JPH09291488A - ゴム物品補強用スチ−ルコ−ド及びその製法並びに製造装置 - Google Patents
ゴム物品補強用スチ−ルコ−ド及びその製法並びに製造装置Info
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- JPH09291488A JPH09291488A JP8128998A JP12899896A JPH09291488A JP H09291488 A JPH09291488 A JP H09291488A JP 8128998 A JP8128998 A JP 8128998A JP 12899896 A JP12899896 A JP 12899896A JP H09291488 A JPH09291488 A JP H09291488A
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- Tires In General (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】ゴム物品補強材として用いられるスチ−ルコ−
ドの耐食性及びゴム物品製造時における作業性を改善す
るゴム物品補強用スチ−ルコ−ドに係る。 【解決手段】2本の素線を撚り合わせることなく平行に
配置した中心部と、該中心部の周囲に6乃至8本の素線
を巻き付けた外層部とからなるスチ−ルコ−ドであっ
て、該中心部の素線群の残留捩れをB(回/5m)、外
層部の残留捩れをA(回/5m)とすれば、0.5≦A
≦3、2≦A+B≦5なる関係を有することを特徴とす
るゴム物品補強用スチ−ルコ−ド。 a‥外層部の素
線、b‥中心部の素線、1‥スプ−ル、2‥素線bに波
形を施す波形付与装置、3‥小径のロ−ル、4‥チュ−
ブラ−型撚線機、5‥ロ−タ−、6‥外層部の素線の螺
旋形付け装置、7‥撚り口、8‥スチ−ルコ−ド巻取り
装置、9‥油塗布装置。
ドの耐食性及びゴム物品製造時における作業性を改善す
るゴム物品補強用スチ−ルコ−ドに係る。 【解決手段】2本の素線を撚り合わせることなく平行に
配置した中心部と、該中心部の周囲に6乃至8本の素線
を巻き付けた外層部とからなるスチ−ルコ−ドであっ
て、該中心部の素線群の残留捩れをB(回/5m)、外
層部の残留捩れをA(回/5m)とすれば、0.5≦A
≦3、2≦A+B≦5なる関係を有することを特徴とす
るゴム物品補強用スチ−ルコ−ド。 a‥外層部の素
線、b‥中心部の素線、1‥スプ−ル、2‥素線bに波
形を施す波形付与装置、3‥小径のロ−ル、4‥チュ−
ブラ−型撚線機、5‥ロ−タ−、6‥外層部の素線の螺
旋形付け装置、7‥撚り口、8‥スチ−ルコ−ド巻取り
装置、9‥油塗布装置。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は空気入りタイヤやコ
ンベアベルト等のゴム物品補強材として用いられるスチ
−ルコ−ドに関し、特にスチ−ルコ−ドの耐食性及びゴ
ム物品製造時における作業性を改善するゴム物品補強用
スチ−ルコ−ド及びその製法並びにその製造装置に係る
ものである。
ンベアベルト等のゴム物品補強材として用いられるスチ
−ルコ−ドに関し、特にスチ−ルコ−ドの耐食性及びゴ
ム物品製造時における作業性を改善するゴム物品補強用
スチ−ルコ−ド及びその製法並びにその製造装置に係る
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来の空気入りタイヤに供されるスチ−
ルコ−ドは、コ−ド直径当たりのコ−ド引張強さを大き
くしかつ良好な耐疲労性を得るため、図1に示すような
最密構造となるように素線を配置した層撚りスチ−ルコ
−ドが知られている。しかし、上記のような最密構造コ
−ドとすると外層部の素線相互の隙間が少なくてコ−ド
内部にゴムが十分に侵入しないため、コ−ドが水分と接
触するとコ−ド内部に水分が容易に侵入してコ−ドを腐
食することになる。
ルコ−ドは、コ−ド直径当たりのコ−ド引張強さを大き
くしかつ良好な耐疲労性を得るため、図1に示すような
最密構造となるように素線を配置した層撚りスチ−ルコ
−ドが知られている。しかし、上記のような最密構造コ
−ドとすると外層部の素線相互の隙間が少なくてコ−ド
内部にゴムが十分に侵入しないため、コ−ドが水分と接
触するとコ−ド内部に水分が容易に侵入してコ−ドを腐
食することになる。
【0003】そこでコ−ドの中心部の素線径を最密構造
の素線径よりも大きくして外層部の素線間に隙間をもた
せてゴムの浸透性を向上させることが実開昭56−10
3092号公報に、又、逆に外層部の素線本数を少なく
して外層部の素線間に隙間をもたせることが特開昭59
−223503号公報で夫々提案されている。更に特開
平4−304319号公報には、ゴム補強用金属フィラ
メントに2次元的な凹凸を歯車ロ−ルによって付与する
提案がなされている。
の素線径よりも大きくして外層部の素線間に隙間をもた
せてゴムの浸透性を向上させることが実開昭56−10
3092号公報に、又、逆に外層部の素線本数を少なく
して外層部の素線間に隙間をもたせることが特開昭59
−223503号公報で夫々提案されている。更に特開
平4−304319号公報には、ゴム補強用金属フィラ
メントに2次元的な凹凸を歯車ロ−ルによって付与する
提案がなされている。
【0004】しかるに、中心部の素線径を外層部の素線
径よりも太くしてコ−ド内部にゴムの侵入を改善するこ
とは、直径の異なる素線を準備する工程を必要とするの
で経済的ではない。又、素線径を太くすると素線の断面
積当たりの引張強さが低下する傾向にあり物品の軽量化
に悪影響を与える。更に、外層部の素線本数を減らして
コ−ド内部にゴムが侵入し易くしたコ−ドでは、コ−ド
の強力が不足する場合がありゴム物品の補強性に問題が
生ずる。
径よりも太くしてコ−ド内部にゴムの侵入を改善するこ
とは、直径の異なる素線を準備する工程を必要とするの
で経済的ではない。又、素線径を太くすると素線の断面
積当たりの引張強さが低下する傾向にあり物品の軽量化
に悪影響を与える。更に、外層部の素線本数を減らして
コ−ド内部にゴムが侵入し易くしたコ−ドでは、コ−ド
の強力が不足する場合がありゴム物品の補強性に問題が
生ずる。
【0005】一方、中心部の素線を撚り合わせることな
く平行に引き揃えてその周囲に外層の素線を巻き付けた
層撚りコ−ドは中心部の素線群に残留捩れを生じ易い。
図2(ア)〜(ウ)は多数のコ−ドを平行に引き揃えゴ
ムを被覆するカレンダ−工程を経た複合体12を短冊状
の複合体13に切断した場合を示すが、残留捩れを有す
るスチ−ルコ−ドを用いた短冊状の複合体13は図2
(ウ)に示すコ−ナ−部に反り返り部14が発生する。
この短冊状の複合体13をつなぎ合わせて例えばタイヤ
のベルト層に形成するが、この反り返り部が生ずるため
に短冊状の複合体13をつなぎ合わせる際やタイヤ成型
の作業性を低下させる。
く平行に引き揃えてその周囲に外層の素線を巻き付けた
層撚りコ−ドは中心部の素線群に残留捩れを生じ易い。
図2(ア)〜(ウ)は多数のコ−ドを平行に引き揃えゴ
ムを被覆するカレンダ−工程を経た複合体12を短冊状
の複合体13に切断した場合を示すが、残留捩れを有す
るスチ−ルコ−ドを用いた短冊状の複合体13は図2
(ウ)に示すコ−ナ−部に反り返り部14が発生する。
この短冊状の複合体13をつなぎ合わせて例えばタイヤ
のベルト層に形成するが、この反り返り部が生ずるため
に短冊状の複合体13をつなぎ合わせる際やタイヤ成型
の作業性を低下させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】尚、層撚りコ−ドの中
心部の素線に波形型付けを施し中心部を撚り合わせてい
ないコ−ドは、中心部にまでゴムが侵入するのでコ−ド
の耐食性は顕著に改善されることとなるが、中心部は更
に残留捩れを生じやすく短冊状の複合体のコ−ナ−部の
反り返りは著しくなり、これをつなぎ合わせて長尺のシ
−トを製造する作業やシ−トのつなぎ合わせ精度に問題
があることが判った。本発明は短冊状の複合体のコ−ナ
−部の反り返りを小さくし、これをつなぎ合わせて長尺
のシ−トを製造する作業を容易とし、かつそのシ−トの
つなぎ合わせ精度を常に高めることをその目的とするも
のである。
心部の素線に波形型付けを施し中心部を撚り合わせてい
ないコ−ドは、中心部にまでゴムが侵入するのでコ−ド
の耐食性は顕著に改善されることとなるが、中心部は更
に残留捩れを生じやすく短冊状の複合体のコ−ナ−部の
反り返りは著しくなり、これをつなぎ合わせて長尺のシ
−トを製造する作業やシ−トのつなぎ合わせ精度に問題
があることが判った。本発明は短冊状の複合体のコ−ナ
−部の反り返りを小さくし、これをつなぎ合わせて長尺
のシ−トを製造する作業を容易とし、かつそのシ−トの
つなぎ合わせ精度を常に高めることをその目的とするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1はゴム物品
補強用スチ−ルコ−ドの構造に係るものであって、2本
の素線を撚り合わせることなく平行に配置した中心部
と、該中心部の周囲に6乃至8本の素線を巻き付けた外
層部とからなるスチ−ルコ−ドであって、該中心部の素
線群の残留捩れをB(回/5m)、外層部の残留捩れを
A(回/5m)とすれば、1≦A≦3、2≦A+B≦5
なる関係を有することを特徴とするスチ−ルコ−ドであ
る。そして、好ましくは全ての素線の直径が同一である
のがよく、更に中心部の素線の少なくとも1本は2次元
の波形型付けをしたものがよい。
補強用スチ−ルコ−ドの構造に係るものであって、2本
の素線を撚り合わせることなく平行に配置した中心部
と、該中心部の周囲に6乃至8本の素線を巻き付けた外
層部とからなるスチ−ルコ−ドであって、該中心部の素
線群の残留捩れをB(回/5m)、外層部の残留捩れを
A(回/5m)とすれば、1≦A≦3、2≦A+B≦5
なる関係を有することを特徴とするスチ−ルコ−ドであ
る。そして、好ましくは全ての素線の直径が同一である
のがよく、更に中心部の素線の少なくとも1本は2次元
の波形型付けをしたものがよい。
【0008】本発明の第2はゴム物品補強用スチ−ルコ
−ドの製法に係るものであって、その1は、中心部に用
いる2本の素線を波形付与装置を通して2次元の波形を
付与した後1つの供給スプ−ルに巻取り、次いで6乃至
8本の外層部を構成する素線を中心部の周囲に巻き付け
るにあたり、中心部の素線群を供給スプ−ルからフライ
ヤ−を経て撚り線機に導く際に中心部の素線群の捩れ方
向が外層部の撚り方向と反対になるように繰り出し、撚
り口でその周囲に外層部の素線を巻き付けることを特徴
とする。この発明にあっては、中心部の素線を2個の供
給スプ−ルから夫々引き出し一台の波形付与装置により
2本の素線に波形を与えるのがよい。
−ドの製法に係るものであって、その1は、中心部に用
いる2本の素線を波形付与装置を通して2次元の波形を
付与した後1つの供給スプ−ルに巻取り、次いで6乃至
8本の外層部を構成する素線を中心部の周囲に巻き付け
るにあたり、中心部の素線群を供給スプ−ルからフライ
ヤ−を経て撚り線機に導く際に中心部の素線群の捩れ方
向が外層部の撚り方向と反対になるように繰り出し、撚
り口でその周囲に外層部の素線を巻き付けることを特徴
とする。この発明にあっては、中心部の素線を2個の供
給スプ−ルから夫々引き出し一台の波形付与装置により
2本の素線に波形を与えるのがよい。
【0009】又、その2は、中心部に用いる2本の素線
を波形付与装置により2本の素線に波形を付与した後、
中心部の素線を小径ロ−ルに巻き付け撚り線機に導く際
に、小径ロ−ルと波形付与装置との間に位置している素
線に予め捩れを与えた後に撚線機の運転を開始し、撚り
口で中心部の線の周囲に外層部の素線を巻き付けるスチ
−ルコ−ドの製法に係るものである。
を波形付与装置により2本の素線に波形を付与した後、
中心部の素線を小径ロ−ルに巻き付け撚り線機に導く際
に、小径ロ−ルと波形付与装置との間に位置している素
線に予め捩れを与えた後に撚線機の運転を開始し、撚り
口で中心部の線の周囲に外層部の素線を巻き付けるスチ
−ルコ−ドの製法に係るものである。
【0010】これらの第2発明にあっては、撚り線機内
部に配置されている供給スプ−ルから外層部の素線を繰
り出し、撚り口で中心部の素線の周囲に巻き付ける方法
がよい。
部に配置されている供給スプ−ルから外層部の素線を繰
り出し、撚り口で中心部の素線の周囲に巻き付ける方法
がよい。
【0011】更に、本発明の第3はゴム物品補強用スチ
−ルコ−ドの製造装置に係るものであって、中心部の2
本の素線を繰り出す2台の供給装置、続いて2本の素線
に夫々波形を形付けする1台の波形付与装置、更に撚り
線機を中心として撚り口との長さを調整できる1組の小
径ロ−ル、次いで外層部の素線を内蔵したロ−タ−、外
層部の螺旋形付け装置、撚り口、コ−ドの巻取り装置を
順次配置した製造装置である。
−ルコ−ドの製造装置に係るものであって、中心部の2
本の素線を繰り出す2台の供給装置、続いて2本の素線
に夫々波形を形付けする1台の波形付与装置、更に撚り
線機を中心として撚り口との長さを調整できる1組の小
径ロ−ル、次いで外層部の素線を内蔵したロ−タ−、外
層部の螺旋形付け装置、撚り口、コ−ドの巻取り装置を
順次配置した製造装置である。
【0012】更にその2は、中心部の2本の素線を繰り
出す2台の供給装置、中心部の素線に波形付けをする2
台の波形付与装置、撚り線機を中心として撚り口との長
さを調整可能に位置させた2組の小径ロ−ル、外層部の
素線を内蔵したロ−タ−、外層部の螺旋形付け装置、撚
り口、コ−ドの巻取り装置を順次配置した製造装置であ
る。
出す2台の供給装置、中心部の素線に波形付けをする2
台の波形付与装置、撚り線機を中心として撚り口との長
さを調整可能に位置させた2組の小径ロ−ル、外層部の
素線を内蔵したロ−タ−、外層部の螺旋形付け装置、撚
り口、コ−ドの巻取り装置を順次配置した製造装置であ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の第1のスチ−ルコ−ドは
図3にて示すように中心部の素線を2本、外層部の素線
を6〜8本としたものであり、その理由は、中心部の素
線数が2本であると水分が伝達する隙間の形成をなくす
ることができるからである。更に、中心部の素線に波形
を付与すると素線相互の接触頻度が低減できるので更に
水分の伝達は抑制されることとなる。そして、中心部の
素線は撚り合わせないことによって中心部の撚り工程が
省略でき撚線の生産性が向上できることになる。又、ス
チ−ルコ−ドを構成する素線径は全て同一とすれば、伸
線工程が単純となり経済的にスチ−ルコ−ドを製造する
ことができることになる。
図3にて示すように中心部の素線を2本、外層部の素線
を6〜8本としたものであり、その理由は、中心部の素
線数が2本であると水分が伝達する隙間の形成をなくす
ることができるからである。更に、中心部の素線に波形
を付与すると素線相互の接触頻度が低減できるので更に
水分の伝達は抑制されることとなる。そして、中心部の
素線は撚り合わせないことによって中心部の撚り工程が
省略でき撚線の生産性が向上できることになる。又、ス
チ−ルコ−ドを構成する素線径は全て同一とすれば、伸
線工程が単純となり経済的にスチ−ルコ−ドを製造する
ことができることになる。
【0014】平行に引き揃えられた多数本のスチ−ルコ
−ドにゴムを被覆する際、ロ−ルによってスチ−ルコ−
ドはしごかれ、短冊状に切断された複合材は反り返りが
生ずることになる。この反り返りはスチ−ルコ−ドの中
心部が撚り合わされていない時に多く発生し、中心部が
撚り合わされておらずかつ中心部の素線が波形に形付け
されていると中心部の素線は更に動き易くなるために複
合体の反り返りの発生は更に増加する。
−ドにゴムを被覆する際、ロ−ルによってスチ−ルコ−
ドはしごかれ、短冊状に切断された複合材は反り返りが
生ずることになる。この反り返りはスチ−ルコ−ドの中
心部が撚り合わされていない時に多く発生し、中心部が
撚り合わされておらずかつ中心部の素線が波形に形付け
されていると中心部の素線は更に動き易くなるために複
合体の反り返りの発生は更に増加する。
【0015】本発明にあっては、この複合体の反り返り
が発生しないようにするには、外層部の残留捩れAを、
0.5≦A≦3の範囲にし、かつ、スチ−ルコ−ド全体
の残留捩れは中心部の残留捩れBの影響を若干ではある
がうけるので、A+Bを2≦A+B≦5の範囲とするこ
とにより複合体の反り返りは防止できることを知見し本
発明に到達したものである。
が発生しないようにするには、外層部の残留捩れAを、
0.5≦A≦3の範囲にし、かつ、スチ−ルコ−ド全体
の残留捩れは中心部の残留捩れBの影響を若干ではある
がうけるので、A+Bを2≦A+B≦5の範囲とするこ
とにより複合体の反り返りは防止できることを知見し本
発明に到達したものである。
【0016】尚、ここで残留捩れとは、スチ−ルコ−ド
の状態で中心部及び外層部の夫々の素線群が有している
弾性変形の捩れであり、外層部又は中心部を除去するこ
とにより解放される捩れをいう。
の状態で中心部及び外層部の夫々の素線群が有している
弾性変形の捩れであり、外層部又は中心部を除去するこ
とにより解放される捩れをいう。
【0017】又、第2発明にあっては、前記したスチ−
ルコ−ドの製法を提供するものであって、これを1工程
で製造することも2工程で製造することも可能である。
いずれにしろ、第2発明の要旨は、中心部に用いる2本
の素線を予め歯車等の波形付与装置を通して2次元の波
形を付与した後、6乃至8本の外層部を構成する素線を
中心部の周囲に巻き付けるものであって、撚り線機に導
く際に中心部の素線群に予め捩れを与えておき、これに
外層部を構成する素線を巻き付けてなるものである。
ルコ−ドの製法を提供するものであって、これを1工程
で製造することも2工程で製造することも可能である。
いずれにしろ、第2発明の要旨は、中心部に用いる2本
の素線を予め歯車等の波形付与装置を通して2次元の波
形を付与した後、6乃至8本の外層部を構成する素線を
中心部の周囲に巻き付けるものであって、撚り線機に導
く際に中心部の素線群に予め捩れを与えておき、これに
外層部を構成する素線を巻き付けてなるものである。
【0018】2工程で製造する実施の1態様にあって、
2本の素線を波形付与装置により波形付けした後この2
本の素線が捩れ合わされないようにして1個のスプ−ル
に巻取る。そしてスチ−ルコ−ドを製造する時は、スチ
−ルコ−ドの撚り方向と同方向に或いは逆方向に捩りが
入るようにこの波形素線をスプ−ルからくり出す。この
ようにすることによって、中心部の素線群が撚線機を通
過する際に捩られる量を調整できる。又、外層部の素線
群の残留捩れは、外層部の素線に巻き付けのための螺旋
形を付与する形付け装置の形付けピンを調節することに
よって残留捩れを調整できる。
2本の素線を波形付与装置により波形付けした後この2
本の素線が捩れ合わされないようにして1個のスプ−ル
に巻取る。そしてスチ−ルコ−ドを製造する時は、スチ
−ルコ−ドの撚り方向と同方向に或いは逆方向に捩りが
入るようにこの波形素線をスプ−ルからくり出す。この
ようにすることによって、中心部の素線群が撚線機を通
過する際に捩られる量を調整できる。又、外層部の素線
群の残留捩れは、外層部の素線に巻き付けのための螺旋
形を付与する形付け装置の形付けピンを調節することに
よって残留捩れを調整できる。
【0019】1工程で製造する実施の1態様にあって、
2本の素線を引き出して波形付与装置により波形付けを
した後、小径のロ−ルを経由して外層部を巻き付ける撚
線機に導く。ここで中心部の素線群は撚線機の回転に伴
い捩れがはいり、撚線機を出て外層部の素線が巻き付け
られる撚り口に至るまでに入りとは逆の捩れがはいり、
中心部の素線は撚り合わせることなく外層部の素線群が
巻き付けられる。そして撚線機を中心として小径のロ−
ルと撚り口との距離を変えることによって中心部の残留
捩れの量を調節することができる。
2本の素線を引き出して波形付与装置により波形付けを
した後、小径のロ−ルを経由して外層部を巻き付ける撚
線機に導く。ここで中心部の素線群は撚線機の回転に伴
い捩れがはいり、撚線機を出て外層部の素線が巻き付け
られる撚り口に至るまでに入りとは逆の捩れがはいり、
中心部の素線は撚り合わせることなく外層部の素線群が
巻き付けられる。そして撚線機を中心として小径のロ−
ルと撚り口との距離を変えることによって中心部の残留
捩れの量を調節することができる。
【0020】更に、第3発明にあって、例えば2工程で
製造する装置にあっては、中心部の2本の波形素線をス
プ−ルから巻き出す際に、スチ−ルコ−ドの撚り方向と
同方向にあるいは逆方向に捩りが入るように例えばフラ
イヤ−を介して2本の波形素線をスプ−ルからくり出す
ようにする。このようにすることによって中心部の素線
群が撚線機を通過する際に捩られる量を調整できる。一
方、外層部の素線群の残留捩れは、外層部の素線に巻き
付けのための螺旋形を付与する形付け装置の形付けピン
を調節することによって残留捩れを調整できる。
製造する装置にあっては、中心部の2本の波形素線をス
プ−ルから巻き出す際に、スチ−ルコ−ドの撚り方向と
同方向にあるいは逆方向に捩りが入るように例えばフラ
イヤ−を介して2本の波形素線をスプ−ルからくり出す
ようにする。このようにすることによって中心部の素線
群が撚線機を通過する際に捩られる量を調整できる。一
方、外層部の素線群の残留捩れは、外層部の素線に巻き
付けのための螺旋形を付与する形付け装置の形付けピン
を調節することによって残留捩れを調整できる。
【0021】又、1工程で製造する装置にあっては、中
心部の素線を小径のロ−ルを経由させて外層部を巻き付
ける撚線機に導くが、中心部の素線群は撚線機の回転に
伴い捩れがはいり、撚線機を出て外層部の素線が巻き付
けられる撚り口に至るまでに入りとは逆の捩れが入る。
そして、この小径のロ−ルと撚り口との距離を変えるこ
とによって中心部の残留捩れの量を調節することができ
る。尚、小径のロ−ルは捩れの逆流の防止を目的として
いるので素線を十分に拘束するロ−ル径が望ましい。
心部の素線を小径のロ−ルを経由させて外層部を巻き付
ける撚線機に導くが、中心部の素線群は撚線機の回転に
伴い捩れがはいり、撚線機を出て外層部の素線が巻き付
けられる撚り口に至るまでに入りとは逆の捩れが入る。
そして、この小径のロ−ルと撚り口との距離を変えるこ
とによって中心部の残留捩れの量を調節することができ
る。尚、小径のロ−ルは捩れの逆流の防止を目的として
いるので素線を十分に拘束するロ−ル径が望ましい。
【0022】
【実施例】以下、本発明を更に詳細に説明する。先ず図
4は本発明の第3発明の第1例(請求項第8項)を示す
ゴム物品補強用スチ−ルコ−ドの製造装置を示すもので
あり、図中、符号1、1は中心部の2本の素線b、bを
繰り出す2台の供給装置(供給スプ−ル)である。そし
て、2は素線b、b夫々に波形を施す一台の波形付与装
置である。次にこの素線bに1組の小径ロ−ル3が備え
られ、次いでチュ−ブラ−型撚線機4としての外層部の
素線aを内蔵したロ−タ−5、外層部の螺旋形付け装置
6、撚り口7、スチルコ−ドの巻取り装置8を順次配置
した製造装置である。尚、図中、符号9は油塗布装置で
あり、1組の小径ロ−ル3は撚り口との長さDを調整で
きるようにされている。
4は本発明の第3発明の第1例(請求項第8項)を示す
ゴム物品補強用スチ−ルコ−ドの製造装置を示すもので
あり、図中、符号1、1は中心部の2本の素線b、bを
繰り出す2台の供給装置(供給スプ−ル)である。そし
て、2は素線b、b夫々に波形を施す一台の波形付与装
置である。次にこの素線bに1組の小径ロ−ル3が備え
られ、次いでチュ−ブラ−型撚線機4としての外層部の
素線aを内蔵したロ−タ−5、外層部の螺旋形付け装置
6、撚り口7、スチルコ−ドの巻取り装置8を順次配置
した製造装置である。尚、図中、符号9は油塗布装置で
あり、1組の小径ロ−ル3は撚り口との長さDを調整で
きるようにされている。
【0023】図5は本発明の第3発明の第2例(請求項
第9項)を示すゴム物品補強用スチ−ルコ−ドの製造装
置を示すものであり、図6はその部分拡大図である。図
中、符号1、1は中心部の2本の素線b、bを繰り出す
2台の供給装置(供給スプ−ル)である。そして、2、
2は素線b、b夫々に波形を施す波形付与装置としての
一対の歯車である。次に素線aの夫々に1組の小径ロ−
ル3、3が備えられ、次いでチュ−ブラ−型撚線機4と
しての外層部の素線aを内蔵したロ−タ−5、外層部の
螺旋形付け装置6、撚り口7、コ−ドの巻取り装置8を
順次配置した製造装置である。
第9項)を示すゴム物品補強用スチ−ルコ−ドの製造装
置を示すものであり、図6はその部分拡大図である。図
中、符号1、1は中心部の2本の素線b、bを繰り出す
2台の供給装置(供給スプ−ル)である。そして、2、
2は素線b、b夫々に波形を施す波形付与装置としての
一対の歯車である。次に素線aの夫々に1組の小径ロ−
ル3、3が備えられ、次いでチュ−ブラ−型撚線機4と
しての外層部の素線aを内蔵したロ−タ−5、外層部の
螺旋形付け装置6、撚り口7、コ−ドの巻取り装置8を
順次配置した製造装置である。
【0024】尚、小径のロ−ル3は捩れの逆流の防止を
目的としているので素線b、bを十分に拘束するロ−ル
径が望ましく、例えば素線bの径が0.34mmであれ
ばロ−ル3の径が50mm以下が好ましい。更に、中心
部の素線の結節を通過させる場合とか、ロ−ルの取替等
で波形付与装置にまで捩れが逆流した際には、この発明
の範囲内に残留捩れBを調整出来ないので、小径ロ−ル
3と波形付与装置6の間にある素線に適当な治具により
予め捩れを戻した後、撚線を開始すればよい。更に別の
実施法として、波形付与装置と小径ロ−ルとの間にある
素線群に適当な治具を用いてスチ−ルコ−ドの撚り方向
と同じ或いは逆の捩れを予め与えた後に撚り線を開始す
ることもでき、このようにすることによって中心部の素
線群が撚線機を通過する際に捩られる量Bを調整できる
ことになる。
目的としているので素線b、bを十分に拘束するロ−ル
径が望ましく、例えば素線bの径が0.34mmであれ
ばロ−ル3の径が50mm以下が好ましい。更に、中心
部の素線の結節を通過させる場合とか、ロ−ルの取替等
で波形付与装置にまで捩れが逆流した際には、この発明
の範囲内に残留捩れBを調整出来ないので、小径ロ−ル
3と波形付与装置6の間にある素線に適当な治具により
予め捩れを戻した後、撚線を開始すればよい。更に別の
実施法として、波形付与装置と小径ロ−ルとの間にある
素線群に適当な治具を用いてスチ−ルコ−ドの撚り方向
と同じ或いは逆の捩れを予め与えた後に撚り線を開始す
ることもでき、このようにすることによって中心部の素
線群が撚線機を通過する際に捩られる量Bを調整できる
ことになる。
【0025】(請求項第4項によるスチ−ルコ−ドの製
造)波形素線の2本を中心部とした2+8構造コ−ドを
製造した。先ず、素線を巻いた供給スプ−ル1、1から
夫々素線b、bを巻き出し、1台ないし2台の波形付与
装置2により2本の素線b、bを同時に波形付けした
後、これら2本の素線b、bが捩れ合わされないように
して1個のスプ−ル10に巻取る。そして、スチ−ルコ
−ドを製造する時は、図7に示すように2本の波形素線
b、bをスプ−ル10から巻き出す際に、スチ−ルコ−
ドの撚り方向と同方向に或いは逆方向に捩りが入るよう
にフライヤ−11を介して2本の波形素線b、bをスプ
−ル10から繰り出すようにする。このようにすること
によって中心部の素線群が撚線機4を通過する際に捩ら
れる量Bを調整できる。そして、図1にて示す撚線機4
以下を通過させるものであり、特に外層部の素線群の残
留捩れは、外層部の素線aに巻き付けのための螺旋形を
付与する形付け装置6における形付けピンを調節するこ
とによって残留捩れAを調整できる。
造)波形素線の2本を中心部とした2+8構造コ−ドを
製造した。先ず、素線を巻いた供給スプ−ル1、1から
夫々素線b、bを巻き出し、1台ないし2台の波形付与
装置2により2本の素線b、bを同時に波形付けした
後、これら2本の素線b、bが捩れ合わされないように
して1個のスプ−ル10に巻取る。そして、スチ−ルコ
−ドを製造する時は、図7に示すように2本の波形素線
b、bをスプ−ル10から巻き出す際に、スチ−ルコ−
ドの撚り方向と同方向に或いは逆方向に捩りが入るよう
にフライヤ−11を介して2本の波形素線b、bをスプ
−ル10から繰り出すようにする。このようにすること
によって中心部の素線群が撚線機4を通過する際に捩ら
れる量Bを調整できる。そして、図1にて示す撚線機4
以下を通過させるものであり、特に外層部の素線群の残
留捩れは、外層部の素線aに巻き付けのための螺旋形を
付与する形付け装置6における形付けピンを調節するこ
とによって残留捩れAを調整できる。
【0026】(請求項第5項によるスチ−ルコ−ドの製
造)波形素線の2本を中心部とした2+8構造コ−ドを
製造した。この製造は図4に示す製造装置によるもので
あって、中心部の素線b、bを巻き付けた2個の供給ス
プ−ル1、1から夫々素線b、bを引き出し、1台の波
形付与装置2により2本の素線b、bに波形付けをした
後、この中心部の素線b、bを一組の小径のロ−ル3を
経由させて外層部を巻き付ける撚線機4に導く。中心部
の素線群は撚線機4の回転に伴い捩れがはいり、撚線機
4を出て外層部の素線a、aが巻き付けられる撚り口7
に至るまでに入りとは逆の捩れが入り、中心部の素線
b、bは撚り合わせることなく外層部の素線群が中心部
の周囲に巻き付けられるのである。この場合、撚線機4
を中心として小径のロ−ル3と撚り口7との距離Dを変
えることによって、中心部の素線b、bの残留捩れの量
を調節することができる。
造)波形素線の2本を中心部とした2+8構造コ−ドを
製造した。この製造は図4に示す製造装置によるもので
あって、中心部の素線b、bを巻き付けた2個の供給ス
プ−ル1、1から夫々素線b、bを引き出し、1台の波
形付与装置2により2本の素線b、bに波形付けをした
後、この中心部の素線b、bを一組の小径のロ−ル3を
経由させて外層部を巻き付ける撚線機4に導く。中心部
の素線群は撚線機4の回転に伴い捩れがはいり、撚線機
4を出て外層部の素線a、aが巻き付けられる撚り口7
に至るまでに入りとは逆の捩れが入り、中心部の素線
b、bは撚り合わせることなく外層部の素線群が中心部
の周囲に巻き付けられるのである。この場合、撚線機4
を中心として小径のロ−ル3と撚り口7との距離Dを変
えることによって、中心部の素線b、bの残留捩れの量
を調節することができる。
【0027】(請求項第5項によるスチ−ルコ−ドの製
造)波形素線の2本を中心部とした2+8構造コ−ドを
製造した。この製造は図5に示す製造装置によるもので
あって、中心部の素線b、bを巻き付けた2個の供給ス
プ−ル1、1から夫々素線b、bを引き出し、2台の波
形付与装置2、2により2本の素線b、bに波形付けを
した後、この中心部の素線b、bを二組の小径のロ−ル
3、3を経由させ、撚線機4にはいる前に中心部の素線
群を平行に引き揃えて撚線機4に導き、撚り口7で中心
部の素線b、b周囲に撚線機4内部から繰り出した外層
部の素線a、aを巻き付けてスチ−ルコ−ドとなした。
造)波形素線の2本を中心部とした2+8構造コ−ドを
製造した。この製造は図5に示す製造装置によるもので
あって、中心部の素線b、bを巻き付けた2個の供給ス
プ−ル1、1から夫々素線b、bを引き出し、2台の波
形付与装置2、2により2本の素線b、bに波形付けを
した後、この中心部の素線b、bを二組の小径のロ−ル
3、3を経由させ、撚線機4にはいる前に中心部の素線
群を平行に引き揃えて撚線機4に導き、撚り口7で中心
部の素線b、b周囲に撚線機4内部から繰り出した外層
部の素線a、aを巻き付けてスチ−ルコ−ドとなした。
【0028】外層部の素線群の捩れAは、製造したスチ
−ルコ−ドを一定長さ例えば5mをスプ−ルから引き出
してその端を固定し、次いで他端の外層部を固定した
後、外層部の素線群の隙間から中心部の素線を抜き取
り、中心部を取り除いた外層部のみのコ−ドが自由に回
転できるようにして残留捩りを解放させた。評価は残留
捩れを解放するときコ−ドの回転方向及び回転数を測定
した。
−ルコ−ドを一定長さ例えば5mをスプ−ルから引き出
してその端を固定し、次いで他端の外層部を固定した
後、外層部の素線群の隙間から中心部の素線を抜き取
り、中心部を取り除いた外層部のみのコ−ドが自由に回
転できるようにして残留捩りを解放させた。評価は残留
捩れを解放するときコ−ドの回転方向及び回転数を測定
した。
【0029】同様に、中心部の素線郡の残留捩れBは、
製造したスチ−ルコ−ドの一定長さ例えば5mをスプ−
ルから引き出して、その一端を固定した外層部の素線群
の撚りを戻して取り除き、中心部が自由に回転できるよ
うにして残留捩れを解放させた時の回転方向及び回転数
を記録した。尚、スチ−ルコ−ドの撚りが締まる方向に
回転する時を+方向、撚りが緩む方に回転する時を−方
向とした。
製造したスチ−ルコ−ドの一定長さ例えば5mをスプ−
ルから引き出して、その一端を固定した外層部の素線群
の撚りを戻して取り除き、中心部が自由に回転できるよ
うにして残留捩れを解放させた時の回転方向及び回転数
を記録した。尚、スチ−ルコ−ドの撚りが締まる方向に
回転する時を+方向、撚りが緩む方に回転する時を−方
向とした。
【0030】図8は波形素線の2本を中心部に、その周
囲に8本の素線を巻き付けたスチ−ルコ−ドについて中
心部及び外層部の残留捩れを測定しその結果を外層部の
残留捩れAを横軸に、外層部の残留捩れAと中心部の残
留捩れBとの和(A+B)を縦軸とした図に打点したも
のである。図中、打点した番号は以下に示す実験番号で
示すスチ−ルコ−ドである。
囲に8本の素線を巻き付けたスチ−ルコ−ドについて中
心部及び外層部の残留捩れを測定しその結果を外層部の
残留捩れAを横軸に、外層部の残留捩れAと中心部の残
留捩れBとの和(A+B)を縦軸とした図に打点したも
のである。図中、打点した番号は以下に示す実験番号で
示すスチ−ルコ−ドである。
【0031】(実験番号13)実験番号13は従来例の
スチ−ルコ−ドであり、かかるスチ−ルコ−ドの構造は
中心部に用いる2本の直径が0.34mmのスチ−ル素
線を2台の巻き出し装置から繰り出して1台の波形付与
装置によって波ピッチ4.4mm、波高さ0.55mm
の波形を施した後、直径70mmのロ−ルを経由して該
中心部の周囲に巻き付けて外層部を形成するチュ−ブラ
−型撚り線機に導く。尚、この際撚り線機を中心として
ロ−ルと撚り口の距離(D)は526cmである。次
に、外層部に配置される8本の直径が0.34mmのス
チ−ルコ−ド素線を巻き付けのための螺旋形を付与する
ために、ピン間隔が13mmである撚り形付け装置に案
内した後撚り線機で中心部の周囲に巻き付けて2+8構
造のスチ−ルコ−ドとしたものである。
スチ−ルコ−ドであり、かかるスチ−ルコ−ドの構造は
中心部に用いる2本の直径が0.34mmのスチ−ル素
線を2台の巻き出し装置から繰り出して1台の波形付与
装置によって波ピッチ4.4mm、波高さ0.55mm
の波形を施した後、直径70mmのロ−ルを経由して該
中心部の周囲に巻き付けて外層部を形成するチュ−ブラ
−型撚り線機に導く。尚、この際撚り線機を中心として
ロ−ルと撚り口の距離(D)は526cmである。次
に、外層部に配置される8本の直径が0.34mmのス
チ−ルコ−ド素線を巻き付けのための螺旋形を付与する
ために、ピン間隔が13mmである撚り形付け装置に案
内した後撚り線機で中心部の周囲に巻き付けて2+8構
造のスチ−ルコ−ドとしたものである。
【0032】(実験番号12)上記した従来例コ−ド
(No.13)に対してロ−ルの直径を70mmから5
0mmに変更して製造したスチ−ルコ−ドを実験番号1
2とした。
(No.13)に対してロ−ルの直径を70mmから5
0mmに変更して製造したスチ−ルコ−ドを実験番号1
2とした。
【0033】(実験番号11〜9)上記した従来例コ−
ド(No.13)に対して螺旋形付け装置のピン間隔を
15mm及び17mmにして外層部の残留捩れを制御し
たコ−ドが実験番号10及び11のコ−ドである。又、
ロ−ル径を50mm、螺旋形付け装置のピン間隔を15
mmとして製造したコ−ドが実験番号9である。
ド(No.13)に対して螺旋形付け装置のピン間隔を
15mm及び17mmにして外層部の残留捩れを制御し
たコ−ドが実験番号10及び11のコ−ドである。又、
ロ−ル径を50mm、螺旋形付け装置のピン間隔を15
mmとして製造したコ−ドが実験番号9である。
【0034】(実験番号8〜5)上記した従来例コ−ド
(No.13)と同じ製造条件に加えてロ−ルと撚り口
の距離(D)を変えて製造した。D(cm)が518、
507、502、497に対し、これらを夫々コ−ドの
実験番号8、7、6、5とする。
(No.13)と同じ製造条件に加えてロ−ルと撚り口
の距離(D)を変えて製造した。D(cm)が518、
507、502、497に対し、これらを夫々コ−ドの
実験番号8、7、6、5とする。
【0035】(実験番号4〜2)中心部の2本の素線に
波形を付与する際に2台の波形形付け付与装置を用い、
又直径が50mmのロ−ルを2組用い、更にロ−ルと撚
り口の距離及び螺旋形付け装置のピン間隔を変えて製造
した。即ち、D(cm)が485、485、502であ
り、ピン間隔(mm)が夫々13、15、15で製造さ
れたコ−ドを実験番号4、3、2とした。
波形を付与する際に2台の波形形付け付与装置を用い、
又直径が50mmのロ−ルを2組用い、更にロ−ルと撚
り口の距離及び螺旋形付け装置のピン間隔を変えて製造
した。即ち、D(cm)が485、485、502であ
り、ピン間隔(mm)が夫々13、15、15で製造さ
れたコ−ドを実験番号4、3、2とした。
【0036】(実験番号1)実験番号1のコ−ドは、波
形を付与した2本の素線を1個のスプ−ルに捩じれが入
らないように巻いてある供給スプ−ルから素線を繰り出
す際に第7図に示したフライヤ−を介して繰り出して製
造するものであるが、フライヤ−の回転方向を外層部の
撚り方向とは反対方向にして製造したものである。
形を付与した2本の素線を1個のスプ−ルに捩じれが入
らないように巻いてある供給スプ−ルから素線を繰り出
す際に第7図に示したフライヤ−を介して繰り出して製
造するものであるが、フライヤ−の回転方向を外層部の
撚り方向とは反対方向にして製造したものである。
【0037】その結果、図中の斜線を施した範囲がゴム
と複合した短冊状の複合体に反り返り部が認められなか
った。
と複合した短冊状の複合体に反り返り部が認められなか
った。
【0038】
【発明の効果】この発明のスチ−ルコ−ドは、中心部に
までゴムが侵入するので耐腐食性に優れており、又中心
部の素線に波形を付与しているので繰り返し歪による中
心部の素線がゴムから飛び出すこともなく、更にはゴム
物品を製造する際に、ゴムと未加硫複合体の短冊状の複
合体に反り返り部がないので作業性が向上すると共に精
度のよい製品とすることができる。
までゴムが侵入するので耐腐食性に優れており、又中心
部の素線に波形を付与しているので繰り返し歪による中
心部の素線がゴムから飛び出すこともなく、更にはゴム
物品を製造する際に、ゴムと未加硫複合体の短冊状の複
合体に反り返り部がないので作業性が向上すると共に精
度のよい製品とすることができる。
【図1】図1は従来のスチ−ルコ−ドの断面図である。
【図2】図2は従来のスチ−ルコ−ドを用いた短冊状の
複合体の切断した場合の状態図である。
複合体の切断した場合の状態図である。
【図3】図3は本発明のスチ−ルコ−ドの断面図であ
る。
る。
【図4】図4は本発明の第3のゴム物品補強用スチ−ル
コ−ドの製造装置(請求項第8項)を示す全体図であ
る。
コ−ドの製造装置(請求項第8項)を示す全体図であ
る。
【図5】図5は本発明の第3のゴム物品補強用スチ−ル
コ−ドの製造装置(請求項第9項)を示す全体図であ
る。
コ−ドの製造装置(請求項第9項)を示す全体図であ
る。
【図6】図6は図5に示す製造装置の部分拡大図であ
る。
る。
【図7】図7は請求項第4項によるスチ−ルコ−ドの製
造の際の供給スプ−ルの一例を示す図である。
造の際の供給スプ−ルの一例を示す図である。
【図8】図8は2+8構造のスチ−ルコ−ドについて、
外層部の残留捩れAを横軸に、外層部の残留捩れAと中
心部の残留捩れBとの和(A+B)を縦軸とした図に打
点した図である。
外層部の残留捩れAを横軸に、外層部の残留捩れAと中
心部の残留捩れBとの和(A+B)を縦軸とした図に打
点した図である。
a‥‥外層部の素線、 b‥‥中心部の素線、 D‥‥小径ロ−ルと撚り口との長さ、 1‥‥スプ−ル、 2‥‥素線bに波形を施す波形付与装置、 3‥‥小径のロ−ル、 4‥‥チュ−ブラ−型撚線機、 5‥‥ロ−タ−、 6‥‥外層部の素線の螺旋形付け装置、 7‥‥撚り口、 8‥‥スチ−ルコ−ド巻取り装置、 9‥‥油塗布装置、 10‥‥スプ−ル、 11‥‥フライヤ−、 12‥‥スチ−ルコ−ドとゴムとの未加硫長尺体、 13‥‥短冊状の複合体、 14‥‥反り返り部。
Claims (9)
- 【請求項1】 2本の素線を撚り合わせることなく平行
に配置した中心部と、該中心部の周囲に6乃至8本の素
線を巻き付けた外層部とからなるスチ−ルコ−ドであっ
て、該中心部の素線群の残留捩れをB(回/5m)、外
層部の残留捩れをA(回/5m)とすれば、0.5≦A
≦3、2≦A+B≦5なる関係を有することを特徴とす
るゴム物品補強用スチ−ルコ−ド。 - 【請求項2】 全ての素線の直径が同一である請求項第
1項記載のゴム物品補強用スチ−ルコ−ド。 - 【請求項3】 該中心部の素線の少なくとも1本は2次
元の波形型付けを有したものである請求項第1項乃至第
2項記載のゴム物品補強用スチ−ルコ−ド。 - 【請求項4】 中心部に用いる2本の素線を波形付与装
置を通して2次元の波形を付与した後1つの供給スプ−
ルに巻取り、次いで6乃至8本の外層部を構成する素線
を中心部の周囲に巻き付けるにあたり、中心部の素線群
を供給スプ−ルからフライヤ−を経て撚り線機に導く際
に中心部の素線群の捩れ方向が外層部の撚り方向と反対
になるように繰り出し、撚り口でその周囲に外層部の素
線を巻き付けることを特徴とするゴム物品補強用スチ−
ルコ−ドの製法。 - 【請求項5】 中心部に用いる2本の素線を波形付与装
置を通して2次元の波形を付与した後、中心部の素線を
小径ロ−ルに巻き付け撚り線機に導く際に、小径ロ−ル
と波形付与装置との間に位置している素線群に予め捩れ
を与えた後に撚線機の運転を開始し、撚り口で中心部の
線の周囲に外層部の素線を巻き付けることを特徴とする
ゴム物品補強用スチ−ルコ−ドの製法。 - 【請求項6】 中心部の素線を2個の供給スプ−ルから
夫々引き出し一台の波形付与装置により2本の素線に波
形を与える請求項第5項記載のゴム物品補強用スチ−ル
コ−ドの製法。 - 【請求項7】 撚り線機内部に配置されている供給スプ
−ルから外層部の素線を繰り出し、撚り口で中心部の素
線の周囲に巻き付ける請求項第5項及び請求項第6項記
載のゴム物品補強用スチ−ルコ−ドの製造方法。 - 【請求項8】 中心部の2本の素線を繰り出す2台の供
給装置、続いて2本の素線に夫々波形を形付けする1台
の波形付与装置、更に撚り線機を中心として撚り口との
長さを調整できる1組の小径ロ−ル、次いで外層部の素
線を内蔵したロ−タ−、外層部の螺旋形付け装置、撚り
口、コ−ドの巻取り装置を順次配置したことを特徴とす
るゴム物品補強用スチ−ルコ−ドの製造装置。 - 【請求項9】 中心部の2本の素線を繰り出す2台の供
給装置、中心部の素線に波形付けをする2台の波形付与
装置、撚り線機を中心として撚り口との長さを調整可能
に位置させた2組の小径ロ−ル、外層部の素線を内蔵し
たロ−タ−、外層部の螺旋形付け装置、撚り口、コ−ド
の巻取り装置を順次配置したことを特徴とするゴム物品
補強用スチ−ルコ−ドの製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12899896A JP3588402B2 (ja) | 1996-04-24 | 1996-04-24 | ゴム物品補強用スチ−ルコ−ド及びその製法並びに製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12899896A JP3588402B2 (ja) | 1996-04-24 | 1996-04-24 | ゴム物品補強用スチ−ルコ−ド及びその製法並びに製造装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09291488A true JPH09291488A (ja) | 1997-11-11 |
JP3588402B2 JP3588402B2 (ja) | 2004-11-10 |
Family
ID=14998618
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12899896A Expired - Fee Related JP3588402B2 (ja) | 1996-04-24 | 1996-04-24 | ゴム物品補強用スチ−ルコ−ド及びその製法並びに製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3588402B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100794628B1 (ko) * | 2005-11-17 | 2008-01-14 | 홍덕스틸코드주식회사 | 고무 보강재용 스틸 코드의 제조 방법 |
JP2008025040A (ja) * | 2006-07-18 | 2008-02-07 | Tokyo Seiko Co Ltd | スチールコード及びその製造方法 |
JP2009079312A (ja) * | 2007-09-26 | 2009-04-16 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 空気入りラジアルタイヤ |
JP2009079313A (ja) * | 2007-09-26 | 2009-04-16 | Tokyo Seiko Co Ltd | スチール・コード |
-
1996
- 1996-04-24 JP JP12899896A patent/JP3588402B2/ja not_active Expired - Fee Related
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