JPH09267436A - ポリオレフィン被覆鋼材 - Google Patents

ポリオレフィン被覆鋼材

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JPH09267436A
JPH09267436A JP860597A JP860597A JPH09267436A JP H09267436 A JPH09267436 A JP H09267436A JP 860597 A JP860597 A JP 860597A JP 860597 A JP860597 A JP 860597A JP H09267436 A JPH09267436 A JP H09267436A
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JP
Japan
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coated steel
heterocyclic amine
modified
polyolefin
epoxy resin
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JP860597A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Harada
泰宏 原田
Keiji Sugawara
啓司 菅原
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は80℃越の温水、耐塩水中での
長期間使用でも耐温水性、耐陰極剥離性、耐ヒートショ
ック性の優れたポリオレフィン被覆鋼材を提供する。 【解決手段】 鋼管1の表面にクロメート処理剤を塗布
して、焼付けてクロメート処理層4を形成する。その表
面に、(イ)のエポキシ樹脂と(ロ)の変性複素環状アミン
を混合させたプライマーを塗布し、加熱硬化させてプラ
イマー層7を形成する。変性複素環状アミンは複素環状
アミンとフェニルグリシジルエーテルを所定の割合で付
加反応させたものである。ついて、プライマー層7を形
成した表面に、丸ダイ8により変性ポリエチレン樹脂9
とポリエチレン樹脂10を2層として押出し、被覆した
後冷却し、ポリエチレン樹脂被覆鋼管1cを得る。(イ)
ビスフェノールA系又はF系のエポキシ樹脂の単独、混
合物からなるもの、(ロ)複素環状アミンにフェニルグリ
シジルエーテルを反応付加させたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリオレフィン被覆
鋼材に関し、更に詳しくは、耐温水性、耐高温陰極剥離
性、耐ヒートショック性等に優れたポリオレフィン被覆
鋼材に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン被覆鋼材は、長期の防食
性が優れていることから、鋼管、鋼管杭、鋼矢板等に利
用されている。
【0003】近年、海底、極寒冷地、熱帯での使用を前
提とした原油、重質油、天然ガスを輸送するパイプライ
ンにも、ポリオレフィン被覆鋼管が使われるようになっ
てきている。
【0004】そのために、ポリオレフィン被覆鋼材は幅
広い温度範囲環境下や高温接水環境下での性能向上が重
要な課題となってきた。これらの環境下で使用されるポ
リオレフィン被覆鋼材に要求される性能は、特に長期間
による耐温水性、耐ヒートショック性の向上が挙げられ
る。
【0005】また、電気防食を併用する環境では、過防
食電流が原因で陰極剥離が生じるため、この耐陰極剥離
性の向上も要求されている。
【0006】従来から、上記性能を向上させるために、
鋼材と変性ポリオレフィン樹脂接着層の間にクロメート
処理を施す方法(特開昭54−120681号公報、特
開平1−280545号公報)(先行技術1)や、エポキ
シプライマーを介在させる方法(特開昭56−1432
23号公報、特開昭59−222275号公報)(先行
技術2)、クロメート処理後にエポキシプライマーを施
す方法(特開昭60−245544号公報)(先行技術
3)等が行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技
術1や先行技術2に示す方法は、60℃を越える高温接
水環境下での長期間使用では、ポリオレフィン被覆鋼材
の樹脂−鋼材間の密着力を保持することが困難で、その
場合の密着力の低下が問題である。
【0008】また、先行技術3のように、クロメート処
理とエポキシプライマー処理を併用する場合には、60
℃までの接水環境下では、耐温水性、耐陰極剥離性は良
好であるが、80℃を越える耐温水性を必要とする高温
接水環境下での長期間使用では、接着強度の低下が著し
く、防食性能を維持することが困難である。
【0009】そのために、80℃を越える温水、耐塩水
中での長期間使用でも耐温水性、耐陰極剥離性、耐ヒー
トショック性の優れたポリオレフィン被覆鋼材の開発が
望まれている。
【0010】本発明は上記のような問題点の解決を図っ
たものであり、80℃を越える温水、耐塩水中での長期
間使用でも耐温水性、耐陰極剥離性、耐ヒートショック
性の優れたポリオレフィン被覆鋼材を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、鋼材の表面に
クロメート処理層、プライマー層、変性ポリオレフィン
接着層及びポリオレフィン樹脂層を順次積層させるポリ
オレフィン被覆鋼材であって、前記プライマー層が次の
(イ)、(ロ)および(ハ)の組成物からなることを特徴とす
るポリオレフィン被覆鋼材に関するものである。
【0012】(イ) ビスフェノールA系エポキシ樹脂、
ビスフェノールF系エポキシ樹脂の単独または混合物か
らなるエポキシ樹脂、(ロ) 複素環状アミンにフェニル
グリシジルエーテルを反応付加させた変性複素環状アミ
ン、(ハ) 無機顔料 本発明はまた、上記のプライマー層がさらに、(ニ) 消
泡性レベリング剤を含有していることを特徴とするポリ
オレフィン被覆鋼材、に関するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。
【0014】本発明に用いる鋼材は、炭素鋼やMo、
V、Nb、Cr等を含んだ合金鋼等による鋼管、形鋼、
鋼板、棒鋼、及び鋼製の成形品や構造物等で、屋外、地
中、地上、海底で広く用いられているものをさす。
【0015】本発明における被覆層は、鋼材の表面に、
クロメート処理層、上記(イ)、(ロ)および(ハ)を含み、
さらに(ニ)を含みまたは含まない組成物を必須とするエ
ポキシプライマー層、変性ポリオレフィン樹脂層、ポリ
オレフィン樹脂層を順次積層させたものである。
【0016】本発明のエポキシプライマー層の形成に用
いるエポキシプライマーとは、(イ)成分であるエポキシ
樹脂100重量部と(ロ)成分である複素環状アミン系硬
化物を(イ)のエポキシ当量と(ロ)の活性水素当量との比
が0.7〜1.2になるように混合した混合物である。
【0017】(イ)成分であるエポキシ樹脂とは、エポキ
シ当量156〜280のビスフェノールA系エポキシ樹
脂或いはビスフェノールF系エポキシ樹脂のいずれか一
方または両者の混合物からなるエポキシ樹脂である。
【0018】ビスフェノールA系エポキシ樹脂とは下記
の化学式(1)に示す分子構造を有し、エポキシ当量が
170〜280の範囲のものが使用できるが取扱い、作
業性を考慮するとエポキシ当量184〜194の範囲の
ものが望ましい。市販品としては、油化シェルエポキシ
(株)製のエピコート828が該当する。
【0019】
【化1】
【0020】ビスフェノールF系エポキシ樹脂は下記の
化学式(2)に示す分子構造を有し、エポキシ当量が15
6〜280の範囲のものが使用できるが取扱い、作業性
を考慮するとエポキシ当量は160〜175のものが望
ましい。市販品としては、油化シェルエポキシ(株)製の
エピコート807等が該当する。
【0021】
【化2】
【0022】プライマー層を形成する組成物の(イ)のエ
ポキシ樹脂は、対称性の高いビスフェノール骨格を持
ち、しかも剛直な構造を持つため、安定した高温特性
(耐温水性)を有する。また、骨格中にエーテル結合を
有するため、適度の可撓性を有する。さらにエポキシ基
が反応した結果、水酸基が生成することから、接着力が
上がる。
【0023】変性複素環状アミノは下記の化学式(3)に
示す分子構造を有する複素環状アミンに下記の化学式
(4)に示す分子構造を有するフェニルグリシジルエーテ
ルを反応した硬化剤である。反応によりエポキシ基とア
ミノ基が反応して下記の結合で両者が結合される。
【0024】
【化3】
【0025】
【化4】
【0026】
【化5】
【0027】(3)式の複素環状アミン1モルに対して、
(4)式のフェニルグリシジルエーテルを0.3〜0.7
モル程度、好ましくは0.4〜0.6モル程度の比率で
反応付加アミン価280〜330(mgKOH/g)程
度の変性複素環状アミンを得る。反応の際、触媒や溶媒
は通常不要である。
【0028】変性複素環状アミン配合量は(イ)のエポキ
シ樹脂100重量部に対して38〜66重量部程度、好
ましくは44〜61重量部程度が適当である。エポキシ
樹脂中のエポキシ基のモル数(a)と変性複素環状アミン
の活性水素のモル数の比(b/a)は0.8〜1.1が
好ましい。
【0029】無機顔料としては酸化チタン、シリカ、タ
ルク、白雲母、酸化クロム、リン酸亜鉛などがあげられ
る。疎水性のある酸化チタン、シリカ、タルクなどの無
機顔料をプライマーの成分に入れることで、高温接水環
境下でのプライマー層の水の浸透や、冷熱サイクル時の
ヒートショックなどが緩和される。
【0030】また、無機顔料には、無機顔料にエポキシ
樹脂との混和性を良くするために、シランカップリング
処理等の化学処理を施してもよい。シランカップリング
処理剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ−エトキ
シシラン)、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、β−3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシランなどがあげられ
る。
【0031】上記無機顔料は、耐熱水性、耐ヒートショ
ック性、耐陰極剥離性の点から、(イ)のエポキシ樹脂と
(ロ)の硬化剤の和100重量部当たり、1〜40重量
%、好ましくは10〜35重量%添加することが望まし
い。40重量%を超えて添加すると上記性能が低下して
しまう。
【0032】消泡性レベリング剤とはポリアクリル酸、
アクリル酸共重合物、アラルキル変性メチルアルキルポ
リシロキサン等を主成分とし、比重(20℃)が0.9
5〜1.04、屈折率が1.44〜1.48の添加剤で
ある。好ましい消泡性レベリング剤として、アラルキル
変性メチルアルキルポリシロキサン或いは、ポリアクリ
レートを主成分とするものがある。該当する市販品には
ビックケミー社製、BYK−354,356,361,
322がある。消泡性レベリング剤をプライマー成分と
して添加することで、クロメート処理を施した鋼管表面
へのプライマー塗布の際に、プライマー層の造膜が容易
で、かつ均一な膜厚を持った層を形成することができ
る。
【0033】消泡性レベリング剤は(イ)のエポキシ樹脂
と(ロ)の硬化剤の和100重量部当たり0.05〜1.
5重量%、好ましくは0.1〜1.0重量%添加するこ
とが望ましい。
【0034】次に、クロメート処理層の形成に用いるク
ロメート処理剤は、通常のものを用いることができる
が、高分子有機質の還元剤で全クロムに対する6価のク
ロムの重量比が0.35〜0.65の範囲になるよう部
分還元したクロム酸水溶液にシリカ微粉末を添加したシ
リカ系クロメート処理剤を用いることが好ましい。
【0035】ポリオレフィン樹脂層に用いるポリオレフ
ィン樹脂は、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、
ポリプロピレン等の従来公知のポリオレフィン樹脂であ
る。ポリオレフィン樹脂層の厚みは1.0mm〜5.0
mm程度、特に1.5mm〜3.5mm程度が適当であ
る。
【0036】また、変性ポリオレフィン接着層の樹脂は
上記のポリオレフィン樹脂をマレイン酸、アクリル酸、
メタクリル酸等の不飽和カルボン酸またはその酸無水物
で変性したもの、あるいはその変性物をポリオレフィン
樹脂で適宜希釈したもの等の従来公知の変性ポリオレフ
ィン樹脂である。変性ポリオレフィン接着層の厚みは
0.1mm〜2.0mm程度、特に0.5mm〜1.0
mm程度が適当である。
【0037】次に、本発明のポリオレフィン被覆鋼材の
製造方法について、代表としてポリエチレン被覆鋼管の
場合について説明する。
【0038】ポリエチレン被覆鋼管は図1に示すような
製造工程で得ることができる。図1において、錆等を除
去した鋼管1の表面にクロメート処理剤塗布装置2によ
りクロメート処理剤を塗布して、加熱装置(クロメート
用)3によって焼付け、クロメート処理層4を形成す
る。12はクロメート処理剤供給容器である。
【0039】上記においてクロメート処理剤塗布装置2
の出口にしごき治具19を設けてクロメート処理層4の
表面を均一にしている。
【0040】ついで、クロメート処理層4を形成した鋼
管1aの表面に、プライマー塗布装置5によりプライマ
ーを塗布し、加熱装置(プライマー用)6により加熱硬
化させてプライマー層7を形成する。13はプライマー
供給容器であり、(イ)の組成物のエポキシ樹脂供給容器
14と(ロ)の組成物である変性複素環状アミン供給容器
15から所定の割合で供給されたエポキシ樹脂と変性複
素環状アミンは混合容器16で混合されてプライマー供
給容器13に供給される。
【0041】上記において、変性複素環状アミンは複素
環状アミン供給容器20からの複素環状アミンとフェニ
ルグリシジルエーテル供給容器21からのフェニルグリ
シジルエーテルとを反応容器22に供給し、付加反応さ
せて生成され、供給容器15に供給される。
【0042】上記においてプライマー塗布装置5の出口
にしごき治具19を設けてプライマー層7の表面を均一
にしている。
【0043】ついで、プライマー層7を形成した鋼管1
bの表面に、丸ダイ8により変性ポリエチレン樹脂9と
ポリエチレン樹脂10を2層として押出し、被覆した
後、冷却装置11により冷却し、ポリエチレン樹脂被覆
鋼管1cを得る。
【0044】17はポリエチレン樹脂供給容器であり、
18は変性ポリエチレン樹脂供給容器である。
【0045】上記において、丸ダイ8に代わりTダイを
用いることもできる。
【0046】また、変性ポリエチレン樹脂9とポリエチ
レン樹脂10をそれぞれ単層として押出し、被覆するこ
ともできる。
【0047】上記の製造方法の場合、鋼管1の表面にク
ロメート処理剤を塗布し、焼付けてから後、鋼管1aが
丸ダイ8に達するまでの間に鋼管1aの表面にプライマ
ー層7が形成され、充分硬化していればよく、上記エポ
キシプライマーの塗布方法は上記したスプレー塗布装置
5によるスプレー塗布の他に、ロール塗布、しごき塗り
等従来公知の方法の中から適宜選択して用いることがで
きる。
【0048】また、加熱装置3、後加熱装置6による鋼
管、1a、1bの加熱方法は高周波誘導加熱、遠赤外線
加熱、ガス加熱等従来の公知の方法の中から適宜選択し
て用いることができる。
【0049】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0050】実施例における試験法は下記の通りであ
る。
【0051】(1) 温水浸漬試験 試験温度:95℃、浸漬時間:2500時間サンプルを
浸漬した後、密着力を測定する(測定温度:室温、剥離
角度:90度、剥離速度:10mm/分で被覆を剥離す
るときのピール強度を測定)。
【0052】(2) 高温陰極剥離試験 試験温度:80℃、電解液:3%食塩水、電圧:−1.
5V(Cu/CuSO4、標準電極)、初期ホリデー
径:直径9mm、試験日数30日、試験終了後の塗膜剥
離面積を測定。
【0053】(3) 熱サイクル試験 耐ヒートショック性を調べる。
【0054】試験条件:−45℃(8時間保持)→45
℃(8時間保持)の空気中でのサイクルを15サイクル
行ない、端部剥離の有無を調べる。
【0055】ポリエチレン被覆鋼管の製造は、先ず鋼管
(SGP 80A)を、予めショットブラストしてクロメ
ート処理剤を塗布し焼付けた。このクロメート処理層上
に、後述する表1に示す主剤、硬化剤、無機顔料そして
添加剤から成るプライマーを40〜50ミクロン厚に塗
布し、130℃に加熱硬化させて、プライマー層を形成
させた。
【0056】その後、プライマー層上に、無水マレイン
酸変性ポリエチレン樹脂層、ポリエチレン樹脂層の順に
丸型ダイを使用して二層同時に溶融押出し、被覆層を形
成させた。この際の変性ポリエチレン接着層、ポリエチ
レン樹脂層の厚みはそれぞれ0.5mm、3.0mmで
あった。
【0057】表1は、前述のエポキシプライマーの生成
に用いたエポキシ樹脂(主剤)、硬化剤、顔料そして添
加剤およびそれらの配合割合を示す。また、表2に比較
例の配合割合を表2に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】実施例では、エポキシ樹脂(主剤)としてエ
ピコート828、エピコート807の2種類を使用し、
硬化剤として変性複素環状アミン(P002)を使用し
た。
【0061】さらに、無機顔料として、酸化チタン、タ
ルク、シリカを、消泡性レベリング剤としポリアクリレ
ート系(BYK356)、アクリルコポリマー系(BY
K361)、アラルキル変性メチルアルキルポリシロキ
サン(BYK322)を使用した。
【0062】主剤(重量a)と、硬化剤(重量b)との
混合比(b/a)は0.7、1.0、1.1の3水準とし
た。無機顔料の添加量は主剤と硬化剤の和100重量部
対して20重量%を、消泡性レベリング剤は添加量は主
剤と硬化剤の和100重量部対して0.5重量%を入れ
た。
【0063】比較例では、エポキシ樹脂(主剤)として
エピコート828の1種類、硬化剤をB002、または
P002を使用した。
【0064】ここで、B002は、特開昭56−143
223号公報に開示されているように、下記の分子構造
を有する複素環状アミン2モルに対してブチルグリシジ
ルエーテル1モルを反応させた変性複素環状アミンであ
る。P002は化学式4の分子構造を有する複素環状ア
ミン2モルに対してフェニルグリシジルエーテル1モル
を反応させた変性複素環状アミンである。
【0065】また配合割合=主剤/硬化剤とは、(1)の
エポキシ樹脂(主剤)100重量部に対して、(2)の混合
物(硬化剤)の重量を比で表したものである。また、b
/aは(1)のエポキシ樹脂(主剤)中のエポキシ基のモ
ル数(a)と(2)の混合物(硬化剤)の活性水素のモル数
(b)の比を示したものである。
【0066】製造されたポリエチレン被覆鋼管から、所
定の大きさの試験片を採取して、温水浸漬試験、陰極剥
離試験、熱サイクル試験を行った。表3に試験結果を示
す。
【0067】
【表3】
【0068】実施例1〜72では、温水浸漬試験による
ピール強度は10kg/cmを越え、高温陰極剥離試験
による塗膜剥離面積は8cm2以下が得られ、熱サイク
ル試験による端部剥離は認められなかった。従って、8
0℃を越える耐温水性、耐陰極剥離性、耐ヒートショッ
ク性の何れも良好で、防食性能に優れたポリエチレン被
覆鋼管であると評価できた。
【0069】比較例1は、ピール強度が1kg/cmで
あり、塗膜剥離面積値は8cm2を越え又、熱サイクル
試験での端部剥離もみられた。従って、80℃を越える
耐温水性、耐陰極剥離性、そして耐ヒートショック性は
良好と判定できず、防食性能に優れたポリエチレン被覆
鋼管は得られない。
【0070】比較例2では、ピール強度は3kg/cm
で80℃を越える耐温水性は良好であるが、塗膜剥離面
積は8cm2を越え、熱サイクル試験による端部剥離も
認められ、耐陰極剥離性、耐ヒートショック性は良好と
判定できず、防食性能に優れたポリエチレン被覆鋼管は
得られない。
【0071】
【発明の効果】以上のように、本発明は下地に特定のプ
ライマー層を形成させたことによって、従来のポリオレ
フィン被覆鋼材に比べ、長期間の過酷な使用条件に耐え
ることの出来る耐温水性、耐高温陰極剥離性、耐ヒート
ショック性が共に優れたポリオレフィン被覆鋼材を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のポリエチレン被覆鋼材の製造工程の
実施の形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 鋼管 1a クロメート処理層を形成させた鋼管 1b プライマー層を形成させた鋼管 1c ポリエチレン被覆鋼管 2 クロメート処理剤塗布装置 3 加熱装置(クロメート用) 4 クロメート処理層 5 プライマー塗布装置 6 加熱装置(プライマー用) 7 プライマー層 8 丸ダイ 9 変性ポリエチレン樹脂 10 ポリエチレン樹脂 11 冷却装置 12 クロメート処理剤供給容器 13 プライマー供給容器 14 エポキシ樹脂供給容器 15 変性複素環状アミン供給容器 16 エポキシ樹脂と変性複素環状アミンの混合容器 17 ポリエチレン樹脂供給容器 18 変性ポリエチレン樹脂供給容器 19 しごき治具 20 複素環状アミン供給容器 21 フェニルグリシジルエーテル供給容器 22 反応容器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼材の表面にクロメート処理層、プライ
    マー層、変性ポリオレフィン接着層及びポリオレフィン
    樹脂層を順次積層させるポリオレフィン被覆鋼材であっ
    て、前記プライマー層が次の(イ)、(ロ)および(ハ)の組
    成物からなることを特徴とするポリオレフィン被覆鋼
    材。 (イ) ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノー
    ルF系エポキシ樹脂の単独または混合物からなるエポキ
    シ樹脂、 (ロ) 複素環状アミンにフェニルグリシジルエーテルを
    反応付加させた変性複素環状アミン、 (ハ) 無機顔料
  2. 【請求項2】 前記プライマー層がさらに、 (ニ) 消泡性レベリング剤を含有していることを特徴と
    する請求項1記載のポリオレフィン被覆鋼材。
JP860597A 1996-01-29 1997-01-21 ポリオレフィン被覆鋼材 Pending JPH09267436A (ja)

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