JPH09294092A - スペクトラム拡散多重通信方式及びこの通信方式を使用した通信装置 - Google Patents

スペクトラム拡散多重通信方式及びこの通信方式を使用した通信装置

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JPH09294092A
JPH09294092A JP8129143A JP12914396A JPH09294092A JP H09294092 A JPH09294092 A JP H09294092A JP 8129143 A JP8129143 A JP 8129143A JP 12914396 A JP12914396 A JP 12914396A JP H09294092 A JPH09294092 A JP H09294092A
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data
hopping
signal
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JP8129143A
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Kazuya Taki
和也 滝
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 相互に転送速度の異なる2以上の通信データ
を同時に送信及び受信可能であり、効率的かつ信頼性を
高める。 【解決手段】 直接拡散方式の通信に使用される高周波
信号の中心周波数CFは、妨害波Hが発生した場合には
妨害検出器26、中心周波数制御器27、及び、周波数
シンセサイザ8を介して妨害波Hの周波数帯域から外れ
た周波数帯域に移動され、また、中心周波数制御器2
7、及び、周波数シンセサイザ8により高周波信号の中
心周波数CFが変更された場合には、中心周波数CFが
変更されたことに対応して、周波数ホッピング方式の通
信に使用されるホッピングテーブル15のホッピングパ
ターンがホッピングパターン制御器28により制御され
るように構成する。これにより、妨害波Hに起因する直
接拡散信号への影響は確実に除去され、両通信方式にお
ける信号を確実に分離して相互干渉が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スペクトラム拡散
技術を利用した通信方式及び通信装置に関し、特に、ス
ペクトラム拡散通信方式における直接拡散方式及び周波
数ホッピング方式の双方の特性を勘案して通信データの
転送速度に従い両方式を使い分けることにより、相互に
転送速度の異なる2以上の通信データを同時に送信及び
受信可能であり、もって効率的な通信を行うことが可能
であるとともに、妨害波の影響を受け難く信頼性の高い
スペクトラム拡散多重通信方式及びその通信装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車電話、携帯電話や無線LA
N等の無線ネットワークシステムへの高い応用性を勘案
してスペクトラム拡散技術を利用した通信方式が注目さ
れている。一般に、スペクトラム拡散技術を利用した通
信方式においては、送信側にて音声等の入力ベースバン
ド信号が変調されて拡散回路(変調回路)に入力される
とともに、この変調信号が拡散符号を使用してスペクト
ラム拡散された後高周波信号として受信側に伝送され、
また、受信側では、その受信されたスペクトラム拡散信
号が送信側と同一の拡散符号を使用して復調(逆拡散)
される。このとき、拡散符号が異なると復調できないこ
とから、スペクトラム拡散方式は、マルチパス等による
干渉波の影響を受け難く、また、伝送路で雑音が混じっ
ても希望波を復調できる等の利点がある。かかるスペク
トラム拡散方式には、PN(疑似雑音)符号を乗算しな
がら拡散を行う直接拡散方式とPN符号で搬送波の周波
数を刻々と変化させる周波数ホッピング方式とがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した直
接拡散方式と周波数ホッピング方式には、それぞれ一長
一短がある。具体的に、直接拡散方式では、遅延等によ
り発生した信号は受信側の拡散符号と同期がずれるの
で、その信号は復調されず、従って室内通信時等に発生
するマルチパスの問題はなくなることから、データ転送
速度が高い通信データ(例えば、数百Kビット/秒から
数メガビット/秒)のデータ通信に優れているが、一
方、使用する周波数帯域内に信号強度の高い妨害波があ
る場合には、妨害信号のレベルを基準として受信回路側
で自動利得制御が働き、これにより拡散信号の増幅時に
十分な利得が得られず、また、逆拡散を行っても妨害波
の影響を除去できないため通信ができなくなるという、
所謂、遠近問題が残存している。特に、コードレス電話
のように通信機の移動範囲が大きくて受信信号強度に大
きな変化が発生する場合には、前記遠近問題が大きなネ
ックとなっている。
【0004】また、周波数ホッピング方式では、搬送波
の周波数を刻々と変化させることから前記のような遠近
問題はないものの、特に、室内において前記マルチパス
による影響を受け易く、これによりデータ転送速度を大
きくすることができないことから、転送速度の低い通信
データ(数十Kビット/秒から数百Kビット/秒)しか
通信できないという問題がある。
【0005】本発明は前記従来の問題点を解消するため
になされたものであり、スペクトラム拡散通信方式にお
ける直接拡散方式及び周波数ホッピング方式の双方の特
性を勘案して通信データの転送速度に従い両方式を使い
分けることにより、相互に転送速度の異なる2以上の通
信データを同時に送信及び受信可能であり、もって効率
的な通信を行うことが可能であるとともに、妨害波の影
響を受け難くく信頼性の高いスペクトラム拡散多重通信
方式及びその通信装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
請求項1に係るスペクトラム拡散多重通信方式は、相互
に転送速度が異なる2以上の通信データを同時に送信及
び受信する多重通信方式であって、前記通信データの内
転送速度が高い通信データは、そのデータを拡散符号に
基づき直接スペクトラム拡散を行う直接拡散方式により
データ通信し、前記通信データの内転送速度が低い通信
データは、そのデータを所定のホッピングパターンに基
づき周波数のホッピングを行う周波数ホッピング方式に
よりデータ通信することを特徴とする。
【0007】前記請求項1の通信方式では、通信データ
の内転送速度の高い通信データについては直接拡散方式
によりデータ通信され、また、転送速度の低い通信デー
タについては周波数ホッピング方式によりデータ通信さ
れる。このとき、直接拡散方式では、主に室内通信時等
に発生するマルチパスの問題はなく、転送速度の高い通
信データのデータ通信に適していることから、転送速度
の高い通信データについて直接拡散方式の利点を最大限
に利用して効率的にデータ通信を行うことが可能とな
る。また、周波数ホッピング方式では、妨害波に起因す
る遠近問題による影響がなく転送速度の低い通信データ
の転送に適していることから、転送速度の低い通信デー
タの通信について妨害波の影響を排除しつつ高い信頼性
をもってデータ通信を行うことが可能となる。このよう
に、請求項1の通信方式では、直接拡散方式及び周波数
ホッピング方式がそれぞれ備えている特性を有効に利用
して、転送速度の異なる2以上の通信データを効率的且
つ高い信頼性をもって同時に送受信することが可能とな
る。
【0008】また、請求項2に係るスペクトラム拡散多
重通信方式は、請求項1の通信方式において、前記直接
拡散方式の通信に使用される周波数帯域と前記周波数ホ
ッピング方式の通信に使用される周波数帯域とは相互に
異なる周波数帯域が使用されることを特徴とする。請求
項2の通信方式では、直接拡散方式にの通信に使用され
る周波数帯域と周波数ホッピング方式に使用される周波
数帯域とは相互に異なる周波数帯域が使用されているこ
とから、直接拡散信号と周波数ホッピング信号とが干渉
することを確実に防止することが可能となる。
【0009】更に、請求項3に係るスペクトラム拡散多
重通信方式は、請求項2の通信方式において、前記直接
拡散方式の通信に使用される周波数帯域は、妨害波が発
生した際に妨害波の影響が最小となる周波数帯域に移動
されることを特徴とする。請求項3の通信方式では、直
接拡散方式の通信に使用される周波数帯域は、妨害波が
発生した際に妨害波の周波数帯域から外れた周波数帯域
や妨害波があってもその影響が最小となる周波数帯域に
移動されるので、妨害波に起因する直接拡散信号への影
響を除去することが可能となる。
【0010】また、請求項4に係るスペクトラム拡散多
重通信方式は、請求項3の通信方式において、前記直接
拡散方式の周波数帯域が移動されたことに対応して、前
記周波数ホッピング方式の通信に使用される周波数帯域
は、直接拡散方式の周波数帯域から外れた帯域に移動さ
れることを特徴とする。請求項4の通信方式では、直接
拡散方式の周波数帯域が移動されたことに対応して、周
波数ホッピング方式の通信に使用される周波数帯域が、
直接拡散方式の周波数帯域から外れた周波数帯域に移動
されることから、直接拡散信号の周波数帯域で周波数ホ
ッピングが行われることは全くなく、これにより両通信
方式における信号を確実に分離して相互干渉が発生する
ことを防止することが可能となる。
【0011】更に、請求項5に係るスペクトラム拡散多
重通信方式は、請求項2乃至請求項4のいずれかの通信
方式において、前記直接拡散方式により通信される通信
データはパケットデータであり、また、請求項6に係る
スペクトラム多重通信方式は、請求項2乃至請求項4の
いずれかの通信方式において、前記周波数ホッピング方
式により通信される通信データは音声データであること
を特徴とする。このように請求項5及び請求項6の通信
方式では、直接拡散方式の通信データは通常高い転送速
度で通信されるパケットデータとされ、また、周波数ホ
ッピング方式の通信データは通常低い転送速度で通信さ
れる音声データとされており、各通信方式の特性を有効
に利用して効率的に且つ高い信頼性をもって各通信デー
タを通信することが可能となる。
【0012】また、請求項7に係るスペクトラム多重通
信方式は、請求項2の通信方式において、前記直接拡散
方式にて行われる逆拡散処理は、直接拡散方式に使用さ
れる予め定められた周波数帯域を通過させるフィルタに
より通信データをフィルタリングした後に行われること
を特徴とし、また、請求項8に係るスペクトラム拡散多
重通信方式は、請求項2の通信方式において、前記周波
数ホッピング方式にて行われる逆拡散処理は、周波数ホ
ッピング方式に使用される予め定められた周波数を通過
させるフィルタにより通信データをフィルタリングする
前に行われることを特徴とする。かかる請求項7及び請
求項8の通信方式では、直接拡散方式及び周波数ホッピ
ング方式における逆拡散処理が、それぞれについて使用
される予め定められた周波数帯域のフィルタを介して通
信データをフィルタリングした後とフィルタリングの前
に行われることに基づき、請求項2の場合と同様に、直
接拡散信号と周波数ホッピング信号とが干渉することを
確実に防止して、一方の信号が他方の信号に妨害を与え
ることを排除することが可能となる。
【0013】更に、請求項9に係るスペクトラム拡散多
重通信装置は、相互に転送速度が異なる2以上の通信デ
ータを同時に送信及び受信する通信装置であって、前記
通信データの内転送速度の高い通信データを拡散符号に
従って拡散する第1拡散手段と、第1拡散手段により拡
散された通信データをアンテナを介して高周波信号とし
て送信する第1送信手段とを有する第1送信部と、アン
テナを介して受信された高周波信号を所定の周波数帯域
をもってフィルタリングする第1フィルタ手段と、第1
フィルタ手段を通過された高周波信号の逆拡散を行う第
1逆拡散手段と、高周波信号中に含まれる妨害波を検出
する検出手段と、検出手段により妨害波が検出された場
合に第1送信手段から送信される高周波信号の中心周波
数を変更する変更手段とを有する第1受信部と、前記通
信データの内転送速度の低い通信データをホッピングテ
ーブルに基づいて拡散する第2拡散手段と、第2拡散手
段により拡散された通信データをアンテナを介して高周
波信号として送信する第2送信手段とを有する第2送信
部と、アンテナを介して受信された高周波信号を前記ホ
ッピングテーブルに基づいて逆拡散する第2逆拡散手段
と、その第2拡散手段により逆拡散された高周波信号を
フィルタリングする第2フィルタ手段と、前記変更手段
を介して送信データの中心周波数が変更されたことに対
応してホッピングテーブルにおけるホッピングパターン
を制御するホッピングパターン制御手段とを有する第2
受信部とを備えた構成とされる。
【0014】前記請求項9の通信装置では、通信データ
の内転速度の高い通信データは直接拡散方式により第1
送信部と第1受信部を介して送受信が行われ、また、通
信データの内転送速度の低い通信データは周波数ホッピ
ング方式により第2送信部と第2受信部を介して送受信
が行われる。即ち、直接拡散方式を使用して転送速度の
高い通信データの送受信を行う場合には、先ず、第1拡
散手段を介して通信データが拡散符号に従って拡散さ
れ、その拡散データは第1送信手段によりアンテナを介
して高周波信号として送信される。また、通信データの
受信時には、アンテナを介して受信された高周波信号
が、第1フィルタ手段を介して所定周波数帯域でフィル
タリングされるとともに、第1フィルタ手段を通過した
高周波信号は第1逆拡散手段により逆拡散処理される。
このとき、高周波信号中に妨害波が含まれている場合に
はその妨害波が検出手段により検出される。そして、検
出手段を介して妨害波が検出された場合には、前記第1
送信手段から送信される高周波信号の中心周波数が変更
手段により変更される。
【0015】また、周波数ホッピング方式を使用して転
送速度の低い通信データの送受信を行う場合には、先
ず、第2拡散手段を介して通信データがホッピングテー
ブルに基づいて拡散され、その拡散データは第2送信手
段によりアンテナを介して高周波信号として送信され
る。また、通信データの受信時には、アンテナを介して
受信された高周波信号がホッピングテーブルに基づき第
2逆拡散手段を介して逆拡散され、その逆拡散された高
周波信号は、第2フィルタ手段を介して所定周波数帯域
でフィルタリングされる。このとき、ホッピングパター
ン制御手段は、前記変更手段を介して高周波信号の中心
周波数が変更されたことに対応して、ホッピングテーブ
ルにおけるホッピングパターンを制御する。
【0016】前記構成を有する請求項9の通信装置で
は、直接拡散方式の通信に使用される高周波信号の中心
周波数は、妨害波が発生した場合には検出手段と変更手
段を介して妨害波の周波数帯域から外れた周波数帯域に
移動されるので、妨害波に起因する直接拡散信号への影
響を確実に除去することが可能となり、また、変更手段
により高周波信号の中心周波数が変更された場合には、
中心周波数が変更されたことに対応して、周波数ホッピ
ング方式の通信に使用されるホッピングテーブルのホッ
ピングパターンが制御手段により制御されるので、ホッ
ピング時の周波数帯域が、直接拡散信号の周波数帯域で
周波数ホッピングが行われることは全くない。これによ
り両通信方式における信号を確実に分離して相互干渉が
発生することを防止することが可能となるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明に係るスペクトラム拡
散多重通信方式及びその通信方式を使用した通信装置に
ついて、本発明を具体化した実施形態に基づき図面を参
照しつつ詳細に説明する。先ず、スペクトラム拡散多重
通信方式を採用した本実施形態に係る通信装置について
図1に基づき説明する。図1は通信装置のブロック図で
ある。
【0018】図1において、通信装置1は、基本的に、
直接拡散方式に基づき通信データの処理を行う直接拡散
処理部2、周波数ホッピング方式に基づき通信データの
処理を行う周波数ホッピング処理部3、及び、各処理部
2、3にて処理された通信データの送信及び受信を行う
送受信部4とから構成されている。
【0019】先ず、直接拡散処理部2における送信処理
につき送信データの流れに従って説明する。直接拡散処
理を行って通信データを送信する場合、高い転送速度
(例えば、数百Kビット/秒以上)を有する通信データ
が位相変調されてなる送信データDrが乗算器5に入力
される。乗算器5では、疑似ランダム符号発生器(PN
G)6によって発生された疑似ランダム符号が乗算さ
れ、これにより送信データDrがスペクトラム拡散され
る。このように拡散された送信データDrはミキサ7に
入力され、ミキサ7において送信データDrは、周波数
シンセサイザ8により発生された周波数と混合されて所
定周波数に変換される。更に、送信データDrは、増幅
器9にて増幅されるとともに、送受信部4にて合波器1
0を経た後、アンテナスイッチ11(時分割多重スイッ
チであり、送信時には送信回路側に切り換えられてい
る)及びアンテナ12を介して高周波信号として放射さ
れる。
【0020】次に、周波数ホッピング処理部3における
送信処理につき送信データの流れに従って説明する。周
波数ホッピング処理を行って通信データを送信する場
合、低い転送速度(例えば、数十Kビット/秒)を有す
る通信データが周波数変調されてなる送信データArが
ミキサ13に入力される。ミキサ13では、周波数シン
セサイザ14により発生された発振信号が混合され、送
信データArの周波数が変換される。このとき、周波数
シンセサイザ14の発振周波数は、ホッピングテーブル
15に基づいてランダムに変化されることから、ミキサ
13からの出力信号もランダムに変化され、これにより
周波数ホッピングが行われる。かかる周波数ホッピング
信号は増幅器16で増幅されるとともに、前記合波器1
0にて直接拡散信号と合成された後、アンテナスイッチ
11及びアンテナ12を介して高周波信号として放射さ
れる。
【0021】ここで、ホッピングテーブル15について
図2に基づき説明する。図2はホッピングテーブルを模
式的に示す説明図であり、ホップ番号(0〜M)とホッ
プ周波数データ(D0 〜DM )とが対応して記憶されて
いる。周波数ホッピングが行われる際には、ホッピング
テーブル15からホップ周波数データDN が読み出さ
れ、その読み出されたホップ周波数データDN が周波数
シンセサイザ14に出力されると、周波数シンセサイザ
14は所定の周波数 fN’で発振する。この発振周波数
N’は、送信データで変調された周波数の信号とミキ
サ13で混合され、その周波数が fNとなった後に、前
記のように増幅器16で増幅されるとともに、前記合波
器10にて直接拡散信号と合成された後、アンテナスイ
ッチ11及びアンテナ12を介して高周波信号として放
射される。
【0022】尚、ホッピングテーブル15において、ホ
ップ周波数データと発振周波数とは1対1に対応されて
おり、ホップ周波数データを予めランダム値に設定して
おくことにより、周波数をランダムにホッピングさせる
ことができるものである。また、ホップ番号0〜Mの
内、例えば0〜Nまでが周波数ホッピングに使用され、
N+1〜Mは周波数ホッピングには使用されない。かか
る領域は、後述するように直接拡散方式において中心周
波数を変更する際に使用される。
【0023】前記のように、合波器10にて周波数ホッ
ピング信号と直接拡散信号と合成した後、アンテナスイ
ッチ11及びアンテナ12を介して放射される高周波信
号は、図3に示すような信号となる。図3は信号(高周
波信号)を模式的に示す説明図であり、高い周波数帯域
F1に対応する信号Dr’は、直接拡散方式により生成
された信号であり、また、低い周波数帯域F2に対応す
る信号Ar’は周波数ホッピング方式で生成された信号
である。また、図3に示されているように、送信データ
信号Dr’と送信データ信号Ar’とは、同時に同一の
周波数を共有することはない。尚、各信号Dr’とA
r’との間には、ガードバンドGが設けられている。
【0024】次に、直接拡散処理部2における受信処理
につき受信した高周波信号(受信データ)の流れに従っ
て説明する。アンテナ12を介して受信された高周波信
号(図3に示すようなデータ信号)は、アンテナスイッ
チ11(このとき、受信回路側に切り換えられている)
を介して分波器17に入力される。この分波器17にお
いては受信された高周波信号が、直接拡散処理部2側と
周波数ホッピング処理部3側とに分波される。分波器1
7にて直接拡散処理部2側に分波された高周波信号は増
幅器18にて増幅された後、ミキサ19で中間周波数に
戻される。このようにミキサ19を通過した信号はフィ
ルタ20に入力され、かかるフィルタ20においては、
直接拡散信号のみが通過されて周波数ホッピング信号の
通過は阻止される。これにより、前記のように受信され
た高周波信号中の直接拡散信号のみが取り出される。
【0025】ここで、フィルタ20の特性について図4
に基づき説明する。図4はフィルタ20の特性を模式的
に示す説明図であり、前記のように受信された高周波信
号中には図4(A)に示すように直接拡散信号Dr’と
周波数ホッピング信号Ar’とが含まれている。このと
き、フィルタ20はフィルタリング領域Cを有してお
り、かかるフィルタリング領域C内に存在する直接拡散
信号Dr’のみを通過させ、フィルタリング領域Cから
外れる他の信号Ar’は通過させない特性を有してい
る。従って、受信された高周波信号がフィルタ20を通
過した後には、図4(B)に示すように、周波数ホッピ
ング信号Ar’は除去されて直接拡散信号Dr’のみが
通過されることとなる。これにより、高いピーク値を有
する周波数ホッピング信号が直接拡散信号に及ぼす妨害
を確実に除去することができる。尚、フィルタ20の特
性としては、周波数ホッピング信号を完全に除去する必
要はなく、逆拡散により十分なS/N比が得られる程度
に周波数ホッピング信号を減衰させ得る特性を有してい
ればよい。
【0026】前記のようにフィルタ20を通過した直接
拡散信号は、増幅器21で増幅された後、乗算器22に
て疑似ランダム符号が乗算されて逆拡散処理が行われ
る。この後、位相変調された受信データDR が取り出さ
れ、かかる受信データDR は復調器(図示せず)で復調
されて最終的な受信データが得られるものである。
【0027】また、周波数ホッピング処理部3における
受信処理につき受信した高周波信号の流れに従って説明
する。前記したように、分波器17にて周波数ホッピン
グ処理部3側に分波された高周波信号は増幅器23にて
増幅された後、ミキサ24で周波数がホップしない中間
周波数に戻される。このようにミキサ24を通過した信
号はフィルタ25に入力され、かかるフィルタ25にお
いては、周波数ホッピング信号のみが通過されて直接拡
散信号の通過は阻止される。これにより、前記のように
受信されたデータ中の周波数ホッピング信号のみが取り
出される。
【0028】ここで、フィルタ25の特性について図5
に基づき説明する。図5はフィルタ25の特性を模式的
に示す説明図であり、前記のように受信された高周波信
号中には図5(A)に示すように直接拡散信号Dr’と
周波数ホッピング信号Ar’とが含まれている。このと
き、フィルタ25はフィルタリング領域Eを有してお
り、かかるフィルタリング領域E内に存在するホッピン
グデータ信号のみを通過させ、フィルタリング領域Eか
ら外れる他の信号は通過させない特性を有している。従
って、受信された高周波信号がフィルタ25を通過した
後には、図5(B)に示すように、直接拡散信号Dr’
は除去されて周波数ホッピング信号Ar’中目的の信号
のみが通過されることとなる。これにより、受信された
高周波信号中から目的のホッピング信号のみを取り出す
ことができる。
【0029】尚、周波数シンセサイザ14から発振され
る周波数はランダムに変化しているが、周波数ホッピン
グ信号と直接拡散信号とは、前記したように、それぞれ
の周波数が相互に分離されているので、図5(C)、
(D)に示すように、相互に干渉することはない。ま
た、ホッピングデータは、その帯域が狭く転送速度が低
い信号であることから、図5(A)に示すようなフィル
タリング領域Eの狭い狭帯域フィルタであっても目的の
ホッピングデータのみを確実に分離することができる。
前記のようにフィルタ25を通過した後周波数ホッピン
グ信号は、周波数変調された受信データAR として取り
出される。かかる受信データAR は復調器(図示せず)
で復調されて最終的な受信データが得られるものであ
る。
【0030】続いて、直接拡散処理部2で得られた受信
データDR を復調することにより得られた受信データの
エラーレートが高いことに基づいて、アンテナ12を介
して受信された受信信号中に妨害波が存在すると考えら
れる場合に行われる処理について図1、図6に基づき説
明する。図6は受信信号中に妨害波が存在する場合に妨
害波による影響を除去するための処理を説明する説明図
である。
【0031】受信データDR を復調することにより得ら
れた受信データにエラーが存在するかどうかは妨害検出
器26(図1参照)により検出される。妨害検出器26
は受信データ中のエラーレートが所定レートよりも高い
かどうかに従って妨害波の有無を検出し、妨害検出器2
6により妨害波が検出された場合には、その妨害検出信
号に基づき中心周波数制御器27が周波数シンセサイザ
8を制御して中心周波数を変化させる。
【0032】例えば、妨害検出器26により妨害波の存
在可能性が検出された場合、アンテナ12を介して受信
された信号には、図6(A)に示すように妨害波Hが混
在していると考えられる。かかる場合、中心周波数制御
器27の制御下に、周波数シンセサイザ8は、受信信号
中のエラーが最小となるように、直接拡散信号の送信信
号Dr’における中心周波数CFを図6(B)のように
シフトさせる。これにより、妨害波Hによる受信信号D
r’への妨害を確実に除去することができる。
【0033】また、前記のように中心周波数制御器27
を介してシフトされた中心周波数CFのシフト情報はホ
ッピングパターン制御器28にも送出され、ホッピング
パターン制御器28では、シフト情報に基づいて、直接
拡散信号の周波数帯域で周波数ホッピングが発生しない
ように、周波数ホッピングに使用されるホッピングテー
ブル15のホッピングパターンが変更される。具体的に
は、ホッピングテーブル15において、中心周波数CF
に対応するホップ番号の前後における予め定められた範
囲の周波数は周波数ホッピングに使用されないように、
ホッピングに使用される周波数が変更される。このと
き、図2で説明したように、ホッピングテーブル15に
おけるホップ番号N+1〜Mに対応するホップ周波数デ
ータDN+1〜DM が使用される。
【0034】尚、周波数ホッピング方式では、妨害波H
に起因して受信データにエラーが発生し得るが、全体の
ホップ数から考えるとエラーによる影響は僅かであり、
許容可能なものである。また、周波数ホッピング方式で
は、妨害波Hを避けてホッピングさせることも可能であ
り(図6(C)参照)、更に、周波数ホッピング領域は
1つに設定する必要はなく、ホッピング領域を複数に分
割することも可能である(図6(D)参照)。
【0035】ここで、前記中心周波数制御器27、周波
数シンセサイザ8を介して行われる中心周波数シフト処
理について図7、図8に基づき説明する。図7は中心周
波数シフト処理の第1手順を示すフローチャート、図8
は中心周波数シフト処理の第2手順を示すフローチャー
トである。尚、第1手順及び第2手順は同等の処理であ
り、いずれか一方の手順を採用すればよい。
【0036】先ず、図7に基づき第1手順ついて説明す
る。ここで、中心周波数fi についてはf1〜fNまで予
め設定されているものとする。シフト処理がスタートす
ると、i=1に設定された後(S1)、中心周波数fi
とされる(S2)。この後、妨害検出器26を介して妨
害波が検出されたかどうか判断される(S3)。妨害波
が検出されない場合(S3:NO)にはデータ通信が行
われた(S4)後S3に戻る一方、妨害波が検出された
場合(S3:YES)にはi=i+1にインクリメント
した(S5)後、iがNより小さいか又は等しくなった
かどうか判断される(S6)。S6における判断がYE
Sの場合、再度S2に戻って順次中心周波数を変化させ
ながらS2以下の処理が行われる。これに対して、iが
Nよりも大きくなった場合(S6:NO)には、データ
通信が不可能であるとしてそのまま待機する(S7)。
以上のように、第1手順では、中心周波数を順次予め設
定された周波数に変更しながら、妨害波が検出されない
中心周波数にシフトしてデータ通信を行うものである。
この時、妨害波を検出しても通信可能なエラーレートで
あれば、シフト処理を行うことなく通信を続けるように
してもよい。また、シフトさせながらエラーレートを記
憶していき、エラーレートが最も小さくなる中心周波数
を選ぶことにより通信を行うようにすることも可能であ
る。
【0037】次に、図8に基づき第2手順について説明
する。ここで、中心周波数のシフト範囲は、fl〜fh
範囲に予め設定されており、中心周波数は、かかる範囲
内で微小周波数Δfずつシフトされる。シフト処理がス
タートすると、中心周波数fがfl に設定された(S1
0)後、妨害検出器26を介して妨害波が検出されたか
どうか判断される(S11)。妨害波が検出されない場
合(S11:NO)にはデータ通信が行われた(S1
2)後S11に戻る一方、妨害波が検出された場合(S
11:YES)には中心周波数が微小周波数Δfだけイ
ンクリメントされる(S13)。この後、インクリメン
トされた中心周波数が設定周波数fh よりも小さいか又
は等しくなったかどうか判断される(S14)。S14
における判断がYESの場合、再度S11に戻って中心
周波数を微小周波数ずつインクリメントしながらS11
以下の処理が行われる。これに対して、S14における
判断がNOの場合、データ通信が不可能であるとしてそ
のまま待機する(S15)。以上のように、第2手順で
は、中心周波数を順次微小周波数Δfずつインクリメン
トしながら、妨害波が検出されない中心周波数にシフト
してデータ通信を行うものである。この時、第1手順の
場合と同様に、妨害波が検出されてもエラーレートが許
容値以下であれば、シフト処理をせずに通信を続行する
ことも可能である。また、fl からfb まで順次シフト
させつつエラーレートを記憶し、その値が最小となる中
心周波数を選択することにも可能である。この方法は、
妨害波が複数あった場合に全周波数帯域に渡ってシフト
させても妨害が常に存在する場合に有効である。尚、前
記第2手順では、中心周波数をflからfhにシフトさせ
たが、これとは逆にfhからflにシフトさせてもよい。
この場合には、前記S13における処理をf=f−Δf
とすればよい。前記第1手順、第2手順において、デー
タ通信不可能と判断された場合には、周波数ホッピング
を採用してもよい。
【0038】次に、前記のように構成された通信装置1
を利用した利用例について図9、図10に基づき説明す
る。図9は通信装置1を利用した無線システムを模式的
に示す説明図、図10は図9の無線システムにて行われ
るデータ通信方式を示す説明図である。
【0039】図9において、無線システムは、電話回線
に接続された親機30、スキャナプリンタ装置31、及
び、電話機(子機)32とから構成される。親機30に
は前記通信装置1が組み込まれており、直接拡散方式及
び周波数ホッピング方式のいずれの方式でも通信可能で
あるとともに、両方式で同時に通信可能である。また、
スキャナプリンタ31には通信装置1の各構成部の内、
直接拡散方式に係る送信部及び受信部が組み込まれてお
り、直接拡散方式で通信を行う。更に、電話機32には
通信装置1の各構成部の内、周波数ホッピング方式に係
る送信部及び受信部が組み込まれており、周波数ホッピ
ング方式で通信を行う。
【0040】このとき、親機30とスキャナプリンタ3
1との間では、パソコンデータ(画像データ等)のよう
に転送速度の高い通信データの送受信が行われ、親機3
0と電話機32との間では、音声データ等のように転送
速度の低い通信データの送受信が行われる。
【0041】次に、前記無線システムにおいて行われる
データ通信方式について図10に基づき説明する。先
ず、親機30と電話機32との間で行われる周波数ホッ
ピング方式によるデータ通信について説明すると、周波
数ホッピング方式では、音声等の転送速度が低く狭帯域
信号による通信が行われるが、かかる通信では双方向通
信が要求される。この双方向通信は、図10(A)に示
すように、時間分割(TTD)を用いて行われる。即
ち、親機30は、1フレーム40の中で、周波数ホップ
41、送信42、送受切り替え43、及び、受信44の
各動作を行い、また、電話機32は、1フレーム50の
中で、周波数ホップ51、受信52、送受切り替え5
3、及び、送信54の各動作を行う。このように、1フ
レーム内において、送信、受信が完了し、親機30と電
話機32との間で双方向通信を行うことができる。
【0042】前記双方向通信において、親機30は送信
42時にデータ以外の同期信号を送信する。電話機32
は、この同期信号を受信して親機30とのフレーム同期
を維持することができる。かかるフレーム同期の維持は
連続的に行う必要はなく、例えば、クロック周期の誤差
によりフレームのずれが大きくならない範囲で行えばよ
い。例えば、数100ms毎に行えば十分な場合が多
い。
【0043】次に、親機30とスキャナプリンタ31と
の間で行われる直接拡散方式によるデータ通信について
説明すると、直接拡散方式では、通信データ等の高転送
レートが必要な信号の通信が行われる。この場合には、
前記双方向通信ではなく図10(B)に示すようなパケ
ットデータ60による通信が行われる。かかるパケット
データ60では、親機30とスキャナプリンタ31との
間で交互に通信が行われる(61、63は親機30の通
信、62、64はスキャナプリンタの通信を示す)。
【0044】以上詳細に説明した通り本実施形態に係る
通信装置1で行われる通信方式では、通信データの内転
送速度の高い通信データについては直接拡散方式により
データ通信されるとともに、転送速度の低い通信データ
については周波数ホッピング方式によりデータ通信さ
れ、このとき、直接拡散方式では、主に室内通信時等に
発生するマルチパスの問題はなく、転送速度の高い通信
データのデータ通信に適していることから、転送速度の
高い通信データについて直接拡散方式の利点を最大限に
利用して効率的にデータ通信を行うことができ、また、
周波数ホッピング方式では、妨害波に起因する遠近問題
による影響がなく転送速度の低い通信データの転送に適
していることから、転送速度の低い通信データの通信に
ついて妨害波の影響を排除しつつ高い信頼性をもってデ
ータ通信を行うことができる。
【0045】このように、通信装置1で採用された通信
方式では、直接拡散方式及び周波数ホッピング方式がそ
れぞれ備えている特性を有効に利用して、転送速度の異
なる2以上の通信データを効率的且つ高い信頼性をもっ
て同時に送受信することができるものである。
【0046】また、直接拡散方式の通信に使用される周
波数帯域F1と周波数ホッピング方式に使用される周波
数帯域F2とは相互に異なる周波数帯域が使用されてい
ることから、直接拡散信号と周波数ホッピング信号とが
干渉することを確実に防止することができる。更に、直
接拡散方式の通信に使用される周波数帯域は、妨害波H
が発生した際に妨害波Hの周波数帯域から外れた周波数
帯域に移動されるので、妨害波Hに起因する直接拡散信
号への影響を確実に除去することができる。
【0047】また、直接拡散方式の周波数帯域が移動さ
れたことに対応して、周波数ホッピング方式の通信に使
用される周波数帯域が、直接拡散方式の周波数帯域から
外れた周波数帯域に移動されることから、直接拡散信号
の周波数帯域で周波数ホッピングが行われることは全く
なく、これにより両通信方式における信号を確実に分離
して相互干渉が発生することを防止することができる。
更に、直接拡散方式の通信データは通常高い転送速度で
通信される画像データ等のパケットデータ60とされ、
また、周波数ホッピング方式の通信データは通常低い転
送速度で通信される音声データとされており、各通信方
式の特性を有効に利用して効率的に且つ高い信頼性をも
って各通信データを通信することができる。
【0048】また、直接拡散方式及び周波数ホッピング
方式における逆拡散処理が、それぞれについて使用され
る予め定められた周波数帯域のフィルタ20、25を介
して通信データをフィルタリングした後、及び、フィル
タリングする前に行われることに基づき、直接拡散信号
と周波数ホッピング信号とが干渉することを確実に防止
して、一方の信号が他方の信号に妨害を与えることを排
除することができる。
【0049】更に、本実施形態の通信装置1では、直接
拡散方式の通信に使用される高周波信号の中心周波数C
Fは、妨害波Hが発生した場合には妨害検出器26、中
心周波数制御器27、及び、周波数シンセサイザ8を介
して妨害波Hの周波数帯域から外れた周波数帯域に移動
されるので、妨害波Hに起因する直接拡散信号への影響
を確実に除去することができ、また、中心周波数制御器
27、及び、周波数シンセサイザ8により高周波信号の
中心周波数CFが変更された場合には、中心周波数CF
が変更されたことに対応して、周波数ホッピング方式の
通信に使用されるホッピングテーブル15のホッピング
パターンがホッピングパターン制御器28により制御さ
れるので、ホッピング時の周波数帯域が、直接拡散信号
の周波数帯域で周波数ホッピングが行われることを確実
に防止することができ、これにより両通信方式における
信号を確実に分離して相互干渉が発生することを防止す
ることができるものである。尚、本発明は前記実施形態
に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない
範囲内で種々の改良、変形がであることは勿論である。
【0050】例えば、前記実施形態では、妨害波Hの有
無を妨害検出器26を検出するようにしているが、図9
に示す無線システムにおいては、親機30とスキャナプ
リンタ31、電話機(子機)32との通信中に互いに絶
えず相手のID信号を受信することにより相手が正しい
ことを確認しながら通信を行っているので、ID信号が
受信できない場合や相手からの信号を何も受信できない
場合には妨害波が発生したものと判断するようにしても
よい。
【0051】また、周波数帯域の広い信号は直接拡散方
式で、周波数帯域の狭い信号は周波数ホッピング方式で
データ通信を行う限り、通信データの種類については特
に限定されるものではなく、どのようなデータであって
もよい。更に、親機、子機は、電話機に限らずデータの
送受信を行うものであればよい。例えば、図11に示す
ように、親機70を中心として、スキャナプリンタ7
1、パソコン72、電話子機73、74からなる無線ネ
ットワークを実現することも可能である。このとき、親
機70とスキャナプリンタ71、親機70とパソコン7
2との間におけるデータ通信は、データの転送速度が高
いので直接拡散方式により行われ、また、親機70と各
電話子機73、74間におけるデータ通信は、データ転
送速度が低いので周波数ホッピング方式により行われ
る。尚、パソコン72とスキャナプリンタ71との間の
通信は、親機70を経由することなく直接拡散方式で直
接通信することも可能である。
【0052】
【発明の効果】以上説明した通り本発明は、スペクトラ
ム拡散通信方式における直接拡散方式及び周波数ホッピ
ング方式の双方の特性を勘案して通信データの転送速度
に従い両方式を使い分けることにより、相互に転送速度
の異なる2以上の通信データを同時に送信及び受信可能
であり、もって効率的な通信を行うことが可能であると
ともに、妨害波の影響を受け難くく信頼性の高いスペク
トラム拡散多重通信方式及びその通信装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】通信装置のブロック図である。
【図2】ホッピングテーブルを模式的に示す説明図であ
る。
【図3】送信データ信号(高周波信号)を模式的に示す
説明図である。
【図4】フィルタ20の特性を模式的に示す説明図であ
る。
【図5】フィルタ25の特性を模式的に示す説明図であ
る。
【図6】受信信号中に妨害波が存在する場合に妨害波に
よる影響を除去するための処理を説明する説明図であ
る。
【図7】中心周波数シフト処理の第1手順を示すフロー
チャートである。
【図8】中心周波数シフト処理の第2手順を示すフロー
チャートである。
【図9】通信装置を利用した無線システムを模式的に示
す説明図である。
【図10】図9の無線システムにて行われるデータ通信
方式を示す説明図である。
【図11】無線ネットワークを模式的に示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 通信装置 2 直接拡散処理部 3 周波数ホッピング処理部 4 送受信部 6 PNG 8、14 周波数シンセサイザ 11 アンテナスイッチ 12 アンテナ 15 ホッピングテーブル 20、25 フィルタ 26 妨害検出器 27 中心周波数制御器 28 ホッピングパターン制御器 30 親機 31 スキャナプリンタ 32 電話機 60 パケットデータ Dr、Ar 送信データ DR、AR 受信データ CF 中心周波数 H 妨害波

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互に転送速度が異なる2以上の通信デ
    ータを同時に送信及び受信する多重通信方式であって、 前記通信データの内転送速度が高い通信データは、その
    データを拡散符号に基づき直接スペクトラム拡散を行う
    直接拡散方式によりデータ通信し、 前記通信データの内転送速度が低い通信データは、その
    データを所定のホッピングパターンに基づき周波数のホ
    ッピングを行う周波数ホッピング方式によりデータ通信
    することを特徴とするスペクトラム拡散多重通信方式。
  2. 【請求項2】 前記直接拡散方式の通信に使用される周
    波数帯域と前記周波数ホッピング方式の通信に使用され
    る周波数帯域とは相互に異なる周波数帯域が使用される
    ことを特徴とする請求項1記載のスペクトラム拡散多重
    通信方式。
  3. 【請求項3】 前記直接拡散方式の通信に使用される周
    波数帯域は、妨害波が発生した際に妨害波の影響が最小
    となる周波数帯域に移動されることを特徴とする請求項
    2記載のスペクトラム拡散多重通信方式。
  4. 【請求項4】 前記直接拡散方式の周波数帯域が移動さ
    れたことに対応して、前記周波数ホッピング方式の通信
    に使用される周波数帯域は、直接拡散方式の周波数帯域
    から外れた帯域に移動されることを特徴とする請求項3
    記載のスペクトラム拡散多重通信方式。
  5. 【請求項5】 前記直接拡散方式により通信される通信
    データはパケットデータであることを特徴とする請求項
    2乃至請求項4のいずれかに記載のスペクトラム拡散多
    重通信方式。
  6. 【請求項6】 前記周波数ホッピング方式により通信さ
    れる通信データは音声データであることを特徴とする請
    求項2乃至請求項4のいずれかに記載のスペクトラム拡
    散多重通信方式。
  7. 【請求項7】 前記直接拡散方式にて行われる逆拡散処
    理は、直接拡散方式に使用される予め定められた周波数
    帯域を通過させるフィルタにより通信データをフィルタ
    リングした後に行われることを特徴とする請求項2記載
    のスペクトラム拡散多重通信方式。
  8. 【請求項8】 前記周波数ホッピング方式にて行われる
    逆拡散処理は、周波数ホッピング方式に使用される予め
    定められた周波数を通過させるフィルタにより通信デー
    タをフィルタリングする前に行われることを特徴とする
    請求項7記載のスペクトラム拡散多重通信方式。
  9. 【請求項9】 相互に転送速度が異なる2以上の通信デ
    ータを同時に送信及び受信する通信装置であって、 前記通信データの内転送速度の高い通信データを拡散符
    号に従って拡散する第1拡散手段と、第1拡散手段によ
    り拡散された通信データをアンテナを介して高周波信号
    として送信する第1送信手段とを有する第1送信部と、 アンテナを介して受信された高周波信号を所定の周波数
    帯域をもってフィルタリングする第1フィルタ手段と、
    第1フィルタ手段を通過された高周波信号の逆拡散を行
    う第1逆拡散手段と、高周波信号中に含まれる妨害波を
    検出する検出手段と、検出手段により妨害波が検出され
    た場合に第1送信手段から送信される高周波信号の中心
    周波数を変更する変更手段とを有する第1受信部と、 前記通信データの内転送速度の低い通信データをホッピ
    ングテーブルに基づいて拡散する第2拡散手段と、第2
    拡散手段により拡散された通信データをアンテナを介し
    て高周波信号として送信する第2送信手段とを有する第
    2送信部と、 アンテナを介して受信された高周波信号を前記ホッピン
    グテーブルに基づいて逆拡散する第2逆拡散手段と、そ
    の第2拡散手段により逆拡散された高周波信号をフィル
    タリングする第2フィルタ手段と、前記変更手段を介し
    て送信データの中心周波数が変更されたことに対応して
    ホッピングテーブルにおけるホッピングパターンを制御
    するホッピングパターン制御手段とを有する第2受信部
    とを備えたことを特徴とするスペクトラム拡散多重通信
    装置。
JP8129143A 1996-04-24 1996-04-24 スペクトラム拡散多重通信方式及びこの通信方式を使用した通信装置 Pending JPH09294092A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004023358A (ja) * 2002-06-14 2004-01-22 Denso Corp 統合通信装置
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