JPH09260153A - ガス絶縁変圧器 - Google Patents

ガス絶縁変圧器

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JPH09260153A
JPH09260153A JP6615896A JP6615896A JPH09260153A JP H09260153 A JPH09260153 A JP H09260153A JP 6615896 A JP6615896 A JP 6615896A JP 6615896 A JP6615896 A JP 6615896A JP H09260153 A JPH09260153 A JP H09260153A
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JP
Japan
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gas
iron core
insulated transformer
side leg
core
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Application number
JP6615896A
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English (en)
Inventor
Masahiro Hanai
正広 花井
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置全体を大型化することなく、制作コスト
が安く、かつ、鉄心の絶縁耐力を向上させることにより
信頼性の高いガス絶縁変圧器を提供する。 【解決手段】 主脚鉄心3aの周囲に、主脚鉄心3aの
高さ分の幅を有するPETフィルム12を巻き付ける。
このPETフィルム12が、主脚鉄心3aの角部分に密
着してガス区分を形成する。このため、主脚鉄心3aの
外側の空間11のうちガスが通過する部分を、必要十分
な大きさとすることができる。すなわち、主脚鉄心3a
の冷却に必要なガスのみ通過させることができ、冷却に
寄与しないガスの流れを防止することが可能となり、送
ガス器を大型化する必要がなくなる。また、このPET
フィルム12の外側に、静電シールド10を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄心と巻線とを収
納したドライタイプのガス絶縁変圧器に係り、特に珪素
等の薄鋼板を重ねて構成した鉄心を有するガス絶縁変圧
器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、防災上の理由から、油絶縁変圧器
に代わる変圧器として、不燃性絶縁ガスを絶縁媒体とし
たガス絶縁変圧器が注目されている。ガス絶縁変圧器の
巻線にはいろいろな構成があるが、その1つに絶縁ガス
で冷却と絶縁の両方を行わせるドライタイプのものがあ
る。このドライタイプのガス絶縁変圧器は、液体の冷却
媒体と組み合わせて構成するセミプールタイプやスプレ
ータイプ、ならびに冷却と絶縁とを別々に行うセパレー
トタイプのガス絶縁変圧器に比べ、高価な液体の冷却媒
体を使用しないため構成が簡単になる。また、安価で信
頼性の高い変圧器を制作することができ、高電圧大容量
の変圧器にも適用することができる。
【0003】このドライタイプのガス冷却式ガス絶縁変
圧器は、従来の油絶縁変圧器とほぼ同じ構成であって、
銅製のワイヤに高分子フィルムを重ねて巻いた素線を用
いたものであり、冷却および絶縁用媒体を絶縁油から絶
縁ガスに変えたものである。
【0004】図10は、従来のガス絶縁変圧器の構成を
示す図である。同図において、絶縁ガス1が充填された
タンク2内には、鉄心3の周囲に巻線4が複数層配置さ
れてなるコイルが収納され、変圧器全体が構成されてい
る。上記鉄心3には、ガス流5が通過するためのガス道
6が複数個設けられている。ここで、図中7はガス仕切
板であり、ガス流5が巻線4へ供給されるように取り付
けられている。更に、このタンク2の外部には、冷却器
8と送ガス器9とが配置され、ガス配管を介してタンク
2内と連通して、ガス循環系が構成されている。
【0005】このような図10に示すガス循環系におい
ては、以下のようにしてガス絶縁変圧器の冷却が行われ
る。すなわち、冷却器8によって冷却された絶縁ガス
を、送ガス器9によってタンク2内に供給する。タンク
2内において、絶縁ガスをガス流5として巻線4及びガ
ス道5に供給し、巻線4及び鉄心3を冷しながら通過さ
せる。その後、ガス流5を冷却器8に戻し、冷却器8に
よって再び冷却する。このように、冷却サイクルを繰り
返すことにより、ガス絶縁変圧器の連続的な冷却を行
う。
【0006】また、従来のガス絶縁変圧器の鉄心3は、
油絶縁変圧器と同様に、厚さの薄い珪素鋼板やアモルフ
ァス磁性体を重ねて構成されている。この鉄心3もま
た、渦電流等によって発熱するため、冷却する必要があ
る。そのため、鉄心3は、図11に示すような構成とし
ている。すなわち、磁性体を何枚か重ねて集合体とし、
所定の厚さ毎に隙間をあけてガス道6としている。そし
て、このガス道6に絶縁ガスを流して、鉄心3を冷却す
るようになっている。
【0007】また、鉄心3の周囲には、鉄心3のエッジ
部分に電解が加わらないように、磁束を吸収する静電シ
ールド10が設けられている。この静電シールド10
は、導電性物質を塗布した絶縁板を円筒状に加工して構
成されている。そして、鉄心3に供給される絶縁ガス
は、この静電シールド10の内部に流し込まれるように
なっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の構成においては、図11に示すように、鉄心
3と静電シールド10とが密着しないために、これらの
間に空間11ができていた。そのため、鉄心3に供給さ
れる絶縁ガスの大部分が、ガス道6を流れずにこの空間
11を流れていた。これにより、絶縁ガスは、鉄心3の
冷却にあまり寄与することなく、流れ去っていた。ま
た、上記空間11に流れこむガスを流し出すため、ガス
流路の全長が長くなり、ガス流の圧力損失が大きくな
る。そのため、上述したガス循環系において、鉄心3を
十分に冷却可能な大量のガスを循環させるためには、こ
の圧力損失に対応できるような容量の大きい送ガス器が
必要であった。しかも、容量の大きい送風器は、容量の
増加と共に大型化・高価各化する。従って、大きな容量
を持つ送風器を用いることにより、ガス絶縁変圧器全体
が大型化・高価格化してしまうという問題があった。
【0009】本発明は、上記のような従来技術の問題点
を解決するために提案されたものであり、その目的は、
制作コストが安く、信頼性の高いガス絶縁変圧器を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明によ
るガス絶縁変圧器は、絶縁ガスを充填したタンク内部
に、巻線と薄鋼板を成層してなる鉄心とを収納したガス
絶縁変圧器において、前記鉄心の周囲に絶縁性のフィル
ムを巻き付けたことを特徴としている。
【0011】請求項1記載の発明によれば、以下のよう
な作用が得られる。すなわち、従来、鉄心を構成する薄
鋼板のエッジ部分に電界が加わらないように、その周囲
に、導電性物質を塗布した絶縁板からなる静電シールド
が設けられていた。そのため、上記鉄心を冷却する際、
冷却用のガスが鉄心と静電シールドとの間を無駄に流れ
てしまい、鉄心の冷却に寄与しないガスが大量に流れ去
っていた。本発明では、鉄心の周囲に絶縁性のフィルム
を巻き付けることにより、鉄心のエッジ部分に密着して
ガス区分を生成することができ、ガスの流れる通り道を
必要十分の大きさとすることができる。そのため、鉄心
を冷却するためのガスを最小限に抑制することができ、
ガスを供給するための送ガス器を無駄に大きくする必要
がなくなる。
【0012】請求項2記載の発明によるガス絶縁変圧器
は、絶縁ガスを充填したタンク内部に、巻線と薄鋼板を
成層してなる鉄心とを収納したガス絶縁変圧器におい
て、前記鉄心の周囲に導電性のフィルムを巻き付けたこ
とを特徴としている。
【0013】請求項2記載の発明によれば、以下のよう
な作用が得られる。すなわち、鉄心の周囲に導電性のフ
ィルムを巻き付けることにより、上記請求項1記載の発
明と同様に、ガスの通り道を必要十分の大きさとするこ
とができる。また、導電性のフィルムにより、鉄心を構
成する薄鋼板のエッジ部分が静電遮蔽されるため、上述
したような静電シールドを取り付ける必要がない。その
ため、部品点数を減らすことにより、ガス絶縁変圧器の
制作コストを逓減することができる。
【0014】請求項3記載の発明によるガス絶縁変圧器
は、請求項1または2記載の発明において、前記フィル
ムの上から、押さえ板により前記鉄心を固定することを
特徴としている。
【0015】請求項3記載の発明によれば、鉄心を構成
する薄鋼板を固定するために、押さえ板を用いる場合に
おいても、上述したような効果が得られる。
【0016】請求項4記載の発明によるガス絶縁変圧器
は、絶縁ガスを充填したタンク内部に、主脚と側脚とか
ら構成され、薄鋼板を成層してなる鉄心と、前記主脚に
巻回される巻線とを収納し、前記鉄心を金属製の押さえ
板により固定したガス絶縁変圧器において、前記鉄心の
側脚を、その側面のうち、前記主脚に巻回された巻線に
対向する面を平面に構成し、前記側脚を固定する押さえ
板を、当該側脚の前面及び後面をそれぞれ覆うように配
置し、前記側脚の前面及び後面に対向する面を平面とす
ると共に、端部に曲率を持たせた構成とすることを特徴
としている。
【0017】請求項4記載の発明によれば、鉄心の側脚
を構成する薄鋼板を固定するための押さえ板を、静電シ
ールドとしても用いることにより、電界が集中する鉄心
の端部部分の電界を緩和させることができる。これによ
り、鉄心の絶縁特性を向上させることができる。
【0018】請求項5記載の発明によるガス絶縁変圧器
は、前記鉄心の側脚と当該側脚を固定する前記押さえ板
との間に、絶縁物を介挿したことを特徴としている。
【0019】請求項5記載の発明によれば、鉄心から漏
れた磁束により金属製の当て板が加熱するのを防止する
ことができる。また、絶縁物の誘導率がガスに比べて高
いため、鉄心の端部に集中する等電位面をガス側に追い
出すことができ、電界緩和の効果を向上させることがで
きる。
【0020】請求項6記載の発明によるガス絶縁変圧器
は、請求項4または5記載の発明において、前記鉄心の
側脚の周囲に絶縁性のフィルムを巻き付けたことを特徴
としている。
【0021】請求項6記載の発明によれば、絶縁性フィ
ルムの厚さ分だけ、鉄心を構成する薄鋼板のエッジ部分
に発生する電界を緩和する効果が大となる。
【0022】請求項7記載の発明によるガス絶縁変圧器
は、絶縁ガスを充填したタンク内部に、主脚と側脚とか
ら構成され、薄鋼板を成層してなる鉄心と、前記主脚に
巻回される巻線とを収納し、前記鉄心を押さえ板により
固定したガス絶縁変圧器において、前記鉄心の側脚を、
その側面のうち、前記主脚に巻回された巻線に対向する
面を平面に構成し、前記側脚を固定する押さえ板を、高
誘電率の絶縁物質とし、当該側脚の前面及び後面をそれ
ぞれ覆うように配置して、前記側脚の前面及び後面に対
向する面を平面とすると共に、端部に曲率を持たせた構
成とすることを特徴としている。
【0023】請求項7記載の発明によれば、高誘電率の
押さえ板により、鉄心の端部に集中する等電位面をガス
側に追い出すことができ、鉄心の端部の電界を緩和する
ことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態を図面を参照して説明する。なお、上述した従来技術
で説明した部材と同一の部材については、同一符号を付
してその説明は省略する。
【0025】A.第1の実施の形態 図1は、第1の実施の形態によるガス絶縁変圧器におけ
る鉄心の構成を示す断面図である。同図において、3a
は主脚鉄心であり、この主脚鉄心3aの周囲には、高分
子絶縁フィルムであるポリエチレンテレフタレート(P
ET)フィルム12が巻付けられている。このPETフ
ィルム12は、主脚鉄心3aの高さ分の幅を有し、主脚
鉄心3aに少なくとも1周巻付けられている。また、こ
のPETフィルム12の周りに、静電シールド10が配
置されている。
【0026】そして、図1に示すように、巻付けられた
PETフィルム12が主脚鉄心3aの角部分に密着して
ガス区分を形成する。このため、主脚鉄心3aの外側の
空間11のうちガスが通過する部分を、従来のように余
分な大きさとすることなく、必要十分な大きさとするこ
とができる。すなわち、主脚鉄心3aの冷却に必要なガ
スのみ通過させることができ、冷却に寄与しないガスの
流れを防止することができる。
【0027】また、PETフィルム12は、主脚鉄心3
aの高さ分の幅を有するものではなく、より幅の狭いも
のでもよい。すなわち、図2に示すように、その一部が
重なって隙間が生じないように、PETフィルム12を
巻き付けていくようにしてもよい。
【0028】上記図2に示すようなPETフィルム12
は、以下のような場合に用いることができる。すなわ
ち、図3に示すように、重ねた珪素鋼板からなる主脚鉄
心3aを固定するために、バインダ13を使用する場合
がある。このような場合、バインダ13を取り付ける箇
所に予めPETフィルム12を巻き付けておく。そし
て、バインダ13をそのPETフィルム12上に取り付
けた後に、その他の部分にPETフィルム12を巻き付
けていく。
【0029】なお、上記実施の形態においては、高分子
絶縁フィルムとしてPETフィルムを用いたが、これに
限らない。例えば、ポリエチレンナフタート(PEN)
フィルム、ポリフェニレンサリファイド(PPS)フィ
ルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、架橋ポリエチ
レン(PE)フィルム、もしくはポリカーボネイト(P
C)フィルム等でもよい。また、PETフィルム6等を
巻き付ける鉄心として、主脚鉄心1aの場合で説明した
が、側脚鉄心でもよい。
【0030】B.第2の実施の形態 上記第1の実施の形態では、主脚鉄心1aの周囲にPE
Tフィルム12を巻き付ける構成としたが、第2の実施
の形態においては、主脚鉄心の周囲に導電性フィルムを
巻き付ける構成としている。図4は、本実施の形態によ
るガス絶縁変圧器における導電性フィルム14の断面図
である。同図において、導電性フィルム14は、PET
フィルム12の片面にニッケル−クロム(ニクロム)1
5の金属蒸着層が蒸着されることによって構成されてい
る。
【0031】このような導電性フィルム12を、ニクロ
ム15が内側になるように主脚鉄心に少なくとも1周巻
き付ける。これにより、導電性フィルム14の電位が主
脚鉄心と同一電位となり、ニクロム15により静電遮蔽
され、鉄心を構成する磁性体のエッジ部分に電界が発生
しない。このため、絶縁物を加工した静電シールド10
(図1)を取り付けることなく、鉄心の絶縁特性を向上
させることができる。同時に、第1の実施の形態と同様
に、鉄心の冷却のためのガスの通り道を必要十分な大き
さとすることができ、冷却に寄与しないガスの流れを防
止することができる。
【0032】また、導電性フィルム14におけるPET
フィルム12の面抵抗を適当な大きさとすることによ
り、電流による漏れ磁束が鉄心の断面に鎖交した場合に
も、渦電流によって鉄心が加熱されるのを防止すること
ができる。
【0033】なお、本実施の形態では、導電性フィルム
14にPETフィルム12を用いているが、これに限ら
ず、PENフィルム、PPSフィルム、PPフィルム、
PEフィルム、もしくはPCフィルム等の絶縁フィルム
でもよい。
【0034】また、図4においては、ニクロム15はP
ETフィルム12の片側全面に取り付けた例を示した
が、PETフィルム12の片側の一部、PETフィルム
12の両面、もしくは図5に示すようにPETフィルム
12の前面に取り付けてもよい。
【0035】更に、蒸着する導電性物質はニクロムに限
らず、クロム、黄銅、チタン、銀、もしくはアルミニウ
ム等の金属でもよい。また、絶縁フィルムに金属を蒸着
させるのみでなく、フィルムの作成時にカーボン粒子を
混ぜ合わせて導電性を有するフィルムとしてもよい。
【0036】なお、本実施の形態による導電性フィルム
14の鉄心への取り付けは、上述した第1の実施の形態
の場合と同様に、鉄心に巻付けることによって行うもの
とする。また、上記導電性フィルム14の上に更に絶縁
性フィルムを巻くことにより、絶縁特性の向上を図るこ
とができる。
【0037】C.第3の実施の形態 図6は、第3の実施の形態によるガス絶縁変圧器におけ
る鉄心の構成を示す側面図である。同図において、3b
は側脚鉄心であり、その側面のうち、主脚鉄心に巻回さ
れた巻線に対向する面Pが、平面となっている。また、
側脚鉄心3bの前面及び後面それぞれに密着して、側脚
鉄心3bを構成する鋼板を固定するために、鉄等の金属
製の当て板16が配置されている。この当て板16は、
側脚鉄心3bと同一の高さであって、側脚鉄心3bの両
側面と同様に平面形状となっており、端部が曲線形状と
なっている。
【0038】このように構成することにより、側脚鉄心
3bの押さえ板としての当て板16が、静電シールドと
しても機能することとなる。すなわち、側脚鉄心3bの
前面及び後面に金属製の当て板16を配置することによ
り、側脚鉄心3bの電界が集中する部分である端部近傍
の電解を緩和することができ、側脚鉄心3bの絶縁特性
を向上させることができる。
【0039】D.第4の実施の形態 図7は、第4の実施の形態によるガス絶縁変圧器におけ
る側脚鉄心3bの構成を示す断面図である。同図に示す
ように、本実施の形態による側脚鉄心3bは、上述した
第3の実施の形態と同様に、巻線に対向する面Pが平面
となっており、前面及び後面に鉄製の当て板16が配置
されている。そして、本実施の形態では、側脚鉄心3b
と当て板16との間に絶縁物17が配置されている。
【0040】このように、本実施の形態では、上記第3
の実施の形態と同様に、側脚鉄心3bの押さえ板である
当て板16が静電シールドとしての機能を有することに
より、側脚鉄心3bの端部近傍の電界を緩和することが
できる。また、側脚鉄心3bと当て板16との間に絶縁
物17が介挿されていることにより、側脚鉄心3bと当
て板16とを離間させることができるため、側脚鉄心3
bから漏れた磁束により鉄製の当て板16が加熱される
のを防止することができる。
【0041】また、側脚鉄心3bと当て板16との間の
距離が離間しても、以下の理由から当て板16による電
界緩和効果が低下することがない。すなわち、絶縁物1
7の誘電率は、ガスの誘電率より高い。このため、等電
位面は誘電率の高い物質から低い物質へ移動するという
効果により、側脚鉄心3bと当て板16との間にそのよ
うな絶縁物17を収納することで、等電位面をガス側に
追い出すことができる。従って、側脚鉄心3bの端部の
電界を低下させ、当て板16の電界緩和の効果が低下す
るのを防止することができる。
【0042】E.第5の実施の形態 図8は、第5の実施の形態によるガス絶縁変圧器におけ
る側脚鉄心の構成を示す断面図である。同図に示すよう
に、本実施の形態による側脚鉄心3bは、上述した第3
及び第4の実施の形態と同様に、巻線に対向する面Pが
平面となっており、前面及び後面に鉄製の当て板16が
配置されている。また、側脚鉄心3bから漏れた磁束に
より当て板16が加熱されないように、側脚鉄心3bと
当て板16との間に絶縁物17が介挿されている。更
に、本実施の形態では、側脚鉄心3bの周囲に高分子絶
縁フィルムであるPETフィルム12が貼り付けされて
いる。
【0043】このように、本実施の形態では、上記第3
及び第4の実施の形態と同様に、当て板16により側脚
鉄心3bの端部近傍を電界を緩和することができると共
に、絶縁物17により当て板16の加熱を防止すること
ができる。また、PETフィルム12が配置されている
ことにより、側脚鉄心3bの絶縁特性を更に向上させる
ことができる。
【0044】F.第6の実施の形態 図9は、第6の実施の形態によるガス絶縁変圧器におけ
る側脚鉄心の構成を示す側面図である。同図において、
側脚鉄心3bは、上述した第5の実施の形態と同様に、
周囲にPETフィルム12が貼り付けられている。ま
た、本実施の形態では、側脚鉄心3bの前面及び後面に
それぞれ接して、ガラス強化エポキシ樹脂製の当て板1
8が収納されている。この当て板18は、上述した鉄製
の当て板16と同様に、側脚鉄心3bと同一の高さであ
って、側脚鉄心3bの前面及び後面と対向する面は同様
に平面形状となっており、端部は曲線状となっている。
また、当て板18の横幅は、側脚鉄心3bの横幅と同一
もしくは多少広くなっている。
【0045】上述したように、等電位面は、誘電率の高
い物質から低い物質へ移動するため、当て板18として
比誘電率の高い物質を用いる程電界緩和効果が大とな
る。そのため、本実施の形態では、ガラス強化エポキシ
樹脂製の当て板18を用いることにより、側脚鉄心3b
の端部に集中していた等電位面をガス側に追い出す。こ
のように、側脚鉄心3bの端部の電解を緩和することが
でき、側脚鉄心3bの絶縁特性を向上させることができ
る。
【0046】なお、当て板18としてガラス強化エポキ
シ樹脂より更に比誘電率が高く、機械強度も大であるチ
タン酸バリウム等の強誘電体を用いることにより、更に
電界緩和効果を向上させることができる。
【0047】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、鉄心
部分に流れるガスの量を必要十分な量とすることができ
るため、ガス送風器の容量を大きくする必要がない。そ
のため、ガス絶縁変圧器全体を大型化することなく、制
作コストを安くすることができる。また、少ない工数及
び材料で、鉄心の絶縁耐力を向上させることができ、信
頼性の高いガス絶縁変圧器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるガス絶縁変圧
器の主脚鉄心3aの構成を示す断面図
【図2】同実施の形態における主脚鉄心3aの構成例を
示す斜視図
【図3】同実施の形態における主脚鉄心3aの構成例を
示す斜視図
【図4】本発明の第2の実施の形態によるガス絶縁変圧
器の導電性フィルム14の構成を示す断面図
【図5】同実施の形態による導電性フィルム14の構成
例を示す断面図
【図6】本発明の第3の実施の形態によるガス絶縁変圧
器の側脚鉄心3bの構成を示す断面図
【図7】本発明の第4の実施の形態によるガス絶縁変圧
器の側脚鉄心3bの構成を示す断面図
【図8】本発明の第5の実施の形態によるガス絶縁変圧
器の側脚鉄心3bの構成を示す断面図
【図9】本発明の第6の実施の形態によるガス絶縁変圧
器の側脚鉄心3bの構成を示す断面図
【図10】従来のガス絶縁変圧器の構成を示す模式図
【図11】従来のガス絶縁変圧器の主脚鉄心3aの構成
を示す断面図
【符号の説明】
3…鉄心 3a…主脚鉄心 3b…側脚鉄心 6…ガス道 10…静電シールド 11…空間 12…PETフィルム 13…バインダ 14…導電性フィルム 15…ニクロム 16,18…当て板 17…絶縁物

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁ガスを充填したタンク内部に、巻線
    と薄鋼板を成層してなる鉄心とを収納したガス絶縁変圧
    器において、 前記鉄心の周囲に絶縁性のフィルムを巻き付けたことを
    特徴とするガス絶縁変圧器。
  2. 【請求項2】 絶縁ガスを充填したタンク内部に、巻線
    と薄鋼板を成層してなる鉄心とを収納したガス絶縁変圧
    器において、 前記鉄心の周囲に導電性のフィルムを巻き付けたことを
    特徴とするガス絶縁変圧器。
  3. 【請求項3】 前記フィルムの上から、押さえ板により
    前記鉄心を固定することを特徴とする請求項1または2
    記載のガス絶縁変圧器。
  4. 【請求項4】 絶縁ガスを充填したタンク内部に、主脚
    と側脚とから構成され、薄鋼板を成層してなる鉄心と、
    前記主脚に巻回される巻線とを収納し、前記鉄心を金属
    製の押さえ板により固定したガス絶縁変圧器において、 前記鉄心の側脚を、その側面のうち、前記主脚に巻回さ
    れた巻線に対向する面を平面に構成し、 前記側脚を固定する押さえ板を、当該側脚の前面及び後
    面をそれぞれ覆うように配置し、前記側脚の前面及び後
    面に対向する面を平面とすると共に、端部に曲率を持た
    せた構成とすることを特徴とするガス絶縁変圧器。
  5. 【請求項5】 前記鉄心の側脚と当該側脚を固定する前
    記押さえ板との間に、絶縁物を介挿したことを特徴とす
    る請求項4記載のガス絶縁変圧器。
  6. 【請求項6】 前記鉄心の側脚の周囲に絶縁性のフィル
    ムを巻き付けたことを特徴とする請求項4または5記載
    のガス絶縁変圧器。
  7. 【請求項7】 絶縁ガスを充填したタンク内部に、主脚
    と側脚とから構成され、薄鋼板を成層してなる鉄心と、
    前記主脚に巻回される巻線とを収納し、前記鉄心を押さ
    え板により固定したガス絶縁変圧器において、 前記鉄心の側脚を、その側面のうち、前記主脚に巻回さ
    れた巻線に対向する面を平面に構成し、 前記側脚を固定する押さえ板を、高誘電率の絶縁物質と
    し、当該側脚の前面及び後面をそれぞれ覆うように配置
    して、前記側脚の前面及び後面に対向する面を平面とす
    ると共に、端部に曲率を持たせた構成とすることを特徴
    とするガス絶縁変圧器。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102648505A (zh) * 2009-11-20 2012-08-22 三菱电机株式会社 变压器
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KR20170142274A (ko) * 2016-06-17 2017-12-28 현대일렉트릭앤에너지시스템(주) 정전쉴드 및 이를 구비하는 변압기
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