JPH09276824A - 有機質物の発酵処理方法および発酵処理装置 - Google Patents

有機質物の発酵処理方法および発酵処理装置

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JPH09276824A
JPH09276824A JP11439196A JP11439196A JPH09276824A JP H09276824 A JPH09276824 A JP H09276824A JP 11439196 A JP11439196 A JP 11439196A JP 11439196 A JP11439196 A JP 11439196A JP H09276824 A JPH09276824 A JP H09276824A
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fermentation
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fermenter
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stirring
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孝 大谷
Kenji Fukushima
健次 福島
Tatsuo Nagai
達夫 永井
Kimiharu Hattori
公治 服部
Akio Ono
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    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
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  • Treatment Of Sludge (AREA)
  • Mixers With Rotating Receptacles And Mixers With Vibration Mechanisms (AREA)
  • Fertilizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機質物をロータリーキルン式の発酵槽で
効率よく、かつ良好に発酵処理する。 【解決手段】 内面にかき板2を有する回転筒体1内
に、筒体1と独立に回転可能な撹拌羽根11を配置し、
材料20の内外周両側から撹拌する。発酵槽は、発酵ゾ
ーン毎に区分し、各ゾーンに合わせて発酵制御するのが
望ましい。 【効果】 発酵槽内に高い充填率で材料を収容した状
態で良好に発酵処理することが可能になり、効率が大幅
に向上する。また、発酵ゾーンに合わせて発酵制御する
ことにより、各発酵段階で最適な発酵環境に調整でき、
発酵効率が一層向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生ゴミ、家畜糞、
農業廃棄物、食品加工残渣、汚泥などの有機質物を好気
的に発酵処理して、土壌改良材や有機質肥料として有効
に回収したり、減容化して廃棄を容易にしたりする有機
質物の発酵処理方法および発酵処理装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】通常、生ゴミ、家畜糞、汚泥などの有機
性固形廃棄物のコンポスト化処理においては、その高速
化、効率化、高品質化などを狙いとして、スクープ式、
ロータリーキルン式、横型ドラム機械攪拌式、竪型多段
アーム式、竪型サイロ式など種々の発酵装置が開発、実
用化されている。しかし、いずれの装置も一長一短があ
り、万能な処理方式はないため、原料の処理条件に応じ
て発酵性能、保守性、動力、設置面積、価格等を考慮し
て装置の選定、適用がなされている。一般的には、スク
ープ式は、発酵性能は優れているが、設置面積が大きく
通気用多孔板等の保守および臭気捕集が厄介、ロータリ
ーキルン式は、低コスト・小動力で保守も容易だが、材
料の充填率も低く大容量処理に不適で発酵温度制御が困
難、横型ドラム機械撹拌式は、発酵性能は良好だが、所
用動力が過大で大容量処理には不向きで、発酵制御も困
難、堅型多段アーム式および堅型サイロ式は、特に保守
性が困難等、それぞれに長短がある。
【0003】これらの中では、キルン式発酵装置は前記
したように低コストという点でメリットが大きいため、
大容量処理等の問題の解決が望まれている。上記問題点
の発生原因を解明するため、従来のキルン式発酵装置の
概略を以下に説明する。キルン式発酵装置は、回転可能
な筒体と、この筒体の両端を塞ぐ回転しない側板とによ
って構成されるドラムを発酵槽としており、発酵材料
は、発酵槽の一方端から供給され、他端から排出され
る。発酵槽内に収容された発酵材料は、筒体の回転によ
り混合、撹拌され、発酵槽内の空間部の空気と接触し好
気的に発酵処理されながら他方端へ移動する。この場
合、材料の混合、撹拌は、材料の筒体内面への付着力に
よって材料がかき揚げられ、遂には安息角に応じて一定
厚さで材料面を滑り落ちることにより行われる。このと
き、材料のかき揚げ高さとかき揚げ容量を増加させるた
めに邪魔板を設けたり、筒体の回転数を大きくすること
も行われている。そして、発酵のため必要な発酵材料と
空気との接触及び材料の分散は、主に材料が筒体内面を
かき揚げられて滑り落ちる過程で行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、発酵槽内容
積に対する材料の充填率を大きくすれば処理量が増大
し、また、同一の処理量であれば、充填率を大きくする
ことにより必要とされる発酵槽の容積が小さくなり、装
置のコンパクト化が可能になる。しかし、従来の上記装
置では、発酵槽内への材料の充填率は、数%から最大で
も30%程度に限られており、比較的低い充填率で運転
されている。これは、上記発酵装置では、筒体の内壁に
沿ってかき揚げられては滑り落ちる材料は表面付近に限
られており、また、この滑り落ちる状態を除けば材料は
静止状態にあることから、材料の処理量が増した場合、
大きな課題が生じるためである。
【0005】すなわち、材料の充填率を高めた場合、図
14に示すように筒体101内においてかき板102で
かき揚げられる材料120のかき揚げ高さは多少大きく
なるので滑り落ちる量は幾分増えるものの移動距離が増
すだけで、筒体101の回転当たりにおいて移動する材
料の量は殆ど変化しない。そして材料120の中央部付
近は、移動しにくい状態となり、効果的な混合撹拌が困
難となる。特に、充填率が30%程度以上になると中央
部付近は殆ど静止状態になり、効率的な発酵処理が困難
となる。この対応策として、筒体101の回転数を増し
て、前記の材料の移動速度を高めることも考えられる
が、高回転のために過大な動力を要するという問題があ
り、しかも材料の中央部が移動しにくいため相応の効果
も得られない。
【0006】また、材料が生ゴミ、畜糞尿など、70%
程度以上の高い含水率を有する場合、従来の装置におい
て材料の充填容量を増すと、筒体の回転による材料の移
動がそれ自体の付着力により鈍くなり、その不均一さが
増加して混合効果が低下する。また、これをカバーする
ために回転数を上げると材料が部分的に団子状となるこ
とが多く、その内部の好気的発酵処理が困難となり且つ
全体的に材料の比表面積が減少するので発酵の遅延と不
均一化が顕著になる。そして、嫌気的発酵も生じるので
発生する悪臭も強くなる。
【0007】また、前記発酵槽では、発酵分解が進展す
ると材料中の水分が揮散低下するため、好適な発酵性能
を保持するように材料の上部空間に散水管を設け、この
散水管から適宜散水して材料の含水率を調整することが
行われる。しかし、材料の充填率を高めた場合、前記の
ごとく材料の効果的な混合撹拌ができないため、水分の
均一な調整も困難になるという問題がある。
【0008】また、従来のキルン式発酵装置において
は、発酵処理のポイントとなる材料と空気との接触は、
発酵槽内上部の空間に通気することにより行われてい
る。このため発酵に必要な通気は基本的に材料の表面上
で行われることになり、特に、材料の充填率を大きくし
た場合、前記のごとく材料の移動しにくい部分は通気効
果が著しく低下することになる。さらに、発酵の立ち上
げと好気的微生物の活動を活発化し適正な発酵状況を保
持するためには、材料の温度制御が必要となるが、この
制御は、上記した通気の際に空気の量あるいは温度を調
整することによって行われている。しかし、この通気は
発酵槽内の一方端の入口から他方端の出口に向けてその
空間部通しで行われており、例えば、発酵の最盛時に
は、通常空気量を大幅に増加することが必要となるが、
上記したように空間部通しの一括した通気量制御方式で
は、それぞれの箇所に対応した適正な発酵処理は困難で
ある。
【0009】以上のように、従来のキルン式発酵装置で
は材料と空気の接触効率が悪いことや、伝熱と発酵熱に
よる水分の揮散効果が低くかつ不均一な状態が生じやす
いこと、発酵槽内の空間部全体を通した通気のため発酵
材料の経過に応じた適正な発酵制御が困難になること等
のため、好適な発酵性能が得られておらず、さらに充填
率を高めて効率的に発酵処理することは困難である。本
発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、上
記の従来技術の欠点を解消し、材料の充填率を高め且つ
均一・高速に処理することが可能な発酵方法および発酵
装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のうち第1の発明の有機質物の発酵処理方法
は、内面にかき板を有する筒体内に発酵材料を収容し、
該筒体を回転させて発酵材料を撹拌しつつ発酵させる有
機質物の発酵処理方法において、前記筒体内部で筒体の
回転と別の回転撹拌力を発生させて、発酵材料を内外周
両側から回転撹拌することを特徴とする。また、第2の
発明の有機質物の発酵処理方法は、第1の発明におい
て、筒体内空間を軸方向に複数の発酵ゾーンに区分し、
各ゾーン毎に発酵環境を制御することを特徴とする。
【0011】さらに、第3の発明の有機質物の発酵処理
装置は、内面にかき板を有する回転筒体を発酵槽とする
発酵処理装置において、前記筒体内に、筒体の軸方向に
沿った回転軸心により回転する撹拌羽根が配置されてい
ることを特徴とする。第4の発明の有機質物の発酵処理
装置は、第3の発明において、筒体内空間が軸方向に複
数の発酵ゾーンに区分されており、各発酵ゾーンに対応
して、前記空間の底部側に給気手段が配置されていると
ともに該空間の上部側に排気手段が配置されていること
を特徴とする。第5の発明の有機質物の発酵処理装置
は、第3または第4の発明において、筒体内空間の上部
側に、各発酵ゾーンに対応した散水手段が配置されてい
ることを特徴とする。第6の発明の有機質物の発酵処理
装置は、第4または第5の発明において、各発酵ゾーン
の境界部に発酵材料の通過を制御する仕切板部が設けら
れていることを特徴とする。
【0012】本発明法では、筒体内にかき板と異なる撹
拌手段を設けることにより発酵材料を内外周の両側から
撹拌することができる。撹拌手段としては後述する撹拌
羽根が好適である。この方法では、発酵槽内を軸方向に
複数の発酵ゾーンに区分して、各発酵ゾーン毎に発酵環
境を制御するのが望ましいが、この区分の位置や区分の
数は発酵の進行等を考慮して定めることができる。通常
は、3つの発酵ゾーンに区分するのが適切である。各発
酵ゾーンにおける発酵環境としては発酵材料の温度、含
水率、雰囲気中の酸素量、撹拌状態等が示される。上記
制御では、これらの要素の一つ以上を制御する。本発明
法としてその制御手段は特に限定されないが、後述する
給気や、排気、散水、給気や散水、材料の加熱、撹拌羽
根の変更等により行うことができる。
【0013】本発明の発酵装置において、発酵槽となる
筒体は通常は断面円形状のものが用いられるが、本発明
としては、これに限定されるものではなく、例えば、断
面楕円状、多角形状のものを用いることも可能である。
また、この筒体の内面に形成されるかき板の形状、数も
特に限定されるものではなく、処理対象となる材料の種
別等に対応して適宜変更することができる。また発酵ゾ
ーンに対応させて発酵槽の軸方向位置によってかき板の
形状や配置位置を変えることもできる。
【0014】また、発酵槽内に配置される撹拌羽根は、
原料の種類、特性及び発酵過程における特性変化に応じ
て、カッター型、スキ型、パドル型、リボン型、スクリ
ュ型等を単独または組み合わせた形で適用することがで
きる。また、この撹拌羽根による材料の撹拌の動力を節
減するために、局部的な付設、省略、及び直径も含めて
適切な組み合わせを選定設定することができる。これら
の変更は、発酵槽を複数の発酵ゾーンに区分する場合
に、各ゾーンに対応させて部分的に行うことも可能であ
る。なお、生ゴミ原料など形状が大きく不規則なもの
は、発酵の前処理として、通常、破砕処理が行われる
が、カッター型等の撹拌羽根など適用して、破砕処理操
作をこの発酵槽で一括して行うことも容易となる。な
お、本発明としては、この撹拌羽根を筒体と連動して回
転させることも可能であり、また、筒体との同期、非同
期も適宜選択することができる。要は発酵材料を効率よ
く撹拌できるものであればよい。ただし、効率的な撹拌
のためには、撹拌羽根を筒体の回転方向と逆の方向に回
転させるのが望ましい。また、撹拌羽根の回転は、処理
材料の含水率、種類、粒度等の特性や筒体の回転に応じ
て回転数や回転方向を変更できるようにするのが望まし
い。
【0015】上記撹拌羽根が回転する回転軸心は、筒体
内に現に軸体を配置して、この軸体に撹拌羽根を設けて
回転させることにより得られる。ただし本発明として
は、実際には軸体を有さず、仮想的な軸心を有するもの
であってよく、要は、この軸心を中心に撹拌羽根が回転
できる構造であればよい。
【0016】また、給気手段、排気手段、散水手段は、
それぞれ、給気、排気および散水の機能が得られるもの
であればよく、通常は、開口を有する吸気管、排気管お
よび散水管を配置することにより達成される。これら手
段を発酵ゾーンに対応して配置する際には、多くの場合
には各発酵ゾーン毎にそれぞれの手段を配置するが、本
発明としてはこれに限定されるものではなく、一部にお
いては複数の発酵ゾーンに共通する当該手段を設けるこ
とも可能である。
【0017】次に、所望により発酵ゾーンの境界に設け
る仕切部は、例えば、平板状の仕切板を軸方向と交叉す
るように配置することで構成できる。仕切部は、発酵槽
の縦断面全体を仕切るものの他に、一部を仕切るもので
あってもよい。また、発酵材料の通過の制御方法も特に
限定されるものではなく、例えば、所定の高さを有する
仕切板を設け、材料の収容量に応じて材料がこの仕切板
をオーバーフローすることを利用して制御したり、仕切
部に設けた開口を調整したり、仕切部の上限高さを変更
したりすることによって制御することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)以下に、本発明の装置の一実施形態を図
1〜図3に基づいて説明する。断面円形状の筒体1が、
外周面において複数の受けロール3…3と筒体回転駆動
装置4によって回転可能に支持されており、該筒体1の
内周面に軸方向に伸び、かつ周方向に一定間隔で並んだ
多数のかき板2…2が設けられている。この筒体1の両
開口部には、該開口部を遮閉する回転しない側壁5a,
5bがそれぞれ配置されており、上記筒体1と両側壁5
a,5bとによってドラム型の発酵槽6が構成されてい
る。上記筒体は、通常は、両端に回転しない側壁を有し
ているが、他の構造によっては、筒体とともに回転する
側壁で両端開口を塞ぐことも可能である。
【0019】なお側壁5aには、発酵原料を発酵槽内に
収容するための投入シュート7が接続されており、該投
入シュート7の上端部には投入量を調整する投入バルブ
7aが設けられている。一方、排出側の側壁5bには排
出口(図示しない)が設けられており、該排出口の一部
を塞ぐ形で排出調整板8が設けられている。この排出調
整板8の移動によって排出開口の高さを調整して材料の
充填率を変えることができる。また、上記両側壁5a、
5b間には、筒体1の軸方向に沿った軸体9が架設され
ており、該軸体9の端部に回転駆動装置10が接続され
ている。この軸体9には、発酵槽6内で多数の撹拌羽根
11…11固定されており、前記回転駆動装置10によ
って撹拌羽根11…11が筒体1と独立して回転する。
【0020】なお、上記軸体9に装着される撹拌羽根1
1…11は、材料の処理条件によって発酵槽内の材料の
大部分が撹拌できるように軸方向の全てにわたって設け
る他に、一定範囲に限定して設けることも可能である。
また撹拌羽根11の回転直径および取付間隔は、材料の
種類、特性、発酵槽内の充填率、筒体内面のかき揚げ用
の邪魔板の形状、筒体の回転数等に応じて設定する。例
えば、これらの条件によっては、筒体の内壁に沿ってか
き揚げられ移動する材料は、その壁面からの厚さで筒体
の直径の10〜30%程度変化するので、充填材料の中
央付近の材料の撹拌と筒体周壁付近の材料の撹拌の効率
を高めること及び後述の充填材料中に通気管を設けるこ
とへの対応をはかるため、撹拌羽根の回転直径は、筒体
1の内径の40〜80%になるように選定するのが望ま
しい。この羽根の直径は、小さすぎると充填部中央付近
の停滞部の材料の撹拌が困難となるし、大きすぎると撹
拌動力が過大となる上、材料の通気、散水など発酵の制
御操作も困難となる。したがって上記直径範囲において
材料の撹拌混合が効果的に行われることになる。なお、
この際にかき板2の径方向の幅は、筒体の内径の3〜2
0%程度とするのが望ましい。この実施形態では、撹拌
羽根にスキ型とパドル型の組み合せ方式を用い、その直
径は筒体内径の60%、かき板の径方向の幅は筒体内径
の6%とする。
【0021】また、この実施形態では従来と同様に筒体
1の上部空間を通して通気するべく、側壁5bの上部側
に、通気管12が連結され、側壁5aの上部に排気管1
3が連結されている。なお、上記通気管12は、図2に
示すように流量計14、通気バルブ15を介して通気ブ
ロワ16に接続されている。一方、排気管13には脱臭
ブロワ17が接続され、脱臭ブロワ17の排出側に微生
物式脱臭装置18に接続されている。なお、発酵槽6の
内壁には温度測定計19,19,19が配置されてお
り、発酵中途の処理材料の温度を測定することができ
る。この温度測定結果に基づいて通気量等の調整を行う
ことができる。なお、この実施形態では、良好な発酵の
進行を得るために、発酵槽全体を保温している。
【0022】上記装置を用いた発酵処理方法を図1、2
に基づいて説明すると、原料を原料貯留槽21から混合
装置22に送り、別途貯留槽23から供給される水分調
整材を添加して含水率を調整し、自動的に操作される投
入バルブ7aを経て投入シュート7から発酵槽6内に供
給する。投入終了後は投入バルブ7は閉とする。発酵発
酵槽6内の端部に収容された材料は、筒体1の回転とそ
の回転と逆方向に回転する撹拌羽根11により撹拌・混
合されるとともに、側壁5bの通気管12より供給さ
れ、材料表面上部空間を通して側壁5bの排気管13へ
と流動する空気と接触し、漸次排出口側(側壁5b側)
へ移動しながら発酵処理される。
【0023】この場合、発酵槽6内に収容されている材
料の充填率は、発酵槽6の排出口の排出調整板8を調整
することにより、変えることができ、これは、予め設定
された発酵処理期間、その期間における発酵分解処理で
の減容化率にもとづいて選定される。また、筒体1およ
び撹拌羽根11の回転数は、筒体の直径、処理量、材料
の特性などにより選定する。発酵制御は、温度測定計1
9により通気バルブ15を調整して供給される通気量を
調整しつつ、材料の撹拌混合を連続的に行う。発酵処理
された発酵材料は発酵槽6の自動的に操作される排出バ
ルブ24より、投入口からの材料の投入に合わせて排出
され一次製品となる。そして、発酵材料20aはさらに
養生槽25へ送られて、二次発酵処理され、コンポスト
製品となる。この養生槽25では、送気ブロワ26によ
って給気され、養生の効率を高めている。一方、発酵槽
6内で生じる発酵排ガスは、排気口13から脱臭ブロワ
17で吸引捕集され、微生物式脱臭装置18にて脱臭処
理される。
【0024】上記実施形態について、破砕し調整した代
表的な生ゴミを発酵槽内に50%の高い充填率で収容し
た場合、この材料20が発酵槽内断面においてどのよう
な挙動をとるかを実験研究の結果をもとに図3、14に
より説明する。従来方式の場合、図14の矢印で示すご
とく筒体101の回転に応じてその内面に設けられたか
き板102によって充填材料120のうち、筒体の周辺
付近の材料が持ち上げられては落下し、表面付近の材料
が主体に移動し撹拌されることになる。一方、本発明の
方法では、表面付近の材料20がかき板2で撹拌移動さ
れるとともに、充填部の中央付近及び筒体1内壁付近の
停滞状況にある材料が撹拌羽根11で撹拌移動され、ま
た表面付近の材料が中央部へかき込まれつつ、さらにか
き揚げられてその安息角に見合って表面付近を落下移動
する。上記動作は、撹拌羽根11を筒体1と逆方向に回
転させることにより、より効果的になる。さらに、筒体
1の回転と逆方向に撹拌羽根11を回転させることによ
り前記のごとく材料の移動撹拌が逆方向に生じるため材
料の表面が平準化されることになる。そして、これは、
発酵のための通気操作が均一化して発酵制御に有効な効
果をもたらす。上記作用により、良好な発酵効率を維持
したままで発酵槽内の充填率を60%程度まで高めるこ
とが可能になる。
【0025】(実施形態2)この実施形態では、発酵の
進行程度を考慮して発酵槽6の内部を仮想的に軸方向に
区分するものである。一般に生ゴミなどの連続式発酵処
理は、材料の分解、温度等に応じて菌相変化が生じて通
常3段階で行われるとされる。第一段階では、材料中の
糖類、脂肪類等成分が主として好気的細菌類により分解
され、温度範囲では30〜50℃となり、第二段階で
は、材料中の脂肪類、タンパク質等成分が糸状菌類、細
菌類等にて分解され、温度範囲は50〜65℃となり、
第三段階では、タンパク質、セルロース類が放射菌類、
細菌類、担子菌類等にて分解され、温度範囲は60〜7
0℃となるような発酵分解のパターンを形成する。第一
段階は、発酵の立ち上がり段階を含めて糖類、脂肪類等
の易分解性材料が最も活発に分解し、多量な通気を必要
とする過程であり、第二段階は、脂肪類、タンパク質な
ど比較的分解性高い材料が分解する過程であり、また、
第三段階は、タンパク質、セルロース類等の難分解性の
材料が分解し、熟成コンポストとして安定化していく養
生処理の過程であり、各段階において適切発酵条件は異
なっている。
【0026】この実施形態では上記発酵段階に合致させ
る形で、発酵槽内が3つの発酵ゾーンに区分されてい
る。以下、図4、5に基づいて詳細に説明する。なお、
この実施形態で、前記実施形態と同様の構造については
同一の符号を付して説明を省略する。すなわち、発酵槽
6を軸方向に三つのゾーン30a,30b,30cに区
分し(仮想的に区分する)、さらに、材料と空気の接触
効率を高めるために発酵槽6内の底部発酵材料中に発酵
用空気を供給する通気管31a,31b,31cを各ゾ
ーンに対応してそれぞれ設け、これら通気管31a,3
1b,31cに対応して、発酵槽内の発酵材料の上部空
間に発酵ガス排出用の排気管32a,32b,32c
(図示しない排気口を有する)を設ける。なお、各通気
管は、材料の発酵槽内での混合移動の障害とならないよ
うに設置数を1〜2本に制限し、空気の吹出し口は材料
の通気管内への流入を防ぐため下向きに設ける。ここで
通気管数は最小限とするが、これは、材料が常に微動状
態にあるので良好な通気効果が得られることによる。
【0027】また、発酵槽6内の発酵材料の上部空間に
は、軸方向の後段の二つのゾーン30b、30cにおい
て、各ゾーン毎に必要に応じて材料の含水率を調整でき
るように散水管33b,33cが設けられている。な
お、最初のゾーンに散水管を配置しないのは、発酵当初
の処理材料の含水率は高く、水分の補給を必要としない
ためであり、その後のゾーンでは、発酵の進行に連れて
含水率が低下し、適宜水分の補給が必要になる。各発酵
段階においては、材料の含水率は、通常約40%以上を
保持することが重要であり、各ゾーン(30b、30
c)では各散水管33b,33cによって適宜、散水す
ることにより適当な含水率に調整される。
【0028】なお、上記通気管31a,31b,31c
には、図5に示すようにそれぞれ通気バルブ34a,3
4b,34cおよび通気流量計35a,35b,35c
を介して通気ブロワ16が接続されており、上記排気管
32a,32b,32cはそれぞれ酸素濃度測定計37
が接続されているとともに、排気弁38a,38b,3
8cを介して脱臭ブロワ17、脱臭装置18に接続され
ている。また、散水管33b,33cにはそれぞれ水量
計39b,39c、水量調整弁40b,40cを介して
給水ポンプ41が接続されており、給水ポンプ41は貯
水槽42に接続されている。
【0029】また、発酵槽6の内壁には、発酵槽6内の
処理材料の温度を測定し、この結果に基づいて信号を出
力できる温度測定調整計43a,43b,43cが各ゾ
ーンに対応して設けられており、上記温度調整計の出力
結果は、制御信号として各通気バルブ34a…cに送出
されている。これにより温度測定結果に基づいて発酵槽
6への通気量を自動的に調整することができる。
【0030】この発酵処理における各発酵ゾーンの区間
は、処理量(投入量)に対する各ゾーンの材料の発酵分
解による減容化の割合、発酵処理期間に応じて、予め設
定し、それに対応し通気管、排気管および散水管の位置
も選定される。なお、本発明による通気制御の区分は、
前記の三段階に限定するものでなく、前記の第一、第
二、第三の発酵段階の中の第一と第二段階のみを対象と
することも可能である。材料の発酵特性、処理規模等に
応じて選定され、その各ゾーンの長さ、通気管方式も適
宜調整適用される。
【0031】また、筒体1および撹拌羽根11の回転数
は、筒体の直径、材料の処理量、充填率により設定す
る。さらに、回転は、連続操作を基準とするが、発酵状
況を確認することにより、間欠的な運転操作も行うこと
が可能である。撹拌羽根は、特に、材料の特性、充填
率、発酵処理段階などにより条件設定がなされるが、こ
の実施形態では、その直径は、筒体の直径の約60%、
形式はパドルとスキ型の組み合わせ方式を採用してい
る。なお、この実施形態では撹拌羽根を発酵槽の全長に
亘り設けるが、前述したように、発酵ゾーンに対応して
かき板や撹拌羽根の種別や数、間隔、配置の有無等を変
えて撹拌状態を変えることも可能である。
【0032】次に、上記装置を用いた発酵処理方法の一
例を図4、5に基づいて説明する。原料は、原料貯留槽
44に一旦貯留された後、破砕機45で破砕され、混合
装置46で排出側から返送される返送材と混合されて水
分調整する。この発酵材料を投入シュート7から発酵槽
6内に投入し、先ず、回転する筒体1の第一ゾーン30
aに供給する。材料は、撹拌羽根11で撹拌混合されつ
つ通気管31aからの通気を受け、第一段階の好気的な
発酵処理がなされる。なお、材料は、一定期間毎に一定
量が供給されており、発酵槽6内で順次移動しながら第
二ゾーン30bに向けて漸次移動する。また、第一のゾ
ーン30aにおける発酵排ガスは排気管32aを通して
脱臭ブロワ17にて吸引収集され微生物式脱臭装置18
により脱臭処理される。上記における発酵制御は、材料
温度を上述した温度測定調整計で測定しその値に応じて
通気バルブを自動的に調整し、通気管からの通気の量を
調整供給しつつ所定の温度範囲に保持することにより行
われる。また、排気管32aに設けた酸素メータ37に
より発酵排ガス中の酸素濃度を計測し、設定値(排気管
毎に設定)に応じて排気弁を自動的に操作する。この際
に、底部の通気管と上部の排気管の流量バランスは、各
々の流量の計測と排気管後の制御バルブの連携により常
に一定量の通気と排気がなされるように保持される。
【0033】筒体1の回転と撹拌羽根11の撹拌・混合
操作で発酵材料は、自身の安息角に応じた移動現象によ
り第一ゾーン30aから漸次第二ゾーン30bに移動す
る。次いで、第二ゾーン30bでは、通気管31bと排
気管32bを通した通気・排気と筒体1及び撹拌羽根1
1による撹拌・混合により基本的には第一ゾーンと同様
の操作で第二段階としての好気的発酵処理が行われる。
この際にも上記と同様に発酵制御がなされるとともに、
発酵材料が発酵に適切な含水率を維持できるように適宜
散水管33bから散水する。散水はこの第二ゾーン30
bと後述する第三ゾーン30cで行われる。この実施形
態では、散水に対する制御は筒体1の回転を一時停止
し、適宜材料をサンプリングし、その含水率を測定チェ
ックすることにより行われる。
【0034】なお、第二ゾーン30bの発酵材料は、上
記と同様に漸次第三ゾーン30cに移動する。第三ゾー
ンでも前のゾーンと同様にして、第三段階の好気的発酵
処理が行われる。このように所要の発酵分解が終了した
材料は排出側の側壁5bの排出調整板8にて高さ調整さ
れた排出口より排出シュート、排出パルブ24を経て排
出される。そして、さらに篩分装置47にてプラスチッ
ク類等の堆肥化不適物(夾雑物)を選別除去し、返送材
貯留装置48で貯留した材料のうち、一部を返送材と
し、残りをコンポスト製品として回収する。
【0035】(実施形態3)さらに、他の実施形態とし
て、上記で説明した各ゾーンの境界部に、材料の通過を
調整できる仕切板を設けた発酵槽を図6〜図10に基づ
いて説明する。なお、この実施形態においても先の実施
形態と同様の構成については同一符号を付して説明を省
略した。発酵槽6は、3つのゾーンの境界に対応して、
軸方向に所定の間隔を有する2枚の仕切板50,50が
配置されており、各仕切板は側壁5a,5bよりタイロ
ッド51にて支持されている。これにより発酵槽内は、
三つの仕切室(発酵室)6a、6b、6cに明確に区分
けされている。なお、各仕切板50には、図8に示すよ
うに略中間高さ位置に材料が通過できる材料通過用開口
部52が形成されており、この開口部52の開口量や開
閉を仕切調整板53の移動で調整することにより材料の
通過を制御する。
【0036】この発酵槽を用いた発酵処理方法の一例を
説明すると、原料は、貯留槽54から脱水装置55へと
送られ、ここで脱水されて含水率が調整される。なお、
脱水装置55で捕集した水分は、汚水貯水槽56に貯
め、散水の給水源として利用する。水分調整した発酵材
料は、上記実施形態と同様にして、第一段目の発酵室6
aに供給され、順次各発酵室6b,6cへと送られて上
記実施形態と同様にして発酵処理される。この発酵槽で
は、各発酵室で個別に通気、散水、撹拌操作を行うこと
により各段階に応じた適切な発酵管理を確実に行うこと
ができる。材料は、仕切板50で遮断され、通気による
発酵制御および発酵排ガスの吸引排気も殆ど独立した形
態で他の発酵室の材料および制御操作の影響を受けるこ
となく発酵処理を行うことができる。一方、仕切板50
を有しない実施形態2では、発酵槽内上部空間は一つの
空間となっているし、材料の収容部も一体化している。
このため、区分に応じて各ゾーンの通気管を通して発酵
に供せられて生じる発酵排ガスが、この空間で拡散し合
流しやすい状況となるし、各ゾーンの境界付近では相互
に通気及び材料が分散混合する。あるいは、発酵槽の投
入側から排出側まで材料が部分的にショートパスする状
況が生じたりすることになる。このことは、適正な発酵
制御を妨げる原因となる。これらの点で、仕切板を設け
る方が明らかに有利である。
【0037】この実施形態を含む本発明では、各発酵室
の通気管より供給される空気は、隣接する発酵室に分散
することなく所定の発酵制御に供せられて上部の仕切ら
れた空間で排気管を通して排気される。また、材料も隣
接する発酵室に分散混合することもなく発酵制御される
ことになる。各発酵室からの材料の移動は、仕切板の中
央部及び中央上部付近に設けた開口を通してオーバーフ
ローする形で投入側から排出側仕切室へ順次移動する。
図10は、仕切板50の開口部52を中心とする材料2
0の移動形態を示したものである。上記開口部52は、
仕切調整板53によって開閉または開口の程度が調整さ
れるので、発酵の進行に合わせて仕切調整板53を移動
させることにより発酵材料を最適に所定の発酵室に留め
置き、または移動させることができる。また、各発酵室
の充填率は、順次、同等または低下していくように調整
されるが、これは各仕切板の仕切調整板53及び排出側
壁の排出調整板8の取付位置を変えることにより行う。
発酵処理された発酵材料は、篩分装置57に送られ、夾
雑物を除いた後、製品コンポストとして出荷される。
【0038】(実施形態4)この実施形態は、区分され
た発酵槽に対応して、筒体を区分毎に分割し、各分割筒
体1a,1b,1cを、それぞれの筒体回転駆動装置4
a,4b,4cにより独立して回転できるように構成し
たものである。なお、図示しないが撹拌羽根は軸体9に
より発酵槽の全長に亘って設けられている。この実施形
態は、上述した実施形態2、3の何れにも適用すること
ができる。この発酵槽によれば、各発酵ゾーンに最も適
した状態で筒体を回転させることができ、より最適な発
酵状態を得ることができる。ただし、一つの発酵槽を用
いて安価で効率的に発酵処理するという点では、上記し
た3つの実施形態が優れている。
【0039】
【実施例】
(実施例1)家畜糞(牛糞)に水分調整材としてオガク
ズを添加し、前記実施形態1に示した発酵装置で発酵処
理した。具体的には、原料牛糞(含水率約80%)にオ
ガクズを添加して含水率約65%に混合調整した後、発
酵槽6に供給した。なお、発酵槽6内における材料の充
填率は約50%とした。ここで筒体1および撹拌羽根1
1の回転数は、それぞれ0.1〜2rpmの範囲で設定
操作し、発酵制御は、温度測定計19により通気バルブ
15を調整して供給される通気量を0.05〜0.5m
3/min・tonの範囲で調整した。発酵材料は、投
入後2日経過で約50℃に昇温し、以後50〜70℃に
保持することにより、牛糞の有機物の約30%が分解
し、含水率約50%に低下し、衛生化した良好な一次発
酵製品として処理され、漸次排出口側へ移動しながら約
7日間で排出された。そして、養生槽25で約1〜2ヵ
月間二次発酵処理して製品とした。得られた製品は良好
に発酵しており、すなわち本発明の方法および装置によ
れば、発酵槽に高い充填率で発酵材料を収容しても良好
に発酵処理がなされることが明らかになった。
【0040】(実施例2)この実施例では、厨芥生ゴミ
を上記実施形態2に示す発酵槽を有する発酵処理装置で
発酵処理した。具体的には、破砕後に含水率約80%の
原料生ゴミに含水率約40%の返送材を約35%添加し
て、含水率約70%に水分調整して発酵槽内に投入し
た。この場合、材料は、排出口の位置を排出調整板8で
調整することにより直径の約60%まで充填した。発酵
槽内では第一段階として糖類、脂肪類等の成分が発酵分
解し40〜60℃に昇温した。なお、通気量は通気と排
気のバランスを維持しながら0.05〜0.5m3/m
in・tonの範囲で調整し、温度が60℃を越えた場
合および酸素濃度が8%以下に低下した場合に、通気量
を段階的に増加させ、温度が40℃以下した場合、通気
量を減少させた。この段階ではpHは6以下である。
【0041】次いで、第二段階目では、主として脂肪
類、タンパク質類の成分が発酵分解しており、第一段目
の操作に連続して約5日間滞留処理させた。通気量を第
一ゾーンと同様に0.05〜1m3/minの範囲で調
節し、温度が65℃を越えた場合および酸素濃度が8%
以下に低下した場合に、通気量を段階的に増加させ、温
度が50℃以下に低下した場合に、通気量を段階的に減
少させる操作により50〜65℃に温度を保持した。さ
らに、発酵分解が進展し水分の揮散により含水率が低下
するが、発酵槽に設けたサンプリング口より材料を採取
し含水率をチェックし、約45%以下に低下した場合、
一定量を散水加水して材料の含水率を45〜60%に保
持した。この段階では、タンパク質類の分解によりpH
は8〜9に上昇する。
【0042】次いで、第三段目では残存するタンパク質
類、セルロース類等の比較的難分解性の成分の分解が進
展する。材料は、第二段目の操作に連続して約7日間滞
留発酵処理され、熟成・安定したコンポスト材料とな
る。発酵制御は、第二段目と同様にして通気量を0.0
5〜0.5m3/minの範囲で段階的に増減すること
により発酵温度を50〜70℃、酸素濃度10%以上に
保持した。また、材料の含水率もおのおのの測定値に応
じて散水管33cを通して、一定量を散水加水し45〜
60%に保持した。
【0043】この発酵処理における代表的な発酵形態
(温度、pH、含水率、有機質分解率)を図12に示
す。投入後の発酵材料温度も早急に上昇し、含水率の確
保、および温度、pH、有機質分解率の経時変化も良好
な好気的発酵分解の形態と均質かつ高品質なコンポスト
材料が得られている。約14日間の処理では50〜70
℃で10日間以上保持することにより、有機質分の分解
率約75%、含水率約40%の材料が得られており、高
い充填率においても良好な発酵かつ効率的な発酵がなさ
れている。
【0044】(実施例3)この実施例では、野菜類主体
生ゴミを、実施形態3に示す発酵槽を有する発酵処理装
置で発酵処理した。原料は、含水率約70%に脱水調整
した後、第一段目の発酵室6aに供給した。そして、こ
の材料には、40〜60℃の昇温保持により第一段階の
発酵処理が行われた。発酵室6a内では、仕切板50に
設けた開口部52の高さを変えて充填率が約60%にな
るように調整設定し、発酵材料の滞留日数を2日として
処理した。この発酵室6aでは、温度が60℃を越えた
場合および酸素濃度が8%以下に低下した場合に、通気
量を0.05〜0.5m3/minの範囲で段階的に増
加させ、温度が40℃以下に低下した場合に、通気量を
低減した。
【0045】発酵室6bでは、第一段目の発酵室と同様
にして7日間滞留させて発酵処理させた。発酵制御は、
第一段目の発酵室と同様にして通気量を0.05〜1m
3/minの範囲で調整し、温度および排ガス中の酸素
濃度をそれぞれ50〜65℃、8%以上に制御管理し、
適宜の散水加水によりし含水率を45〜60%に調整保
持した。
【0046】次いで、第三段目の発酵室では、通気量を
0.05〜0.5m3/minの範囲に調整操作しつつ
約10日間滞留させて発酵処理した。上記と同様の発酵
制御により材料の温度と発酵排ガス中の酸素濃度をそれ
ぞれ50〜70℃、8%以上に制御管理し、含水率も汚
水をポンプで送出し、散水加水することにより45〜6
0%に調整管理した。
【0047】この発酵処理における全体の発酵形態(温
度、pH、含水率、有機質分解率)を図13に示す。投
入後の発酵材料温度も早急に上昇し、含水率の確保、お
よび温度、pH、有機質分解率の経時変化も良好な好気
的発酵分解の形態と均質かつ高品質なコンポスト材料が
得られている。約19日間の処理で50〜70℃の温度
に10日間以上保持することにより、有機質分の分解率
約80%、含水率約40%の材料が得られた。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の発酵処理
方法および発酵装置によれば、筒体の回転に加えて内部
からも撹拌されるので、撹拌効率が向上し、発酵効率が
改善される。この結果、(1)材料の充填率を高めるこ
とが可能になり、大容量処理が可能になるとともに、従
来の1/2以下のコンパクト化をはかることができる。
また、上記に加えて発酵槽を複数のゾーンに区分し段階
的に好気的微生物を適正に制御管理する方法を適用する
ことにより、次のように有効な発酵処理装置を提供する
ことが可能となる。 (2)材料と空気の接触効率を高めかつ三つの段階に区
分しその各々で好気的微生物の適正な制御管理を行うこ
とにより、高速、均質、安定かつ高品質な発酵処理が可
能となる。 (3)発酵過程での水分管理も撹拌混合の効率を高めて
均質かつ安定的に行えるので高速かつ高品質な発酵処理
が可能となる。 (4)波及的な効果であるが、後段の発酵室からの発酵
ガス(高濃度アンモニアおよび好気的有用微生物含有、
50〜70℃の高温度)を容易に捕集し前段(投入側材
料)の発酵室に通気することにより、原料系のpH調
整、有用発酵菌の添加、材料の加熱などに利用すること
で発酵の立ち上げ加速し、初期pH低下原料の高速発酵
処理に有効となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による発酵槽のうち表面通気方式の
模式正面図である。
【図2】 同発酵槽を有する発酵処理装置の概略図で
ある。
【図3】 同発酵槽内の材料の撹拌挙動を示す模式側
面図である。
【図4】 他の実施形態における発酵槽の模式正面図
である。
【図5】 同発酵槽を有する発酵処理装置の概略図で
ある。
【図6】 さらに、他の実施形態における発酵槽の模
式正面図である。
【図7】 同発酵槽の一部拡大正面図である。
【図8】 図7のVIII−VIII線断面図である。
【図9】 同発酵槽を有する発酵処理装置の概略図で
ある。
【図10】 同発酵槽内の材料の移動状況を示す概略図
である。
【図11】 さらに、他の実施形態における発酵槽の模
式正面図である。
【図12】 実施例2における各発酵ゾーンにおける発
酵パターンを示すグラフである。
【図13】 実施例3における各発酵ゾーンにおける発
酵パターンを示すグラフである。
【図14】 従来例における発酵槽内の材料の撹拌挙動
を示す模式側面図である。
【符号の説明】
1 筒体 2 かき板 4 筒体回転駆動装置 6 発酵槽 6a 発酵槽 6b 発酵槽 6c 発酵槽 8 排出調整板 9 軸体 10 撹拌羽根 12 通気管 13 排気管 15 通気バルブ 19 温度測定計 20 発酵材料 30a 発酵ゾーン 30b 発酵ゾーン 30c 発酵ゾーン 31a 通気管 31b 通気管 31c 通気管 32a 排気管 32b 排気管 32c 排気管 33b 散水管 33c 散水管 34a 通気バルブ 34b 通気バルブ 34c 通気バルブ 37 酸素濃度測定計 38a 排気弁 38b 排気弁 38c 排気弁 41 給水ポンプ 43a 温度測定調整計 43b 温度測定調整計 43c 温度測定調整計 50 仕切板 52 材料通過用開口部 53 仕切調整板
フロントページの続き (72)発明者 永井 達夫 広島県広島市安芸区船越南1丁目6番1号 株式会社日本製鋼所内 (72)発明者 服部 公治 広島県広島市安芸区船越南1丁目6番1号 株式会社日本製鋼所内 (72)発明者 大野 秋夫 広島県広島市安芸区船越南1丁目6番1号 株式会社日本製鋼所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面にかき板を有する筒体内に発酵材料
    を収容し、該筒体を回転させて発酵材料を撹拌しつつ発
    酵させる有機質物の発酵処理方法において、前記筒体内
    部で筒体の回転と別の回転撹拌力を発生させて、発酵材
    料を内外周両側から撹拌することを特徴とする有機性廃
    棄物の発酵処理方法
  2. 【請求項2】 筒体内空間を軸方向に複数の発酵ゾーン
    に区分し、各ゾーン毎に発酵環境を制御することを特徴
    とする請求項1記載の有機質物の発酵処理方法
  3. 【請求項3】 内面にかき板を有する回転筒体を発酵槽
    とする発酵処理装置において、前記筒体内に、筒体の軸
    方向に沿う回転軸心によって回転する撹拌羽根が配置さ
    れていることを特徴とする有機質物の発酵処理装置
  4. 【請求項4】 筒体内空間が軸方向に複数の発酵ゾーン
    に区分されており、各発酵ゾーンに対応して、前記空間
    の底部側に給気手段が配置されているとともに該空間の
    上部側に排気手段が配置されていることを特徴とする請
    求項3記載の有機質物の発酵処理装置
  5. 【請求項5】 筒体内空間の上部側に、各発酵ゾーンに
    対応した散水手段が配置されていることを特徴とする請
    求項3〜4のいずれかに記載の有機質物の発酵処理装置
  6. 【請求項6】 各発酵ゾーンの境界部に発酵材料の通過
    を制御する仕切部が設けられていることを特徴とする請
    求項4または5に記載の有機質物の発酵処理装置
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