JPH092836A - 磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスク - Google Patents
磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスクInfo
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- JPH092836A JPH092836A JP10033196A JP10033196A JPH092836A JP H092836 A JPH092836 A JP H092836A JP 10033196 A JP10033196 A JP 10033196A JP 10033196 A JP10033196 A JP 10033196A JP H092836 A JPH092836 A JP H092836A
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Abstract
金属磁性膜の腐食を改善するガラス基板を提供する。 【解決手段】組成が重量%表示で実質的にSiO2 :5
0〜65、Al2 O3 :5〜15、Na2 O:2〜7、
K2 O:4〜9、Na2 O+K2 O:7〜14、MgO
+CaO+SrO+BaO:12〜25、ZrO2 :1
〜6、であるガラスを化学強化処理してなる磁気ディス
ク用ガラス基板。
Description
ス基板および磁気ディスクに関する。
メッキ、蒸着等のプロセスにより磁性膜および保護膜が
形成されたものであり、一般にガラスは表面の平滑性に
優れ、硬く、変形抵抗が大きく、かつ表面欠陥が少ない
等の理由から高密度化に適した磁気ディスク用基板の材
料として注目されている。
含むガラス、たとえばソーダライムシリカガラス、を用
いた場合、特に多湿環境下やエイジング処理をした場合
において磁性膜のピンホール部または磁性膜の周辺部な
ど磁性膜が薄い部分またはガラスが露出した部分からア
ルカリイオンが析出し、これが引きがねとなって磁性膜
が腐食または変色することが見出されている。
きわめて低いガラス、たとえばノンアルカリガラスを用
いればよいことになる。
は、実用上充分な強度を得ることが難しい。これは、イ
オン交換強化処理を行えないためである。実用上充分な
強度を得るために施すガラスの強化処理としては、風冷
強化やイオン交換強化があるが、厚さの薄いディスク用
ガラス基板においては、平坦性を保持するため、低温で
行えるイオン交換強化処理を採用する必要がある。イオ
ン交換処理とは、具体的には、Naを含むガラスの転移
温度以下の温度でガラス中のNa+ イオンをそれよりイ
オン半径の大きいK+ イオンと交換する処理である。
うにイオン交換される成分であるから、ノンアルカリガ
ラスはイオン交換強化の対策になり得ない。したがって
低温型イオン交換処理を行う以上は基板ガラスはアルカ
リを含むガラスでなければならない。
スクなどのガラス基板に要求される(1)多湿環境下ま
たはエイジングによる磁性膜の劣化を生起させないこ
と、および(2)実用上充分な強度を有すること、は相
反する性質であり、両者を満足することは難しい。
ためにイオン交換強化ができ、かつ従来のソーダライム
ガラスシリカで問題となっていたガラス基板上の金属磁
性膜の腐食を改善するガラス基板を提供することにあ
る。
表示で実質的に、 SiO2 50〜65、 Al2 O3 5〜15、 Na2 O 2〜7、 K2 O 4〜9、 Na2 O+K2 O 7〜14、 MgO+CaO+SrO+BaO 12〜25、 ZrO2 1〜 6、 からなるガラスを化学強化処理してなる磁気ディスク用
ガラス基板である。
分について以下に説明する。SiO2 はガラスのネット
ワークフォーマーであり、本発明では、50〜65重量
%とする。これが少ないと化学的耐久性が低下し、多す
ぎると熔解が困難になる傾向がある。より好ましくは5
2〜62重量%である。
させるとともに、ガラス表層部のアルカリ金属をよりイ
オン半径の大きいアルカリ金属で置換するイオン交換の
速度を増大させ、深い圧縮応力を形成させやすくする作
用があり、本発明では5〜15重量%とする。これが多
すぎると、熔解が困難になる。より好ましくは6〜9重
量%、特に好ましくは6〜8重量%である。
て作用するとともに、化学強化時にイオン交換される主
たる成分となる。本発明では、2〜7重量%とする。こ
れが多すぎると、化学的耐久性が低下するだけでなく、
Na+ イオンがガラス基板表面へ多く析出するようにな
るため、磁性膜の耐食性が劣化するおそれがある。
速度を向上させる。また、Na2 Oを一部置換すること
により、Na2 Oの添加量を低減させ、磁性膜の耐食性
を高めうる。K2 Oの添加量は4〜9重量%とする。K
2 Oが多くなり、Na2 Oが相対的に少なくなりすぎる
と、イオン交換そのものが起こりにくくなる。K2 O+
Na2 Oは以上の観点で、7〜14重量%とする。
ラス熔解時のフラックスとしての作用があり、熔解を促
進させるために添加される。これを超えると、ガラスの
失透温度が高くなり、製板が困難になるおそれがある。
は、MgOは0.5〜5重量%とし、CaOは2〜8重
量%とし、またMgO+CaOは2.5〜10重量%と
することが好ましい。これらが多すぎると、失透温度が
高くなりフロート法による成形が困難になるおそれがあ
る。失透温度をある程度低くすることはフロート法によ
る成形性を確保するうえで重要である。つまり、フロー
ト法成形は、粘度104 ポイズ程度で行われるため、失
透温度が104 ポイズに相当する粘度を持つ温度より低
いガラスでないとフロート法による成形が難しくなる。
また、本発明において、CaOは、後に述べる発明者ら
の実験によると、多すぎる場合に化学強化が入りにくく
なる傾向がある。
は1〜3重量%である。またCaOは。より好ましくは
2〜5.5重量%であり、特に好ましくは3〜5.5重
量%である。さらに、MgO+CaOは、より好ましく
は4〜9重量%である。
るためには、4〜10重量%とすることが好ましい。こ
れが多すぎると失透温度が高くなる。より好ましくは6
〜9重量%である。また、BaOは5〜12重量%とす
ることが好ましい。これも多すぎると、失透温度が高く
なる。より好ましくは6〜11重量%である。
がある。本発明では1〜6重量%とする。多すぎると、
熔解性が低下するおそれがある。好ましくは2〜5重量
%である。
に、ガラスの熔解性、清澄性、成形性を改善するため、
As2 O3 、Sb2 O3 、P2 O5 、F、Cl、SO3
を合量で2重量%以下添加できる。また、ガラスの化学
的耐久性向上のため、La2 O3 、TiO2 、SnO
2 、ZnOを合量で5重量%以下添加できる。さらに、
Fe2 O3 、CoO、NiO、Nd2 O3 等の着色材を
添加してガラスの色調を調整できる。この着色材の含有
量は合量で1重量%以下が好ましい。なお、K2 O、N
a2 Oなどのアルカリ成分は、この若干量をLi2 Oに
置換できる。Li2Oの含有量は1重量%以下が好まし
い。
方法で製造できる。すなわち、通常使用される各成分の
原料を目標成分になるように調合し、これを熔解炉に連
続的に投入し、1500〜1600℃に加熱して、熔融
する。この熔融ガラスをフロート法により所定の板厚に
成形し、徐冷後切断する。
イズに切断されたガラス板を化学強化処理する。化学強
化処理は公知の方法で行えばよい。すなわち、400〜
530℃の硝酸カリウムまたはこれと硝酸ナトリウムと
の混合液にガラス物品を2〜20時間程度浸漬した後取
り出し、徐冷することにより行える。
のテクスチャを形成するテクスチャ加工は、基板をドー
ナツ状に加工し、エッチング、研磨、洗浄した後、化学
強化処理の前に行われる。テクスチャ加工は、フッ酸の
液または蒸気を使用して行える。テクスチャ加工された
ガラス基板は化学強化処理がなされる。
て、磁気ディスクを形成するには、ガラス基板の上に順
次、下地層、磁性層、保護層、潤滑層を設ければよい。
性層としては、Co−Cr系、Co−Cr−Pt系、C
o−Ni−Cr系、Co−Ni−Cr−Pt系、Co−
Ni−Pt系、Co−Cr−Ta系などのCo系合金を
好ましく採用できる。耐久性や磁気特性を向上するため
に、磁性層の下に設けられる下地層としては、Ni層、
Ni−P層、Cr層、SiO2 層などを採用できる。
料からなる金属または合金層を磁性層の上または下に設
けうる。
のカーボンまたはシリカの層が使用でき、潤滑層を形成
するためには、30Å程度の厚みのパーフルオロポリエ
ーテル系の液体潤滑剤が使用できる。
組成について常法に従い調合・混合し、ガラスバッチを
調製した。次いで容量約500mlのPt−Rh10%
坩堝にガラスバッチを入れ1500℃で均質化のため約
1時間の撹拌を含め約4時間熔解し、カーボン板上に流
し出して板状とし徐冷後、常法に従い切断・研磨して約
1mm厚の板状ガラスサンプルを得た。表1には比較例
として通常のソーダライムシリカガラスも記載した(例
5)。
の温度、102 ポイズの温度、歪点温度を表1に併記す
る。
断・研磨して外径65mm、内径20mm、厚さ0.6
35mmのドーナツ状の円形ガラスディスク基板を各2
0枚作成した。
ガラスディスク基板の各10枚について化学強化処理を
行った。すなわち、例1〜4については480℃の熔融
硝酸カリウム塩に、また、例5については450℃の熔
融硝酸カリウム塩に、それぞれ10時間浸漬し、化学強
化処理を行った。
硝子製の主表面応力計FSW−60にて表面圧縮応力層
の厚みを測定した結果を表1に併記する。また、例1に
ついては、別途、500℃の熔融硝酸カリウム塩に10
時間浸漬し、化学強化処理を行ったところ、表面圧縮応
力層の厚みは20μmとなった。
にかかるガラス基板は10μm以上の表面圧縮応力層を
有し、かつCaOの含有量が5.5重量%未満のもの
は、14μm以上の表面圧縮応力層を有することがわか
る。すなわち、同条件で化学強化処理を行った場合、本
発明においては、CaOの含有量が少なくなると、表面
の圧縮応力相の深さは深くなり、化学強化が入りやすく
なる傾向がある。具体的には、前述したように、CaO
の含有量は2〜5.5重量%であることが好ましい。
強化品についてディスクの外周全周を支持し、内周部に
荷重をかける曲げ強度テストを各10枚のディスクにつ
いて行い平均強度を求めた。
/mm2 、深さ20μmの圧縮応力層をもつ強化品が3
4.1kg/mm2 であった。これに対し、例1〜4未
強化品は15.5kg/mm2 であり、例1のガラス基
板に対して深さ20μmの圧縮応力層を形成した強化品
は43.6kg/mm2 であった。
板は従来のソーダライムシリカガラスからなる基板と遜
色のない化学強化処理ができ、その強化処理後の強度も
従来のソーダライムシリカガラスと同等以上のものであ
り、磁気記録媒体用として、実用上充分な強度を持つも
のと認められる。このことは、現在磁気ディスク基板と
して広く用いられているアルミニウムの降伏強度10k
g/mm2 に比べて上記の曲げ強度がはるかに大きいこ
とからも裏付けられる。
品および強化品のそれぞれの主表面上にスパッタ法によ
り厚さ約500ÅのCrからなる下地層を形成した後、
厚さ約600ÅのCo−30原子%Ni合金磁性層を形
成し、その上に厚さ約300Åのカーボン保護膜を形成
し、さらにその上にパーフルオロポリエーテル系の液体
潤滑剤を塗布することにより磁気記録媒体を得た。
気条件で100時間保持することにより耐湿テストを実
施したところ、例5のガラス基板からなる未強化品磁気
記録媒体はディスクの内周および外周の端面から2〜3
mmの範囲にわたってCo−Ni合金層とガラスとの界
面から面内にかけて変色が認められ、例5のガラス基板
からなる強化品磁気記録媒体では同じく1〜2mmの範
囲にわたって変色が認められた。これに対し例1〜4の
ガラス基板からなる磁気記録媒体は未強化品、強化品と
もに変色が認められなかった。
機を用いて、アルミナ・ジルコニア系の1500番の研
磨剤を用いて、加工圧60g/cm2 で研磨すると、ソ
ーダライムシリカガラスが厚み変化3.78μm/分で
あったのに対し、例1のガラスは、厚み変化4.35μ
m/分であった。
パッドを備えた両面研磨機を用いて酸化セリウムからな
る研磨剤を用いて、加工圧100g/cm2 で研磨する
と、ソーダライムシリカガラスが厚み変化0.74μm
/分であったのに対し、例1のガラスは、厚み変化1.
15μm/分であった。
基板はソーダライムシリカガラスを使用したガラス基板
に比べ、耐食性および耐エージング性がきわめて優れ
る。また、本発明のガラス基板はイオン交換強化の効果
が充分に得られ、実際使用上充分な機械的強度を有す
る。さらに、本発明のうちのひとつの磁気ディスク用ガ
ラス基板は、フロート法による成形にも適するものであ
る。また、本発明の基板ガラスは、加工性にも優れ、研
磨した場合の速度は、通常のソーダライムシリカガラス
と比べて15〜55%高い。したがって、生産性の点で
も有利である。
aOの含有量が少ないことから、化学強化用の熔融硝酸
カリウム塩にCaOが解けだしにくく、熔融硝酸カリウ
ム塩の寿命が長くなる効果も有することが予想される。
Claims (7)
- 【請求項1】組成が重量%表示で実質的に、 SiO2 50〜65、 Al2 O3 5〜15、 Na2 O 2〜7、 K2 O 4〜9、 Na2 O+K2 O 7〜14、 MgO+CaO+SrO+BaO 12〜25、 ZrO2 1〜 6、 からなるガラスを化学強化処理してなる磁気ディスク用
ガラス基板。 - 【請求項2】組成が重量%表示で実質的に、 SiO2 50〜65、 Al2 O3 5〜9、 Na2 O 2〜7、 K2 O 4〜9、 Na2 O+K2 O 7〜14、 MgO 0.5〜5、 CaO 2〜8、 MgO+CaO 2.5〜10、 SrO 4〜10、 BaO 5〜12、 ZrO2 1〜 6、 からなるガラスを化学強化処理してなる請求項1記載の
磁気ディスク用ガラス基板。 - 【請求項3】表面から10μm以上の厚さの圧縮応力層
を有する請求項1または2記載の磁気ディスク用ガラス
基板。 - 【請求項4】組成が重量%表示で実質的に、 SiO2 50〜65、 Al2 O3 5〜9、 Na2 O 2〜7、 K2 O 4〜9、 Na2 O+K2 O 7〜14、 MgO 0.5〜5、 CaO 2〜5.5、 MgO+CaO 2.5〜9、 SrO 4〜10、 BaO 5〜12、 ZrO2 1〜 6、 からなるガラスを化学強化処理してなる請求項2記載の
磁気ディスク用ガラス基板。 - 【請求項5】表面から14μm以上の厚さの圧縮応力層
を有する請求項4記載の磁気ディスク用ガラス基板。 - 【請求項6】400〜530℃の硝酸カリウムまたはこ
れと硝酸ナトリウムとの混合液にガラスを2〜20時間
浸漬することによって化学強化処理されることを特徴と
する請求項1〜5いずれか1項記載の磁気ディスク用ガ
ラス基板。 - 【請求項7】請求項1〜6いずれか1項記載の磁気ディ
スク用ガラス基板の上に、順次、下地層、磁性層、保護
層、潤滑層を設けてなる磁気ディスク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10033196A JPH092836A (ja) | 1995-04-20 | 1996-04-22 | 磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスク |
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JPH092836A true JPH092836A (ja) | 1997-01-07 |
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---|---|---|---|
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-
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- 1996-04-22 JP JP10033196A patent/JPH092836A/ja active Pending
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