JPH09252712A - 濃厚抽出液の製造方法及び装置 - Google Patents

濃厚抽出液の製造方法及び装置

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JPH09252712A
JPH09252712A JP8092967A JP9296796A JPH09252712A JP H09252712 A JPH09252712 A JP H09252712A JP 8092967 A JP8092967 A JP 8092967A JP 9296796 A JP9296796 A JP 9296796A JP H09252712 A JPH09252712 A JP H09252712A
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JP8092967A
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Toshio Furukawa
俊夫 古川
Shoichi Aoyama
祥一 青山
Kotaro Nobuhara
弘太郎 延原
Masamichi Osaki
勝通 大崎
Akira Arai
晃 荒井
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Original Assignee
Kikkoman Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】香味のバランスがよく、清澄かつ濃厚な抽出液
を迅速に製造する。 【解決手段】抽剤の入口8及び抽出液9の出口を備えた
第1の抽出機2、第1の抽出機8の抽出残渣のさらなる
抽出を行う第2の抽出機3、第2の抽出機3による抽出
液の濾過を行う濾過機4、及び濾過機4による濾過液の
濃縮を行う逆浸透膜濃縮機5で濃厚抽出液の製造装置1
を構成する。そして、逆浸透膜濃縮機5と第1の抽出機
2を連結し、逆浸透膜濃縮機5で濃縮された抽出液を第
1の抽出機2の抽剤として用いるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は香味のバランスが
よく、清澄な濃厚抽出液を効率的に製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】本出願人は先に、「濃厚だしの製造方
法」(特開平7−222570)を出願した。この出願
は、香味のバランスがよく、清澄な濃厚だしを得ること
を目的とし、まず、節類に温水を接触させて呈味成分を
含む抽出液を得、抽出液と抽出残渣とに分離し、その抽
出残渣にさらに温水を接触させて芳香成分をさらに抽出
する。次いで芳香成分を含む抽出液を限外濾過膜により
濾過して懸濁成分を除去した後、得られた清澄な濾液を
逆浸透膜により濃縮し、該濃縮液を呈味成分を含む前記
抽出液と混合し濃厚だしを得るよう構成したものであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記抽出液に
おいては、最初の抽出工程の抽出残渣に再度温水を接触
させて得られた第2回目における抽出工程の抽出液全量
を限外濾過膜、次いで逆浸透膜による処理を順次行って
いるため、特に逆浸透膜処理の工程に多大な負荷がかか
り、工程全体として効率の低下を招いていた。
【0004】すなわち、前記方法によれば逆浸透膜処理
の工程においては、第2回目の抽出液のエキス濃度を少
なくとも最初の抽出工程による抽出液のエキス濃度程度
までは濃縮する必要がある。つまり、その程度まで第2
回目の抽出液を逆浸透膜処理工程で濃縮すると、逆浸透
膜に対して負担がかかり過ぎ透過流束の低下を招き、膜
の寿命を縮める原因となっていた。また、濃縮時に透過
液側に香気成分も逸流し収率が低下する等の解決すべき
問題点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる現状に鑑み本願発
明者は鋭意研究の結果、第2回目の抽出工程の抽出液を
逆浸透膜で濃縮するに際し、濃縮度を低く押さえ得られ
た濃縮液を最初の抽出工程における抽剤として用いるこ
とにより、逆浸透膜処理工程の負担を減らすことがで
き、効率的に濃厚だしを製造することが可能であること
を知見し本願発明を完成させた。
【0006】すなわち本願発明は、被抽出物に抽剤を接
触させてエキス分を抽出し濃厚抽出液を製造する方法に
おいて、第1の抽出操作で抽出液を得て、該第1の抽出
操作による抽出残渣にさらに第2の抽出操作にて抽剤を
接触させてエキス分を抽出した後、該抽出液を濾過し、
次いで濾過された抽出液を濃縮し、その濃縮液を第1の
抽出操作の抽剤として用い抽出操作を行い、第1の抽出
操作で得られる抽出液を製品とすることを特徴とする濃
厚抽出液の製造方法、並びに抽剤の入口及び抽出液の出
口を備えた第1の抽出機、第1の抽出機の抽出残渣のさ
らなる抽出を行う第2の抽出機、第2の抽出機による抽
出液の濾過を行う濾過機、及び濾過機による濾過液の濃
縮を行う逆浸透膜濃縮機より構成され、逆浸透膜濃縮機
と第1の抽出機を連結し、逆浸透膜濃縮機で濃縮された
抽出液を第1の抽出機の抽剤として用いるようにしたこ
とを特徴とする濃厚だしの製造装置である。
【0007】
【発明の実施の形態】本願発明において被抽出物として
は、特に限定はないが、カツオ節、宗田節、サバ節など
の節類、紅茶、緑茶等の茶類、あるいはコーヒー等が好
適である。本願発明において、抽出操作は2段階で行う
が、まず第1の抽出操作すなわち第1の抽出機による工
程では、節類に抽剤を接触させて、主として呈味成分を
抽出する。第1の抽出機としては、通常の抽出装置を利
用することができ、例えば円筒抽出管に節類を投入しそ
こに抽剤を注入して抽出を行う円筒抽出機等が有効であ
る。第1の抽出は、粉砕した節類に対し重量比で2〜5
倍量、好ましくは3〜4倍量の抽剤を用いて行なう。ま
た、抽剤の温度は90〜110℃、特に95〜105℃
であることが好ましい。
【0008】第1の抽出操作において、抽剤として温水
を導入するのは最初のサイクルのみで、それ以降のサイ
クルにおいては、後述する逆浸透膜濃縮機による濃縮液
を抽剤として用いる。被抽出物に対する抽剤の量は上記
の通りで、濃縮液の濃度を調整して抽剤の量をある一定
の量に規定する。被抽出物は、抽出液の濃度を検出しあ
る程度以下になったら、順次入れ換える。
【0009】そして次に第2の抽出操作すなわち第2の
抽出機による工程では、第1の抽出操作で得られた抽出
残渣に抽剤をさらに接触させて、主として芳香成分を抽
出する。第2抽出は、該抽出残渣に対し重量比で10〜
40倍量、好ましくは15〜25倍量の抽剤を用いて行
なう。また、抽剤の温度は90〜100℃、特に95〜
100℃であることが好ましい。本工程においては、節
類のエキス分が第1の抽出操作におけるものより低下し
ているため、より接触効率のよい攪拌式抽出機を用いる
と有効である。すなわち、第1の抽出操作で得られる抽
出残渣全量を攪拌機を備えた攪拌式抽出機に抽剤と共に
投入し、攪拌しながら抽出するのである。
【0010】第2の抽出操作における抽剤は、主に後述
する逆浸透膜濃縮機による濃縮液であるが、それに温水
を加えたものも抽剤とする。加える温水の量は、製品と
して系外に出てゆく量、抽出残渣に吸収される量は最低
限必要で、その他工程のロス分を加える必要がある。
【0011】第2の抽出機による抽出液は、抽出液と抽
出残渣が混在したスラリー状をしており、そのままでは
濃縮できない。そこでその抽出液を予め濾過するわけで
あるが、手段としては、珪藻土濾過、精密濾過、あるい
は限外濾過等の処理を挙げることができる。
【0012】まず、珪藻土濾過は、第2の抽出機による
抽出液の一部に濾過助剤0.01〜0.5%(W/W、
以下同じ)添加し濾過面に珪藻土のコーティング膜を作
り、その後該膜面を利用して濾過する通常の手段が挙げ
られ、濾過助材としてはラジオライト500,800等
が好ましく、濾過圧力としては0.5〜3.0kg/c
2 ・G程度が好ましい。そして、精密濾過の場合は、
濾過膜の孔の大きさとして0.1〜1.0μm程度のも
のを用いればよく、例えば(株)クラレ製の精密濾過膜
SF301、旭化成工業(株)製のEMP−313等を
挙げることができる。膜の形態としては平膜、チューブ
ラー、キャピラリー、ホローファイバー等任意のものを
利用でき、濾過圧力としては、1.0〜2.5kg/c
2 ・G程度が適当である。
【0013】そして次に限外濾過の場合であるが、限外
濾過膜としては、例えば分画分子量10,000MW以
上のものが挙げられ、それ以下であると呈味成分の一部
が膜を通過せず、品質が低下するという傾向がある。そ
して、濾過圧力としては、1.0〜5.0kg/cm2
・Gが適当であり、限外濾過膜の形態としては、前記同
様平膜、チューブラー、キャピラリー、ホローファイバ
ー等種類を問わず利用することができる。そして次にか
くして濾過された第2の抽出機による抽出液を濃縮する
のであるが、この手段としては、成分の損失あるいは変
質等の防止から逆浸透膜による手段が好ましい。
【0014】逆浸透膜の塩分阻止率としては、95〜9
9.5%程度が好ましく、塩分阻止率が95%以下にな
ると有用成分が膜を通過してしまい好ましくない。濾過
圧力としては5〜40kg/cm2 ・Gが、濾過温度と
しては、10〜50℃がそれぞれ適当で、濾過温度に関
しては低温過ぎると濃縮に時間がかかり、また高温過ぎ
ると香気成分の飛散等により製品が劣化するので好まし
くない。
【0015】次に濃縮工程で得られた濃縮液は、前記第
1の抽出操作の抽剤として、再び利用しリサイクルさせ
ため、濃縮工程による濃縮液の濃度は、通常はBrix
1.0〜10.0(W/W、以下同じ)程度が適してい
る。一方、逆浸透膜を通過した濾過液は、フレーバー成
分のないほとんど水に近いものであるが、第2の抽出操
作の抽剤として用いれば、エキス分のロスを防止すると
同時に廃液処理の負担を軽減することになる。逆浸透膜
による濃縮液あるいは濾過液は、上記のごとく抽剤とし
てリサイクルさせるわけであるが、この際前述のごとく
抽剤の温度は100°C前後が好ましいため、通常の加
熱手段例えば熱交換器等により規定の温度にまで加熱し
て抽剤として利用する。なお、図1〜3において該熱交
換器は省略した。そして次に、第1の抽出操作による抽
出液を製品にするわけであるが、この抽出液には多少の
微細な固形物あるいは懸濁物が含有されており、前述し
た珪藻土濾過、精密濾過、限外濾過等により濾過するこ
とにより、清澄な製品を得ることができる。
【0016】次に図1を基に本願発明をさらに詳細に説
明する。1は、本願発明に係る濃厚抽出液の製造装置
で、主に第1の抽出機2、第2の抽出機3、濾過機4、
逆浸透膜濃縮機5から構成されている。第1の抽出機2
は、上部円筒抽出管6と下部円筒抽出管7を上下に直列
状に配置して成り、上部円筒抽出管6には抽剤入口8が
下部円筒抽出管7には抽出液出口9が、それぞれ設置さ
れている。そして、上下部抽出管6,7は、連結管10
で連結されており、またそれぞれの円筒抽出管6,7の
上下端部にはスライドバルブ11,12が設けられてい
て、被抽出物の投入排出の作用をしている。さらに、上
下部円筒抽出管6,7の境界部にもスライドバルブ13
が設けられており、被抽出物が下部円筒抽出管7へ圧密
されるのを防止している。14は、抽出液出口9に臨ん
で設けられている抽出液タンクで、第1の抽出機2によ
る抽出液が収納される。
【0017】第2の抽出機3は、抽出タンク15と攪拌
機16より成る攪拌式抽出機で、第1の抽出機2による
抽出残渣に温水を加えて攪拌しながら第2の抽出操作を
行う装置である。本工程による生成物は、被抽出物と抽
出液が混在するスラリー状のものとなる。次に、濾過機
4は、抽出液入口17及び濾過された抽出液出口18を
備えた珪藻土濾過機で、前工程で得られたスラリー状の
生成物を濾過し、抽出液と粕に分離する装置である。1
9は、高圧空気導入口で、濾過機内4に残った被処理物
を濾過するためのものである。
【0018】そして次に、逆浸透膜濃縮機5は、濾過機
4で清澄化された抽出液を濃縮するための装置であり、
21は抽出液を循環させる循環ポンプで、22は逆浸透
膜ユニットであり内部に逆浸透膜が内蔵されている。逆
浸透膜としてはスパイラル状に成形されているものが濾
過面積が大きく有効であるが、その他チューブラー、キ
ャピラリー、ホローフィバー等を利用することができ
る。循環ポンプ21の吐出口23と逆浸透膜ユニット2
2の抽出液入口24、また該ユニット22の濃縮液出口
25と抽出液タンク26、さらに抽出液タンク26と循
環ポンプ21の吸引口27をそれぞれ連通連結して循環
回路28を形成する。そして29は逆浸透膜を通過した
抽出液の透過液タンクで、逆浸透膜ユニット22の濾過
液出口30に臨んで設置される。
【0019】この逆浸透膜濃縮機5において、該濾過機
5の抽出液タンク26と濾過機4の抽出液出口18は連
通されており、抽出液タンク26に濾過後供給された抽
出液は、循環ポンプ21により循環回路28を繰り返し
流れながら逆浸透膜ユニット22で濃縮され、抽出液タ
ンク26の抽出液は濃縮される。そして、逆浸透膜濃縮
機5の抽出液タンク26は、第1の抽出機2の抽剤入口
8と、また透過液タンク29は、第2の抽出機3とそれ
ぞれ連通され、逆浸透濾過装置5により濃縮された抽出
液は、第1の抽出機2の抽剤として、さらに透過された
抽出液は、第2の抽出機の抽剤としてそれぞれ利用でき
るよう構成されている。この構成により従来の方法では
濾過機4で得られるBrixに対し、60培も濃縮する
必要があるが、本発明の場合では10〜15培程度で済
み、その結果逆浸透膜の寿命が2倍ほど伸び、濃縮に要
する時間も1/4に短縮され、工程全体として従来に比
べ60〜70%程度製造に要する時間が短縮できる。そ
してまた、第1の抽出機2及び第2の抽出機3には、そ
れぞれ抽剤として温水源に連結されており、必要に応じ
温水が利用できるよう構成されている。かくして得られ
た抽出液は抽出液タンク14に最終的に集められ、規格
調製、濾過、殺菌等の工程を経た後容器に詰められ製品
となる。
【0020】次に、図2に他の実施例を示す。本実施例
は、第1の抽出操作による抽出液を高濃度抽出液と低濃
度抽出液に分け、前者は製品とし後者を第1の抽出操作
の抽出液として利用するよう構成したものであり、より
高濃度の抽出液を得ることができる。図2において、3
1は高濃度抽出液タンクで、32は低濃度抽出液タンク
であり、抽出液出口9近辺に設けられた濃度計33によ
り制御バルブ34,35を操作し、それぞれのタンク3
1,32に高濃度抽出液と低濃度抽出液が振り分けられ
る。36は抽剤タンクで、低濃度抽出液タンク32内の
低濃度抽出液と抽出液タンク26内の濃縮された抽出液
が供給される。そして抽剤タンク36は、第1の抽出機
2の抽剤入口8と連通されており、第1の抽出機2の抽
剤として用いられるよう構成されている。
【0021】そして次に図3に他の実施例を示す。本実
施例は、濾過機4のあとに精密濾過膜あるいは限外濾過
膜等の膜濾過機31を介装した例で、さらに抽出液の清
澄度を高めたり、あるいは逆浸透膜濃縮機5の負荷を軽
減する場合に有効である。図3において、32は精密濾
過膜ユニットあるいは限外濾過膜ユニットで、その構成
は、逆浸透膜濃縮機5と同じである。
【0022】
【実施例】
実施例1 本実施例においては、図1に示す装置を用いた。先ず、
粉砕したカツオ節(粒度24〜200メッシュ)を、上
下部円筒抽出管(内径100mm、長さ500mm)の
各々に2kgづつ充填した。次いで、抽剤入口より98
℃の温水を、流量1.3l/minにて4分間供給し、
まず第1の抽出機による抽出液1.0l(Brix:1
8.0%)を得た。次に第1の抽出機による抽出残渣8
kg(水分:55%(W/W、以下同じ))を第2の抽
出機(タンク容量:130l、攪拌機のプロペラの径:
180mm)に投入する。そしてそこに95℃の温水1
15lを加え攪拌機の回転数を300rpmにして5分
間抽出操作を行う。
【0023】次いで、第2の抽出機による抽出液全量を
珪藻土濾過機に供給する。この濾過に際し該抽出液の一
部に珪藻土(ラジオライト500)0.1%添加し、濾
過面に珪藻土をコーティングしたのち濾過操作に移る。
濾過圧力1.0kg/cm2・Gにて濾過処理し、濾過
された抽出液(Brix:0.3%、濁度:3ppm)
95lを得る。そして次にこの抽出液を、逆浸透膜濃縮
機(逆浸透膜:DDSS社製SW30型、膜面積4.5
2 、塩分阻止率99%)により圧力30kg/cm2
・G、流量15l/minの割合で30分間循環し12
倍に濃縮し、濃縮された抽出液8l(Brix:3.5
%)を得た。次に、この抽出液を前記同様のカツオ節が
投入された第1の抽出機2に抽剤として、さらに透過液
を第2の抽出機に抽剤としてそれぞれ戻し、抽出操作を
行ない、以後これらの操作を繰り返し行う。第2の抽出
操作における抽剤は、透過液に温水を7%(W/W、以
下同じ)加えたものを使用した。最終的に20.0kg
のカツオ節から13.0l(Brix:18.5%)の
濃厚だしを得た。
【0024】実施例2 本実施例においては、図2に示す装置を用いた。先ず、
粉砕したカツオ節(粒度24〜200メッシュ)を、上
下部円筒抽出管(内径100mm、長さ500mm)の
各々に2kgづつ充填した。次いで、抽剤入口より10
0℃の温水を、流量1.3l/minにて5分20秒間
供給し、まず第1の抽出機による抽出液3.0lを、高
濃度抽出液(Brix:21.0%)と低濃度抽出液
(Brix:9.5%)に分け、前者を0.8l、後者
を2.2lをそれぞれ得て、高濃度抽出液はそのまま製
品とした。次に第1の抽出機による抽出残渣8kg(水
分:55.0%)を第2の抽出機(タンク容量:150
l、攪拌機のプロペラの径:150mm)に投入する。
そしてそこに97℃の温水120lを加え攪拌きの回転
数を300rpmにして5分間抽出操作を行う。
【0025】次いで、第2の抽出機による抽出液全量を
珪藻土濾過機に供給する。この濾過に際し該抽出液の一
部に珪藻土(ラジオライト500)0.05%添加し、
濾過面に珪藻土をコーティングしたのち濾過操作に移
る。濾過圧力1.2kg/cm2 ・Gにて濾過処理し、
濾過された抽出液(Brix:0.3%、濁度:3pp
m)97lを得る。そして次にこの抽出液を、逆浸透膜
濃縮機(逆浸透膜:DDSS社製SW30型、膜面積
4.5m2 、塩分阻止率99%)により圧力30kg/
cm2 ・G、流量15l/minの割合で30分間循環
し19倍に濃縮し、濃縮された抽出液5.0l(Bri
x:5.3%)を得た。次に、この抽出液と前記低濃度
抽出液と混合し、前記同様のカツオ節が投入された第1
の抽出機2に抽剤として、さらに透過液を第2の抽出機
に抽剤としてそれぞれ戻し抽出操作を行ない、以後これ
らの操作を繰り返し行う。第2の抽出操作における抽剤
は、透過液に温水を7%加えたものを使用した。最終的
に20.0kgのカツオ節から14.0l(Brix:
20.5%)の濃厚だしを得た。
【0026】実施例3 本実施例においては、図1に示す装置を用いた。先ず、
粉砕したコーヒー豆(粒度24〜80メッシュ)を、上
下部円筒抽出管(内径100mm、長さ500mm)の
各々に1.2kgづつ充填した。次いで、抽剤入口より
100℃の温水を、流量1.2l/minにて6分間供
給し、まず第1の抽出機による抽出液5.0l(Bri
x:10.0%)を得た。次に第1の抽出機による抽出
残渣5.8kg(水分:59%)を第2の抽出機(タン
ク容量:150l、攪拌機のプロペラの径:150m
m)に投入する。そしてそこに97℃の温水120lを
加え攪拌きの回転数を300rpmにして5分間抽出操
作を行う。
【0027】次いで、第2の抽出機による抽出液全量を
珪藻土濾過機に供給する。この濾過に際し該抽出液の一
部に珪藻土(ラジオライト500)0.05%添加し、
濾過面に珪藻土をコーティングしたのち濾過操作に移
る。濾過圧力1.2kg/cm2 ・Gにて濾過処理し、
濾過された抽出液(Brix:0.1%)100lを得
る。そして次にこの抽出液を、逆浸透膜濃縮機(逆浸透
膜:DDSS社製SW30型、膜面積4.5m2 、塩分
阻止率99%)により圧力30kg/cm2 ・G、流量
15l/minの割合で30分間循環し20倍に濃縮
し、濃縮された抽出液4.8l(Brix:2.1%)
を得た。次に、この抽出液を前記同様に粉砕されたコー
ヒー豆が投入された第1の抽出機2に抽剤として、さら
に透過液を第2の抽出機に抽剤としてそれぞれ戻し、抽
出操作を行ない、以後これらの操作を繰り返し行う。第
2の抽出操作における抽剤は、透過液に温水を7%加え
たものを使用した。最終的に24.0kgのコーヒー豆
から21.0l(Brix:12.5%)の濃厚エキス
を得た。
【0028】実施例4 本実施例においては、図2に示す装置を用いた。先ず、
粉砕したコーヒー豆(粒度24〜80メッシュ)を、上
下部円筒抽出管(内径100mm、長さ500mm)の
各々に1.2kgづつ充填した。次いで、抽剤入口より
100℃の温水を、流量1.1l/minにて7分間供
給し、まず第1の抽出機による抽出液5.0lを、高濃
度抽出液(Brix:14.0%)と低濃度抽出液(B
rix:8.3%)に分け、前者を2.0l、後者を
3.3lをそれぞれ得て、高濃度抽出液はそのまま製品
とした。次に第1の抽出機による抽出残渣8kg(水
分:58.0%)を第2の抽出機(タンク容量:150
l、攪拌機のプロペラの径:150mm)に投入する。
そしてそこに97℃の温水120lを加え攪拌機の回転
数を300rpmにして5分間抽出操作を行う。
【0029】次いで、第2の抽出機による抽出液全量を
珪藻土濾過機に供給する。この濾過に際し該抽出液の一
部に珪藻土(ラジオライト500)0.05%添加し、
濾過面に珪藻土をコーティングしたのち濾過操作に移
る。濾過圧力1.2kg/cm2 ・Gにて濾過処理し、
濾過された抽出液(Brix:0.1%)100lを得
る。そして次にこの抽出液を、逆浸透膜濃縮機(逆浸透
膜:DDSS社製SW30型、膜面積4.5m2 、塩分
阻止率99%)により圧力30kg/cm2 ・G、流量
15l/minの割合で30分間循環し20倍に濃縮
し、濃縮された抽出液4.8lを得た。次に、この抽出
液と前記低濃度抽出液と混合し、前記同様のカツオ節が
投入された第1の抽出機2に抽剤として、さらに透過液
を第2の抽出機に抽剤としてそれぞれ戻し、抽出操作を
行ない、以後これらの操作を繰り返し行う。第2の抽出
操作における抽剤は、透過液に温水を7%加えたものを
使用した。最終的に24.0kgのコーヒー豆から2
0.0l(Brix:14.0%)の濃厚エキスを得
た。
【0030】
【発明の効果】本願発明はかく構成されており、従来に
比べて逆浸透膜の寿命の倍増、濃縮時間の半減、さらに
工程全体として60〜70%の製造に要する時間の短縮
を達成でき迅速に濃厚抽出液の製造が可能となる。また
高濃度の抽出液も製造でき、これがため防黴性に優れ常
温保存並びにその流通が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明のフローシート
【図2】 本願発明の他の実施例のフローシート
【図3】 本願発明の他の実施例のフローシート
【符号の説明】 1 濃厚だし製造装置 2 第1の抽出機 3 第2の抽出機 4 濾過機 5 逆浸透膜濃縮機 6 上部円筒抽出管 7 下部円筒抽出管 14 抽出液タンク 15 抽出タンク 22 逆浸透膜ユニット 29 透過液タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大崎 勝通 千葉県野田市野田339番地 キッコーマン 株式会社内 (72)発明者 荒井 晃 千葉県野田市野田339番地 キッコーマン 株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被抽出物に抽剤を接触させてエキス分を抽
    出し濃厚抽出液を製造する方法において、第1の抽出操
    作で抽出液を得て、該第1の抽出操作による抽出残渣に
    さらに第2の抽出操作にて抽剤を接触させてエキス分を
    抽出した後、該抽出液を濾過し、次いで濾過された抽出
    液を濃縮し、その濃縮液を第1の抽出操作の抽剤として
    用い抽出操作を行い、第1の抽出操作で得られる抽出液
    を製品とすることを特徴とする濃厚抽出液の製造方法。
  2. 【請求項2】被抽出物に抽剤を接触させてエキス分を抽
    出し濃厚抽出液を製造する方法において、第1の抽出操
    作で抽出液を高濃度抽出液と低濃度抽出液に分離して回
    収し、次いで第1の抽出操作による抽出残渣にさらに第
    2の抽出操作にて抽剤を接触させてエキス分を抽出した
    後、該抽出液を濾過し、その濾過された抽出液を濃縮
    し、その濃縮液と前記低濃度抽出液を第1の抽出操作の
    抽剤として用い、第1の抽出操作で得られる抽出液を製
    品とすることを特徴とする濃厚抽出液の製造方法。
  3. 【請求項3】抽剤の入口及び抽出液の出口を備えた第1
    の抽出機、第1の抽出機の抽出残渣のさらなる抽出を行
    う第2の抽出機、第2の抽出機による抽出液の濾過を行
    う濾過機、及び濾過機による濾過液の濃縮を行う逆浸透
    膜濃縮機より構成され、逆浸透膜濃縮機と第1の抽出機
    を連結し、逆浸透膜濃縮機で濃縮された抽出液を第1の
    抽出機の抽剤として用いるようにしたことを特徴とする
    濃厚抽出液の製造装置。
  4. 【請求項4】被抽出物が節類である請求項1記載の濃厚
    抽出液の製造方法。
  5. 【請求項5】被抽出物がコーヒーである請求項1記載の
    濃厚抽出液の製造方法。
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