JPH0924522A - 複合型光学素子の製造方法及び製造装置 - Google Patents

複合型光学素子の製造方法及び製造装置

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JPH0924522A
JPH0924522A JP19908095A JP19908095A JPH0924522A JP H0924522 A JPH0924522 A JP H0924522A JP 19908095 A JP19908095 A JP 19908095A JP 19908095 A JP19908095 A JP 19908095A JP H0924522 A JPH0924522 A JP H0924522A
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JP19908095A
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Masahiro Yoshida
昌弘 吉田
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Hoya Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/14Pressing laminated glass articles or glass with metal inserts or enclosures, e.g. wires, bubbles, coloured parts

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂部への気泡混入を完全に防止できる複合
型光学素子の製造方法及び製造装置を提供する。 【構成】 ガラス基材に樹脂層を接合した構造の複合型
光学素子を製造する方法において、ガラス基材5表面及
び/又は型部材1の成型表面に樹脂モノマー8を液滴状
に注入後、少なくともガラス基材と型部材の間の空間7
を真空引きする工程を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス基材表面に樹脂
層を接合形成してなる複合型光学素子の製造方法及び製
造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カメラやビデオカメラ等の光学系
に使用されるレンズとして、レンズ枚数を削減し、光学
系をコンパクト化する目的で、非球面レンズが使用され
るようになってきた。非球面レンズは、表面形状が球面
からずれているレンズの総称であり、球面レンズで生じ
る球面収差を取り除くため表面形状を非球面としたもの
である。非球面レンズには、プラスチック非球面レンズ
(プラスチックモールドレンズ)とガラス非球面レンズ
(ガラスモールドレンズ)とがあり、さらに、球面ガラ
スレンズの表面に薄い非球面樹脂層を接合した構造から
なる複合型非球面レンズが開発され、一般にレプリカレ
ンズと呼ばれている。
【0003】このようなレプリカレンズは、図7〜図1
0に示すように、所望の非球面形状に精密加工された型
部材1と、この非球面形状に近い曲率を有する球面ガラ
スレンズ5を対接して置き、球面ガラスレンズ又は型部
材のうちのどちらか一方の表面の中心部分に、液状の樹
脂モノマー8を注入し(図7)、次に、型部材1と球面
ガラスレンズ5の距離を接近させて、樹脂モノマー8を
球面ガラスレンズ5の表面に接触させて展開した後(図
8、9)、樹脂モノマー8を重合硬化し、最後に型部材
1と硬化した樹脂モノマー8の界面を剥離して製造され
ている(図10)。
【0004】型部材1と球面ガラスレンズ5の位置関係
はレンズ形状によって異なり、例えば、凹レンズの場合
には、レンズ上に型を配置した方が樹脂液滴の位置が安
定する。また、凸レンズの場合には、型上にレンズを配
置した方が樹脂液滴の位置が安定する。ただし、樹脂液
滴の位置安定性が充分であれば、型とレンズの上下関係
はどちらでもよい。
【0005】上述したレプリカレンズの一般的製造方法
においては、樹脂材料中に気泡が混入しやすいという基
本的な問題がある。気泡混入はレプリカレンズの製品歩
留まりを大きく低下させ、製造コスト上昇の原因となる
ため大きな問題である。
【0006】樹脂層への気泡混入は、型部材又はガラス
基材中央に樹脂モノマーを注入する際と、ガラス基材表
面に樹脂を接触させ展開する際に起こる。
【0007】樹脂モノマーを注入する際の気泡混入を低
減する方法としては、樹脂注入ノズルを注入面にできる
だけ接近させてゆっくり注入し、樹脂が注入面に接触し
た後に注入ノズルを注入面から遠ざけつつ樹脂を注入し
ていく方法が提案されている(特開平4−78505号
公報、特開平5−8231号公報)。
【0008】また、樹脂をガラス面等に接触展開する際
の気泡混入を低減する方法として、型と基材の接近速度
を遅くして、樹脂の展開速度を充分に遅くする方法が提
案されている(特開平5−8231号公報、特開平4−
78505号公報)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た気泡混入を低減する方法は、いずれも気泡混入を確率
的に低減することはできても完全になくすことはできな
い。したがって、歩留まりが悪く、気泡混入を全数検査
で調べる必要がありコスト高になるという問題がある。
【0010】また、均一な樹脂展開を行い樹脂展開時の
気泡混入を防ぐには、樹脂モノマーとの濡れ性の悪くな
い型材を使用する必要がある。しかし、濡れ性が良い型
材を使用すると、樹脂モノマーの接触角が大きくなり樹
脂液滴が平坦化する。その結果、樹脂との接触時に複数
箇所から最初の接触が起こるため気泡が混入しやすい。
このように、平坦化した樹脂液滴では、接触速度をいく
ら遅くしても、樹脂接触時の気泡混入を防止することは
できない。レンズが大口径になると、樹脂量が多くなり
樹脂液滴が平坦化するため、さらに気泡が混入しやすく
なる。
【0011】なお、これらの事情はレプリカレンズ以外
の他の複合型光学素子についても同様である。
【0012】本発明は上述した事情にかんがみてなされ
たものであり、樹脂部への気泡混入を完全に防止できる
複合型光学素子の製造方法及び製造装置の提供を目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の複合型光学素子の製造方法は、ガラス基材と
型部材の成型表面を対接させ、ガラス基材表面又は型部
材の成型表面のうちの少なくともいずれか一方の表面
に、樹脂モノマーの液滴を載せた状態で、ガラス基材と
型部材を接近させ、ガラス基材表面に樹脂を展開した
後、樹脂層を重合硬化させ、さらに型部材から樹脂を剥
離することによって、前記ガラス基材に樹脂層を接合し
た構造の複合型光学素子を製造する方法において、ガラ
ス基材表面及び/又は型部材の成型表面に樹脂モノマー
を液滴状に注入後、少なくともガラス基材と型部材の間
の空間を真空引きする工程を設けた構成としてある。
【0014】また、本発明の複合型光学素子の製造方法
は、上記複合型光学素子の製造方法において、液滴状に
注入した樹脂モノマーが、ガラス基材表面と型部材成型
表面の両方に接触した時点で、真空状態を解除し樹脂を
展開する構成としてある。
【0015】さらに、本発明の複合型光学素子の製造装
置は、ガラス基材の接合面に成型表面を対接させて配設
された型部材と、ガラス基材と型部材の水平方向の位置
合わせを行う手段と、ガラス基材表面及び/又は型部材
の成型表面に樹脂モノマーの液滴を供給する手段と、ガ
ラス基材と型部材を接近させ、ガラス基材表面に樹脂を
展開する手段と、樹脂層に樹脂の重合硬化に必要なエネ
ルギーを供給する手段と、を具備する複合型光学素子の
製造装置において、少なくともガラス基材と型部材の間
の空間を密閉する手段と、ガラス基材と型部材の間の密
閉空間を真空引きする手段とを設けた構成としてある。
【0016】また、本発明の複合型光学素子の製造装置
は、上記複合型光学素子の製造装置において、上記密閉
手段が、ガラス基材と型部材の間の空間を密閉可能に囲
む壁材と、ガラス基材と壁材との接触部分及び/又は型
部材と壁材との接触部分もしくは隙間部分に設けた気密
シール部材からなる構成としてある。
【0017】
【作用】本発明では、樹脂モノマー注入後に、少なくと
もガラス基材と型部材の間の空間を真空引きすること
で、樹脂注入時に樹脂に気泡が混入したとしても除去さ
れ、樹脂接触時には、樹脂周囲が真空であるため樹脂層
への空気の巻き込みを完全に防止できる。
【0018】また、真空状態のまま樹脂の展開を行う
と、樹脂モノマー中の溶存ガスが気泡となり出現するこ
とがあるが、樹脂展開前に大気圧に戻すことにより、新
たに発生した低気圧の気泡を外気圧でつぶすことができ
る。
【0019】さらに、本発明の製造装置は、ガラス基材
と型部材の間の空間のみを真空引きすることができる。
したがって、装置全体を真空引きする場合に比べ、極め
て短時間で真空引き及び真空解除が可能となり、真空引
き工程による製造効率の低下を回避することができる。
また、装置全体を真空容器に入れる必要がないため、ガ
ラスレンズの交換が容易であり、ロボット等による自動
化も容易である。
【0020】以下、本発明を詳細に説明する。
【0021】まず、製造方法の発明について説明する。
【0022】本発明では、ガラス基材と型部材の成型表
面を対接させ、ガラス基材表面又は型部材の成型表面の
うちの少なくともいずれか一方の表面に、樹脂モノマー
の液滴を載せた状態で、ガラス基材と型部材を接近さ
せ、ガラス基材表面に樹脂を展開する。
【0023】ここで、ガラス基材の材質、形状等は、目
的とする光学素子に応じて適宜選択、設計される。例え
ば、ガラス基材は、必要とされる光学特性を満たすガラ
スであれば特に制限されない。また、ガラス基材の形状
も特に制限されず、板状、レンズ状、プリズム状など各
種光学素子に応じた形状のものが使用される。ガラス基
材のサイズも特に制限されないが、本発明によれば大口
径レンズ等の大きいサイズの複合型光学素子の製造が可
能となる。
【0024】ガラス基材表面は、接着強度を高めたり、
表面の濡れ性を高めるなどの目的のため、必要に応じ、
シランカップリング処理、蒸着処理、樹脂コーティング
処理、クリーニング処理等を施してもよい。
【0025】型部材は、ガラス基材に接合する樹脂層を
所望の形状にするための成型表面を有する。型部材の成
型面は、精密加工などによって所望の非球面形状等に鏡
面加工する。型部材の成型面は、成型後の剥離を容易に
するため、離型剤などによる離型処理を行うこともでき
る。型部材成型面の樹脂モノマーに対する濡れ性は、一
般的な金属表面より若干悪くすることが好ましい。型部
材の材質としては、各種金属材料やガラス、セラミッ
ク、高分子材料などが使用される。
【0026】樹脂の供給は、ディスペンサー、注射器、
精密分注機などによって行う。
【0027】樹脂の供給は、必要に応じ、ガラス基材表
面、又は型部材の成型表面、あるいはこれらの両方の面
に行う。この際、樹脂モノマーが液滴となるように、樹
脂の供給速度、ノズルの位置、ノズル先端と樹脂供給表
面との距離、樹脂の粘度等を適宜調整する。この観点か
ら樹脂の粘度は、数千cP(センチポイズ)程度が好ま
しい。なお、樹脂の供給前に、樹脂中の気泡と溶存ガス
を真空下(減圧下)で充分除去しておくことが好まし
い。
【0028】使用する樹脂は、エネルギー硬化型樹脂、
熱重合型樹脂など重合可能な樹脂であればよく、重合方
法は樹脂に合わせた方法をとればよい。
【0029】樹脂としては、具体的には、ウレタンアク
リレート系樹脂、ウレタンメタクリレート系樹脂、ウレ
タン変性アクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系
樹脂、エポキシメタクリレート系樹脂、アクリル系樹
脂、エポキシ樹脂等の光学樹脂や硬化型光学用樹脂組成
物などが挙げられる。
【0030】これらの樹脂は、重合性(架橋性を含む)
を有していればよく、モノマー(単官能モノマー、多官
能モノマー)、オリゴマー(プレポリマー)、ポリマー
(ポリウレタン(メタ)アクリレートなど)等のいずれ
の形態であってもよい。
【0031】ウレタン(メタ)アクリレートとしては、
例学(株)社製)、U−4HA(新中村化学工業(株)
社製)などの市販の各種ウレタン(メタ)アクリレート
樹脂(紫外線硬化樹脂、光学用接着剤、樹脂改質剤など
として市販)から選定して使用することもできる。
【0032】なお、これらの樹脂は、一種単独で用いて
もよく、二種以上を混合して用いてもよい。この場合、
気泡の発生しにくい樹脂の組合せとすることが好まし
い。
【0033】光学樹脂層におけるその他の添加成分とし
ては、重合開始剤、希釈樹脂成分などが挙げられる。
【0034】重合開始剤は、必要に応じ樹脂中に添加さ
れる。重合開始剤による重合は、光る重合、熱重合さら
には放射線重合などによって開始できる。光重合開始剤
としては、ベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテ
ル、ベンジルメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘ
キシルフェニルケトン、2−クロロチオキサゾリン、p
−ジメチルアミノ安息香酸エチルなど、熱重合開始剤と
しては、クメンヒドロキシパーオキサイド、過酸化ベン
ゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチ
ルバレロニトリルなどを用いることができる。
【0035】希釈樹脂成分としては、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレートなどの光硬化性モノマーなどが
挙げられる。
【0036】樹脂供給後、ガラス基材と型部材の成型表
面との位置合わせ(アライメント)を行う。位置合わせ
手段としては、光軸合わせ機構などの公知の方法が使用
される。
【0037】本発明では、樹脂供給後、少なくともガラ
ス基材と型部材の間の空間を真空引きする。ここで、真
空度(減圧時の圧力)は、樹脂の種類、特性等によって
適宜設定し、樹脂注入時に混入した気泡を充分除去する
ことが好ましい。
【0038】通常、樹脂周辺の空間を減圧状態に保ち気
泡を除去するのに必要な時間は1分以内である。また、
減圧時の圧力は10-3〜10-1torr程度で充分であ
る。
【0039】真空引きにはロータリーポンンプなどの公
知の真空ポンプを使用することができる。
【0040】真空引き後、ガラス基材と型部材を接近さ
せ、樹脂モノマーの液滴と型部材成型表面又はガラス基
材表面とを接触させる。本発明では樹脂接触時には、樹
脂周囲が真空であるため樹脂層への空気の巻き込みを完
全に防止できる。
【0041】樹脂モノマー液滴と接触後、真空状態を解
除し、ガラス基材と型部材をさらに接近させて、樹脂を
展開する。
【0042】ここで、真空状態の解除は、樹脂モノマー
液滴と接触後、ガラス基材と型部材の接近を一旦停止し
て行う方が真空解除のタイミングを制御しやすいが、接
近速度が充分に低速である場合には、接近させながら真
空を解除してもよい。真空解除のために導入する気体
は、空気であってもよいが、空気中の酸素が樹脂の重合
を阻害する場合は、不活性ガス等を用いることが望まし
い。真空解除のために導入する気体は、埃、塵、オイル
ミストなどの流入を防ぐためフィルタリングすることが
好ましい。
【0043】なお、真空状態の解除は、完全に大気圧ま
で戻す必要はなく、新たな気泡発生が起こらない程度に
真空度を落とすだけでもよい。
【0044】樹脂の展開は、ガラス基材と型部材の接近
速度を遅くして樹脂の展開速度を遅くすると、不均一な
樹脂の広がりが抑制され、樹脂展開時に空気を巻き込む
危険性が少なくなる。この場合、ガラス基材と型部材の
接近速度は0.05〜0.1mm/秒程度が好ましい。
【0045】樹脂展開後、樹脂層を重合硬化させ、さら
に型部材から樹脂を剥離することによって、ガラス基材
に樹脂層を接合した構造の複合型光学素子を製造する。
【0046】なお、複合型光学素子の表面には、必要に
応じ、反射防止膜などが形成される。
【0047】次に、上述した製造方法の実施に適した製
造装置の発明について説明する。
【0048】複合型光学素子の製造装置としては、各種
形態、態様の装置が知られているが本発明はいずれの装
置にも適用できる。
【0049】本発明は、複合型光学素子の製造装置にお
いて、少なくともガラス基材と型部材の間の空間を密閉
する手段と、ガラス基材と型部材の間の密閉空間を真空
引きする手段を設けたことを特徴とする。
【0050】ここで、ガラス基材と型部材の間の空間を
密閉する手段は、例えば、ガラス基材と型部材の間の空
間を密閉可能に囲む壁材と、ガラス基材と壁材との接触
部分及び型部材と壁材との接触部分もしくは隙間部分に
設けた気密シール部材とで構成できる。
【0051】この場合、型部材と壁材とを一体的に成形
した場合は、型部材と壁材との間の気密シール部材は省
略できる。また、ガラス基材保持部材と壁材とを一体的
に成形した場合は、ガラス基材保持部材と壁材との間の
気密シール部材は省略でき、その代わり、ガラス基材保
持部材とガラス基材の接触部にシール部材を用いればよ
い。気密シール部材の材料としては、シリコンゴム、天
然ゴム等の通常のエラストマーが好ましい。
【0052】通常、ガラス基材保持手段と、位置合わせ
手段(光軸合わせ機構)は兼用されるが、例えば金型を
移動して位置合わせを行う場合には、これらを別々に構
成してもよい。
【0053】なお、真空引きを行う密閉空間の範囲は、
型部材とガラスレンズの間の空間のみとすることが製造
効率上望ましいが、より広い範囲を真空引きしても、製
造能率以外は同様な効果が期待できる。
【0054】ガラス基材と型部材との間の密閉空間を真
空引きする手段としては、ロータリーポンンプなどの各
種分野で公知の真空ポンプを使用することができる。
【0055】樹脂層に樹脂の重合硬化に必要なエネルギ
ーを供給する手段としては、紫外線照射装置などの活性
エネルギー線照射装置や、加熱装置などが挙げられ、こ
れらの装置は樹脂の種類に応じて選択使用される。
【0056】ガラス基材と型部材を接近させる手段は、
ガラス基材と型部材のいずれか一方を両者の水平度を保
ちつつ垂直方向に精密駆動する機構で構成すればよい
が、光軸精度の確保のためには、金型側を上下動させる
方が好ましい。
【0057】本発明の製造装置は、ガラス基材と型部材
の間の空間の容積が小さいため、真空引き及び真空解除
が容易であるとともに、ガラス基材と型部材の間の空間
の雰囲気、圧力などの条件の制御が容易で短時間かつ低
コストでありこれらの制御を必要とする製造装置として
も適する。
【0058】なお、本発明方法の利用分野はレプリカレ
ンズに限定されるものではなく、樹脂とガラスを接合し
て製造するいかなる複合型光学素子(複合型光学部品を
含む)に対しても適用できる。また本発明装置は気泡の
混入を嫌う各種光学部品の成型装置としても利用可能で
ある。
【0059】具体的には、例えば、カメラレンズ、ビデ
オカメラ用レンズ、写真用レンズ、光通信用光源レン
ズ、眼鏡レンズ、コンパクトディスクプレイヤーのピッ
クアップレンズ、プロジェクションテレビ用の大口径レ
ンズなどの光学レンズや、位相格子型ローパスフィルタ
ー、色フィルター、位相格子フィルター、アナモルフィ
ックレンズ、レンチキュラーレンズ、グレーティング、
プリズム、ゾーンプレート、フレネルレンズ、ホログラ
フィックレンズなどの微小な複合型光学素子についても
利用できる。
【0060】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0061】図1はレプリカレンズの製造装置の主要部
分を示す部分断面図である。図1に示すように、非球面
状に精密加工された金型1には円筒状の胴型2が同軸上
に装着されており、胴型2は支持台12に固定され、金
型1は上下動可能に設置されている。金型1と胴型2と
の隙間の下部には気密シール部材としてゴム製Oリング
3が装着されている。また、胴型2の上端部にもゴム製
の気密シール部材4が接合されており、このゴム製の気
密シール部材4を球面ガラスレンズ5の表面に接触させ
た状態で、胴型2の上部側面の真空口6から脱気するこ
とにより、ガラスレンズ5と金型2で挟まれた僅かな空
間7のみを真空引きすることができる。また、真空状態
の解除は、真空口6からガスを導入して行う。次に、上
記図1に示した製造装置を用いた本発明の製造方法につ
いて説明する。
【0062】あらかじめ光重合開始剤を混合した樹脂モ
ノマーを調製し、充分に真空下で樹脂モノマー中の気泡
と溶存ガスを除去した後に、樹脂供給用のディスペンサ
ーに樹脂モノマーを充填する。次いで、ディスペンサー
により金型1の上部中央に樹脂モノマー8を注入後、球
面ガラスレンズ5を金型1上部に設置し、光軸合わせ機
構9により金型1と球面ガラスレンズ5との光軸合わせ
を行う(図1)。
【0063】次に、胴型2の真空口6から真空引きを行
い、樹脂注入により混入した気泡を除去する。溶存ガス
とは異なり、樹脂注入時に混入した気泡は直ちに除去で
きる。
【0064】次に、金型1と球面ガラスレンズ5を低速
で接近させ、樹脂液滴が球面ガラスレンズ5に接触した
直後に、不活性ガス等を真空口6から導入して真空状態
を解除する(図2)。これは、充分に溶存ガスを除去し
た樹脂であっても、高真空状態では金型やガラスレンズ
表面との新たな接触によって、稀に気泡が発生する場合
があるためである。そこで、樹脂液滴が球面ガラスレン
ズ5に接触した直後に、大気圧に戻すことで、新たな気
泡発生を防止できるとともに、真空を解除する前に発生
した気圧の低い気泡を外気圧により押し潰すことができ
る。
【0065】真空解除後に、再び金型1と球面ガラスレ
ンズ5を低速で接近させ、ガラスレンズ表面全体に樹脂
8を展開する(図3)。
【0066】次いで、ガラスレンズ側から活性エネルギ
ー線を照射し、展開した樹脂を重合硬化させる。樹脂の
重合硬化後、金型からレンズを剥離することで気泡のな
いレプリカレンズが製造できる。
【0067】以上好ましい実施例をあげて本発明を説明
したが、本発明は必ずしも上記実施例に限定されるもの
ではない。
【0068】例えば、図1〜3に示した光軸合わせ機構
9として、図4(a)及び(b)に示すような3点外径
衝方式や、図5に示すようなベルチャック方式等の公知
の光軸合わせ機構を用いることができる。
【0069】また、光軸合わせの方法としてベルチャッ
ク方式を採用する場合、図6に示すように、ベルチャッ
ク10は円筒状なので、胴型として代用することもでき
る。この場合、金型1と円筒状のベルチャック10との
隙間の下部をゴム製シール部材3でシールし、真空口6
をベルチャック10側面に設ければよい。ただし、ベル
チャック先端のゴム製シールが部材が、ベルチャック本
来の光軸合わせの精度を悪化させる可能性があるため、
ベルチャック先端のゴム製シール部材は、例えば図6に
示すように、真空引きの時のみベルチャック先端に圧着
(付着)するようなゴム製シール部材11とする必要が
ある。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の複合型光
学素子の製造方法によれば、樹脂層中に気泡のない複合
型光学素子を確実に製造することができる。
【0071】また、大口径の複合型光学素子であって
も、樹脂層中に気泡のない複合型光学素子を確実に製造
することができる。
【0072】さらに、本発明の複合型光学素子の製造装
置によれば、極めて短時間で真空引き及び真空解除が可
能であり、効率的かつ確実に樹脂層中に気泡のない複合
型光学素子を確実に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る複合型光学素子の製造
装置の基本構成及び製造手順を説明するための断面図で
ある。
【図2】図1に示す製造装置の次の動作及び製造工程を
説明するための断面図である。
【図3】図1に示す製造装置のさらに次の動作及び製造
工程を説明するための断面図である。
【図4】光軸合わせ方法における3点外径衝方式を説明
するための図であり、(a)は平面図、(b)は(a)
のA−A線断面図である。
【図5】光軸合わせ方法におけるベルチャック方式を説
明するための断面図である。
【図6】ベルチャックを胴型に代用した場合の製造装置
を示す概略断面図である。
【図7】従来の一般的な複合型光学素子の製造手順を説
明するための断面図である。
【図8】図7の次の製造工程を説明するための断面図で
ある。
【図9】図8の次の製造工程を説明するための断面図で
ある。
【図10】図9の次の製造工程を説明するための断面図
である。
【符号の説明】
1 金型 2 胴型 3 ゴム製Oリング 4 ゴム製シール部材 5 ガラスレンズ 6 真空口 7 ガラスレンズと金型の間の空間 8 樹脂モノマー 9 光軸合わせ機構 10 ベルチャック 11 ゴム製シール部材 12 支持台

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基材と型部材の成型表面を対接さ
    せ、ガラス基材表面又は型部材の成型表面のうちの少な
    くともいずれか一方の表面に、樹脂モノマーの液滴を載
    せた状態で、ガラス基材と型部材を接近させ、ガラス基
    材表面に樹脂を展開した後、樹脂層を重合硬化させ、さ
    らに型部材から樹脂を剥離することによって、前記ガラ
    ス基材に樹脂層を接合した構造の複合型光学素子を製造
    する方法において、 ガラス基材表面及び/又は型部材の成型表面に樹脂モノ
    マーを液滴状に注入後、少なくともガラス基材と型部材
    の間の空間を真空引きする工程を設けたことを特徴とす
    る複合型光学素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の複合型光学素子の製造方
    法において、液滴状に注入した樹脂モノマーが、ガラス
    基材表面と型部材成型表面の両方に接触した時点で、真
    空状態を解除し樹脂を展開することを特徴とする複合型
    光学素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 ガラス基材を保持する手段と、 ガラス基材の接合面に成型表面を対接させて配設された
    型部材と、 ガラス基材と型部材の水平方向の位置合わせを行う手段
    と、 ガラス基材表面及び/又は型部材の成型表面に樹脂モノ
    マーの液滴を供給する手段と、 ガラス基材と型部材を接近させ、ガラス基材表面に樹脂
    を展開する手段と、 樹脂層に樹脂の重合硬化に必要なエネルギーを供給する
    手段と、を具備する複合型光学素子の製造装置におい
    て、 少なくともガラス基材と型部材の間の空間を密閉する手
    段と、 ガラス基材と型部材の間の密閉空間を真空引きする手段
    とを設けたことを特徴とする複合型光学素子の製造装
    置。
  4. 【請求項4】 密閉手段が、ガラス基材と型部材の間の
    空間を密閉可能に囲む壁材と、ガラス基材と壁材との接
    触部分及び/又は型部材と壁材との接触部分もしくは隙
    間部分に設けた気密シール部材からなることを特徴とす
    る請求項3記載の複合型光学素子の製造装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003001646A (ja) * 2001-06-25 2003-01-08 Matsushita Electric Works Ltd 微細加工面の転写方法及び光学部品
JP2006268015A (ja) * 2005-02-25 2006-10-05 Sanyo Electric Co Ltd 光学素子、光学系及びそれらの製造方法並びに光学装置
JP2011194842A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Fujifilm Corp レンズアレイの製造方法及びレンズアレイの製造装置

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