JPH09249619A - メチルアミン類の製造方法 - Google Patents

メチルアミン類の製造方法

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JPH09249619A
JPH09249619A JP8054880A JP5488096A JPH09249619A JP H09249619 A JPH09249619 A JP H09249619A JP 8054880 A JP8054880 A JP 8054880A JP 5488096 A JP5488096 A JP 5488096A JP H09249619 A JPH09249619 A JP H09249619A
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methanol
reaction
zeolite
metal
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JP8054880A
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Tadamitsu Kiyoura
忠光 清浦
Shinobu Aoki
忍 青木
Keiichi Ikeda
圭一 池田
Kazuaki Matsui
和明 松井
Shuichi Tokumoto
修一 徳元
Kaoru Inoue
薫 井上
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メタノールとアンモニアとの反応によるメチ
ルアミン類の製造に際し、高反応転化率においてトリメ
チルアミンの生成を抑制する高性能触媒を用いたメチル
アミン類の製造に際し触媒の劣化を抑制する方法を提供
する。 【解決手段】 メタノールとアンモニアとの反応により
メチルアミン類を製造する方法において、触媒の前駆体
としてのゼオライトを還元能を有する金属のイオンで交
換した金属イオン交換ゼオライト及び水素の存在下に反
応を行うことを特徴とするメチルアミン類の製造方法。 【効果】 本発明方法を実施することで、触媒劣化が顕
著に抑制されると共に、高濃度のホルムアルデヒドを含
有したメタノール及び/またはアンモニアを原料として
使用しても工業的に実施可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアミン類の製造法、
より詳しくは、メタノールとアンモニアからメチルアミ
ン類を製造するに際し、トリメチルアミンよりも、モノ
及びジメチルアミンをより大量に取得する方法、更に詳
しくは、該反応を促進させるのに使用する、トリメチル
アミンの生成抑制に有効な触媒であるアルミノシリケー
トを主成分とするゼオライト類の活性低下を抑制し、高
活性かつ高選択性を長時間維持し、安定にメタノールと
アンモニアからメチルアミン類を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】メチルアミン類、即ちモノメチルアミ
ン、ジメチルアミンおよびトリメチルアミンはメタノー
ルまたはメタノールとジメチルエーテルの混合物をアン
モニアと反応させる方法や、青酸を水素で接触還元する
方法等で製造されている。これらのメチルアミン類はモ
ノ、ジおよびトリメチルアミンの混合物として生成し、
各々に対応した用途を有している。一方、これらメチル
アミン類の需要は、ジメチルアミンまたはモノメチルア
ミンに偏っており、トリメチルアミンの需要は現状では
極めて少ない。
【0003】通常、知られている非晶質シリカアルミナ
を触媒としてメタノールとアンモニアの反応で得られる
メチルアミン類は、トリメチルアミンが反応平衡上主生
成物となり、需要の多いジメチルアミンの取得量が少な
いという難点があった。これらの難点を克服するため
に、炭素数1−18のアルコールとアンモニアとの反応
に、孔径5〜10オングストロームの値を有する脱水し
た結晶性アルミノシリケート(ゼオライト)を触媒に用
いると、モノ、およびジアミンがトリアミンより優先的
に生成することが開示されている。また、上記した反応
に適したゼオライトの種類として、天然ゼオライトおよ
び合成ゼオライトが開示されている。天然ゼオライトと
して、フォージャス石、アナルサイト、クリノプチルラ
イト、フェリエライト、チャバサイト、グメリナイト、
レビナイト、エリオナイト及びモルデナイト等が適当で
あると開示されている。合成ゼオライトとしては、X
型、Y型、およびA型等が適当であると開示されてい
る。(米国特許3,384,667号、1968年)。
【0004】メタノールとアンモニアを特定割合で混合
し、モルデナイト等の触媒の存在下に反応させモノメチ
ルアミンを特異的に多く取得する方法(特開昭56−1
13747号)、およびナトリウム型モルデナイトから
選ばれる結晶質アルミノシリケートでモノメチルアミン
を不均化しジメチルアミンを高選択的に得る(特開昭5
6−46846号)方法も開示されている。
【0005】上記の米国特許3,384,667号と同
様な方法で使用するモルデナイトに天然産の鉱物を使用
する方法(特開昭57−169444号)、ランタンイ
オンでイオン交換したモルデナイトを触媒に使用する方
法(特開昭58−49340号)、アルカリ金属のイオ
ン交換量を特定の範囲に限定したモルデナイトを触媒に
使用する方法(特開昭59−210050号)、触媒に
スチーム処理をしたモルデナイトを使用する方法(特開
昭59−227841号)、低バインダー含有量のA型
ゼオライトを触媒として使用する方法(特開昭58−6
9846号)または、Rho型(ZK−5)ゼオライト
を触媒とする方法等も開示されている。以上の方法でゼ
オライト系の触媒を使用するとトリメチルアミンの生成
量を抑制することが出来るが、更にトリメチルアミンの
生成量をゼロないし実質的にゼロとすることを目的にモ
ルデナイトの細孔を四塩化珪素のCVD(Chemic
al Vapor Deposition)処理で修飾
したものを触媒として使用する方法も知られている(特
開平 3−262540号;J. Catal.,13
1巻、482頁(1991);米国特許5,137,8
54号)。
【0006】チャバサイト、エリオナイト、ZK−5お
よびRho型ゼオライト上に珪素、アルミニウム、リン
またはホウ素を沈着させ修飾したものを触媒とする方法
(特開昭61−254256号、米国特許4,683,
334号)でトリメチルアミンの生成を低減する方法も
開示されている。更に、モルデナイトをエチルシリケー
ト等のシリル化剤を用いて液相でシリル化する方法(特
開平 6−179640号、特開平 7−2740号)
も開示されている。特に液相でシリル化処理を施したモ
ルデナイト触媒の使用により極めて効率的にトリメチル
アミンの生成を抑制することが知られている。また、非
ゼオライト系モレキュラーシーブのSAPOを触媒とし
てアルコールとアンモニアを反応させてアルキルアミン
とする方法(特開平 2−734号)も知られている。
【0007】上記したように、メタノールとアンモニア
との反応によりメチルアミン類を製造する方法におい
て、とりわけトリメチルアミンの生成を低減もしくは抑
制する製造法に使用される触媒はゼオライト類、特に金
属イオン交換または、CVD法、液相シリル化法により
処理されたモルデナイト等のゼオライト触媒が有効であ
ることが知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
特開平 2−63554号明細書に記載されているよう
に、ゼオライト触媒の存在下で、メタノールとアンモニ
アとの反応によるトリメチルアミンの生成を抑制したメ
チルアミン類の製造方法においては、反応生成物中に相
当量のホルムアルデヒド等のアルデヒド化合物が生成す
る。また、該メチルアミン類の製造方法を工業的に実施
する際には反応生成物からメチルアミン類を分離取得し
た後、未反応のメタノールを副生物である水、その他の
不純物と分離し回収、再使用することを必要とする。上
記明細書にはその際に、メタノールとアルデヒド化合物
の分離は容易ではなく反応系内への相当量のアルデヒド
化合物の循環は避けられないことが記載されている。こ
こにおいて、上記特許(特開平 2−63554号)で
は、反応系に導入するアルデヒド類(特にホルムアルデ
ヒド)の量を低減させる必要性があることを開示してい
る。つまり、アルデヒド類の反応系内への混入により触
媒寿命を極端に低下させることから、触媒に対してアル
デヒド類を一定の負荷量以下にする必要があることを開
示している。
【0009】しかしながら、前記したようにトリメチル
アミンの生成抑制を達成させる触媒、特に通常のゼオラ
イト類、とりわけナトリウム金属等でイオン交換したモ
ルデナイト触媒においては相当量のアルデヒド類(特に
ホルムアルデヒド)の反応中における生成は避け難く、
従って工業的実施における未反応のメタノールのリサイ
クル再使用において実質的に相当量のアルデヒド類の反
応系への再循環を避けることは、通常の工業的分離方法
においては困難である。
【0010】この解決方法としては、メタノールの分離
回収に際して、亜硫酸ナトリウム等の試薬によりアルデ
ヒド類を除去する方法が公知であり、更には触媒中のナ
トリウム等の金属含有量を低下させ、ホルムアルデヒド
等の生成を抑制するとともに、ホルムアルデヒド等に対
する耐久性を増大させる方法も開示されている(特願平
6−68478号)。
【0011】前者の解決方法はプロセスを煩雑にし、更
には亜硫酸ナトリウム等の試薬を使用することから工業
的実施には有利とはいえない。さらには、メタノールと
アンモニアとのゼオライト類触媒存在下での反応によ
り、反応系内で生成するホルムアルデヒド等のアルデヒ
ド類の生成を抑制することに関しての解決方法とはなり
得ず、反応系内生成アルデヒド類による触媒の活性低下
は実質的に解決されない。後者の解決方法は効率的で効
果も高く、工業的製造方法としてはそれなりに有効であ
るが、更なる寿命の延長方法を見いだせれば、極めて工
業的製造方法としては、有効なプロセスとなり得る。
【0012】本発明の目的とするところは、メタノール
とアンモニアとの反応に、ゼオライト等の触媒を使用し
トリメチルアミンの生成を抑制もしくは低減させるメチ
ルアミン類の製造において、反応系内で生成するホルム
アルデヒド類等による触媒活性の低下を抑制することを
可能とし、更に工業的に実施する際、未反応のメタノー
ルを蒸留等の工業的手法により分離し、回収された相当
量のホルムアルデヒド等のアルデヒド類等を含有したメ
タノールをアルデヒド類等の特殊な分離除去操作を行わ
ずに該反応にリサイクル再使用しても触媒の活性低下を
抑制することを可能とし、極めて効率の高い、メタノー
ルとアンモニアとのゼオライト触媒存在下でのトリメチ
ルアミンの生成量を抑制できるメチルアミン類の製造方
法を提供することである。
【0013】本発明の他の目的としては、ホルムアルデ
ヒド等のアルデヒド類を含んだ、精製度の低いメタノー
ルとアンモニアとのゼオライト触媒存在下でのトリメチ
ルアミンの生成を抑制する製造法においても同様に工業
的に実施可能なメチルアミン類の製造方法を提供するこ
とでもある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記ホル
マリン等のアルデヒド類による触媒の活性等の性能低下
により工業的に実施することの困難さを解決すべく鋭意
検討した結果、メタノールとアンモニアとの反応により
メチルアミン類を製造する方法において、触媒としてゼ
オライトを還元能を有する金属のイオンで交換した金属
イオン交換ゼオライトを用い、更に該反応に水素を存在
させて行うことにより、該反応における触媒の活性低下
等による劣化を極めて効果的に抑制できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0015】即ち、本発明は、メタノールとアンモニア
との反応によりメチルアミン類を製造する方法におい
て、触媒の前駆体としてのゼオライトを還元能を有する
金属のイオンで交換した金属イオン交換ゼオライト(以
後、触媒と略称する。)及び水素の存在下に反応を行う
ことを特徴とするメチルアミン類の製造方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用する触媒は、ゼオライトの保有するカチオ
ンの一部を還元能力を有する金属のイオン(カチオン)
で交換したものである。触媒の前駆体として使用するゼ
オライトは本発明方法においては、特に限定されること
はなく、メタノールとアンモニアとの反応によりトリメ
チルアミンの生成を抑制し、モノメチルアミン及びジメ
チルアミンを選択的に生成する公知のゼオライト類で有
ればいかなるゼオライトを使用することも可能である。
ゼオライト類としてモルデナイト、A型ゼオライト、ク
リノプチルライト、チャバサイト、エリオナイト、ZK
−5およびRho型ゼオライト等が例示される。更にこ
れらゼオライトを四塩化珪素等でCVD処理、珪素、ア
ルミニウム、リンまたはホウ素の沈着修飾処理または液
相におけるシリル化剤によるシリル化処理等の処理法に
よってゼオライトの細孔を制御したものも同様に例示さ
れる。ゼオライトとして好ましくはモルデナイトまたは
クリノプチルライトであり、細孔制御処理としては液相
におけるシリル化処理が推奨される。しかしながら、本
発明はこれらゼオライトのみおよびこれらゼオライト細
孔制御処理方法のみに限定されるものではない。
【0017】これら合成もしくは天然のゼオライト類は
通常、大部分はナトリウムイオン型である。本発明にお
いて触媒前駆体としてのゼオライトはその形態(イオン
交換の状態)は特に制限されることはないが、少なくと
も一部が水素イオン型であるものを用いることが好まし
い。とりわけ液相においてシリル化剤によりシリル化処
理をしたゼオライトの場合には水素イオン型を用いるこ
とが推奨される。
【0018】本発明はこれらゼオライト類をイオン交換
処理により、その有するカチオン(水素イオン、ナトリ
ウムイオン等)の一部または総てを還元能を有する金属
のイオン(カチオン)で交換した触媒を使用する。本発
明における、還元能を有する金属とは、水素存在下にお
いて、有機化合物を還元しうる金属を意味する。具体的
には、銅、銀、金、ニッケル、パラジウム、白金、コバ
ルト、ロジウム、イリジウム、鉄、ルテニウムまたはオ
スミウム等の金属が最も一般的な還元能を有する金属と
して例示される。好ましい金属としては銅または銀が例
示される。無論、本発明はこれらの金属のみに限定され
ることはない。
【0019】本発明方法はこれらの群から選ばれた金属
のイオンの少なくとも1種により、上記ゼオライトの有
するカチオンの一部または総てを交換したものを触媒と
して使用する。ゼオライトの上記還元能を有する金属の
イオンによるイオン交換の方法は、本発明においては特
に限定されることはなく、触媒前駆体であるゼオライト
の有する水素イオン等のカチオンが上記金属のカチオン
で交換される方法であれば、いかなる方法で交換しても
差し支えないが、実施し易い方法として具体的に例示す
れば、水素イオン型等のゼオライトを所定量の還元能を
有する金属の化合物を溶解した水溶液中に浸漬した後、
脱イオン水で洗浄し、乾燥、焼成する。または、金属の
化合物を溶解した水溶液中に浸漬後、水を溜去、乾燥後
焼成する等の方法が挙げられる。無論、本発明はこれら
の方法のみに限定されることはない。イオン交換に用い
られる還元能を有する金属の化合物形態としては、特に
限定されることはなく一般的な化合物の形態であれば、
本発明方法におけるイオン交換に使用することが可能で
ある。イオン交換を実施し易い化合物形態としては、
水、アルコール等の溶媒に溶解し得る化合物が好まし
い。具体的には還元能を有する金属の塩化物、硝酸塩、
硫酸塩、酢酸塩等の有機カルボン酸塩などが挙げられ
る。
【0020】本発明は上記触媒前駆体となるゼオライト
の有するカチオンの一部を上記還元能を有する金属のイ
オンで交換したものを触媒として使用するが、これら還
元能を有する金属での交換量は特に限定されないが、少
なくともゼオライトの有する塩基交換能量の0.5%以
上、更に好ましくは1%以上の交換が推奨される。とり
わけ、前駆体ゼオライトとして水素イオン型を用いる場
合には、その交換量はゼオライトの有する塩基交換能量
の1〜90%、好ましくは3〜70%、更に好ましくは
5〜50%を上記還元能を有する金属のイオンで交換す
ることが推奨される。余りに少量の交換量では本発明に
おける効果は顕著には認められない恐れがあり、また余
りに交換量が大量であると、反応速度が低下する恐れが
あるためである。無論、本発明はこれらの量的な範囲の
みに限定されることはない。
【0021】通常、上記したような還元能を有する金属
は、その化合物を形成する際に複数の原子価を有する。
本発明に使用するこれら金属の化合物における金属の原
子価は特に制限されることはない。具体的に示せば、例
えば還元能を有する金属が銅である場合、イオン交換は
所定量の銅の化合物を使用して実施するが、通常銅の化
合物中の銅の原子価は1価ないし2価である。本発明に
おいては、これら何れの原子価を有する銅の化合物によ
り交換することができる。
【0022】本発明における上記したゼオライトの塩基
交換能量(カチオン交換容量)について記す。本発明で
言うゼオライトの塩基交換能量(カチオン交換容量)と
は、Cation Exchange Capacit
y (略記CEC)と称されるものであり、通常、ゼオ
ライト100g当たりの交換容量で表される。この測定
方法に関しては、根岸の文献(粘土科学 第12巻 第
1号 23〜30頁;1972年)に詳しく記述されて
いる。
【0023】ここにおいて、本発明方法における、還元
能を有する金属のイオンによる交換率について詳しく述
べる。前記したようにこれら金属の化合物もしくはイオ
ンはその原子価が1価であるとは限らない。したがっ
て、本発明でいう交換率とは、触媒前駆体であるゼオラ
イトの有する塩基交換能量に対して上記金属イオン交換
率は、交換する金属イオンの価数がn(金属原子価がn
価である)の場合には、式(1)
【0024】
【数1】 Y=[(A×100)×n]/B (1) (式中Yは交換率(単位は%)、Aは触媒前駆体ゼオラ
イト100グラムにイオン交換処理によりゼオライト中
に取り込まれた還元能を有する金属のミリグラム原子
数、nはイオン交換処理に用いられた金属(化合物とし
て)の原子価であり、更にBは上記方法により測定され
た、前駆体ゼオライトの塩基交換能(単位はミリグラム
等量/100g)である。)によって定義される。
【0025】触媒の形態に関しては特に限定されること
はないが、好ましくは粒状等で用いることが推奨され
る。触媒として使用するゼオライト類が粒状もしくは錠
剤に成型済みで有ればそのまま触媒として使用し、粉状
で有れば通常の方法により押し出し、または打錠成型等
の方法で成型して用いることが反応器への充填のし易さ
等の観点から好ましい。
【0026】本発明は、水素の存在下、上記還元能を有
する金属のイオン(カチオン)でイオン交換されたゼオ
ライト類を触媒としてメタノールとアンモニアとの反応
によりメチルアミン類を製造する方法である。ここにお
いて使用するアンモニアは通常の試薬純度のものであっ
ても、また工業純度のものを使用しても差し支えない。
また、反応に使用し分離回収されたアンモニアを一部も
しくはすべてを再使用しても差し支えない。
【0027】使用するメタノールはアンモニア同様、通
常の試薬純度のものでも工業純度のものでも差し支えな
い。また、ジメチルエーテルとの混合物としても使用さ
れる。さらには、精製純度の低いアルデヒド類(特にホ
ルムアルデヒド)を含有しているものを使用することも
可能である。当然、反応に使用し副生したホルムアルデ
ヒドを含む回収メタノール(反応混合物からメチルアミ
ン類を分離した後の、反応副生物である水を含む混合物
より蒸留により分離し、回収されたメタノールも当然含
まれる。)を一部またはすべてを再使用することも出来
る。
【0028】通常、ホルムアルデヒド等のアルデヒド類
はメタノール中に大部分が含有される場合が一般的であ
る。使用するメタノール中に含まれるホルムアルデヒド
等のアルデヒド類の量は特に限定されないが、好ましく
はメタノール中にホルムアルデヒドとしての重量換算で
2,000ppm以下、更に好ましくは1,000pp
m以下である。余りにアルデヒド量が大量で有れば、触
媒寿命の延長効果は認められるが、実質的に工業的製造
法に耐え得る触媒寿命をもたらすことは難しい。本発明
方法の効果は触媒の耐久性の向上である。従って、基本
的には触媒寿命に悪影響を及ぼすホルムアルデヒド等の
アルデヒド類の量は触媒に対する負荷量で決定される。
触媒に対する負荷量も特に制限されることはないが、触
媒単位重量当たりのアルデヒド量はホルムアルデヒド重
量換算で1時間あたり2,000ppm以下が好ましく
更に好ましくは1,000ppm以下である。ここにお
いて、かりに上記メタノール中に含有されるアルデヒド
量以上であっても、触媒に対する負荷量は2,000p
pm以下となり得るが、その際にはメタノールの触媒層
への導入速度は極端に遅くなることが避けられず、工業
的に実施する際には経済的な方法とはならない恐れがあ
る。
【0029】しかしながら、アルデヒド類は必ずしも、
メタノールに含有されたもののみが、反応系内に導入さ
れるとは限らず、一方の反応原料であるアンモニア中に
含有され反応系に導入される場合も有り得る。この際に
は、ホルムアルデヒド等のアルデヒド類の量はメタノー
ル及びアンモニア双方または何れか一方のみにに含まれ
る。この場合の導入アルデヒド量はゼオライト触媒に対
するアルデヒド類の上記した負荷量の範囲で実施するこ
とが好ましい。
【0030】したがって、本発明においては反応に使用
したアンモニアのうち未反応で蒸留等の通常の工業的分
離方法により分離回収されたアンモニア中にホルムアル
デヒド等のアルデヒド類が含有されていてもこれをリサ
イクル再使用して実施することも可能である。無論、本
発明はこれらアルデヒド類が原料中に混入し導入される
ことが必須ではなく、混入していても実施可能であり、
アルデヒド類を含有しない原料を使用して実施すること
も当然のことではあるが可能である。
【0031】本発明方法で使用する反応原料は前記した
ようにメタノールまたはメタノールとジメチルエーテル
との混合物とアンモニアである。アンモニアとメタノー
ルの反応系への導入比率は特に限定されることはない
が、通常アンモニア/メタノールのモル比で0.5以
上、好ましくは1〜10更に好ましくは1〜4の範囲で
実施することが推奨される。
【0032】本発明方法は、メタノールとアンモニアと
の種々のゼオライト触媒の存在下でトリメチルアミンの
生成を抑制するメチルアミン類の製造方法において、更
に反応系に水素を存在もしくは導入することで触媒の活
性低下等の劣化を抑制するメチルアミン類の製造方法で
ある。ここにおいて、反応系に存在もしくは導入する水
素の量は特に限定されないが、原料となるアンモニアと
メタノールの合計のモル量に対して、好ましくは1〜5
0モル%、更に好ましくは2〜20モル%の範囲であ
る。余りに水素が多量に存在すれば、反応効率の低下、
蒸留効率の低下等の工業的実施に差し支える恐れがあ
り、余りに少量で有れば本発明方法における効果がそれ
ほど期待されない恐れが生じる。
【0033】反応形態は本発明方法においては特に限定
されることはないが好ましくは、気相で固定床もしくは
流動床で流通反応で実施することが工業的な製造方法と
して推奨される。この際、充填された触媒層に供給する
気体(主にアンモニア、メタノール及び水素から構成さ
れる)の導入速度は特に限定はされないが、好ましくは
標準状態気体換算空間速度(SV)で示すと200〜2
000/時間の範囲である。反応圧力に関しても特に限
定されなく、常圧、加圧、減圧の何れの圧力下で実施す
ることも可能であるが、好ましくは常圧〜30Kg/cm
2G.、更に好ましくは5〜25Kg/cm2G.の範囲で実
施することが推奨される。反応温度も同様に特に限定さ
れることはないが、好ましくは200〜450℃、更に
好ましくは250〜350℃である。余りに高温で実施
すれば、好ましからざる副生物が多量に生成し、経済的
とはならず、また余りに低温で実施すれば、実質的に好
ましい反応転化率を達成することは困難となる恐れがあ
る。
【0034】本発明方法において使用する反応装置は特
に限定されることはないが、実施し易い装置として例示
すれば、通常の固定床または流動床反応装置である。メ
タノールとアンモニアからメチルアミン類を生成する反
応は約14Kcal/molの発熱反応であるため、固
定床反応装置を使用する場合には反応熱の除去に留意す
ることがトリメチルアミン生成を低レベルに保つのに重
要である。この目的で、多管式の反応器の採用が好まし
い。多管式反応器のチューブ径は一般的には1〜3イン
チの範囲が多用されている。反応装置の出口ガス(反応
ガス)は通常の分離精製装置により、メチルアミン類を
分離取得し、更に未反応のメタノール、アンモニアも分
離回収されるが、回収されたメタノール及び/又はアン
モニアは反応系にリサイクル再使用することもできる。
【0035】
【実施例】以下、実施例により、本発明をより詳細に説
明する。 触媒調製 触媒1 水熱合成で得られたナトリウム型の合成モルデナイト5
00gを1規定硝酸アンモニウム水溶液2.5L中に投
入し、オイルバス上で加熱し8時間リフラックスした。
固液を分離し、脱イオン水で固体を洗浄後、新たな2規
定硝酸アンモニウム水溶液を固体に加え同様に8時間リ
フラックスした。固液分離後、固体を充分脱イオン水で
洗浄、乾燥後、空気流通下に600℃5時間焼成し触媒
前駆体のモルデナイトとした。得られたモルデナイト中
のナトリウム含有量はNa2O として0.12w%であ
った。これを打錠し3mm×3mmの円筒状に成型し
た。次いで、0.1規定の硝酸水溶液中に投入後30分
放置してから固液分離し、固体を風乾後140℃で6時
間乾燥後、室温で空気中に10時間放置した。この状態
でモルデナイトに約10w%の水分と微量の硝酸が吸蔵
されていた。230ミリモルのテトラエトキシシランを
含むトルエン1L中に上記で得られた水分を吸蔵したモ
ルデナイトを投入し室温で8時間緩やかに振とうしモル
デナイトのシリル化処理を実施した。シリル化終了後、
固液分離し、固体を減圧下に140℃、5時間乾燥した
後、空気雰囲気下に600℃、5時間焼成し触媒1とし
た。
【0036】触媒2 触媒1を100g、塩基交換量の10%量の酢酸銅を水
に溶解させた酢酸銅水溶液250mL中に入れ、8時間
室温で攪拌した後、懸濁液を減圧下に蒸発乾固した後、
空気下500℃で2時間焼成し、銅交換率10%のモル
デナイトを得た。これを触媒2とした。
【0037】触媒3 イオン交換処理に用いた酢酸銅の量を塩基交換量の20
%の酢酸銅水溶液とした以外は触媒2と同様の調製方法
により調製し、銅交換率20%のモルデナイトとし、こ
れを触媒3とした。
【0038】触媒4 触媒1の調製に使用した合成モルデナイト500gを触
媒1と同様に硝酸アンモニウム処理し、一旦、ナトリウ
ムを充分にアンモニウムイオンに交換した。次いで、
0.02規定硝酸ナトリウムの水溶液2L中に投入し1
分間緩やかに振とうし、直ちに固液分離、脱イオン水で
洗浄後乾燥し、600℃で焼成し触媒前駆体のモルデナ
イトとした。得られたモルデナイト中のナトリウム含有
量はNa2O として0.75w%であった。これを3m
m×3mmの円筒状に成型した。その後は触媒1と同様
の処理によりシリル化を行い、触媒4とした。
【0039】触媒5 触媒4を200g、塩基交換量の10%量の酢酸銅を水
に溶解させた酢酸銅水溶液500mL中に入れ、8時間
室温で攪拌した後、懸濁液を減圧下に蒸発乾固した後、
空気下500℃で2時間焼成し、銅交換率10%のモル
デナイトを得た。これを触媒5とした。
【0040】触媒6 天然産クリノプチルライト(クリノプチルライト含有量
74%、粒径2.5〜3.5mm)500gを4規定塩
酸2.5Lに投入し、室温で8時間緩やかに振とうし
た。固液分離後、新たな4規定塩酸2.5Lを使用し、
更に15時間同様の処理をし、固液分離、脱イオン水洗
浄、乾燥後600℃で焼成し触媒前駆体を調製した(N
2O 含有量0.1w%)。これを触媒1と同様の方法
でテトラエトキシシランによりシリル化処理を行い触媒
6とした。
【0041】触媒7 触媒6を200g、塩基交換量の10%量の酢酸銅を水
に溶解させた酢酸銅水溶液500mL中に入れ、8時間
室温で攪拌した後、懸濁液を減圧下に蒸発乾固した後、
空気下500℃で2時間焼成し、銅交換率10%のモル
デナイトを得た。これを触媒7とした。
【0042】触媒8 粒径2〜3mmの天然ゼオライト(モルデナイト含有量
約70%)220gを2規定塩酸2L中に投入し50℃
で10時間振とうした。固液分離後、更に固体を新たな
1規定塩酸2Lを用い、同様の操作を繰り返した。ゼオ
ライトを濾別、脱イオン水洗浄、乾燥後600℃で焼成
しH−モルデナイト(触媒前駆体)を得た。得られたモ
ルデナイトはほぼ完全にH型であり、Naの含有量は
0.19%であった。この触媒前駆体を触媒1と同様の
方法でテトラエトキシシランによるシリル化処理を行い
触媒8とした。
【0043】触媒9 触媒8を100g、塩基交換量の10%量の酢酸銅を水
に溶解させた酢酸銅水溶液250mL中に入れ、15時
間、室温で振とうした後、懸濁液を減圧下に蒸発乾固し
た後、空気下500℃で2時間焼成し、銅交換率10%
のモルデナイトを得た。これを触媒9とした。
【0044】触媒10 触媒2の調製方法において、酢酸銅の代わりに酢酸銀を
塩基交換量の10%を使用した以外は総て触媒2の調製
方法と同一の方法で、銀交換率10%のモルデナイトを
得た。これを触媒10とした。
【0045】触媒11 触媒2の調製方法において、酢酸銅の代わりに酢酸パラ
ジウム(2価)を塩基交換量の10%を使用した以外は
総て触媒2の調製方法と同一の方法で、パラジウム交換
率10%のモルデナイトを得た。これを触媒11とし
た。
【0046】比較例1 上記調製方法により調製された触媒1を50g、内径2
5mmのステンレス鋼製反応管に充填し、外部より砂流
動浴で290℃に加熱した。工業用メタノールを毎時3
0gとアンモニアを毎時36gとを触媒層に圧入し圧力
20Kg/cm2Gでメチルアミン製造反応を行った。触媒
層の最高温度は294〜296℃を示した。100時
間、2000時間及び4000時間経過後の反応成績を
表1に掲げた。
【0047】比較例2 比較例1において、更に窒素を毎分100mL(20
℃、1気圧換算)で導入した以外は比較例1と同一の条
件でメタノールとアンモニアとの反応を行った。各経過
時間後の反応成績を表1に掲げた。反応結果は、表1に
示したように、若干メタノール転化率は低下するが、触
媒の性能劣化はの程度は比較例1と同様であった。
【0048】比較例3 比較例2において、触媒1の代わりに触媒2を50gと
した以外は総て比較例2と同一の条件で反応を行った。
結果は表1に示したように、銅イオンで部分交換した触
媒で水素を添加しないで行った場合にはかえって、触媒
の劣化を促進する。
【0049】比較例4 比較例2において、窒素の代わりに水素を毎分100m
L(20℃、1気圧換算)を導入した以外はすべて比較
例2と同一の条件で実施した。結果は表2に掲げた。
【0050】実施例1 比較例4において、触媒1を触媒2に代えた以外は、触
媒充填量、反応条件等、総て比較例4と同一の条件で実
施した。結果は表2に示したように、触媒の活性低下の
抑制が顕著であった。
【0051】実施例2 実施例1において、触媒2を触媒3に代えた以外は、触
媒充填量、反応条件等、総て実施例1と同一の条件で反
応を行った。結果は表2に掲げたように、イオン交換量
を代えても、触媒の劣化抑制効果は歴然と認められた。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】比較例5 比較例2において触媒1の代わりに触媒4を50gとし
た以外は総て比較例2と同一の条件で反応を実施した。
反応開始後100時間、2000時間及び4000時間
の結果を表3に示した。
【0055】比較例6 比較例5において、窒素の代わりに水素を毎分100m
L(20℃、1気圧換算)を導入した以外は総て比較例
5と同一の条件で実施した。結果は表3に掲げたように
水素の導入により、触媒の性能低下が抑制されたことが
分かる。
【0056】実施例3 比較例6において触媒4の代わりに触媒5を50gとし
た以外は比較例6と同一の条件で反応を実施した。結果
を表3に示した。
【0057】
【表3】
【0058】比較例7 比較例2において触媒1の代わりに触媒8を50gとし
た以外は総て比較例2と同一の条件で実施した。反応開
始後100時間、2000時間及び4000時間におけ
る反応成績を表4に掲げた。
【0059】比較例8 比較例4において触媒1の代わりに触媒8を50gとし
た以外は総て比較例4と同一の条件で実施した。反応開
始後100時間、2000時間及び4000時間におけ
る反応成績を表4に掲げた。
【0060】実施例4 比較例8において触媒8の代わりに触媒9を50gとし
た以外は総て比較例8と同一の条件で反応を行った。結
果は表4に示した。
【0061】
【表4】
【0062】実施例5 実施例1において触媒2の代わりに触媒10を50gと
した以外は総て実施例1と同一の条件で反応を行った、
反応成績は表5に示した。
【0063】実施例6 実施例1において触媒2の代わりに触媒11を50gと
した以外は総て実施例1と同一の条件で反応を行った、
反応成績は表5に示した。実施例5及び6の結果から、
銀又はパラジウム交換ゼオライト触媒も触媒劣化の抑制
効果が認められることが分かる。
【0064】
【表5】
【0065】比較例9 比較例2において、使用したメタノールをホルムアルデ
ヒドを670ppm含有するメタノールに代えた以外は
総て比較例2と同一の条件で実施した。この時ホルムア
ルデヒドの送入量は触媒1Kgに対して1時間当たり
0.4gに相当する。反応開始後100時間及び300
0時間経過後の反応成績を表6に掲げた。
【0066】比較例10 比較例4において、使用したメタノールをホルムアルデ
ヒドを670ppm含有するメタノールに代えた以外は
総て比較例4と同一の条件で実施した。この時ホルムア
ルデヒドの送入量は触媒1Kgに対して1時間当たり
0.4gに相当する。反応開始後100時間及び300
0時間経過後の反応成績を表6に掲げた。
【0067】実施例7 比較例10において触媒1の代わりに触媒2を50gと
した以外は総て比較例10と同一の条件で反応を行っ
た。結果は表6に示したように、相当量のホルムアルデ
ヒドを混在させたメタノールを使用しても触媒性能低下
の抑制に効果が認められた。
【0068】
【表6】
【0069】比較例11 比較例9において、触媒1の代わりに触媒4を50gと
した以外は総て比較例9と同一の条件で反応を行った。
反応開始後100時間及び2000時間の反応成績を表
7に示した。
【0070】比較例12 比較例10において、触媒1の代わりに触媒4を50g
とした以外は総て比較例10と同一の条件で反応を行っ
た。反応開始後100時間及び2000時間の反応成績
を表7に示した。
【0071】実施例8 比較例12において触媒4の代わりに触媒5を50gと
した以外は総て比較例12と同一の条件で反応を行っ
た。反応開始後100時間及び2000時間の反応成績
を表7に示した。実施例7で確認されたと同様に還元能
を有する金属のイオンである銅イオンの触媒劣化抑制の
効果が認められる。
【0072】
【表7】
【0073】比較例13 比較例11において触媒4の代わりに触媒6を50gと
した以外は総て比較例11と同一の条件で反応を行っ
た。反応開始後100時間及び2000時間の反応成績
を表8に示した。
【0074】比較例14 比較例12において触媒4の代わりに触媒6を50gと
した以外は総て比較例12と同一の条件で反応を実施し
た。反応開始後100時間及び2000時間の反応成績
を表8に示した。
【0075】実施例9 比較例14において触媒6の代わりに触媒7を50gと
した以外は総て比較例14と同一の条件で反応を実施し
た。反応開始後100時間及び2000時間の反応成績
を表8に示した。
【0076】
【表8】
【0077】比較例15 メタノールを、比較例5の反応液から蒸留分離により回
収されたメタノール2重量部と工業用メタノール8重量
部とを混合したメタノール(アルデヒド類のホルムアル
デヒド換算量は約400ppm)に代えた以外は比較例
2と同一の条件で反応を実施した。結果は表9に示し
た。
【0078】比較例16 メタノールを、比較例5の反応液から蒸留分離により回
収されたメタノール2重量部と工業用メタノール8重量
部とを混合したメタノール(アルデヒド類のホルムアル
デヒド換算量は約400ppm)に代えた以外は比較例
4と同一の条件で反応を実施した。結果は表9に示し
た。
【0079】実施例10 比較例16において触媒1の代わりに触媒2を50gと
した以外は総て比較例16と同一の条件で反応を実施し
た。結果は表9に示したように、反応から回収されたメ
タノールを原料として使用した場合にも、本発明におけ
る触媒の劣化抑制効果が認められた。
【0080】
【表9】
【0081】
【発明の効果】メタノールとアンモニアとをゼオライト
触媒の存在下に反応させて、トリメチルアミンの生成量
を抑制するメチルアミン類の製造方法において、本発明
方法を実施することで、従来メチルアミン類製造に使用
されているホルムアルデヒド等のアルデヒド類を殆ど含
有しない、高純度のメタノールのみでなく、ホルムアル
デヒド等のアルデヒド類が混入したメタノールを原料と
して使用した際にも、触媒の性能低下を抑制し工業的且
つ安定にトリメチルアミンの生成量を抑制して、ジメチ
ルアミンとモノメチルアミンを主として製造することが
できる。更に、高純度のメタノールを原料として、本発
明方法を実施することでも、同様に触媒の性能低下を抑
制し、長期間、極めて安定にメチルアミン類を製造する
ことが可能となった。これによりメタノールとアンモニ
アとをゼオライト触媒存在下に反応させてメチルアミン
類を製造する際、反応後の未反応メタノールを蒸留等の
通常の分離方法のみで回収したものを、再度反応に使用
することができ、極めて経済性の高いメチルアミン類の
製造方法が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松井 和明 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 徳元 修一 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 井上 薫 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタノールとアンモニアとの反応により
    メチルアミン類を製造する方法において、触媒の前駆体
    としてのゼオライトを還元能を有する金属のイオンで交
    換した金属イオン交換ゼオライト及び水素の存在下に反
    応を行うことを特徴とするメチルアミン類の製造方法。
  2. 【請求項2】 メタノールが、ホルムアルデヒドを含有
    するものである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 メタノールの一部が、メタノールとアン
    モニアとを還元能を有する金属のイオンで交換した金属
    イオン交換ゼオライト及び水素の触媒存在下に反応させ
    てメチルアミン類を製造する際に反応混合物より回収さ
    れた未反応のメタノールである請求項1または2記載の
    方法。
  4. 【請求項4】 ホルムアルデヒドの含有量が、メタノー
    ルに対して重量比で2,000ppm以下である請求項
    2または3記載の方法。
  5. 【請求項5】 触媒の前駆体としてのゼオライトが、ク
    リノプチルライト及びモルデナイトよりなる群から選ば
    れた少なくとも1種である請求項1、2、3または4記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 回収された未反応のメタノールが、反応
    混合物からメチルアミン類を分離した後の、反応副生物
    である水を含む混合物より蒸留により分離し、回収され
    たメタノールである請求項3記載の方法。
  7. 【請求項7】 触媒の前駆体としてのゼオライトが、液
    相においてシリル化剤によりシリル化されたゼオライト
    である請求項1、2、3、4、5または6記載の方法。
  8. 【請求項8】 触媒の前駆体としてのゼオライトが、水
    素イオン型ゼオライトである請求項1、5または7記載
    の方法。
  9. 【請求項9】 還元能を有する金属のイオンによる、金
    属イオン交換ゼオライトのイオン交換量が、金属イオン
    交換ゼオライトの有する全塩基交換能量の1〜90%で
    ある請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 還元能を有する金属が、銅、銀、金、
    ニッケル、パラジウム、白金、コバルト、ロジウム、イ
    リジウム、鉄、ルテニウム及びオスミウムよりなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種である請求項1または9記載
    の方法。
  11. 【請求項11】 還元能を有する金属が、銅および銀よ
    りなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項1ま
    たは9記載の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020503261A (ja) * 2016-11-30 2020-01-30 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se ゼオライト触媒を用いてエチレングリコールをエチレンジアミンに変換する方法
CN114425337A (zh) * 2020-10-10 2022-05-03 中国石油化工股份有限公司 一种甲醇胺化催化剂及其应用

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