JPH09278765A - 新規2,1,3−ベンゾオキサジアゾール誘導体 - Google Patents
新規2,1,3−ベンゾオキサジアゾール誘導体Info
- Publication number
- JPH09278765A JPH09278765A JP12518496A JP12518496A JPH09278765A JP H09278765 A JPH09278765 A JP H09278765A JP 12518496 A JP12518496 A JP 12518496A JP 12518496 A JP12518496 A JP 12518496A JP H09278765 A JPH09278765 A JP H09278765A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dbd
- benzoxadiazole
- crystals
- reduced pressure
- under reduced
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
- Luminescent Compositions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明の目的は,DBD−骨格を有する蛍光標
識試薬を安価に製造するための出発物質を提供すること
にある。 【構成】本発明化合物4−N,N−ジメチルアミノスル
ホニル−7−クロロ−2,1,3−ベンゾオキサジアゾ
ールは,クロロ置換によりDBD骨格の7位を求核性試
薬に対し活性化したものである。
識試薬を安価に製造するための出発物質を提供すること
にある。 【構成】本発明化合物4−N,N−ジメチルアミノスル
ホニル−7−クロロ−2,1,3−ベンゾオキサジアゾ
ールは,クロロ置換によりDBD骨格の7位を求核性試
薬に対し活性化したものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,4−N,N−ジメチル
アミノスルホニル−2,1,3−ベンゾオキサジアゾー
ル(以下,DBD−)骨格を有する蛍光ラベル化剤を合
成する際,有用な出発物質として利用できるものであっ
て,分析化学の属する分野,および他の分野において求
められている高感度蛍光ラベル化剤を安価に提供するた
めのものである。
アミノスルホニル−2,1,3−ベンゾオキサジアゾー
ル(以下,DBD−)骨格を有する蛍光ラベル化剤を合
成する際,有用な出発物質として利用できるものであっ
て,分析化学の属する分野,および他の分野において求
められている高感度蛍光ラベル化剤を安価に提供するた
めのものである。
【0002】
【従来の技術】近年,微量成分を検出,定量する手段と
して,高い感度と選択性を有する蛍光検出−液体クロマ
トグラフィー(以下,HPLC)が多用されている。そ
して,より高い感度と選択性を得るため分析対象物質を
蛍光標識することが行われており,多くの蛍光ラベル化
剤が報告されている。その中でもDBD−骨格を有する
蛍光ラベル化剤は,長波長の強い蛍光を有するため,優
れたラベル化剤として注目されている。例えば,カルボ
キシル基を標識するものとして4−(N,N−ジメチル
アミノスルホニル)−7−N−ピペラジノ−2,1,3
−ベンゾオキサジアゾール(以下,DBD−PZ)
[J.Chromatogr.,588,61(199
1)],(R)−および(S)−4−(N,N−ジメチ
ルアミノスルホニル)−7−(3−アミノピロリジン−
1−イル)−2,1,3−ベンゾオキサジアゾール(以
下,(R)−DBD−APy,(S)−DBD−AP
y)[Analyst,117,727(1992)]
が報告されている。また,アミノ基,水酸基などを標識
するものとして,(R)−および(S)−4−(N,N
−ジメチルアミノスルホニル)−7−(2−クロロホル
ミルピロリジン−1−イル)−2,1,3−ベンゾオキ
サジアゾール(以下,(R)−DBD−ProCOC
l,(S)−DBD−ProCOCl)[特開平6−1
84141],4−N,N−ジメチルアミノスルホニル
−7−(N−クロロホルミルメチル−N−メチル)アミ
ノ−2,1,3−ベンゾオキサジアゾール(以下,DB
D−COCl)[特開平7−238075]などが報告
され,実用に供されている。
して,高い感度と選択性を有する蛍光検出−液体クロマ
トグラフィー(以下,HPLC)が多用されている。そ
して,より高い感度と選択性を得るため分析対象物質を
蛍光標識することが行われており,多くの蛍光ラベル化
剤が報告されている。その中でもDBD−骨格を有する
蛍光ラベル化剤は,長波長の強い蛍光を有するため,優
れたラベル化剤として注目されている。例えば,カルボ
キシル基を標識するものとして4−(N,N−ジメチル
アミノスルホニル)−7−N−ピペラジノ−2,1,3
−ベンゾオキサジアゾール(以下,DBD−PZ)
[J.Chromatogr.,588,61(199
1)],(R)−および(S)−4−(N,N−ジメチ
ルアミノスルホニル)−7−(3−アミノピロリジン−
1−イル)−2,1,3−ベンゾオキサジアゾール(以
下,(R)−DBD−APy,(S)−DBD−AP
y)[Analyst,117,727(1992)]
が報告されている。また,アミノ基,水酸基などを標識
するものとして,(R)−および(S)−4−(N,N
−ジメチルアミノスルホニル)−7−(2−クロロホル
ミルピロリジン−1−イル)−2,1,3−ベンゾオキ
サジアゾール(以下,(R)−DBD−ProCOC
l,(S)−DBD−ProCOCl)[特開平6−1
84141],4−N,N−ジメチルアミノスルホニル
−7−(N−クロロホルミルメチル−N−メチル)アミ
ノ−2,1,3−ベンゾオキサジアゾール(以下,DB
D−COCl)[特開平7−238075]などが報告
され,実用に供されている。
【0003】しかしながら,下記式1に示すように上記
ラベル化剤の文献記載の製造法は,いずれも高価な4−
(N,N−ジメチルアミノスルホニル)−7−フルオロ
−2,1,3−ベンゾオキサゾール(以下,DBD−
F)を出発物質として使用している。そのため,得られ
るラベル化剤は,大変高価な化合物になってしまうと言
う問題点を有している。
ラベル化剤の文献記載の製造法は,いずれも高価な4−
(N,N−ジメチルアミノスルホニル)−7−フルオロ
−2,1,3−ベンゾオキサゾール(以下,DBD−
F)を出発物質として使用している。そのため,得られ
るラベル化剤は,大変高価な化合物になってしまうと言
う問題点を有している。
【0004】
【化2】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで,発明者らは,
安価に上記ラベル化剤を製造することを目的として鋭意
研究を重ねた結果,本発明を完成するに至った。
安価に上記ラベル化剤を製造することを目的として鋭意
研究を重ねた結果,本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は,下記
式2
式2
【化3】 で表される4−N,N−ジメチルアミノスルホニル−7
−クロロ−2,1,3−ベンゾオキサジアゾール(以
下,DBD−Cl)に関するものである。本発明に係る
上記式2で表される化合物は,DBD−骨格の7位を求
核性試薬に対し活性化したもので,文献未載の新規物質
である。その製造法としては,例えば,下記式3に従っ
て,4−クロロ−2,1,3−ベンゾオキサジアゾール
にクロロ硫酸を作用させ,次いでジメチルアミンを反応
させる2工程で得ることができる。
−クロロ−2,1,3−ベンゾオキサジアゾール(以
下,DBD−Cl)に関するものである。本発明に係る
上記式2で表される化合物は,DBD−骨格の7位を求
核性試薬に対し活性化したもので,文献未載の新規物質
である。その製造法としては,例えば,下記式3に従っ
て,4−クロロ−2,1,3−ベンゾオキサジアゾール
にクロロ硫酸を作用させ,次いでジメチルアミンを反応
させる2工程で得ることができる。
【0007】
【化4】 上記式3において,使用しうる溶媒の例として,反応I
はジクロロメタン,クロロホルム,ジクロロエタン,ト
リクロロエタン等のごときハロゲン系有機溶媒が,反応
IIジクロロメタン,クロロホルム,ジクロロエタン,
トリクロロエタン,アセトニトリル,ジメチルホルムア
ミド,酢酸エチル,テトラヒドロフラン,ジエチルエー
テル,ジオキサン,ベンゼン等のごとき有機溶媒,ある
いはそれらの混合溶媒が挙げられる。なお,反応IIに
おいて脱酸剤としてトリエチルアミン,ピリジン等を用
いても良いが,過剰量のジメチアミンを用いても良い。
上記反応は,通常−78゜〜120゜Cの範囲内で行う
ことができるが,好ましくは−20゜〜80゜C(反応
I)および−20゜〜20゜C(反応II)である。反
応に要する時間は,反応温度,溶媒等によって異なる
が,反応I,反応II,通常1時間〜12時間の範囲内
で適宜選択される。反応混合物から目的物の単離,精製
は,常法に従って容易に行うことができる。
はジクロロメタン,クロロホルム,ジクロロエタン,ト
リクロロエタン等のごときハロゲン系有機溶媒が,反応
IIジクロロメタン,クロロホルム,ジクロロエタン,
トリクロロエタン,アセトニトリル,ジメチルホルムア
ミド,酢酸エチル,テトラヒドロフラン,ジエチルエー
テル,ジオキサン,ベンゼン等のごとき有機溶媒,ある
いはそれらの混合溶媒が挙げられる。なお,反応IIに
おいて脱酸剤としてトリエチルアミン,ピリジン等を用
いても良いが,過剰量のジメチアミンを用いても良い。
上記反応は,通常−78゜〜120゜Cの範囲内で行う
ことができるが,好ましくは−20゜〜80゜C(反応
I)および−20゜〜20゜C(反応II)である。反
応に要する時間は,反応温度,溶媒等によって異なる
が,反応I,反応II,通常1時間〜12時間の範囲内
で適宜選択される。反応混合物から目的物の単離,精製
は,常法に従って容易に行うことができる。
【0008】本発明化合物DBD−Clは,種々のDB
D−骨格を有する蛍光ラベル化剤を合成するための安価
な出発物質となる。以下に参考例として,DBD−Cl
を用いるDBD−PZ,(R)−および(S)−DBD
−APy,(R)−および(S)−DBD−ProCO
Cl,DBD−COClの合成例を示し,本発明化合物
の有用性を明らかにするが,これは例示の目的であり,
この参考例に限定されるものではない。
D−骨格を有する蛍光ラベル化剤を合成するための安価
な出発物質となる。以下に参考例として,DBD−Cl
を用いるDBD−PZ,(R)−および(S)−DBD
−APy,(R)−および(S)−DBD−ProCO
Cl,DBD−COClの合成例を示し,本発明化合物
の有用性を明らかにするが,これは例示の目的であり,
この参考例に限定されるものではない。
【0009】参考例1DBD−PZの合成 アセトニトリル335mlにピペラジン33.5gを溶
解させる。この溶液にDBD−Cl33.6gをアセト
ニトリル500mlに溶解させた溶液を徐々に滴下,室
温で2時間30分撹拌し,生じた不溶物をろ過する。ろ
液を減圧下,濃縮,乾固し,水200mlで洗浄する。
残渣にジクロロメタン300mlを加え溶解させ,3N
塩酸50mlと水200mlを加え,水層を分離する。
この水層をジクロロメタン150mlで4回洗浄し,次
いでジクロロメタン300mlと炭酸水素ナトリウム2
1.3gを加え,水層を除去する。有機層を水150m
lで3回洗浄後,脱水操作を行い,減圧下,濃縮乾固
し,DBD−PZの粗結晶37.5gを得た。DBD−
PZの粗結晶37.5gをベンゼン500mlに加熱溶
解させ,不溶物を熱時ろ過する。ヘキサン140mlを
加え,冷却,生じた橙色結晶をろ過,減圧下乾燥し,D
BD−PZの結晶32.3gを得た。DBD−PZの主
な物性値は次の通りである。 融点123゜C;IR(KBr)1590,1550,
1440,1410,1330,1310,1180,
1140,1050,965,900,810,79
5,720cm−1;1HNMR(重クロロホルム)δ
2.9(6H,s),3.1(4H,m),3.9(4
H,m),6.3(1Hd),7.9(1H,d);元
素分析(%)C46.59,H5.46,N22.13
(理論値C12H17N5O3S,C46.29,H
5.50,N22.49)
解させる。この溶液にDBD−Cl33.6gをアセト
ニトリル500mlに溶解させた溶液を徐々に滴下,室
温で2時間30分撹拌し,生じた不溶物をろ過する。ろ
液を減圧下,濃縮,乾固し,水200mlで洗浄する。
残渣にジクロロメタン300mlを加え溶解させ,3N
塩酸50mlと水200mlを加え,水層を分離する。
この水層をジクロロメタン150mlで4回洗浄し,次
いでジクロロメタン300mlと炭酸水素ナトリウム2
1.3gを加え,水層を除去する。有機層を水150m
lで3回洗浄後,脱水操作を行い,減圧下,濃縮乾固
し,DBD−PZの粗結晶37.5gを得た。DBD−
PZの粗結晶37.5gをベンゼン500mlに加熱溶
解させ,不溶物を熱時ろ過する。ヘキサン140mlを
加え,冷却,生じた橙色結晶をろ過,減圧下乾燥し,D
BD−PZの結晶32.3gを得た。DBD−PZの主
な物性値は次の通りである。 融点123゜C;IR(KBr)1590,1550,
1440,1410,1330,1310,1180,
1140,1050,965,900,810,79
5,720cm−1;1HNMR(重クロロホルム)δ
2.9(6H,s),3.1(4H,m),3.9(4
H,m),6.3(1Hd),7.9(1H,d);元
素分析(%)C46.59,H5.46,N22.13
(理論値C12H17N5O3S,C46.29,H
5.50,N22.49)
【0010】参考例2(R)−DBD−APyの合成 (R)−3−アミノピロリジン19gをアセトニトリル
600mlに溶解させ,氷冷する。このアセトニトリル
溶液にDBD−Cl11gをアセトニトリル230ml
に溶かした溶液を滴下,氷冷下3時間撹拌する。次いで
減圧下,濃縮,乾固し,暗赤色油状物の粗(R)−DB
D−APyを得た。この粗(R)−DBD−APyをジ
クロロメタン500mlに溶かし,水100mlで3回
洗浄する。次いで冷却下,2N塩酸180mlを加え,
水層に抽出し,ジクロロメタン100mlで3回洗浄す
る。その後,水層に水酸化ナトリウム16g,水200
ml,ジクロロメタン100mlを加え,有機層を分離
する。水層にジクロロメタン100mlを加え,抽出操
作を繰り返し,有機層を合わせる。この有機層を飽和食
塩水100mlで2回洗浄し,脱水操作後,減圧下濃縮
する。次いで,ヘキサン400mlを加え,生じた結晶
をろ過,減圧乾燥し,(R)−DBD−APyの橙色結
晶12gを得た。(R)−3−アミノピロリジンを
(S)−3−アミノピロリジンに代えることで同じよう
に(S)−DBD−APyが得られた。(R)−DBD
−APyの主な物性値は次の通りである。 融点98゜C;IR(KBr)3380,3310,1
600,1560,1140,970cm−1;[α]
D 20=−5.9(c=1.0,アセトニトリル);1
HNMR(重クロロホルム)δ2.0(1H,m),
2.3(1H,m),2.9(6H,s),3.6−
4.2(4H,m,d),3.9(1H,m),6.0
(1H,d),7.9(1H,d);元素分析値(%)
C46.36,H5.47,N22.07(理論値C
12H17N5O3S,C46.29,H5.50,N
22.49)
600mlに溶解させ,氷冷する。このアセトニトリル
溶液にDBD−Cl11gをアセトニトリル230ml
に溶かした溶液を滴下,氷冷下3時間撹拌する。次いで
減圧下,濃縮,乾固し,暗赤色油状物の粗(R)−DB
D−APyを得た。この粗(R)−DBD−APyをジ
クロロメタン500mlに溶かし,水100mlで3回
洗浄する。次いで冷却下,2N塩酸180mlを加え,
水層に抽出し,ジクロロメタン100mlで3回洗浄す
る。その後,水層に水酸化ナトリウム16g,水200
ml,ジクロロメタン100mlを加え,有機層を分離
する。水層にジクロロメタン100mlを加え,抽出操
作を繰り返し,有機層を合わせる。この有機層を飽和食
塩水100mlで2回洗浄し,脱水操作後,減圧下濃縮
する。次いで,ヘキサン400mlを加え,生じた結晶
をろ過,減圧乾燥し,(R)−DBD−APyの橙色結
晶12gを得た。(R)−3−アミノピロリジンを
(S)−3−アミノピロリジンに代えることで同じよう
に(S)−DBD−APyが得られた。(R)−DBD
−APyの主な物性値は次の通りである。 融点98゜C;IR(KBr)3380,3310,1
600,1560,1140,970cm−1;[α]
D 20=−5.9(c=1.0,アセトニトリル);1
HNMR(重クロロホルム)δ2.0(1H,m),
2.3(1H,m),2.9(6H,s),3.6−
4.2(4H,m,d),3.9(1H,m),6.0
(1H,d),7.9(1H,d);元素分析値(%)
C46.36,H5.47,N22.07(理論値C
12H17N5O3S,C46.29,H5.50,N
22.49)
【0011】参考例3(S)−DBD−ProCOClの合成 L−プロリン50g,炭酸ナトリウム36gを水1.2
lに溶解させ,65°Cに加温する。この水溶液にDB
D−Cl17gをアセトニトリル350mlに溶解させ
た溶液を滴下,1時間30分撹拌する。減圧下,反応液
からアセトニトリルを留去し,酢酸エチル300mlで
2回洗浄する。次いで水層を塩酸酸性とし,析出する結
晶をろ過,水洗,減圧乾燥する。次いで,ベンゼン−酢
酸エチル(3:1)で再結晶を行い,黄橙色結晶を得
た。この結晶10gをジクロロメタン800mlに溶解
させ,オキザリルクロリド34ml,ジメチルホルムア
ミド0.24mlを順次加え,1時間30分撹拌する。
減圧下溶媒を留去し,(S)−DBD−ProCOCl
の粗結晶を得た。この(S)−DBD−ProCOCl
の粗結晶をベンゼン200mlに溶解させ,酸性アルミ
ナ1gを加え,室温下15分撹拌後,不溶物をろ過す
る。減圧下,溶媒を留去し,結晶を五酸化燐存在下,減
圧乾燥し,(S)−DBD−ProCOClの黄色結晶
10gを得た。なお,L−プロリンをD−プロリンに代
えることで同じように(R)−DBD−ProCOCl
が得られた。(S)−DBD−ProCOClの主な物
性値は次の通りである。 融点116゜C〜117゜C(分解);[α]D 20=
−44.7゜(c=0.894,クロロホルム);IR
(KBr)1794,1601,1555,1416,
1337,1148,968,716cm−1;1HN
MR(重クロロホルム)δ2.2(2H,m),2.6
(2H,m),2.9(6H,s),3.8(2H,
m),5.6(1H,m),6.1(1H,d),7.
9(1H,d);元素分析値(%)C43.08,H
3.70,N15.00(理論値C13H15C1N4
O4 S,C43.52,H4.21,N15.61)
lに溶解させ,65°Cに加温する。この水溶液にDB
D−Cl17gをアセトニトリル350mlに溶解させ
た溶液を滴下,1時間30分撹拌する。減圧下,反応液
からアセトニトリルを留去し,酢酸エチル300mlで
2回洗浄する。次いで水層を塩酸酸性とし,析出する結
晶をろ過,水洗,減圧乾燥する。次いで,ベンゼン−酢
酸エチル(3:1)で再結晶を行い,黄橙色結晶を得
た。この結晶10gをジクロロメタン800mlに溶解
させ,オキザリルクロリド34ml,ジメチルホルムア
ミド0.24mlを順次加え,1時間30分撹拌する。
減圧下溶媒を留去し,(S)−DBD−ProCOCl
の粗結晶を得た。この(S)−DBD−ProCOCl
の粗結晶をベンゼン200mlに溶解させ,酸性アルミ
ナ1gを加え,室温下15分撹拌後,不溶物をろ過す
る。減圧下,溶媒を留去し,結晶を五酸化燐存在下,減
圧乾燥し,(S)−DBD−ProCOClの黄色結晶
10gを得た。なお,L−プロリンをD−プロリンに代
えることで同じように(R)−DBD−ProCOCl
が得られた。(S)−DBD−ProCOClの主な物
性値は次の通りである。 融点116゜C〜117゜C(分解);[α]D 20=
−44.7゜(c=0.894,クロロホルム);IR
(KBr)1794,1601,1555,1416,
1337,1148,968,716cm−1;1HN
MR(重クロロホルム)δ2.2(2H,m),2.6
(2H,m),2.9(6H,s),3.8(2H,
m),5.6(1H,m),6.1(1H,d),7.
9(1H,d);元素分析値(%)C43.08,H
3.70,N15.00(理論値C13H15C1N4
O4 S,C43.52,H4.21,N15.61)
【0012】参考例4DBD−COClの合成 N−メチルグリシン10g,炭酸ナトリウム10gを水
330mlに溶解させ,75゜Cに加温する。この水溶
液にDBD−Cl10gをアセトニトリル200mlに
溶解させた溶液を加え,2時間還流する。減圧下,反応
液からアセトニトリルを留去し,水層を酢酸エチル20
0mlで2回洗浄する。次いで,水層を塩酸酸性とし,
析出する結晶をろ過,水洗し,減圧乾燥する。この結晶
を酢酸エチルにて再結晶し,DBD−N−メチルグリシ
ンの黄橙色結晶を得た。この結晶1gをジクロロメタン
100mlに溶かし,オキサリルクロリド3.5mlお
よびジメチルホルムアミド24μlを加え,室温下30
分撹拌する。その後,1時間還流し,反応液を減圧下,
溶媒を留去する。残渣をベンゼン20mlに溶かし,不
溶物をろ過,溶媒の留去後,減圧乾燥を行いDBD−C
OClの黄褐色結晶0.88gを得た。DBD−COC
lの主な物性は次の通りである。 融点102゜C(分解);IR(KBr)1780,1
600,1550cm−1;1HNMR(重クロロホル
ム)δ2.9(6H,s),3.3(3H,s),5.
3(2H,s),6.3(1H,d),7.9(1H,
d)ppm;元素分析値(%)C40.50,H4.0
1,N16.80(理論値C11H13ClN4O
4S,C39.70,H3.94,N16.84)
330mlに溶解させ,75゜Cに加温する。この水溶
液にDBD−Cl10gをアセトニトリル200mlに
溶解させた溶液を加え,2時間還流する。減圧下,反応
液からアセトニトリルを留去し,水層を酢酸エチル20
0mlで2回洗浄する。次いで,水層を塩酸酸性とし,
析出する結晶をろ過,水洗し,減圧乾燥する。この結晶
を酢酸エチルにて再結晶し,DBD−N−メチルグリシ
ンの黄橙色結晶を得た。この結晶1gをジクロロメタン
100mlに溶かし,オキサリルクロリド3.5mlお
よびジメチルホルムアミド24μlを加え,室温下30
分撹拌する。その後,1時間還流し,反応液を減圧下,
溶媒を留去する。残渣をベンゼン20mlに溶かし,不
溶物をろ過,溶媒の留去後,減圧乾燥を行いDBD−C
OClの黄褐色結晶0.88gを得た。DBD−COC
lの主な物性は次の通りである。 融点102゜C(分解);IR(KBr)1780,1
600,1550cm−1;1HNMR(重クロロホル
ム)δ2.9(6H,s),3.3(3H,s),5.
3(2H,s),6.3(1H,d),7.9(1H,
d)ppm;元素分析値(%)C40.50,H4.0
1,N16.80(理論値C11H13ClN4O
4S,C39.70,H3.94,N16.84)
【0013】
【作用】上記参考例から明らかなように本発明化合物D
BD−Clは,DBD−骨格の7位を求核性試薬に対し
活性化した化合物で,DBD−骨格を有する種々の有用
な蛍光ラベル化剤を合成するために利用できた。
BD−Clは,DBD−骨格の7位を求核性試薬に対し
活性化した化合物で,DBD−骨格を有する種々の有用
な蛍光ラベル化剤を合成するために利用できた。
【0014】
【実施例】以下に本発明の好ましい実施例を記載する
が,これは例示が目的であり,本発明を制限するもでは
ない。本発明の範囲内で変形が可能なことは当業者には
明らかであろう。
が,これは例示が目的であり,本発明を制限するもでは
ない。本発明の範囲内で変形が可能なことは当業者には
明らかであろう。
【0015】実施例1DBD−Clの合成 4−クロロ−2,1,3−ベンゾオキサジアゾール38
gをクロロホルム130mlに溶解させ,−10°〜0
°Cに冷却する。このクロロホルム溶液にクロロ硫酸1
21mlを徐々に滴下,5時間還流し,反応液を氷水2
000ml中へ滴下する。この水溶液をクロロホルム5
00mlX4で抽出,抽出液を脱水操作後,減圧下溶媒
を留去する。残渣にヘキサン200mlを加え,冷却,
生じた結晶をろ過,ヘキサンで洗浄し,減圧乾燥する。
その結晶にジクロロメタン700mlを加え,冷却す
る。このジクロロメタン溶液に1Mジメチルアミン(ア
セトニトリル溶液)350mlを徐々に滴下し,2時間
撹拌する。この反応液を濃縮し,水300mlを加え,
生じた結晶をろ過する。この結晶を冷アセトニトリルで
洗浄,減圧下乾燥し,DBD−Clの黄褐色結晶24.
5gを得た。DBD−Clの主な物性は次の通りであ
る。 融点138゜C;IR(KBr)1530,1350,
1155,1150,960,950,720cm
−1;1HNMR(重クロロホルム)δ3.0(6H,
s),7.6(1H,d),8.0(1H,d)pp
m;元素分析値(%)C37.56,H2.79,N1
6.12(理論値C8 H8 ClN3O3S,C3
6.72,H3.08,N16.06)
gをクロロホルム130mlに溶解させ,−10°〜0
°Cに冷却する。このクロロホルム溶液にクロロ硫酸1
21mlを徐々に滴下,5時間還流し,反応液を氷水2
000ml中へ滴下する。この水溶液をクロロホルム5
00mlX4で抽出,抽出液を脱水操作後,減圧下溶媒
を留去する。残渣にヘキサン200mlを加え,冷却,
生じた結晶をろ過,ヘキサンで洗浄し,減圧乾燥する。
その結晶にジクロロメタン700mlを加え,冷却す
る。このジクロロメタン溶液に1Mジメチルアミン(ア
セトニトリル溶液)350mlを徐々に滴下し,2時間
撹拌する。この反応液を濃縮し,水300mlを加え,
生じた結晶をろ過する。この結晶を冷アセトニトリルで
洗浄,減圧下乾燥し,DBD−Clの黄褐色結晶24.
5gを得た。DBD−Clの主な物性は次の通りであ
る。 融点138゜C;IR(KBr)1530,1350,
1155,1150,960,950,720cm
−1;1HNMR(重クロロホルム)δ3.0(6H,
s),7.6(1H,d),8.0(1H,d)pp
m;元素分析値(%)C37.56,H2.79,N1
6.12(理論値C8 H8 ClN3O3S,C3
6.72,H3.08,N16.06)
【0016】
【効果】上記実施例および参考例から明らかなように本
発明化合物DBD−Clは,容易に合成でき,DBD−
骨格を有する蛍光ラベル化剤に極めて容易に導くことが
できた。DBD−骨格を有する蛍光ラベル化剤の文献記
載の合成法は,高価なDBD−Fから導く方法が報告さ
れている。本発明化合物DBD−Clは,DBD−Fと
同様の反応性を持ち,しかも安価に合成することができ
る。したがって,DBD−Clを用いる参考例の方法
は,分析化学の属する分野,および他の分野において求
められているDBD−骨格を有する高感度蛍光ラベル化
剤を安価に提供することができる極めて有用な方法であ
る。また,参考例から類推できるようにDBD−Cl
は,それ自身でアミノ基用の蛍光ラベル化剤として利用
することができる。
発明化合物DBD−Clは,容易に合成でき,DBD−
骨格を有する蛍光ラベル化剤に極めて容易に導くことが
できた。DBD−骨格を有する蛍光ラベル化剤の文献記
載の合成法は,高価なDBD−Fから導く方法が報告さ
れている。本発明化合物DBD−Clは,DBD−Fと
同様の反応性を持ち,しかも安価に合成することができ
る。したがって,DBD−Clを用いる参考例の方法
は,分析化学の属する分野,および他の分野において求
められているDBD−骨格を有する高感度蛍光ラベル化
剤を安価に提供することができる極めて有用な方法であ
る。また,参考例から類推できるようにDBD−Cl
は,それ自身でアミノ基用の蛍光ラベル化剤として利用
することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】下記構造式 【化1】 で示される4−N,N−ジメチルアミノスルホニル−7
−クロロ−2,1,3−ベンゾオキサジアゾール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12518496A JPH09278765A (ja) | 1996-04-12 | 1996-04-12 | 新規2,1,3−ベンゾオキサジアゾール誘導体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12518496A JPH09278765A (ja) | 1996-04-12 | 1996-04-12 | 新規2,1,3−ベンゾオキサジアゾール誘導体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09278765A true JPH09278765A (ja) | 1997-10-28 |
Family
ID=14903992
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12518496A Pending JPH09278765A (ja) | 1996-04-12 | 1996-04-12 | 新規2,1,3−ベンゾオキサジアゾール誘導体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09278765A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100844036B1 (ko) * | 2001-01-19 | 2008-07-04 | 가부시키가이샤 시세이도 | 화장료 |
-
1996
- 1996-04-12 JP JP12518496A patent/JPH09278765A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100844036B1 (ko) * | 2001-01-19 | 2008-07-04 | 가부시키가이샤 시세이도 | 화장료 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN109651407B (zh) | 键合双螺吡喃单元的1,8-萘酰亚胺类光控荧光分子开关化合物及其合成方法和应用 | |
RU2510395C2 (ru) | Способ получения доцетаксела | |
WO2010095450A1 (ja) | プロテアーゼ測定用蛍光プローブ | |
JP4373608B2 (ja) | 一重項酸素測定用試薬 | |
JP2006219453A (ja) | キノリン環を母核とする金属識別型二波長性蛍光分子 | |
CN106317112A (zh) | 四嗪类化合物及其制备方法、应用 | |
JP2002519404A (ja) | 新規蛍光ランタニドキレート | |
CN111349091B (zh) | 一种荧光染料及其制备方法和应用 | |
JP2002543233A (ja) | 新規のカルボピロニン蛍光色素 | |
JPS6134440B2 (ja) | ||
Chaurasia et al. | Synthesis and fluorescent properties of a new photostable thiol reagent “BACM” | |
CN114853656B (zh) | 具有aee特性的咔唑类衍生物、制备方法及应用 | |
JPH09278765A (ja) | 新規2,1,3−ベンゾオキサジアゾール誘導体 | |
JPH0692955A (ja) | 水溶性のクマリン誘導体、その製造方法および酵素基質としてまたは酵素基質の製造のための使用 | |
KR102297417B1 (ko) | 신규 화합물 및 이를 이용한 글루코스 검출방법 | |
JPH0331265A (ja) | テトラヒドロピリミジン誘導体の製造方法 | |
EP4103652A1 (en) | Fluorescent rhodamine dyes with enhanced cell permeability | |
CN114671851A (zh) | 萘二甲酰亚胺-四嗪类化合物及其制备方法与应用 | |
JP2593121B2 (ja) | 近赤外光励起の蛍光ラベル化剤とその応用 | |
RU2051147C1 (ru) | 5-замещенные нафталин-1-(диметилен)-сульфониламиды и способ их получения | |
CN110746404B (zh) | 一种9位烷基化的咔唑类化合物及制备方法与应用 | |
CN113307771B (zh) | 一种具有大Stokes位移的荧光染料及其制备方法 | |
CN116589475B (zh) | 一种2',4',5',7'-四氯-5(6)-羧基-4,7-二氯荧光素的制备方法 | |
CN110563702B (zh) | 近红外荧光化合物与制备方法及其检测亚铁离子的应用 | |
KR101620093B1 (ko) | 신규한 쿠마린 유도체 및 이의 제조방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070213 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070215 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070619 |