JPH09250189A - 防音パネル - Google Patents

防音パネル

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Publication number
JPH09250189A
JPH09250189A JP8087278A JP8727896A JPH09250189A JP H09250189 A JPH09250189 A JP H09250189A JP 8087278 A JP8087278 A JP 8087278A JP 8727896 A JP8727896 A JP 8727896A JP H09250189 A JPH09250189 A JP H09250189A
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JP
Japan
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sound insulation
foam
thickness
soundproof panel
sound
Prior art date
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Application number
JP8087278A
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English (en)
Inventor
Ichiro Igarashi
一郎 五十嵐
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低周波領域から高周波領域の広い音波領域に
わたって、質量則に示される理論的な遮音特性よりも優
れた遮音特性を示す防音パネルを提供すること。 【解決手段】 ポリフッ化ビニリデン(PVDF)材料
による圧電フィルムの両面にクロロプレン系発泡ゴム材
料による導電フォーム層がクラッドされている。圧電フ
ィルムの厚さは、30μmで、クラッドされる導電フォ
ームは、その厚さが10mmで材料密度が0.3g/c
3 程度であることが軽量性と遮音性を満たす上で好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音響ルームの遮音
壁、建築構造体の遮音間仕切、車両の防音壁等に適用さ
れる防音パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】防音技術は、日常生活の中で広く利用さ
れており、従来より知られているものとして、特開平6
−81187号公報、特開平5−110284号公報、
特開平5−87186号公報、特開平4−266942
号公報、特開平4−84921号公報、特開昭61−1
74700号公報に開示されている技術が挙げられる。
【0003】まず、特開平6−81187号公報に開示
されている技術は、金属発泡体に関するものであり、こ
の金属発泡体は、音響絶縁材料や遮音材料として用いら
れ、導電性表面膜が付与されたポリウレタンフォーム
に、ニッケルによる金属メッキが施されたものである。
【0004】次に、特開平5−110284号公報に開
示されている技術は、プリンタ装置等の電子機器や端末
機器の通風窓に、導電性発泡樹脂体を取り付けて、防音
シールド及び電磁波シールドを行い、該電子機器や端末
機器の性能を優れたものにした技術である。この導電性
発泡樹脂体は、ポリウレタン樹脂の平板状の発泡体を、
金属メッキにより導電化したものであり、上記の機器に
導電性接着剤や両面導電性テープにより取り付けられて
いる。
【0005】次に、特開平5−87186号公報に開示
されている技術は、各種機械装置や建築構造物等の防音
材や、防振材として利用される制振性材料に関するもの
であり、シート状ないしフィルム状の圧電性材料に導電
性塗料を塗布してなる。圧電性材料としては、ポリフッ
化ビニリデン(PVDF)、PVDFとトリフルオロエ
チレンとの共重合体、シアン化ビニリデンと酢酸ビニル
との共重合体などが挙げられ、導電性材料としては、金
属や金属酸化物あるいはカーボンなどの導電性の粒子を
含むものが挙げられる。具体的には、この制振性材料
は、厚さが0.2mmのポリプロピレンフィルムの表面
に厚さが30μmの呉羽化学製クレハKFピエゾフィル
ム(PVDF)が貼られ、その表面に厚さが20μmの
帯電防止塗料が塗布されている。
【0006】次に、特開平4−266942号公報に開
示されている技術は、電磁シールド性及び帯電防止性等
を兼ね備えた多孔質材及び防音パネルに関するものであ
る。これは、発泡スチロールビーズ等の粒状素材を、適
当な隙間率を有するようにするとともに、その表裏各々
の表面に半溶融固化層と溶融固化層とが同時形成される
とともに、加熱・加圧したものに、不織布等の繊維シー
トが積層されたものである。同号公報には、発泡スチロ
ールビーズ層の間に通気性金属シートや導電性繊維ウエ
ブを介層されたものも開示されている。
【0007】次に、特開平4−84921号公報に開示
されている技術は、電気掃除機の使用時に発生する騒音
の消音技術に関するものであり、掃除機使用時に発生す
るモータやファンの回転音あるいは空気の吸排気音など
の騒音を本体あるいはパイプ内で感知し、該騒音を打ち
消すようにしたものである。これによれば、消音部は、
音圧検知部、電気信号解析処理部、圧電フィルムによっ
て構成されている。
【0008】さらに、特開昭61−174700号公報
に開示されている技術は、騒音防止手段を施した電子装
置に関するものであり、これによれば、騒音防止手段と
して、冷却用通風窓部に金属メッキされた発泡樹脂体が
電磁波シールド層として形成されている。この電磁波シ
ールド層は、発泡樹脂体が厚さ1mmのポリウレタン樹
脂によって形成され、金属メッキ層が厚さ1μmのニッ
ケル膜によって形成されている。
【0009】また、従来知られている防音パネルとし
て、ポリウレタンフォーム(以下、「PUフォーム」と
する)によって形成された均質タイプのものがある。P
Uフォームによって形成される防音パネルの材料密度
は、たとえば、0.3g/cm3、0.2g/cm3
0.15g/cm3 、および、0.1g/cm3 であ
る。それらの組成は、表1に示す通りである。前記の材
料密度は、表1の発泡剤の量の調節によって、調整され
ており、材料密度を高めに設定するには、発泡剤として
の水が多めに混合されればよい。なお、PUフォーム
は、表1に示す成分が混合され、架橋時に発泡処理させ
て製造される。
【0010】
【表1】
【0011】これら各種の材料密度のPUフォームによ
って形成される防音パネルの遮音特性は、図8に示され
る。同図のグラフは、横軸に入射音周波数(Hz)をと
り、縦軸に透過損失(dB)をとったものである。材料
密度が0.3g/cm3のPUフォームの遮音特性は特
性H1に、材料密度が0.2g/cm3 のPUフォーム
の遮音特性はH5に、材料密度が0.15g/cm3
PUフォームの遮音特性はH6に、材料密度が0.1g
/cm3 のPUフォームの遮音特性はH2に示されてい
る。透過損失及びその測定についての詳細は、後述する
が、遮音の能力は、透過損失が大きい程優れている。こ
の透過損失の測定は、低周波領域の100Hz〜高周波
領域の10KHzの周波数領域においてなされており、
測定者は、音源から発振された音波を各材料密度のPU
フォームの防音パネルを介して受音器で受信させ、その
受信音を音圧レベルで測定し記録する。
【0012】ここで、特性H1,H2,H5,H6で示
される防音パネルの透過損失は、理論的には数1によっ
て定まる質量則(Mass Law)が目安にされる。
この質量則は、材料全体が一体となって動き、また材料
が充分がっちりしていて、音によるたわみ等が無視でき
るという仮定に基づく。すなわち、数1に示す質量則に
よる材料の透過損失は、入射音周波数及び防音パネルの
面密度によって決まるという点で理論的なものである。
すなわち、図8においては、質量則ML1が材料密度
0.3g/cm3 のPUフォームの理論的遮音特性であ
り、質量則ML2が材料密度0.1g/cm3 のPUフ
ォームの理論的遮音特性である。
【0013】
【数1】
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8に
示したこれらの特性H1,H2,H5,H6によれば、
PUフォームによって形成される防音パネルは、100
0Hz以下の周波数領域において、質量則ML1,ML
2で示される遮音特性と同等、あるいは、より優れた遮
音特性を示しているが、1000Hz以上の周波数領域
において、質量則ML1,ML2で示される遮音特性よ
りも劣った遮音特性を示している。防音パネルが使用さ
れる環境や用途を考慮すれば、200Hz〜2000H
zの周波数領域における遮音特性が重要であり、上記の
従来のものは、1000Hz以上の周波数領域で、所望
の遮音特性を得ることができないという問題点があっ
た。
【0015】一方、1000Hz以上の周波数領域にお
いて、良好な遮音特性を得られれば、それで良いという
ものでもなく、1000Hz以下の周波数領域において
は、当然に良好な遮音特性を満たしていることが必要で
ある。すなわち、1000Hz以上という範囲に限定さ
れることなく、広い周波数領域、特に、200Hz〜2
000Hzの範囲において、質量則ML1,ML2に示
される理論的な遮音特性よりも優れた防音パネルが求め
られている。本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、その目的とするところは、低
周波領域から高周波領域の広い音波領域にわたって、質
量則に示される理論的な遮音特性よりも優れた遮音特性
を示す防音パネルを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の防音パネルにあっては、圧電フィルムの両
面に導電フォームをクラッドしてなることを要旨として
いる。圧電フィルムの材料としてはポリフッ化ビニリデ
ンの他、ポリフッ化ビニリデンとトリフルオロエチレン
との共重合体、シアン化ビニリデンと酢酸ビニルとの共
重合体などが適用される。そして、この圧電フィルム
は、その圧電フィルム材料を分極処理しポーリング操作
により圧電寿命を維持させるか、あるいは、圧電フィル
ムの表面に電極材料としてアルミニウム等の導電性材料
を蒸着し、ポーリング操作により寿命をもたせるように
するとよい。一方、導電フォームの材料としては、クロ
ロプレン発泡ゴム等のゴム系材料の他、各種の樹脂材
料、炭素繊維不織布等が適用される。
【0017】このように構成した防音パネルは、100
Hz〜10KHzの低周波領域から高周波領域の広い周
波数領域にわたる音波が入射されると、質量則で示され
る遮音特性よりも優れた遮音特性を示し、入射音のエネ
ルギーを吸収して透過音の音圧レベルを低下させる。こ
の場合、1000Hzあたりでの遮音特性が低下する傾
向があるが、その場合においても、質量則で示される遮
音特性以上の遮音特性が確保される。
【0018】また、本発明の第2番目の防音パネルは、
複数枚の圧電フィルムと複数層の導電フォームとが交互
に積層されてなることを要旨としている。この積層構造
の防音パネルによっても、低周波領域から高周波領域の
広い周波数領域にわたって質量則で示される遮音特性よ
りも優れた遮音特性が奏される。
【0019】また、本発明の第3番目の防音パネルは、
導電フォームの少なくとも片側の面に圧電フィルムが貼
着されてなることを要旨としている。この片面あるいは
両面貼合せ構造の防音パネルによっても、低周波領域か
ら高周波領域の広い周波数領域にわたって質量則で示さ
れる遮音特性よりも優れた遮音特性が奏される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好適な一実施例の
形態を図面等を参照して説明する。 (1)防音パネル1,2,3,4の形態 図1〜図4は、各々、本実施例における防音パネル1,
2,3,4(以下、実施例の防音パネルを総称する場合
には、「防音パネル1〜4」とする)の表裏両面に垂直
な方向の断面を示す図である。
【0021】図1に示した防音パネル1は、圧電性及び
焦電性を有す圧電フィルム12を、導電フォーム10,
10によって挟むことにより形成されたサンドイッチ構
造のものである。この圧電性及び焦電性を示す圧電フィ
ルム12としては、ポリフッ化ビニリデン(以下、「P
VDF」とする)樹脂材料による厚さが30μmのもの
が適用される。圧電フィルム12の両面には、電極材料
として、アルミニウム蒸着面12a,12aを有してい
る。防音パネル1のパネル厚は、20.03mmとな
る。
【0022】次に、圧電フィルム12の材料は、上述し
たPVDF樹脂材料であり、具体的には、呉羽化学製の
「KFピエゾフィルム」が適用される。圧電フィルム1
2は、PVDFが溶融フィルム成型された後、ポーリン
グ加工により分極処理がなされ、適当な蒸着法により電
極としてアルミニウムがその両面に蒸着されることによ
り得られる。したがって、上述したように、圧電フィル
ム12の両面には、アルミニウム蒸着面12a,12a
が形成される。このように、圧電フィルム12を両面電
極付きとしたのは、アルミニウム蒸着とポーリング加工
により、フィルム寿命をもたせることができるからで、
PVDFフィルムに電圧を印加してポーリング加工し
た、いわゆる分極処理済みのPVDFフィルムを用いて
も同様の寿命延長効果が得られる。
【0023】一方、導電フォーム10としては、クロロ
プレンの発泡ゴム(以下、「CR発泡ゴム」とする)で
あって、厚さが10mmで材料密度が0.3g/cm3
のものが適用されている。その導電フォーム10として
のCR発泡ゴムの成分組成は、表2に示すように、ネオ
プレンWが100重量部、酸化マグネシウムが4重量
部、ハードクレーが30重量部、マイクロワックスが3
重量部、亜鉛が15重量部、促進剤が1重量部、導電剤
としてのアセチレンブラックが50重量部、DBP可塑
剤が15重量部、発泡剤としてのNN’−ジニトロソペ
ンタメチレンテトラミンが3重量部である。
【0024】
【表2】
【0025】このCR発泡ゴムは、表2に示す上記の材
料が所定の工程で混合された後、通常のゴム練り工程が
施され、架橋時(150℃×30分間)に、金型内で発
泡処理されることにより得られる。こうして得られたC
R発泡ゴムの電気抵抗は、体積固有抵抗値で105 〜1
6 (Ωm)である。発泡剤としては、表2に示される
ように、NN’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン
が3重量部用いられており、これにより、材料密度0.
3g/cm3 が決まる。
【0026】この防音パネル1の遮音特性として、横軸
に周波数(Hz)、縦軸に透過損失(dB)をとった図
7のグラフの特性L1が目安となる。なお、透過損失と
は、一般的に、遮音に使用される遮音材料や構造の遮音
の能力を示し、遮音能力の大きい材料は透過損失が大き
く、遮音能力の小さい材料は透過損失が小さい。
【0027】図2に示した防音パネル2は、2枚のPV
DFフィルムを3層からなる導電フォーム層の間に介設
した5層構造をしており、圧電フィルム12として厚さ
が30μmのPVDFフィルムと、導電フォーム10と
して厚さが10mmまたは5mmで材料密度が0.3g
/cm3 のCR発泡ゴムとが交互に積層されて形成され
ている。前述のように、PVDFフィルムとしては、呉
羽化学製の「KFピエゾフィルム」の両面にアルミニウ
ム蒸着面12a,12aが蒸着されたものが用いられ、
また、CR発泡ゴムについても、前述のネオプレンW主
体の材料により構成されている(表2参照)。
【0028】防音パネル2の積層の仕方は、厚さが5m
mで材料密度が0.3g/cm3 の導電フォーム10を
両端になるように配置し、中央に厚さが10mmで材料
密度が0.3g/cm3 の導電フォーム10を配置し、
5mmの層と10mmの層との間、すなわち、各端の導
電フォーム10,10と中央の導電フォーム10との各
々の間に厚さが30μmの圧電フィルム12を配置して
いる。防音パネル2のパネル厚は20.06mmであ
る。また、この防音パネル2の遮音特性として、図7の
グラフの特性L2が目安となる。
【0029】図3に示した防音パネル3は、導電フォー
ム10の両面にPVDFフィルムを貼り合わせた貼り合
わせ構造のものである。すなわち、防音パネル3は、導
電フォーム10として、厚さが20mmで材料密度が
0.3g/cm3 のCR発泡ゴムの両面に、圧電フィル
ム12として、厚さが30μmのPVDFフィルムを貼
り合わせることによって形成され、図1に示す防音パネ
ル1とは積層の仕方が逆になっている。防音パネル3の
パネル厚は、20.06mmである。また、PVDFフ
ィルムの両面には、上述のものと同様にアルミニウム蒸
着面12a,12aが形成されている。防音パネル3の
遮音特性としては、図8のグラフの特性L3が目安とな
る。
【0030】図4に示した防音パネル4は、導電フォー
ム10の片側の面にPVDFフィルムが貼り合わされた
貼り合わせ構造のものである。この防音パネル4は、導
電フォーム10として、厚さが20mmで材料密度が
0.3g/cm3 のCR発泡ゴムが用いられ、その片側
一面に、厚さが30μmのPVDFフィルムが貼り合わ
されて構成されている。防音パネル4のパネル厚は、2
0.03mmである。また、PVDFフィルムの両面に
は、上述のものと同様にアルミニウム蒸着面12a,1
2aが形成されている。防音パネル4の遮音特性として
は、図8のグラフの特性L4が目安となる。
【0031】(2)防音パネルの遮音特性試験 実施例1,2,3,4及び比較例1,2,3,4を以下
に示す。ここで、実施例1,2,3,4は、各々、上述
の防音パネル1,2,3,4に相当している。なお、こ
れらの実施例1,2,3,4及び比較例1,2,3,4
の外観の斜視図を図5に示す。
【0032】<実施例1>3層構造、すなわち、厚さ
が10mmで材料密度が0.3g/cm3のCR発泡ゴ
ムの層、両面にアルミニウム蒸着面を有する厚さが3
0μmのPVDFフィルムの層、厚さが10mmで材
料密度が0.3g/cm3 のCR発泡ゴムの層とからな
り、大きさは、「30cm×30cm×20.03m
m」である。 <実施例2>5層構造、すなわち、厚さが5mmで材
料密度が0.3g/cm3 のCR発泡ゴムの層、両面
にアルミニウム蒸着面を有する厚さが30μmのPVD
Fフィルムの層、厚さが10mmで材料密度が0.3
g/cm3 のCR発泡ゴムの層、両面にアルミニウム
蒸着面を有する厚さが30μmのPVDFフィルムの
層、厚さが5mmで材料密度が0.3g/cm3 のC
R発泡ゴムの層とからなり、大きさは、「30cm×3
0cm×20.06mm」である。
【0033】<実施例3>貼り合わせ構造、すなわち、
両面にアルミニウム蒸着面を有する厚さが30μmの
PVDFフィルムの層、厚さが20mmで材料密度が
0.3g/cm3のCR発泡ゴムの層、両面にアルミ
ニウム蒸着面を有する厚さが30μmのPVDFフィル
ムの層とからなり、大きさは、「30cm×30cm×
20.06mm」である。 <実施例4>貼り合わせ構造、すなわち、両面にアル
ミニウム蒸着面を有する厚さが30μmのPVDFフィ
ルムの層、厚さが20mmで材料密度が0.3g/c
3のCR発泡ゴムの層とからなり、大きさは、「30
cm×30cm×20.03mm」である。
【0034】<比較例1>単一構造、すなわち、厚さ
が20mmで材料密度が0.3g/cm3 のPUフォー
ムからなり、大きさは、「30cm×30cm×20m
m」である。 <比較例2>単一構造、すなわち、厚さが20mmで
材料密度が0.1g/cm3 のPUフォームからなり、
大きさは、「30cm×30cm×20mm」である。
【0035】<比較例3>3層構造、すなわち、厚さ
が10mmで材料密度が0.1g/cm3 のPUフォー
ムの層、両面にアルミニウム蒸着面を有する厚さが3
0μmのPVDFフィルムの層、厚さが10mmで材
料密度が0.1g/cm3 のPUフォームの層とからな
り、大きさは、「30cm×30cm×20.03m
m」である。 <比較例4>単一構造、すなわち、厚さが20mmで
材料密度が0.3g/cm3 のCR発泡ゴムからなり、
大きさは、「30cm×30cm×20mm」である。
【0036】図7は、遮音特性の測定試験の外観を示す
図である。この図において、符号20で示されるもの
は、簡易小型残響室であり、音源22が配置された音源
側の残響室20a及び受音器24が配置された受音側の
無響室20bとからなる。残響室20a及び無響室20
bの大きさは、いずれも、「縦×横×高さ」が「3m×
3m×3m」である。実施例1,2,3,4及び比較例
1,2,3,4は、残響室20aの端壁面の中央に配置
された音源22と、無響室20bの端壁面の中央に配置
された受音機24とを結ぶ線上の丁度中央に位置するよ
うに配置される。
【0037】実施例1,2,3,4及び比較例1,2,
3,4の遮音特性の測定は、次のようにしてなされる。
まず、測定者は、実施例1,2,3,4及び比較例1,
2,3,4のいずれかの内、測定対象となる試料を順番
に簡易小型残響室20の中央に配置する。その後、測定
者は、音源22から試料への入射音として100Hz〜
10KHzの低周波領域から高周波領域の広い周波数の
音波を順次発振させる。そして、測定者は、試料の透過
分として受音器24により受音された音の音圧(dB)
を測定し、入射音の音圧(dB)と透過音の音圧(d
B)との差を、入射音発振周波数(Hz)に対する透過
損失(dB)として記録する。なお、こうして記録され
る透過損失は、数2に示す式に因る。
【0038】こうして測定された透過損失(dB)の測
定結果は、以下の表3に示される通りである。この表3
の測定結果に基づいて、測定者らは、既に示した図8の
グラフを作成した。ここで実施例1,2,3,4の遮音
特性は、各々、特性L1,L2,L3,L4に表されて
おり、比較例1,2,3,4の遮音特性は、各々、特性
H1,H2,H3,H4に表されている。また、図中、
質量則ML1,ML2は、各々、厚さが20mmで材料
密度が0.3g/cm3 、材料密度が0.1g/cm3
のPUフォームの理論的遮音特性であり、これらの質量
則ML1,ML2は、数1に因る。
【0039】
【表3】
【0040】(3)防音パネルの遮音特性試験に基づく
考察 次に、図8を参照して測定結果について考察する。 PUフォームどうしについては、比較例1(特性H
1)と比較例2(特性H2)とを比較すると、材料密度
0.3g/cm3 のものの方が、材料密度0.1g/c
3 のものよりよい。
【0041】PUフォームと導電フォームとについ
て、比較例1(特性H1)と比較例4(特性H4)とを
比較すると、比較例4の導電フォームの方が100Hz
〜10KHzの低周波数領域から高周波数領域の広い周
波数領域(以下、「測定周波数領域」とする)におい
て、5dB〜15dB前後、遮音特性が優れている。比
較例1と比較例4とは、材料密度は同一であるから、導
電フォームの方がPUフォームよりもよい。
【0042】PVDFフィルムをサンドイッチした効
果については、比較例3(特性H3)と比較例2(特性
H2)とを比較するとよい。すなわち、フォームの材料
についての条件を同様にした場合、PVDFフィルムを
挟むだけで、測定周波数領域の遮音特性が15dB〜2
0dB前後、よくなっている。このことは、実施例1
(特性L1)と比較例4(特性H4)との比較からも同
様にいえる。すなわち、特に、1000Hz以上の周波
数領域において、実施例1の遮音特性の方が比較例4の
ものよりも、10dB前後、よくなっている。
【0043】PVDFフィルムをサンドイッチした条
件下での、導電フォームとPUフォームについては、実
施例1(特性L1)と比較例3(特性H3)とを比較す
ると、いずれも、PVDFフィルムを間に挟んだことに
よる効果は見られるが、1000Hz以上の周波数領域
において、5〜15dB前後、実施例1の方が比較例3
よりも、優れた遮音特性を示す。そのため、上述と同
様、導電フォームの方がPUフォームよりも材料的には
よい。
【0044】PVDFフィルムをサンドイッチした場
合と導電フォームとPVDFフィルムとを積層した場合
とについて、実施例1(特性L1)と実施例2(特性L
2)とを比較すると、測定周波数領域において、両者は
同様の傾向を示すが、やや実施例1の方がよい。 PVDFフィルムをサンドイッチした場合とその逆の
両面貼り合わせの場合とについて、実施例1(特性L
1)と実施例3(特性L3)とを比較すると、測定周波
数領域において、両者は同様の傾向を示すが、特に、1
000Hz以上の周波数領域において、実施例1のもの
の方が、5dB前後、優れた遮音特性を示す。
【0045】両面貼り合わせの場合と片面貼り合わせ
の場合とについて、実施例3(特性L3)と実施例4
(特性L4)とを比較すると、測定周波数領域におい
て、両者は同様の傾向を示すが、特に、1000Hz以
上の周波数領域において、実施例3の方が、5dB前
後、優れた遮音特性を示す。
【0046】以上、〜に実施例1,2,3,4及び
比較例1,2,3,4の比較結果を述べたが、これらに
ついて考察を加える。まず、〜の比較結果からも明
かなように、材料密度が0.3g/cm3 であって、導
電フォームによってPVDFフィルムを挟んだものがよ
いことが示唆され、上述の測定結果によれば、実施例1
が最良の結果を示した。実施例2,3,4は、この実施
例1の挟み込みのバリエーションとして、他の挟み込み
あるいは貼り合わせのものとされるが、上述の〜か
らも明かなように、実施例1と同様の傾向を持つ遮音特
性を有すにもかかわらず、若干、実施例1よりも劣って
いる。その原因は、明確にされていないが、その一つと
して導電フォームの電気抵抗が挙げられる。
【0047】以上、実施例に基づいて本発明を説明した
が、本発明は、上記実施例に何等限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能
である。たとえば、上記実施例では、PVDFフィルム
に両面電極としてアルミニウム蒸着がなされているが、
防音パネルが使用される状況によっては、蒸着面を形成
しなくても、ポーリング操作がなされていれば、防音パ
ネルに適用する材料として適当であり、PVDF特有の
効果は期待できるものである。また、導電フォームをP
VDFフィルムで挟んだり、貼り合わせたりすることに
より、遮音特性を向上させるには、導電フォームの電気
抵抗を何等かの方法によって制御するようにしてもよ
い。また、導電フォームとして、上記実施例において
は、CR発泡ゴムを適用したが、カーボン系材料を適用
してもよい。材料の抵抗と面密度の設定を所望の遮音特
性が得られるようにすればよい。
【0048】
【発明の効果】本発明の防音パネルは、圧電フィルムと
導電フォームとをサンドイッチ構造、あるいは、積層構
造や貼り合わせ構造としたものである。それにより、低
周波数領域から高周波数領域の広い周波数領域にわたっ
て、質量則に示される理論的な遮音特性よりも優れた遮
音特性を示すものである。したがって、これを、自動
車、音響ルーム、建築構造体等に適用することは極めて
有益なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る防音パネル1の断面
の構造を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る防音パネル2の断面
の構造を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る防音パネル3の断面
の構造を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る防音パネル4の断面
の構造を示す図である。
【図5】実施例1,2,3,4及び比較例1,2,3,
4の外観を示す斜視図である。
【図6】遮音特性の測定試験の外観を示す図である。
【図7】実施例1,2,3,4及び比較例1,2,3,
4の遮音特性を示すグラフである。
【図8】従来の防音パネルの遮音特性を説明するための
グラフである。
【符号の説明】
1,2,3,4 防音パネル 10 導電フォーム 12 圧電フィルム 12a アルミニウム蒸着面
【数2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 27/16 KJF G10K 11/16 D

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電フィルムの両面に導電フォームをク
    ラッドしてなることを特徴とする防音パネル。
  2. 【請求項2】 複数枚の圧電フィルムと複数層の導電フ
    ォームとが交互に積層されてなることを特徴とする防音
    パネル。
  3. 【請求項3】 導電フォームの少なくとも片側の面に圧
    電フィルムが貼着されてなることを特徴とする防音パネ
    ル。
  4. 【請求項4】 前記導電フォームがクロロプレン発泡ゴ
    ムであって、前記圧電フィルムがポリフッ化ビニリデン
    であることを特徴とする請求項1、2または3に記載の
    防音パネル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008119981A (ja) * 2006-11-14 2008-05-29 Kaneka Corp 複合発泡成形体
CN107283950A (zh) * 2017-06-30 2017-10-24 武汉工程大学 一种用于低频吸声的层状结构复合材料及其制备方法

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JP2008119981A (ja) * 2006-11-14 2008-05-29 Kaneka Corp 複合発泡成形体
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