JPH09259810A - 集束イオンビーム装置の被観察物解析方法 - Google Patents

集束イオンビーム装置の被観察物解析方法

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JPH09259810A
JPH09259810A JP8066937A JP6693796A JPH09259810A JP H09259810 A JPH09259810 A JP H09259810A JP 8066937 A JP8066937 A JP 8066937A JP 6693796 A JP6693796 A JP 6693796A JP H09259810 A JPH09259810 A JP H09259810A
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ion beam
cross
processing
section
semiconductor element
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JP8066937A
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Kenji Tsuruhara
健次 鶴原
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定箇所の状況の確認が容易で、加工領域の
変化に対応できる集束イオンビーム装置の被観察物解析
方法を提供することにある。 【解決手段】 イオンビーム照射部3は、微動ステージ
2上の半導体素子1の特定箇所を一定の間隔で断面加工
および断面観察を繰り返す。すなわち、最初の断面が形
成されると、微動ステージ2は、半導体素子1を傾斜さ
せ、イオンビーム照射部3は、イオンビームにより当該
断面を走査する。制御部61は、検出器4の信号に基づ
いて断面画像データを生成し、位置データと共に記憶部
62へ格納する。その後、半導体素子1は傾斜前の位置
に戻され、次の断面加工が開始される。加工および観察
が全て終了すると、3次元データ表示処理部63は、3
次元データ記憶部62に記憶した各断面画像データと位
置データとから特定箇所を立体的に表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集束イオンビーム
装置において、半導体素子などの被観察物の特定箇所を
イオンビームにより加工および観察し、当該被観察物を
解析する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】集束イオンビーム装置は、半導体素子な
どの照射対象物にイオンビームを照射することにより、
該照射対象物のイオンビーム照射位置において、表面形
状を観察したり、スパッタエッチング法により微細加工
したり、あるいは、金属膜を形成したりできる。これに
より、集束イオンビーム装置は、半導体素子の配線修正
や特定箇所の断面観察を行うことができ、近年の半導体
素子の不良解析には、必要不可欠な装置となっている。
【0003】上記集束イオンビーム装置を用いた従来の
解析方法では、最初に、集束イオンビーム装置に設けら
れた微動ステージ上に半導体素子をセットし、周囲を真
空状態にして、イオンビームを半導体素子に走査可能な
状態にまで、集束イオンビーム装置をセットアップす
る。次に、イオンビームで半導体素子上のある領域を走
査して、半導体素子の表面より放出される2次電子や2
次イオンを検出する。さらに、検出結果に基づいて、コ
ンピュータなどを用いて画像処理を施し、該領域の表面
形状を示すSIM像をモニタ上に表示する。微動ステー
ジを移動させる毎にSIM像を表示し、解析を行う箇所
である特定箇所を表示できるように微動ステージの位置
合わせを行う。
【0004】上記集束イオンビーム装置は、半導体素子
の特定箇所に形成された断面を観察する際、イオンビー
ムを半導体素子に対して斜めから走査して、所望の断面
を観測する。それゆえ、図18に示すように、断面観測
時には、半導体素子の特定箇所71に断面を形成すると
共に、視野の妨げとなる領域をスパッタリング加工にて
取り除く必要がある。該加工領域72は、断面の深さ
と、観察する角度とによって決定される。
【0005】したがって、使用者は、例えば、キーボー
ドなどを用いて、図18の(a)に示すように上記特定
箇所71を表示したSIM像に対し、例えば、エッチン
グやデポなど、断面加工の条件設定として、上記加工領
域72、加工(エッチング)時間、およびイオンビーム
の電流値を指定する。
【0006】上記加工領域72は、観察に必要な視野を
確保するため、比較的広範囲になり、低い電流値のイオ
ンビームを用いて、該加工領域72をスパッタリング
し、大きな穴を空けるためには時間を要する。一方、イ
オンビームの電流値を上げると、イオンビームの口径や
電流値の変動や、スパッタリングの重なりによるエッチ
ングなどによって、断面が汚くなり、断面の観察に支障
をきたす。したがって、集束イオンビーム装置は、イオ
ンビームの電流値を数nAオーダーまで上げて大雑把に
加工する荒加工を行った後、イオンビームの電流値を数
pAオーダーまで下げてきれいに加工する仕上げ加工を
行って、短い所要時間できれいな断面を得ている。
【0007】荒加工は、所望の断面73を誤って削らな
いように、断面73の数μm手前で終了する。これによ
り、図18の(b)に示すように、視野確保のためのス
ペースが確保される。また、該荒加工によって形成され
た断面74は、上記エッチングなどによって、汚くなっ
ている。その後、図18(c)に示すように、仕上げ加
工を行い、上記汚い断面74をきれいにすると共に、残
余の領域を削る。これにより、特定箇所71に所望の断
面73が形成される。
【0008】断面加工が終了すると、一般的には60°
までの範囲で、半導体素子を傾斜させる。さらに、イオ
ンビームの電流値を数pAオーダーまで下げて、イオン
ビームのイオンビーム径を最小まで絞り込む。このイオ
ンビームにより、傾斜させた特定箇所71の断面73を
走査してSIM像を取得する。さらに、コンピュータな
どを用いて画像処理を施した後、図18の(d)に示す
ように、モニターなどへ段名形状を表示する。イオンビ
ーム電流値が低いため、イオンビームによる損傷を与え
ずに断面を観察することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の観察方法では、いずれも、平面的な断面像しか表示
することができないという問題がある。一般的に、断面
観察の対象となる半導体素子は、立体的な3次元構造を
持っているため、上記の一平面のみの断面で得られる情
報は限られている。また、加工を行う場所により得られ
る断面像が変化するため、一平面の観察では極めて不都
合である。
【0010】例えば、図19の(a)に示すように、特
定箇所71にダスト不良が生じている場合、断面73a
ないし73cのように、断面73を形成する場所に応じ
て、ダストの形状、位置、および、半導体素子のどの層
でダストが形成されているかなどの情報が相違する。ま
た、図19の(b)に示すように、特定箇所71に電流
リーク箇所が形成されている場合、断面73dないし7
3fを観察して得た断面画像では、不良発生状況の判断
や、不良発生箇所の特定が困難である。
【0011】さらに、観察する場所を変更するために
は、位置を指定して、新たな断面73を形成する必要が
ある。したがって、断面73dから73fの順番に断面
を形成する場合は問題がないが、断面73dないし73
fを観察した結果、特に、断面73gなど、他の断面7
3と交差する断面や各断面間など、既に削られている断
面は、観察することができない。
【0012】加えて、上記の方法では、イオンビームの
イオンビーム径や電流値の変動などの影響を受けやす
く、観察対象が微小になるに従って、所望の断面を得る
ことが困難になる。また、断面を観察する時に、半導体
素子を傾斜させ、再度加工するため元の位置に戻すと、
微動ステージのバックラッシュや加工条件の設定におい
て、正確な位置合わせが困難になる。
【0013】この問題を解決するために、例えば、特開
平4−188553号公報では、イオンビームによる加
工と表面観測とを同時に行い、半導体素子の表面に平行
な平面の画像を順次取得し、3次元画像データとして蓄
積すると共に、画像変換により任意の断面を得る方法が
開示されている。
【0014】この方法は、前述の断面観測方法と同様に
して、半導体素子の表面のSIM画像を取得する。さら
に、図20の(a)に示すように、特定箇所71を覆う
ように加工領域72aを設定し、該加工領域72aの加
工時間と、加工に使用するイオンビームのイオンビーム
径および電流値とを指定する。
【0015】続いて、集束イオンビーム装置は、上記加
工領域72aをX方向、Y方向にステップ状に一定周期
で走査する。半導体素子の物質、イオンビームの種類
(イオンビーム電流値の違い)やエネルギー、ドーズ量
などによって、スパッタリングされる量が決まるので、
図20の(b)に示すように、1回の走査によって、加
工領域72aは、略一定の深さまで堀り進められる。ま
た、走査に対応して、2次電子や2次イオンの検出信号
全てを記憶装置に記憶し、特定箇所71におけるX、Y
方向の平面画像データを取得する。したがって、走査を
繰り返すことによって、記憶装置には、内部の層の平面
画像が順次記憶されていく。
【0016】この結果、図20の(c)に示すように、
観察すべき深さまで加工が進んだ段階では、全ての層の
平面画像が記憶装置に記憶される。各平面画像におい
て、深さ方向のステップは、走査回数に比例しているの
で、図21に示すように、各走査によって得られた平面
画像を走査回数の順番に重ねることによって、X、Y、
およびZ方向の3次元の画像データとなる。
【0017】制御コンピュータは、使用者の指示に応じ
て、例えば、3次元画像データからX方向のアドレスが
同一のデータを取り出し、Y方向とZ方向とに並べて表
示する。この結果、図21の破線で示すように、Y方向
に平行な任意の断面像を得ることができる。上記の方法
によって、集束イオンビーム装置は、蓄積した平面画像
データから、任意の位置かつ任意の角度で断面像を再生
することができる。
【0018】ところが、上記の方法においても、表示さ
れる画像は、前述の断面観察方法の場合と変わらず、情
報の限られた平面的な断面像である。また、断面の位置
を指定しないと、断面像を得ることができない。したが
って、例えば、図19の(b)に示す73dないし73
fのように、機械的に断面の位置を指定した場合、これ
らの断面像から、不良が発生したことを確認し、不良箇
所や不良状況の確認に適した断面73gの位置を指定す
る必要がある。したがって、不良状況や不良箇所の特定
は、依然として困難である。
【0019】加えて、この方法では、特定箇所の加工と
観察とを同時に行っているため、イオンビームのイオン
ビーム電流値が大きくなり、観測時の精度が低下すると
いう問題が発生する。また、正常に観察するために、加
工中は、イオンビームのイオンビーム径とイオンビーム
電流値とを変更することができない。さらに、下の層を
見るためには、上の層を削除する必要がある。したがっ
て、加工領域72aの平面方向の広さを深さに応じて変
化させることができない。この結果、加工領域72a全
体を一定の深さで穴を形成することとなり、不良箇所に
関わりが無い部分も不所望に削ってしまう虞れがある。
この結果、不良箇所が半導体素子を構成する他の層への
影響などの解析が困難になるという問題を新たに生ず
る。
【0020】本発明は、上記の問題点を鑑みてなされた
ものであり、その目的は、特定箇所の状況の確認が容易
で、加工領域の変化に対応できる集束イオンビーム装置
の被観察物解析方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る集
束イオンビーム装置の被観察物解析方法は、上記課題を
解決するために、被観察物の所望の位置にイオンビーム
を照射して、断面加工する断面加工工程と、上記断面加
工工程にて、被観察物に形成した断面をイオンビームで
走査し、被観察物より放出される荷電粒子を検出して、
当該断面表面の断面画像データを取得する観察工程とを
有する集束イオンビーム装置の被観察物解析方法におい
て、以下の工程を設けたことを特徴としている。
【0022】すなわち、被観察物の特定箇所に対して、
所定の間隔を空けて上記断面加工工程および観察工程を
繰り返し、各断面加工工程にて断面を形成した位置を示
す位置データと各観察工程における断面画像データとを
蓄積する蓄積工程と、上記蓄積工程にて蓄積した各断面
画像データおよび位置データから、上記特定箇所の形状
を3次元表示する表示工程とを含んでいる。
【0023】なお、上記蓄積工程は、例えば、半導体メ
モリやディスク装置などの記憶装置に、断面画像データ
および位置データを記憶することによって実現される。
また、上記表示工程は、例えば、コンピュータなどの演
算処理装置が上記記憶装置に記憶した各断面画像データ
を構成する画素を3次元の直交座標系に沿って並べ、例
えば、輪郭抽出や隠線処理など、種々の画像処理を行う
ことによって実現される。
【0024】上記各工程を行うことによって、集束イオ
ンビーム装置は、特定箇所を立体的に表示できる。した
がって、従来の平面的に表示する方法に比べて、特定箇
所の不良状態や不良箇所の全貌が把握しやすい。さら
に、特定の断面を注視する場合にも、該断面を指定しや
すい。
【0025】加えて、従来の断面観察方法のように、所
望の断面をそれぞれ指定しなくても、機械的に断面を形
成し、各断面を観測したデータを変換して、任意の角度
の断面を得ることができる。したがって、特定箇所の不
良状態に応じて、形成する断面を変更しなくてもよい。
この結果、比較的容易に特定箇所の自動観察を実現でき
る。
【0026】さらに、従来の平面画像から断面画像を再
生する方法とは異なり、各加工工程では、イオンビーム
を照射する領域が互いに異なっている。したがって、各
加工時において誤差が生じても、誤差は、累積されず、
容易に補正できる。この結果、上記従来の解析方法に比
べて、観察時の精度を向上できる。
【0027】また、請求項2の発明に係る集束イオンビ
ーム装置の被観察物解析方法は、請求項1記載の発明の
構成において、上記断面加工工程にて、形成する断面の
表面からの深さをそれぞれ別に設定できることを特徴と
している。
【0028】なお、上記断面の深さは、一断面加工工程
において、イオンビームの照射時間を変化させたり、各
断面加工工程間で、イオンビームの照射時間をそれぞれ
別に設定することによって、個別に設定できる。
【0029】それゆえ、例えば、例えば、半導体素子の
他の層への影響などを解析する場合など、特定箇所の下
方などに加工したくない領域が存在した場合でも、該領
域を避けて、断面加工工程の加工領域を設定できる。し
たがって、従来の平面画像から断面画像を再生する方法
に比べて、より複雑な形状の特定箇所に対しても自動観
測できる。この結果、特定箇所と周囲の箇所との関係の
解析が容易になる。
【0030】さらに、請求項3の発明に係る集束イオン
ビーム装置の被観察物解析方法は、請求項1または2に
記載の発明の構成において、上記被観察物へ照射するイ
オンビームのイオンビーム口径およびイオンビーム電流
値の少なくとも一方は、上記観察工程と上記断面加工工
程とで互いに異なって設定されることを特徴としてい
る。
【0031】それゆえ、各工程に適したイオンビームに
て被観察物を走査できる。この結果、上記従来の解析方
法に比べて、観察時の精度をさらに向上できる。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態について図1
ないし図17に基づいて説明すると以下の通りである。
すなわち、本実施形態に係る被観察物解析方法を適用し
た集束イオンビーム装置は、半導体素子などの観察対象
物へイオンビームを照射して、当該半導体素子を加工し
たり、その表面を観測するために用いられている。
【0033】上記集束イオンビーム装置は、図1に示す
ように、半導体素子1を固定する微動ステージ2と、該
半導体素子1へイオンビームを照射するイオンビーム照
射部3と、イオンビームを半導体素子1へ照射した際に
生ずる2次電子あるいは2次イオンを検出する2次電子
・2次イオン検出器(以下では、検出器と略称する)4
と上記各部を制御する制御回路部5とを備えている。さ
らに、制御回路部5からの情報に基づいて当該制御回路
部5へ種々の条件を設定すると共に、検出器4の検出結
果に基づき、断面画像データを作成して蓄積し、3次元
表示する制御コンピュータ6と、制御コンピュータ6の
入出力装置となるモニタ7およびキーボード8とが設け
られている。
【0034】これにより、図2に示すように、集束イオ
ンビーム装置は、以下に述べる3つの処理を行うことが
できる。まず、第1の処理は、形状観察であり、図1に
示すイオンビーム照射部3は、図2の(a)に示すよう
に、サブミクロンに絞られたイオンビームで半導体素子
1の表面を走査する。このとき、検出器4は、イオンビ
ームの照射によって半導体素子1の表面から放出された
2次電子または2次イオンを検出する。さらに、図1に
示す制御回路部5によって、これをA/D変換および増
幅処理した後、制御コンピュータ6は、画像処理を施
し、半導体素子1の表面形状をモニタ7へ表示する。こ
れにより、使用者は、半導体素子1の表面形状を観察す
ることができる。なお、集束イオンビーム装置で観察さ
れる像は、一般的に、SIM( Scanning Ion Microsci
oe:走査イオン顕微鏡)像と呼ばれる。
【0035】第2の処理は、スパッタエッチング法によ
る微細加工であり、図2の(b)に示すように、上記イ
オンビーム照射部3は、イオンビームを半導体素子1へ
局所的に走査する。この結果、該半導体素子1表面上の
原子や分子は、真空中にはじきだされる。このスパッタ
リング現象を応用したエッチングによって、集束イオン
ビーム装置は、半導体素子1をサブミクロン精度で加工
することができる。これにより、半導体素子1に形成さ
れた保護膜1aの穴開け、あるいは、金属配線1bの切
断などのパターン修正を行うことができる。
【0036】第3の処理は、金属膜形成加工である。図
2の(c)に示すように、集束イオンビーム装置に設け
られたガス銃9は、金属膜1cの原料となる原料ガスを
半導体素子1の表面に吹き付けて吸着させる。その後、
図1に示すイオンビーム照射部3は、イオンビームで所
望の範囲を走査する。この結果、走査した部分だけが化
学反応を起こし、半導体素子1の所望の部分に金属膜1
cを形成できる。
【0037】用途に応じ、上記3つの処理を行うことに
よって、集束イオンビーム装置は、半導体素子1の配線
を修正したり、あるいは、特定箇所を断面観察できる。
これにより、半導体素子1の修正や不良解析を行うこと
ができる。
【0038】上記各部をさらに詳細に説明する前に、説
明の便宜上、方向を以下のように定義する。すなわち、
図3の(a)に示すように、イオンビームの進行方向と
半導体素子1の表面とが直交している場合を基準に考
え、イオンビームの進行方向および半導体素子1の深さ
方向をZ方向、これに直交し、かつ、互いに直交する2
方向をそれぞれXおよびY方向とする。なお、半導体素
子1の表面を観察している場合、Y方向を下方と呼ぶ。
また、図3の(b)や(c)に示すように、断面観察時
には、両者のX、Y、Z方向は、一致していないので、
特に区別する必要がある場合には、どちらを基準にした
方向かをその都度指定する。
【0039】上記微動ステージ2は、図3に示すよう
に、半導体素子1を載置する載置面2aを備えており、
例えば、導電性のテープや導電性のペーストなどによっ
て、該載置面2a上に半導体素子1を固定できる。ま
た、該微動ステージ2は、±0.05μmの高精度に
て、X−YおよびZ方向、あるいは、傾斜や回転稼働で
きる。したがって、解析を行う特定箇所11が半導体素
子1のどこにあっても、微動ステージ2は、該特定箇所
11をイオンビームの走査位置に案内できる。
【0040】ところで、特定箇所11の中心点12が微
動ステージ2の中央に位置していない場合、半導体素子
1を傾斜させると、特定箇所11の位置および高さが傾
斜の前後で変化する。したがって、図3の(a)に示す
ように、微動ステージ2の載置面2aがイオンビームの
進行方向と直交している状態において、イオンビームが
上記中心点12に正しくフォーカシングしていても、図
3の(b)に示すように、半導体素子1を傾斜させる
と、イオンビームのフォーカス位置や照射位置が特定箇
所11からズレてしまう。この結果、特定箇所11を正
しく観察および加工できなくなる。この変化を防止する
ため、図3の(c)に示すように、微動ステージ2の
X、YおよびZ方向の位置を補正する必要がある。な
お、図3では、イオンビームを示す破線の矢印の先端
が、イオンビームの合焦位置を示している。
【0041】本実施形態に係る微動ステージ2は、位置
補正のために、図示しないユーセントリック機構を備え
ている。これにより、予め、傾斜前の状態と傾斜後の状
態とで特定箇所11に合焦させ、X、Y、Z方向につい
て、両状態の補正値ΔX,ΔY,ΔZをそれぞれ設定す
ることにより、微動ステージ2の位置を傾斜の前後で自
動的に補正することができる。なお、図3の(c)で
は、X方向の補正が不要であったため、ΔXを図示して
いない。
【0042】また、図1に示すイオンビーム照射部3
は、イオン源物質をプラズマ化してイオンを生成するイ
オン源31と、該イオン源31からイオンビームを引き
出すための引き出し電極32と、引き出したイオンビー
ムを集束する静電レンズ33および対物レンズ36と、
両レンズ33および36の間に介在し、イオンビームの
経路を必要に応じて切り換えるブランキング電極34、
および、イオンビームのイオンビーム径およびイオンビ
ーム電流値を選択するアパーチャー35と、上記対物レ
ンズ36の後段に配され、イオンビームのイオンビーム
形状を補正する非点補正レンズ37と、整形されたイオ
ンビームをX−Y方向に偏向し、半導体素子1にイオン
ビームを走査する偏向電極38とを備えている。
【0043】上記アパーチャー35は、例えば、イオン
ビームの通路を制限するなどして、イオンビーム径とイ
オンビーム電流値を変更することができる。本実施形態
に係るイオンビーム照射部3は、以下の表1、および、
図4に示すように、アパーチャーNo.0〜4の5段階
のアパーチャー35…を持ち合わせている。
【0044】
【表1】
【0045】各アパーチャー35は、アパーチャーN
o.の数字の低い方がイオンビーム径が太く、かつ、イ
オンビーム電流値が高いように設定されている。これに
より、より低い数字のアパーチャーを用いた方が、加工
スピードが速くなり、より高い数字のアパーチャーを用
いた方が、より細かに半導体素子1を加工できる。した
がって、アパーチャーNo.0ないし2は、主として、
半導体素子1の荒加工に用いられ、アパーチャーNo.
3および4は、仕上げ加工に用いられる。
【0046】さらに、アパーチャーNo.4は、観察モ
ードにも用いられている。イオンビーム照射部3におい
て、観察モードへの変更は、制御回路部5に設けられた
後述の集束レンズ制御回路52が行っている。本実施形
態に係るイオンビーム照射部3では、イオンビームを集
束する各レンズ33・36・37が静電レンズなので、
上記集束レンズ制御回路52は、各レンズ33・36・
37へ印加する電圧を変えることによって、イオンビー
ムを絞っている。この結果、イオンビーム照射部3は、
極細かつ低電流値のイオンビームを得ることができ、集
束イオンビーム装置は、高分解能にてダメージなしで半
導体素子1を観察できる。
【0047】一方、制御回路部5は、イオン源31およ
び引き出し電極32に係る電圧を制御するイオン源制御
回路51と、イオンビームを集束する静電レンズ33、
対物レンズ36、および非点補正レンズ37を制御する
集束レンズ制御回路52と、偏向電極38を制御する偏
向制御回路53とを備えている。さらに、検出器4を制
御すると共に、該検出器4からの検出信号を増幅してデ
ジタル値へ変換する検出器制御回路54と、微動ステー
ジ2を制御して、半導体素子1とイオンビームとの位置
関係を調整するステージ制御回路55とが設けられてい
る。
【0048】さらに、制御コンピュータ6には、上記検
出器制御回路54を介して、上記検出器4からの検出信
号を受け取って、断面画像データを形成すると共に、例
えば、キーボード8の指示、あるいは、断面画像データ
などに基づいて、制御回路部5へ各種条件を設定する制
御部61と、断面画像データと位置データとの組み合わ
せを記憶する記憶部62と、特定箇所11を立体的に表
示するために、記憶部62に蓄積した各断面画像データ
および位置データを変換して、立体的な画像をモニタ7
へ表示する3次元データ表示処理部63とを備えてい
る。なお、記憶部62は、例えば、半導体メモリやディ
スク装置などの記憶装置の一領域として実現され、制御
部61、三次元データ表示処理部63は、例えば、CP
U(Central Processing Unit)などが所定のプログラム
を実行することによって実現される機能ブロックであ
る。
【0049】上記制御部61は、検出器制御回路54に
よって、デジタル値に変換された検出器4からの全ての
検出信号を受け取る。該検出信号は、イオンビームが走
査している位置、すなわち、イオンビームの偏向方向に
応じて変化する。したがって、偏向方向と該検出信号と
を同期させることにより、イオンビームの各走査位置に
おける半導体素子1の表面形状および材質を検出でき
る。制御部61は、これらを走査位置に対応して再構成
して、半導体素子1の表面の画像データをモニタ7上に
表示できる。
【0050】また、該画像データに対して、輝度の変化
による輪郭抽出などの画像処理を行い、イオンビームに
よって形成された穴など、半導体素子1表面の特徴的な
部分の大きさや位置を認識できる。これにより、微動ス
テージ2が半導体素子1を所望の位置に配されているか
否かや、イオンビームによって、所望の大きさの穴が半
導体素子1に形成されたか否かを判定できる。さらに、
キーボード8などから入力される使用者の指示や上記判
定結果などに応じて、制御部61は、制御回路部5を介
し、微動ステージ2およびイオンビーム照射部3を制御
できる。
【0051】上記記憶部62は、例えば、断面の位置座
標などからなる位置データと、各断面画像データを構成
する画素を走査した順番に格納した断面画像データとを
組み合わせて、一対のデータとして記憶できる。記憶部
62には、このデータを記憶する領域が複数設けられて
おり、半導体素子1の特定箇所11に形成する各断面に
対応する上記各データを、例えば、位置データの順番な
どに並べて、格納できる。
【0052】また、上記3次元データ表示処理部63
は、記憶部62に格納したデータから、任意のX、Y、
Z座標の画素のデータを読み出し、所望の視点から見た
立体的な画像をモニタ7へ表示できる。表示の方法とし
ては、様々な方法が考えられるが、本実施形態では、後
述の図17に示すように、例えば、隣接する画素データ
から輪郭を抽出し、さらに、輪郭の前後関係を判定し
て、隠れている部分を破線などで表示している。
【0053】上記構成において、断面3次元解析方法に
従って半導体素子1の特定箇所を解析する場合の集束イ
オンビーム装置各部の動作を、図6ないし図17を参照
して、図5に示すフローチャートに基づき、各ステップ
毎に説明すると以下の通りである。本実施形態に係る断
面3次元解析方法は、ステップ1(以下では、S1のよ
うに略称する)ないしS5の各ステップからなるイオン
ビーム照射部3のセットアップ工程と、S6ないしS9
からなる加工前の設定および調整工程と、S10ないし
S12からなる加工条件の設定工程と、S13ないしS
20からなる断面画像データ蓄積工程(蓄積工程)と、
S21およびS22からなる3次元画像表示工程(表示
工程)とに分けることができる。
【0054】まず、S1ないしS5からなるセットアッ
プ工程では、集束イオンビーム装置が半導体素子1に加
工できる状態になるまでのセットアップ作業を行う。す
なわち、S1では、微動ステージ2上に、半導体素子1
を導電性のテープもしくは導電性ペーストにて、動かな
いように固定する。次に、イオンビームの照射が可能な
ように、例えば、図示しない真空ポンプなどによって、
イオンビームの進路や半導体素子1を高真空状態にする
(S2)。
【0055】続いて、S3では、イオンビーム照射部3
を立ち上げる。具体的には、イオン源31は、例えば、
アーク放電などによって、該イオン源31内に導入され
たイオン源物質をプラズマ化する。また、イオン源31
と引き出し電極32との間には、高電圧が加えられる。
これにより、高輝度のイオンビームがイオン源31から
引き出されて加速される。静電レンズ33、アパーチャ
ー35、対物レンズ36は、加速されたイオンビームを
集束する。なお、イオン源制御回路51と集束レンズ制
御回路52と偏向制御回路53は、イオン源31および
引き出し電極32と、静電レンズ33、対物レンズ36
および非点補正レンズ37と、偏向電極38とに、それ
ぞれ印加する電圧を制御している。これにより、イオン
ビーム照射部3は、常に安定したイオンビームを照射す
ることができる。
【0056】さらに、S4において、偏向制御回路53
は、偏向電極38へ印加する電圧を制御して、集束した
イオンビームをX−Y方向に偏向させる。これにより、
イオンビームは、半導体素子1の表面上を走査しながら
照射される。半導体素子1にイオンビームを走査する
と、該半導体素子1の表面形状および材質分布に基づい
て、2次電子および2次イオンが放出される。検出器4
は、放出された2次電子および2次イオンを検出する。
検出器制御回路54は、検出器4の検出信号を増幅し、
A/D変換して、制御コンピュータ6へ送出する。制御
コンピュータ6は、受け取った信号に基づいて、半導体
素子1の表面形状を認識し、モニタ7上へ映し出す。な
お、一定時間、イオンビームを走査し続けると、半導体
素子1表面のスパッタリングが重なって、エッチング状
態となる。
【0057】次に、S5では、全てのアパーチャー35
を順次選択し、各アパーチャー35に対し、イオンビー
ムのフォーカス調整を行い、調整後のフォーカス値とイ
オンビーム電流値などの条件を制御コンピュータ6に記
憶する。これにより、加工中にアパーチャー35を変更
しても、その都度、記憶した条件に基づいて、フォーカ
スを調整し、イオンビームのフォーカスを常に維持する
ことができる。この結果、常に安定したイオンビームが
得られ、アパーチャー35を変更しても、安定して高精
度な加工が可能となる。
【0058】全てのアパーチャー35について、イオン
ビームのフォーカス調整が終わると、続くステップに備
えて、イオンビーム照射部3は、観察モードに設定さ
れ、アパーチャーNo.4のアパーチャー35が選択さ
れる。
【0059】続いて、以下に説明するS6ないしS9で
は、加工前の設定と調整を行う。すなわち、S6では、
制御コンピュータ6は、ステージ制御回路55を介し
て、微動ステージ2のX、Y、高さ方向、回転、および
傾斜を設定して、半導体素子1におけるイオンビームの
照射位置を決定する。さらに、制御コンピュータ6は、
S4と同様にして、イオンビームの照射位置における半
導体素子1の表面形状をモニタ7上に表示する。使用者
は、表面形状を観察しながら、例えば、キーボード8を
用いて、微動ステージ2の新たな位置を指示し、半導体
素子1上の特定箇所を探す。これにより、半導体素子1
を固定した微動ステージ2は、所望の位置に概ね導かれ
る。
【0060】次に、制御コンピュータ6は、図6に示す
ように、モニタ7上に十字ライン13を表示する。使用
者は、該十字ライン13の交点14と特定箇所とが一致
するように、微動ステージ2の位置を微調整して、位置
合わせを行う(S7)。さらに、S8では、図7に示す
ように、特定箇所11の周囲の半導体素子1表面に、各
加工の際に基準点となる4点のマーキング12を施す。
具体的には、アパーチャーNo.2のアパーチャー35
を用い、特定箇所11の周囲、かつ、各十字ライン13
上に、数十秒間イオンビームを集中的にして照射する。
このスポット加工により、数μm程度の深さ円形の穴が
半導体素子1に掘られる。なお、特定箇所11と各マー
キング15との距離は、特定箇所11の観察に影響しな
いように設定される。
【0061】続いて、S9において、ユーセントリック
機構の調整を行う。まず、図3の(a)に示すように、
微動ステージ2の載置面2aが平面状態にあり、かつ、
イオンビームが特定箇所11の中心点12に正確にフォ
ーカシングされている状態において、X、Y、高さ位置
など、微動ステージ2の位置座標を制御コンピュータ6
に記憶する。次に、載置面2aを任意の角度(例えば、
60°)に傾斜させる。特定箇所11は、微動ステージ
2の中心にあるとは限らないので、図3の(b)に示す
ように、イオンビームの照射位置およびフォーカス位置
は、傾斜によって特定箇所11よりズレる。この状態
で、上記S6およびS7と同様に、半導体素子1の表面
形状を観察しながら、微動ステージ2のX、Y、高さの
位置を調整し、図3の(c)に示すように、特定箇所1
1へイオンビームを再度合焦させる。制御部61は、合
焦した時における微動ステージ2の位置座標を記憶し、
傾斜時における補正値ΔX、ΔY、ΔZを求め、ステー
ジ制御回路55へ設定する。
【0062】これにより、微動ステージ2のユーセント
リック機構を調整でき、傾斜するか否かに関わらず、イ
オンビームのフォーカス位置を特定箇所11へ追従させ
ることができる。この結果、特定箇所11の中心点12
は、モニタ7上の十字ライン13の交点14に常に表示
される。
【0063】上記加工前の設定および調整に続き、以下
に示すS10ないしS12では、各種の加工条件を設定
する。すなわち、S10では、図7に示すように、微動
ステージ2が平面状態に設定し、上記十字ライン13の
交点14へ特定箇所11を表示させる。さらに、この状
態における表面画像データを制御コンピュータ6へ記憶
する。この表面画像データと、上記S9にて記憶した微
動ステージ2の位置座標は、後述する断面加工時におい
て、ドリフト補正に対するリファレンスとなる。
【0064】次に、S11において、使用者は、例え
ば、キーボード8などにより制御コンピュータ6へ指示
して、図8の(a)に示すように、特定箇所11を覆う
任意の大きさのスライス加工範囲16を設定する。制御
コンピュータ6が当該スライス加工範囲16を認識する
と、図8の(b)に示すように、制御コンピュータ6
は、自動的に、十字ライン13を中心にして、上記スラ
イス加工範囲16をモニタ7画面いっぱいに拡大表示す
る。
【0065】さらに、使用者は、スライス加工範囲16
に対して、任意の数のスライス加工数を入力する。制御
コンピュータ6は、入力に基づいて、スライス加工範囲
16をY方向に分割するスライスライン17…を表示す
る。これにより、スライス加工範囲16は、スライスラ
イン17…によって分割され、複数のスライス加工枠1
8…に分けられる 続いて、断面観察に必要な深さdをμmで指定する。半
導体素子1は、積層構造をしており、製造プロセスによ
って膜厚が変わるため、予め必要な深さdを調査してお
いて値を指定する。
【0066】図8の(b)に示す表示例では、スライス
加工範囲16のY方向の長さは、1.6μmに設定され
ている。したがって、スライス加工数として16を入力
すると、隣接するスライスライン17間の距離、すなわ
ちスライス加工枠18の幅は、0.1μmとなる。ま
た、本実施形態では、図9に示すように、半導体素子1
の半導体基板1dに達するように、深さdを3μmに設
定した。
【0067】次に、S12において、制御コンピュータ
6は、S11にて指定された条件から、ステップ加工枠
21の位置を演算する。具体的には、断面を観察する
際、断面へイオンビームを照射する必要があるため、図
9に破線で示すように、視野確保のための空間を必要と
する。半導体素子1の表面に沿って、かつ、断面から離
れる方向における上記空間の開口部の幅xは、観察角
度、すなわち、微動ステージ2の傾斜角度θと、上記深
さdとから、下式(1)に示すように、 x=tan(θ)×d ・・・(1) となる。例えば、深さdが3μmの断面を、60°で観
察する場合の開口部の幅xは、上式(1)より、5.2
μm必要となる。
【0068】本実施形態では、図9に実線で示すよう
に、加工時間を短縮するため、ステップ状にステップ加
工跡20を形成して上記空間を確保している。さらに、
スライス加工範囲16に近づくに従って、アパーチャー
No.の大きなアパーチャー35に切り替えながら、ス
テップ加工跡20を形成する。したがって、スライス加
工範囲16から遠い順に、ステップ加工跡20aないし
20eとすると、ステップ加工跡20aは、アパーチャ
ーNo.0のアパーチャー35によって、ステップ加工
跡20bないし20eは、それぞれアパーチャーNo.
1ないし4のアパーチャー35によって形成する。
【0069】したがって、本実施形態に係る制御コンピ
ュータ6は、図10に示すように、例えば、スライス加
工範囲16の下方に上記ステップ加工跡20aないし2
0eに対応してステップ加工枠21aないし21eを設
定する。また、各アパーチャー35に対する加工範囲お
よび加工時間は、スライス加工範囲16の広さ、深さ
d、およびスライス加工範囲16からの距離に応じて、
制御コンピュータ6が適切な値を算出して自動的に設定
する。なお、加工時にドリフトが生じた場合を考慮し
て、各ステップ加工枠21aないし21eは、隣接する
ステップ加工枠21間がそれぞれ10%のオーバーラッ
プを持つように設定される。
【0070】加工条件の設定が終了すると、以下のS1
3ないしS20では、断面加工、断面観察を繰り返して
断面画像データを蓄積する。まず、S13では、ステッ
プ加工を行う。すなわち、制御部61は、S12にて設
定された各ステップ加工枠21aないし21eについ
て、後述のS14と同様に、対応するアパーチャー35
を自動選択し、アパーチャー35の変更による4点マー
キングのアライメントを行う。そして、加工時間など、
S12にて指定された条件に従って、アパーチャーN
o.0の高イオンビーム電流値からアパーチャーNo.
4の低イオンビーム電流値までのイオンビームを用い、
ステップ加工枠21aないし21eを順に加工する。加
工中は、一定の周期で全面走査を行い、制御部61は、
検出器4の検出信号から表面画像データを生成し、4点
マーキングの位置座標を認識する。さらに、S10で記
憶しているリファレンスの表面画像データと比較して位
置座標のズレを求める。これに基づいて、制御部61
は、偏向制御回路53を介して常にドリフト補正をかけ
ている。これにより、加工中、イオンビームのドリフト
を最小眼に防ぐことができる。
【0071】次に、S14では、以降のスライス加工の
ためにイオンビームの電流値を変更する。具体的には、
制御部61は、選択したアパーチャー35に応じて、上
記S5にて記憶したフォーカス調整および条件を読み出
し、制御回路部5を介してイオンビーム照射部3へ指示
する。これにより、加工精度を落とすことなく、イオン
ビームを自動的に変更できる。本実施形態では、各スラ
イスライン17の間隔は0.1μmと狭く設定されてお
り、加工は、アパーチャーNo.4の観察モードで行
う。特定箇所11の観察範囲にもよるが、通常、スライ
ス加工範囲16は、0.数μm2 程度である。したがっ
て、極端に広域でなければ、観察モードで加工しても、
1スライス加工は、短時間で終了する。
【0072】イオンビームを観察モードに変更後、集束
イオンビーム装置は、S15において、図11に示すよ
うに、S13と同様にして、ステップ加工終了後の表面
画像データを取得し、4点マーキングの位置座標を認識
する。さらに、制御部61は、図12に示すように、加
工前のリファレンス画像データと重ね合わせて表示す
る。
【0073】また、ステップ加工跡20と半導体素子1
の表面とでは、形状が異なっているため、表面の画像デ
ータ取得時に、表面形状による2次電子の検出強度の差
を輝度レベルとして表わすと、輝度レベルは、図13に
示すように、走査範囲に応じて変化する。なお、図13
は、Y方向に沿って走査した場合を示しており、y1
は、ステップ加工枠21aのY方向側端面に、y2は、
ステップ加工枠21eの逆方向側端面に、それぞれ対応
している。これにより、制御部61は、ステップ加工跡
20のエッヂを判断でき、ステップ加工後の断面19の
位置を求めることができる。
【0074】S16では、S15にて得た断面19の位
置に基づいて、S11で指定したスライス加工枠18を
補正する。仮に、ドリフトによって、加工残りかオーバ
ーエッチングが発生し、断面19が所望の位置からズレ
ていた場合、制御部61は、輝度レベルとリファレンス
の表面画像データを元に、ズレ量を算出する。さらに、
そのズレ量を加算あるいは減算して、スライス加工枠1
8を補正する。これにより、図14に示すように、これ
までのスライス加工の誤差に関わらず、正しい位置にス
ライス加工枠18を設定できる。なお、スライス加工枠
18は、イオンビームの変動によるX方向への加工残り
を生じないように、X方向および逆X方向には、オーバ
ーラップして設定される。また、該スライス加工枠18
における加工時間は、S12にて設定されたスライス加
工枠18の深さdに応じて、設定される。
【0075】スライス加工枠18が設定されると、S1
7では、該スライス加工枠18へイオンビームを所定の
時間照射して、スライス加工する。加工中、ステップ加
工と同様に一定周期でフル走査を行い、4点マーキング
を読み取ってドリフト補正を常に行っているので、加工
中のドリフトは最小限に抑えられる。この結果、最初の
断面19aが形成される。
【0076】スライス加工枠18の加工が終了したら、
S15と同様に、リファレンスの表面画像データと加工
後の表面画像データとを合わせ込んで輝度レベルの差に
よる断面位置を求める。さらに、制御コンピュータ6の
記憶部62に設けられた当該加工に対応する領域(フレ
ーム)には、位置データとして、該断面位置の位置座標
が記憶される。なお、上記S16およびS17が、特許
請求の範囲に記載の断面加工工程に対応している。
【0077】次に、観察工程であるS18では、半導体
素子1を60°まで傾斜する。微動ステージ2のユーセ
ントリック機構が働くので、特定箇所11は、モニタ7
の中心に表示されたままである。制御部61は、イオン
ビームの走査スピードを高解像度のスピードに変更し、
該スピードにて断面観察像を取得する。さらに、図8の
(b)に示すように、スライスライン17…を表示した
倍率に観測倍率を合わせ、オートコントラストにより適
度な明るさにまで断面観察像を調整する。また、60°
観察から90°観察にするため、例えば、上記断面観察
像に倍率補正を行い、擬似的に断面画像データを補正す
る。断面画像データの補正が終了すると、制御部61
は、当該加工に対応した上記フレームへ、補正済みの断
面画像データを格納する。断面画像データが記憶される
と、微動ステージ2は、半導体素子1の傾斜を戻す。
【0078】続いて、全てのスライス加工枠18の処理
が終了したか否かを判定し(S19)、最後のスライス
加工枠18pの処理が終了するまで、S16以下の処理
を繰り返す。この結果、スライス加工枠18aないし1
8pまでの加工、および観察を自動的に繰り返し、図1
5に示すように、各断面19の断面画像データ22を取
得し、各断面画像データと位置データとを記憶部62に
設けられた各フレーム(aないしp)へ記憶する。な
お、図15では、(a)ないし(p)に示す断面画像デ
ータ22は、各スライス加工枠18aないし18pにそ
れぞれ対応しており、特に区別する場合は、スライス加
工枠18aに対応する断面画像データ22を22aと称
する。
【0079】全ての処理が終了すると(S19にて、YE
S の場合)、観察状態を解除して(S20)、以下に示
すS21およびS22にて、上記各断面画像データおよ
び位置データに基づき、特定箇所11を立体的に表示す
る。
【0080】具体的には、制御コンピュータ6は、図1
6に示すように、記憶部62に記憶した全ての断面画像
データ22aないし22pを、それぞれの位置データ、
すなわち、Y座標との対応をとりながら、順番に並べ
る。各断面画像データ22は、半導体素子1の各断面1
9を示しており、X方向およびZ方向に各画素を並べて
構成されている。したがって、Y座標と対応をとること
によって、3次元データ表示処理部63は、記憶部62
から、特定箇所11の任意のX、Y、Z座標に対して、
対応する画素を読み出すことができる。このように、形
成された3次元画像データから、3次元データ表示処理
部63は、例えば、各画素と隣接する画素とを比較して
輪郭を抽出し、輪郭間の前後関係を計算するなどして、
隠線処理を行う(S21)。この結果、3次元データ表
示処理部63は、例えば、図17に示すように、任意の
視点から特定箇所11を眺めた立体的な画像をモニタ7
へ表示できる(S22)。当然ながら、この立体的な画
像から、特定箇所11の不良箇所の概略を把握し、所望
の位置および角度を持つ断面の画像を表示することもで
きる。
【0081】以上のように、本実施形態に係る集束イオ
ンビーム装置は、例えば、偏向電極38などによって、
イオンビームをX方向、あるいはY方向に走査できるイ
オンビーム照射部3と、断面加工時と断面観察時とで、
イオンビームに対する半導体素子1表面の角度を変更で
きる微動ステージ2と、イオンビームの走査時に、半導
体素子1から放出される2次電子および2次イオンを検
出する検出器4と、断面画像データと位置データとの組
み合わせを複数記憶できる記憶部62と、上記検出器4
の検出信号に応じて、断面画像データを形成し、位置デ
ータと共に記憶部62へ格納する制御部61と、記憶部
62の断面画像データおよび位置データから特定箇所1
1を立体的に表示する3次元データ表示処理部63とを
備えている。
【0082】さらに、上記集束イオンビーム装置を用い
て、上記S16およびS17のように、特定箇所11に
所定の間隔をおいて設定されるスライスライン17毎
に、イオンビームを照射して断面を形成する工程と、上
記S18のように、微動ステージ2上の半導体素子1を
傾斜させ、形成した断面をイオンビームで走査して、断
面画像データを形成する工程、および、該断面画像デー
タと位置データとの組み合わせを記憶部62に記憶する
工程とを繰り返し、全てのスライスライン17の断面画
像データと位置データとの組み合わせを記憶部62に蓄
積している。さらに、S20およびS21のように、蓄
積したデータを解析して、特定箇所11を立体的に表示
する工程が設けられている。
【0083】特定箇所11を立体的に表示することによ
って、特定箇所11の不良状態や不良箇所の全貌が把握
しやすく、特定の断面を注視する場合にも、該断面を指
定しやすい。また、従来の断面観察方法のように、所望
の断面をそれぞれ指定しなくても、機械的に断面を形成
し、各断面を観測したデータを変換して、任意の角度の
断面を得ることができる。したがって、特定箇所11の
不良状態に応じて、形成する断面を変更しなくてもよ
い。この結果、比較的容易に特定箇所11の自動観察を
実現できる。
【0084】なお、本実施形態に係る3次元データ表示
処理部63は、輪郭抽出および隠線処理によって、立体
的な画像を表示しているが、これに限るものではない。
視線の方向から眺めて、奥の方から各画素を順番に並べ
たり、レイトレーシングなどの手法を用いてもよい。ま
た、X、Y、Z座標から、極座標など他の座標系に変換
した後、処理してもよい。3次元データ表示処理部63
が、記憶部62に蓄積したデータから、特定箇所11を
立体的に表示できれば、本実施形態と同様の効果を得る
ことができる。
【0085】ところで、従来の平面画像から断面画像を
再生する方法では、常に同じ領域を走査して加工するた
め、加工時に生じた深さ方向の誤差は、累積される。と
ころが、本実施形態の解析方法では、各加工時におい
て、イオンビームを照射する領域が互いに異なってい
る。したがって、各加工時において誤差が生じても、例
えば、上記S16に示すように、その都度スライス加工
枠18を補正できる。さらに、加工時と観察時とでも、
イオンビームを照射する領域および方向が、互いに異な
っている。これにより、観察時に走査したイオンビーム
によって、断面が浸食されても、同様にして、スライス
加工枠18を補正できる。この結果、上記従来の解析方
法に比べて、観察時の精度を上げることができる。
【0086】また、従来の平面画像から断面画像を再生
する方法では、同じ領域を走査して、加工および観察を
行うため、加工の深さは、一定になってしまう。ところ
が、本実施形態の解析方法では、例えば、スライス加工
範囲16内の底部(Z方向端部)に加工したくない領域
がある場合、該領域を避けて、他のスライスライン17
の観察を妨げない範囲で、各スライスライン17で互い
に異なる深さdを設定したり、一スライスライン17内
で互いに異なる深さdを設定できる。
【0087】例えば、各スライスライン17間で異なる
深さdが設定された場合、上記S16において、スライ
ス加工枠18の加工時間は、該スライス加工枠18に対
応する深さdに対応して設定される。一方、一スライス
ライン17内で互いに異なる深さdが設定されている場
合、上記S17において、イオンビームを走査している
位置に応じて、加工時間を変化させる。
【0088】これにより、スライス加工範囲16内に加
工したくない領域があっても、該領域を避けて、残余の
部分の断面画像データを取得できる。この結果、特定箇
所11近傍に、破壊できない部分があり、加工する領域
が複雑な形状をしていても、予め、形状を指定すること
により、上記従来の解析方法に比べて柔軟に、特定箇所
11を自動観測できる。
【0089】また、本実施形態に係る集束イオンビーム
装置は、前述の表1に示すように、複数のアパーチャー
35を備えている。さらに、上記従来の解析方法と異な
り、加工と観察とを別に行っている。したがって、互い
に異なるイオンビーム径およびイオンビーム電流値を持
つイオンビームで半導体素子1を走査しても、なんら支
障を生じない。そこで、本実施形態に係る解析方法にお
いて、加工時と観察時とで、イオンビーム径あるいはイ
オンビーム電流値を変更する工程を加えることによっ
て、両者に適したイオンビームで半導体素子1を走査で
きる。この結果、上記従来の解析方法に比べて、観察時
の精度をさらに向上できる。
【0090】なお、本実施形態では、S4にて、予め、
各アパーチャー35…に対するフォーカス調整および条
件を記憶しており、アパーチャー35を変更する毎に、
記憶に基づいて、再調整している。したがって、アパー
チャー35の変更時において、手動で調整する必要がな
く、特定箇所11の自動観測がさらに容易になる。
【0091】なお、本実施形態では、集束イオンビーム
装置は、半導体素子1を観察しているが、これに限るも
のではない。例えば、金属や絶縁体など、他の観察対象
にも本実施形態に係る解析方法を適用できる。
【0092】
【発明の効果】請求項1の発明に係る集束イオンビーム
装置の被観察物解析方法は、以上のように、被観察物の
特定箇所に対して、所定の間隔を空けて断面加工工程お
よび観察工程を繰り返し、各断面加工工程にて断面を形
成した位置を示す位置データと各観察工程における断面
画像データとを蓄積する蓄積工程と、上記蓄積工程にて
蓄積した各断面画像データおよび位置データから、上記
特定箇所の形状を3次元表示する表示工程とを含んでい
る構成である。
【0093】それゆえ、従来の平面的に表示する方法に
比べて、特定箇所の不良状態や不良箇所の全貌を把握し
やすくなるという効果を奏する。さらに、所定の間隔を
空けて配された断面の画像データから任意の角度の断面
を得ることができるので、比較的容易に特定箇所の自動
観察を実現できるという効果を併せて奏する。
【0094】加えて、従来の平面画像から断面画像を再
生する方法とは異なり、各加工工程では、イオンビーム
を照射する領域が互いに異なっている。この結果、上記
従来の解析方法に比べて、観察時の精度を向上できると
いう効果も奏する。
【0095】請求項2の発明に係る集束イオンビーム装
置の被観察物解析方法は、以上のように、請求項1記載
の発明の構成において、上記断面加工工程にて、形成す
る断面の表面からの深さをそれぞれ別に設定できる構成
である。
【0096】それゆえ、従来の平面画像から断面画像を
再生する方法に比べて、より複雑な形状の特定箇所に対
しても自動観測できる。この結果、特定箇所と周囲の箇
所との関係をさらに容易に解析できるという効果を奏す
る。
【0097】請求項3の発明に係る集束イオンビーム装
置の被観察物解析方法は、以上のように、請求項1また
は2に記載の発明の構成において、上記被観察物へ照射
するイオンビームのイオンビーム口径およびイオンビー
ム電流値の少なくとも一方は、上記観察工程と上記断面
加工工程とで互いに異なって設定される構成である。
【0098】それゆえ、各工程に適したイオンビームに
て被観察物を走査でき、従来の平面画像から断面画像を
再生する方法に比べて、観察時の精度をさらに向上でき
るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、3次元
表示装置を備えた集束イオンビーム装置要部を示すブロ
ック図である。
【図2】上記集束イオンビーム装置の機能を説明するも
のであり、(a)は、表面観測時において、(b)は、
エッチング時において、(c)は、デポ時の各時点にお
いて、イオンビーム照射対象物近傍をそれぞれ示す断面
図である。
【図3】上記集束イオンビーム装置の微動ステージに設
けられたユーセントリック機構を示す説明図である。
【図4】上記集束イオンビーム装置において、アパーチ
ャーNo.とイオンビーム電流値とイオンビームの口径
との関係を示すグラフである。
【図5】上記集束イオンビーム装置において使用されて
いる断面3次元解析法を示すフローチャートである。
【図6】上記集束イオンビーム装置において、加工の前
処理を説明するものであり、特定箇所の位置合わせにお
ける表示例である。
【図7】上記集束イオンビーム装置において、加工の前
処理を説明するものであり、特定箇所近傍のマーキング
の例を示す平面図である。
【図8】上記集束イオンビーム装置において、スライス
加工枠の設定例を示すものであり、(a)は、特定箇所
近傍を示す平面図であり、(b)は、(a)に示すスラ
イス加工枠近傍を拡大した拡大図である。
【図9】上記集束イオンビーム装置において、半導体素
子の特定箇所近傍におけるステップ加工後の断面図であ
る。
【図10】上記集束イオンビーム装置において、ステッ
プ加工枠の設定例を示す平面図である。
【図11】上記集束イオンビーム装置において、ステッ
プ加工跡の形成例を示す平面図である。
【図12】上記集束イオンビーム装置において、ステッ
プ加工後の位置合わせを説明する平面図である。
【図13】上記集束イオンビーム装置において、断面を
含む半導体素子の表面を走査した際、走査位置と輝度レ
ベルとの関係を示すグラフである。
【図14】上記集束イオンビーム装置において、スライ
ス加工時のスライス加工枠を説明するものであり、特定
箇所近傍を詳細に示す拡大平面図である。
【図15】上記集束イオンビーム装置において、図14
に示す各スライスラインの断面を観察して得た断面画像
データである。
【図16】上記集束イオンビーム装置において、断面画
像から3次元への変換方法を説明するものであり、図1
5の各断面画像データを3次元に並べた説明図である。
【図17】上記集束イオンビーム装置において、図16
の各断面画像データを立体的に表示した場合の表示例で
ある。
【図18】従来の一般的な断面観察法を示すものであ
り、(a)は、観察前において、(b)は、荒加工後に
おいて、(c)は、仕上げ加工後において、半導体素子
の特定箇所をそれぞれ示す斜視図であり、(d)は、断
面の観察により得られた断面画像データを示している。
【図19】半導体素子に発生する不良の一例を示すもの
であり、(a)は、ダスト不良箇所、(b)は、電源リ
ーク箇所をそれぞれ示す平面図である。
【図20】従来の他の観察方法を示す説明図であり、
(a)は、観察前において、(b)は、加工途中におい
て、(c)は、加工後において、半導体素子の特定箇所
をそれぞれ示す斜視図である。
【図21】上記観察方法において、各平面画像データか
ら任意の断面画像データへの変換方法を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 半導体素子(被観察物) 2 微動ステージ 3 イオンビーム照射部 4 2次電子・2次イオン検出器 6 制御コンピュータ 11 特定箇所 62 記憶部 63 3次元データ表示処理部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被観察物の所望の位置にイオンビームを照
    射して、断面加工する断面加工工程と、上記断面加工工
    程にて、被観察物に形成した断面をイオンビームで走査
    し、被観察物より放出される荷電粒子を検出して、当該
    断面表面の断面画像データを取得する観察工程とを有す
    る集束イオンビーム装置の被観察物解析方法において、 被観察物の特定箇所に対して、所定の間隔を空けて上記
    断面加工工程および観察工程を繰り返し、各断面加工工
    程にて断面を形成した位置を示す位置データと各観察工
    程における断面画像データとを蓄積する蓄積工程と、 上記蓄積工程にて蓄積した各断面画像データおよび位置
    データから、上記特定箇所の形状を3次元表示する表示
    工程とを含んでいることを特徴とする集束イオンビーム
    装置の被観察物解析方法。
  2. 【請求項2】上記断面加工工程にて、形成する断面の表
    面からの深さをそれぞれ別に設定できることを特徴とす
    る請求項1記載の集束イオンビーム装置の被観察物解析
    方法。
  3. 【請求項3】上記被観察物へ照射するイオンビームのイ
    オンビーム口径およびイオンビーム電流値の少なくとも
    一方は、上記観察工程と上記断面加工工程とで互いに異
    なって設定されることを特徴とする請求項1または2記
    載の集束イオンビーム装置の被観察物解析方法。
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