JP5247761B2 - Fib−sem複合装置 - Google Patents

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本発明は集束イオンビーム装置(FIB)による加工をしながらリアルタイムで走査型電子顕微鏡(SEM)による観察をすることができる複合装置に関する。
FIB装置によってエッチング加工やCVD加工を行うに際して、試料の加工状態を観察するため、電子鏡筒を別個備えるようにしてSEMによる観察機能を持たせた、所謂複合型のFIBシステムは既に公知である。FIB装置はエッチング加工やCVD加工を行う機能に加え、イオン照射によって試料表面から放出される電子やイオンといった二次荷電粒子を検出し、その検出量を照射位置に対応させて画像化するイオン顕微鏡としての機能を備えている。従来のFIB装置は半導体ウエハやLSIデバイス等の所望箇所の断面構造を観察したいというニーズに対しては、試料表面上方からのFIB照射によるエッチング加工で穴空け加工を行い、試料ステージを傾斜させてその断面を観察するという形態で使用されてきた。しかしこの場合、加工してはその加工状態を観察するという作業を繰り返しながら進めなければならない。加工と観察はFIBの照射角を変えなければならずその都度試料ステージを動かさなければならない。そのため、加工と顕微鏡観察は別のビーム照射で行うように、即ち2つの鏡筒を試料面に対し角度を異ならせて配置して一方で加工を他方で顕微鏡観察を行わせるシステムが提示された。その基本構成は図10に示すようにFIB鏡筒とSEM鏡筒が角度を異ならせて真空に引かれたチャンバー内の試料ステージに対して据えられており、各鏡筒にはビーム照射を切替制御するためのブランキング電極が設けられ、更に試料ステージ近傍に二次電子検出器が設置されている。例えば特許文献1に示された断面加工観察装置は、加工角度(通常、水平)と観察角度(45度から60度位)を何回か往復せねばならず操作が煩わしいこと、試料の移動に伴う機械的誤差、また加工中は断面が見えないので、微小な異物や異常形状を見逃す危険があることなどの問題点を解決することを課題としたものである。その発明は上記した課題解決のため、試料面を走査照射するイオンビーム照射系と電子ビーム照射系、各ビーム照射時に試料から放出される2次電子を捕らえる検出器、上記検出器の出力を表示する像表示装置、および、ビーム切換器とを備えたものであり、上記イオンビーム照射系と上記電子ビーム照射系は互いにその照射軸を90度または90度より狭い角度に配置され、試料上の同一点にイオンビームおよび電子ビームを走査照射できるように、同一試料室に装着されている。上記ビーム切換器は、上記イオンビームと電子ビームとを交互に切換えるものであり、上記像表示装置は、上記切換器の切換え動作に応じて上記検出器の出力を試料表面像および断面加工像として表示する。
上記した複合型のFIBシステムによれば、加工時と顕微鏡観察時に試料ステージの傾斜移動を行う必要が無く、従来のような操作が煩わしいこと、試料の移動に伴う機械的誤差の点で有利となったのであるが、FIBによる加工中に同時にSEMによって断面観察を行おうとするとSEM検出信号の中にFIB照射に伴う二次電子が混入しノイズとなる。即ちこの現象は例えば断面観察のためFIBエッチングによって矩形の穴を空けようとした場合、その矩形領域に対しFIBをラスター状に走査させて加工する。そのビーム照射により試料面から放出される二次電子が二次電子検出器によって検出される。この信号波形は図9にFIB信号として示すようにビーム照射位置に対応して変化する。また顕微鏡像として検出したい電子ビーム照射に伴う二次電子検出信号は図においてSEM信号として示されるものである。しかし、FIB加工時に並行してSEM観察をしようとすると二次電子検出信号は先のFIB信号とSEM信号が重畳し、図にFIB・SEM同時照射時の信号として示すようになって画像がノイズで乱れてしまう。
特開平2−123749号公報 「断面加工観察装置」 平成2年5月11日公開。第2頁、図3。
本発明が解決しようとする課題は、FIB鏡筒とSEM鏡筒を備えたシステムにおいて、FIB加工を実行している過程をリアルタイムでSEM観察する際に、FIB照射によって放出される二次電子がSEM検出信号のノイズとならないようなシステムを提供することにある。
本発明はFIB鏡筒と、SEM鏡筒を備えた複合装置において、FIB用のアパーチャに加工形状のスリットを備えることにより、集束したイオンビームの走査ではなく試料面にパターンを転写することによりイオンビーム加工するようにした。
また、本発明のFIB鏡筒と、SEM鏡筒を備えた複合装置は、FIB用のアパーチャに複数の加工パターン形状のスリットとその複数加工パターンの切替手段を備えたことにより、加工パターンを選択若しくは組み合わせによって多様な加工を可能とした。
スリットが加工形状となっているアパーチャを備えたFIB鏡筒と、SEM鏡筒を備えた複合装置を用いた本発明のイオンビーム加工方法は、集束したイオンビーム走査のSIM像によって加工位置を検出するステップと、イオン光学系を集束モードから転写モードへ切り替えるステップと、前記検出した加工位置に対して前記スリットのパターンを転写加工するステップとを踏むものとした。
スリットが加工形状となっているアパーチャを備えたFIB鏡筒と、SEM鏡筒を備えた複合装置を用いた本発明のイオンビーム加工方法は、電子ビーム走査のSEM像によって加工位置を検出するステップと、該検出した加工位置に対するイオンビーム照射によって前記スリットのパターンを転写するステップとを踏むものとした。
さらに本発明のイオンビーム加工方法は、イオンビーム照射によってパターンを転写加工するステップの前に、電子ビームCVDによって保護膜を形成するものとした。
さらに本発明のイオンビーム加工方法は、加工位置に対するイオンビーム照射によって前記スリットのパターンを転写する加工をSEMにて観察することにより、加工終点を検出するようにした。
スリットが加工形状となっているアパーチャを備えたFIB鏡筒と、SEM鏡筒と、二次電子検出器とを備えた本発明の複合装置は、前記二次電子検出器の出力側に電気フィルターを配置することにより、検出したSEM信号からFIBによるノイズ成分を除去するようにした。
スリットが加工形状となっているアパーチャを備えたFIB鏡筒と、SEM鏡筒と、二次電子検出器とを備えた本発明の複合装置は、前記二次電子検出器の出力側にレベル調整回路を設け、装置の稼働状態に応じてレベルを調整することを可能にした。
本発明はFIB鏡筒とSEM鏡筒を備えた複合装置において、FIB用のアパーチャに加工形状のスリットを備えることにより、集束したイオンビームの走査ではなく試料面にパターンを転写することによりイオンビーム加工するようにしたものであるから、SEM検出信号に重畳するFIBノイズが加工領域について均等なバックグランドノイズとなっ
て画像を乱すことがない。
また、本発明のFIB鏡筒とSEM鏡筒を備えた複合装置は、FIB用のアパーチャに複数の加工パターン形状のスリットとその複数加工パターンの切替手段を備えたことにより、スリットを交換取り付けすることなく加工パターンを選択若しくは組み合わせることによって多様な加工を可能とした。
アパーチャとして加工形状のスリットを備えたFIB鏡筒と、SEM鏡筒を備えた複合装置を用いた本発明のイオンビーム加工方法は、集束したイオンビーム走査のSIM像によって加工位置を検出するステップと、イオン光学系を集束モードから転写モードへ切り替えるステップと、前記検出した加工位置に対して前記スリットのパターンを転写加工するステップとを踏むものであるから、位置の検出と、イオン光学系のモード切替、パターンの転写加工と一連の作業が試料ステージを移動させることなく順次スムーズに実行できると共に加工時のSEM観察がリアルタイムで行えるため、作業の安定性と効率性の向上が図れる。
また、電子ビーム走査のSEM像によって加工位置を検出するステップと、該検出した加工位置に対するイオンビーム照射によって前記スリットのパターンを転写するステップとを踏むものとした本発明のイオンビーム加工方法も、一連の作業が試料ステージを移動させることなく順次スムーズに実行できると共に加工時のSEM観察がリアルタイムで行えるため、作業の安定性と効率性の向上が図れる。
さらにイオンビーム照射によってパターンを転写加工するステップの前に、電子ビームCVDによって保護膜を形成するものとした本発明のイオンビーム加工方法は、従来のFIB−CVDと異なり電子ビームの照射を利用するものであるから、ガリウム等の照射イオンが試料中に打ち込まれてダメージを与えてしまうようなことが無い。
さらに本発明のイオンビーム加工方法は、加工位置に対するイオンビーム照射によって前記スリットのパターンを転写する加工をSEMにてリアルタイムで観察することができるものであるから、加工途中に微細な異物を発見することができるし、加工終点をタイミングをずらすことなく検出することができる。
アパーチャとして加工形状のスリットを備えたFIB鏡筒と、SEM鏡筒と、二次電子検出器とを備えた本発明の複合装置は、前記二次電子検出器の出力側に電気フィルターを配置する構成を採用したことにより、検出したSEM信号からFIBによるノイズ成分を的確に除去することができる。
また、アパーチャとして加工形状のスリットを備えたFIB鏡筒とSEM鏡筒と、二次電子検出器とを備えた本発明の複合装置は、前記二次電子検出器の出力側にレベル調整回路を設けたものであるから、装置の稼働状態に応じて信号レベルを的確に調整することを可能にした。
本発明の複合装置の基本構成を示す図である。 本発明におけるFIB鏡筒の異なるモードの態様を説明する図である。 本発明の複合装置による断面観察の穴掘り加工を実行する手順を説明する図である。 本発明の複合装置で採用するアパーチャの1実施例を示す図である。 バックグランドノイズをレベル調整によって除去する機能を備えた本発明の複合装置の1実施例を示す図である。 バックグランドノイズをレベル調整によって除去する機能を備えた本発明の複合装置の変形例を示す図である。 バックグランドノイズをレベル調整によって除去する機能を備えた本発明の複合装置の他の実施例を示す図である。 バックグランドノイズをフィルタによって除去する機能を備えた本発明の複合装置の1実施例を示す図である。 FIB−SEM複合装置におけるFIB加工とSEM顕微鏡像を得る動作を説明する図である。 従来のFIB−SEM複合装置の基本構成を示す図である。
本発明はFIB加工が行われている状況をリアルタイムで観察したという要望に応え、加工に用いるFIBによって放出される二次荷電粒子がSEM検出信号のノイズとならないような技術を開発することに出発した。FIBと電子ビームが同時に試料面に照射されればそれぞれによって二次電子が放出されることは避けられない現象であり、それを区別して検出することは困難である。本発明者は、SEM信号のノイズとなるFIB信号を観察しその信号レベルがラスタ走査に対応して変化することに着目した。このことに基づいて従来のようにFIBをラスタ走査して順次局部的にエッチング加工することを止め、加
工領域全体に集束させない一様なイオンビームを照射させることでエッチング加工をすることに想到したものである。このような加工法を採用することにより、ビーム走査に対応して変動するノイズは無くなり、一様なバックグランドノイズがSEM信号に重畳されることとなるため、画像の乱れは生じない。
図1に本発明の装置の基本構成を示す。1はFIB鏡筒であり、10がSEM鏡筒である。2は真空チャンバ、3は二次電子検出器、4は試料を載置するステージそして10aはSEM鏡筒のブランキング電極である。図2はFIB鏡筒のレンズ系を切替調整し、図2のAに示すようにイオンビームを集束させ試料面にスポット照射させた集束モードと図2のBに示すようにビーム径を広く平行にしてパターンを試料面に転写させた転写モードとの切替形態を示したものである。この例では加工形状のスリットをもつアパーチャ5をコンデンサレンズCLと対物レンズOLの間に配置させている。例えば半導体ウエハの特定箇所の断面状況を観察したいという要望に応え、穴を穿設する加工においては矩形形状のパターンスリットのアパーチャ5を図のように配置し、転写モードとしてFIB鏡筒1を作動させると試料面上の矩形領域に一様なレベルのイオンビームが照射され、局部的ではなく転写パターンが同時並行的にエッチング加工される。このときの状況はSEM鏡筒10が顕微鏡として機能し、リアルタイムで観察することができる。その際のSEM検出信号にはイオンビームによって放出される二次電子が混入されているが、イオンビームの照射位置は変化しないので図に示されるようにFIB信号は直流分としてSEM信号に重畳されるだけで交流信号を乱すことがない。なお、加工パターンを転写させるアパーチャをコンデンサレンズCLと対物レンズOLの間に配置する例を示したが、対物レンズOLと試料面の間にマスク形態で配置してもよい。
上記の穴空け加工は矩形領域を均一に加工する方法で説明したが、SEM鏡筒10の光学軸は観察断面に対して傾斜をもって照射されるため断面位置から離れたところは断面近傍のように深く穴掘りする必要はない。FIBエッチングは時間のかかる作業であるから、本発明では作業効率を考えて次のような加工法ができる。図3に加工すべき試料のFIB鏡筒1側から見た図を示す。FIB鏡筒1の光学軸はこの図において紙面に直交する方向にあり、イオンビームは上方から照射される。したがって、エッチング加工は図面の表側から裏側方向に進行される。これに対しSEM鏡筒10の光学軸は図面に対し横方向の傾斜した方向にあり、電子ビームは左斜め上方から断面部に照射される。このような状況下にあって穴掘り加工は観察断面に対して左側領域について必要であるが、電子ビームの経路を勘案すると左に離れるに従って浅い加工で足りる。そこでここでは幅の狭い短冊形状スリットのアパーチャを用いまず観察断面から最も遠い位置領域aに対してイオンビーム短冊パターン照射を行い、浅い穴をエッチング加工する。次にイオンビーム転写領域を右側の隣接領域bに移動させてエッチング加工を実行する。その際の加工時間は少し長くしてやや深い加工を施す。以下順次転写領域を右に移動させ徐々に深い穴加工を施され、最終的には特定された観察断面まで加工する。その間SEM観察は同時並行して行われるが、電子ビームは図3においてイオンビームが照射されている短冊領域と露出する右側断面壁に対して走査され、加工状況を撮したSEM画像を表示させる。イオンビームは図の紙面表側方向から照射されるためこのSEMにおいて短冊領域については均一なバックグランドとなり、ノイズとはならない。このようにして、本発明の加工を行えば、先のような均一深さの穴掘り加工に比べ加工時間を短縮することができる。
次にFIB鏡筒と、SEM鏡筒を備えた複合装置において、FIB用のアパーチャに加工形状のスリットを備えた複合装置により、イオンビーム加工を行う本発明の方法全般について説明する。まず大きな試料本体に対して加工を施すべき位置を顕微鏡観察により特定するが、この顕微鏡画像はFIB鏡筒1を集束モードとし、SIM画像を得て行う。FIB照射による試料面のダメージについても静止画像を得るだけであるから1回の走査で足り、加工時のように走査を繰り返す必要がないのでダメージの懸念も少ない。あるいは
この加工を施すべき位置の顕微鏡像はSEM画像で得ることもでき、ダメージのない位置決めが可能である。
位置検出ができたならその位置情報をメモリに蓄積し、その位置近傍に対し、保護膜をデポジションする。従来この保護膜のデポジションはFIB−CVDによって行ってきたが、FIBを試料表面に繰り返し照射するためガリウム等のイオンが試料内に打ち込まれたりエッチングを伴ったりするため好ましくない。本発明に係る複合装置にはSEM鏡筒10が設置されているため、この保護膜は電子ビームによるCVDによって形成させるのがダメージの虞が無く好ましい。保護膜が形成されたなら、イオンビームによるエッチング加工を行うのであるが、そのとき必要な加工領域に対応したスリットパターンのアパーチャを選択し、先の検出位置情報に合わせ、イオンビームの照射領域を位置決めする。その位置決めは観察位置を直接加工する場合もあるし、加工深さが異なる場合には前述したように浅い領域から位置決めし加工を進める場合もある。イオンビーム照射による加工時にはSEM観察が並行して行われ、加工状況が逐次確認される。必要な加工がなされたことはこのSEM観察により確認できるので、確認できたところで加工を終了する。
本発明の複合装置に用いられるアパーチャの1実施例を図4に示す。ここに示された例は開口パターンが大円、小円、リング、幅寸法を狭、中、広と異にした矩形、正方形そして台形である。勿論パターンはこれに限られるものではなく適宜作成できる。使用に当たっては加工領域に合致する場合にはそれを選択使用すればよいし、いくつかのパターンを組み合わせて必要加工パターンとすることもできる。後者の場合には組み合わせパターンを順次選択して加工を進めればよい。いずれの場合もFIBを走査して加工パターンを形成させるのではなく領域を均一照射することに変わりはないので、加工領域のSEM信号には均一なバックグランドノイズとなるだけである。
次にイオンビーム照射に起因する均一なバックグランドノイズを検出したSEM信号から除去する手段を備えた1実施例を図5に示す。このバックグランドノイズはFIBのビーム電流に対応したバイアス成分としてSEM信号に重畳していることに鑑み、FIBのビーム電流を検出して補正をすることに想到した。このビーム電流検出には加工領域を決める転写パターンのアパーチャ5を対物レンズOLと試料面間にマスク形態で配置する設計のものが有利である。このマスクを導電体材で構成することにより、ビーム電流検出器を兼用させることができる。すなわち、図5に示すようにFIB鏡筒1の先端側に配置されている対物レンズOLと試料面間にマスク形態で配置されたアパーチャ5を検出電極とし、その開口部周辺の遮蔽されたイオンビームを拾い電流計Aによってビーム電流を検知するのである。この値は図示していないコントローラーを介し二次電子検出器3の出力側に接続されている増幅器APに調整信号として送られ、バックグランドノイズ分のレベルを補正する。
次にイオンビーム照射に起因する均一なバックグランドノイズを検出したSEM信号から除去する手段を備えた上記実施例の変形例を図6に示す。この実施例は図6に示す構成を採るもので、コンデンサレンズCLと対物レンズOL間にもう一つの任意形状のスリットを備えたアパーチャ5aを別途配置したものである。試料近傍のマスク形態のアパーチャ5bの方がビーム電流の検出器として機能し、増幅器に対して検出値に応じたレベル調整をする点は先の実施例と同様である。アパーチャを2つ配置した点にこの変形例の特徴があるが、これは2つのアパーチャの開口パターンを組み合わせることによりより多様な加工パターンを実現できる点に付加効果を有するものである。
次にイオンビーム照射に起因する均一なバックグランドノイズを検出したSEM信号から除去する手段を備えた他の実施例を図7に示す。上記の実施例ではこのバックグランドノイズの原因であるFIBのビーム電流を検出して補正をするものであったが、この実施例ではFIBのビーム電流をあらかじめ計測しており、FIB装置のレンズ光学系の設定条件に割り当てることが可能であることに鑑み、直接ビーム電流を計測しないでこのレンズ光学系の設定条件に基づくレベル調整を行わせることに想到した。図7に示すようにこの実施例では特別な構成要素を備える必要はないが、コントローラ内においてレンズ光学系の設定条件から、ビーム電流を演算し、更にこのビーム電流に基づくバックグランドノイズレベルを演算させて二次電子検出器3の出力側に配置された増幅器APにおいてそのバックグランドノイズレベル分の補正を行わせるものである。
最後に、このバックグランドノイズをフィルターによってカットする実施例を図8に示す。二次電子検出器3で検出したいSEM信号は電子ビームが観察領域をラスタ状に走査に伴うものであるため、電子ビーム照射位置と二次電子検出器3との距離に影響される。そのため、SEM信号には基本的にラスタ走査に伴うレベル変動が現れ、試料面からの二次電子量がその変動分に重畳されたものとなる。したがって、SEM信号は水平走査の周波数成分をもち、FIBノイズは前述したように一定レベルのバイアス信号である。このことに着目し、本実施例では二次電子検出器3の出力側にフィルタを配置して直流成分をカットしてしまう方式を採用した。図8に示すように二次電子検出器3の出力端と増幅器APの入力端の間に交流成分を通し直流分カットのフィルタFを配置してこの方式を実現した。
1…FIB鏡筒
1a…FIB鏡筒のブランキング電極
2…チャンバー
3…二次電子検出器
4…試料ステージ
5、5a、5b…アパーチャ
10…SEM鏡筒
10a…SEM鏡筒のブランキング電極
CL…コンデンサレンズ
OL…対物レンズ
A…電流計
AP…増幅器
F…フィルター

Claims (2)

  1. 試料にイオンビームを照射するFIB鏡筒と、試料のイオンビームを照射する領域に電子ビームを走査照射するSEM鏡筒と、試料から放出された二次電子を検出する二次電子検出器とを有するFIB−SEM複合装置において、
    前記試料を所望の形状に加工するためのスリットを有するFIB用のアパーチャと、
    前記FIB用のアパーチャと接続されたビーム電流検出器と、
    前記ビーム電流検出器で検出したビーム電流値からイオンビーム照射によるノイズレベルを演算し、前記イオンビームと前記電子ビームとを照射することにより前記試料から放出された二次電子の前記二次電子検出器から出力された検出信号から前記イオンビーム照射によるノイズレベルを補正するノイズレベル調整回路と、を有するFIB−SEM複合装置。
  2. 前記FIB用のアパーチャが、前記FIB鏡筒内の対物レンズと前記試料を載置するステージとの間に配置された請求項1に記載のFIB−SEM複合装置
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