JPH09273251A - 構築用パネル体とその連結方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 建物回りの塀や建物の外壁、内壁又は間仕切
り壁、さらには擁壁等のコンクリート構築物の形成にあ
たり、格別の工具や補助材料を用いることなく、また熟
練工でなくとも迅速、かつ確実にパネル体を連結するこ
とのできる構築用パネル体とその連結方法に関する。 【構成】 上下の端縁面１１，１１に、上又は下のパネ
ル体１と連結するための、互いに噛合する係止爪も設け
た凹連結具２又は凸連結具４を備えるとともに、必要に
応じて、左右の端縁面１２，１２に、左又は右のパネル
体１と連結するための、互いに嵌着する形状の凹連接具
６又は凸連接具７を、裏面側１４に、対峙するパネル体
１，１間を連結棒を介して結合するための、凹連結部材
８又は凸連結部材を備えている構築用パネル体とその連
結方法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、建物回りの塀や建物の
外壁、内壁又は間仕切り壁、さらには擁壁等のコンクリ
ート構築物の形成に使用するための構築用パネル体とそ
の連結方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、建物回りの塀や建物の外壁、内壁
又は間仕切り壁、擁壁等を構築する場合、型枠を組み立
ててその中に躯体コンクリートを打設した後、型枠を取
り除き必要に応じて表面にタイル等の化粧材を貼り付け
たりモルタル仕上げを行うようにしている。また、コン
クリートブロックやプレキャストコンクリートを用い、
中空部に補強鉄筋を挿通してこれらを組積する方法も採
られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、型枠を
使用する場合には、上記したように型枠の組立工事と解
体工事が必要であり、さらに表面を綺麗にする場合には
タイル等による仕上工事を行うため、多くの時間と労力
を要するとともに作業自体に熟練を要することから、近
年の職人不足と相まって工事費の高騰や工期の遅延を招
くという問題点を有している。

【０００４】また、コンクリートブロックやプレキャス
トコンクリートを使用する場合には、これらの位置決め
に時間を要するために作業能率が悪いとともに、重量物
を取り扱うために作業に危険性が伴うなどの不具合があ
る。また、仕上がった塀や擁壁はコンクリートの地肌を
露出したものが多く、このため組積後しばらくすると自
動車の排ガス等による空気の汚れや湿気によるカビやコ
ケの付着により表面が黒ずんだ状態となり、美観的にも
よくないばかりかこれらを除去するのも困難であった。

【０００５】本発明は、上述のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、熟練工の
技術や手間を必要とすることなく短時間に施工できて強
度の大きな壁体を得られ、しかも綺麓な表面で仕上げる
ことのできる構築用パネル体とその連結方法を提供する
ことにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の構築用パネル体は、上下の端縁面に上段又
は下段のパネル体と連結するための、互いに噛合する形
状の凸連結具又は凹連結具を備えている。

【０００７】なお、上記凸連結具は、パネル体内部に埋
設された基部と、パネル体から突出する二股に分岐した
脚部とからなる略逆Ｙ字型であり、一方凹連結具がパネ
ル体内部に埋設された上方開放の箱体であり、その箱底
には凸連結具の分岐した脚部の股内面形状に対応する形
状の突起部が設けられており、かつ凹連結具に凸連結具
を嵌入するとき、互いに噛合する階段状の多条の係止爪
が、凸連結具の脚部の内面又は外面の少なくとも一方の
面、及び凹連結具の突起部の外面又は箱体の内面の少な
くとも一方の面に設けられている場合がある。

【０００８】前記した構築用パネル体において、その裏
面側に、対峙するパネル間を連結棒を介して結合するた
めの、凹連結部材又は凸連結部材を備えている場合もあ
る。

【０００９】そしてパネル体に備えた凹連結部材があり
溝であり、連結棒の端部に備えた凸結合具がありほぞで
あるか、成いは凸連結部材がありほぞであり、連結棒の
端部に備えた凹結合具があり溝であると好ましい。

【００１０】さらに前記の構築用パネル体において、パ
ネル体の左右の端縁面に、左側又は右側のパネル体と連
結するための、連接具を備えている場合もある。

【００１１】そのほか、上記した何れの構築用パネル体
において、パネル体の表面側に化粧層が形成されている
場合がある。

【００１２】また本発明の構築用パネル体の連結方法
は、パネル体の上下の端縁面に設けた、互いに噛合する
形状の凸連結具又は凹連結具により、上段又は下段のパ
ネル体と連結するものである。

【００１３】上記の構築用パネル体の連結方法におい
て、パネル体の裏面側に設けた、凸連結部材又は凹連結
部材により、対峙するパネル体間を連結棒を介して連結
する場合もある。

【００１４】上記の構築用パネル体の連結方法におい
て、さらにパネル体の左右の端縁に設けた連接具によ
り、左側又は右側のパネル体と連結するようにしてもよ
い。

【００１５】上記した何れの構築用パネル体の連結方法
において、パネル体の厚みによっては、パネル体の裏面
側に、隣接するパネル体との連結境界を越えて添着材を
沿わせることが好ましい。

【００１６】

【作用】本発明の構築用パネル体とその連結方法は、上
記したように構成されているから、対応する連結具、連
接具、結合具及び連結部材により、上下、左右及び対峙
するパネル体と、工具や補助材料を使用することなく、
熟練工でなくても簡単迅速に互いに連結することができ
るほか、高い精度で正確に組積することができる。

【００１７】上段又は下段のパネル体を連結するにあた
り、端縁面に設けた凹連結具に凸連結具を嵌入すると、
凹連結具の突起部に凸連結具の脚部が圧着し、それら接
合面に設けた係止爪が互いに段階的に噛合するようにす
ると、凹連結具や凸連結具の埋め込み深さや位置ずれ誤
差があっても、上下のパネル体の端縁面が接触した時に
確実に両者が連結され、両者間にゆるみは生じない。

【００１８】対峙するパネル間を連結棒を介して結合す
るにあたり、パネル体の裏面側に凹連結部材又は凸連結
部材を備え、連結棒の端部に対応する凸結合具又は凹結
合具を設けておくと、連結棒の長さを選択或いは調節す
ることにより、対峙するパネル間を所定の間隔に保つこ
とができる。

【００１９】パネル体の裏面側に、隣接するパネル体と
の連結境界を越えて添着材を沿わせることにより、連結
境界で正又は負のモーメントを受けたとき、連結具或い
は連接具にかかる負担を減少させ、それらの破壊を防ぐ
ことができる。

【００２０】

【実施例】本発明の実施例を、図面を参照しながら、そ
の詳細を説明する。図１はこの発明の構築用パネル体１
の一例を示す斜視図である。図２はそのようなパネル体
１を組積した状態を説明する斜視図であり、図３はパネ
ル体１を組積した状態の垂直断面図である。

【００２１】パネル体１は、矩形状であり、上下の端縁
面１１，１１には、上又は下のパネル体と連結するため
の、互いに噛合する形状の凹連結具２及び凸連結具４を
各２箇所に備えている。そして、左右の端縁面１２，１
２に、左又は右のパネル体と連結するための、互いに嵌
着する形状の凹連接具６及び凸連接具７を備えている。

【００２２】パネル体１の裏面側１４には、上下２箇所
にパネル体１の左右方向に延びる凹連結部材８としてあ
り溝が設けられている。そしてパネル体１の裏面側１４
の上縁には凹段部１５が、下縁には凸段部１６が設けら
れている。これら段部は対峙するパネル体１，１間にコ
ンクリートを打設したとき、コンクリートが外部に漏れ
るの防ぐためと、上下のパネル体１，１との間の応力の
伝達を良くするためのものであって、パネルと厚さによ
り必要に応じて設けるものである。

【００２３】左右のパネルを連接するための凹連接具６
及び凸連接具７、及び対峙するパネル体を連結するため
の凹連結部材８は、寸法精度を高めるために別途成形さ
れた成形品を埋設して使用する場合を図示しているが、
パネル体１に直接凹凸を設けることもある。

【００２４】図３に示したように、パネル体１を構築す
るには、まず基礎９にコンクリートを打設する前か後
に、凹連結具２を所定位置に埋め込むか、或いは基礎ア
ンカー９１を埋め込む。パネル体１の下縁の凸段部１６
を図示したように予め切断しておいてもよいし、基礎９
に凸段部１６の形状に対応する形状の溝を設けておいて
もよい。凹連結具２が埋め込まれているときは、パネル
体１の凸連結具４をそれに嵌合させる。基礎アンカー９
１を用いる場合は、基礎アンカー９１の頂部でＬ字型取
付板９２を固定するとともに、パネル体１の下方の凹連
結部材８のあり溝８１を利用して、そのあり溝８１に嵌
入された取付ありほぞ９３を取付ボルト９４でＬ字型取
付板９２に固定すればよい。

【００２５】左右のパネル体１，１は、その一方の凹連
接具６に他方の凸連接具７を摺動嵌入することにより両
者は連接される。なお、図示の例では凹連接具６及び凸
連接具はいずれもパネル体１の左右端縁面に設けてある
が、パネル体の端縁裏面側に設けることもある。対峙す
るパネル体１，１間の連結は、凹連結部材８のあり溝８
１に、そのあり溝８１に嵌合するありほぞ８２からなる
凸結合具８５を両端に備えた連結棒８３を使用して行わ
れる。なお、パネル体１，１間の隔たりを微調節するた
め、連結棒８３の中間にターンバックル８４を介在させ
ることもある。このようにして一段目のパネル体１が配
設された後、同様にして二段面、三段目と順次パネル体
１が組積される。上下のパネル体１，１は、一方の凹連
結具２に他方の凸連結具４を嵌入させて噛合させること
により両者は連結される。

【００２６】図４は、組積にされたパネル体１の裏面側
１４の側面図である。この例ではパネル体１の左右端縁
の目地が直線的に連続しない千鳥状に組積されている
が、パネル体を上下並列させて通し目地となるように組
積する場合や、パネル体の端縁面に埋設する凹連結具２
の数を増やしてランダムに組積することも可能である。
組積が完了すると、対峙するパネル体間にコンクリート
が打設され、塀、外壁、内壁間仕切り壁、擁壁などとし
てパネル体１の構築が完了する。なお予めパネル体１の
表面側１３に、パネル体１の素材で直接或いは別材料の
化粧板を貼り付けるなどして、化粧層が形成されている
ときは、表面の装飾工事は不要となる。

【００２７】つぎに上下のパネル体１を連結するため
の、凹連結具２と凸連結具４の詳細を説明する。図５は
凸連結具４の一例を示す斜視図、図６は凹連結具２の一
例を一部断面で示す斜視図であり、図７はその凹連結具
２に凸連結具４が嵌入された状態を示す断面図である。

【００２８】凸連結具４は、パネル体１の下部の端縁面
１１のおいて、その内部に埋設される基部４１と、パネ
ル体１から突出している二股に分岐した脚部４２とから
なる略逆Ｙ字型の形状である。基部４１の先端には埋め
込み時にコンクリートとの付着を良くするために鍔４３
が設けられている。一方凹連結具２は、パネル体１の上
部の端縁面１１において、その内部に埋設される上方開
放の箱体２１であり、その箱底から開放側に向けて凸連
結具４の分岐した脚部４２の股内面形状に対応する山状
の突起部２２が設けられている。そして箱底には、この
場合もコンクリートとの付着性を良くするために、支柱
２３を介して鍔２４が設けられている。

【００２９】そして凸連結具４の脚部４２の内面及び凹
連結具２の突起部２２の外面には、それらの面の傾斜に
沿って階段状の多条の、同形であるが逆方向に向けて突
出する係止爪２５，４５が設けられていて、凹連結具２
に凸連結具４を嵌入するとき、脚部４２の内面が突起部
２２の外面に圧着され、それらの両面の係止爪２５，４
５が互いに段階的に噛合するようになっていて、両者に
引っ張り力が働いても抜けることない。

【００３０】また凹連結具２の突起部２２は、その稜線
に沿う方向に二分されていて、その間に谷状の空隙部２
６が設けられており、係止爪２５が設けられた面が外力
により弾性変形し易いようになっている。従って凸連結
具４の脚部４２の弾性変形と相互に作用して、両者の噛
合をさらに確実なものとするとともに、凹連結具２と凸
連結具４の埋め込み時の位置が多少ずれていても、その
誤差を吸収しながら両者を連結することができる。なお
凹連結具２の箱体の幅、即ち図７において紙面に対して
上下方向を、凸連結具４の脚部の幅より幾分か大きくし
ておくことも、埋め込み時の連結具の位置ずれ対策とし
て好ましい。

【００３１】図８は、連結具の別の実施例であって、凹
連結具３に凸連結具５が嵌入された状態を示す断面図で
ある。凸連結具５は前記のものと同様に、パネル体１内
部に埋設された基部５１と、パネル体１から突出する二
股に分岐した脚部５２とからなる略逆Ｙ字型の形状であ
り、一方凹連結具３はパネル体１内部に埋設された上方
開放の箱体３１で、その箱体３１の内側面は凸連結具５
の脚部５２の外面形状に対応する形状であり、かつその
箱底には凸連結具５の分岐した脚部５２の股内面形状に
対応する形状の突起部３２が設けられているとともに、
箱体３１の内側面及び脚部５２の外面には、それらの面
の傾斜に沿って階段状の多条の係止爪３５，５５が設け
られていて、凹連結具３に凸連結具５を嵌入するとき、
それら両面の係止爪３５，５５が互いに段階的に噛合す
るようになっている。

【００３２】この例では、突起部３２中央に設けられた
谷状の空隙部３４により、突起部３２が弾性変形して、
箱体３１の内側面との空間に、脚部５２を受け入れると
ともに、係止爪３５，５５の噛合を確実にする。

【００３３】図９は類似する別の実施例であって、凹連
結具３に凸連結具５が嵌入された状態を示す断面図であ
る。箱体３１の内側面、突起部３２の外面、及び脚部５
２の内外面には、それらの各面の傾斜に沿って階段状の
多条の係止爪３５，５５が設けられていて、凹連結具３
に凸連結具５を嵌入するとき、それら各面の係止爪３
５，５５が互いに段階的に噛合するようになっている。

【００３４】この例では、前記実施例に比べて係止爪３
５，５５の数が多くなるので、連結力が増し、たとえ凹
連結具３と凸連結具５の位置が多少横にずれても連結力
は低下しない。

【００３５】さらに別の連結具の実施例を示す。図１０
は凸連結具、図１１は凹連結具そして図１２はそれらが
連結された状態を示す断面図である。この例の凸連結具
５の脚部５６は、前記実施例の脚部５２と同様に二股に
分岐した略逆Ｙ字型の形状であるが、その先端は内側に
折り曲がっている。他方凹連結具３の箱体３６の内面及
び突起部３７の外面は、凸連結具５の脚部５６の形状に
対応する形状となっているが、それらの面間の間隙３９
は脚部５６の厚さより広くなっている。そして箱体３６
の内面、突起部の３７の外面および脚部５６の内外面に
は係止爪３８，５８が設けられている。

【００３６】この例では図１２に示したように、凸連結
具５と凹連結具３の位置が大きく横にずれたとしても、
突起部３７と脚部５６の弾性変形によりその変位を吸収
するとともに、折れ曲がった脚部５６が突起部３７の膨
らみを包むようにからみつき、係止爪３８，５８が噛合
するので、パネル体を強固に連結することができる。な
お図５〜図１２で示した実施例において、係止爪の先端
が連続している場合を示したが、部分的に爪先に切り込
みを入れたり、角錐や円錐状の突起を立設させたもので
もよい。このように爪先に隙間を設けておくと、万一砂
利等が爪の間に付着していたために、係着力が低下する
ような不具合を防ぐことができる。このような隙間は、
一方の面の係止爪もしくは双方の面の係止爪に施される
場合がある。

【００３７】図１３はパネル体１の裏面側１４で、その
左右方向に埋め込まれる、パネル体１とは別材料で成形
された凹連結部材８の斜視図であり、あり溝８１が形成
されている。なおあり溝８１の底部に鍔を有する突条８
９を設けておくと、コンクリートとの付着性を高める。

【００３８】図１４は、図３で示したパネル体１を基礎
９に固定するために、基礎アンカー９１に固定されたＬ
字型取付板９２をパネル体１の凹連結部材８と結合する
ための凸結合具としての取付ありほぞ９３の拡大図であ
る。この取付ボルト９４を長くして他端にもありほぞを
設けると、対峙するパネル体１を連結することができる
のである。図１５には、固定長の連結棒８３の両端に凸
結合具８５としてのありほぞ８２を設けた一例を示す。

【００３９】そのようなありほぞ８２からなる凸結合具
８５を、凹連結部材８に嵌合するには、パネル体１の左
右の端縁から挿入しなければならず、パネル体１が組積
された後では、挿入もれがあっても追加することが困難
である。図１６で平面図を、そのＡ−Ａ線断面の矢示方
向の断面図を図１７に示したが、このありほぞ６５では
その問題点を解決する。即ちこのありほぞ６５では、１
／４角部分が中心を対称に２箇所、円錐台６６，６６と
なっており、幅の狭い辺をあり溝８１の開口縁に沿って
挿入したのち９０度回転させれば、あり溝８１内に保持
される。そしてこのありほぞ６５中に埋設固着されたボ
ルト６４を、連結棒に接続すれば凸結合具として、対峙
するパネル体の連結に利用できる。

【００４０】すでに図１で示した凹連結部材８は、パネ
ル体１の裏面側１４に埋め込まれているが、図１８に示
したようにあり溝８１の底面をパネル体１の裏面側１４
と同一面になるようにしても良い。この例ではパネル体
１と同一の素材で一体で構成されているが、溝部分のみ
を別の成形体を埋設してもよい。また、この例では図１
９に示したように、連結棒８３の両端の凸結合具８５と
してのありほぞ６７を左右に延長して、ビス穴６８を設
け、ビス６９で左右のパネル体１，１を連結することも
可能で、同時に対峙するパネル体を連結することができ
る。

【００４１】図２０はパネル体１の裏面側１４に凸連結
部材７３として一条のありほぞ７４を設けた例を示す斜
視図である。そのありほぞ７４には、中間にターンバッ
クル８４を介在させた連結棒７６の両端に凹結合具７７
としてのあり溝７５が嵌合されている。図２１には固定
長の連結棒７６の両端にあり溝を有する凹結合具７８を
備えた一例を示す。この例ではビス６９で凹結合具７８
を凸連結部材であるありほぞに固定できるようになって
いる。

【００４２】図２２及び図２３は、上記パネル体１を構
築するにあたり、隅部分に使用されるパネル体の一例を
斜視図を示す。図２２は入隅用パネル体１８であり、図
２３は出隅用のパネル体１９である。

【００４３】上記した各実施例では、上段のパネル体と
下段のパネル体が、凸連結具及び凹連結具のみで連結さ
れている場合を示したが、この場合、例えば上段のパネ
ル体の上端縁で、その表面側方向又は裏面側方向に応力
を受けると、パネル体の裏面側の連結境界では負の曲げ
モーメント又は正の曲げモーメントと剪断力が生じるが
その大きさによっては、連結具に負担がかかり破壊され
る可能性もある。このような現象に対処する方法を以下
に示す。

【００４４】すなわち、図２４において斜視図で、図２
５では垂直断面図で、そして図２６では側面図で示した
ように、パネル体１の裏面側１４に、隣接するパネル体
１との連結境界１０１を越えて添着材１０２を沿わせる
方法である。添着材１０２は、図２７で拡大図で示した
ように、パネル体１の裏面側に設けられた凹連結部材８
のあり溝に係合する、ボルト１０５を内部に埋設したあ
りほぞ１０４と、そのボルト１０５に螺入される蝶ナッ
ト１０３により、パネル体１の裏面側に密着される。な
お、ありほぞ１０４は、図１６および図１７で示したあ
りほぞ６５と同様に、凹連結部材８に挿入し９０゜回転
させると、その斜面１１９があり溝８１に接触できるよ
うになっている。

【００４５】従ってパネル体１の裏面側の連結境界で正
のモーメントを受けるとき、すなわちパネル体の表面側
の連結境界が開く方向に引っ張り応力を受けるとき、上
段のパネル体が受けた応力を下段のパネル体に伝達し
て、連結具が引っ張られて生じる伸びを拘束することが
できる。また逆に裏面側の連結境界で負のモーメントを
受けるときも有効である。しかしさらに効果的な方法を
図２８に示す。

【００４６】この場合の添着材１０６の下端に設けた爪
１０７は、下段のパネル体１裏面の凹連結部材１０８の
あり溝を構成する成形品１０９に設けた爪１１０に係着
するようになっている。従ってこの添着材１０６は上下
段のパネル体１の連結材を兼ねるとともに、パネル体の
裏面側の連結境界で正又は負の曲げモーメントを受けた
とき、添着材１０６の下端が下又は上に移動するのを拘
束することができ、パネル体１が受ける曲げ応力に耐え
ることができる。

【００４７】さらに大きな曲げ負のモーメントに対応す
る方法として、例えば図２９〜図３１に示す方法があ
る。この場合の添着材１１２は、上段のパネル体の凹連
結部材８のあり溝８１に、ありほぞ１０４及び蝶ナット
１０３で固定されて、パネル体１の裏面側に密着してい
るが、さらに添着材１１２の下方には、断面が山状に盛
り上がった部分があり、その下端に向かって厚さが厚く
なる面に、階段状に爪１２０が設けられている。一方下
段のパネル体１の凹連結部材８のあり溝８１に挿入され
たありほぞ１１４と蝶ナット１１３により、下側の幅が
狭まった上下面開放の弾性体からなる箱体１１６がパネ
ル体１に固定されている。

【００４８】添着材１１２の下方が箱体１１６に嵌入さ
れると、添着材１１２の爪１２０が箱体１１６の下側の
端縁面１１７に係着する。したがって、上下のパネル体
１，１の連結境界１０１に大きな負のモーメントを受け
ても、添着材１１２が連結境界を挟んでの上下パネル体
１，１の裏面に密着しており、かつ爪１２０と箱体１１
６とが係合しているから対応することができるのであ
る。なおこの爪１２０についても、前述したように爪先
に隙間を設けることができる。

【００４９】なお、添着材１１２の上下方向中間に段部
１２１を設け、添着材１１２が箱体１１６に嵌入された
とき、その段部１２１が箱体１１６の上側の端縁面１１
８に接触するようにしておくと、特に正のモーメントを
受けたときに添着材１１２が下方に移動するのを拘束す
ることができる。

【００５０】図３２はさらに別の実施例を示す斜視図で
ある。この例では前述の実施例と同様に、添着材１３０
はありほぞ１０４と蝶ナットとにより、図示していない
凹連結部材のあり溝に締着されて、上段のパネル体の裏
面側に固着できるようになっている。添着材１３０の下
方は、二股に分かれて外方に拡げられて脚部１３１，１
３１を形成し、その脚端にはさらに外側に突出した突起
爪１３２が設けられている。

【００５１】また下段のパネル体１には、受け板１４０
の幅の約半分が埋め込まれており、受け板１４０の露出
部分には、添着材１３０の厚さより少し大きめの幅で、
両突起爪１３２，１３２突端間より短い長さの角穴であ
り、その穴の長さ方向の一辺がパネル体１裏側面と一致
する受け口１４１が設けられている。添着材１４０の下
端を受け口１４１に押し入れると、その脚部１３１が弾
性により一旦狭められ、突起爪１３２が受け口１４１を
通過する、再び弾性により拡げられる。

【００５２】この状態で添着材１３０の上部を上段のパ
ネル体１に固着すると、添着材１３０は上下のパネル体
の裏面側に密着するとともに、上下のパネル体は二重に
連結されることになり、大きな正負の曲げモーメントに
対応することができる。なお、受け板１４０としてはＨ
形の他に山形、溝形、Ｚ形、Ｔ形、Ｉ形、平板状等各種
の形状のものが用いられる。なお、受け板１４０に直接
又は溶接したプレート１４２に設けた丸穴１４３，１４
４は、それぞれ左右のパネル体と連結するための凹連接
具、対峙するパネル間を連結棒を介して連結する凹結合
具として利用することができる。

【００５３】また受け口１４１の代わりに、図３０の実
施例と同様な、図３３に示した箱体１５０を用い、その
箱体１５０の下側の端縁面１５１で添着材１３０の突起
１３２を受け止めても良い。上記実施例において、添着
材１０２，１０６，１１２，１３０や箱体１１６をパネ
ル体の裏面に設けた凹連結部材を用いてパネル体に固着
しているが、パネル体に埋設したボルト等により直接パ
ネル体に固着することができる。また、対峙するパネル
体間隔が広く内部で作業ができる場合、パネル体の高さ
が低く、上段のパネルの上端縁から連結境界を越えて下
段のパネル体の裏面まで手が伸ばせて締結作業が行える
場合は、添着材１０２の上下をそれぞれ上段、下段のパ
ネル体の裏面に埋め込まれたボルト等を用いて直接的
に、又は連結部材を介して結合具のボルト等を用いて間
接的に、強固に固定することができる。なお、上記した
曲げ応力に対する各種補強対策は、パネル体の厚さが厚
いときは、上下のパネル体を連結する連結具を、パネル
体の端縁面に複数個並列に設けても同様の効果が得られ
る。

【００５４】以上図１〜図３３を参考して説明した実施
例により、本発明の技術的思想を開示したが、本発明は
この開示された技術に限定するものでなく、該技術的思
想の範囲内において応用できる。その例を図３４〜図３
９を参考して説明する。

【００５５】即ち、連結具においては、図５〜図１２に
示したパネル体の上下端縁面間を連結する凸連結具４，
５と凹連結具２，３との組合せを、図２９〜図３３で説
明した添着材１１２，１３０と箱体１１６，１５０や受
け口１４１のように、パネル体の裏面側に設置すること
も含まれるものである。

【００５６】図２９〜図３１に示した例では、添着材、
箱体、受け口、凸連結具、凹連結具の両方があり溝を介
して左右に移動するが、これに限定するものでなく、い
ずれか一方がパネル体にボルト等で固着され、他方の連
結具があり溝を介して左右に移動できるようにすること
も可能である。

【００５７】前記図５〜図１２に示した例では、パネル
体の上下端面に設けた凸連結具４，５と凹連結具２，３
が上下方向に連結され、対抗するパネル体間にコンクリ
ートが打設された場合、上下左右にパネル体の移動を拘
束するとき、図９に示した連結具３，５を図３４に示し
た連結具３，５のように変更することができる。すなわ
ち箱体３１の内側面、突起部３２の外面、及び逆Ｙ字型
の一方の脚部５２の内外面には、階段状の水平な多条の
係止爪３５，５５が、他方の脚部５２ａの内外面には、
鉛直方向の多条の係止爪３５ａ，５５ａが設けられてい
る。従って図１〜図３１でもって説明した各実施例にお
ける係止爪は、必要に応じて、鉛直にしたり、水平方向
の係止爪と組合わせて使用できる。

【００５８】前記図１〜図２４に示したパネル体の連結
具は、１ヶ所又は２ヶ所以上でもよい。その一例を図３
５にパネル体の連結方法として、斜視図で示す。第１例
として、パネル体１の両方又は片側の側面端にありほぞ
の凸連接具７を固設し、その下端に凸連結具４を設け
る。他方のパネル体１の側面端にはあり溝の凹連接具６
を固設する。さらにパネル体の中央上端面に凹連結具２
を設ける。隣接するパネル体との接合は、凸連接具７と
凸連結具４は凹連結具６の溝に嵌入され、凸連結具４は
凹連結具２に弾性作用により連結される。この場合、パ
ネル体の連結が上下左右になされるが、組積方法は千鳥
配置に限定される。

【００５９】第２例として、凹連接具６の上端に凹連結
具２を設けると、パネル体１はいも目地の組積ができ
る。従って、凹凸連結具を１個所以上組合せて利用する
ことにより、いろいろな目地模様の組積が可能となる。

【００６０】前記図１〜図２４により説明した実施例で
は、パネル体の裏面に凹連結部材又はありほぞを１ヶ所
又は２ヶ所以上水平方向に設ける例を示したが、これに
限定するものでなく、凹連結部材及びありほぞを鉛直方
法に１ヶ所又は２ヶ所以上設けることも出来、その上下
端に箱体１１６と添着材１１２を、又必要により連結棒
を設ける。さらにパネル体の上方に水平方向の凹連結部
材を、下方向に鉛直方向のありほぞを設けることも可能
で、各部材を１ヶ所又は２ヶ所以上、水平、鉛直方向を
組合せることが出来る。なお、凹連結具は長尺で、パネ
ル体の全横巾にわたるものであってもよい。なお、取付
ボルト又はフック等を直接パネル体に固着させ、現場に
て連結棒を螺接又は係止させてもよい。

【００６１】図３６に示した例では、片側は化粧された
パネル体１で構築し、見栄えをそれほど必要としない他
側のパネル体を型枠１６５で構築した例である。型枠１
６５は、型枠の外側に添えられた丸パイプ１６６で支え
られている。そして丸パイプ１６６はめがね座金１６７
を介して連結棒８３と結合されているから、パネル体１
と枠体１６５との間にコンクリーが打設されるとき、両
者の間隔を正確に保つ。そしてコンクリート工事終了
後、型枠１６５は取り除かれる。

【００６２】図３７はさらに別の実施例を示すパネル体
１７０の斜視図である。この例のパネル体１７０は、上
下の受け板１７１とその受け板１７１を連結するフレー
ム１７２とから構成された枠体に、金属製や合成樹脂製
の網体１７３を取り付けたものである。受け板１７１は
金属や合成樹脂から作られた断面略コの字型のチャンネ
ルレール状であり、その上部の受け板１７１の上面、す
なわちパネル体としての端縁面に、並んで開口した２つ
の穴からなる凹連結具１７４が形成されており、また下
部の受け板１７１の下面で、前記凹連結具１７４に対応
する位置に、凹連結具１７４に嵌入されたときに互いに
噛合する、変形可能な係止爪を有する凸連結具１７５が
ボルト１７９で固着されている。なお凹連結具１７４の
２つの穴と凸連結具１７５との接触面に、互いに係合す
る凹凸を設けていてもよい。受け板１７１の一方の端部
に挿入された角柱体が、凸連接具１７７を、他方の端部
が凹連接具を形成しており、角柱体は蝶ナット１７８で
左右の受け板１７１間に固定されている。また対峙する
パネル体とは連結棒８３で連結される。尚網体と受け板
は打ち抜きで一体に作成できる。

【００６３】以上の実施例において、パネル体１を矩形
状として説明してきたが、この発明で利用できるパネル
体の形状は長方形のみならず、また一種類の形状に限ら
れるものではない。図３８に示したように矩形状のパネ
ル体１に、十字型のパネル体１６１、変形十字型のパネ
ル体１６２、凸字形のパネル体１６３等の形状も可能
で、さらに該パネル体を組み合わせて連結することがで
きる。図３４に示した例では、横方向の連結境界が連続
しないので、前記した曲げ応力に対する抵抗性が向上す
るほか、模様を形成することができる。

【００６４】さらに本発明のパネル体１は、平面的な板
状体に限るものではなく、図３９に示したような円筒を
縦に切断した形状のものでもよく、出隅や入隅用に使用
したり、組み合わせてタンクの外壁などの構築に利用す
ることも可能である。

【００６５】本発明の技術的な思想の範囲は下記の内容
も含まれる。第１に、図８で示した実施例において、突
起部３２中央に設けられた谷状の空隙部３４は、脚部５
２の弾性力によっては設けなくてもよい。第２に、図２
８〜図３３で示した実施例において、現場の状況によっ
ては、凹連結具と凸連結具を設けないで、パネル体の裏
面のみに添着材単独で、パネル体の連結に使用できる。
第３に、図３１でもって説明した実施例において、箱体
１１６の弾性力によって、切り込み１１６ａを１ヶ所又
は２ヶ所以上設けてもよい。第４に、図３２の添着材１
３０と図３７の凸連結具１７５の形状を、図１０に示し
た凸連結具５のように変更することもできる。また、同
図１０に示した、凸連結具５の脚部５６のくの字の下先
端部において、必要に応じて、係止爪５８を設けずにそ
の上方に係止爪を設けるようにしてもよい。さらに、図
３２に示した受け口１４１に、上記添着材１３０と凸連
結具１７５のくの字の上方の係止爪との接触面に、刃を
設けておくと連結が強固となる。

【００６６】この発明において、パネル体はコンクリー
トのプレキャスト品であり、特に対峙するパネル体間に
さらにコンクリートを打設する場合は、可能な限りパネ
ルの厚さを薄くすることが有利であるから、内部に鉄
筋、強化繊維等の補強材を埋設することが好ましい。化
粧層としては単なるモルタル仕上げのほか、大理石や花
崗岩などの石張りやテラゾー仕上げを採用することがで
きる。

【００６７】また連結具、連接具、結合具および連結部
材として別途成形品を使用する場合の材料としては、各
種合成樹脂、各種の金属材料が使用できるが、特に連結
具の材料としては、構築物に要求される引っ張り強度、
予想される連結具間の位置ずれ量等を考慮して合成樹脂
材料から最適な材料が選択される。なお実施例ではパネ
ル体の上端縁面に凹連結具を、下端縁面に凸連結具を備
えた場合を示したが、上下逆の場合でも良い。

【００６８】この発明において、実施例や図面に示した
各部材は、一例を示したものであり、同様の機能を果た
す公知の他の部材で置き換えることは可能である。たと
えば連接具、結合具及び連結部材にあり溝、ありほぞを
利用する例を説明しているが、あり溝をＣ型チャンネル
に、ありほぞを断面Ｔ字型材に置換してもよく、さらに
Ｌ型の形材の他方をパネル体の裏面に埋め込んで、壁と
Ｌ型材とで形成されるＣ型の係着部としても発明を支障
なく実施することができる。

【００６９】

【発明の効果】この発明は、上記した如く構成されてい
るから、つぎのような効果を奏する。すなわち、対応す
る連結具、連接具、結合具及び連結部材を互いに嵌合す
ることにより、上下、左右及び対峙するパネル体と、工
具や補助材料を使用することなく、熟練工でなくても簡
単迅速に互いに連結することができるほか、高い精度で
正確に組積することができる。

【００７０】凹連結具に凸連結具を嵌入するとき、それ
ら接合面に設けた係止爪が互いに段階的に噛合するよう
にすると、凹連結具や凸連結具の埋め込み深さや、位置
ずれに誤差があっても、上下のパネル体の端縁面が接触
した時に確実に両者が連結され、両者間にゆるみは生じ
ない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のパネル体を一例を示す斜視図である。

【図２】図１のパネル体を組積した状態を示す斜視図で
ある。

【図３】図１のパネル体を組積した状態を示す垂直断面
図である。

【図４】図１の組積されたパネル体の裏面側の側面図で
ある。

【図５】凸連結具の一例を示す斜視図である。

【図６】凹連結具の一例を示す斜視図である。

【図７】図６の凹連結具に図５の凸連結具が嵌入された
状態を示す断面図である。

【図８】別の連結具の例で、凹連結具に凸連結具が嵌入
された状態を示す断面図である。

【図９】別の連結具の例で、凹連結具に凸連結具が嵌入
された状態を示す断面図である。

【図１０】さらに別の例における凸連結具の断面図であ
る。

【図１１】凹連結具の断面図である。

【図１２】図１０の凸連結具と図１１の凹連結具が結合
された状態を示す断面図である。

【図１３】パネル体の裏面側に埋め込まれた凹連結部材
の斜視図である。

【図１４】凸結合具としてのありほぞの一例を示す斜視
図である。

【図１５】凸結合具と連結棒の一例を示す斜視図であ
る。

【図１６】ありほぞの別の例を示す平面図である。

【図１７】図１６のＡ−Ａ線断面図である。

【図１８】あり溝の底面をパネル体の裏面側と同一面と
した凹連結部材の斜視図である。

【図１９】別の例の凸結合具と連結棒の斜視図である。

【図２０】パネル体の裏面側に設けた凸連結部材の一例
を示す斜視図である。

【図２１】連結棒の両端に備えた凹結合具の一例を示す
斜視図である。

【図２２】入隅用パネル体の一例を示す斜視図である。

【図２３】出隅用パネル体の一例を示す斜視図である。

【図２４】隣接するパネル体との連結境界を越えてパネ
ル体の裏面に添着材を沿わせた状態を示す斜視図であ
る。

【図２５】図２４に示した構築されたパネル体の垂直断
面図である。

【図２６】図２４に示した構築されたパネル体の裏面の
側面図である。

【図２７】添着材及びパネル体に固定するための部品を
示す斜視図である。

【図２８】別の例のパネル体の裏面に添着材を沿わせた
状態を示す断面図である。

【図２９】別の例のパネル体の裏面に添着材を固着する
ための部品を示す斜視図である。

【図３０】図２９の部品と併せてパネル体の裏面に添着
材を固着するための部品を示す斜視図である。

【図３１】図２９及び３０の部品を用いて、パネル体の
裏面に添着材を固着した状態を示す斜視図である。

【図３２】別の例のパネル体の裏面に添着材を固着する
ための部品を示す斜視図である。

【図３３】さらに別の例のパネル体の裏面に添着材を固
着するための部品を示す斜視図である。

【図３４】別の連結具の例で凹連結具に凸連結具が嵌入
された状態を示す断面図である。

【図３５】別の例のパネル体の裏面を示す斜視図であ
る。

【図３６】別の例の異なるパネル体の組合せを示す斜視
図である。

【図３７】別の例のパネル体を示す斜視図である。

【図３８】矩形状のパネル体と変形した形状のしたパネ
ル体を組み合わせて構築した例を示す側面図である。

【図３９】別の例のパネル体を示す斜視図である。

【符号の説明】

１，１７０ パネル体 ２，３ 凹連結具 ４，５ 凸連結具 ６，７，１７７ 連接材 ８ 凹連結部材 １１ 上下の端縁面 １３ 表面側 １４ 裏面側 ２１，３１，３６ 箱体 ２２，３２，３７ 突起部 ２５，３５，３８，４５，５５，５８ 係止爪 ４１，５１ 基部 ４２，５２，５６ 脚部 ６５，６７，７４，８２，９３ ありほぞ ７３ 凸連結部材 ７５，８１ あり溝 ７６，８３ 連結棒 ７７，７８ 凹結合具 ８５ 凸結合具 １０１ 連結境界 １０２，１０６，１１２，１３０，１４０ 添着材

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パネル体の上下の端縁面に、上段又は下
   段のパネル体と連結するための、互いに噛合する形状の
   凸連結具又は凹連結具を備えたことを特徴とする構築用
   パネル体。
2. 【請求項２】 凸連結具は、パネル体内部に埋設された
   基部と、パネル体から突出する二股に分岐した脚部とか
   らなる略逆Ｙ字型であり、一方凹連結具がパネル体内部
   に埋設された上方開放の箱体であり、その箱底には凸連
   結具の分岐した脚部の股内面形状に対応する形状の突起
   部が設けられており、かつ凹連結具に凸連結具を嵌入す
   るとき、互いに噛合する階段状の多条の係止爪が、凸連
   結具の脚部の内面又は外面の少なくとも一方の面、及び
   凹連結具の突起部の外面又は箱体の内面の少なくとも一
   方の面に設けられている請求項１記載の構築用パネル
   体。
3. 【請求項３】 パネル体の裏面側に、対峙するパネル体
   間を連結棒を介して結合するための、凸連結部材又は凹
   連結部材を備えたことを特徴とする請求項１又は２記載
   の構築用パネル体。
4. 【請求項４】 パネル体に備えた凹連結部材があり溝で
   あり、連結棒の端部に備えた凸結合具がありほぞである
   か、或いは凸連結部材がありほぞであり、連結棒の端部
   に備えた凹結合具があり溝である請求項３記載の構築用
   パネル体。
5. 【請求項５】 パネル体の左右の端縁に、左側又は右側
   のパネル体と連結するための連接具を備えたことを特徴
   とする請求項１〜４のいずれか１項記載の構築用パネル
   体。
6. 【請求項６】 パネル体の表面側に化粧層が形成されて
   いる請求項１〜５のいずれか１項記載の構築用パネル
   体。
7. 【請求項７】 パネル体の上下の端縁面に設けた、互い
   に噛合する形状の凸連結具又は凹連結具により、上段又
   は下段のパネル体と連結することを特徴とする構築用パ
   ネル体の連結方法。
8. 【請求項８】 パネル体の裏面側に設けた、凸連結部材
   又は凹連結部材により、対峙するパネル体間を連結棒を
   介して連結することを特徴とする請求項７記載の構築用
   パネル体の連結方法。
9. 【請求項９】 パネル体の左右の端縁に設けた連接具に
   より、左側又は右側のパネル体と連結することを特徴と
   する請求項７又は８記載の構築用パネル体の連結方法。
10. 【請求項１０】 パネル体の裏面側に、隣接するパネル
    体との連結境界を越えて添着材を沿わせることを特徴と
    する請求項７〜９のいずれか１項記載の構築用パネル体
    の連結方法。