JPH09243311A - 回動角検出装置 - Google Patents

回動角検出装置

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JPH09243311A
JPH09243311A JP8080196A JP8080196A JPH09243311A JP H09243311 A JPH09243311 A JP H09243311A JP 8080196 A JP8080196 A JP 8080196A JP 8080196 A JP8080196 A JP 8080196A JP H09243311 A JPH09243311 A JP H09243311A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回動軸等の回動角に対してリニアな特性の信
号を出力でき、検出特性を安定させることができると共
に、耐久性や信頼性を大幅に向上させる。 【解決手段】 回動可能なマグネット4に角度θm1に亘
り円弧面部4A,4Bを形成する。そして、このマグネ
ット4を一定間隔のギャップを介して取囲む第1,第2
の各磁極片部5,6をそれぞれギャップ間隔よりも広い
離間寸法をもって配設すると共に、各磁極片部5,6は
角度θm1よりも小さい角度θy1に亘り周方向に形成す
る。また、各磁極片部5,6には磁路形成部7,8,
9,10の基端側が接続され、磁路形成部7,8の先端
部7A,8A間には第1のホール素子11が設けられ、
磁路形成部9,10の先端部9A,10A間には第2の
ホール素子12が設けられる。そして、第1,第2のホ
ール素子11,12からの出力電圧により回動角θ1 に
応じた検出信号を出力する演算回路とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば回動軸の回
動角等を検出するのに好適に用いられる回動角検出装置
に関し、特に自動車用エンジンのスロットルバルブ開度
等を検出するようにした回動角検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子制御式燃料噴射装置を備え
た自動車用エンジン等では、エンジンの吸気通路の途中
に設けられたスロットルバルブの開度を検出し、これを
コントロールユニットに入力することにより、燃料噴射
量制御等の高精度化を図っている。
【0003】そして、この種の従来技術では、スロット
ルバルブの開度を検出するのに、抵抗体とブラシとから
なるポテンションメータを用い、このブラシ側を前記ス
ロットルバルブの回動軸(弁軸)に連結し、スロットル
バルブの回動に応じてブラシが抵抗体上を摺動変位する
ことにより、この抵抗体の抵抗値変化をスロットルバル
ブの開度として検出する構成としている。
【0004】また、他の従来技術として、例えば特開平
2−298814号公報等には、磁気抵抗素子を用いる
非接触型の回動角検出装置が開示されている。そして、
この種の回動角検出装置の場合には、固定された磁気抵
抗素子の周囲にマグネットにより磁界を発生させ、この
マグネットをシャフトと連動して回動させることにより
磁気抵抗素子を中心に磁界を変化させ、このときの回動
角の変化を磁気抵抗素子の抵抗値変化として検出し、ス
ロットルバルブの開度等を検出できるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による回動角検出装置では、ポテンションメータ
を用いた場合、抵抗体上をブラシが摺動するからブラシ
の浮き等により瞬間的に出力信号が遮断される。また、
長期に亘る使用においてはブラシ等の摩耗により耐久性
や信頼性が低下するという問題もあり、近年における自
動車の耐用年数の増加およびスロットルバルブ制御の電
子化に伴うフィードバック制御の増加に十分には対応で
きないという問題がある。
【0006】一方、磁気抵抗素子を用いた場合には、マ
グネット側に設けた磁性体腕部と磁気抵抗素子との離間
寸法が、シャフト(マグネット)の回動によって大きく
変化し、磁気抵抗素子からの出力信号がシャフトの回動
角に対して三角関数の特性となるために、スロットルバ
ルブの開度(回動角)等を検出する場合に、リニアな特
性を得るのが難しいという問題がある。
【0007】さらに、磁気抵抗素子を用いた場合にはマ
グネットの起磁力の温度変化、経時変化および磁気抵抗
素子の温度特性等により出力信号の変化が大きく、これ
を補正することが難しいという問題がある。
【0008】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は回動軸等の回動角に対してリニ
アな特性の信号を出力でき、検出特性を安定させること
ができると共に、耐久性や信頼性を大幅に向上できるよ
うにした回動角検出装置を提供することを目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1に記載の発明が採用する回動角検出装
置の構成は、円弧面部を有するマグネットと、該マグネ
ットの円弧面部と対向するように該マグネットの周囲に
互いに離間して配設され、周方向にそれぞれ予め決めら
れた角度をもって延びる少なくとも3個以上の磁極片部
と、該各磁極片部と前記マグネットとのいずれか一方を
回動し、該各磁極片部と前記マグネットとを相対回転さ
せる回動手段と、前記マグネットの円弧面部と各磁極片
部との対向面積に対応して生じる第1,第2の信号をそ
れぞれ出力する信号出力手段とを備え、前記各磁極片部
間の離間寸法は、前記マグネットと各磁極片部とのギャ
ップより大きくしたことにある。
【0010】このように構成することにより、相対回転
する各磁極片部とマグネットとの間を非接触状態に保持
できると共に、各磁極片部とマグネットとの間隔を一定
に保つことができ、2個の各磁極片部と前記マグネット
との対向面積を回動角に対応して変化させることができ
る。また、マグネットと各磁極片部とのギャップは各磁
極片部間の離間寸法より小さく形成したから、マグネッ
トの円弧面部を各磁極片部に近付けることができ、確実
に磁束を各磁極片部に導くことができる。
【0011】また、請求項2に記載の発明では、円弧面
部を有するマグネットと、該マグネットの円弧面部と対
向するように該マグネットの周囲に互いに離間して配設
され、周方向にそれぞれ予め決められた角度をもって延
びる少なくとも3個以上の磁極片部と、該各磁極片部と
前記マグネットとのいずれか一方を回動し、該各磁極片
部と前記マグネットとを相対回転させる回動手段と、前
記マグネットの円弧面部と各磁極片部との対向面積に対
応して生じる第1,第2の信号をそれぞれ出力する信号
出力手段とを備え、前記各磁極片部間の離間寸法は、前
記マグネットと各磁極片部とのギャップより大きくし、
かつ前記マグネットの円弧面部は、前記各磁極片部のう
ち少なくとも一の磁極片部よりも周方向に大きな角度を
もって延びる構成としている。
【0012】このように構成することにより、一の磁極
片部の全周に亘って前記マグネットとの対向面積を回動
角に対応して変化させることができ、マグネットの円弧
面部と対向する各磁極片部に確実に磁束を導くことがで
きる。
【0013】一方、請求項3に記載の発明では回動角検
出装置を、円弧面部を有するマグネットと、該マグネッ
トの円弧面部と対向するように該マグネットの周囲に互
いに離間して配設され、周方向に予め決められたの角度
をもって延びる一対の第1の磁極片部と、該第1の各磁
極片部から離間して該第1の各磁極片部間に配設され、
周方向に予め決められた角度をもって延びる一対の第2
の磁極片部と、該第1,第2の各磁極片部と前記マグネ
ットとのいずれか一方を回動し、該第1,第2の各磁極
片部と前記マグネットとを相対回転させる回動手段と、
前記第1,第2の各磁極片部と前記マグネットの円弧面
部との対向面積に対応して生じる第1,第2の信号をそ
れぞれ出力する第1,第2の信号出力手段とを備え、前
記各磁極片部間の離間寸法は、前記マグネットと各磁極
片部とのギャップより大きくしてなる構成としている。
【0014】このように構成することにより、相対回転
する第1,第2の各磁極片部とマグネットとの間を非接
触状態に保持できると共に、第1,第2の各磁極片部と
マグネットとの間隔を一定に保つことができ、第1,第
2の各磁極片部と前記マグネットとの対向面積を回動角
に対応して変化させることができる。また、各磁極片部
間の離間寸法は、マグネットと各磁極片部とのギャップ
より大きくするから、マグネットの円弧面部と対向する
各磁極片部に確実に磁束を導くことができる。また、前
記第1の信号出力手段は、前記第1の各磁極片部間で前
記マグネットとの対向面積(磁界)に対応した第1の信
号を出力でき、前記第2の信号出力手段は、前記第2の
各磁極片部間で前記マグネットとの対向面積(磁界)に
対応した第2の信号を出力できるから、前記第1,第2
の信号出力手段から出力されるそれぞれの信号レベルを
マグネット等の相対回転に応じて大きく変化させること
ができる。
【0015】また、請求項4に記載の発明では、前記マ
グネットの円弧面部は、前記第1,第2の各磁極片部の
うち少なくとも一方の各磁極片部よりも周方向に大きな
角度をもって延びる構成としている。
【0016】このように構成することにより、一方の各
磁極片部の全周に亘って前記マグネットとの対向面積を
回動角に対応して変化させることができ、マグネットの
円弧面部と対向する各磁極片部に確実に磁束を導くこと
ができ、漏れ磁束を減少できる。
【0017】さらに、請求項5に記載の発明では、前記
マグネットの円弧面部は、前記第1,第2の各磁極片部
間のうち少なくとも一方の各磁極片部間の角度よりも周
方向に小さな角度をもって延びる構成としている。
【0018】このように構成することにより、第1,第
2の各磁極片部に対して漏れ磁束が導かれるのを防止で
き、正確な回動角の検出ができる。
【0019】さらにまた、請求項6に記載の発明では、
前記第1,第2の信号出力手段から出力される第1,第
2の信号に基づき前記回動手段の回動角に対応した検出
信号を演算出力する演算手段を備える構成としている。
【0020】このように構成することにより、第1の信
号と第2の信号とにそれぞれ含まれる各信号成分のう
ち、マグネットの起磁力や温度特性等に大きく影響され
る成分を第1,第2の信号から相殺でき、検出信号が周
囲温度等に応じて変化するのを防止できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って詳細に説明する。
【0022】ここで、図1ないし図6は本発明の第1の
実施例による回動角検出装置をスロットルバルブの開度
検出に適用した場合を例に挙げて示している。
【0023】図1において、1は樹脂材料からなるケー
シングを示し、該ケーシング1は下側に開口する筒部1
Aと、該筒部1Aの上側を施蓋する厚肉平板状の隔壁部
1Bと、該隔壁部1Bの上側部位に凹設された凹部1C
とから構成されている。そして、ケーシング1の筒部1
Aはスロットルボディ2の凹部2A内に挿着され、スロ
ットルボディ2にはスロットルバルブ(図示せず)に連
動して回動する回動手段(回動軸)としてのシャフト3
が回転可能に設けられている。
【0024】4はケーシング1の筒部1A内に配設され
たマグネットを示し、該マグネット4はシャフト3の先
端側にカシメ等により取付けられ、シャフト3から径方
向に突出している。ここで、マグネット4は図2に示す
ように、長手方向両端側が円弧面部4A,4Bとなり、
幅方向両端面側が平行面部4C,4Dとなっている。そ
して、マグネット4の円弧面部4A,4Bはシャフト3
を中心にした一定の半径(曲率)で角度θm1の範囲に亘
って周方向に延び、その端面側には磁極(N極、S極)
が形成されている。また、マグネット4の中心部にはシ
ャフト3の軸方向に延びる貫通穴4Eが設けられ、該貫
通穴4Eはマグネット4と略相似形状をなし、シャフト
3に対してマグネット4を廻止め状態で固定させるよう
になっている。
【0025】5,5はケーシング1の筒部1Aに埋設さ
れた第1の磁極片部を示し、該第1の磁極片部5,5は
図2に示すように、後述する第2の磁極片部6,6と共
にマグネット4を円環状に取囲む分割円筒形状をなして
いる。そして、磁極片部5,5はシャフト3を中心にし
て径方向で対称位置に配設され、各磁極片部5はマグネ
ット4の円弧面部4A,4Bと一定間隔のギャップG1
を介して対向するようにシャフト3を中心にして角度θ
y1の範囲に亘り周方向に延びている。ここで、各磁極片
部5は角度θy1が前記マグネット4の各円弧面部4A,
4Bの角度θm1よりも小さく(θy1<θm1)形成され、
該各磁極片部5はマグネット4が発生する磁束を、後述
する第1の磁路形成部7,8を介して第1のホール素子
11へと導くものである。
【0026】6,6は各磁極片部5からギャップG1 よ
りも長い離間寸法a1 (角度θa1)をもって磁極片部
5,5間に位置しケーシング1の筒部1A内に埋設され
た第2の磁極片部を示し、該第2の磁極片部6,6は前
記第1の磁極片部5,5と同様にマグネット4の円弧面
部4A,4Bと一定間隔のギャップG1 を介して対向す
るようにシャフト3を中心にして角度θy1の範囲に亘り
周方向に延びている。また、磁極片部6,6(5,5)
間の角度(θy1+2θa1)は、マグネット4の円弧面部
4A,4Bの角度θm1よりも大きく(θm1<θy1+2θ
a1)なるように形成されている。この場合、各磁極片部
5,6が周方向に延びる角度θy1と各磁極片部5,6間
が離間している角度θa1との和を、前記マグネット4の
各円弧面部4A,4Bの角度θm1よりも大きく(θm1<
θy1+θa1)形成するのが望ましい。そして、各磁極片
部6はマグネット4が発生する磁束を、後述する第2の
磁路形成部9,10を介して第2のホール素子12へと
導くものである。
【0027】ここで、マグネット4(シャフト3)の回
動角θ1 は図2に示すように、円弧面部4Aの中央部位
が一側の磁極片部6の中間部位6Aに対向した状態を零
(θ1 =0°)位置とし、磁極片部6の中間部位6Aか
ら時計方向にマグネット4の円弧面部4Aが回動したと
きを正方向、磁極片部6の中間部位6Aから反時計方向
にマグネット4の円弧面部4Aが回動したときを負方向
とする。
【0028】7,8は基端側が第1の磁極片部5,5に
接続され、先端側がケーシング1の凹部1C内に突出し
た磁路形成部を示し、該磁路形成部7の先端側は第1の
ホール素子11の上側を隙間を介して覆い、磁路形成部
8の先端側はケーシング1の隔壁部1B上を後述する回
路基板13の裏面に沿って延びるように配設されてい
る。そして、磁路形成部7の先端部7Aは図4に示す如
く、後述のホール素子11の下側に位置する磁路形成部
8の先端部8Aと対向配設され、両者の間には後述のホ
ール素子11等が介挿されている。
【0029】9,10は基端側が第2の磁極片部6,6
に接続され、先端側がケーシング1の凹部1C内に突出
した磁路形成部を示し、該磁路形成部9の先端側は第1
のホール素子11の上側を隙間を介して覆い、磁路形成
部10の先端側はケーシング1の隔壁部1B上を後述す
る回路基板13の裏面に沿って延びるように配設されて
いる。そして、磁路形成部9の先端部9Aは図4に示す
如く、後述のホール素子12の下側に位置する磁路形成
部10の先端部10Aと対向配設され、両者の間には後
述のホール素子12等が介挿されている。
【0030】ここで、磁路形成部7,8の先端部7A,
8Aが対向する面積は図4に示す如く、磁路形成部9,
10の先端部9A,10Aが対向する面積と等しい面積
であり、これらの隙間寸法b1 は一定の寸法となるよう
に構成されている。
【0031】11,12は回路基板13上に設けられた
第1,第2の信号出力手段としてのホール素子を示し、
該第1,第2のホール素子11,12は回路基板13上
で互いに並列関係をなすように1チップ(ワンチップ)
化されて配設されている。そして、第1のホール素子1
1は図4に示す如く、磁路形成部7の先端部7Aと磁路
形成部8の先端部8Aとの間に位置し、両者の間の磁束
密度に比例した第1の信号を図5に示す如き出力電圧E
11として出力するものである。一方、第2のホール素子
12は磁路形成部9の先端部9Aと磁路形成部10の先
端部10Aとの間に位置し、両者の間の磁束密度に比例
した第2の信号を図5に示す如き出力電圧E12として出
力するものである。
【0032】13はケーシング1の凹部1C内に位置し
第1,第2のホール素子11,12および後述の演算回
路19を実装する回路基板を示し、該回路基板13はホ
ール素子11,12の実装部位を磁路形成部7,9の先
端部7A,9Aと磁路形成部8,10の先端部8A,1
0Aとの間に位置決めするように配設され、回路基板1
3の先端側には後述する各端子ピン14の一端側が隔壁
部1Bから後述のカバー16側に向けて貫通した状態で
固着されている。
【0033】14はケーシング1に埋設された金属材料
からなる複数の端子ピン(1個のみ図示)を示し、該各
端子ピン14は一端側がケーシング1の凹部1C内へと
突出し回路基板13に貫通状態で固着され、他端側は後
述の雄コネクタ15内へと突出すると共に、外部の端子
と電気的に接続可能となっている。そして、各端子ピン
14は第1,第2のホール素子11,12および後述の
演算回路19を外部の電源(図示せず)等に接続すると
共に、演算回路19による後述の検出信号So1を外部へ
と出力する構成となっている。
【0034】15はケーシング1から突出形成された略
角筒形状の雄コネクタを示し、該雄コネクタ15内には
端子ピン14の他端側が突出している。そして、該雄コ
ネクタ15は各端子ピン14を介して相手側となる雌コ
ネクタ(図示せず)と接続されるようになっている。
【0035】16は合成樹脂材料により形成されケーシ
ング1の凹部1C内を密閉状態に施蓋する略平板状のカ
バー、17は弾性材料により形成され該カバー16とケ
ーシング1との間をシールするパッキンを示している。
【0036】18はケーシング1の隔壁部1Bに埋設さ
れた平板状の磁気遮蔽板を示し、該磁気遮蔽板18は第
1,第2のホール素子11,12の下側に位置し、マグ
ネット4からの磁界等が第1,第2のホール素子11,
12に直接的な影響を与えるのを防止している。
【0037】19は回路基板13に実装され、第1,第
2のホール素子11,12から出力される出力電圧E1
1,E12に基づき回動角に対応した検出信号So1を演算
出力する演算手段としての演算回路を示し、該演算回路
19は図3に示すように後述の絶対値付与器20,加算
器21,割算器22および増幅器23等から構成されて
いる。
【0038】20は第1のホール素子11から出力され
る出力電圧E11の絶対値を出力する絶対値付与器、21
は絶対値付与器20からの出力と第2のホール素子12
から出力される出力電圧E12を加算する加算器、22は
加算器21の出力と出力電圧E11との比を取る割算器、
23は割算器22の出力を増幅する増幅器を示してい
る。そして、増幅器23は各端子ピン14に電気的に接
続され、回動角に対応した検出信号So1を各端子ピン1
4を介して外部へと出力する。
【0039】24は割算器22の出力に対してオフセッ
トレベルを決める基準電圧発生器、25は増幅器23の
出力信号を補正し信号の出力特性をリニアな特性に調整
(補正)する調整信号発生器を示している。
【0040】即ち、演算回路19の絶対値付与器20は
出力電圧E11の絶対値 |E11| を求め、加算器21は絶
対値 |E11| と出力電圧E12を加算することにより加算
値(|E11| +E12)を求める。そして、割算器22は
この加算値( |E11| +E12)と出力電圧E11とを割算
し、
【0041】
【数1】 なる演算を行って図6に示す如き演算信号Sx1を出力す
る。
【0042】これにより、演算信号Sx1は、回動角θ1
が0°のときに最小値(Sx1=0)となり、回動角θ1
が90°のときに最大値(Sx1=1)となる。そして、
演算信号Sx1は回動角θ1 のみにより決定され、後述の
数7〜数14等によるマグネット4の起磁力F1 および
ホール素子11,12の素子感度Gによる影響を受ける
ことはなくなる。
【0043】また、基準電圧発生器24は割算器22に
基準電圧を入力し、増幅器23は割算器22から出力さ
れる演算信号Sx1を増幅し、調整信号発生器25は増幅
器23に調整信号を入力することにより、増幅器23か
ら出力される検出信号So1の微小変動を補正する。
【0044】即ち、検出信号So1は演算信号Sx1に基づ
き、
【0045】
【数2】 として求められる。
【0046】ここで、Vo1は一定の電圧値(例えば2.
5V)であり、定数kは一定の増幅率を示している。そ
して、検出信号So1は、回動角θ1 が−90°のとき最
小値(Vo1−k)、回動角θ1 が90°のとき最大値
(Vo1+k)となる。
【0047】本実施例による回動角検出装置は上述の如
き構成を有するもので、次にその検出動作について説明
する。
【0048】まず、図7ないし図11を参照して回動角
の検出原理について説明するに、図7に示す比較例にあ
っては、マグネット4の円弧面部4Aがほぼ90°の角
度θm1に設定されると共に、各磁極片部5,6の角度θ
y1もほぼ90°に設定され、第1,第2の各磁極片部
5,6の離間寸法a1 (角度θa1)を非常に小さい値に
した場合を前提としている。
【0049】そして、図8に示すようにシャフト3の回
動に伴いマグネット4の円弧面部4Aが一側の磁極片部
6の中間部位6Aから±90°の範囲で回動角θ1 をも
って周方向に回動し、マグネット4が正方向に回動した
ときにマグネット4の円弧面部4Aは角度θ11の範囲に
亘り一側(図8の右側)の磁極片部5と対向すると共
に、角度θ12の範囲に亘り一側(図8の上側)の磁極片
部6と対向する。
【0050】また、マグネット4の円弧面部4Bも同様
に角度θ11の範囲に亘り他側(図8の左側)の磁極片部
5と対向すると共に、角度θ12の範囲に亘り他側(図8
の下側)の磁極片部6と対向する。そして、マグネット
4から発生した磁束は第1の磁極片部5,5から磁路形
成部7,8を通じて第1のホール素子11へと導かれる
一方、第2の磁極片部6,6からは磁路形成部9,10
を通じて第2のホール素子12へと導かれる。
【0051】このとき、マグネット4、各磁極片部5,
6は図9に示すように、マグネット4、磁極片部5,5
および磁路形成部7,8から第1の磁気回路が構成さ
れ、マグネット4、磁極片部6,6および磁路形成部
9,10から第2の磁気回路が構成されると共に、2つ
の磁気回路は磁気的に並列接続の関係となっている。
【0052】ここで、マグネット4の円弧面部4Aと一
側の磁極片部5,6との間に生じる磁気抵抗の逆数をパ
ーミアンスP11,P12とすれば、これらのパーミアンス
P11,P12はマグネット4の円弧面部4Aと第1,第2
の磁極片部5,6との対向面積に実質的に比例し、
【0053】
【数3】 P11=α1 ×μ0 ×θ11 =α1 ×μ0 ×θ1
【0054】
【数4】 P12=α1 ×μ0 ×θ12 =α1 ×μ0 ×(90°−θ1 )としてそれぞれ求めら
れる。
【0055】ここで、定数α1 はマグネット4の軸方向
寸法、各磁極片部5,6の軸方向寸法およびマグネット
4と各磁極片部5,6との間隔寸法等により予め決定さ
れる定数値であり、透磁率μ0 は真空中の透磁率を示し
ている。
【0056】また、マグネット4の円弧面部4Bと他側
の磁極片部5,6との間に生じる磁気抵抗の逆数をパー
ミアンスP13,P14とすれば、円弧面部4Bと他側の磁
極片部5,6との対向面積は円弧面部4Aと一側の磁極
片部5,6との対向面積に等しいから、
【0057】
【数5】P13=α1 ×μ0 ×θ11=P11
【0058】
【数6】P14=α1 ×μ0 ×θ12=P12 の関係が成り立つ。
【0059】このとき、第1,第2のホール素子11,
12の周囲により生じる磁気抵抗の逆数をパーミアンス
PS1とすれば、このパーミアンスPS1は第1,第2の磁
極片部5,6側のパーミアンスP11,P12,P13,P14
に比較して十分に小さい値となるから、パーミアンスP
S1は実質的に無視できる値となる。
【0060】そこで、マグネット4の起磁力F1 により
発生し、第1,第2の磁気回路を通る総磁束Φ1 は、
【0061】
【数7】 の関係となり常に一定値である。
【0062】また、各磁極片部5,6を通る磁束Φ11,
Φ12はΦ11:Φ12=P11:P12の関係にあり、それぞ
れ、
【0063】
【数8】
【0064】
【数9】 として求められる。
【0065】ここで、磁路形成部7,8の先端部7A,
8Aが対向する面積は磁路形成部9,10の先端部9
A,10Aが対向する面積に等しいから、この対向面積
による定数をβ1 とすると、第1,第2のホール素子1
1,12を通る磁束密度B11,B12は、
【0066】
【数10】B11=β1 ×Φ11
【0067】
【数11】B12=β1 ×Φ12 として求められる。
【0068】そして、ホール素子11,12は同一の特
性を有し、ホール素子11,12の出力電圧E11,E12
は磁束密度B11,B12に比例するから、
【0069】
【数12】 E11=G×B11 =G×β1 ×Φ1 ×θ1 /90°
【0070】
【数13】 E12=G×B12 =G×β1 ×Φ1 ×(1−θ1 /90°) の関係となる。ここで、Gはホール素子11,12の素
子感度であり、磁束密度B11,B12に対する出力電圧E
11,E12を決めるものである。
【0071】また、ホール素子12の出力電圧E12は、
【0072】
【数14】 E12=G×B12 =G×β1 ×Φ1 ×(1− |θ1|/90°) として、前記数13の式を数14の式に置き換えること
ができる。
【0073】この結果、ホール素子11の出力電圧E11
は数12の式から、回動角θ1 に対して正の傾きをもつ
比例関係にあり、回動角θ1 の増加に伴って出力電圧E
11も増加する。即ち、回動角θ1 が0°のときに磁極片
部5,5はマグネット4の円弧面部4A,4Bとは対向
しないから、出力電圧E11はほぼ0V(ボルト)とな
る。そして、この位置から時計方向にマグネット4を回
動すると、磁極片部5,5とマグネット4の円弧面部4
A,4Bとの対向面積が増加するから、出力電圧E11も
増加し、回動角θ1 が90°のときに最大の電圧値とな
る。
【0074】一方、ホール素子12の出力電圧E12は数
14の式から、回動角θ1 が0°から90°の間では負
の傾きをもつ比例関係にあり、回動角θ1 の増加に伴っ
て出力電圧E12は減少する。即ち、回動角θ1 が0°の
ときに一側の磁極片部6とマグネット4の円弧面部4A
とが対向し他側の磁極片部6と円弧面部4Bとが全ての
外周面に亘って対向するから、出力電圧E12は正の最大
電圧値となる。そして、この位置からマグネット4を時
計方向に回動させると、磁極片部6,6とマグネット4
の円弧面部4A,4Bとの対向面積が減少するから、出
力電圧E12の電圧値もこの対向面積に比例して減少し、
回動角θ1 が90°のとき出力電圧E12はほぼ0V(ボ
ルト)となる。
【0075】しかし、各磁極片部5,6間の離間寸法a
1 を前述の如く小さくしたときには、図7に示す矢示C
方向の漏れ磁束等が発生し易くなり、図10に示すよう
に出力電圧E11,E12が回動角θ1 に対して比例関係と
はならず、特性線26のように回動角θ1 が0°に近付
くにつれて、出力電圧E11は比較的大きな傾きをもって
減少し、回動角θ1 が90°に近付くにつれて出力電圧
E11の増加(傾き)が抑えられる。この傾向は図10に
点線で示す特性線27の出力電圧E12についても同様で
ある。
【0076】即ち、図7に示す比較例のように、磁極片
部5,6間の離間寸法a1 を十分に小さくし、マグネッ
ト4の円弧面部4Aの角度θm1と、第1,第2の各磁極
片部5,6の周方向に延びる角度θy1とをほぼ90°に
近い角度とした場合には、図7に示す矢示C方向の漏れ
磁束等に起因して第1,第2の各ホール素子11,12
からの出力電圧E11,E12は図10中に示す特性線2
6,27のようになると共に、このときの演算信号Sx1
は図11中の特性線28で示すように、回動角θ1 に対
して線形な特性とはならず、リニアとなる特性線29と
の間に大きなずれが生じる。
【0077】そこで、本実施例では、マグネット4の円
弧面部4Aの角度θm1を磁極片部6,6(5,5)間の
角度(θy1+2θa1)よりも小さく、好ましくは角度θ
y1と角度θa1とを合計した角度(θy1+θa1→90°)
よりも小さく(θm1<θy1+θa1)形成すると共に、前
記角度θy1をマグネット4の円弧面部4Aの角度θm1よ
りも小さく(θy1<θm1)する構成としている。
【0078】この結果、回動角θ1 が0°または90°
のときに、マグネット4の平行面部4C,4Dに対向す
る第2の磁極片部6または第1の磁極片部5とマグネッ
トとの間に、図7中に例示した矢示C方向の漏れ磁束等
が発生するのを防止でき、この漏れ磁束の影響を大幅に
小さくできる。
【0079】また、ギャップG1 を各磁極片部5,6間
の離間寸法a1 よりも小さく(G1<a1 )することに
より、第1,第2の各磁極片部5,6側の各パーミアン
スP11,P12,P13,P14を第1,第2の各ホール素子
11,12の周辺によるパーミアンスPS1よりも相対的
により大きくでき、第1,第2の各ホール素子11,1
2の出力電圧E11,E12からパーミアンスPS1の影響を
低減できると共に、これによっても前述の如き漏れ磁束
の影響を減少させることができる。
【0080】この結果、第1,第2の各ホール素子1
1,12からの出力電圧E11,E12は図5中に示す特性
線30,31のようになり、例えばホール素子11の出
力電圧E11が回動角θ1 が0°に近付くにつれて大きな
傾きをもって減少することはなく、同様に回動角θ1 が
90°に近付くにつれてホール素子12の出力電圧E12
が大きな傾きをもって減少することもない。また、この
ときの演算信号Sx1は図6中の特性線32で示すよう
に、回動角θ1 に比例したリニアな特性となる。
【0081】かくして、本実施例によれば、スロットル
ボディ2に回動可能に設けられたシャフト3と、該シャ
フト3に固定されたマグネット4と、該マグネット4を
取囲むように配設された第1の磁極片部5,5および第
2の磁極片部6,6と、該磁極片部5,5に基端側が接
続された磁路形成部7,8と、該磁極片部6,6に基端
側が接続された磁路形成部9,10と、該磁路形成部
7,8の先端部7A,8A間に設けられた第1のホール
素子11と、磁極形成部9,10の先端部9A,10A
間に設けられた第2のホール素子12と、該第1,第2
のホール素子11,12からの出力電圧E11,E12に基
づいて回動角θ1 に応じた検出信号So1を出力する演算
回路19とを備える構成としたから、下記の如き効果を
奏する。
【0082】即ち、回動するシャフト3およびマグネッ
ト4に対して第1,第2の磁極片部5,6等は接触せ
ず、シャフト3に余分な摺動抵抗(負荷等)を加えるこ
となく回動角の検出が可能となり、非接触構造とするこ
とにより耐久性を確実に向上させることができると共
に、第1,第2のホール素子11,12からの出力電圧
E11,E12が瞬間的に遮断されることはなく、高い信頼
性が得られる。
【0083】また、前記数2の式に示す如く回動角θ1
に対応した検出信号So1を演算回路19から出力できる
ので、この検出信号So1によりマグネット4の起磁力F
1 、素子感度Gの温度特性、経時劣化等に依存すること
はなく、正確な回動角θ1 の検出が可能となる。
【0084】そして、マグネット4の発生する磁束を第
1の磁極片部5,5から磁路形成部7,8を通じて第1
のホール素子11に導き、第2の磁極片部6,6から磁
路形成部9,10を通じて第2のホール素子12に効率
的に導くことができるから、第1のホール素子11は第
1の磁極片部5,5間に発生するマグネット4による磁
束Φ11に対応した出力電圧E11を出力でき、第2のホー
ル素子12は第2の磁極片部6,6間に発生するマグネ
ット4による磁束Φ12に対応した出力電圧E12を出力で
きると共に、第1,第2のホール素子11,12から出
力する出力電圧E11,E12のレベルをマグネット4の回
動角θ1 に応じて大きく変化させることができる。
【0085】また、各磁路形成部7,8,9,10によ
ってマグネット4が発生する磁束を第1,第2のホール
素子11,12まで効率的に導くことができ、各ホール
素子11,12の取付け自由度を増大させることができ
る。そして、第1,第2のホール素子11,12を互い
に近接させて配設でき、周囲温度等の条件を同一にする
ことができると共に、同一の半導体基板から一体的に形
成されたワンチップのホール素子11,12を用いるこ
とが可能となる。
【0086】一方、第1,第2の磁極片部5,6は、マ
グネット4を取囲む分割円筒形状をなしてシャフト3を
中心とする同心円上に配設したから、マグネット4の各
円弧面部4A,4Bが各磁極片部5,6と対向したとき
の距離を一定に保つことができる。これにより、第1の
磁極片部5,5とマグネット4の円弧面部4A,4Bと
が対向する面積に比例した磁束Φ11を第1の磁極片部
5,5から導くことができ、該磁極片部5,5に接続さ
れた磁路形成部7,8の先端部7A,8A間に設けられ
たホール素子11から回動角θ1 に比例した出力電圧E
11を得ることができる。また、第2の磁極片部6,6と
マグネット4の円弧面部4A,4Bとが対向する面積に
比例した磁束Φ12を第2の磁極片部6,6から導くこと
ができ、該磁極片部6,6に接続された磁路形成部9,
10の先端部9A,10A間に設けられたホール素子1
2から回動角θ1 に対応した出力電圧E12を得ることが
できる。
【0087】また、マグネット4と各磁極片部5,6と
を同心円上にコンパクトに配設できるから、回動角検出
装置の小型化が可能となると共に、回動するシャフト3
にはマグネット4のみを固定すればよいから、当該回動
角検出装置の組立て、取付け作業等を大幅に簡略化する
ことができる。
【0088】さらに、ギャップG1 を各磁極片部5,6
間の離間寸法a1 (角度θa1)よりも小さく(G1 <a
1 )したから、第1,第2の各磁極片部5,6側の各パ
ーミアンスP11,P12,P13,P14を第1,第2の各ホ
ール素子11,12の周辺によるパーミアンスPS1より
も相対的により大きくでき、第1,第2の各ホール素子
11,12の出力電圧E11,E12からパーミアンスPS1
の影響を低減できる。
【0089】さらにまた、マグネット4の円弧面部4A
の角度θm1を磁極片部5,5(6,6)間の角度(θy1
+2θa1)よりも小さく、好ましくは角度θy1と角度θ
a1とを合計した角度(θy1+θa1→90°)よりも小さ
く(θm1<θy1+θa1)形成すると共に、前記角度θy1
をマグネット4の円弧面部4Aの角度θm1よりも小さく
(θy1<θm1)する構成としたから、回動角θ1 が0°
または90°のときに、マグネット4の平行面部4C,
4Dに対向する第2の磁極片部6または第1の磁極片部
5とマグネット4との間に漏れ磁束等が発生するのを防
止でき、この漏れ磁束の影響を大幅に小さくできる。
【0090】次に、図12ないし図15は本発明の第2
の実施例を示し、本実施例では前記第1の実施例と同一
の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するも
のとする。しかし、本実施例の特徴は、回動角検出装置
を3個の磁極片部を用いて構成したことにある。
【0091】図12において、41はケーシング1の筒
部1A内に配設されたマグネットを示し、該マグネット
41はシャフト3の先端側にカシメ等により取付けら
れ、シャフト3から径方向に突出している。ここで、マ
グネット41は、長手方向両端側が円弧面部41A,4
1Bとなり、幅方向両端面側が平行面部41C,41D
となっている。
【0092】そして、マグネット41の円弧面部41
A,41Bはシャフト3を中心にして90°より僅かに
小さい角度θm2の範囲に亘り一定の曲率をもって周方向
に延び、その端面側には磁極(N極、S極)が形成され
ている。また、マグネット41の中心部にはシャフト3
の軸方向に延びる貫通穴41Eが設けられ、該貫通穴4
1Eはマグネット41と略相似形状をなし、シャフト3
に対してマグネット41を廻止め状態で固定させるよう
になっている。
【0093】42はケーシング1の筒部1Aに埋設され
た第1の磁極片部を示し、該第1の磁極片部42は図1
2に示すように、後述する第2,第3の磁極片部43,
44と共にマグネット41を円環状に取囲む分割円筒形
状をなしている。そして、磁極片部42はマグネット4
1のN極側となる円弧面部41Aと一定のギャップG2
を保って対向するようにシャフト3を中心にして角度θ
m2よりも小さい角度θy2の範囲に亘り周方向に延びてい
る。ここで、磁極片部42が位置する各磁極片部43,
44間の角度(θy2+2θa2)は、マグネット41の円
弧面部41A,41Bの角度θm2よりも大きく(θm2<
θy2+2θa2)なるように形成されている。この場合、
磁極片部42が周方向に延びる角度θy2と各磁極片部4
2,43,44間が離間している角度θa2との和を、前
記マグネット41の円弧面部41A,41Bの角度θm2
よりも大きく(θm2<θy2+θa2)形成するのが望まし
い。そして、磁極片部42はマグネット41が発生する
磁束を、後述の第1の磁路形成部45を介して第1のホ
ール素子48へと導くものである。
【0094】43は第1の磁極片部42からギャップG
2 よりも大きい離間寸法a2 (角度θa2)をもってケー
シング1の筒部1A内に埋設された第2の磁極片部を示
し、該第2の磁極片部43は前記第1の磁極片部42と
同様にマグネット41の円弧面部41Aと一定のギャッ
プG2 を保って対向するようにシャフト3を中心にして
角度θm2よりも小さい角度θy2の範囲に亘り周方向に延
びている。そして、磁極片部43はマグネット41が発
生する磁束を、後述の第2の磁路形成部46を介して第
2のホール素子49へと導くものである。
【0095】44は前記第1,第2の磁極片部42,4
3からギャップG2 よりも大きい離間寸法a2 をもって
設けられた第3の磁極片部を示し、該第3の磁極片部4
4はケーシング1の筒部1Aに埋設されると共に、マグ
ネット41のS極側となる円弧面部41Bと一定の間隔
を保って常時対向するように、約180°の範囲に亘り
周方向に延びている。そして、磁極片部44はマグネッ
ト41が発生する磁束を、後述の第3の磁路形成部47
を介して第1,第2のホール素子48,49へと導くも
のである。
【0096】ここで、マグネット41(シャフト3)の
回動角θ2 は、円弧面部41Aの中央部位が第1,第2
の磁極片部42,43間の中間位置に対向した状態を零
(θ2 =0°)位置とし、第1の磁極片部42側にマグ
ネット41の円弧面部41Aが回動したときを正方向、
第2の磁極片部43側にマグネット41の円弧面部41
Aが回動したときを負方向とする。
【0097】45は基端側が第1の磁極片部42に接続
され、先端側がケーシング1の凹部1C内に突出した第
1の磁路形成部を示し、該第1の磁路形成部45の先端
側は第1のホール素子48の上側を隙間を介して覆うと
共に、ホール素子48の下側に位置する第3の磁路形成
部47の先端側と対向している。
【0098】46は基端側が第2の磁極片部43に接続
され、先端側がケーシング1の凹部1C内に突出した第
2の磁路形成部を示し、該第2の磁路形成部46の先端
側は第2のホール素子49の上側を隙間を介して覆うと
共に、ホール素子49の下側に位置する第3の磁路形成
部49の先端側と対向している。
【0099】ここで、磁路形成部45,46は図14に
示す如くその先端部45A,46Aが相互いに等しい面
積をもって後述する磁路形成部47の先端部47Aと対
向し、これらの隙間寸法b2 は一定の寸法となるように
構成されている。
【0100】47は基端側が第3の磁極片部44に接続
され、先端側がケーシング1の凹部1C内に突出した第
3の磁路形成部を示し、該第3の磁路形成部47は先端
側がケーシング1の隔壁部1B上を後述する回路基板1
3の裏面に沿って延びるように配設されている。そし
て、該磁路形成部47の先端部47Aは図14に示す如
く、磁路形成部45,46の先端部45A,46Aと対
向配設され、両者の間にはホール素子48,49等が介
挿されている。
【0101】48,49は回路基板13上に設けられた
第1,第2の信号出力手段としてのホール素子を示し、
該第1,第2のホール素子48,49は回路基板13上
で互いに並列関係をなすように1チップ(ワンチップ)
化されて配設されている。そして、第1のホール素子4
8は図14に示す如く磁路形成部45の先端部45Aと
磁路形成部47の先端部47Aとの間に位置し、両者の
間の磁束密度に比例した第1の信号を出力電圧E21とし
て出力するものである。一方、第2のホール素子49は
磁路形成部46の先端部46Aと磁路形成部47の先端
部47Aとの間に位置し、両者の間の磁束密度に比例し
た第2の信号を出力電圧E22として出力するものであ
る。
【0102】50は回路基板13に実装され、第1,第
2のホール素子48,49から出力される出力電圧E2
1,E22に基づき回動角に対応した検出信号So2を演算
出力する演算手段としての演算回路を示し、該演算回路
50は図13に示すように後述の加算器51,減算器5
2,割算器53および増幅器54等から構成されてい
る。
【0103】51は第1,第2のホール素子48,49
から出力される出力電圧E21,E22を加算する加算器、
52は第1,第2のホール素子48,49から出力され
る出力電圧E21,E22を減算する減算器、53は加算器
51の出力と減算器52の出力との比を取る割算器、5
4は割算器53の出力を増幅する増幅器を示している。
そして、増幅器54は各端子ピン14に電気的に接続さ
れ、回動角に対応した検出信号So2を各端子ピン14を
介して外部へと出力する。
【0104】55は割算器53の出力に対してオフセッ
トレベルを決める基準電圧発生器、56は増幅器54の
出力信号を補正し信号の出力特性をリニアな特性に調整
(補正)する調整信号発生器を示している。
【0105】本実施例による回動角検出装置は上述の如
き構成を有するもので、次にその作動について図12な
いし図15を参照して説明する。
【0106】この場合でも、回動角の検出原理を単純化
して説明するために、マグネット41の円弧面部41A
の角度θm2と第1,第2の各磁極片部42,43の角度
θy2をほぼ90°に設定すると共に、第3の磁極片部4
4の角度をほぼ180°に設定し、各磁極片部42,4
3,44間の離間寸法a2 (角度θa2)は非常に小さく
した場合を前提として、下記の数15〜数24の式等を
導くものとする。
【0107】まず、図14に示すようにシャフト3の回
動に伴いマグネット41の円弧面部41Aも第1,第2
の磁極片部42,43が周方向に離間した位置から±4
5°の範囲で回動角θ2 をもって周方向に回動する。こ
のとき、マグネット41の円弧面部41Aは角度θ21の
範囲に亘り第1の磁極片部42と対向すると共に、角度
θ22の範囲に亘り第2の磁極片部43と対向する。一
方、マグネット41の円弧面部41Bは全体に亘り第3
の磁極片部44と対向し続ける。そして、マグネット4
1が発生した磁束は第1,第3の磁極片部42,44か
ら第1,第3の磁路形成部45,47を通じて第1のホ
ール素子48へと導かれる一方、第2,第3の磁極片部
43,44からは第2,第3の磁路形成部46,47を
通じて第2のホール素子49へと導かれる。
【0108】このとき、マグネット41,磁極片部4
2,43,44は図14,図15に示すようにマグネッ
ト41、磁極片部42,44および磁路形成部45,4
7から第1の磁気回路が構成され、マグネット41、磁
極片部43,44および磁路形成部46,47から第2
の磁気回路が構成されると共に、2つの磁気回路は磁気
的に並列接続の関係となっている。
【0109】ここで、マグネット41の円弧面部41A
と第1,第2の磁極片部42,43との間に生じる磁気
抵抗の逆数をパーミアンスP21,P22とすれば、これら
のパーミアンスP21,P22はマグネット41の円弧面部
41Aと第1,第2の磁極片部42,43との対向面積
に実質的に比例し、
【0110】
【数15】 P21=α2 ×μ0 ×θ21 =α2 ×μ0 ×(45°+θ)
【0111】
【数16】 P22=α2 ×μ0 ×θ22 =α2 ×μ0 ×(45°−θ) としてそれぞれ求められる。
【0112】ここで、定数α2 はマグネット41の軸方
向寸法、各磁極片部42,43の軸方向寸法およびマグ
ネット41と各磁極片部42,43との間隔寸法等によ
り予め決定される定数値であり、透磁率μ0 は真空中の
透磁率を示している。
【0113】また、マグネット41の円弧面部41Bと
第3の磁極片部44との間に生じる磁気抵抗の逆数をパ
ーミアンスP23とすれば、このパーミアンスP23はマグ
ネット41の円弧面部41Bと第3の磁極片部44とは
常に90°に亘って対向する一方、前記マグネット41
の円弧面部41Aは第1の磁極片部42および第2の磁
極片部43に対して全体としては常に90°に亘って対
向するから、
【0114】
【数17】P23=α2 ×μ0 ×90°=P21+P22 の関係が成り立つ。
【0115】このとき、第1,第2のホール素子48,
49の周囲により生じる磁気抵抗の逆数をパーミアンス
PS2とすれば、このパーミアンスPS2は第1,第2の磁
極片部42,43側のパーミアンスP21,P22に比較し
て十分に小さい値となるから、パーミアンスPS2は実質
的に無視できる値となる。
【0116】そこで、マグネット41の起磁力F2 によ
り発生し、第1,第2の磁気回路を通る総磁束Φ2 は、
【0117】
【数18】 の関係となり常に一定値である。
【0118】また、各磁極片部42,43を通る磁束Φ
21,Φ22はΦ21:Φ22=P21:P22の関係にあり、それ
ぞれ、
【0119】
【数19】
【0120】
【数20】 として求められる。
【0121】ここで、磁路形成部45,46の先端部4
5A,46Aは磁路形成部47の先端部47Aに対して
互いに等しい面積をもって対向しているから、この対向
面積による定数をβとすると、第1,第2のホール素子
48,49を通る磁束密度B21,B22は、
【0122】
【数21】B21=β×Φ2
【0123】
【数22】B22=β×Φ2 として求められる。
【0124】そして、ホール素子48,49は同一の特
性を有し、ホール素子48,49の出力電圧E21,E22
は磁束密度B21,B22に比例するから、
【0125】
【数23】 E21=G×B21 =G×β×Φ2 ×(0.5+θ2 /90°)
【0126】
【数24】 E22=G×B22 =G×β×Φ2 ×(0.5−θ2 /90°) の関係となる。ここで、Gはホール素子48,49の素
子感度であり、磁束密度B21,B22に対する出力電圧E
21,E22を決めるものである。
【0127】ここで、この出力電圧E21,E22はホール
素子48,49の素子感度Gが周囲の温度等により変化
したときに、その影響により出力電圧E21,E22は変化
する。また、総磁束Φ2 はマグネット41の起磁力F2
に依存するから、マグネット41の起磁力F2 等に影響
されて出力電圧E21,E22も変化することになる。
【0128】そのため、出力電圧E21,E22を演算回路
50へ入力し、この演算回路50で下記の数25の式に
示す演算を行なう。
【0129】
【数25】 ここで、演算回路50の減算器52は出力電圧E21,E
22を減算することにより減算値(E21−E22)を求め、
加算器51は出力電圧E21,E22を加算することにより
加算値(E21+E22)を求める。そして、割算器53は
この加算値(E21+E22)と減算値(E21−E22)とを
割算して前記数25の式による演算を行う。
【0130】また、基準電圧発生器55は割算器53に
基準電圧を入力し、増幅器54は割算器53から出力さ
れる演算信号Sx2を増幅し、調整信号発生器56は増幅
器54に調整信号を入力することにより増幅器54から
出力される検出信号So2の微小変動を補正する。
【0131】即ち、検出信号So2は演算信号Sx2に基づ
き、
【0132】
【数26】 として求められる。
【0133】ここで、Vo は一定の電圧値(例えば2.
5V)であり、定数kは一定の増幅率を示している。
【0134】これにより、回動角θ2 が−45°のとき
最小値(Vo −k)、回動角θ2 が45°のとき最大値
(Vo +k)となると共に、検出信号So2は回動角θ2
のみにより決定され、マグネット41の起磁力F2 およ
びホール素子48,49の素子感度Gによる影響を受け
なくなる。
【0135】ところで、上述の如く各磁極片部42,4
3,44間の離間寸法a2 を十分に小さくした場合に
は、マグネット41の円弧面部41Aの角度θm2と、第
1,第2の各磁極片部42,43の周方向に延びる角度
θy2とをほぼ90°に近い角度とした場合には、前記第
1の実施例と同様に漏れ磁束が発生し回動角θ2 が−4
5°のときの第1のホール素子48の出力電圧E21が低
下すると共に、回動角θ2 が+45°のときの第2のホ
ール素子49の出力電圧E22が低下する。
【0136】また、第1,第2のホール素子48,49
によるパーミアンスPS2の影響によって、回動角θ2 が
±22.5°付近ではホール素子48,49の出力電圧
E21,E22の比率に大きい誤差が生じる。
【0137】従って、磁極片部42,43,44間の離
間寸法a2 を十分に小さくした場合には、第1,第2の
各ホール素子48,49からの出力電圧E21,E22は線
形な特性にならないと共に、このときの演算信号Sx2も
回動角θ2 に対して線形な特性が得られない。
【0138】そこで、本実施例では、マグネット41の
円弧面部41Aの角度θm2を第1の各磁極片部42の角
度θy2と各磁極片部42,43,44間の離間している
角度θa2との和(θy2+θa2→90°)よりも小さく
(θm2<θy2+θa2)形成すると共に、各磁極片部4
2,43の角度θy2をマグネット41の円弧面部41A
の角度θm2よりも小さく(θy2<θm2)することによ
り、回動角θ2 が−45°もしくは45°のときに、マ
グネット41の平行面部41C,41Dと対向する第
2,第3の磁極片部43,44もしくは第1,第3の磁
極片部42,44を通る漏れ磁束を減少させる。
【0139】また、ギャップG1 を各磁極片部5,6間
の離間寸法a1 よりも小さく(G2<a2 )することに
より、第1,第2の各磁極片部5,6側の各パーミアン
スP21,P22,P23を第1,第2の各ホール素子48,
49によるパーミアンスPS2よりも相対的により大きく
でき、各ホール素子48,49の出力電圧E21,E22か
らパーミアンスPS2の影響を低減できると共に、漏れ磁
束を減少でき、このときの演算信号Sx2は回動角θ2 に
対してほぼ比例関係の特性となる。
【0140】かくして、本実施例によれば、前記第1の
実施例と同様の作用効果が得られるが、特に本実施例で
は、前記数26の式に示す如く回動角θ2 と比例関係に
ある検出信号So2を演算回路50から出力できるので、
この検出信号So2によりマグネット41の起磁力F2 、
素子感度Gの温度特性、経時劣化等に依存することはな
く、正確な回動角θ2 の検出が可能となる。
【0141】さらに、ギャップG2 を各磁極片部42,
43,44間の離間寸法a2 よりも小さく(G2 <a2
)したから、第1,第2,第3の各磁極片部42,4
3,44側の各パーミアンスP21,P22,P23を第1,
第2の各ホール素子48,49の周辺によるパーミアン
スPS2よりも相対的により大きくでき、第1,第2の各
ホール素子48,49の出力電圧E21,E22からパーミ
アンスPS2の影響を低減できる。
【0142】さらにまた、マグネット41の円弧面部4
1Aの角度θm2を第1の磁極片部42の角度θy2と第
1,第2,第3の磁極片部42,43,44間の離間し
ている角度θa2との和(θy2+θa2→90°)よりも小
さく(θm2<θy2+θa2)形成すると共に、第1の磁極
片部42の角度θy2をマグネット41の円弧面部41A
の角度θm2よりも小さく(θy2<θm2)したから、回動
角θ2 が−45°もしくは45°のときに、マグネット
41の平行面部41C,41Dと対向する第2,第3の
磁極片部43,44もしくは第1,第3の磁極片部4
2,44を周方向に通る漏れ磁束を減少できる。
【0143】次に、図16は本発明の第3の実施例を示
し、本実施例では前記第1の実施例と同一の構成要素に
同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。し
かし、本実施例の特徴は、シャフト3等に固定するマグ
ネット61を、扇形状に形成された一対の磁極部61
A,61Aと、各磁極部61A間を結合する棒状の連結
部61Bとから構成したことにある。
【0144】ここで、マグネット61は前記第1の実施
例で述べたマグネット4とほぼ同様に形成されているも
のの、該マグネット61の各磁極部61Aは中心から角
度θm1の範囲に亘り扇形状をなすと共に、それぞれN
極,S極として形成されている。また、マグネット61
の連結部61Bには中心部にシャフト3の軸方向に貫通
穴61Cが設けられ、該貫通穴61Cにはシャフト3が
廻止め状態で固着される。
【0145】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第1の実施例と同様の作用効果が得られる
が、特に本実施例では、マグネット61を扇形状の各磁
極部61Aと棒状の連結部61Bとから形成したので、
マグネット61から発生する磁束を各磁極部61Aから
角度θm1に亘り扇形状に広げることができる。このた
め、回動角θ1 が±θm1付近となったときでも第1,第
2の磁極片部5,6とマグネット61の各磁極部61A
との対向面積に対応した磁束をマグネット61から第
1,第2のホール素子11,12へと正確に導くことが
でき、回動の全範囲に亘って正確な回動角θ1 の検出が
できる。
【0146】なお、前記各実施例では、第1,第2のホ
ール素子11,12(48,49)の出力電圧E11,E
12(E21,E22)に基づき回動角θ1 (θ2 )に対応し
た検出信号So1(So2)を演算出力する演算回路50
を、ケーシング1の内部に設けるものとしたが、本発明
はこれに限らず、第1,第2のホール素子11,12
(48,49)による出力電圧E11,E12(E21,E2
2)を各端子ピン14から出力し、これをケーシング1
の外部に設けた演算回路等により検出信号So1(So2)
として演算出力してもよい。
【0147】また、前記各実施例では、回動軸となるシ
ャフト3にマグネット4(41,61)を固着して、こ
れを回動するものとして述べたが、本発明はこれに限ら
ず、例えばケーシング側にマグネットを固定して設け、
第1,第2の磁極片部5,6側または第1,第2,第3
の磁極片部42,43,44を回動軸等で回動する構成
としてもよい。
【0148】さらに、前記各実施例では第1の磁極片部
5(42)、第2の磁極片部6(43)または第3の磁
極片部44をそれぞれ予め決められた角度範囲に亘って
周方向に延びるように形成するものとして述べたが、本
発明はこれに限らず、第1,第2の磁極片部または第3
の磁極片部をそれぞれ小さい角度範囲に分割し、それぞ
れを2個以上の磁極片部として形成してもよい。
【0149】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に記載の発
明では、円弧面部を有するマグネットと、該マグネット
の円弧面部と対向するように該マグネットの周囲に互い
に離間して配設され、周方向にそれぞれ予め決められた
角度をもって延びる少なくとも3個以上の磁極片部と、
該各磁極片部と前記マグネットとのいずれか一方を回動
し、該各磁極片部と前記マグネットとを相対回転させる
回動手段と、前記マグネットの円弧面部と各磁極片部と
の対向面積に対応して生じる第1,第2の信号をそれぞ
れ出力する信号出力手段とを備え、前記各磁極片部間の
離間寸法は、前記マグネットと各磁極片部とのギャップ
より大きくする構成としたから、相対回転する各磁極片
部とマグネットとの間を非接触状態に保持でき、耐久性
や信頼性を向上できると共に、2個の各磁極片部とマグ
ネットとの対向面積を回動角に対応させることができ、
第1,第2の信号出力手段から回動角に対応した第1,
第2の信号を出力できる。
【0150】また、各磁極片部によってマグネットが発
生する磁束を第1,第2の信号出力手段まで効率的に導
くことができ、該各信号出力手段の取付け自由度を増大
させることができる。そして、第1,第2の信号出力手
段を互いに近接させて配設でき、周囲温度等の条件を同
一にすることができると共に、例えば同一の半導体基板
から一体的に形成されたホール素子等から第1,第2の
信号出力手段を形成することが可能となる。
【0151】さらに、マグネットと各磁極片部とのギャ
ップを各磁極片部間の離間寸法より小さく形成したか
ら、マグネットの円弧面部を各磁極片部に近付けること
ができ、マグネットの円弧面部と対向する各磁極片部に
確実に磁束を導くことができると共に、マグネットの円
弧面部と対向する各磁極片部による磁気抵抗を小さくす
ることができ、ホール素子による磁気抵抗の影響を低減
できる。
【0152】そして、請求項2に記載の発明では、各磁
極片部間の離間寸法をマグネットと各磁極片部とのギャ
ップより大きくし、マグネットの円弧面部は前記各磁極
片部のうち少なくとも一の磁極片部よりも周方向に大き
な角度をもって延びる構成としたから、マグネットの円
弧面部と対向する各磁極片部に確実に磁束を導くことが
でき、漏れ磁束を減少できると共に、ホール素子による
磁気抵抗の影響を低減でき、リニアな特性をもった検出
信号を取り出すことができる。
【0153】一方、請求項3に記載の発明では、回動手
段により第1,第2の各磁極片部とマグネットとを相対
回転させ、第1,第2の信号出力手段により前記第1,
第2の各磁極片部と前記マグネットの円弧面部との対向
面積に対応して生じる第1,第2の信号をそれぞれ出力
させると共に、前記各磁極片部間の離間寸法を、前記マ
グネットと各磁極片部とのギャップより大きくする構成
としたから、相対回転する第1,第2の各磁極片部とマ
グネットとの間を非接触状態に保持できると共に、第
1,第2の各磁極片部とマグネットとの間隔を一定に保
つことができ、第1,第2の各磁極片部と前記マグネッ
トとの対向面積を回動角に対応して変化させることがで
きる。
【0154】また、前記第1の信号出力手段は、前記第
1の各磁極片部間で前記マグネットとの対向面積(磁
界)に対応した第1の信号を出力でき、前記第2の信号
出力手段は、前記第2の各磁極片部間で前記マグネット
との対向面積(磁界)に対応した第2の信号を出力でき
るから、前記第1,第2の信号出力手段から出力される
それぞれの信号レベルをマグネット等の相対回転に応じ
て大きく変化させることができる。
【0155】さらに、マグネットと各磁極片部とのギャ
ップを各磁極片部間の離間寸法より小さく形成したか
ら、マグネットの円弧面部を各磁極片部に近付けること
ができ、マグネットの円弧面部と対向する各磁極片部に
確実に磁束を導くことができると共に、マグネットの円
弧面部と対向する各磁極片部による磁気抵抗を小さくす
ることができ、ホール素子による磁気抵抗の影響を低減
できる。
【0156】また、請求項4に記載の発明では、前記マ
グネットの円弧面部は、前記第1,第2の各磁極片部の
うち少なくとも一方の各磁極片部よりも周方向に大きな
角度をもって延びる構成としたから、一方の各磁極片部
の全周に亘って前記マグネットとの対向面積を回動角に
対応して変化させることができ、マグネットの円弧面部
と対向する各磁極片部に確実に磁束を導くことができる
と共に、漏れ磁束を減少でき、リニアな特性をもった検
出信号を取出すことができる。
【0157】さらに、請求項5に記載の発明では、前記
マグネットの円弧面部は、前記第1,第2の各磁極片部
間のうち少なくとも一方の各磁極片部間の角度よりも周
方向に小さな角度をもって延びる構成としたから、第
1,第2の各磁極片部に対して漏れ磁束が導かれるのを
防止でき、正確な回動角の検出ができる。
【0158】さらにまた、請求項6に記載の発明では、
前記第1,第2の信号出力手段から出力される第1,第
2の信号に基づき前記回動手段の回動角に対応した検出
信号を演算出力する演算手段を備える構成としたから、
マグネットの起磁力、素子感度の温度特性、経時劣化等
に影響される信号成分を確実に相殺することができ、回
動角の検出信号をリニアな特性をもって出力できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による回動角検出装置を
示す縦断面図である。
【図2】図1中の矢示II−II方向拡大断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例による回動角検出装置の
演算回路を示す回路ブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施例による回動角検出装置に
用いるマグネット,各磁極片部および各ホール素子等の
配置関係を示す全体構成図である。
【図5】本発明の第1の実施例による回動角検出装置に
用いた第1,第2のホール素子から出力される出力電圧
と回動角との関係を示す特性線図である。
【図6】本発明の第1の実施例による回動角検出装置に
用いた演算回路から取出される演算信号と回動角との関
係を示す特性線図である。
【図7】回動角の検出原理を説明するために比較例とし
て示す図4とほぼ同様の全体構成図である。
【図8】マグネットが回転した状態を示す図7と同様の
全体構成図である。
【図9】図7中に示す比較例によるマグネット,各磁極
片部および各ホール素子等の磁気回路図である。
【図10】図7に示す比較例による第1,第2のホール
素子から出力される出力電圧と回動角との関係を示す特
性線図である。
【図11】図10の出力電圧に基づき演算回路から取出
される演算信号と回動角との関係を示す特性線図であ
る。
【図12】本発明の第2の実施例による回動角検出装置
のマグネットおよび各磁極片部等を示す図2と同様の拡
大断面図である。
【図13】本発明の第2の実施例による回動角検出装置
の演算回路を示す回路ブロック図である。
【図14】本発明の第2の実施例による回動角検出装置
に用いるマグネット,各磁極片部および各ホール素子等
の配置関係を示す全体構成図である。
【図15】図13中に示すマグネット,各磁極片部およ
び各ホール素子等の磁気回路図である。
【図16】本発明の第3の実施例による回動角検出装置
に用いるマグネットを示す平面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 3 シャフト(回動軸) 4,41,61 マグネット 5,42 第1の磁極片部 6,43 第2の磁極片部 44 第3の磁極片部 11,48 第1のホール素子(第1の信号出力手段) 12,49 第2のホール素子(第2の信号出力手段) 19,50 演算回路(演算手段) E11,E21 出力電圧(第1の信号) E12,E22 出力電圧(第2の信号) So1,So2 検出信号 θ1 ,θ2 回動角

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円弧面部を有するマグネットと、該マグ
    ネットの円弧面部と対向するように該マグネットの周囲
    に互いに離間して配設され、周方向にそれぞれ予め決め
    られた角度をもって延びる少なくとも3個以上の磁極片
    部と、該各磁極片部と前記マグネットとのいずれか一方
    を回動し、該各磁極片部と前記マグネットとを相対回転
    させる回動手段と、前記マグネットの円弧面部と各磁極
    片部との対向面積に対応して生じる第1,第2の信号を
    それぞれ出力する信号出力手段とを備え、前記各磁極片
    部間の離間寸法は、前記マグネットと各磁極片部とのギ
    ャップより大きくする構成としてなる回動角検出装置。
  2. 【請求項2】 円弧面部を有するマグネットと、該マグ
    ネットの円弧面部と対向するように該マグネットの周囲
    に互いに離間して配設され、周方向にそれぞれ予め決め
    られた角度をもって延びる少なくとも3個以上の磁極片
    部と、該各磁極片部と前記マグネットとのいずれか一方
    を回動し、該各磁極片部と前記マグネットとを相対回転
    させる回動手段と、前記マグネットの円弧面部と各磁極
    片部との対向面積に対応して生じる第1,第2の信号を
    それぞれ出力する信号出力手段とを備え、前記各磁極片
    部間の離間寸法は、前記マグネットと各磁極片部とのギ
    ャップより大きくし、かつ前記マグネットの円弧面部
    は、前記各磁極片部のうち少なくとも一の磁極片部より
    も周方向に大きな角度をもって延びる構成としてなる回
    動角検出装置。
  3. 【請求項3】 円弧面部を有するマグネットと、該マグ
    ネットの円弧面部と対向するように該マグネットの周囲
    に互いに離間して配設され、周方向に予め決められたの
    角度をもって延びる一対の第1の磁極片部と、該第1の
    各磁極片部から離間して該第1の各磁極片部間に配設さ
    れ、周方向に予め決められた角度をもって延びる一対の
    第2の磁極片部と、該第1,第2の各磁極片部と前記マ
    グネットとのいずれか一方を回動し、該第1,第2の各
    磁極片部と前記マグネットとを相対回転させる回動手段
    と、前記第1,第2の各磁極片部と前記マグネットの円
    弧面部との対向面積に対応して生じる第1,第2の信号
    をそれぞれ出力する第1,第2の信号出力手段とを備
    え、前記各磁極片部間の離間寸法は、前記マグネットと
    各磁極片部とのギャップより大きくする構成としてなる
    回動角検出装置。
  4. 【請求項4】 前記マグネットの円弧面部は、前記第
    1,第2の各磁極片部のうち少なくとも一方の各磁極片
    部よりも周方向に大きな角度をもって延びる構成として
    なる請求項3に記載の回動角検出装置。
  5. 【請求項5】 前記マグネットの円弧面部は、前記第
    1,第2の各磁極片部間のうち少なくとも一方の磁極片
    部間の角度よりも周方向に小さな角度をもって延びる構
    成としてなる請求項3または4に記載の回動角検出装
    置。
  6. 【請求項6】 前記第1,第2の信号出力手段から出力
    される第1,第2の信号に基づき前記回動手段の回動角
    に対応した検出信号を演算出力する演算手段を備える構
    成としてなる請求項1,2,3,4または5に記載の回
    動角検出装置。
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