JPH09241417A - 乳酸系ポリマーの原料回収方法 - Google Patents

乳酸系ポリマーの原料回収方法

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JPH09241417A
JPH09241417A JP5758696A JP5758696A JPH09241417A JP H09241417 A JPH09241417 A JP H09241417A JP 5758696 A JP5758696 A JP 5758696A JP 5758696 A JP5758696 A JP 5758696A JP H09241417 A JPH09241417 A JP H09241417A
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lactic acid
lactide
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JP5758696A
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Akio Takahashi
暁雄 高橋
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Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J11/00Recovery or working-up of waste materials
    • C08J11/04Recovery or working-up of waste materials of polymers
    • C08J11/10Recovery or working-up of waste materials of polymers by chemically breaking down the molecular chains of polymers or breaking of crosslinks, e.g. devulcanisation
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    • C08G63/88Post-polymerisation treatment
    • C08G63/89Recovery of the polymer
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2367/00Characterised by the use of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Derivatives of such polymers
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明が解決しようとする課題は、回収もし
くは使用済みの乳酸系ポリマーからなる製品を効率よく
分解し、再利用可能な原料ラクタイドを収率良く回収す
る、乳酸系ポリマーの原料回収方法を提供することにあ
る。 【解決手段】 乳酸系ポリマー(A)に、7.5Tor
rにおける沸点が170℃以上であるアルコール類
(B)と、熱分解触媒(C)とを加えて、減圧下、又は
不活性ガス気流下に、加熱して加アルコール分解し、バ
ックバイト反応させて生成するラクタイドを回収するこ
とを特徴とする乳酸系ポリマーの原料回収方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は乳酸を構造単位とし
て含む乳酸系ポリマー、特に成形加工の際に生じる廃棄
物の乳酸系ポリマーや、使用済みの乳酸系ポリマー製品
にアルコール類と熱分解触媒を加えて加アルコール分解
し、再使用可能な乳酸系ポリマーの原料であるラクタイ
ドを回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】生分解性ポリマーは環境問題の改善を目
的として、汎用樹脂用途への展開が期待されている。し
かしながら、生分解性ポリマーであっても、過剰な廃棄
は環境汚染を進めることになる為、可能な限り使用済み
の製品は回収・再利用することが望ましい。
【0003】特開平6−49266号公報には、プラス
チックをアルカリを用いて加水分解しヒドロキシ酸とし
て回収する方法が開示されている。しかしこのプロセス
では、加水分解反応がアルカリの量論反応であること、
アルカリ金属が存在することにより、ラクタイドや乳酸
のラセミ化が起こること、得られた乳酸からラクタイド
を再度合成するための装置が必要であること等の問題が
あった。
【0004】また、特開平5−287056号公報に
は、アルコールの存在下、乳酸オリゴマーを熱分解して
ラクタイドを得る方法が開示されている。しかしこの方
法では、乳酸をオリゴマー化し、更にそれを熱分解して
ラクタイドを得るものであり、高分子量化したポリ乳酸
や乳酸系コポリマーを分解してラクタイドを得るもので
はなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、回収もしくは使用済みの乳酸系ポリマーか
らなる製品を効率よく分解し、再利用可能な原料ラクタ
イドを収率良く回収する、乳酸系ポリマーの原料回収方
法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の課
題を解決するために鋭意検討を行った結果、乳酸系ポリ
マー(A)に、高沸点のアルコール(B)及び熱分解触
媒(C)を添加して熱分解することにより、高収率でラ
クタイドを回収できることを見出し本発明を完成させる
に至った。
【0007】即ち、本発明は、乳酸系ポリマー(A)
に、7.5Torrにおける沸点が170℃以上である
アルコール類(B)と、熱分解触媒(C)とを加えて、
減圧下、又は不活性ガス気流下に、加熱して加アルコー
ル分解し、バックバイト反応させて生成するラクタイド
を回収することを特徴とする乳酸系ポリマーの原料回収
方法である。
【0008】本発明の乳酸系ポリマーの原料回収方法
は、乳酸系ポリマー(A)が、ポリ乳酸であること、又
は乳酸系ポリマー(A)が、ジオールとジカルボン酸か
らなるポリエステルとラクタイドとの共重合体であるこ
とを特徴とし、更に詳しくは、熱分解触媒(C)が、ス
ズを元素として含むことを特徴とする乳酸系ポリマーの
原料回収方法である。
【0009】また本発明の乳酸系ポリマーの原料回収方
法は、バックバイト反応の反応圧力が20Torr以下
であること、バックバイト反応を不活性ガス気流下で行
うことを特徴とし、更に、バックバイト反応を二軸押出
機内や、薄膜蒸留装置を用いて行うことを特徴とする回
収方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、乳酸を構造単位として
含む乳酸系ポリマー(A)に高沸点のアルコール類
(B)、熱分解触媒(C)を加えて加アルコール分解
し、減圧下、ポリマーからラクタイドを回収することを
特徴とするラクタイドの回収方法である。
【0011】本発明で言う、乳酸を構造単位として含む
乳酸系ポリマー(A)としては、乳酸のホモポリマーで
あるポリ乳酸の他、乳酸残基を構造単位として含む乳酸
系コポリマー類をも含むものである。即ち、ここで言う
乳酸を構造単位として含むポリマー(A)とは、任意
の光学純度の乳酸の単独重合体で、D体とL体をブロッ
ク的、またはランダム的に含むもの、アルコール類と
乳酸との共重合体、各種のポリマーと乳酸との共重合
体等を含むものである。
【0012】アルコール類としては、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコー
ル、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチ
ルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、
ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシ
ルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシル
アルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデシルア
ルコール、オクタデシルアルコール、ノナデシルアルコ
ール、t−アミルアルコール、
【0013】イソブチルアルコール、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ベン
ジルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、ポリテトラメチレングリ
コール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、キシリレンジオー
ル、
【0014】ネオペンチルグリコール、グリセリン、ト
リメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチ
ロールプロパン、α,α’,α’’−トリヒドロキシト
リメチルベンゼンなどの三価アルコール、ペンタエリス
リトールなどの四価アルコール等を挙げることが出来
る。また、他の共重合成分としては、ポリエーテル、ポ
リエーテルエステル、ポリエステル、ポリカプロラクト
ン、ポリカーボネート、ポリオキセパンジオン等を挙げ
ることが出来る。
【0015】しかしながら、回収ラクタイドを再利用す
るためには、原料回収に供する乳酸系ポリマーは共重合
されるポリマー中に加水分解されやすい結合を含まない
ことが好ましく、特に好ましくは、ポリエーテル、ポリ
エーテルモノオール、ポリエーテルポリオール、種々の
1価または多価のアルコール類と乳酸やラクタイドとの
共重合体などを挙げることが出来、同様に好ましくは乳
酸のブロックまたはランダム共重合体を挙げることが出
来る。
【0016】また本発明に用いられる乳酸系コポリマー
の分子量は、特に限定されるものではないが、重量平均
分子量で2000以上であることが望ましい。それ以下
の分子量のものも本法によってラクタイドを回収するこ
とが出来るが、得られるラクタイドの品質、収量が低く
なる。一方、分子量が大き過ぎると、反応系内のポリマ
ー粘度が高くなり過ぎる為、350,000以下のもの
を用いることが好ましい。
【0017】アルコール類(B)は、好ましくは7.5
Torrにおける沸点が170℃以上であるもの、更に
好ましくは7.5Torrにおける沸点が200℃以上
のものが好ましく用いられる。それには他の官能基とし
てケトンやエーテル、チオエーテル等の比較的加水分解
されにくいものを有しているものや、多官能性のアルコ
ールが好ましい。このようなアルコール類を用いること
により生成するラクタイドの精製がより容易になるとい
う利点がある。
【0018】それらの化合物を例示すると、炭素数6以
上のモノアルコール、ジオール、炭素数5以上のトリオ
ール、テトラオール等を挙げることが出来、更に詳しく
は、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアルコー
ル、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアルコー
ル、ノナデシルアルコール、トリメチロールエタン、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペン
タエリスリトール、トリエチレングリコール及びそのモ
ノメチルエーテル、モノエチルエーテル、テトラエチレ
ングリコール及びそのモノメチルエーテル、モノエチル
エーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ポリテトラメチレングリコールなどを例示す
ることが出来る。
【0019】これらのアルコール(B)の量は反応系中
にあるポリマー全体中の水酸基価と合計して25μmo
l/ポリマー1g以上、1mmol/ポリマー1g以下
程度になるようにするのが好ましく、更に好ましくは1
00μmol/ポリマー1g以上0.5mmol/ポリ
マー1g以下にすることが特に好ましい。
【0020】そのように調製することにより、良好な速
度でバックバイト反応を起こさせることが出来、かつ品
質の良いラクタイドを得ることが出来る。そのため、反
応系中にあるポリマーの水酸基価を追跡し、それに応じ
た量のアルコール類(B)と乳酸系ポリマー(A)を加
えて反応系中の水酸基価を調整することが好ましい。
【0021】また、熱分解触媒(C)は、スズを元素と
して含む化合物ならばいかなるものを用いることが出来
るが、望ましくは、オクタン酸スズ、ステアリン酸ス
ズ、ジブチルスズジラウリレート等のカルボン酸塩、ジ
ブチル二塩化スズ、二塩化スズ、二臭化スズなどハロゲ
ン化物、ジブチルスズオキシド、酸化スズ等の酸化物、
スズジセチラート、ジブチルスズジセチラート、ジブチ
ルスズジメトキシドなどのアルコラート化合物、環状ま
たは非環状スタノキサン化合物、金属スズなど公知慣用
のものを用いることが出来る。しかし特に好ましくは、
熱分解触媒として用いられ、毒性が低いオクタン酸スズ
を用いることが好ましい。
【0022】熱分解触媒(C)の量は反応系中の乳酸系
ポリマーの量に対して0.01重量%〜5重量%、更に
好ましくは0.1重量%〜1.5重量%である。このよ
うな量にすることによって有害な残渣の量が少なくな
り、かつ反応速度も十分に速くすることが出来る。
【0023】一方、乳酸系ポリマー(A)とアルコール
類(B)と熱分解触媒(C)の混合は、いかなる順序で
行っても構わないが、リサイクルの目的からは廃棄物は
少ない方が好ましく、アルコール(B)と熱分解触媒
(C)とを入れた反応系中にポリマーを添加しながら加
熱して、加アルコール分解と熱分解反応を行い、生成す
るラクタイドを回収することが好ましい。
【0024】これらのプロセスを連続的に行うこともで
きる。即ち、ポリマーを系中に加えながら、系中にある
アルコール類(B)と熱分解触媒(C)とを用いて加ア
ルコール分解し、生成するラクタイドを連続的に得る方
法である。
【0025】このように反応系に乳酸系ポリマー(A)
を添加し、反応釜中でポリマーの加アルコール分解及び
熱分解を行いラクタイドの回収をするのは反応させる乳
酸系ポリマーに比べてアルコール類(B)や熱分解触媒
(C)の量が著しく少なくて済み、好ましい方法であ
る。
【0026】また他のプロセスとしては、アルコール類
(B)と、熱分解触媒(C)の存在下、成型品を溶融
し、薄膜蒸留装置などを用いてバックバイト反応を起こ
させて生成するラクタイドを回収したり、2軸押出機な
どを利用して反応し、生成ラクタイドを回収することも
出来る。この際、残存のオリゴマーを元のポリマーに加
えることにより、更にラクタイドの回収効率を上げると
共に、廃棄物の量を減らすことが出来る。
【0027】反応初期には、回収ラクタイドに直鎖状オ
リゴマーや水なども混在して回収されるため、用いるポ
リマーの組成や分子量によっても異なるが、およそ釜の
中に初めに仕込んだポリマーの重量の1%から10%程
度を、前留として取ることが好ましい。
【0028】反応は減圧下に加熱して行うことにより反
応速度を速めることが出来る。その反応温度は、170
℃〜250℃、好ましくは180℃〜210℃で行う。
このように温度を設定することにより、十分な反応速度
でラクタイドが生成し、かつ得られたラクタイドや乳酸
がラセミ化を起こさない、再利用可能な良好な品質のも
のを得ることが出来る。
【0029】また反応圧力は、良好な反応速度を得る為
には、20Torr以下、好ましくは10Torr以下
であることが望ましい。好適な最低圧力は特にないが、
更に圧力を下げても単に無用に高価な設備投資を行うこ
とになり意味がなく、実質的には1Torr程度の減圧
状態で十分に反応させることが出来る。
【0030】また、系を減圧にしなくても、不活性ガス
気流下で行うことにより反応速度を向上させることが出
来る。このようにして系を不活性ガス雰囲気下にするこ
とは、熱分解触媒(C)である錫化合物の寿命を延ばす
ために好ましい。更に、減圧と不活性ガスの併用を行っ
て熱分解反応を起こさせることもできる。この場合も、
単なる減圧の場合と同様な組成を持つ回収ラクタイドを
得ることが出来る。
【0031】一方、このようにして得られたラクタイド
は用途に応じて、更に精製を行い、重合体または種々の
生分解性化学品の原料として用いることが出来る。その
具体的な手段としては、公知慣用の蒸留、溶融晶析、溶
液系晶析等の精製手段を挙げることが出来る。
【0032】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を更に具体的に
説明する。以下の実施例、比較例において、ラクタイド
の組成の分析はガスクロマトグラフィー(カラム:OV
−1)を用い、水分測定は、京都電子製カールフィッシ
ャー水分計MKA−210を用いて行い、酸価の測定は
電位差自動滴定装置APB−310を用いた。またポリ
マーの分子量の測定はTHFを溶媒として、GPCを用
いて行った。文中のMnは数平均分子量を、Mwは重量
平均分子量を表す。
【0033】用いた原料を以下に説明する。 P−202:ポリプロピレンセバケート(大日本インキ
化学工業製)。分子量は適宜加熱条件下減圧処理して調
整した PE−75:ポリプロピレングリコール−ポリエチレン
グリコールブロック共重合体。Mn:約4500(三洋
化成製)
【0034】(実施例1)ポリ乳酸(Mn=13000
0,Mw=200000)150.2g(但しD/L=
5/95)に対してオクタン酸スズ0.51g、セチル
アルコール6.98gを加えて195℃で、窒素下30
分攪拌後、27.5torrで前留を取った。それを続
いて5torrまで減圧にし、約1時間かけて、ラクタ
イドを留出させた。回収ラクタイドは137.5g得ら
れた。その組成を以下に示す。
【0035】 D,L−ラクタイド:91.5% メソラクタイド: 8.2% その他: 0.3% 水分:3200ppm 酸価:30.1meq/kg
【0036】(実施例2)ポリ乳酸(Mn=8100
0,Mw=120000)151.3g(但しD/L=
5/95)に対してオクタン酸スズ0.51g、ペンタ
エリスリトール0.472gを加え、195℃で、窒素
下30分攪拌後、27.5torrで前留を取った。更
に5torrまで減圧にして、約1時間かけてラクタイ
ドを留出させた。回収ラクタイドは、138.2g得ら
れた。その組成を以下に示す。
【0037】 D,L−ラクタイド:90.1% メソラクタイド: 8.7% その他: 1.2% 水分:3400ppm 酸価:17.8meq/kg
【0038】(実施例3)P−202(Mn=4500
0,Mw=140000)30重量%とラクタイド(D
/L=5/95)70重量%からなる乳酸系共重合体
(Mn=70000,Mw=220000)152.0
gに対してセチルアルコール3.51gを加え、195
℃で、窒素下30分攪拌後、27.5torrで前留を
取った。それを更に5torrまで減圧にして、約1時
間かけてラクタイドを留出させた。回収ラクタイドは、
80.86g得られた。その組成を以下に示す。
【0039】 D,L−ラクタイド:88.0% メソラクタイド: 8.5% その他: 3.5% 水分:4900ppm 酸価:42.2meq/kg
【0040】(実施例4)トリメチロールエタンを開始
剤にしてラクタイド(L/D=97.5/2.5)を重
合させて得たポリ乳酸(Mn=150000,Mw=2
60000)152.0gに対してオクタン酸スズを
0.51g、ステアリルアルコールを4.12g加え
て、195℃で、窒素下30分攪拌後、27.5tor
rで前留を取った。それを更に5torrまで減圧にし
て、約1時間かけてラクタイドを留出させた。回収ラク
タイドは137.2g得られた。その組成を以下に示
す。
【0041】 D,L−ラクタイド:94.3% メソラクタイド: 4.7% その他: 1.0% 水分:3000ppm 酸価:18.8meq/kg
【0042】(実施例5)ポリ乳酸(D/L=2.5/
97.5、Mn=190000、Mw=282000)
151.5gに対してステアリルアルコール4.05
g、オクタン酸スズ0.50gを加えて195℃で窒素
下30分攪拌後、27.5torrで前留を取った。そ
れを更に5torrまで減圧にして、ラクタイドを留出
させつつ、全く同じポリ乳酸を溶融状態で系内に加えて
加アルコール分解・バックバイト反応を繰り返させた。
添加したポリ乳酸は合計1060.5gになり、回収ラ
クタイドは、1047.2g得られた。反応時間は約7
時間であった。
【0043】その組成を以下に示す。 D,L−ラクタイド:92.9% メソラクタイド: 5.4% その他: 1.7% 水分:2600ppm 酸価:20.8meq/kg
【0044】(比較例1)ポリ乳酸(Mn=8100
0,Mw=120000)151.3g(但しD/L=
5/95)に対して、アルコールは全く加えずに、オク
タン酸スズ0.51gのみを加え、195℃で、窒素下
30分攪拌後、27.5torrで前留を取った。それ
を更に5torrまで減圧にして、約1時間かけてラク
タイドを留出させた。回収ラクタイドは、27.2gし
か得られなかった。
【0045】(実施例6)PE−75とラクタイドとの
重合から得たポリエチレングリコール−ポリ乳酸共重合
体(Mn=24000,Mw=32000)155.3
g(但しD/L=5/95)に対して、セチルアルコー
ルを2.24g、オクタン酸スズ0.51gを加え、1
95℃で、窒素下30分攪拌後、27.5torrで前
留を取った。それを更に5torrまで減圧にして、約
1時間かけてラクタイドを留出させた。回収ラクタイド
は、139.2g得られた。
【0046】その組成を以下に示す。 D,L−ラクタイド:88.6% メソラクタイド:10.1% その他: 1.3% 水分:4400ppm 酸価:16.9meq/kg
【0047】(実施例7)ポリ乳酸(d/l=2.5/
97.5)5820g(Mn=134000,Mw=3
11000)に対して、ステアリルアルコールを15
3.7g、オクタン酸スズ19.3gを加えて180℃
でよく攪拌した後、二軸押出機に送って、1Torrま
で減圧にし、ラクタイドを留出させた。回収ラクタイド
は5770g得られた。
【0048】その組成を以下に示す。 D,L−ラクタイド:95.0% メソラクタイド: 4.8% その他: 0.2% 水分:2200ppm 酸価:13.8meq/kg
【0049】(比較例2)乳酸から直接脱水反応を行っ
て製造したポリ乳酸(Mn=950,Mw=1600)
151.3g(但しD/L=5/95)に対して、アル
コールは全く加えずに、オクタン酸スズ0.51gのみ
を加え、195℃で、窒素下30分攪拌後、27.5t
orrで前留を取った。それを更に5torrまで減圧
にして、約1時間かけてラクタイドを留出させた。回収
ラクタイドは70.0g得られた。
【0050】その組成を以下に示す。 D,L−ラクタイド:84.1% メソラクタイド: 7.3% その他: 8.6% 水分:8500ppm 酸価:58meq/kg
【0051】(実施例8)乳酸ホモポリマー(d/l=
2.5/97.5)5990g(Mn=126000,
Mw=298000)に対して、ステアリルアルコール
を194.9g、オクタン酸スズ17.3gを加えて1
80℃でよく攪拌した後、薄膜蒸留装置にかけ、190
℃で1Torrまで減圧にしラクタイドを留出させた。
回収ラクタイドは5620g得られた。
【0052】その組成を以下に示す。 D,L−ラクタイド:94.3% メソラクタイド: 5.2% その他: 0.5% 水分:2050ppm 酸価:21.3meq/kg
【0053】(実施例9)グリセリン0.92gと、ラ
クタイド(d/l=2.5/97.5)1.49kgを
反応させて得たポリ乳酸1.2kg(Mn=14500
0,Mw=250000)に対してセチルアルコールを
39.9g、オクタン酸スズを4.0g加えて180℃
でよく攪拌した後、190℃で乾燥窒素と接触させ、窒
素気流を用いてラクタイドを留出させた。回収ラクタイ
ドは1110g得られた。
【0054】その組成を以下に示す。 D,L−ラクタイド:94.3% メソラクタイド: 4.7% その他: 1.0% 水分:3200ppm 酸価:32meq/kg
【0055】(実施例10)実施例1〜9、および比較
例1〜2で得た回収ラクタイドを、トルエンを用いて不
活性ガス雰囲気下、2回再結晶した後(このようにして
得たラクタイドを精製ラクタイドと称する)、アンプル
中に3gずつ仕込みオクタン酸スズを400ppmにな
るように入れて、170℃で6時間重合反応を行った。
回収率とこの精製ラクタイドを重合して得たポリマーの
Mwを表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明は、回収もしくは使用済みの乳酸
系ポリマーからなる製品、廃棄物を効率よく分解し、再
利用可能な原料ラクタイドを収率良く回収し、再度重合
反応に供して、高分子量の乳酸系ポリマーを得ることが
出来る乳酸系ポリマーの原料回収方法を提供することが
できる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳酸系ポリマー(A)に、7.5Tor
    rにおける沸点が170℃以上であるアルコール類
    (B)と、熱分解触媒(C)とを加えて、減圧下、又は
    不活性ガス気流下に、加熱して加アルコール分解し、バ
    ックバイト反応させて生成するラクタイドを回収するこ
    とを特徴とする乳酸系ポリマーの原料回収方法。
  2. 【請求項2】 乳酸系ポリマー(A)が、ポリ乳酸であ
    ることを特徴とする請求項1記載の乳酸系ポリマーの原
    料回収方法。
  3. 【請求項3】 乳酸系ポリマー(A)が、ジオールとジ
    カルボン酸からなるポリエステルとラクタイドとの共重
    合体であることを特徴とする請求項1記載の乳酸系ポリ
    マーの原料回収方法。
  4. 【請求項4】 熱分解触媒(C)が、スズを元素として
    含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記
    載の乳酸系ポリマーの原料回収方法。
  5. 【請求項5】 バックバイト反応の反応圧力が20To
    rr以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か一つに記載の乳酸系ポリマーの原料回収方法。
  6. 【請求項6】 バックバイト反応を不活性ガス気流下で
    行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記
    載の記載の乳酸系ポリマーの原料回収方法。
  7. 【請求項7】 バックバイト反応を二軸押出機内で行う
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の
    乳酸系ポリマーの原料回収方法。
  8. 【請求項8】 バックバイト反応を薄膜蒸留装置を用い
    て行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに
    記載の乳酸系ポリマーの原料回収方法。
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