JPH0859566A - メチルアミン類の製造方法 - Google Patents

メチルアミン類の製造方法

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JPH0859566A
JPH0859566A JP6198157A JP19815794A JPH0859566A JP H0859566 A JPH0859566 A JP H0859566A JP 6198157 A JP6198157 A JP 6198157A JP 19815794 A JP19815794 A JP 19815794A JP H0859566 A JPH0859566 A JP H0859566A
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methanol
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Tadamitsu Kiyoura
忠光 清浦
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ゼオライト触媒の存在下メタノールとアンモ
ニアからトリメチルアミンの生成を抑制したメチルアミ
ン類の製造に際し、長時間操業後にもメタノール転化率
を高く維持出来る、効率の良いメチルアミン類の製造方
法を提供する。 【構成】 メタノールとアンモニアをゼオライト触媒の
存在下に反応させメチルアミン類を製造する方法におい
て、該触媒に供給する反応原料中に不純物として含有さ
れる塩化ナトリウムの量を触媒1kg当たり毎時0.1
ミリモル以下に制限することを特徴とするメチルアミン
類の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はメチルアミン類の製造方
法、より詳細には、メタノールとアンモニアからトリメ
チルアミンの生成を充分に抑制したメチルアミン類の製
造方法に於いて、メチルアミン合成触媒の触媒活性を長
期間にわたり高く保持しながらメチルアミン類を製造す
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】メチルアミン類、即ちモノメチルアミ
ン、ジメチルアミンおよびトリメチルアミンはメタノー
ルまたはメタノールとジメチルエーテルの混合物をアン
モニアと反応させる方法や、青酸を接触還元する方法等
で製造される。而して、これらのメチルアミン類はモ
ノ、ジ、およびトリメチルアミンの混合物として生成
し、各々に対応した用途を持つ。 一方、これらのメチ
ルアミン類の需要は、ジメチルアミン、またはモノメチ
ルアミンに偏っており、トリメチルアミンの需要は現状
では少ない。 通常の非晶質シリカアルミナを触媒とし
てメタノールとアンモニアの反応で得られるメチルアミ
ン類は、トリメチルアミンが主生成物であり、需要の多
いジメチルアミンの取得量が少ない難点があつた。これ
らの難点を克服するために、炭素数1〜18のアルコー
ルとアンモニアとの反応に孔径5〜10オングストロー
ムの値を持つ脱水した結晶性アルミノシリケート(ゼオ
ライト)を触媒に用いると、モノ、およびジアミンがト
リアミンより優先的に生成することが開示されている。
また、上記した反応に適したゼオライトの種類とし
て、天然ゼオライトおよび合成ゼオライトが示されてい
る。天然ゼオライトとして、フォージャス石、アナルサ
イト、クリノプチルライト、フェリエライト、チャバザ
イト、グメリナイト、レビナイト、エリオナイトおよび
モルデナイト等が適当であると開示されている。 合成
ゼオライトとしては、X型、 Y型およびA型等が適当
であると開示されている(USP.,3,384,66
7; 1968年)。
【0003】メタノールとアンモニアを特定割合で混合
し、モルデナイト等の触媒存在下に反応させモノメチル
アミンを特異的に多く取得する方法(特開昭56−11
3747)、およびNaモルデナイトから選ばれる結晶
質アルミノシリケートで、モノメチルアミンを不均化し
ジメチルアミンを高選択的に得る(特開昭56−468
46)方法も開示されている。上記のUSP.,3,3
84,667と同様な方法で使用するモルデナイトに天
然産の鉱物を使用する方法(特開昭57−16944
4)、ランタンイオンでイオン交換したモルデナイトを
触媒に使用する方法(特開昭58−49340)、アル
カリ金属のイオン交換量を特定の範囲に限定したモルデ
ナイトを触媒に使用する方法(特開昭59−21005
0)、触媒にスチーム処理したモルデナイトを使用する
方法(特開昭59−227841)、低バインダー含有
量のA型ゼオライトを触媒として使用する方法(特開昭
58−69846)または、Rho型(ZK−5)ゼオ
ライトを触媒とする方法等も開示されている。
【0004】以上の方法でゼオライト系の触媒を使用す
るとトリメチルアミンの生成量を抑制することができる
が、更にトリメチルアミンの生成量をゼロないし実質的
にゼロとする目的でモルデナイトの細孔を四塩化珪素の
CVD処理で修飾したものを触媒として使用する方法も
知られている(特開平03−262540; J.Ca
tal.,131巻,482(1991).)。チャバ
ザイト、エリオナイト、ZK−5およびRho型ゼオラ
イト上にケイ素、アルミニウム、燐またはホウ素の化合
物を沈澱させ変性したものを触媒にする方法(特開昭6
1−254256)でトリメチルアミンの生成を低減す
る方法もある。また、非ゼオライト系モレキュラーシー
ブのSAPOを触媒としてアルコールとアンモニアを反
応させアルキルアミンとする方法(特開平 2−73
4)も知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く、従来開示
されている種々なゼオライト系触媒をメタノールとアン
モニアとの反応に使用することで、需要の少ないトリメ
チルアミンの生成量を低く抑制し、需要の多いジメチル
アミンの取得量を高めることができるようになってい
る。しかしながら、これらのゼオライト系の化合物を触
媒に使用すると、トリメチルアミンの生成を抑制する形
状選択性を発現させるために、触媒のミクロポアーは生
成物分子の大きさと略同一であり、極く僅かのタール様
物質または炭素質等が触媒のミクロポアーに沈着したり
析出すると触媒の活性は低下し、徐徐に目的物の生成量
が低減して実用的な生産ができなくなるに至る。
【0006】メタノールとアンモニアからゼオライト特
にモルデナイトを触媒としてメチルアミン類を製造する
際には炭素質の生成を抑制するために300℃以下の比
較的低い反応温度での操業でも触媒活性の経時的な低下
は著しく大きく、工業的操業の場合触媒寿命は2〜3ケ
月程度でゼオライト触媒の効率的な使用は、非常に困難
となつている、と記載されている(特開平2−6355
4、USP.,5,068,442)。また、上記明細
書には、モルデナイト等のゼオライト触媒でメチルアミ
ンの合成を行う際にも、メタン、エタンなどの炭化水
素、水素、ジメチルエーテル、ホルムアルデヒド等のア
ルデヒド類等が副生し、これらのうちで特にホルムアル
デヒド等のアルデヒド類が炭素質の析出原因となり触媒
活性の逐時的な低下をもたらすと記載されている。そこ
で、ゼオライト触媒の寿命を延長させるには触媒層に供
給する反応原料中のホルムアルデヒド量を0.15g/
h.kg−cat.以下に抑制することが肝要であると
が開示されている。また、これらのアルデヒド類は未反
応メタノール留分中に主に混在し、未反応メタノールを
触媒層にリサイクルした場合特異的に触媒寿命を著しく
短くする、との開示もされている(特開平2−6355
4、USP.,5,068,442、化学工学56巻4
21頁、1990年)。以上の理由で形状選択性を持つ
ゼオライト触媒と共に通常のシリカアルミナ触媒を組み
合わせ、リサイクルメタノールを形状選択性を持たない
通常のシリカアルミナ触媒に供給して混在するホルムア
ルデヒド類を分解除去する複雑な合成経路を持つメチル
アミン類製造法も提案されている。
【0007】上記の如き触媒の劣化対策を施した反応方
法を用い、或いは、ホルムアルデヒドに対して耐久性を
示す触媒(特願平06−068478)を使用しても、
長期間にわたる反応に於いてはメタノールの転化率が徐
徐に低下する問題点がある。本発明の目的は、メタノー
ルとアンモニアからゼオライト触媒の存在下メチルアミ
ン類を製造する方法において、上記の如き問題点の無
い、すなわち、長期間にわたりメタノールの転化率を高
く保った、効率の良いメチルアミン類の製造方法を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、アンモニア
とメタノールからゼオライト触媒の存在下にトリメチル
アミンの生成を抑制したメチルアミン類の製造方法にお
いて、長期間にわたる操業に於いてもメタノールの転化
率を高く保つ、効率の良いメチルアミン類の製造方法に
関し種々研究した。その結果、メタノールとアンモニア
をゼオライト触媒の存在下に反応させてメチルアミン類
を製造する方法において、該触媒に供給する反応原料中
に不純物として含有される塩化ナトリウムの量を触媒1
kg当たり毎時0.1ミリモル以下、より好ましくは
0.05ミリモル以下に制限すれば、長期間にわたる操
業でもメタノールの転化率を高い値に保持することがで
き効率のよいメチルアミンの製造ができることを見いだ
し本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、メタノールとアンモ
ニアをゼオライト触媒の存在下に反応させメチルアミン
類を製造する方法において、該触媒に供給する反応原料
中に不純物として含有される塩化ナトリウムの量を触媒
1kg当たり毎時0.1ミリモル以下に制限することを
特徴とするメチルアミン類の製造方法である。
【0010】また、本発明では、触媒に供給する反応原
料中に不純物として含有される塩化ナトリウムの量が触
媒1kg当たり毎時0.05ミリモル以下であることが
好ましい。
【0011】メチルアミン類をゼオライト触媒の存在下
メタノールとアンモニアから製造する際に、反応終了後
の反応混合物から未反応メタノールを回収し再び反応原
料として触媒層にリサイクルする場合に特に触媒活性の
劣化が起こりメタノールの転化率が低下するとされてい
る(特開平2−63554、化学工学 1996年56
巻421頁)。また、これらの触媒活性劣化はアルデヒ
ド類の触媒層への混入に原因があるとされている。
【0012】以上の既往知見に基き、未反応メタノール
のリサイクル系を含まない反応方法で、また、触媒層に
反応原料と共に流入するアルデヒド化合物類を10pp
m以下に保つてゼオライト触媒の存在下にメチルアミン
の合成を試験した。その結果は、ある場合には長期間の
合成反応試験を実施した後でも触媒の劣化は無くメタノ
ールの転化率の低下は実質的に認められなかつた。とこ
ろが、ある場合には、同一バツチの触媒を使用し同様な
長期間のメチルアミン合成試験を実施すると、メタノー
ル転化率が低下し触媒活性の劣化が認められることが判
明した。これはアルデヒド化合物に対して耐久性のある
メチルアミン類合成触媒(特願平06−068478)
を使用した試験の場合でも同様にメタノール転化率の低
下が認められる場合と認められ無い場合のあることが明
らかとなつた。
【0013】上記のメタノール転化率低下の原因を知る
目的で長期間にわたるメチルアミン合成反応試験に供し
たゼオライト触媒を分析した結果、メタノール転化率低
下の有無に関わらずゼオライト触媒に析出した炭素質の
量は同一水準であり炭素質のゼオライト触媒への析出が
メタノール転化率低下の主原因ではないことが推定され
た。次いで、上記した長期間メチルアミン合成試験後の
触媒のアンモニア昇温脱離によりゼオライト触媒の酸点
の量を測定した結果、メタノール転化率の低下した触媒
では酸点の量がメタノール転化率の低下しなかつた触媒
に比べ減少していることが認められ、また、酸点の量の
減少は主に酸点がナトリウムにより中和されているため
であることが判明した。
【0014】メチルアミン類合成のゼオライト触媒に供
する反応原料中にナトリウムの混入する原因を種々検討
した結果、ナトリウムはメタノールから塩化ナトリウム
として混入することが判明した。メタノールは実質的に
産油地、または天然ガスの大規模産出地で製造されタン
カーで消費地まで輸送され使用されている。メタノール
中の塩化ナトリウムの混入はメタノール輸送船のタンク
を海水で洗浄する場合に混入し、真水でタンク洗浄した
場合には混入しない。よつて、メチルアミン類合成反応
の際に、メタノール転化率の低下する場合と低下しない
場合の差異は触媒層に供給する反応原料中に混入する不
純物の塩化ナトリウム量の差異に依存していることが明
らかとなつた。
【0015】タンカーに依り輸送され輸入されるメタノ
ール中の塩化ナトリウム量は通常1〜2ppmの範囲で
あり問題は無いが20〜30ppmにも及ぶものが混入
する場合があるため、長期間の操業の際にメタノール転
化率を高く維持するためには充分な注意が必要となる。
また、各種の製造プロセスからの回収メタノールでは、
塩析操作等で大量の塩化ナトリウムが混入する場合もあ
るので回収メタノールをメチルアミン製造原料とする際
等にも注意を要する。
【0016】メチルアミン合成のゼオライト触媒層に不
純物として混入する塩化ナトリウムの量を本発明の方法
である触媒1kg当たり毎時0.1ミリモル以下に保持
するには、使用するメタノール中の塩化ナトリウム量を
充分低く保てばよい。塩化ナトリウムを除去するにはイ
オン交換、吸着操作等の常法に依るか、または、メチル
アミン製造プロセスのメタノルー蒸発器の形状、ミスト
分離器の形状を選ぶことにより目的を達することの出来
る場合もある。また、塩化ナトリウムの反応系内混入を
排除することで、メチルアミン製造装置のハロゲンに起
因する腐食を防止する効果も併せて得ることができる。
【0017】本発明の方法で触媒として使用できるゼオ
ライトには特に制限は無く種々なものが例示できるが、
例えば、モルデナイト、クリノプチルライト、チャバザ
イト等が多用される。従来メタノールとアンモニアから
メチルアミン類を得る反応に多用されている通常のモル
デナイトはNa8 (Al8 Si4096)・24H2 Oで
表される結晶状のアルミノシリケートである( ATL
AS OF ZEOLITESTRUCTURE TY
PES, W.M.Meier and D.H.Ol
son, 1987,Butterworths )。
【0018】また、Me1/n (AlSi512)・3H
2 O ,(Meはn価のアルカリまたはアルカリ土類原
子または水素を表す。)で表記されている(特開昭57
−169444; 特開昭59−210050 等)場
合もある。
【0019】いずれの場合においても、通常のモルデナ
イトでは天然品または合成品(Norton社Zeol
on、UCC社LZM−8、La Grande Pa
roisse社CM−180、等)を問わず、そのSi
/Al比は5、(シリカ/アルミナ)比(SiO2 /A
23 )で示すと10の近傍であつて、(シリカ/ア
ルミナ)比で11を越えるものは特殊な合成品を除き知
られていない。
【0020】然るに、本発明の方法で使用するモルデナ
イトは(シリカ/アルミナ)比が10または10以上の
ものである。(シリカ/アルミナ)比が10前後のもの
であれば通常の合成または天然モルデナイトを使用す
る。(シリカ/アルミナ)比が11以上のものは、通常
のモルデナイトに酸処理、スチーム処理などの常法をほ
どこすことで得ることもできるし、ケイ酸ソーダ水溶液
と塩化アルミニウム水溶液で (10+n)Na2
(3+n)Al23 (87−n)SiO2(ここでn
は0〜4)の組成を持つゲル状のスラリーを調製し、こ
れを130〜250℃で10時間〜数日間水熱合成する
ことにより製造する(Am.Mineral.65巻、
1012(1972))。
【0021】クリノプチルライトはNa6(Al6Si30
72)24H2Oの組成である。このままの(シリカ/
アルミナ)比で使用してもよいし、或いは酸処理、スチ
ーム処理等により(シリカ/アルミナ)比を高めたもの
を使用してもよい。
【0022】チャバザイトはCa6(Al12Si
2472)40H2Oの組成であり、このままの(シリカ
/アルミナ)比で使用してもよいし常法により(シリカ
/アルミナ)比を高くしたものを使用しても良い。
【0023】本発明の方法に於いて、使用するゼオライ
ト類は通常水素イオン型のものを使用する場合が多い。
合成または天然のゼオライトは、通常Naイオン型とし
て得られる。本発明の方法に於いては上記ゼオライト中
のナトリウムイオンを常法により水素イオン型に転換す
る。水素イオン型に転換するには、例えば、硝酸アンモ
ニウム、塩化アンモニウム等のアンモニウム塩水溶液中
にイオン交換すべき上記ゼオライトを投入しイオン交換
する。アンモニウム塩水溶液の濃度は0.1〜2規定の
範囲が多用され、ゼオライト中のイオン交換すべきカチ
オン量の2〜10倍のアンモニウム塩に対応する量のア
ンモニウ塩水溶液を使用する。イオン交換する際の温度
は室温〜アンモニウム塩水溶液の沸点である。イオン交
換に要する時間は1〜30時間の範囲が多用される。ア
ンモニウム塩でイオン交換した上記ゼオライトは脱イオ
ン水で洗浄後、固液分離し乾燥、500〜700℃に焼
成して触媒、またはその先駆体とする。
【0024】使用する上記ゼオライト中のナトリウムイ
オンを水素イオン型にするには、アンモニウム塩水溶液
で処理する方法以外に、直接、酸水溶液でイオン交換処
理する方法も多用される。この際に使用する酸は塩酸、
硝酸或いは硫酸等である。酸水溶液の濃度は6規定以
下、特に0.5〜4規定の範囲が多用される。使用する
酸の量は交換すべきゼオライト中のカチオンの2〜10
倍量が使用される。酸水溶液によりイオン交換したゼオ
ライトも同様に脱イオン水で洗浄後固液分離し、乾燥後
400〜700℃に焼成し触媒、またはその先駆体とす
る。
【0025】ナトリウムイオンを水素イオンにイオン交
換したモルデナイト或いはクリノプチルライトは通常ト
リメチルアミンの生成抑制能力が乏しい。上記ゼオライ
トにトリメチルアミンの生成抑制能を付与するために上
記ゼオライト中のカチオン量を適宜調製するために、例
へば、特開昭59−210050記載の方法等で処理す
る。または、トリメチルアミンの生成を抑制するために
上記ゼオライトの外表面をシリル化剤によりシリル化処
理をおこなう。上記ゼオライトのシリル化処理に使用す
るシリル化剤は、ケイ素のアルコキサイドSi(OR)
4 (Rはメチル、エチルまたはイソプロピルなどの低級
アルキル基を表す。)が便利であつて、特にテトラメト
キシシラン、テトラエトキシシラン等が本発明の方法に
於いて多用される。これらのケイ素アルコキサイドは、
工業原料として容易に得られるし、四塩化ケイ素とメタ
ノールまたはエタノール等のアルコール類との反応、ま
たは金属ケイ素とアルコールとの反応で簡単に製造する
ことができる。
【0026】上記ゼオライトのシリル化剤による処理の
方法は特に限定されないが、液層中における処理や、C
VD法による気層中に於ける処理等がある。その中で、
上記ゼオライトのシリル化処理を液層中で実施する場
合、ケイ素のアルコキサイドを溶解せしめる溶媒には水
と均一相を成すアルコール性の溶媒を使用する場合と、
水と二液相を成すベンゼンやトルエン等を溶媒として使
用する場合とが多用される。水と均一相を成す溶媒とし
てはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール
等の低級アルコールが多用される。その他にメチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブ等の化合物を溶媒として使用
しても良い。また、使用する溶媒中の水分が多いと、ケ
イ素アルコキシドが加水分解され、無駄に消費されるの
で、溶媒中の水はできるだけ少ないほうが好ましい。ケ
イ素のアルコキシドを上記したアルコール溶媒に溶解さ
せて使用するが、その溶解量は0.1〜50wt%、特
に1〜30wt%の範囲が多用される。
【0027】上記した、ケイ素アルコキシドのアルコー
ル溶液に上記ゼオライトを懸濁させてゼオライトの外表
面上にケイ素化合物を析出固定させる。ケイ素化合物に
よる処理に先立つて、処理するゼオライトの含水量を4
%以下になるように乾燥することが好ましい。ケイ素ア
ルコキシドの使用量はモルデナイトの重量に対し0.5
〜30%、特に1〜20%の範囲が多用される。シリル
化処理を実施する際の温度は室温ないしアルコール溶液
の沸点であり、通常20〜90℃の範囲が多用される加
圧下で処理する場合には更に処理温度を高くすることも
できる。処理に要する時間は主に処理温度により変化す
るが室温近傍では3〜30時間、60〜90℃では1〜
10時間の範囲が多用される。
【0028】水と二液相を成す溶媒、例えばベンゼン或
いはトルエンを使用する際には、ケイ素アルコキシドの
使用量、処理条件等は水と均一相を成す溶媒を使用する
場合と同様であるが、処理に供するゼオライト中の含水
量を3〜20wt%に調節することが好ましい。更にゼ
オライト中に上記した範囲の水と共に微量の酸、例えば
塩酸、硝酸、硫酸、または有機酸などを混在させてから
ケイ素アルコキシドで処理する方法はより好ましい実施
様態である。
【0029】処理を終了したゼオライトは、ろ過または
遠心分離等の常法により処理溶液から分離し窒素等の不
活性ガス雰囲気下に加熱するか、減圧下に加熱し付着、
または吸着している有機溶媒等を除去する。 次いで、
空気または酸素雰囲気下に400〜700℃に加熱処理
し触媒とする。 出発原料のモルデナイトが粒状または
錠剤に成型済みであればそのまま触媒として使用に供す
る。粉状の場合には常法により押し出し、或いは打錠成
型して触媒とする。
【0030】本発明の方法で使用する反応原料は、メタ
ノールまたはメタノールとジメチルエーテルとの混合物
とアンモニアである。この他に反応原料中にモノメチル
アミンを加えることもできる。アンモニアとメタノール
のモル比は0.5対1〜5対1の範囲が多用される。触
媒層に供給する反応ガスの量は200〜2000l/h
r.l−cat.の範囲が多用され、反応の圧力は0〜
40kg/cm2G、特に10〜30kg/cm2Gの範囲が多用さ
れる。反応を実施する際の触媒層温度は250〜400
℃好ましくは250〜350℃が多用される。
【0031】
【実施例】以下実施例及び比較例により本発明を説明す
る。 実施例1 通常の方法で水熱合成したモルデナイト500gを1規
定硝酸アンモニウム水溶液でイオン交換し、イオン交換
操作を3回繰り返し、ナトリウムイオンを完全に水素イ
オンに交換した(Na<0.1%)。このモルデナイト
を100g採り硝酸ナトリウムの0.05規定水溶液と
接触させモルデナイト中のナトリウム含有量が1%のも
のを調製した。このモルデナイトを3mm×3mmに打
錠成型後600℃に焼成し触媒とした。本触媒50gを
1インチのステンレス鋼製反応器に充填し、外部より砂
流動床で290℃に加熱した。メタノールを毎時40
g、アンモニアを毎時40gを触媒層に圧入し300
℃、圧力20kg/cm2Gで6時間反応させた後、反応を停
止し450℃で蒸気を6時間触媒層に流通させた。この
後、反応温度300℃で再びメタノールとアンモニアの
流通を再開しメチルアミン類の合成反応を実施した。こ
の時に使用したメタノール中に不純物として含有する塩
化ナトリウムの量は1ppmであり触媒層に流入する塩
化ナトリウム量は触媒1kg当たり毎時0.025ミリ
モル以下であつて本発明の方法の好ましい範囲に包含さ
れている。この反応条件で長期間メチルアミン類の合成
反応を試験した。得られた反応結果を表1に示した。
【0032】比較例1 実施例1と同様の触媒を使用し、同様の反応装置と反応
条件でメチルアミンの合成を試験した。この時に使用し
たメタノール中に不純物として含有する塩化ナトリウム
量は20ppmのものであり、触媒層に流入する塩化ナ
トリウム量は触媒1kg当たり毎時0.5ミリモルであ
る。この反応条件で長期間のメチルアミン類の合成反応
を試験した結果を表1にしめす。
【0033】実施例2 実施例1で完全に水素イオンに交換したモルデナイト
(Na<0.1%)の内から50gを採りトルエンにテ
トラエトキシシランを溶解させた溶液で処理し触媒表面
をシリル化した。これを打錠成型し600℃に焼成し触
媒を調製した。これを実施例1と同様の装置と反応条件
でメチルアミンの合成反応を試験した反応に供したメタ
ノール中の塩化ナトリウム含有量は1ppmで触媒層に
流入する塩化ナトリウムは毎時、触媒1kg当たり0.
025ミリモル以下であつて本発明の好ましい範囲であ
る。この条件で長期間のメチルアミン合成を試験した。
得られた結果を表1にしめす。
【0034】比較例2 実施例2と同様の触媒を使用し実施例1と同様の装置と
反応条件でメチルアミンの合成を試験した。この時に使
用したメタノール中に不純物として含有する塩化ナトリ
ウム量は20ppmであり、触媒層に流入する塩化ナト
リウム量は触媒1kg当たり毎時0.5ミリモルであ
る。この反応条件で長期間のメチルアミン類の合成を試
験し、得られた結果を表1に示した。
【0035】実施例3 使用する触媒を水素イオン型のチャバザイトに替え、実
施例1と同様の試験を実施した。得られた結果を表1に
併記した。
【0036】実施例4 使用する触媒をシリル化処理した水素イオン型のクリノ
プチルライトに変え、実施例1と同様の試験を実施し
た。得られた結果を表1に併記した。
【0037】
【表1】 表1 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MeOH転化率 メチルアミン類への選択率(%) % モノ ジ トリ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例1(A) 86 36 54 10 (B) 84 40 51 9 ─────────────────────────────────── 比較例1(A) 86 36 54 10 (B) 79 44 49 7 ─────────────────────────────────── 実施例2(A) 91 35 62 3 (B) 89 36 61 3 ─────────────────────────────────── 比較例2(A) 91 35 62 3 (B) 82 42 55 3 ─────────────────────────────────── 実施例3(A) 88 35 56 11 (B) 85 39 51 10 ─────────────────────────────────── 実施例4(A) 87 39 57 5 (B) 84 42 54 4 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 注 (A)は反応開始200時間、(B)は2200時間後の測定値を示す。
【0038】
【発明の効果】本発明の方法により、ゼオライト触媒の
存在下メタノールとアンモニアからメチルアミン類を製
造する方法において、長期間の反応の後でもメタノール
転化率を高い値に保つことが出来、効率の良いプラント
の操業が可能となる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタノールとアンモニアをゼオライト触
    媒の存在下に反応させメチルアミン類を製造する方法に
    おいて、該触媒に供給する反応原料中に不純物として含
    有される塩化ナトリウムの量を触媒1kg当たり毎時
    0.1ミリモル以下に制限することを特徴とするメチル
    アミン類の製造方法。
  2. 【請求項2】 触媒に供給する反応原料中に不純物とし
    て含有される塩化ナトリウムの量が触媒1kg当たり毎
    時0.05ミリモル以下である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 ゼオライト触媒がモルデナイトである請
    求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 ゼオライト触媒がモルデナイトの外表面
    をシリル化剤によりシリル化処理したものである請求項
    1または2記載の方法。
  5. 【請求項5】 ゼオライト触媒がクリノプチルライトで
    ある請求項1または2記載の方法。
  6. 【請求項6】 ゼオライト触媒がチャバザイトである請
    求項1または2記載の方法。
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