JPH09271731A - 被対象物質除去方法 - Google Patents

被対象物質除去方法

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JPH09271731A
JPH09271731A JP8110619A JP11061996A JPH09271731A JP H09271731 A JPH09271731 A JP H09271731A JP 8110619 A JP8110619 A JP 8110619A JP 11061996 A JP11061996 A JP 11061996A JP H09271731 A JPH09271731 A JP H09271731A
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titanium oxide
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substance
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Makoto Hayakawa
信 早川
Makoto Chikuni
真 千國
Eiichi Kojima
栄一 小島
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被対象物質が光触媒作用により変化して付着
した反応生成物を効果的に除去しうる被対象物質除去方
法を提供する。 【解決手段】 本発明の被対象物質除去方法は、光触媒
作用を発揮する物質を含む表面層を有する部材の表面
に、該光触媒の励起波長よりも短い波長の光の照射下に
おいて、被対象物質を接近させ、該被対象物質を光触媒
作用により化学変化させて生成物としてこれを該表面上
に捕捉し、該生成物を水で洗浄して除去する被対象物質
除去方法である。上記部材表面を、水との接触角5°未
満の親水性とすることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、悪臭、有害物質、
有機物付着汚れ、微生物等の被対象物質を、光触媒作用
により化学変化させて捕捉し、これを水洗除去する方法
に関する。特には、水洗による化学変化生成物の除去性
に優れ、被対象物質を長期にわたって有効に除去しうる
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平6−315614には、光触媒作
用を有する酸化チタンを用いて大気汚染物質(窒素酸化
物、イオウ酸化物、ハイドロカーボン類等)を除去する
方法が提案されている。その方法は、大気汚染物質をま
ず酸化チタンの光触媒(光酸化)作用により反応生成物
(硝酸、硫酸、カーボン等)に変換して酸化チタン上に
付着させて捕捉し、次いで付着した生成物を降水により
洗浄して、酸化チタンの光触媒機能を維持・回復するこ
とを要旨とする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、酸化チタンか
らなる層の表面と水との接触角は20°程度のため、付
着した反応生成物の性質によっては、降水による洗浄作
用程度では充分に除去されない。このため、酸化チタン
表面に付着物が堆積し光触媒機能が低下することによ
り、長期の使用に耐えないという問題点があった。そこ
で、本発明は、付着物の性質に依らず、付着した反応生
成物を効果的に除去しうる被対象物質除去方法を提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】第一に、本発明者は、部
材表面に付着する物質の性質と、該部材表面の水との接
触角との間に図1に示す関係があることを見出した。図
1の横軸は、部材表面と水との接触角を示し、縦軸は、
水洗→乾燥の繰り返し後における部材表面の付着汚れの
程度を示す。親水性の汚れについては、接触角が0°近
辺と80°以上が汚れが少ない。両性物質汚れについて
は、接触角20°以下と140°以上が汚れが少ない。
疎水性の汚れについては、接触角60°以下と180°
近辺が汚れが少ない。図1より、結局全ての性質の付着
物をきれいに水洗しうる表面を得るには、水との接触角
が5°未満(後述実施例6参照)の超親水性表面にする
か、同角が180°に近い超撥水性表面にする必要があ
ることが分る。すなわち、水との接触角を5°未満の超
親水性表面にすれば、付着物の性質に依らず、付着した
分解生成物を効果的に除去しうる。
【0005】第二に本発明者は、部材の表面に酸化チタ
ン等の光半導体が存在すると、該表面に励起波長以下の
フォトンが照射されることにより、伝導電子と正孔が生
成し、それによりおそらく表面の極性が生じることによ
り、表面の親水性が維持・回復されることを見出した。
したがって、酸化チタン等の光半導体が存在し、かつ発
明の実施の形態において例示するようなある条件を満足
する場合には、部材表面に上記光を照射すれば、表面を
水との接触角が5°未満の超親水性状態に維持・回復し
うる。
【0006】その理由は、現在次のように考えている。
すなわち、酸化チタンは元来親水性の表面を形成しうる
が、コンタミによりその性質が弱まりやすく、実測値と
しては20°程度の報告があるにすぎない(「日本化学
会誌」(1986)8〜11頁)。また後述する比較例
3でも15°程度に止まった。それに対し、酸化ケイ素
(シリカ)や、表面がヒドロキシ化されたシロキサン樹
脂では、元来親水性の表面であり、なおかつ酸化チタン
と比較してコンタミによる親水性質の影響を受けにくい
(但し、両者は光半導体ではないため、単独では光照射
による親水化現象は生じない)。したがってこれらのシ
リカや、ヒドロキシ化されたシロキサン樹脂を光半導体
と混合して表面層を形成すれば、表面層中に存する不純
物成分に左右されず、工業的見地よりみて確実に高度の
親水性を実現できるようになるのである。なお、酸化ス
ズを添加して高度に親水化される理由は現在明らかでは
ない。結局、上記二つの知見を活用すれば半永久的に付
着物の性質に依らず、効果的に付着した分解生成物を除
去しうる方法が得られることとなる。
【0007】すなわち、本発明の被対象物質除去方法
は、光触媒作用を発揮する物質を含む表面層を有する部
材の表面に、該光触媒の励起波長よりも短い波長の光の
照射下において、被対象物質を接近させ、該被対象物質
を光触媒作用により化学変化させて生成物としてこれを
該表面上に捕捉し、該生成物を水で洗浄して除去する被
対象物質除去方法であって; 上記部材表面を、水との
接触角5°未満の親水性とすることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
(1)部材表面と水との接触角が5°未満の超親水性表
面にする方法としては以下を挙げることができる。 部材表面に、酸化チタンと酸化スズからなる層を形
成する方法である。このような層の形成方法としては、
例えば、酸化チタンゾルと酸化スズゾルを混合し、基材
に塗布し、焼成する。 部材表面に、酸化チタンと酸化ケイ素からなる層を
形成する方法である。このような層の形成方法として
は、例えば、酸化チタンゾルとコロイダルシリカを混合
し、基材に塗布し、焼成する。
【0009】 部材表面に、酸化チタンとシリコーン
樹脂からなる混合層を形成後、励起波長以下のフォトン
を照射して混合層の少なくとも最表面に存するシリコー
ン樹脂を、ヒドロキシシロキサンに変化させる方法であ
る。このような層の形成方法としては、例えば、まず、
オルガノアルコキシシランと酸化チタンを混合し、基材
に塗布し、オルガノアルコキシシランを加水分解、脱水
縮重合させて、ポリオルガノシロキサンと酸化チタンか
らなる混合層を形成する。その後、励起波長以下のフォ
トンを照射して混合層の少なくとも最表面に存するオル
ガノ基を水酸基に置換させる。
【0010】ここで、使用できるシリコーン樹脂は、加
水分解性基を2〜4個有するシランの加水分解縮合物を
含むものである。その原料となる加水分解性シランの例
としては、 メチルトリクロルシラン メチルトリブロムシラン メチルトリメトキシシラン メチルトリエトキシシラン メチルトリイソプロポキシシラン メチルトリt−ブトキシシラン エチルトリクロルシラン エチルトリブロムシラン エチルトリメトキシシラン エチルトリエトキシシラン エチルトリイソプロポキシシラン n−プロピルトリクロルシラン n−プロピルトリブロムシラン n−プロピルトリメトキシシラン n−プロピルトリエトキシシラン n−プロピルトリイソプロポキシシラン n−ヘキシルトリクロルシラン n−ヘキシルトリブロムシラン n−ヘキシルトリメトキシシラン n−ヘキシルトリエトキシシラン n−デシルトリメトキシシラン n−デシルトリエトキシシラン n−オクタデシルトリメトキシシラン n−オクタデシルトリエトキシシラン フェニルトリクロルシラン フェニルトリブロムシラン フェニルトリメトキシシラン フェニルトリエトキシシラン テトラクロルシラン テトラブロムシラン テトラメトキシシラン テトラエトキシシラン テトラブトキシシラン ジメトキシジエトキシシラン ジメトキシジエトキシシラン ジメチルジクロルシラン ジメチルジブロムシラン ジメチルジメトキシシラン ジメチルジエトキシシラン ジフェニルジクロルシラン ジフェニルジブロムシラン ジフェニルジメトキシシラン ジフェニルジエトキシシラン フェニルメチルジクロルシラン フェニルメチルジブロムシラン フェニルメチルジメトキシシラン フェニルメチルジエトキシシラン トリクロルヒドロシラン トリブロムヒドロシラン トリメトキシヒドロシラン トリエトキシヒドロシラン γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキ
シシラン γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシ
ラン γ−アミノプロピルトリメトキシシラン γ−アミノプロピルトリエトキシシラン γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン ビニルトリクロルシシラン ビニルトリブロムシラン ビニルトリメトキシシラン ビニルトリエトキシシラン トリフルオロプロピルトリクロルシラン トリフルオロプロピルトリブロムシシラン トリフルオロプロピルトリメトキシシラン トリフルオロプロピルトリエトキシシラン およびこれらの部分加水分解物などが挙げられる。原料
の入手のしやすさ、扱いやすさから考えてジアルコキシ
シラン、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシラ
ンを用いるのが好ましい。
【0011】(2)上記親水性を維持しつつ、光触媒
(光酸化)反応をより強める方法としては以下を挙げる
ことができる。白金、パラジウム、ルテニウム、金、銀
を部材表面層に添加し、固定する方法である。これらの
添加によって上記の効果がある理由は、光酸化反応を促
進するには、電子と正孔の再結合を防止しつつ、正孔と
水酸イオンとの反応により生成する水酸ラジカル等の活
性酸素を生成させる必要がある(これら活性酸素が酸化
反応に直接寄与するため)が、上記金属は電子を有効に
捕捉し再結合を生じさせない働きをするのである。これ
らの働きをする金属には他に銅、鉄、ニッケル、コバル
トがあるが、これら金属はおそらく(ガス等の)吸着性
が大きすぎるため親水性を悪化させるものと思われる。
【0012】本発明における光触媒作用を有する部材の
基材としては、タイル、レンガ、ガラス、プラスチッ
ク、紙、金属、フィルム、コーティング層を有する建材
(積層鋼板、塩ビ鋼板、ホーロー鋼板、アルマイト処理
アルミニウム、クロメート処理金属等)、コンクリー
ト、ALC、陶磁器、石、石膏、FRC、GRC、木
材、モルタル、石綿、けい酸カルシウム板、化粧無機建
材(軽量気泡コンクリート板や石綿セメントけい酸カル
シウム板などの無機基材の表層にアクリル、ウレタン、
ポリエステルなどの樹脂塗料で塗装したもの)、サッ
シ、カーテンウォール等様々なものを限定なく使用でき
る。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。以下の実
施例1〜5に係る試料及び比較例1〜4に係る試料を準
備した。実施例1 酸化チタンゾル(石原産業製STS11)と酸化スズゾ
ル(多木化学製、平均結晶子径3.5nm)を溶質重量比
85:15で混合した。この混合したものを15cm角の
施釉タイル(東陶機器製AB02E11)に固形分重量
で30mg塗布し、800℃で10分焼成した。その後、
塩化パラジウム水溶液を塗布し、紫外線照射(条件0.
5mW/cm2で1分)でパラジウムを試料表面に光還元固定
した。
【0014】実施例2 酸化チタンゾル(石原産業製STS11)とシリカゾル
(日産化学製、スノーテックス20)を溶質重量比8
0:20で混合した。この混合したものを15cm角の施
釉タイル(東陶機器製AB02E11)に固形分重量で
30mg塗布し、800℃で10分焼成した。その後、ヘ
キサクロロ白金酸(IV)六水和物水溶液を塗布し、紫外
線照射(条件0.5mW/cm2で1分)で白金を試料表面に
光還元固定した。
【0015】実施例3 テトラエトキシシランと酸化チタンゾル(日産化学製T
A15)を、溶質重量比50:50で混合し、さらにヘ
キサクロロ白金酸(IV)六水和物水溶液を、酸化チタン
固形分に対する白金の量が2mol%となるように添加し
た。この液状物をソーダライムガラスに塗布し、150
℃で10分焼成した。
【0016】実施例4 アルミニウム表面をアルマイト処理(陽極酸化後、アク
リル電着塗装)した基材上に、メチルトリメトキシシラ
ンを塗布し、150℃で焼成して膜厚5μm のベースコ
ート層を形成した。次に、メチルトリメトキシシランと
酸化チタンゾル(日産化学製TA15)を溶質重量比5
0:50で混合し、さらにヘキサクロロ白金酸(IV)六
水和物水溶液を、酸化チタン固形分に対する白金の量が
2mol%となるように添加した液状物を上記ベースコート
層上に塗布し、150℃で10分焼成した。
【0017】実施例5 アルミニウム表面をクロメート処理(クロムメッキによ
る化成処理後、塗装を施さない状態のもの)した基材上
に、メチルトリメトキシシランを塗布し、150℃で焼
成して膜厚5μm のベースコート層を形成した。次に、
メチルトリメトキシシランと酸化チタンゾル(日産化学
製TA15)を溶質重量比50:50で混合し、さらに
ヘキサクロロ白金酸(IV)六水和物水溶液を、酸化チタ
ン固形分に対する白金の量が2mol%となるように添加し
た液状物を上記ベースコート層上に塗布し、150℃で
10分焼成した。
【0018】比較例1 施釉タイル(東陶機器製AB02E11)。比較例2 アルミニウム表面をクロメート処理(クロムメッキによ
る化成処理後、フッ素樹脂をコーティング)したもの。
【0019】比較例3 施釉タイル(東陶機器製AB02E11)に、酸化チタ
ンゾル(石原産業製STS11)を固形分重量で30mg
塗布し、800℃で10分焼成した。その後、塩化パラ
ジウム水溶液を塗布し、紫外線照射(条件0.5mW/cm2
で1分)でパラジウムを試料表面に光還元固定したもの
を準備した。
【0020】比較例4 アルミニウム表面をアルマイト処理(陽極酸化後、アク
リル電着塗装)した基材上に、メチルトリメトキシシラ
ンを塗布し、150℃で焼成して膜厚5μm のベースコ
ート層を形成した。次にテトラフルオロエチレンと酸化
チタンゾル(日産化学製TA15)を溶質重量比50:
50で混合し、さらにヘキサクロロ白金酸(IV)六水和
物水溶液を、酸化チタン固形分に対する白金の量が2mo
l%となるように添加した液状物を上記ベースコート層上
に塗布し、150℃で10分焼成した。
【0021】これらの試料に対して以下の項目を測定し
た。 水との接触角:接触角測定器(協和界面科学社製)によ
り水を約5μm 滴下後、30秒後に測定した。 水との接触角の維持性:1週間0.6mW/cm2のBLBラ
ンプ(紫外線照度は太陽光並)を照射し続けた後の水と
の接触角を測定した。
【0022】気体分解率(S系ガス):メチルメルカプ
タンを11リットル容器に3ppm 入れ、0.6mW/cm2
BLBランプを30分照射後の分解率を測定した。○は
70%以上、△は30〜70%、×は30%未満を示
す。 気体分解率(N系ガス):NO、NO2 混合ガス(N
O:NO2 =9:1)を11リットル容器に3ppm 入
れ、S系ガスの場合と同様に測定、評価した。
【0023】疎水物質除去性:燃焼生成物の除去性を測
定した。具体的には、疎水性カーボンブラックを試料面
に噴射させ、水洗し、放置するサイクルを繰返したとき
の試料面の汚れ具合を観察した。○は汚れが目立たない
ことを示し、×は汚れが目立つことを示す。
【0024】親水物質除去性:無機質汚れの除去性を測
定した。具体的には、イエローオーカー含有物を分散し
た懸濁液を45°に傾斜させた試料面に流し、乾燥し、
水洗し、乾燥するサイクルを繰返したときの試料面の汚
れ具合を観察した。○は汚れが目立たないことを示し、
×は汚れが目立つことを示す。
【0025】測定結果をまとめて表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】表1から分るように、各実施例とも、水と
の接触角は0°できわめて高い親水性を示した。さら
に、この親水性は1週間の紫外線照射後も高いまま維持
された。一方、各比較例は、水との接触角が5°以上で
あった。
【0028】気体(メチルメルカプタン)及びNO、N
2 混合ガスの分解率については、実施例及び酸化チタ
ンを含む比較例3、4はいずれも良好であった。しか
し、光触媒物質を含まない比較例1、2は、当然のこと
ながら分解率が低かった。
【0029】疎水物質除去性は、各実施例及び比較的親
水性の比較例1及び3は良好であった。しかし、比較的
疎水性の比較例2及び4は不良であった。親水物質除去
性は、各実施例及び比較的疎水性の比較例2及び4は良
好であった。しかし、比較的親水性の比較例1及び3は
不良であった。
【0030】「水と接触角5°未満」が本発明の被対象
物質除去方法の条件であるが、この根拠となる実験例
(実施例6)を以下に説明する。実施例6 アナターゼ型チタニアゾル(STS−11)とコロイダ
ルシリカゾル(スノーテックス20)との混合物(固形
分におけるシリカの割合が10重量%)を固形分換算で
4.5mgだけ15cm四角の施釉タイル(AB02E0
1)に塗布し、880℃の温度で10分焼成した。その
後、銅濃度50μmol/g の酢酸銅1水塩の水溶液を0.
3gスプレーコーティング法により塗布した後乾燥さ
せ、BLB蛍光灯により0.4mW/cm2の紫外線照度で紫
外線を10分間照射して酢酸銅1水塩を光還元析出させ
ることにより試料を得た。
【0031】この試料の水との接触角は4.0°であっ
た。次に、この試料について以下に示す汚泥試験(親水
性汚れ試験)を行った。まず、イエローオーカー64.
3重量%、焼成関東ローム粘土21.4重量%、疎水性
カーボンブラック4.8重量%、シリカ粉4.8重量
%、親水性カーボンブラック4.7重量%を1.05g
/リットルの濃度で水に懸濁させたスラリーを調整し
た。つぎに、45度に傾斜させた試料及び施釉タイル
(AB02E01)(比較例)に上記スラリー150ml
を流下させて15分間乾燥させ、次いで蒸留水150ml
を流下させて15分間乾燥させ、このサイクルを25回
反復した。試験前後の色差変化と光沢度変化を調べた。
光沢度の測定は日本工業規格(JIS)Z8741の規
定に従って行い、光沢度変化は試験後の光沢度を試験前
の光沢度で割ることにより求めた。
【0032】汚泥試験の結果は、本実施例の試料は色差
変化2.0、光沢度変化81.5%と、良好であった。
一方、比較例の施釉タイルについては、水との接触角1
9.4°、色差変化4.6、光沢度変化68.3%と不
良であった。したがって、水との接触角5°未満で、親
水性汚れを効果的に除去できる超親水性表面が得られる
との結論を得た。
【0033】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、水洗による化学変化生成物の除去性に優れ、被対象
物質を長期にわたって有効に除去しうる被対象物質除去
方法を提供することができる。したがって、大気汚染物
質の除去等、住環境の改善に資することきわめて大であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】部材表面付着物質の性質と、部材表面の水との
接触角との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 35/02 B01D 53/36 ZABJ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光触媒作用を発揮する物質を含む表面層
    を有する部材の表面に、該光触媒の励起波長よりも短い
    波長の光の照射下において、被対象物質を接近させ、該
    被対象物質を光触媒作用により化学変化させて生成物と
    してこれを該表面上に捕捉し、該生成物を水で洗浄して
    除去する被対象物質除去方法であって;上記部材表面
    を、水との接触角5°未満の親水性とすることを特徴と
    する被対象物質除去方法。
  2. 【請求項2】 上記部材表面を、水との接触角ほぼ0°
    の親水性とする請求項1記載の被対象物質除去方法。
  3. 【請求項3】 上記部材最表面が、酸化チタンと酸化ス
    ズを主成分とする物質からなる請求項1又は2記載の被
    対象物質除去方法。
  4. 【請求項4】 上記部材最表面が、酸化チタンと酸化ケ
    イ素を主成分とする物質からなる請求項1又は2記載の
    被対象物質除去方法。
  5. 【請求項5】 上記部材の表面層が、酸化チタンとシリ
    コーン樹脂を主成分とする物質からなり、かつその最表
    面は酸化チタンとポリヒドロキシシロキサンを主成分と
    する物質からなる請求項1又は2記載の被対象物質除去
    方法。
  6. 【請求項6】 上記部材の表面層を形成する物質に、白
    金、パラジウム、ルテニウム、金及び銀の内の少なくと
    も1種が添加されている請求項1〜5いずれか1項記載
    の被対象物質除去方法。
  7. 【請求項7】 上記被対象物質が大気汚染物質である請
    求項1〜6いずれか1項記載の被対象物質除去方法。
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