JPH09283063A - 電界放出形ディスプレイ及びその製造方法、並びにディスプイレイ用金属膜の製造方法 - Google Patents

電界放出形ディスプレイ及びその製造方法、並びにディスプイレイ用金属膜の製造方法

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JPH09283063A
JPH09283063A JP9696696A JP9696696A JPH09283063A JP H09283063 A JPH09283063 A JP H09283063A JP 9696696 A JP9696696 A JP 9696696A JP 9696696 A JP9696696 A JP 9696696A JP H09283063 A JPH09283063 A JP H09283063A
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field emission
substrate
phosphor layer
metal film
cathode
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JP9696696A
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Takeshi Tonegawa
武 利根川
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】駆動電圧の小さい電界放出形ディスプレイの蛍
光体層上に薄くて均一なAl膜を形成する。 【解決手段】真空容器の内部にAl20と陽極基板2を収納
する。真空容器の内部を1 ×10-5Torr以上の高真空状態
とし、Heガスを数Torrから1 ×10-2Torr程度導入す
る。Al20を蒸発させ、陽極基板2を約400 ℃に加熱す
る。蒸発したAl分子△は、He分子○と衝突を繰り返して
エネルギーが減衰し、陽極基板2との温度差が小さくな
って陽極基板に到達する。Al分子は蛍光体層6の蛍光体
粒子表面において偏平な大きな粒子として成長し、蛍光
体層6の表面には極めて薄く緻密で孔のないAl膜7が均
一に形成される。この陽極基板を用いて電界放出形ディ
スプレイを作成する。電界放出形ディスプレイの駆動電
圧を従来よりも高い数百〜数kVとしても、蛍光体層は
Al膜に被覆されているので、蛍光体層の寿命特性を損な
わずに高い発光効率を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界放出形ディス
プレイとその製造方法、さらに発光部に蛍光体を有する
ディスプイレイに有用なアルミニウム膜の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】図4は従来の電界放出形ディスプレイ1
00の構造を示す断面図である。電界放出形ディスプレ
イ100は、透光性を有するガラス等の絶縁材料からな
る陽極基板101と、陽極基板101に所定の間隔をお
いて対面する絶縁性の陰極基板102を有している。両
基板101,102の外周部の間には図示しないスペー
サ部材があり、両基板101,102の間の空間は高真
空状態に保持されている。前記陽極基板101の内面に
は、ITO(Indium Tin Oxide)等の透光性を有する導
電膜からなる陽極導体103が形成されている。陽極導
体103の表面には蛍光体層104が被着され、表示部
である陽極105が構成されている。前記陰極基板10
2の内面には、電子源である電界放出形陰極106( F
EC, FieldEmission Cathode)が形成されている。電界
放出形陰極106は、陰極基板102の内面に形成され
た陰極導体107と、陰極導体107の表面に形成され
た抵抗層108と、抵抗層108の表面に形成された絶
縁層109と、絶縁層109の表面に形成されたゲート
110と、ゲート110と絶縁層109に形成された孔
の内部で抵抗層108の上に形成されたコーン形状のエ
ミッタ111とを有している。
【0003】上述した従来の電界放出形ディスプレイ1
00においては、ゲート110が形成する電界によって
エミッタ111から電子が放出され、電子は正電位が与
えられた陽極105に射突して蛍光体層104を発光さ
せる。蛍光体層104の発光は陽極導体103と陽極基
板101を介して陽極基板101の外面側から観察され
る。
【0004】上述した電界放出形ディスプレイ100の
駆動において、陽極導体103に与える駆動電圧は例え
ば400V程度であり、CRT等の駆動電圧である10
〜30kVに比べてかなり低い。このように低電圧で駆
動される従来の電界放出形ディスプレイ100において
は、電子は蛍光体層104の表面付近にしか入らず、発
光するのは蛍光体の表面近傍のみである。そこで従来の
電界放出形ディスプレイ100では、導電性の高い(即
ち抵抗の低い)蛍光体を使用しており、蛍光体層104
に電子が帯電しにくくなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の電界放出形ディ
スプレイ100では、前述したように蛍光体層104が
剥き出しの状態であるため、発光輝度等の改善のために
駆動電圧を上げると、高電圧で加速された電子の入射に
よって蛍光体表面に電子がチャージしてしまい、寿命特
性が著しく低下してしまう。前述した高電圧駆動のCR
Tにおいては、蛍光体層の表面はメタルバックと呼ばれ
るアルミニウム膜で覆われており、高電圧で加速された
電子はこのアルミニウム膜を通過して蛍光体層に射突
し、これを発光させている。本発明者は、電界放出形デ
ィスプレイを従来よりも高い駆動電圧で支障なく駆動す
るため、このようなアルミニウム膜を電界放出形ディス
プレイに応用し、蛍光体層をアルミニウム膜で覆うこと
により、比較的高電圧で加速された電子の射突から蛍光
体層を保護するという着想を得た。この着想を進展させ
るべく、本発明者は蛍光体層にアルミニウム膜を形成す
る各種の方法について鋭意研究した。
【0006】図5は、本発明者が検討した蛍光体層にア
ルミニウム膜を形成する方法を示す図である。図5の方
法においては、同図(a)に示すように、陽極基板10
1側に形成された蛍光体層104の表面に中間膜112
をコーティングして蛍光体層104の表面を平坦にし、
その上にアルミニウム膜113を蒸着する。同図(b)
の拡大図に示すように、形成されるアルミニウム膜11
3は、径が0.01μm〜0.1μm程度の略球形のア
ルミニウム粒子が積層しており、その厚さは0.2μm
〜1μmとなる。この厚さでは、CRTの高い駆動電圧
で加速された電子ならば突き抜けることができるが、せ
いぜい10kV以下の駆動電圧で加速された電界放出形
ディスプレイの電子がこれを通過して下層の蛍光体を発
光させることはできない。
【0007】陽極側に形成された蛍光体層の表面にアル
ミニウムを蒸着したシートを転写し、アルミニウム膜を
形成する方法も検討したが、この方法でもアルミニウム
膜の構造及び厚さは図5(a)の方法と略同様となって
しまう。
【0008】図6の方法においては、陽極側に形成され
た蛍光体層120の表面に中間膜を塗布せずに直接アル
ミニウム121を蒸着する。この方法でも被着するアル
ミニウム粒子は径が小さい球形であり、平坦で均一なア
ルミニウム膜は形成できない。特に電界放出形ディスプ
レイに適用しうる薄さに形成しようとすると多孔質にな
り、コーティングとしての役目を果たせない状態になっ
てしまう。
【0009】さらに、陽極側に形成された蛍光体層の表
面に中間膜を塗布せずに直接アルミニウムをスパッタリ
ング法で被着させる方法も検討したが、この方法で得ら
れたアルミニウム膜も径の小さい球形のアルミニウム粒
子から構成されて多孔質になり、コーティングとしての
役目を果たせない。
【0010】本発明は、以上説明した本発明者の知見に
立脚して成されたものであり、CRT等よりも駆動電圧
の小さい電界放出形ディスプレイに適用しうる薄くて均
一なアルミニウム膜等の金属膜を蛍光体層上に形成する
ことを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された電
界放出形ディスプレイは、透光性を有する第1の基板
と、前記第1の基板の内面に形成された透光性を有する
陽極導体と、前記陽極導体の表面に形成された蛍光体層
と、前記蛍光体層の表面に形成された金属膜と、前記金
属膜に対面する第2の基板と、前記第2の基板の内面に
形成された電界放出形陰極とを有することを特徴として
いる。
【0012】請求項2に記載された電界放出形ディスプ
レイは、請求項1記載の電界放出形ディスプレイにおい
て、前記金属膜が、前記蛍光体層に被着した多数の偏平
な金属粒子から構成されることを特徴としている。
【0013】請求項3に記載された電界放出形ディスプ
レイは、請求項1又は2記載の電界放出形ディスプレイ
において、前記金属膜がアルミニウム及び銅から選択さ
れた一の金属からなることを特徴としている。
【0014】請求項4に記載された電界放出形ディスプ
レイは、請求項1又は2又は3記載の電界放出形ディス
プレイにおいて、前記金属膜と前記電界放出形陰極の間
に、前記電界放出形陰極から放出された電子を制御する
制御電極が設けられたことを特徴としている。
【0015】請求項5に記載された電界放出形ディスプ
レイの製造方法は、透光性を有する第1の基板の内面に
透光性を有する陽極導体を形成する工程と、前記陽極導
体の上に蛍光体層を形成する工程と、真空内に不活性ガ
スが導入された不活性ガス雰囲気内において、前記第1
の基板を加熱するとともに蒸着金属を加熱蒸発させ、前
記蛍光体層の表面に金属膜を形成する工程とを有してい
る。
【0016】請求項6に記載されたディスプイレイ用金
属膜の製造方法は、透光性を有する基体上に形成された
蛍光体層の表面に金属膜を形成するディスプイレイ用金
属膜の製造方法において、真空内に不活性ガスが導入さ
れた不活性ガス雰囲気内において、前記基体を加熱する
とともに蒸着金属を加熱蒸発させ、前記蛍光体層の表面
に金属膜を形成することを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例である
電界放出形ディスプレイ1( Field Emission Display
) の構造を図1〜図3を参照して説明する。図1に示
すように、この電界放出形ディスプレイ1は、透光性を
有するガラス等の絶縁材料からなる陽極基板2(第1の
基板)と、陽極基板2に所定の間隔をおいて対面する絶
縁性の陰極基板3(第2の基板)を有している。両基板
2,3の外周部の間には図示しないスペーサ部材があ
り、両基板2,3の間の空間は高真空状態に保持されて
いる。
【0018】前記陽極基板2の内面には、発光表示面を
構成する陽極4が形成されている。陽極4は、赤緑青の
各色に発光する蛍光体ごとに所定のパターンに分割され
ている。まず、陽極基板2の内面には、ITO(Indium
Tin Oxide)等の透光性を有する導電膜からなる陽極導
体5が形成されている。陽極導体5の表面には蛍光体層
6が被着され、蛍光体層6の表面には金属膜としてのア
ルミニウム膜7が形成されている。
【0019】従来のCRT等でメタルバックとして使用
されているアルミニウム膜は、径の小さい球状のアルミ
ニウム粒子が2000オングストローム〜1μmもの厚
さに積層したものである。これに対し、本例における前
記アルミニウム膜7は、後述する製造方法の説明図であ
る図3にも示すように、偏平に変形したアルミニウム粒
子が、蛍光体粒子の表面に密に被着した構造である。そ
の厚さは従来よりも薄い数百オングストロームから20
00オングストローム未満(好ましくは400オングス
トロームから500オングストローム程度)である。
【0020】図1及び図2に示すように、前記陰極基板
3の内面には、電子源である電界放出形陰極8( FEC,
Field Emission Cathode)が形成されている。電界放出
形陰極8は、陰極導体9と、陰極導体9上に形成された
エミッタ10と、エミッタ10の上方に形成されたゲー
ト11等から構成されている。
【0021】陰極基板3の内面には、複数本のストライ
プ状の陰極配線12が所定の間隔をおいて形成されてい
る。各陰極配線12には、陰極基板3に達する矩形の孔
が所定の間隔で形成されている。陰極配線12の各孔内
の陰極基板3上には、陰極配線12の孔の内周と一定の
間隔をおいて、矩形の陰極導体9が形成されている。即
ち、この陰極導体9は、陰極配線12に直接接続され
ず、陰極配線12の孔内に陰極配線12とは離れて配置
された島状の陰極導体9となっている。前記陰極配線1
2と前記陰極導体9の上面には、抵抗層13が形成され
ている。抵抗層13は陰極導体9と陰極配線12の間に
も充填される。陰極導体9及び抵抗層13の上には、絶
縁層14を介してゲート11が形成されている。ゲート
11は、前記陰極配線12と直交するストライプ状であ
る。各陰極導体9の上方において、ゲート11と絶縁層
14には多数の空孔が形成されている。各空孔の内部の
抵抗層13上にはコーン形状のエミッタ10が形成され
ている。
【0022】陰極導体9が前述のような島状であると、
各陰極導体9毎に形成されている多数のエミッタ10の
それぞれについて、抵抗層13による抵抗値を適当な値
に保持しながらほぼ一定にすることができる。各エミッ
タ10が陰極配線12との間に有する抵抗値は、該エミ
ッタ10と陰極導体9の間にある抵抗層13と、陰極導
体9の外周と陰極配線12の孔の内周との間にある抵抗
層13とによって決まる。本例では、陰極導体9が陰極
配線12の孔内に島状に形成されているから、陰極導体
9の上にある各エミッタ10は抵抗の条件が同一にな
る。従って、電界放出形陰極8の駆動時の単位である各
陰極導体9においては、各エミッタ10の駆動条件が同
一になって電子放出が均一になる。
【0023】前記電界放出形陰極8と、前記陽極4との
間には、電界放出形陰極8から放出された電子を制御す
る制御電極としての保護電極15が設けられている。こ
の保護電極15は、陽極4から電界放出形陰極8へ放電
が発生してエミッタ10が損傷するのを防止する。この
保護電極15は駆動電圧等とのかねあいにおいて必要に
応じて設ければよい。また、必要によっては、電子を収
束して陽極4に射突させるための収束電極を制御電極と
して設けてもよい。
【0024】本電界放出形ディスプレイ1を駆動して表
示を行う。陽極4に印加する駆動電圧は、陽極4の発光
輝度等の改善のため、従来の電界放出形ディスプレイ1
よりも高く、CRT等の駆動電圧よりは低い1〜10k
V程度の範囲とするが、本例においては2〜5kVとす
る。陰極配線12を順次走査するとともに、これに同期
してゲート11に選択信号を与えれば、任意の陰極導体
9のエミッタ10から電子を放出させることができる。
放出された電子は陽極4の対向する部分に射突し、薄い
アルミニウム膜7を容易に突き抜け、少なくともアルミ
ニウム膜7で被覆しない場合と同程度の高い輝度で蛍光
体層6を発光させる。この蛍光体層6の発光は陽極導体
5と陽極基板2を介して陽極基板2の外面側から観察さ
れる。本例の電界放出形ディスプレイ1では陽極4に与
える駆動電圧は高いが、蛍光体層6はアルミニウム膜7
で隙間なく被覆されているので損傷をうけにくく、実用
上問題になるほど寿命が急速に劣化することはない。ま
た、もちろんアルミニウム膜7は高い導電性があるの
で、本例のように従来の電界放出形ディスプレイより駆
動電圧が高くても、電子による帯電の問題は発生しな
い。
【0025】また、電界放出形ディスプレイ1は、電子
源にフィラメント状の陰極を使用する蛍光表示管に比
べ、電子源に要するエネルギーが小さくてすむ。またフ
ィラメント状の陰極の場合には、電子は線状の放出源か
ら出るので電子を拡散させるために陽極との間隔をある
程度大きくとらなければならないが、電界放出形陰極8
は面状の放出源なので陽極4との間隔を小さくでき、薄
型の表示素子となる。
【0026】次に、前記電界放出形ディスプレイ1の製
造工程について説明する。まず、陰極基板3に電界放出
形陰極8を形成する工程を説明する。 (1) 陰極基板3を洗浄して表面の有機物を除去する。洗
浄方法としては、水を用いる湿式とオゾンを用いる乾式
がある。乾式の場合には、ベルト式の搬送機構で陰極基
板3を搬送しながらオゾンを吹き掛けて洗浄を行う洗浄
装置を用いることができる。
【0027】(2) 前記陰極基板3の内面となる側に、ス
パッタリング法によって0.4μmの厚さでNbを全面
に被着する。このNbの膜をフォトリソグラフィの手法
によってパターニングする。これによって前述したスト
ライプ状の陰極配線12と島状の陰極導体9を形成す
る。
【0028】(3) 陰極導体9と陰極配線12の上にアモ
ルファスシリコンの膜をCVD法で0.8μmの厚さに
成膜し、これをフォトリソグラフィ法によってパターニ
ングし、抵抗層13を形成する。なお、フォトリソグラ
フィ法で用いるエッチングによって抵抗層13の表面が
荒れ、後工程で形成するエミッタ10が抵抗層13に被
着しにくくなる場合等には、必要に応じてエミッタ10
を形成する抵抗層13の部分のみにCr層を形成しても
よい。
【0029】(4) プラズマCVD法でSiO2 を全面に
1μmの厚さで形成し、絶縁層14を形成する。その上
にスパッタリング法でNbを0.4μmの厚さに形成
し、RIE法でパターニングしてゲート11を形成す
る。
【0030】(5) フォトリソグラフィ法、RIE法でゲ
ート11と絶縁層14に直径約1μmの空孔を形成す
る。各陰極導体9毎に約100〜数千個形成する。ゲー
ト11の表面にアルミニウムの剥離膜を形成する。EB
蒸着法によって剥離膜の側からMoを斜め蒸着し、空孔
の内部の抵抗層13上にコーン形状のエミッタ10を形
成する。剥離膜をゲート11から剥がし、剥離膜及び剥
離膜に蒸着したMoを除去する。
【0031】次に、陽極基板2に陽極4を形成する工程
を説明する。 (1) 陽極基板2を洗浄する。洗浄方法は陰極基板3の場
合と同一である。 (2) 陽極基板4の内面となる側に、スパッタリング法に
よってITO膜を0.15μmの厚さで形成し、フォト
リソグラフィ法でパターニングして陽極導体5を形成す
る。スラリー法で陽極導体5の上に蛍光体層6を形成す
る。即ち、蛍光体を含有する蛍光体層形成液を陽極基板
2の上に載せ、陽極基板2を適当な回転速度で回転させ
て蛍光体層形成液を遠心力で陽極基板2上に広げ、パタ
ーニングして蛍光体層6を形成する。
【0032】(3) 蒸着法によって蛍光体層6の上にアル
ミニウム膜7を形成する。本工程においては、蒸着物質
の加熱手段と、被蒸着体の加熱手段と、真空装置を備え
た真空容器を用いる。図3に示すように、真空容器の内
部に、蒸着物質であるアルミニウム20と被蒸着体であ
る前記陽極基板2を収納し、それぞれ所定の位置に設置
する。真空容器の内部を1×10-5Torr以上の高真空状
態とする。この中にHe等の不活性ガスを数Torrから1
×10-2Torr程度導入し、不活性ガス雰囲気とする。
【0033】真空容器内においてアルミニウム20を電
子ビームや抵抗加熱等の加熱手段によって融点を越える
まで加熱し、蒸発させる。この時、真空容器内の陽極基
板2も加熱しておく。陽極基板2の加熱温度は、蒸着物
質の融点に近く、かつ陽極基板2が熱で破損しない程度
の温度がよい。本例では、アルミニウムの融点である6
60℃よりも300℃低い360℃から400℃とし
た。
【0034】図3に示すように、アルミニウムから蒸発
したアルミニウム分子(図中△で示す)は、He分子
(図中○で示す)と衝突を繰り返してエネルギーが減衰
し、陽極基板2に到達する時には、400℃程度に加熱
されている該陽極基板2との間の温度差が小さくなって
いる。このため、アルミニウム分子は図示のように蛍光
体層6の蛍光体粒子表面において偏平な大きな粒子とし
て成長し、蛍光体層6の表面には極めて薄く緻密で孔の
ないアルミニウム膜7が均一に形成される。
【0035】このアルミニウム粒子の偏平の程度は、例
えば厚さ1に対して長い方向の偏平長が10〜30程で
ある。従って、アルミニウム膜7が一層の粒子からな
り、その厚さが400〜500オングストローム(0.
04〜0.05μm)程度であれば、このアルミニウム
粒子の半径は、4000〜15000オングストローム
(0.4〜1.5μm)程度となる。
【0036】以上説明した電界放出形ディスプレイ1の
製造方法では、アルミニウム膜7を形成するために真空
容器内をHe雰囲気にしたが、他の不活性ガス(Ne、
Ar、Kr、Xe、Rn)を用いてもよい。また、金属
膜としてアルミニウム膜7を形成したが、蛍光体と反応
せず比較的融点の低い金属であれば、前記製造方法によ
って前記アルミニウム膜7と同様の構造の金属膜を生成
することができる。例えば、銅を用いることもできる。
【0037】以上説明した例では、電界放出形ディスプ
レイ1を説明したが、偏平で大きな金属粒子からなる薄
く緻密な金属膜を蛍光体層に形成する技術は、表示部に
蛍光体層を有する他の表示素子、例えば偏平CRT、高
電圧VFD、大形表示装置用発光素子等にも適用でき
る。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、蛍光体層に偏平な金属
粒子からなる緻密な金属膜を形成することができるの
で、電界放出形ディスプレイの駆動電圧を従来よりも高
い数百〜数kVとしても、蛍光体層の寿命特性を損なう
ことなく高い発光効率を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1の例を示す断面図で
ある。
【図2】本発明の実施の形態の第1の例を示す平面図で
ある。
【図3】本発明の実施の形態の第1の例におけるアルミ
ニウム膜7の生成工程を模式的に示す図である。
【図4】従来の電界放出形ディスプレイの断面図であ
る。
【図5】従来のアルミニウム膜の製造方法を説明するた
めの図である。
【図6】従来のアルミニウム膜の製造方法を説明するた
めの図である。
【符号の説明】
1 電界放出形ディスプレイ 2 第1の基板としての陽極基板 3 第2の基板としての陰極基板 5 陽極導体 6 蛍光体層 7 金属膜としてのアルミニウム膜 8 電界放出形陰極 15 制御電極としての保護電極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性を有する第1の基板と、前記第1
    の基板の内面に形成された透光性を有する陽極導体と、
    前記陽極導体の表面に形成された蛍光体層と、前記蛍光
    体層の表面に形成された金属膜と、前記金属膜に対面す
    る第2の基板と、前記第2の基板の内面に形成された電
    界放出形陰極とを有する電界放出形ディスプレイ。
  2. 【請求項2】 前記金属膜が、前記蛍光体層に被着した
    多数の偏平な金属粒子から構成される請求項1記載の電
    界放出形ディスプレイ。
  3. 【請求項3】 前記金属膜がアルミニウム及び銅から選
    択された一の金属からなる請求項1又は2記載の電界放
    出形ディスプレイ。
  4. 【請求項4】 前記金属膜と前記電界放出形陰極の間
    に、前記電界放出形陰極から放出された電子を制御する
    制御電極が設けられた請求項1又は2又は3記載の電界
    放出形ディスプレイ。
  5. 【請求項5】 透光性を有する第1の基板の内面に透光
    性を有する陽極導体を形成する工程と、 前記陽極導体の上に蛍光体層を形成する工程と、 真空内に不活性ガスが導入された不活性ガス雰囲気内に
    おいて、前記第1の基板を加熱するとともに蒸着金属を
    加熱蒸発させ、前記蛍光体層の表面に金属膜を形成する
    工程と、 を有する電界放出形ディスプレイの製造方法。
  6. 【請求項6】 透光性を有する基体上に形成された蛍光
    体層の表面に金属膜を形成するディスプイレイ用金属膜
    の製造方法において、 真空内に不活性ガスが導入された不活性ガス雰囲気内に
    おいて、前記基体を加熱するとともに蒸着金属を加熱蒸
    発させ、前記蛍光体層の表面に金属膜を形成するディス
    プイレイ用金属膜の製造方法。
JP9696696A 1996-04-18 1996-04-18 電界放出形ディスプレイ及びその製造方法、並びにディスプイレイ用金属膜の製造方法 Pending JPH09283063A (ja)

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