号g11、g12等と2回実施したが、2回にこ
だわることはなく 、1回以上であれば何回でも構わな
い。更に印加電圧がVLであるノズル目詰まり回復処理
におけるヘッド駆動信号f11、f12、f13と印加電
圧がVHであるノズル目詰まり回復処理におけるヘッド
駆動信号f1と印加電圧がVLLであるノズル目詰まり
回復処理におけるヘッド駆動信号g11、g12から構
成され る単位回復処理工程を3回行ったが、2回以上
何回でも構わない。これらの周期と処理回数は、ノズル
部におけるインクの増粘のし易さ(インクの溶媒の蒸発
のし易さ)、インクジェットヘッドのインク吐出性能、
ノズル目詰まり回復処理で消費できるインク量、ノズル
目詰まり回復処理に当てられる時間等から決定される。
【0068】図3、図10に示すヘッド駆動信号31
1、313は、以下に説明する駆動回路によって生成す
ることができる。図11は、図6のインクジェットヘッ
ド10を駆動するためのドライバ102の主要部分を示
す回路図である。
【0069】図中、180は、印刷データ、もしくは予
備吐出データに基づいてヘッド側に出力されるデータ信
号D1〜Dnに従って、各ノズルN1〜Nnに駆動信号
を与えるための駆動パルス生成回路である。
【0070】駆動パルス生成回路180では、所定幅の
パルス幅をもつタイミングパルスTpが各NAND素子
181の一方の入力端子に入力され、データ信号D1〜
DnをNOT素子182で反転したものが、各NAND
素子181の他方の入力端子に入力される。
【0071】ドライバ102は、共通電極17側を駆動
するためのドライバ190aと、データ信号D1〜Dn
に従って、各個別電極21を駆動するための190bと
から構成される。ドライバ190aは、共通電極17側
の電圧をV1とGND(0V)に切り換え、ドライバ1
90bは、個別電極21側の電圧をV2とGND(0
V)に切り換える機能を有する。従って、対向電極間
(振動板5−個別電極21間)には、V1、V1−V2
の2種類の電圧を印加することが可能である。(0Vを
含むと3種類) ドライバ190aは、主として、トランジスタQ1、Q
2、抵抗R1、R2とからなり、その入力端子にはタイ
ミングパルスTpが入力される。タイミングパルスTp
がON状態(H論理)に切り換わると、トランジスタQ
1がONし、共通電極17側に電圧V1が印加される。
タイミングパルスTpがOFF状態(L論理)になる
と、トランジスタQ1がOFFし、同時にトランジスタ
Q2がONし、共通電極17はGND(0V)に接続す
る。
【0072】一方、ドライバ190bは、主としてトラ
ンジスタQ3、Q4、抵抗R3、R4とからなる回路
が、各個別電極21の本数分(n個)設けられている。
ドライバ190bの各入力端子は、駆動パルス生成回路
180の各出力端子に接続されている。X番目のノズル
Nxに着目すると、ノズルNxのデータDxがH論理に
あるとき、即ち、ノズルNxから吐出を行おうとすると
き、タイミングパルスTpがON状態(H論理)に切り
換わると、トランジスタQ4がONし、対応する個別電
極10xは、GNDに接続する。
【0073】また、ノズルNxのデータDxがL論理に
あるとき、即ち、ノズルNxから吐出しないとき、タイ
ミングパルスTpがON状態(H論理)に切り換わる
と、トランジスタQ3がONし、対応する個別電極10
xには、電圧V2が印加される。
【0074】以上、タイミングパルスTp、データ信号
Dxと、対向電極間の電位の関係をまとめると図12の
ようになる。即ち、2種類の電圧V1、V1−V2を対
向電極間(振動板5−個別電極21間)に印加すること
が可能となる。
【0075】このように、インクジェットヘッドには、
共通端子に印加される電気パルスと、セグメント端子に
印加される電気パルスの差分が印加されることになる。
各電気パルスは、各駆動手段によって、独立してインク
ジェットヘッドに印加されるため、複雑な制御を行うこ
となく振幅の異なる2つの電気パルスを選択的に印加で
きる。
【0076】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、ノズ
ル目詰まり回復のための予備吐出において、ノズル内の
インクのメニスカスが移動し、ノズルを形成する流路壁
とインクとの摩擦によりインクが活性化し、加熱され、
インクの粘度が低下するか、素子の発熱によりインクが
加熱され、インクの粘度が低下することによりインクが
吐出し易くなり、より効率よくノズル目詰まり回復がな
される。よって、インクジェットヘッドの状態に対応し
て最適なノズル回復処理が実行され、極めて効率的に、
ノズルの目詰まり防止、あるいは回復処理を実行するこ
とが可能となった。
【0077】また本発明によれば、インクの溶媒である
水分等が蒸発することで、たとえノズル部のインクの粘
度が上昇していても、インクが活性化されているため、
インクのリフィル速度が遅くならず、インクへの気泡の
混入による不吐状態を招くことが無くなった。
【0078】更に本発明によれば、回復処理時の余計な
インク消費を抑制できるようになった。
【0079】また本発明によれば、印刷工程の直前に、
ノズル目詰まり回復のためのインク吐出を実行すること
により、ノズルの回復あるいは目詰まり防止を達成し、
ノズル近傍のインクを均一化し、印字ドットの形成を常
に安定化することが可能となった。
【0080】本発明によれば、個別電極とこれに対向し
て配置された振動板との間に静電引力を働かせてインク
吐出を行うインクジェットヘッドにおいて、ノズル目詰
まり回復のための予備吐出を、アクチュエータの残留電
荷を除去しながら実行することにより、予備吐出におけ
るインク滴の吐出量や吐出速度が安定し、ノズルの回復
あるいは目詰まり防止と振動板の復元とを同時に達成
し、ノズル近傍のインクを均一化し振動板と個別電極と
の相対変位量の低下を防止し、ドットの形成を常に安定
化することが可能となった。これにより、長寿命で消費
電力が少ないという優れた特徴を有する静電アクチュエ
ータを応用した実用的な印刷装置を提供することが可能
となった。
【0081】更に、以上の効果の結果、ローコストのイ
ンクジェットプリンタに最適な処理装置を実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のインクジェットプリンタの
制御方法を示したフローチャートである。
【図2】前記実施例のインクジェットプリンタの動作を
記述したタイミングチャートである。
【図3】前記実施例のインクジェットヘッドの駆動を記
述したタイミングチャートである。
【図4】前記実施例のインクジェットプリンタの機能構
成図である。
【図5】本発明の一実施例のインクジェットプリンタの
外観斜視略図である。
【図6】本発明の一実施例のインクジェットプリンタに
用いるインクジェットヘッドのアクチュエータ部の分解
斜視図である。
【図7】本実施例におけるインクジェットヘッドの駆動
原理を示す振動板と個別電極の部分の動作説明図であ
る。
【図8】本実施例におけるインクジェットヘッドの駆動
原理を示す振動板と個別電極の部分の動作説明図であ
る。
【図9】本発明の他の実施例のインクジェットヘッドの
駆動を記述したタイミングチャートである。
【図10】本発明に適用される駆動回路の一実施例を示
す回路図である。
【図11】図10の回路図の入力信号と出力電圧を示す
論理図である。
【符号の説明】
201 インクジェットヘッド 202 キャリッジ 203 キャリッジ軸 204 FPC 210 フレーム 211 紙案内 220 印刷用紙 250 インク受け部 251 インク吸収体 310 ヘッド駆動のタイミングパルス波形 311 ノズル目詰まり回復処理におけるヘッド駆動
信号 312 ノズル目詰まり回復処理における別のヘッド
駆動信号

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズルと該ノズルに対応して該ノズル内
    のインクに圧力を印加する圧力発生素子を具備したオン
    デマンド型のインクジェットヘッドを用い、前記ノズル
    からインク滴を吐出しながら、前記インクジェットヘッ
    ドを被記録媒体に対して相対移動し、文字、記号、画像
    等を印刷するインクジェットプリンタの駆動方法であっ
    て、 第1の電圧を印加する第1の電圧印加手段と、前記第1
    の電圧とは大きさが異なる第2の電圧を印加する第2の
    電圧印加手段とを有し、 印刷工程に先立って、前記インクジェットヘッドを駆動
    する予備吐出時において、前記印刷工程の駆動周期と略
    同一、ないしより短い周期で複数回分前記第2の印加手
    段を作動し、次に前記第1の印加手段を作動する単位回
    復処理工程を少なくとも2回以上実行することを特徴と
    するインクジェットプリンタの駆動方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のインクジェットプリンタ
    の駆動方法において、前記第1の電圧の値が、印刷工程
    におけるヘッド駆動電圧の値と略同一であることを特徴
    とするインクジェットプリンタの駆動方法。
  3. 【請求項3】 請求項1ないし2記載のインクジェット
    プリンタの駆動方法において、前記第2の電圧の絶対値
    が、前記第1の電圧の絶対値より小さいことを特徴とす
    るインクジェットプリンタの駆動方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のインクジェットプリンタ
    の駆動方法において、前記第2の電圧が、前記ノズルか
    らインク滴を吐出せしめない程度の電圧であることを特
    徴とするインクジェットプリンタの駆動方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4記載のインクジェットプリ
    ンタの駆動方法において、前記インクジェットヘッド
    が、少なくとも、ノズルと該ノズルに連通するインク流
    路と、該流路の一部に設けられた振動板と、該振動板に
    空隙をもって対向する電極とを有し、前記振動板と前記
    電極間に電気パルスを印加し、発生する静電気力によっ
    て前記振動板を変形させ、インク滴を吐出するインクジ
    ェットヘッドであることを特徴とするインクジェットプ
    リンタの駆動方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のインクジェットプリンタ
    の駆動方法において、前記第2の電圧が、前記第1の電
    圧と逆電位であることを特徴とするインクジェットプリ
    ンタの駆動方法。
  7. 【請求項7】 ノズルと該ノズルに対応して該ノズル内
    のインクに圧力を印加する圧力発生素子を具備したオン
    デマンド型のインクジェットヘッドを用い、前記ノズル
    からインク滴を吐出しながら、前記インクジェットヘッ
    ドを被記録媒体に対して相対移動し、文字、記号、画像
    等を印刷するインクジェットプリンタにおいて、第1の
    電圧を印加する第1の電圧印加手段と、前記第1の電圧
    とは大きさが異なる第2の電圧を印加する第2の電圧印
    加手段と、印刷工程に先立って、前記印刷工程の駆動周
    期と略同一、ないしより短い周期で複数回分前記第2の
    印加手段を作動し、次に前記第1の印加手段を作動する
    単位回復処理工程を少なくとも2回以上実行する回復処
    理手段とを有することを特徴とするインクジェットプリ
    ンタ。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のインクジェットプリンタ
    において、前記インクジェットヘッドが、少なくとも、
    ノズルと該ノズルに連通するインク流路と、該流路の一
    部に設けられた振動板と、該振動板に空隙をもって対向
    する電極とを有し、前記振動板と前記電極間に電気パル
    スを印加し、発生する静電気力によって前記振動板を変
    形させ、インク滴を吐出するインクジェットヘッドであ
    ることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  9. 【請求項9】 請求項7ないし8記載のインクジェット
    プリンタにおいて、前記インクジェットプリンタが印刷
    指令を受信後、該印刷指令に基ずく印刷工程に先立っ
    て、前記単位回復処理工程を2回以上実行することを特
    徴とするインクジェットプリンタ。
  10. 【請求項10】 請求項1記載のインクジェットプリン
    タの駆動方法において、更に、前記第1、第2の電圧と
    は極性が異なる第3の電圧を印加する第3の電圧印加手
    段を有し、印刷工程に先立って、前記印刷工程の駆動周
    期と略同一、ないしより短い周期で複数回分前記第2の
    印加手段を作動し、次に前記第1の印加手段を作動し、
    更に次いで前記第3の印加手段を1回以上作動する単位
    回復処理工程を少なくとも2回以上実行することを特徴
    とするインクジェットプリンタの駆動方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のインクジェットプリ
    ンタの駆動方法において、前記第3の電圧の絶対値が、
    前記第1の電圧の絶対値より小さいことを特徴とするイ
    ンクジェットプリンタの駆動方法。
  12. 【請求項12】 請求項10記載のインクジェットプリ
    ンタの駆動方法において、前記第3の電圧が、前記ノズ
    ルからインク滴を吐出せしめない程度の電圧であること
    を特徴とするインクジェットプリンタの駆動方法。
  13. 【請求項13】 請求項10記載のインクジェットプリ
    ンタの駆動方法において、前記第1の電圧と前記第2の
    電圧が同電位であり、前記第3の電圧が、前記第1の電
    圧及び前記第2の電圧と逆電位であることを特徴とする
    インクジェットプリンタの駆動方法。
  14. 【請求項14】 請求項7記載のインクジェットプリン
    タにおいて、更に、前記第1、第2の電圧とは極性が異
    なる第3の電圧を印加する第3の電圧印加手段と、印刷
    工程に先立って、前記印刷工程の駆動周期と略同一、な
    いしより短い周期で複数回分前記第2の印加手段を作動
    し、次に前記第1の印加手段を作動し、更に次いで前記
    第3の印加手段を1回以上作動する単位回復処理工程を
    少なくとも2回以上実行する回復処理手段を有すること
    を特徴とするインクジェットプリンタ。
  15. 【請求項15】 請求項7記載のインクジェットプリン
    タにおいて、複数の圧力発生素子を備え、 各圧力発生
    素子に共通に接続される共通端子と、前記各圧力発生素
    子に個別に接続される複数の個別端子と、前記共通端子
    に第1の電圧を印加する第1の駆動手段と、 前記各個
    別端子に、前記第1の電圧とは異なる第4の電圧を印加
    する第2の駆動手段とを有することを特徴とするインク
    ジェットプリンタ。
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