JPH0925850A - ロータリ絞り弁式気化器の燃料調整機構 - Google Patents

ロータリ絞り弁式気化器の燃料調整機構

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JPH0925850A
JPH0925850A JP7197042A JP19704295A JPH0925850A JP H0925850 A JPH0925850 A JP H0925850A JP 7197042 A JP7197042 A JP 7197042A JP 19704295 A JP19704295 A JP 19704295A JP H0925850 A JPH0925850 A JP H0925850A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 排ガス規制に対応できるように、機関の低速
域での燃料量を規定値以上に増加できないようにする。 【構成】 気化器本体１２の吸気路４４に絞り孔１７ｂ
を有する円筒状の絞り弁１７を配設し、絞り弁１７の回
転により空気量を制御する。気化器本体１２に固定した
燃料供給管１６に、絞り弁１７に取り付けたニードル１
５を嵌挿し、絞り弁１７の軸方向移動により燃料供給管
１６の燃料噴孔１６ａの開度を加減し、燃料量を制御す
る。絞り弁１７の絞り孔１７ｂと吸気路４４の絞り弁１
７よりも上流側部分とを連通する空気通路４１の途中に
空気量調整弁４３を設ける。空気量調整弁４３により空
気通路４１を流れる空気量を加減し、機関へ供給される
混合気の濃度を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は動力鋸、刈払機など
の携帯作業機の駆動源として用いられる小型２行程内燃
機関に好適なロータリ絞り弁式気化器、特に機関の低速
運転域での排ガス規制を順守するロータリ絞り弁式気化
器の燃料調整機構に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】気化器の低速燃料を調整するには種々の
方法があり、例えば実願平５−８００９号に開示される
ように、気化器本体に固定した燃料供給管と絞り弁の軸
心に支持したニードルとの相対位置により燃料噴孔の開
口面積を変化させるものや、特開昭５２−１３３２号公
報に開示されるように、絞り弁の下流側にパイロツトね
じ方式により燃料を調整するものがある。前者の燃料調
整機構は、絞り弁の角部分に調整部材を設けているの
で、調整が難しいという問題がある。後者の燃料調整機
構は、低速燃料から高速燃料へ切り換わる領域をもつの
で、加速性能や燃料の霧化特性が悪いという問題があ
り、また気化器本体の全長が長くなるので、動力鋸や刈
払機のような携帯作業機に搭載される機関の気化器には
向かない。
【０００３】近年、小型２行程機関を搭載した携帯作業
機にも排ガス規制が適用されるのにに伴い、気化器に低
速燃料量を規制する燃料制限キヤツプを装着することに
より、運転者が低速燃料量を規定値以上に増加できない
構造とすることが提案されている。しかし、燃料制限キ
ヤツプは構造上から絞り弁軸の基端部の狭い部分に配置
されるので、運転者が故意または過失を問わず、破壊し
得ないような強度をもつ構造とすることは難しく、まだ
実用化されていない。
【０００４】特開昭５８−１１０８４７号公報に開示さ
れるロータリ絞り弁式気化器は、図５に示すように、絞
り弁１７の絞り孔１７ｂへ突出する燃料供給管１６に対
する空気の流れを変えるために、つまり絞り弁１７のア
イドル位置における燃料噴孔１６ａに作用する吸気負圧
を変えるために、絞り弁１７の絞り孔１７ｂの壁部に、
吸気路４４の入口へ開口する通孔１７ｃを設けたものが
知られている。これは機関の仕様に応じて通孔１７ｃの
内径が異なる絞り弁１７を選択して取り付けるようにし
たものであり、アイドル位置での燃料量は所定の値に固
定されるものであり、自由に加減することはできない。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上述の
問題に鑑み、ロータリ絞り弁の軸心に燃料供給管とニー
ドルとを配設した気化器において、排ガス規制に対応で
きるように、燃料量を規定値以上に増加できないように
した、ロータリ絞り弁式気化器の燃料調整機構を提供す
ることにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の構成は気化器本体の吸気路に絞り孔を有す
る円筒状の絞り弁を配設し、絞り弁の回転により空気量
を制御し、絞り弁の軸方向移動により気化器本体に固定
した燃料供給管の燃料噴孔に対する絞り弁に取り付けた
ニードルの相対位置を加減して燃料量を制御するロータ
リ絞り弁式気化器において、絞り弁の絞り孔と気化器本
体の吸気路の絞り弁よりも上流側部分とを連通する空気
通路を備えたものである。
【０００７】
【発明の実施の形態】本発明は絞り弁の絞り孔と気化器
本体の吸気路の絞り弁の上流側部分とを連通する空気通
路に、空気量を加減する空気量調整針弁を設け、該空気
量調整針弁により混合気の濃度を排ガス規制値を超えな
いような値に調整するようにしたものである。
【０００８】工場での組立時、空気量調整針弁を完全に
閉じた状態にし、絞り弁の軸心に取り付けたニードルを
排ガス規制上許容される最大燃料量に予め調整する。次
いで、絞り弁の軸心のニードル取付孔に閉止部材を打ち
込み、外部から調整できないようにする。
【０００９】運転者が機関のアイドル運転域の燃料量を
調整する時は、吸気路の絞り弁の上流側部分と絞り弁の
絞り孔とを連通する空気通路を流れる空気量を調整す
る。前記空気通路を流れる空気量を多くすれば混合気は
薄くなり、空気量を少なくすれば混合気は濃くなるが、
この時の混合気の濃度は予め設定されているので、排ガ
ス規制値を超えることはない。つまり、空気量調整針弁
を全開にしても、また空気量調整針弁を取り外したとし
ても、空気量が最大になるだけで、混合気の濃度は濃く
ならないので、排ガス成分の悪化を招くことはない。
【００１０】
【実施例】図１に示すように、ロータリ絞り弁式気化器
は気化器本体１２に、下端が閉鎖された上下方向の円筒
部１３を横切る吸気通路（紙面と直角な方向の通路）を
備えており、円筒部１３に回動可能かつ軸移動可能に嵌
装した絞り弁１７は、前述の吸気路と整合可能の円筒形
の絞り孔１７ｂを備えている。円筒部１３の上端を閉鎖
する蓋板９と絞り弁１７との間に係止したばね１０によ
り絞り弁１７は下方へ付勢され、後述するカム機構へ係
合される。絞り弁１７から上方へ突出する弁軸１７ａ
は、蓋板９を貫通して弁レバー３を結合される。弁レバ
ー３と蓋板９との間に、弁軸１７ａを覆う防塵ブーツ４
が介装される。弁レバー３に支持したスイベル２は、作
業機の運転を操作する手動の加速レバーと遠隔ケーブル
により連結される。
【００１１】上述のカム機構は弁レバー３の下面のカム
面３ａと蓋板９から上方へ突出するフオロア３７とから
構成され、絞り弁１７は弁レバー３の回動量に比例し
て、ばね１０の力に抗して上方へ移動する。この時、絞
り孔１７ｂと気化器本体１２の吸気路との整合面積（絞
り弁１７の開度）が増加し、また絞り弁１７に取り付け
られたニードル１５が上昇し、燃料供給管１６の燃料噴
孔１６ａの開度が増加し、絞り弁１７の開度に対応した
燃料量が燃料噴孔１６ａから絞り弁１７の絞り孔１７ｂ
へ吸引される。
【００１２】燃料供給管１６は基端部を気化器本体１２
の底壁、詳しくは円筒部１３の底壁に設けた取付孔７へ
嵌合され、円筒部１３の底壁に備えたジエツト２０と逆
止弁２６を経て、燃料を所定の圧力に保持する定圧燃料
室３０へ連通される。燃料供給管１６の先端部は絞り弁
１７の絞り孔１７ｂへ突出される。
【００１３】燃料槽の燃料は２行程機関のクランク室の
脈動圧により膜１９を駆動される主燃料ポンプＡを経
て、定圧燃料室３０へ供給される。膜１９は気化器本体
１２と底板２４との間に挟持され、脈動圧導入室１８と
ポンプ室２５とを区画する。膜１９の上下変位に伴い、
燃料槽の燃料は入口管３４、フイルタ２３、図示してな
い逆止弁を備えた通路を経てポンプ室２５へ吸引され、
さらに図示してない逆止弁を備えた通路、流入弁２２を
経て定圧燃料室３０へ供給される。
【００１４】定圧燃料室３０は底板２４とカバー３５の
間に挟持された膜２９の上側に区画され、大気室３３は
膜２９の下側に区画される。底板２４の定圧燃料室３０
の壁部に支軸２１により支持したレバー３２は、一端を
流入弁２２に係止され、他端をばね２７の力により膜２
９の中心の突部へ係合される。定圧燃料室３０の燃料が
少なくなると、大気室３３の圧力により膜２９とレバー
３２がばね２７の力に抗して押し上げられ、レバー３２
が支軸２１を中心として時計方向へ回動し、流入弁２２
が開き、ポンプ室２５の燃料が流入弁２２を経て定圧燃
料室３０へ補給される。定圧燃料室３０の燃料が増加す
ると、膜２９が押し下げられ、レバー３２が支軸２１を
中心として反時計方向へ回動し、流入弁２２が閉じる。
【００１５】機関の始動前に定圧燃料室３０に燃料がな
い場合は、手動の補助燃料ポンプＢを構成するスポイド
４０を繰り返し押し潰すと、定圧燃料室３０の空気は通
路２８を経て入口２８ａから茸状の複合逆止弁３８の周
縁部を押し開いてポンプ室３９へ吸引され、さらに複合
逆止弁３８の扁平に押し潰された円筒部を押し開いて出
口室３１へ流出し、図示してない出口から外部へ排出さ
れる。こうして、定圧燃料室３０が負圧になると、燃料
槽の燃料が入口管３４、フイルタ２３、図示してない逆
止弁を備えた通路を経てポンプ室２５へ吸引され、さら
に図示してない逆止弁を備えた通路、流入弁２２を経て
定圧燃料室３０へ供給される。
【００１６】スポイド４０は周縁部をカバー３５の下面
に環状の押え板３６により結合され、カバー３５の中心
に備えた円筒形の出口室３１に、複合逆止弁３８を係止
される。複合逆止弁３８は傘部の周縁で定圧燃料室３０
に連なる入口２８ａとポンプ室３９との間を閉鎖し、扁
平に押し潰された円筒部でポンプ室３９と出口室３１と
の間を閉鎖する。
【００１７】絞り弁１７の弁軸１７ａの上端部中心に設
けた円筒部４７ａに、筒体４７が抜けないように嵌合固
定される。ニードル１５に結合したヘツド５が筒体４７
へ螺合される。ヘツド５と弁軸１７ａの円筒部４７ａの
底壁との間にばね１４が介装される。つまり、弁軸１７
ａの筒体４７に対しニードル１５のヘツド５を螺動し、
絞り弁１７のアイドル位置における燃料噴孔１６ａの開
度を排ガス規制値を超えないように設定したうえ、筒体
４７へ封止部材６２としてのボールを圧入し、接着剤６
１を充填する。
【００１８】図３に示すように、本発明によれば、アイ
ドル運転での燃料量は、周囲の環境や機関の運転条件に
応じて、燃料供給管１６の周囲の吸気負圧により加減す
る。このため、気化器本体１２の吸気路４４の入口４４
ａと出口４４ｃとの間で断面積が変化する段部４４ｂ
に、気化器本体１２の壁部に形成した空気通路４１の始
端４１ａを開口する。一方、空気通路４１の終端４１ｃ
は途中で屈曲させ、絞り弁１７を嵌挿する円筒部１３へ
開口する。終端４１ｃの向きはアイドル位置における絞
り弁１７の絞り孔１７ｂの方向とほぼ平行にする。
【００１９】気化器本体１２の壁部の空気通路４１の途
中に、終端４１ｃと同軸に並ぶねじ孔４１ｂを設け、ね
じ孔４１ｂに空気量調整針弁４３を螺合する。空気量調
整針弁４３の頭部と気化器本体１２との間に、絞り弁１
７のガタや緩みを抑えるばね４５を介装する。
【００２０】次に、本発明によるロータリ絞り弁式気化
器の燃料調整機構の作用について説明する。工場での組
立に当たつて、空気量調整針弁４３をねじ孔４１ｂにね
じ込んで空気通路４１を閉じたうえ、絞り弁１７のアイ
ドル位置における燃料噴孔１６ａに対するニードル１５
の相対位置すなわち燃料噴孔１６ａの開度を設定し、弁
軸１７ａの筒体４７へ閉止部材６２を嵌合し、かつ接着
剤６１により固定する。こうして、絞り弁１７のアイド
ル位置における燃料噴孔１６ａの開度は、排ガス規制値
を超えないように予め決定される。
【００２１】空気量調整針弁４３が閉じている状態で
は、機関のアイドル運転で気化器の吸気路４４へ流入す
る空気は、全量が絞り弁１７の絞り孔１７ｂを経て吸気
路４４の出口４４ｃへ流れる。この時の燃料供給管１６
の燃料噴孔１６ａに作用する吸気負圧が最も強く、した
がつて、燃料噴孔１６ａから流れ出る燃料量も最大にな
り、最も濃い混合気が機関へ供給される。アイドル運転
域での燃料量Ｑは、図４に線Ｃで示すように、絞り弁１
７の開度θに対応して変化する。
【００２２】一方、機関の運転環境や使用条件に対応し
て燃料量を加減する時は、空気量調整針弁４３を開く。
空気量調整針弁４３の開度に応じて、吸気路４４から空
気通路４１を迂回する空気の量が増加し、燃料供給管１
６の燃料噴孔１６ａに作用する吸気負圧が大気圧に近づ
き、燃料噴孔１６ａから絞り孔１７ｂへ吸引される燃料
量が少なくなる。空気量調整針弁４３を全開にした時の
燃料量Ｑは、図４に破線Ｄで示すように、空気量調整針
弁４３を閉じた時よりも少なくなる。
【００２３】
【発明の効果】本発明は上述のように、絞り弁の絞り孔
と気化器本体の吸気路の絞り弁よりも上流側部分とを連
通する空気通路を備えたものであり、工場組立時に機関
の低速運転に対応する燃料量を、排ガス規制を超えない
ような値に固定する一方、前記空気量調整弁により空気
通路を流れる空気量を加減し、機関へ供給される混合気
の濃度を調整するものであるから、空気量調整弁をいか
ように操作しあるいは空気量調整弁を外しても、機関へ
供給される混合気の濃度が排ガス規制値を超えるような
無謀な運転を阻止できる。
【００２４】燃料量を直接調整するニードルについて
は、工場組立時に予めアイドル運転での燃料量を設定
し、設定後は燃料量を調整できないように、ニードル取
付部を閉鎖部材により塞ぎ、ニードル取付部を接着剤に
より固定してあるから、運転者が外部からニードルを調
整することはできない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るロータリ絞り弁式気化器の燃料調
整機構の正面断面図である。
【図２】同ロータリ絞り弁式気化器の要部を拡大して示
す正面断面図である。
【図３】同燃料調整機構の要部を拡大して示す平面断面
図である。
【図４】同燃料調整機構の特性を表す線図である。
【図５】従来のロータリ絞り弁式気化器の要部を拡大し
て示す平面断面図である。
【符号の説明】
Ａ：主燃料ポンプ Ｂ：補助燃料ポンプ ３：弁レバー
３ａ：カム面 ５：ヘツド ９：蓋板 １０：ばね
１２：気化器本体 １３：円筒部 １５：ニードル １
６：燃料供給管 １６ａ：燃料噴孔 １７：絞り弁 １
７ａ：弁軸 １７ｂ：絞り孔 １８：脈動圧導入室 １
９：膜 ２０：ジエツト ２５：ポンプ室２６：逆止弁
２９：膜 ３０：定圧燃料室 ３３：大気室 ３９：
ポンプ室４１：空気通路 ４１ａ：始端 ４１ｂ：ねじ
孔 ４１ｃ：終端 ４３ 空気量調整弁 ４４：吸気路
４４ａ：入口 ４４ｂ：段部 ４４ｃ：出口 ６１：
接着剤 ６２：閉止部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】気化器本体の吸気路に絞り孔を有する円筒
    状の絞り弁を配設し、絞り弁の回転により空気量を制御
    し、絞り弁の軸方向移動により気化器本体に固定した燃
    料供給管の燃料噴孔に対する絞り弁に取り付けたニード
    ルの相対位置を加減して燃料量を制御するロータリ絞り
    弁式気化器において、絞り弁の絞り孔と気化器本体の吸
    気路の絞り弁よりも上流側部分とを連通する空気通路を
    備えたことを特徴とする、ロータリ絞り弁式気化器の燃
    料調整機構。
  2. 【請求項２】前記空気通路に空気量調整針弁を設け、空
    気通路の空気量を連続的に加減する、請求項１に記載の
    ロータリ絞り弁式気化器の燃料調整機構。
  3. 【請求項３】前記燃料供給管へ先端が嵌挿するニードル
    の前記絞り弁に対する基端取付部に、低速燃料量の設定
    後に外部から調整できないように閉止部材を嵌合した、
    請求項１に記載のロータリ絞り弁式気化器の燃料調整機
    構。
  4. 【請求項４】前記燃料供給管へ先端が嵌挿するニードル
    の前記絞り弁に対する基端取付部に、低速燃料量の設定
    後に外部から調整できないように閉止部材を嵌合したう
    え接着剤を塗布した、請求項１に記載のロータリ絞り弁
    式気化器の燃料調整機構。
  5. 【請求項５】前記閉止部材はボール、円柱、円板の内の
    いずれかである、請求項３，４のいずれかに記載のロー
    タリ絞り弁式気化器の燃料調整機構。
JP7197042A 1995-07-10 1995-07-10 ロータリ絞り弁式気化器の燃料調整機構 Expired - Fee Related JP2968707B2 (ja)

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