JPH09292602A - 液晶表示パネルの製造方法および製造装置 - Google Patents

液晶表示パネルの製造方法および製造装置

Info

Publication number
JPH09292602A
JPH09292602A JP10177496A JP10177496A JPH09292602A JP H09292602 A JPH09292602 A JP H09292602A JP 10177496 A JP10177496 A JP 10177496A JP 10177496 A JP10177496 A JP 10177496A JP H09292602 A JPH09292602 A JP H09292602A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
ultraviolet
display panel
crystal display
kinds
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10177496A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinya Kosako
慎也 古佐小
Junji Nakajima
潤二 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP10177496A priority Critical patent/JPH09292602A/ja
Publication of JPH09292602A publication Critical patent/JPH09292602A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光散乱状態の散乱能を向上させ、高コントラ
ストが得られ、表示品質ばらつきの少ない液晶表示パネ
ルの製造方法を提供すること。 【解決手段】 高分子分散型液晶表示パネルの製造に際
し、散乱性能を高めるため、 365nmの紫外線強度に対
する 403nmの紫外線強度の比および強度を調節した紫
外線を照射させる。各々独立に調光機能を有する少なく
とも2本の紫外線ランプ21a,21bを持ち、波長分
布の異なる少なくとも2種類の紫外線光源を、紫外線ラ
ンプの種類または透過率の波長分布が異なる光学フィル
タ28,29により形成させた紫外線照射装置により、
高分子分散型液晶表示パネルを完成させる製造方法であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対の電極基板間
に、液晶を高分子マトリクス中に分散保持させた高分子
分散型液晶が挟持された、液晶表示パネルの製造方法お
よび製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、従来のTN(ツイストネマティッ
ク)方式以外の新しい表示方式として、偏光板を用いな
い高分子分散型液晶表示パネルが注目されている。
【0003】この方式は、液晶の屈折率と同じ屈折率を
持つ高分子にネマチック液晶を分散保持させた高分子分
散型液晶を上下一対の透明電極基板間に挟持し、電界の
有無により液晶の見かけの屈折率を制御し、光の散乱状
態(白濁状態)と透過状態(透明状態)を作り出し、O
NとOFFを切り換えるものである(特表昭58−50
1631号公報、特開平1−198725号公報)。
【0004】図8(a)(b)は、この液晶表示パネル
の表示原理を示す概略図である。図8の(a)に示すよ
うに、電圧無印加の状態では液晶分子84の分子軸がラ
ンダムな方向を向いているため液晶領域の屈折率が周囲
の高分子マトリクス85の屈折率とは異なり、液晶領域
と高分子マトリクスの界面で散乱が生じる。すなわち、
液晶表示パネルに入射した光82は散乱光83となり、
その結果、散乱状態が得られる。
【0005】図8の(b)に示すように、電極81に交
流電圧87を印加すると、液晶分子84の分子軸が電界
方向に配列し、基板に垂直に入射した光に対して液晶領
域の屈折率が周囲の高分子マトリクス85の屈折率とほ
ぼ一致するため光の散乱は生じず、透過光86となり、
その結果、透過状態が得られる。
【0006】この高分子分散型液晶を用いた液晶表示パ
ネルでは、光の散乱をONとOFFのシャッターに利用
するため、偏光板を使用する必要がなく、従来のTN型
液晶表示パネルに比較し、2倍以上の明るい表示が得ら
れる。
【0007】また、従来のTN型液晶表示パネルでは、
精度の良い配向処理や上下電極基板間の間隙を正確に制
御する必要があり、大面積の表示に関しては表示むらが
出やすいという課題を持っていたが、高分子分散型液晶
を用いた液晶表示パネルでは、配向処理が不要で電極基
板間の間隙の制御も厳密ではないので、大面積のセルも
容易に作製できるという特徴を持っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一般に、高分子分散型
液晶を用いた液晶表示パネルでは、高コントラストを実
現するために高い散乱状態を持たせることが必要であ
る。そのためには、液晶材料の屈折率と周囲の高分子マ
トリクスの屈折率との差を大きくする必要があり、液晶
材料としては高屈折率を有するシアノ系液晶材料の使用
が考えられる。
【0009】しかし、シアノ系液晶材料は一般に熱や光
に対する信頼性が乏しく、特にこの液晶材料をアクティ
ブマトリクス型液晶表示パネルに使用すると十分な電圧
保持特性が得られず、よい表示性能が得られない。
【0010】近年、この問題に対して、信頼性の優れた
フッソ系液晶材料の応用が検討され、応答速度の向上や
信頼性の改善などが報告されている。しかし、フッソ系
液晶材料は一般に屈折率が低く、液晶表示パネルとして
はシアノ系液晶材料を使用したものと比較するとコント
ラストが低いという課題がある。
【0011】また、高分子分散型液晶を使用した液晶表
示パネルの散乱性能に関連する他の大きな因子として
は、液晶領域の液滴粒径がある。セルの電極間の間隙が
一定とすると、液晶領域の液滴粒径が大き過ぎると、セ
ルの間隙間に存在する液滴の数が少なくなり、液晶相/
高分子マトリクスの界面での散乱回数が減るので散乱性
能は悪くなる。また、逆に、液晶領域の液滴粒径が光の
波長より小さ過ぎると、セルの間隙間に存在する液滴の
数は増えるが、液晶相/高分子マトリクスの界面で散乱
が起こりにくくなりやはり散乱性能は悪くなる。
【0012】従来、この液晶領域の液滴粒径の大きさを
制御するために重合開始温度を変えたり、液晶と重合性
材料の比を変えていたが、液晶表示パネルの表示特性お
よび液晶と重合性材料の相溶性(等方相からネマチック
相が出始める温度の低さ)の点から、製造しやすい温度
条件で粒径を安定に制御することが困難であった。
【0013】本発明は、このような従来の高分子分散型
液晶の課題を解決し、製造しやすい温度条件で安定して
光散乱状態の散乱性能を向上させ、特性ばらつきのない
高コントラストが得られる液晶表示パネルの製造法およ
び製造装置を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】高分子分散型液晶を使用
した液晶表示パネルの液晶領域の液滴粒径の大きさを制
御するために、重合開始剤の開裂反応を制御する。すな
わち、市販の重合開始剤に含まれる各々の化学成分の吸
収波長域にそれぞれ対応する波長を含む紫外線を照射す
る必要がある。また、単に照射紫外線の波長だけでな
く、各々の強度、言い換えれば基準波長の強度に対する
各波長の強度比も最適化する必要がある。
【0015】本発明の請求項1記載の液晶表示パネルの
製造方法は、高分子分散型液晶を使用した液晶表示パネ
ルの重合性材料の紫外線重合工程において、パネル到達
面において 365nmの紫外線強度が 40 mW/cm2
上であり、かつ 365nmの紫外線強度に対する 403nm
の紫外線強度の比を 0.4〜0.6 に調節した紫外線を照射
することを特徴とする液晶表示パネルの製造方法であ
り、本発明の請求項2及び3記載の液晶表示パネルの製
造方法は、高分子分散型液晶を使用した液晶表示パネル
の重合性材料の紫外線重合工程において、紫外線ランプ
と前記液晶表示パネルの間に少なくともカットオフ波長
の異なる2種類の光学フィルタを配置させて紫外線を照
射することを特徴とする液晶表示パネルの製造方法であ
り、本発明の請求項4から7記載の液晶表示パネルの製
造方法は、高分子分散型液晶を使用した液晶表示パネル
の重合性材料の紫外線重合工程において、波長分布の異
なる少なくとも2種類の紫外線光源で同時に紫外線を照
射することを特徴とする液晶表示パネルの製造方法であ
る。
【0016】また、請求項8および9記載の液晶表示パ
ネルの製造装置は、高分子分散型液晶を使用した液晶表
示パネルの重合性材料の紫外線重合工程において、波長
分布の異なる少なくとも2種類の紫外線光源で同時に紫
外線を照射することを特徴とする紫外線照射装置であ
る。
【0017】本発明では、液晶と紫外線硬化性の重合性
材料の混合組成物を一対の電極基板間に挟持させた後、
紫外線を照射し、光相分離により液晶液滴を形成させる
が、前記混合組成物には紫外線重合反応を開始させるた
めに少量の重合開始剤が溶解されている。
【0018】図7は代表的なラジカル系重合開始剤であ
る“ダロキュア 4265 (チバガイギ(株)製”に含まれ
ている2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プ
ロパン−1−オン(別名:ダロキュア 1173 、チバガイ
ギ(株)製)と2,4,6−トリメチルベンゾイルジフ
ェニル−フォスフィンオキサイド(別名:ルシリンTP
O、BASF社製)のモル吸光係数の波長依存特性を示
す図である。“ダロキュア 4265 ”の中の重合開始剤成
分“ダロキュア 1173 ”と“ルシリンTPO”は超高圧
水銀灯(例えば、オーク(株)製CHM− 3000 )のピ
ークである 365nmと 403nmに各々吸収波長域が対応
し、“ダロキュア 4265 ”の中には“ダロキュア 1173
”と“ルシリンTPO”が重量比で 50 %づつ含まれ
ている。紫外線による重合反応の極初期では“ダロキュ
ア 1173 ”だけでも重合は進むが、液晶が相分離してく
ると散乱が起こり、紫外線の特に単波長側の光は高分子
分散液晶層の内部に進入しにくくなり、入射側表面の硬
化は急速に進むが、内部および出射側の硬化速度は表面
と比較して相対的に遅くなり、結果的に入射側表面近傍
とそれ以外の部分で液滴粒径が異なり、散乱性能の悪化
や液滴粒径ばらつきによる特性ばらつきを起こしてしま
う。
【0019】従って、高分子分散型液晶を使用した液晶
表示パネルの重合開始剤には、 365nmより長波長の紫
外線光を、高分子分散液晶層の深部まで十分に透過させ
るため、 403nmで大きなモル吸光係数を有する“ルシ
リンTPO”を等量含有する“ダロキュア 4265 ”の使
用が適する。
【0020】しかしながら、“ダロキュア 1173 ”と
“ルシリンTPO”が等量であっても、照射する超高圧
水銀灯の 365nmと 403nmの強度が十分でなかった
り、逆に強すぎたり、あるいは 365nmと 403nmの強
度のバランスが適当でなかった場合には、やはり紫外線
入射側表面近傍とそれ以外の部分で液滴粒径が異なり、
散乱性能の悪化や液滴粒径ばらつきによる特性ばらつき
を起こしてしまうことになる。
【0021】照射紫外線の強度およびバランス(強度
比)をとるには、フィルタの使用で達成できるが、所定
の強度比の実現には1枚では困難であり、少なくとも2
枚のフィルタを組み合わせて使用する。この場合、1つ
のフィルタは紫外線の短波長域の光による液晶−重合材
料混合物の分解を防止するため、例えば 350nm付近に
カットオフ特性のあるUVカットフィルタを使用するこ
とが望ましい。
【0022】また、1台の紫外線照射装置の中に、 365
nmと 403nmの強度比の異なる少なくとも2種類の紫
外線光源を設置し、同時に液晶−重合材料混合物を充填
したセルに紫外線を照射することによっても、照射紫外
線について所定の強度および強度比を実現することがで
きる。このとき 365nmと 403nmの強度比の異なる少
なくとも2種類の紫外線光源は、 365nmと 403nmの
強度比の異なる少なくとも2種類の紫外線ランプを用い
てもよく、 365nmと 403nmの強度比が同じ2本の紫
外線ランプを用い、ランプ近傍に透過波長分布の異なる
フィルタを設置して調光することもできる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
から図6に基づいて具体的に説明する。 〔実施例1〕インジウム・錫酸化膜からなる透明電極を
設けた一対の透明ガラス基板を用意しを洗浄後、 110℃
で 30 分乾燥し、“ポリイミド樹脂膜RN− 747(日産
化学社)”を 2000 回転/分、 60 秒の条件でスピナー
塗布し、 200℃1時間硬化させた後、 13 μm径のプラ
スティック製のスペーサ(ミクロパール:積水ファイン
(株))を介して熱硬化型のシール材(ストラクトボン
ド:三井東圧化学(株))により液晶注入口を設けて貼
り合わせ、 150℃で4時間加熱してシール材を完全硬化
させて空セルを得た。
【0024】次に、液晶材料としてネマティック液晶
“TL− 205(メルク社製)”を 8.000g、高分子形成
モノマーとして“2−エチルヘキシルアクリレート”を
1.800g、オリゴマーとして“ポリウレタンアクリレー
ト”を 0.180g、光重合開始剤として“ダロキュア 117
3 (メルク社製)”を 0.020g準備し、 40 ℃で十分攪
拌し高分子−液晶の均一な混合溶液を調製した。
【0025】この均一混合溶液を 40 ℃のホットプレー
ト上に予め加温してある上記空セルに液晶注入口から注
入し、注入口を封止した。図1は本発明の液晶表示パネ
ル製造装置を示す。
【0026】この液晶表示パネル製造装置は、循環水1
5により 40 ℃に温度が調節された水ジャケットプレー
ト16の上方に光学用の第1,第2のフィルタ12,1
3が配置され、さらにその上方に紫外線ランプとして超
高圧水銀灯11(オーク社製、CHM− 3000 )が配置
されている。超高圧水銀灯11には光量を調節するため
の電源装置が接続されている。17はランプフードであ
る。
【0027】液晶を注入し、注入口を封止した液晶セル
14を水ジャケットプレート16の上に載置し、所定の
強度で紫外線を 90 秒照射し、一連の高分子分散型液晶
からなる液晶表示パネルを作製した。
【0028】まず、第1,第2のフィルタ12,13と
して2枚の写真乾板用ガラスを置き、上記の紫外線照射
装置の上で5〜 100mW/cm2 の強度で紫外線を 90
秒照射し、高分子分散型液晶からなる液晶表示パネルを
作製した(以下、液晶表示パネルA群とする)。
【0029】また、第1,第2のフィルタ12,13と
して種々のタイプのフィルタを置き、上記の紫外線照射
装置の上で 50 mW/cm2 の強度で 90 秒照射し、高
分子分散型液晶からなる液晶表示パネルを作製した(以
下、液晶表示パネルB群とする)。
【0030】さらに、第1のフィルタ12として 350n
m以下の波長の紫外線をカットするUVカットフィルタ
“UV−35”(東芝社製)を用いて、上記と同様にし
て、高分子分散型液晶からなる液晶表示パネルを作製し
た(以下、液晶表示パネルC群とする)。使用したUV
カットフィルタ“UV−35”の透過率特性曲線を図6
に示す。
【0031】このようにして完成した液晶セルについ
て、セルに垂直な方向の光学変調性能を液晶セルの光学
評価装置“LCD− 7000 ”(大塚電子社製)を使用
し、周波数 30 Hzの方形波を印加して、受光角 2.8
゜、測定温度 30 ℃で測定した。電圧無印加状態の光透
過率をT0 (%)とすると、液晶表示パネルA群ではT
0 =0.6〜 2.1%であった。
【0032】図4はA群の液晶表示パネルについて、光
透過率T0 の紫外線強度依存性を表したものである。上
記光学系による測定ではT0 が1%以下のとき、液晶セ
ルとして十分な散乱性能を有するといえるので、本構成
では、紫外線強度として 40mW/cm2 以上を使用し
たとき、十分な散乱性能を有する高分子分散型液晶から
なる液晶表示パネルが得られた。
【0033】図5は液晶表示パネルB群について、光透
過率を縦軸に、 365nmの紫外線強度に対する 403nm
の紫外線強度の比を横軸にとったT0 の紫外線強度比特
性図を示す。この図にみられるように、 365nmの紫外
線強度に対する 403nmの紫外線強度の比には、“ダロ
キュア 1173 ”と“ルシリンTPO”のモル吸光係数の
波長分布を反映して最適範囲が存在している。十分な散
乱性能を実現するには、光透過率T0 が1%以下の条
件、すなわち、 365nmの紫外線強度に対する 403nm
の紫外線強度の比が 0.4〜 0.6のときであった。
【0034】次に、上記の液晶セルについて、電荷の保
持特性(電圧保持率)を測定した。電荷の保持特性は、
フレーム周波数 30 Hz,電圧5V,ON時間 60 μ秒
の方形波パルスを液晶セルに印加したときの電圧の保持
特性を指標として評価した(測定方法については例えば
特開平7−56153号公報)。
【0035】電圧の保持特性を 60 ℃で各液晶セルにつ
いて測定したところ、液晶表示パネルA群の液晶セルで
は 60 〜 70 %、液晶表示パネルB群の液晶セルではフ
ィルタにより異なるが 65 %前後、液晶表示パネルC群
の液晶セルでは 90 %であった。
【0036】〔実施例2〕インジウム・錫酸化膜からな
る透明電極を設けた一対の透明ガラス基板を用意しを洗
浄後、 110℃で 30 分乾燥し、ポリイミド樹脂膜“RN
− 747”(日産化学社)を 2000 回転/分、 60 秒の条
件でスピナー塗布し、 200℃1時間硬化させた後、 13
μm径のプラスティック製のスペーサ(ミクロパール:
積水ファイン(株))を介して熱硬化型のシール材(ス
トラクトボンド:三井東圧化学(株))により液晶注入
口を設けて貼り合わせ、 150℃で4時間加熱してシール
材を完全硬化させて空セルを得た。
【0037】次に、液晶材料としてネマティック液晶
“TL− 205”(メルク社製)を 8.000g、高分子形成
モノマーとして“2−エチルヘキシルアクリレート”を
1.800g、オリゴマーとして“ポリウレタンアクリレー
ト”を 0.180g、光重合開始剤として“ダロキュア 117
3 (メルク社製)”を 0.020g準備し、 40 ℃で十分攪
拌し高分子−液晶の均一な混合溶液を調製した。
【0038】この均一混合溶液を 40 ℃のホットプレー
ト上に予め加温してある上記空セルに液晶注入口から注
入し、注入口を封止した。図2は本発明にかかる液晶表
示パネルの製造装置を示す。
【0039】紫外線照射装置の上部には、紫外線ランプ
として同じ波長分布を持つ同じ種類の第1,第2の超高
圧水銀灯21a,21b(オーク社製、CHM− 3000
)が取り付けられており、各々の光量を調節するため
の電源装置が各々独立に接続されている。第1,第2の
超高圧水銀灯21a,21bの下部には、それぞれ光学
用のフィルタ28,29が取り付けられており、各々の
超高圧水銀灯から出た光はすべてこのフィルタを通過し
て照射されるようになっている。27はランプフードで
ある。
【0040】具体的には、フィルタ28としてはガラス
フィルタを使用し、フィルタ29としては“UV−3
5”を2枚重ねで使用して、フィルタ28とフィルタ2
9で透過率特性が異なり、フィルタを通過する光が 365
nmの紫外線強度に対する 403nmの紫外線強度の比が
0.5を基準に、 365nmの光量がよりリッチな照射源
と、 403nmの光量がよりリッチな照射源とを各々得ら
れるようにしておいた。
【0041】紫外線照射装置の下部には、循環水25に
より 40 ℃に温度が調節された水ジャケットプレート2
6が配置されている。液晶を注入し、注入口を封止した
液晶セル24を、水ジャケットプレートプレート部26
に載置し、UVカットフィルタ(UV−35、東芝社
製)22を介して 50 mW/cm2 の強度で紫外線を9
0秒照射し、高分子分散型液晶からなる液晶表示パネル
を作製した。このとき、各超高圧水銀灯21a,21b
に供給する電流を調整し、 365nmの紫外線強度に対す
る 403nmの紫外線強度の比を 0.5にした。
【0042】このようにして完成した液晶セルについ
て、セルに垂直な方向の光学変調性能を液晶セルの光学
評価装置“LCD− 7000 ”(大塚電子社製)を使用
し、周波数30Hzの方形波を印加して、受光角 2.8
゜、測定温度 30 ℃で測定した。電圧の無印加状態の光
透過率をT0 (%)とすると、T0 = 0.7%であった。
【0043】次に、上記の液晶セルについて電荷の保持
特性(電圧保持率)を測定した。電荷の保持特性は、フ
レーム周波数 30 Hz,電圧5V,ON時間 60 μ秒の
方形波パルスを液晶セルに印加したときの電圧の保持特
性を指標として評価した(測定方法については例えば特
開平7−56153号公報)。電圧の保持特性を 60℃
で測定したところ、 90 %であった。
【0044】また、図2の装置を数 100時間稼働してい
ると、超高圧水銀灯およびUVフィルタの劣化に主に起
因する紫外線強度の波長分布の変化がみられたが、各超
高圧水銀灯21a,21bに供給する電流を調整するこ
とにより、容易に 365nmの紫外線強度に対する 403n
mの紫外線強度の比を 0.5に維持できた。
【0045】〔実施例3〕インジウム・錫酸化膜からな
る透明電極を設けた一対の透明ガラス基板を用意しを洗
浄後、 110℃で 30 分乾燥し、ポリイミド樹脂膜“RN
− 747(日産化学社)”を 2000 回転/分、 60 秒の条
件でスピナー塗布し、 200℃1時間硬化させた後、 13
μm径のプラスティック製のスペーサ(ミクロパール:
積水ファイン(株))を介して熱硬化型のシール材(ス
トラクトボンド:三井東圧化学(株))により液晶注入
口を設けて貼り合わせ、 150℃で4時間加熱してシール
材を完全硬化させて空セルを得た。
【0046】次に、液晶材料としてネマティック液晶
“TL− 205(メルク社製)”を 8.000g、高分子形成
モノマーとして“2−エチルヘキシルアクリレート”を
1.800g、オリゴマーとして“ポリウレタンアクリレー
ト”を 0.1800 g、光重合開始剤として“ダロキュア 1
173 (メルク社製)”を 0.020g準備し、 40 ℃で十分
攪拌し高分子−液晶の均一な混合溶液を調製した。
【0047】この均一混合溶液を 40 ℃のホットプレー
ト上に予め加温してある上記空セルに液晶注入口から注
入し、注入口を封止した。図3は本発明の液晶表示パネ
ル製造装置を示す。
【0048】紫外線照射装置の上部に、紫外線ランプと
して異なった波長分布を有する超高圧水銀灯31,32
が取り付けられており、各々の光量を調節するための電
源装置が各々独立に接続されている。各超高圧水銀灯
は、 365nmの紫外線強度に対する 403nmの紫外線強
度の比が 0.5を基準に、 365nmの光量がよりリッチな
超高圧水銀灯31と、 403nmの光量がよりリッチな超
高圧水銀灯31からなっている。37はランプフードで
ある。
【0049】紫外線照射装置の下部には、循環水35に
より 40 ℃に温度が調節された水ジャケットプレート3
6が配置されている。液晶を注入し、注入口を封止した
液晶セル34を水ジャケットプレート36に載置し、U
Vカットフィルタ(UV−35、東芝社製)33を介し
て 50 mW/cm2 の強度で紫外線を 90 秒照射し、高
分子分散型液晶からなる液晶表示パネルを作製した。こ
のとき、各超高圧水銀灯31,32に供給する電流を調
整し、 365nmの紫外線強度に対する 403nmの紫外線
強度の比を 0.5にした。
【0050】このようにして完成した液晶セルについ
て、セルに垂直な方向の光学変調性能を液晶セルの光学
評価装置“LCD− 7000 ”(大塚電子社製)を使用
し、周波数30Hzの方形波を印加して、受光角 2.8
゜、測定温度 30 ℃で測定した。電圧の無印加状態の光
透過率をT0 (%)とすると、T0 = 0.7%であった。
【0051】次に、上記の液晶セルについて、電荷の保
持特性(電圧保持率)を測定した。電荷の保持特性は、
フレーム周波数 30 Hz,電圧5V,ON時間 60 μ秒
の方形波パルスを液晶セルに印加したときの電圧の保持
特性を指標として評価した(測定方法については例えば
特開平7−56153号公報)。電圧の保持特性を 60
℃で測定したところ、 90 %であった。
【0052】また、図3の装置を数 100時間稼働してい
ると、各々の超高圧水銀灯の劣化に主に起因する紫外線
強度の波長分布の変化がみられたが、各超高圧水銀灯3
1,32に供給する電流を調整することにより、容易に
365nmの紫外線強度に対する 403nmの紫外線強度の
比を 0.5に維持することができた。
【0053】なお、〔実施例1〕〔実施例2〕では2枚
の光学用フィルタを使用して所定の透過率分布が得られ
るように構成したが、3枚以上の光学用フィルタを使用
して所定の透過率分布が得られるように構成しても同様
の効果が得られる。
【0054】〔実施例2〕〔実施例3〕の実施例では2
本の紫外線ランプを使用したが、紫外線強度を高めるた
め、または紫外線強度比を高めるために、3本以上の紫
外線ランプを使用しても同様の効果を期待できる。
【0055】
【発明の効果】以上のように本発明の液晶表示パネルの
製造方法は、製造しやすい温度条件で安定して高分子分
散型液晶表示パネルを作製でき、光散乱状態の散乱性能
を向上させ、特性ばらつきのない高コントラストな高分
子分散型液晶表示パネルが作製できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示パネルの製造方法の実施に使
用する製造装置の構成図
【図2】本発明の液晶表示パネルの製造方法の実施に使
用する別の製造装置の構成図
【図3】本発明の液晶表示パネルの製造方法の実施に使
用する別の製造装置の構成図
【図4】実施例の液晶表示パネルの透過率−照射紫外線
強度特性図
【図5】実施例のパネルの透過率− 365nmの紫外線強
度に対する 403nmの紫外線強度の比特性図
【図6】使用したUVカットフィルタおよびガラスフィ
ルタの透過率−波長特性図
【図7】重合開始剤“ダロキュア 1173 ”と“ルシリン
TPO”のモル吸光係数の波長分布図
【図8】高分子分散型液晶を使用した液晶表示パネルの
表示原理の概略図
【符号の説明】
11 超高圧水銀灯(紫外線ランプ) 12,13 第1,第2のフィルタ 14 液晶セル 15 循環水 16 水ジャケットプレート 17 ランプフード 21a,21b 第1,第2の超高圧水銀灯(紫
外線ランプ) 22 UVカットフィルタ 24 液晶セル 25 循環水 26 水ジャケットプレート 27 ランプフード 28 フィルタ 29 フィルタ 31,32 超高圧水銀灯(紫外線ランプ) 33 UVカットフィルタ 34 液晶セル 35 循環水 36 水ジャケットプレート 37 ランプフード

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が透明な2枚の基板間
    に、液晶と光重合開始剤のモル吸光係数の極大値がほぼ
    365nmとほぼ 400nmにある少なくとも2種類の光重
    合開始剤を含む重合性材料からなる混合物を挟持させた
    後、紫外線を照射し、前記重合性材料を重合させること
    により連続高分子マトリクス中に液晶が分散保持された
    液晶表示パネルを製造するに際し、前記の紫外線の照射
    は、パネル到達面において 365nmの紫外線強度が 40
    mW/cm2 以上であり、かつ 365nmの紫外線強度に
    対する 403nmの紫外線強度の比を 0.4〜0.6 に調節し
    た紫外線を照射することを特徴とする液晶表示パネルの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも一方が透明な2枚の基板間
    に、液晶と光重合開始剤のモル吸光係数の極大値がほぼ
    365nmとほぼ 400nmにある少なくとも2種類の光重
    合開始剤を含む重合性材料からなる混合物を挟持させた
    後、紫外線を照射し、前記重合性材料を重合させること
    により連続高分子マトリクス中に液晶が分散保持された
    液晶表示パネルを製造するに際し、紫外線ランプと前記
    液晶表示パネルの間にカットオフ波長の異なる少なくと
    も2種類の光学フィルタを配置させて紫外線を照射する
    ことを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも1つの光学フィルタのカット
    オフ波長が 365nm以下の紫外線カットフィルタである
    ことを特徴とする請求項2記載の液晶表示パネルの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも一方が透明な2枚の基板間
    に、液晶と重合性材料からなる混合物を挟持させた後、
    紫外線を照射し、前記重合性材料を重合させることによ
    り連続高分子マトリクス中に液晶が分散保持された液晶
    表示パネルを製造するに際し、前記の紫外線の照射は、
    波長分布の異なる少なくとも2種類の紫外線光源で同時
    に紫外線を照射することを特徴とする液晶表示パネルの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 波長分布の異なる2種類の紫外線光源が
    波長分布の異なる2種類の紫外線ランプであることを特
    徴とする請求項4記載の液晶表示パネルの製造方法。
  6. 【請求項6】 波長分布の異なる2種類の紫外線光源が
    透過波長分布の異なる2種類の光学フィルタと同一波長
    分布の紫外線ランプの組み合わせであることを特徴とす
    る請求項4記載の液晶表示パネルの製造方法。
  7. 【請求項7】 各々の紫外線ランプに調光機能が備わっ
    ていることを特徴とする請求項5または請求項6記載の
    液晶表示パネルの製造方法。
  8. 【請求項8】 各々独立に調光機能を有する少なくとも
    2本の紫外線ランプを持ち、前記紫外線ランプの波長分
    布が各々異なることを特徴とする紫外線照射装置。
  9. 【請求項9】 各々独立に調光機能を有する少なくとも
    2本の紫外線ランプを持ち、それぞれの前記紫外線ラン
    プと被照射物の間に透過率の波長分布が異なる光学フィ
    ルタを設けたことを特徴とする紫外線照射装置。
JP10177496A 1996-04-24 1996-04-24 液晶表示パネルの製造方法および製造装置 Pending JPH09292602A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10177496A JPH09292602A (ja) 1996-04-24 1996-04-24 液晶表示パネルの製造方法および製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10177496A JPH09292602A (ja) 1996-04-24 1996-04-24 液晶表示パネルの製造方法および製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09292602A true JPH09292602A (ja) 1997-11-11

Family

ID=14309568

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10177496A Pending JPH09292602A (ja) 1996-04-24 1996-04-24 液晶表示パネルの製造方法および製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09292602A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100518715B1 (ko) * 1999-08-31 2005-10-04 우시오덴키 가부시키가이샤 광처리장치
JP2008116676A (ja) * 2006-11-02 2008-05-22 Au Optronics Corp 液晶パネル製造装置及び液晶パネルの製造方法
JP2008116674A (ja) * 2006-11-02 2008-05-22 Au Optronics Corp 液晶パネル製造装置及び液晶パネルの製造方法
JP2008116672A (ja) * 2006-11-02 2008-05-22 Au Optronics Corp 液晶パネル製造装置及び液晶パネルの製造方法
JP2008116675A (ja) * 2006-11-02 2008-05-22 Au Optronics Corp 液晶パネル製造装置及び液晶パネルの製造方法
CN115877675A (zh) * 2023-03-08 2023-03-31 江苏邑文微电子科技有限公司 SiC晶片的光刻胶固化和曝光***及其工艺控制方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100518715B1 (ko) * 1999-08-31 2005-10-04 우시오덴키 가부시키가이샤 광처리장치
JP2008116676A (ja) * 2006-11-02 2008-05-22 Au Optronics Corp 液晶パネル製造装置及び液晶パネルの製造方法
JP2008116674A (ja) * 2006-11-02 2008-05-22 Au Optronics Corp 液晶パネル製造装置及び液晶パネルの製造方法
JP2008116672A (ja) * 2006-11-02 2008-05-22 Au Optronics Corp 液晶パネル製造装置及び液晶パネルの製造方法
JP2008116675A (ja) * 2006-11-02 2008-05-22 Au Optronics Corp 液晶パネル製造装置及び液晶パネルの製造方法
CN115877675A (zh) * 2023-03-08 2023-03-31 江苏邑文微电子科技有限公司 SiC晶片的光刻胶固化和曝光***及其工艺控制方法
CN115877675B (zh) * 2023-03-08 2023-05-02 江苏邑文微电子科技有限公司 SiC晶片的光刻胶固化和曝光***及其工艺控制方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3060656B2 (ja) 液晶表示素子
US4834509A (en) Liquid crystal optical device and process for its production and method for its operation
TW200532297A (en) Liquid crystal display device and method of manufacture of same
JP3271316B2 (ja) 光変調素子の製造方法
JP2000321562A (ja) リバースモード光スイッチング機能を有する液晶光学装置とその製造方法
JPH09292602A (ja) 液晶表示パネルの製造方法および製造装置
JP2006195112A (ja) 液晶素子とそれを用いた調光素子および液晶表示装置
JPH11125808A (ja) 液晶光学素子とその製造方法
CN110082947B (zh) 电致光透过率变化结构及其制作方法
JP3981164B2 (ja) 液晶表示装置の製造方法
JP3225932B2 (ja) 液晶表示素子の製造方法
JP2000199895A (ja) 高分子分散型液晶表示装置およびその製造方法ならびに投射型ディスプレイ装置
JP2000066177A (ja) 高分子分散型液晶の光吸収評価法、液晶表示素子および液晶プロジェクター
JPH075444A (ja) 表示素子およびその製造方法
JPH05158020A (ja) 液晶電気光学素子の製法
KR100403787B1 (ko) 고 휘도 및 고 대비비 구현 고분자 분산 액정
US20120207942A1 (en) Process for production of liquid crystal display device
KR950008930B1 (ko) 액정표시장치의 제조방법
JP4048619B2 (ja) 液晶光学素子およびその製造方法
JPH05224180A (ja) 表示素子
JPH0961797A (ja) 液晶光学素子及びその製造方法
JP2950736B2 (ja) 液晶表示素子及びこれを用いた液晶ディスプレイ並びにその製造方法及び駆動方法
JP2001272665A (ja) 液晶表示素子の製造方法
JPH05100211A (ja) 高分子分散液晶材料の製造方法
JP3270195B2 (ja) 調光構成体