JPH09255878A - 樹脂組成物および油状ゲル組成物 - Google Patents

樹脂組成物および油状ゲル組成物

Info

Publication number
JPH09255878A
JPH09255878A JP8069995A JP6999596A JPH09255878A JP H09255878 A JPH09255878 A JP H09255878A JP 8069995 A JP8069995 A JP 8069995A JP 6999596 A JP6999596 A JP 6999596A JP H09255878 A JPH09255878 A JP H09255878A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
meth
acrylate
resin
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8069995A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Nagamura
洋 長村
Tomonori Gomi
知紀 五味
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP8069995A priority Critical patent/JPH09255878A/ja
Publication of JPH09255878A publication Critical patent/JPH09255878A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸油性と保型性と柔軟性とを同時に向上させ
る。 【解決手段】 吸油性樹脂(I)80〜99重量%と、
熱可塑性樹脂および/またはエラストマー(II)20〜
1重量%とを有する樹脂組成物、および上記樹脂組成物
に対し油状物質を吸油させた油状ゲル組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リモネン等の香料
や、クロロホルム等の有機溶媒等の油状物質を吸油する
樹脂組成物、および上記油状物質を含有する上記樹脂組
成物からなる油状ゲル組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、有機溶媒等の油状物質を収納した
ドラム缶から漏れた上記油状物質を回収する回収処理に
対し、上記油状物質を効率よく吸油する吸油性物に対す
る要求が増加している。
【0003】そこで、特開平3−272766号公報で
は、上記の吸油性物としての吸油性樹脂に対し、香料成
分を油状物質として含有してなる、上記の油状ゲルとし
てのゲル状芳香剤組成物が開示されている。
【0004】また、上記のような吸油性物として、特開
平4−89883号公報には、吸油性樹脂1〜75重量
%と、熱可塑性樹脂99〜25重量%とからなる油用シ
ール材が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
特開平3−272766号公報では、その吸油性樹脂
を、その吸油性に着目して、例えば、有機溶媒を収納し
たドラム缶から漏れた上記有機溶媒を回収する処理に対
し、上記ドラム缶の外周縁部に沿うように付着させて用
いた場合、油状物質を吸油して膨潤した上記吸油性樹脂
の強度不足から上記吸油性樹脂の形状を維持できず、上
記外周縁部への密着性の低下により吸油性が劣化して、
漏れた油の回収効率が低下するという問題を生じてい
る。
【0006】また、前記従来の特開平4−89883号
公報では、上述のように、ドラム缶の外周縁部に沿うよ
うに装着させて用いた場合、膨潤率が最大で280%程
度であり、吸油性が低いため、用いる量を多くする必要
があり、装着に手間取るという問題や、成形した油状シ
ール材が固いものであるので、上記外周縁部のように曲
線状に沿わせて用いるときに上記曲線に沿うように予め
成形しておく必要があり、装着に手間取り、また、突発
的な油状物質の漏れといった緊急時への対応が困難であ
るという問題を生じている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の樹脂組成物は、
以上の課題を解決するために、吸油性樹脂(I)80〜
99重量%と、熱可塑性樹脂および/またはエラストマ
ー(II)20〜1重量%とを有することを特徴としてい
る。
【0008】上記の構成によれば、吸油性樹脂(I)8
0〜99重量%に対し、熱可塑性樹脂および/またはエ
ラストマー(II)を1〜20重量%有することにより、
上記構成による成形品は、強度と共に弾性を備えてお
り、かつ、その弾性によって高い吸油性を備えることが
可能となる。
【0009】したがって、上記構成では、例えばシート
状に成形した成形品を、油状物質を貯蔵したドラム缶等
の油状物質の漏洩部分、例えばドラム缶の曲線部分とな
る外周縁部に沿わせて用いた場合でも、上記外周縁部に
対して容易に沿わせることができ、かつ、その高い吸油
性により漏洩した油状物質を効率よく回収できる。
【0010】また、油状物質を吸油して膨潤した上記構
成においても、熱可塑性樹脂および/またはエラストマ
ー(II)を1〜20重量%有することによる弾性によ
り、その形状を維持できる程度に強度を保持できるの
で、従来のように、形状が維持できず密着性が低下する
ことによる回収効率の低下が回避される。
【0011】さらに、上記構成では、高い吸油性と弾性
とを有することにより、従来のように用いる量を多くし
て、装着に手間取るという問題を回避できる。また、従
来の油状シール材は、固いことから、ドラム缶の外周縁
部のように曲線状に沿わせて用いるときに上記曲線に沿
うように予め成形しておく必要があり、装着に手間取
り、また、突発的な油状物質の漏れといった緊急時への
対応が困難であるという問題を生じていたが、上記構成
では、そのような問題を防止できる。
【0012】本発明の油状ゲル組成物は、上記樹脂組成
物からなる成形体(X)と、上記成形体(X)に含有さ
せた油状物質(Y)とを有することを特徴としている。
【0013】近年、室温にて相変化することにより熱を
効率よく放出したり吸熱したりするパラフィン等の油状
物質を有する蓄熱剤として、上記油状物質を吸油した吸
油性物である油状ゲルを、冷却枕や温湿布剤に用いる場
合、上記油状ゲルに対し、保型性と共に、人の頭等の曲
面部に沿わせて密着させるための柔軟性が求められてい
る。
【0014】上記の構成によれば、熱可塑性樹脂および
/またはエラストマー(II)を1〜20重量%有するこ
とによって、保型性と共に弾性による柔軟性を有するの
で、油状物質として、例えばパラフィンを用いて上記油
状ゲル組成物を蓄熱剤として用いた場合、樹脂組成物の
高い吸油性により多くのパラフィンを保持できると共
に、油状ゲル組成物の形状を維持しながら、冷却または
温熱する対象物に対して、上記対象物が曲面であって
も、上記対象物に対し密着させることができることか
ら、熱を効率よく放出したり、吸収したりできる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について説明
すれば、以下の通りである。本発明の樹脂組成物は、吸
油性樹脂(I)80〜99重量%、より好ましくは81
〜95重量%と、熱可塑性樹脂および/またはエラスト
マー(II)20〜1重量%、より好ましくは19〜5重
量%とを有するものである。
【0016】本発明の油状ゲル組成物は、上記樹脂組成
物からなる成形体(X)と、上記成形体(X)に含有さ
せた油状物質(Y)とを有するものである。なお、本明
細書では、重量%の記載は、常に合計が100重量%と
なるように配合されることを示す。
【0017】上記吸油性樹脂(I)としては、単量体
(A)と架橋性単量体(B)からなる単量体成分を共重
合して得られたものを挙げることができる。上記単量体
(A)としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、iso-ブチル(メタ)
アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)
アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステア
リル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレ
ート、オクチルフェニル(メタ)アクリレート、ノニル
フェニル(メタ)アクリレート、ジノニルフェニル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、メンチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メ
タ)アクリレート、ジブチル(メタ)アクリレート、ジ
ブチルマレエート、ジドデシルマレエート、ドデシルク
ロトネート、ジドデシルイタコネートなどの不飽和カル
ボン酸エステル;(ジ)ブチル(メタ)アクリルアミ
ド、(ジ)ドデシル(メタ)アクリルアミド、(ジ)ス
テアリル(メタ)アクリルアミド、(ジ)ブチルフェニ
ル(メタ)アクリルアミド、(ジ)オクチルフェニル
(メタ)アクリルアミドなどの炭化水素基を有する(メ
タ)アクリルアミド;1-ヘキセン、1-オクテン、イソオ
クテン、1-ノネン、1-デセンなどのα−オレフィン;ビ
ニルシクロヘキサン等の脂環式ビニル化合物;ドデシル
アリルエーテル等の炭化水素基を有するアリルエーテ
ル;カプロン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、パルミチン
酸ビニル、ステアリル酸ビニルなどの炭化水素基を有す
るビニルエステル;ブチルビニルエーテル、ドデシルビ
ニルエーテルなどの炭化水素基を有するビニルエーテ
ル;スチレン、t-ブチルスチレン、オクチルスチレン等
の芳香族ビニル化合物などを挙げることができ、これら
の単量体を1種または2種以上用いることができる。こ
れらの中でも、より優れた吸油性能および保油性能を与
える単量体として、少なくとも1個の炭素数3〜30の
脂肪族炭化水素基を有し、かつ、アルキル(メタ)アク
リレート、アルキルアリール(メタ)アクリレート、ア
ルキル(メタ)アクリルアミド、アルキルアリール(メ
タ)アクリルアミド、脂肪酸ビニルエステル、アルキル
スチレンおよびα−オレフィンからなる群より選ばれる
少なくとも1種の不飽和化合物(a)を主成分とする単
量体(A)が特に好ましい。
【0018】前記の架橋性単量体(B)としては、分子
中に少なくとも2個の重合性不飽和単量体を有する架橋
性単量体であって、例えば、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート、N,N'- メチレンビスアクリルアミド、N,N'- プ
ロピレンビスアクリルアミド、グリセリントリ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)ア
クリレート、多価アルコール(例えばグリセリン、トリ
メチロールプロパンテトラメチロールメタン)のアルキ
レンオキシド付加物と(メタ)アクリル酸とのエステル
化によって得られる多官能(メタ)アクリレートやジビ
ニルベンゼンなどが好ましく、これらの架橋性単量体を
1種または2種以上用いることができる。
【0019】本発明の吸油性樹脂(1)は、例えば懸濁
重合によって得られる重合体である。懸濁重合は、前記
単量体成分を、水性媒体中にポリビニルアルコール、ヒ
ドロキシエチルセルロース、ゼラチンなどの保護コロイ
ド剤や、アルキルスルホン酸ナトリウム、アルキルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、脂肪酸石鹸などの界面活性剤を用いて行う
ことができる。また、必要に応じて、単量体成分を水不
溶性の有機溶媒に溶解させてから懸濁重合させることも
できる。
【0020】油溶性ラジカル重合開始剤としては、例え
ばベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイ
ド、クメンハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化
物;2,2'- アゾビスイソブチロニトリル、2,2'- アゾビ
スジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物などを挙げ
ることができる。上記重合開始剤は、一般に、単量体成
分の対して0.1〜5重量%の範囲内で用いることがで
きる。重合温度は、単量体成分の種類や重合開始剤の種
類により0〜150℃の範囲内で適宜選択することがで
きる。
【0021】上記の吸油性樹脂(1)に対して配合する
前記の熱可塑性樹脂および/またはエラストマー(II)
としては、各種の熱可塑性樹脂および/またはエラスト
マーの中から適宜選んで用いることができる。
【0022】熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体
のケン化物、エチレン−イソブチレン共重合体、エチレ
ン−アクリル酸塩共重合体、エチレン−アクリル酸エス
テル共重合体、塩化ビニル重合体、ポリウレタン、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹
脂、ポリアミド、ポリ酢酸ビニルなどを挙げることがで
きる。
【0023】また、エラストマーとしては、例えば、エ
チレン−プロピレンゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイ
ソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、クロ
ロプレンゴム、フッ素ゴム、ケイ素ゴム、ウレタンゴ
ム、多硫化ゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、エピクロ
ルヒドリンゴム、天然ゴム等を挙げることができる。
【0024】このような本願の樹脂組成物は、油状物質
を効率よく吸収でき、かつ、成形品としたときの適度な
強度と弾性とを有することによって、漏油処理剤(フレ
キシビリティーを有しドラム缶などへの装着が容易)、
オイルフェンス、漏油センサー、オイルシール材、イン
ク溶剤吸収剤、OA用ゴムローラー、フィルター、記録
材料、ドリップ吸収材(鮮魚などの包装容器)、玩具、
化粧用具、洗浄用具、医療用品等に好適に用いることが
できる。
【0025】前記の油状物質としては、n-ヘキサン、n-
デカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系オイル;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系オイル;ガソ
リン、ケロシン、A重油、B重油、スピンドル油、Bマ
シン油、プロセスオイル等の石油系オイル;クロロホル
ム、四塩化炭素、トリクロロエタン、トリクロロエチレ
ン等のハロゲン化炭化水素系有機溶媒;エタノール、n-
ブタノール、n-オクタノール等のアルコール系有機溶
媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル
系有機溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等の
エステル系有機溶媒;アセトン、メチルイソブチルケト
ン等のケトン系有機溶媒;大豆油等の油脂系オイル;オ
レイン酸等の長鎖脂肪酸系オイル;ドデシルアミン等の
長鎖アミン系オイル;リモネン、シトロネロール、イソ
アミルアセテート、メチルヨノン、リリアール、フェネ
チルアルコール等の香料;エムペンスリン、オイゲノー
ル、クロロベンジレート、カブタン等の防虫剤(殺虫
剤、殺菌剤を含む);フタル酸アルキルエステル、いわ
し油、いか肝油、昆虫油等の誘引剤(集魚剤や、疑似餌
を含む)または忌避剤;デカノール等の消泡剤;ノルマ
ルパラフィン、イソパラフィン、パラフィン、灯油、ヘ
キサノール等の固形燃料材料または着火剤材料;フェニ
ルサリシレート等の紫外線吸収材料;デカノール等のイ
オン電極膜;ノルマルパラフィン、イソパラフィン、パ
ラフィン等の蓄熱剤(枕、湿布を含む)材料;プロセス
オイル、フタル酸ジオクチル等の制震材料などを挙げる
ことができる。
【0026】
【実施例】本発明の一実施例について説明すれば、以下
の通りであるが、本発明は以下の実施例に限定されるも
のではない。なお、以下の実施例中に記載された「部」
および「%」は、重量基準とする。
【0027】本発明の樹脂組成物は、吸油性樹脂(I)
と、熱可塑性樹脂および/またはエラストマー(II)と
を有するものである。また、本発明の油状ゲル組成物
は、上記の樹脂組成物からなる成形体(X)と、上記成
形体(X)に含有させた油状物質(Y)とを有するもの
である。
【0028】まず、上記吸油性樹脂(1)について説明
すると、温度計、攪拌機、ガス導入管および還流冷却器
を備えた500mlのフラスコに、3部のポリオキシエ
チレンアルキルエーテル(株式会社日本触媒製、商品
名:ソフタノール150)、300部の水に溶解して仕
込み、攪拌下、フラスコ内を窒素置換し、窒素気流下に
て40℃に加熱した。
【0029】その後、フラスコ内に対し、99.823
部のドデシルアクリレート(単量体(A)、SP値7.
9)、0.177部のエチレングリコールジアクリレー
ト(架橋性単量体(B))、および重合開始剤として、
0.5部のベンゾイルパーオキサイドからなる溶液を一
度に加え、回転数750rpmの条件下にて激しく攪拌
した。
【0030】続いて、同様に、攪拌しながら、フラスコ
内の温度を80℃に昇温し、同温度を2時間維持して重
合反応を行い、その後、さらに、フラスコ内を90℃に
昇温し、同温度を2時間維持して重合反応を完了させた
ことにより、平均粒径30μmの吸油性重合体(1)を
含む水分散体(樹脂純分25重量%)を得た。
【0031】また、1.5部の前記ポリオキシエチレン
アルキルエーテルを、150部の水に溶解した水溶液中
に、3部のステアリン酸アルミニウム微粉体(平均粒径
5μm)、2部の疎水性シリカ(日本シリカ製、ニップ
シールSS−70、M値:65)微粉末(平均粒径:4
μm)を加え、300rpmの条件下で攪拌し、ステア
リン酸アルミニウムおよび疎水性シリカの水分散体を得
た。
【0032】ついで、上記水分散体に対し、前記の吸油
性重合体(1)を含む水分散体を、80部、徐々に加え
10分間攪拌を続け、吸油性重合体(1)とステアリン
酸アルミニウムおよび疎水性シリカとからなる凝集物を
得た。この凝集物をろ別し80℃で乾燥後に解砕するこ
とにより上記吸油性重合体(1)20部、ステアリン酸
アルミニウム3部および疎水性シリカ5部からなる平均
粒径2mmの大きさに造粒された吸油性樹脂(1)を得
た。
【0033】なお、上記吸油性樹脂(1)では、ステア
リン酸アルミニウム、および疎水性シリカの添加によっ
て、吸油速度の改善、取扱い性(流動性改善、粘着性解
消)の向上、油吸収時のゲルブロックの発生の防止等の
効果が発揮される。
【0034】続いて、本願発明の樹脂組成物(1)につ
いて説明すると、まず、540部の上記吸油性樹脂
(1)と、100部のスチレンブタジエンゴム(エラス
トマー、日本合成ゴム社製、商品名:1502)、2部
の加硫促進剤、3部の酸化亜鉛、3部のステリン酸、2
部の硫黄をロール径15cmのオープンロール機(森山
製作所製)にて50℃の温度条件下、前ロール9.1r
pm/後ロール10.3rpmのロール速度にて5分間
混練を行うことにより、本願発明の樹脂組成物(1)を
得た。さらに、この樹脂組成物(1)を160℃の温度
条件下でプレス成形することにより厚さ1mmのシート
状ゴム体である上記樹脂組成物(1)の成形品(1)を
成形体(X)として得た。
【0035】次いで、上記成形品(1)を、例えば5c
m×5cmに裁断した後、油状物質(Y)としてのノル
マルパラフィン中に72時間浸漬することにより、上記
成形品(1)が上記ノルマルパラフィンを吸収すること
によって、9cm×9cm、厚さ1.8mm(容積増加
約500%)に膨潤したシート状の油状ゲル組成物
(1)を得た。
【0036】このような油状ゲル組成物(1)は、ノル
マルパラフィンが有する相転移による潜熱の出入りを利
用して、例えば蓄熱剤として用いることができ、弾性を
有することにより、例えば頭部のような曲面に容易に沿
うように密着させて用いることができる。
【0037】その際、上記油状ゲル組成物(1)は、曲
面に固定するためにベルト等により押圧(1kg/cm
2 程度)されても、油状ゲル組成物(1)が有する強度
によって、油状ゲル組成物(1)の形状を安定に維持で
きると共に、そのような押圧によっても油状物質である
ノルマルパラフィンが外部に漏出することが回避され、
さらに高い吸油性(約5倍量の吸油性能)を有してい
た。よって、油状ゲル組成物(1)は、熱の放出および
吸収を安定に、かつ、効率よく行うことができるものと
なっている。
【0038】このように本願発明の油状ゲル組成物で
は、熱可塑性樹脂および/またはゴム成分であるエラス
トマーを有することによって、取扱い性(流動性改善、
粘着性解消)の向上の効果が発揮される。
【0039】また、上記実施例では、得られた樹脂組成
物(1)に対し、吸油させる油状物質として、ノルマル
パラフィンを用いた例を挙げたが、特に上記に限定され
ることはなく、他の油状物質、例えば、脂肪族炭化水素
系、芳香族炭化水素系、石油系、ハロゲン化炭化水素
系、アルコール系、エーテル系、エステル系、ケトン
系、油脂系、長鎖脂肪酸系、長鎖アミン系の各化合物を
挙げることができる。
【0040】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、以上のように、
吸油性樹脂(I)80〜99重量%と、熱可塑性樹脂お
よび/またはエラストマー(II)20〜1重量%とを有
する構成である。
【0041】それゆえ、上記構成は、熱可塑性樹脂およ
び/またはエラストマー(II)を1〜20重量%有する
ことにより、上記構成による成形品は、強度と共に弾性
を備えており、かつ、その弾性によって高い吸油性を備
えることが可能となる。
【0042】したがって、上記構成では、例えばシート
状に成形した成形品を、油状物質を貯蔵したドラム缶等
の油状物質の漏洩部分、例えばドラム缶の曲線部分とな
る外周縁部に沿わせて用いた場合でも、上記外周縁部に
対して容易に沿わせることができ、かつ、その高い吸油
性により漏洩した油状物質を効率よく回収できるという
効果を奏する。
【0043】本発明の油状ゲル組成物は、上記の樹脂組
成物からなる成形体(X)と、上記成形体(X)に含有
させた油状物質(Y)とを有する構成である。
【0044】それゆえ、上記構成は、高い吸油性と保型
性と共に弾性による柔軟性を有するので、油状物質とし
て、例えばパラフィンを用いて上記油状ゲル組成物を蓄
熱剤として用いた場合、樹脂組成物の高い吸油性によっ
て、より多くのパラフィンを保持できると共に、油状ゲ
ル組成物の形状を維持しながら、冷却または温熱する対
象物に対して、上記対象物が曲面であっても、上記対象
物に対し密着させることができることから、熱を、安
定、かつ効率よく放出したり、吸収したりできるという
効果を奏する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸油性樹脂(I)80〜99重量%と、熱
    可塑性樹脂および/またはエラストマー(II)20〜1
    重量%とを有することを特徴とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の樹脂組成物からなる成形体
    (X)と、上記成形体(X)に含有させた油状物質
    (Y)とを有することを特徴とする油状ゲル組成物。
JP8069995A 1996-03-26 1996-03-26 樹脂組成物および油状ゲル組成物 Pending JPH09255878A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8069995A JPH09255878A (ja) 1996-03-26 1996-03-26 樹脂組成物および油状ゲル組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8069995A JPH09255878A (ja) 1996-03-26 1996-03-26 樹脂組成物および油状ゲル組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09255878A true JPH09255878A (ja) 1997-09-30

Family

ID=13418778

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8069995A Pending JPH09255878A (ja) 1996-03-26 1996-03-26 樹脂組成物および油状ゲル組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09255878A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012024614A2 (en) * 2010-08-20 2012-02-23 The Penn State Research Foundation Methods and materials for hydrocarbon recovery
US9861954B2 (en) 2015-09-17 2018-01-09 The Penn State Research Foundation Polyolefin interpenetrated network material for hydrocarbon recovery

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012024614A2 (en) * 2010-08-20 2012-02-23 The Penn State Research Foundation Methods and materials for hydrocarbon recovery
WO2012024614A3 (en) * 2010-08-20 2012-08-02 The Penn State Research Foundation Methods and materials for hydrocarbon recovery
US9109057B2 (en) 2010-08-20 2015-08-18 The Penn State Research Foundation Methods and materials for hydrocarbon recovery
US9688895B2 (en) 2010-08-20 2017-06-27 The Penn State Research Foundation Methods and materials for hydrocarbon recovery
US9861954B2 (en) 2015-09-17 2018-01-09 The Penn State Research Foundation Polyolefin interpenetrated network material for hydrocarbon recovery

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3258660B2 (ja) 吸収速度の速い高度に有効な表面積を有するしわのある吸収剤粒子
US6248849B1 (en) Precipitation polymerization process for producing an oil adsorbent polymer capable of entrapping solid particles and liquids and the product thereof
US5830967A (en) Process for producing an oil and water adsorbent polymer capable of entrapping solid particles and liquids and the product thereof
US4948818A (en) Method of making porous hydrophilic-lipophilic copolymeric powders
US6107429A (en) Process for producing an oil and water adsorbent polymer capable of entrapping solid particles and liquids and the product thereof
JPH10244152A (ja) 吸油性コポリマーおよびその製造方法
JPH0884927A (ja) 親水性の高膨潤性ヒドロゲル
US5135660A (en) Method of recovering oil from the surface of water
JP2738640B2 (ja) 吸油材
JPH09255878A (ja) 樹脂組成物および油状ゲル組成物
JP2008156491A (ja) 中空状吸水性樹脂
JP3083594B2 (ja) 膨潤性吸油剤の製造方法
JPH03137105A (ja) 高吸着性共重合体の製造方法
JP2550262B2 (ja) 吸油剤
JPH0931203A (ja) 親水性の高膨潤性ヒドロゲル
JP3805531B2 (ja) N−ビニルカルボン酸アミド系架橋共重合樹脂からなる吸油剤およびその製造方法
JPH0680955A (ja) 粒状吸油剤の製造方法
JP2813224B2 (ja) 膨潤性吸油剤
JP2706170B2 (ja) 吸油材
JPH09276383A (ja) 吸油性樹脂およびその製造方法、並びに芳香剤組成物
JP2733190B2 (ja) 吸油剤
JPH01156304A (ja) 吸水性微小粒子の製造方法
JP2000218154A (ja) マイクロカプセルの製法
JP2554425B2 (ja) 吸油材
JPH0680889A (ja) 粒状吸油剤の製造方法