JPH09232995A - スペクトラム拡散方式の通信装置および同期捕捉方法 - Google Patents

スペクトラム拡散方式の通信装置および同期捕捉方法

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JPH09232995A
JPH09232995A JP8039299A JP3929996A JPH09232995A JP H09232995 A JPH09232995 A JP H09232995A JP 8039299 A JP8039299 A JP 8039299A JP 3929996 A JP3929996 A JP 3929996A JP H09232995 A JPH09232995 A JP H09232995A
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pmax
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JP8039299A
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Masao Naruse
正雄 成瀬
Hirotake Ishii
裕丈 石井
Nobukazu Doi
信数 土居
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】送信側と受信側の拡散符号に無視できない周波
数誤差が存在する場合でも拡散符号の同期捕捉を迅速に
達成する。 【解決手段】受信側で、拡散符号(PN符号)の位相を
ビット周期で一定量ずつスライドしながら、所定の位相
範囲について相関値が最大となる最適位相Pmaxの検
出動作を行う。Pmaxの前後にΔLの幅をもつ狭めら
れた位相範囲を設定し、その始点にPN符号の位相を高
速にシフトした後、次のスライディングサーチを実行
し、ΔLが閾値以下になるまで同様のサーチを繰返す。
ΔLが閾値以下になった時点で同期捕捉が完了する。サ
ーチ過程で最適位相のシフト方向を記憶しておき、同期
が外れた場合は、受信側のPN符号を所定の方向に1チ
ップ分シフトして再び同期状態に戻す。 【効果】受信側に比較的精度の低い発振器を適用できる
ため、携帯端末を安価にできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スペクトラム拡散
方式の通信装置および同期捕捉方法に関し、更に詳しく
は、比較的低精度の発振器出力に基づいて拡散符号を生
成するスペクトラム拡散方式の携帯端末装置および同期
捕捉方法に関する。
【0002】
【従来の技術】送信側装置が、送信データの各ビットを
拡散符号(複数チップからなるPN符号)パターンに置
換することによりスペクトルを拡散した形で送信し、受
信側装置が、送信側装置と同様のPN符号を適用して受
信信号を逆拡散することにより元のビット信号に戻すよ
うにしたスペクトラム拡散通信システムにおいては、通
信動作に先立って、受信側と送信側ののPN符号の位相
を同期させておく必要がある。このようなPN符号の同
期捕捉方式としては、例えば、トリケップス社の「スペ
クトラム拡散通信技術の基礎と応用」69〜76ページ
に記載されているように、受信側でPN符号位相をスラ
イディングさせながら各位相で得られた相関値を比較
し、相関値が最大となる位相を見つけるスライディング
サーチ方式が知られている。
【0003】図2は、スペクトラム拡散通信システムの
動作原理を示す信号波形図であり、Aはビット周期t1
(ビットレート;1/t1)をもつ送信データ、Bはチ
ップ周期t2(チップレート;1/t2)をもつ送信側
のPN符号を示す。ここで、PN符号とは、一定の周期
で繰り返される擬似ランダムビット列であり、PN符号
の各ビットを特に「チップ」といい、PN符号の一周期
は「2のn乗−1」チップで構成される。送信データに
PN符号を乗算すると、「1」状態の送信ビットはPN
符号チップパターンに、「0」状態の送信ビットは位相
反転したPN符号パターンに置き換えられ、Cに示すよ
うに、送信信号の周波数帯域幅がt1/t2に広がり、
スペクトラム拡散された状態となる。
【0004】受信側が、送信側と完全に位相同期したP
N符号Dを受信信号(=送信信号C)に乗算し、乗算結
果を1ビット周期で積分すると、積分値はEのようにな
る。すなわち、送受信機間でPN符号の位相が完全に一
致している限り、送信ビットが「1」の区間では、受信
側PN符号の全てのチップが受信信号と同一値となり、
乗算結果の積分値(相関値)は時間経過と共に増加して
正の所定値(最大値)になる。一方、送信ビットが
「0」の区間では、PN符号と受信信号は互いに位相反
転した関係にあるため、相関値は負の所定値(最小値)
となる。従って、各ビット区間で得られた相関値Eを適
当な閾値で弁別することにより、受信データFを復元で
きる。
【0005】送受信機間でPN符号の位相に1チップ以
上のずれがあると、受信信号と受信側PN符号の相関が
ランダムになるため、相関値は0に近い値を取る。この
ような状態で、受信側PN符号をビット周期で単位量ず
つスライドさせながら、上記相関値の絶対値が最大とな
る位相点を見つけることによって、送受信機間のPN符
号の位相を一致させることができる。
【0006】図3は、スライディングサーチによって拡
散符号の同期捕捉を行う従来の受信機の構成を示すブロ
ック図である。1は、ミキサ回路等を通過して図2のC
に示したベースバンド信号に復調された受信信号が入力
される端子、2は上記受信信号とPN符号発生器3から
チップレートで出力されたPN符号とを乗算するための
乗算器、4は上記乗算器の出力を1ビット周期で積分す
る積分器、5は上記積分器4から1ビット周期で出力さ
れる積分値(PN符号の相関値)を所定の閾値と比較
し、各ビットのデータ値を弁別する復調器、6は上記積
分器から出力される相関値の絶対値を求める絶対値演算
回路(ABS)、7は、上記絶対値演算回路6の出力に
応じて、上記PN符号発生器3から出力されるPN符号
の位相を制御する制御部、8はクロック生成部を示す。
上記クロック生成部8は、チップレートのクロックCK
1と、該クロックCK1を分周して得られるビットレー
トのクロックCK2を生成する。PN符号発生器3と積
分器4は、クロックCK2によってリセットされ、クロ
ックCK1に同期してそれぞれPN符号の出力動作およ
び積分動作を行う。
【0007】制御部7は、クロックCK2に同期して、
次のようにしてPN符号のスライディング制御信号9を
発生する。制御部7は、絶対値演算回路6が出力した相
関値の絶対値と、内部に記憶している閾値の初期値とを
比較し、「 閾値 <|相関値|」の場合は、閾値を上記
相関値の絶対値に変更すると共に、上記相関値の検出位
相を記憶しておく。一方、「 閾値 >|相関値|」の場
合は、閾値の更新は行わず、当該相関値の検出位相の記
憶も行わない。制御部7は、上述した相関値の判定と、
閾値および検出位相の更新の都度、各ビット境界でPN
符号発生器3に1チップ以内の位相スライドを指令す
る。この動作は、PN符号の位相がPN符号の一周期分
変化するまで繰り返される。
【0008】PN符号の1周期を「2のn乗−1」チッ
プ、スライディングの単位量を「0.5」チップとした
場合、スライディング回数は2×(2のn乗−1)回と
なり、例えば、PN符号の一周期が127チップからな
る場合、254ビット分のデータ受信時間にわたって、
上述した相関値判定動作が繰り返される。PN符号のス
ライディングが終了した時点で、制御部には「相関値の
絶対値」の最大値と、これに該当するPN符号の位相
(検出位相)とが記憶されている。上記検出位相は、送
信側PN符号の位相を示しているため、受信側で使用す
るPN符号の位相を上記検出位相に合わせることによっ
て初期同期捕捉を終了し、同期保持の状態に移ることが
できる。
【0009】図4は、初期同期捕捉時のPN符号スライ
ディング動作と相関値分布の関係を説明するための図で
あり、送信データA、送信側のPN符号B、拡散後の信
号Cは、それぞれ図2で示した信号波形と同一である。
ここでは、受信側のPN符号Dが、送信データAの各ビ
ット境界において0.5チップずつスライドされ、送信
側のPN符号Bに対して、ビット周期で「0.5」チッ
プ、「1.0」チップ、「1.5」チップ、……と漸次
に進み位相となる様子を示している。
【0010】積分器4から出力される相関値(積分値)
は、PN符号のスライディングに伴って、Eのように変
化するため、相関値分布Gは、送信側、受信側のPN符
号の位相がぴったり合った所で最大値を示す。PN符号
の位相は、最終的には、符号列一周期分のスライドを受
けるため、各スライド時点を位相変化量として示すとF
のようになる。上述したスライディングサーチによっ
て、相関値が最大となる位相を見つけ、受信側のPN符
号の位相を上記最大相関値の位相に合わせることによ
り、初期同期捕捉が達成できる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】然るに、スペクトラム
拡散方式の携帯端末において、受信部に比較的安価な水
晶発振器を適用した場合、周波数精度の低さから送信側
と受信側の動作周波数間に誤差が生ずる。この周波数誤
差が無視できない値に大きくなると、受信側でPN符号
を意図的にスライディングしなくても、送信側のPN符
号との間に位相ずれが発生し、相関値が最大となる位相
点(以下、最適位相という)Pmaxが、時間経過とと
もに図5に示した点線に沿って移動する。
【0012】このような状況下では、例えば、PN符号
一周期分のスライディング動作の前後で、受信側と送信
側のPN符号間に、最大で式「数1」に示すΔLチップ
分の位相ずれが発生する。 ΔL=サーチ所要時間T×「最大周波数誤差」Δf ……(数1) ここで、サーチ所要時間Tは、スライディングサーチに
より変化させるPN符号の位相範囲Lに比例する。な
お、サーチ所要時間は、位相範囲Lが同一であっても、
各ビット周期で何チップ単位でスライドさせるかによっ
て異なり、上記位相範囲で行われるPN符号のスライド
回数Nによって決まる。例えば、一周期がnチップから
なる拡散符号(PN符号)を適用して、受信信号のビッ
ト周期で1チップずつスライドさせながらPN符号一周
期分の位相範囲でスライディングサーチを行った場合
(N=nの場合)は、サーチ所要時間は、T=n/ビッ
トレートとなる。上記位相範囲において、各ビット毎に
0.5チップずつスライドした場合は、スライド回数N
=2nとなるため、位相ずれΔLは、1ビットずつスラ
イドした場合に比較して、2倍の値となる。
【0013】このように発振器の精度に起因して位相ず
れが発生する状況下においては、従来のようにスライデ
ィングサーチを行っても、精度良く位相を合わせること
ができない。例えば、送信側と受信側に周波数精度が5
0ppm(±100ppmの誤差)の水晶発信器を適用
し、スライディングサーチ範囲=1024チップ、ビッ
トレート=1.2kbps、チップレート=1.228
8MHzの条件で、各ビット期間に1チップずつのスラ
イディングサーチを行った場合、式「数1」から、スラ
イディングサーチ期間内に最大で±104.9チップ分
の位相ずれΔLが発生しているため、受信側のPN符号
の位相を上記スライディングサーチで検出した最適位相
Pmaxに合わせても、実際の最適位相点から大幅にず
れてしまう。
【0014】本発明の目的は、送信側と受信側の発振器
精度の違いに起因して拡散符号に位相ずれが発生する場
合でも、迅速に同期捕捉できるようにしたスペクトラム
拡散方式の通信装置(特に携帯端末装置)、および同期
捕捉方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
に、本発明の同期捕捉方法では、拡散符号(PN符号)
の位相をビット周期で所定量ずつスライドしながら受信
信号とPN符号との間の相関値を判定することによっ
て、所定の位相範囲Lについて相関値が最大となる最適
位相Pmaxをサーチした後、送受信装置間の周波数誤
差に起因して生ずる上記Pmaxの位相ずれ量ΔLと上
記Pmaxの値とに応じて決まる新たな位相範囲を設定
し、該位相範囲が所定の閾値に達する迄は、上記新たな
位相範囲について上記位相スライドによる最適位相Pm
axのサーチを繰り返すようにしたことを特徴とする。
【0016】また、本発明は、拡散符号発生器から出力
した複数チップからなる拡散符号によって受信信号を逆
拡散した後、復調処理するスペクトル拡散方式の通信装
置において、上記拡散符号発生器から出力される拡散符
号のチップ周期を決定する第1のクロックと、上記拡散
符号の周期性を支配する第2のクロックとを生成するク
ロック生成手段と、上記クロック生成手段に、上記第1
のクロックの位相シフト方向とシフト量を指定する第1
の制御信号と、上記位相シフトの実行タイミングを指定
する第2の制御信号とを与える制御手段とを有し、上記
制御手段が、同期捕捉時に、上記第1クロックの位相を
ビット周期で所定方向に所定量ずつスライドさせなが
ら、上記逆拡散された信号の状態から上記受信信号と上
記拡散符号との間の相関を判定し、上記拡散符号の所定
の位相範囲について相関値が最大となる最適位相Pma
xをサーチした後、上記拡散符号のチップ周期と上記受
信信号のチップ周期との間の周波数誤差に起因して起こ
る上記最適位相Pmaxの位相ずれの量ΔLと上記最適
位相Pmaxとに応じた新たな位相範囲を設定し、該位
相範囲が所定の閾値に達する迄は、上記拡散符号の位相
を上記新たな位相範囲の始点に位置付けた後、上記位相
スライドによる同様のサーチを繰り返すように、上記第
1、第2の制御信号を発生し、上記クロック信号生成手
段が、上記第2の制御信号の状態に応じたタイミング
で、上記第1の制御信号が示すクロック位相シフト動作
を実行することを特徴とする。
【0017】上記位相ずれ量ΔLの最大値は、例えば、
式「数1」に従って、初回のスライディングサーチにお
ける位相範囲L(スライド回数N)と、想定される送受
信装置間の周波数誤差Δfとから求まる。この場合、2
回目のスライディングサーチのPN符号位相範囲は、例
えば、初回のスライディングサーチで検出した最適位相
Pmaxと上記位相ずれ量ΔLとから、Pmax±ΔL
で与えられる。受信側では、PN符号の位相を位相範囲
の始点(Pmax−ΔL)に合わせ、これを初期値とし
てビット周期でPN符号の位相を所定量ずつシフトし、
PN符号の位相が位相範囲の終点(Pmax+ΔL)に
なるまで最適位相Pmaxの判定を繰り返す。このよう
に限定された位相範囲で行う2回目以降のスライディン
グサーチは、位相範囲Lが所定の閾値に達するまで(同
期状態となるまで)繰り返される。
【0018】なお、初回のスライディングサーチで検出
した最適位相Pmaxの値と、2回目のスライディング
サーチで検出した最適位相Pmaxの値とから、周波数
誤差による位相シフトの方向を判断し、3回目以降のス
ライディングサーチを、上記最適位相を始点または終点
として上記位相シフト方向に設定された特定の範囲、す
なわち、Pmax−ΔL〜Pmax、またはPmax〜
Pmax+ΔLの何れかに限定された位相範囲で行うよ
うにしてもよい。また、前述の式「数1」では、位相ず
れΔLの最大値を説明すめるために、直前の位相範囲L
の全区間を対象としたPN符号のスライド回数Nとビッ
トレートとからΔLの値を算出したが、実際に発生する
最適位相Pmaxの位相ずれΔLは、Pmaxが検出さ
れてからスライディングサーチ終了までの経過時間T'
に比例している。従って、式「数1」のサーチ所要時間
Tに上記経過時間T'を適用し、経過時間T'内に行われ
たスライド回数から次回サーチの位相範囲を計算しても
よい。この場合、PN符号の位相を新たな位相範囲の始
点に位置合わせするためのオーバーヘッド時間を考慮し
て、ΔLに適度な余裕を与えることが望ましい。
【0019】また、スライディングサーチ毎に、上述し
た所要時間あるいは経過時間に該当するPN符号の実際
のスライド回数を計数する代わりに、初回、2回目、3
回目、……の位相範囲L(1)、L(2)、L(3)、L(4)……
の間に、例えば、L(2)=L(1)/k、L(3)=L(2)/
k、L(4)=L(3)/k、……の如く、ΔLを係数kで漸
減させる関係式を与えておき、検出したPmaxに対し
てスライディングサーチの回数に応じた位相範囲を与え
るようにしてもよい。上記係数kの値は、例えば、初回
のスライディングサーチにおけるスライド回数と、送受
信装置間の許容周波数誤差に基づいて上記スライディン
グサーチ時間内に予想されるPmaxの移動量(チップ
数)との関係から決定すればよい。
【0020】本発明の更に他の変形例として、例えば、
初回のサーチで検出した最適位相Pmax1と2回目の
サーチで検出した最適位相Pmax2との位相ずれ量Δ
Pmaxを求め、上記Pmax1が検出されてからPm
ax2が検出されるまでの経過時間T1(または、PN
符号のスライド回数N1)と、Pmax2が検出されて
からの経過時間T2(または、PN符号のスライド回数
N2)とに基づいて、次式「数2」で求めたΔLによっ
て3回目のスライディングサーチ位相範囲を設定しても
よい。 ΔL=(ΔPmax)×(T2/T1) ……(数2) 4回目以降の位相範囲も直前の2回のサーチ結果から同
様に設定できる。尚、式「数2」における経過時間T1
(またはN1)およびT2(またはN2)の代わりに、
初回および2回目のサーチの位相範囲(PN符号のスラ
イディング回数)を適用し、ΔLを近似値とすることも
できる。
【0021】本発明によれば、スライディングサーチを
繰り返すことによって位相範囲が急激に狭まり、結果的
に次サーチの位相範囲が予め決められた許容値以下にな
る。従って、この時点で、同期捕捉状態から同期保持状
態に遷移し、送受信動作を許可すればよい。本発明を適
用する通信装置(特に携帯端末装置)では、一旦同期保
持状態になった後も、周波数誤差によってPN符号位相
が徐々にシフトし、位相シフトの量がPN符号の1チッ
プ分を超えると、再び同期外れ状態(同期捕捉状態)に
陥るが、同期捕捉時に上記Pmaxの位相シフトの方向
を記憶しておけば、同期保持状態で同期外れが生じた場
合でも、受信側のPN符号の位相を所定の方向に1チッ
プ分シフトすることによって、直ちに同期保持状態に戻
すことができる。また、同期捕捉時に上記Pmaxの位
相シフトの方向と速度を求めておけば、同期保持状態に
おいて、上記位相シフト速度に応じて決まる所定の頻度
で、PN符号の位相を上記所定方向に例えば0.5チッ
プずつ自動的にシフトすることによって、同期保持する
ことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による同期捕捉機
能を備えたスペクトラム拡散方式の通信装置の1実施例
を示すブロック図であり、符号1〜6は、図3に示した
従来例と同一の回路要素を示す。図において、10は、
例えば、10段のシフトレジスタで構成されたPN符号
発生器であり、10ビットレジスタ11に保持された値
を初期値として1024チップ長のPN符号を生成し、
乗算器2に与える。乗算器2は、入力端子1からの入力
信号と上記PN符号とを乗算し、乗算結果を積分器4に
出力する。12は、絶対値演算回路6から出力される相
関値(絶対値)を取り込み、本発明の位相スライディン
グ制御を行う制御部(CPU)、100は、上記CPU
12によって制御されるクロック生成部であり、クロッ
クCK1と、これを分周して得られるビット周期に対応
したクロックCK2を生成する。PN符号発生器10と
積分器4は、それぞれクロックCK1に同期してPN符
号の発生動作および積分動作を実行し、クロックCK2
でリセットされる。CPU12は、クロックCK2のタ
イミングで取り込んだ相関値の絶対値に基づいて位相の
状態を判定し、信号線13Aを介してPN符号発生器1
0にスライディング制御信号を与える。また、信号線1
3Bおよび13Cを介して、クロック生成部100にP
N符号位相制御信号および分周比設定値を与えると共
に、信号線13Dを介して、レジスタ11に設定値を与
える。
【0023】図6は、送信側装置(例えば、基地局、ま
たは他の携帯端末装置)の主要部を示す。端子14から
入力された送信信号(ベースバンド信号)は、変調器1
5によって変調された後、乗算器2に入力され、PN符
号発生器16で発生したPN符号とチップ毎に乗算さ
れ、信号線17を介して無線送信回路に入力され、アン
テナから送信される。
【0024】図7は、図1におけるクロック生成部8の
1実施例を示す。103は、発振器から出力されるシス
テムクロック:clockに基づいてクロックCK1を
生成するための2進の第1カウンタ、105は、上記ク
ロックCK1に基づいてクロックCK2を生成するため
の第2カウンタである。上記第2カウンタ105は、第
1レジスタ101の設定値を各ビット毎の所定のタイミ
ングで取り込み、これを分周比としてクロックCK2を
生成する。102は、CPU12が信号線13Cに出力
した分周比Nの設定値を記憶するための第2レジスタで
あり、第2レジスタ102の設定値をクロックCK2の
タイミングで上記第1レジスタ101に設定する方式と
することによって、CPUが如何なるタイミングで分周
比変更を指令しても、第1レジスタ101の設定値は所
定のタイミングで変更され、分周動作が狂わないように
なっている。
【0025】106は、第1カウンタ103に設定すべ
き初期値を選択するための回路である。通常の動作モー
ドでは、上記回路106において選択された初期値が、
クロックCK2のタイミングで第1カウンタ103に設
定され、第1カウンタ103が、上記初期値に基づいて
システムクロックを分周し、1チップ周期のタイミング
信号CK1を生成する。上記初期値選択回路106は、
CPU12が信号線13Bに出力した制御信号C1〜C
5の状態に応じて、上記第1カウンタに与えるべき初期
値を決定する。例えば、通常時の初期値を「4」とし
て、C1がオン、C2がオフの場合は「6」、C1がオ
フ、C1がオンの場合は「2」に変更する。また、C4
がオンの場合は、現在の初期値を次回にも適用すること
とし、C5がオンの場合は、初期値を無条件に「4」に
設定する。すなわち、C1とC2で位相の進み/遅れを
制御し、C4でスライド単位を0.5チップ単位にする
か1チップ単位にするかを指定する。尚、制御信号C3
は、位相スライドをクロックCK2とは無関係の任意の
タイミングで実行するために使用する。例えば、C3が
オフ状態からオン状態に変化した場合は、クロックCK
2待つことなく、直ちに初期値を第1カウンタに設定す
る。すなわち、位相範囲内でスライディングサーチのた
めに行うPN符号位相をスライドは、ビットクロックC
K2のタイミング(ビット周期)で、チップクロックC
K1を進み/遅れ方向に所定量シフトさせることによっ
て行われるが、PN符号の位相を新たなサーチ範囲の始
点に位置合わせする場合には、上記制御信号C3を利用
して、ビットクロックCK2とは無関係に、チップクロ
ックCK1を連続的にシフト動作させることによって、
高速の位相スライドを実現する。
【0026】図8は、本発明の位相スライドを行った場
合のクロックCK1とPN符号との対応関係の変化を示
す。PN符号は、例えば1024チップからなるが、こ
こではスライディング動作の説明に必要なチップパター
ンの一部のみを示す。(A)は通常時のCK1とPN符
号のパターンを示し、(B)はPN符号のPN−j部分
で「0.5チップ進み」とした場合、(C)はPN−j
部分で「0.5チップ遅れ」とした場合、(D)はPN
−j部分で「1チップ進み」とした場合、(E)はPN
−i部分で「1チップ遅れ」とした場合を示す。
【0027】「0.5チップ進み」(B)と「0.5チ
ップ遅れ」(C)では、矢印で示したCK1の立ち上が
りエッジの間隔が、通常時(A)に比較して、それぞれ
1回ずつ1/2、または3/2になり、その以降は、C
K1の立ち上がりエッジが等間隔となる。
【0028】ここで、PN符号のある一点(点線部)に
着目すると、通常時に比較して、位相が0.5チップだ
け変化していることがわかる。また、1チップ進み
(D)と1チップ遅れ(E)は、それぞれ上述した0.
5チップ進み、または0.5チップ遅れの動作を2回連
続して行うことによって実現される。
【0029】図9は、本発明におけるPN符号の位相ス
ライドのタイミングと高速位相スライドとの関係を示
す。(A)は、一定のビット幅をもつ複数のビットから
なる送信データを示し、(B)は、位相スライドによっ
てビット幅(PN符号長)が変化する受信側のビット列
を示す。受信側のビット幅は、前述したクロックCK2
の間隔によって決まり、(C)に矢印で示すように、各
ビットの境界(クロックCK2のタイミング)で、例え
ば、1チップ遅れの方向への位相スライディングを行っ
た場合、ビットの境界が送信側のビット境界に対してわ
ずかづつ後方にシフトする。CPU12が、前述の制御
信号C3を利用して位相スライドをバースト的に行う
と、(C)に示すように高速位相スライドを実現でき
る。この例では、進み方向に高速位相スライドを行うこ
とによって、受信側のビット列を送信データに対して急
激に位相変化させている。
【0030】ここに示した実施例では、図8で説明した
ように、チップ幅を決定するクロックCK1のクロック
間隔を変化させることによって、PN符号の位相スライ
ドを実現しているため、高速位相スライドを行った場合
でも、受信側PN符号のチップ数は不変であり、CPU
12以外の回路部分における信号の位相関係も変化しな
い。また、上記高速位相スライドの実行時間は、全体の
処理時間から見れば非常にわずかである。また、PN符
号の全チップ(例えば、1024チップ)についてスラ
イディングサーチを行おうとすると、1024ビット分
の送信データ受信時間が必要となる。しかしながら、上
述した高速位相スライドは、受信データのビットと非同
期に実行できるため、遅れ、進みのどちらかの方向で、
例えば1ビット期間に30回の高速位相スライドを行え
ば、所要時間は17ビット(=1024÷2÷30)の
受信時間で済む。また、本実施例では、CPU12がス
ライド動作を任意のタイミングで制御できるようにして
いるため、特別な付加回路を設けることなく、PN符号
を任意の位相に高速に設定できる。
【0031】次に、図10を参照して、本発明における
次回のスライディングサーチの位相範囲の決定方法につ
いて説明する。ここで、18は今回実行したPN符号の
スライディング位相範囲Lを示し、19は上記サーチに
よって得られた受信信号とPN符号との相関値の分布を
示す。位相範囲(L)18において、受信側のPN符号
をビット周期で1チップずつスライディングし、受信信
号とPN符号との相関値(絶対値)が最大となる位相
(以下、最適位相という)Pmaxを検出する。位相範
囲Lの最終位相点20でスライディングを終了した時、
最適位相Pmaxの検出時点以降の経過時間に比例し
て、上記最適位相Pmaxが移動している。
【0032】本発明では、送信側と受信側での最大周波
数誤差Δfと、上記位相範囲Lでのサーチの所要時間ま
たは上記最適位相Pmax以降の経過時間から、式「数
1」に従って位相誤差範囲ΔLを算出し、次回(2回
目)のスライディングサーチは、位相範囲22をPma
x±ΔLに設定し、PN符号の位相を上記位相範囲22
の開始点(Pmax−ΔL)に合わせた後に行う。この
場合、最適位相が未知状態にある初回のスライディング
サーチでは、広い位相範囲を高速でサーチするために、
大きなスライド単位(例えば1チップ単位)でPN符号
をスライディングし、サーチ範囲が限定される2回目以
降のスライディングサーチでは、最適位相の検出精度を
上げるために、小さなスライド単位(例えば、0.5チ
ップ単位)でPN符号をスライディングさせるとよい。
【0033】図11は、CPU12によって実行される
上述したスライディングサーチのためのフローチャート
を示す。初回のスライディングサーチにおいては、各入
力ビットにおけるスライド単位を示すパラメータ(S_
step)の値を1チップに設定(ステップ24)し、
位相範囲の開始点を示すパラメータPstartと位相
範囲の幅(チップ数)を示すパラメータPwidth
に、初回スライディングの位相範囲Lと対応した初期値
を設定する(ステップ25)。上記位相範囲Lについ
て、ビット周期でPN符号をS_stepずつ変化させ
ながら、相関値を判定し、最適位相Pmaxの検出動作
を繰り返す(位相サーチ26)。
【0034】上記位相サーチ26が終了すると、式(数
1)に基づいて次回サーチの位相範囲を決定し、パラメ
ータPstartとPwidthの値を更新し(ステッ
プ27)、PN符号の位相をPstartに合わせる
(位相合わせ28)。この時、CPU12は、制御信号
C3を連続して出力することにより、PN符号の位相を
Pstartの位相に高速に移動させる。次に、スライ
ド単位パラメータS_stepを0.5チップに設定し
(ステップ29)、Pwidthと閾値Pth(例え
ば、1チップ)とを比較する(ステップ30)。もし、
Pwidthが閾値Pth以下となっていた場合は、同
期捕捉を終了し、同期保持状態となる。位相範囲の幅P
widthが閾値Pthに達していなければ、位相サー
チ26以降の動作を繰り返す。上記実施例では、処理時
間を短縮するために、初回のスライディングサーチを1
チップ単位で行ったが、処理時間を犠牲にしてもよけれ
ば、最初から0.5チップ単位でスライディングしても
よい。また、パラメータS_stepの設定(ステップ
30)は、サーチ範囲設定ステップ27で行ってもよ
い。
【0035】上記実施例の変形例として、初回のサーチ
で検出した最適位相Pmax−1と、次回のサーチで検
出した最適位相Pmax−2とから、最適位相の移動方
向を判別し、その後のサーチ範囲をPmax〜Pmax
+ΔL、またはPmax−ΔL〜Pmaxに限定するよ
うにしてもよい。また、3回目以降のスライディングサ
ーチは、直前のサーチで検出された最適位相Pmaxを
中心点あるいは境界点とした極めて限定された範囲で行
われるため、前回のPmaxに近い値の相関値が検出さ
れた時点で、その後のスライディングを省略し、同期保
持状態に移行してもよい。上記最適位相の移動方向を利
用すると、同期保持状態で仮に同期外れが発生した場合
でも、PN符号の位相を所定方向に1チップシフトする
だけで同期状態に回復できる。また、上記2つの最適位
相値の位相差と時間差とから位相ずれ速度を算出してお
けば、同期保持状態において、PN符号の位相を例えば
0.5チップずつ定期的に微調整することにより同期外
れを防止できる。
【0036】図12は、上述した本発明のスライディン
グサーチを適用した同期捕捉において、PN符号の位相
サーチ範囲(位相範囲)と、PN符号スライディングに
よる位相サーチの実行と、相関値分布(最適位相Pma
xの検出位置)を模式的に示した図である。太い矢印
は、ビット周期で1チップ単位または0.5チップ単位
ずつPN符号を変化させながら、相関値の最大点Pma
x検出動作を繰り返すスライディングサーチ動作を示
し、細い矢印は、PN符号を次の位相範囲の開始点に向
けて高速にスライドさせる高速位相スライド動作を示
す。右向きの矢印は、受信側のPN符号の位相が送信側
のPN符号の位相に対して遅れる方向へのスライドを意
味し、左向きの矢印は進む方向へのスライドを意味して
いる。この例では、3回目のスライディングサーチを終
了し、次の位相範囲の開始点に高速スライドを行った時
点で、図11のフローチャートにおける同期捕捉条件
(ステップ30)が満たされ、同期捕捉を終了できた例
を示している。
【0037】図13は、上述した同期捕捉過程における
位相サーチ範囲(太線)と、各サーチ範囲で検出された
最適位相Pmax(25、26、27)と、時間経過
(横軸)との関係を示した図である。最適位相Pmax
25、26、27の推移から判るように、送信側と受信
側でPN符号の周波数に誤差があると、各サーチ範囲で
のスライディング動作終了時点で、検出済Pmaxは既
に真の位相値からずれた状態となっているが、本発明の
ように、サーチ範囲を漸次に絞り込み、受信側PN符号
の位相を次サーチ範囲の開始点に高速にスライドさせる
ことによって、迅速、確実に同期捕捉を達成できること
が判る。
【0038】以上の実施例では、式「数1」に基づいて
算出したΔLにより次の位相範囲の幅を決定する例につ
いて説明したが、前述したように、ΔLの値は、前回の
位相範囲幅に所定の減衰係数を掛けて得た値でもよい
し、式「数2」によって算出した値でもよく、本発明の
上記実施例に限定されるものではない。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、送信側と受信側の拡散符号の間に無視できな
い周波数誤差が存在する場合でも、受信側で拡散符号の
同期捕捉を迅速に達成できるため、受信側に比較的精度
の低い水晶発振器を適用して拡散符号を発生させること
ができ、安価な移動端末を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による同期捕捉装置の1実施例を示す構
成図。
【図2】スペクトル拡散と逆拡散について説明するため
の信号波形図。
【図3】従来の同期捕捉装置の構成を示す図。
【図4】スライディングサーチにおける信号波形とPN
符号相関値の分布を示す図。
【図5】スライディングサーチ動作時における最適位相
点Pmaxの移動を示す図。
【図6】スペクトル拡散通信における送信機の送信回路
の1部を示す図。
【図7】図1におけるクロック生成部100の詳細構成
を示す図。
【図8】本発明におけPN符号の位相スライドを説明す
るための信号波形図。
【図9】本発明の同期捕捉装置におけるPN符号の位相
スライドを説明するための図。
【図10】本発明における次回サーチの位相範囲の設定
方法を説明するための図。
【図11】本発明の同期捕捉方法を実現するための制御
フローチャート。
【図12】本発明の同期捕捉におけるスライディングサ
ーチ位相範囲の推移を示す図。
【図13】上記スライディングサーチの位相範囲と最適
位相点の変化を時間軸に沿って示した図。
【符号の説明】
2…乗算器、4…積分器、5…復調器、6…絶対値演算
回路、10…PN符号発生器、11…レジスタ、12…
CPU、100…クロック生成部。

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】拡散符号の位相をビット周期で所定量ずつ
    スライドしながら受信信号と上記拡散符号との間の相関
    値を判定することによって、所定の位相範囲について相
    関値が最大となる最適位相Pmaxをサーチした後、送
    受信装置間の周波数誤差に起因して生ずる上記Pmax
    の位相ずれ量ΔLと上記Pmaxの値に応じて決まる新
    たな位相範囲を設定し、該位相範囲が所定の閾値に達す
    る迄は、上記新たな位相範囲について上記位相スライド
    による最適位相Pmaxのサーチを繰り返すようにした
    ことを特徴とする同期捕捉方法。
  2. 【請求項2】前記位相ずれ量ΔLを直前のサーチにおけ
    る所要時間と送受信装置間の許容周波数誤差とに応じて
    決定することを特徴とする請求項1に記載の同期捕捉方
    法。
  3. 【請求項3】前記位相ずれ量ΔLを直前のサーチにおけ
    る拡散符号のスライド回数と受信信号のビットレートと
    送受信装置間の許容周波数誤差とに応じて求めることを
    特徴とする請求項1に記載の同期捕捉方法。
  4. 【請求項4】前記位相ずれ量ΔLを直前のサーチにおい
    て最適位相Pmaxが検出されてから該サーチが終了す
    る迄の時間と送受信装置間の許容周波数誤差とに応じて
    決定することを特徴とする請求項1に記載の同期捕捉方
    法。
  5. 【請求項5】前記位相ずれ量ΔLを直前のサーチにおい
    て最適位相Pmaxが検出されてから該サーチが終了す
    る迄の間に行った拡散符号のスライド回数と受信信号の
    ビットレートと送受信装置間の許容周波数誤差とに応じ
    て決定することを特徴とする請求項1に記載の同期捕捉
    方法。
  6. 【請求項6】前記位相ずれ量ΔLを直前のサーチにおけ
    る位相範囲に所定の係数を掛けることによって決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の同期捕捉方法。
  7. 【請求項7】前記各サーチで検出した最適位相Pmax
    のうち、直前の2つのサーチで検出された第1、第2の
    最適位相を記憶しておき、3回目以降のサーチにおける
    位相範囲を上記2つの最適位相の値と、上記第1の最適
    位相を検出してから第2の最適位相を検出する迄の時間
    と、上記第2の最適位相を検出してから現在までの時間
    とに基づいて決定することを特徴とする請求項1に記載
    の同期捕捉方法。
  8. 【請求項8】前記各サーチで検出した最適位相Pmax
    のうち、直前の2つのサーチで検出された2つの最適位
    相を記憶しておき、3回目以降のサーチにおける位相範
    囲を上記2つの最適位相の値の差と、直前の2つのサー
    チの所要時間とに基づいて決定することを特徴とする請
    求項1に記載の同期捕捉方法。
  9. 【請求項9】初回および2回目のサーチで検出された最
    適位相Pmaxの関係からを最適位相のずれの方向を求
    めておき、3回目以降のサーチにおける位相範囲を、直
    前のサーチで検出された最適位相を始点または終点とす
    る所定の方向に設定することを特徴とする請求項1〜請
    求項8の何れかに記載の同期捕捉方法。
  10. 【請求項10】2回目以降のサーチにおける位相範囲
    を、直前のサーチで検出された最適位相の前後に前記位
    相ずれ量ΔLをもつ範囲に設定することを特徴とする請
    求項1〜請求項8の何れかに記載の同期捕捉方法。
  11. 【請求項11】2回目以降の各サーチの動作に先立っ
    て、前記拡散符号の位相を前記新たな位相範囲の始点と
    なる位相方向に前記ビット周期より短い周期でシフト動
    作させることを特徴とする請求項1〜請求項10の何れ
    かに記載の同期捕捉方法。
  12. 【請求項12】拡散符号の位相をビット周期で所定量ず
    つスライドしながら受信信号と上記拡散符号との間の相
    関値を判定することによって、所定の位相範囲について
    相関値が最大値となる最適位相Pmaxをサーチした
    後、送受信装置間の周波数誤差に起因して生ずる上記P
    maxの位相ずれ量ΔLと上記Pmaxの値とに応じて
    決まる新たな位相範囲を設定し、該位相範囲が所定の閾
    値に達する迄、上記新たな位相範囲について上記位相ス
    ライドによる同様の最適位相のサーチを繰り返し、少な
    くとも2回のサーチで検出された最適位相Pmaxの関
    係から上記周波数誤差に起因するPmaxの位相ずれの
    方向を判定しておき、上記位相範囲が上記閾値に達した
    時点で同期捕捉を完了させ、同期保持状態において同期
    が外れた場合は、拡散符号の位相を上記位相ずれ方向に
    所定量シフトするようにしたことを特徴とする同期捕捉
    方法。
  13. 【請求項13】拡散符号の位相をビット周期で所定量ず
    つスライドしながら受信信号と上記拡散符号との間の相
    関値を判定することによって、所定の位相範囲について
    相関値が最大値となる最適位相Pmaxをサーチした
    後、送受信装置間の周波数誤差に起因して生ずる上記P
    maxの位相ずれ量ΔLと上記Pmaxの値とに応じて
    決まる新たな位相範囲を設定し、該位相範囲が所定の閾
    値に達する迄、上記新たな位相範囲について上記位相ス
    ライドによる同様の最適位相のサーチを繰り返し、少な
    くとも2回のサーチで検出された最適位相Pmaxの関
    係から上記周波数誤差に起因するPmaxの位相ずれの
    方向と速度を判定しておき、上記位相範囲が上記閾値に
    達した時点で同期捕捉を完了させ、同期保持状態におい
    て上記速度に応じた所定の頻度で拡散符号の位相を上記
    位相ずれ方向に所定量シフトして同期状態を維持するよ
    うにしたことを特徴とする同期捕捉方法。
  14. 【請求項14】初回および2回目のサーチで検出された
    最適位相Pmaxの関係からを前記最適位相のずれの方
    向を求めておき、3回目以降のサーチにおける位相範囲
    を、直前のサーチで検出された最適位相を始点または終
    点とする所定の方向に前記位相ずれΔLの幅で設定する
    ことを特徴とする請求項12または請求項13に記載の
    同期捕捉方法。
  15. 【請求項15】2回目以降の各サーチ動作に先立って、
    前記拡散符号の位相を前記新たな位相範囲の始点となる
    位相に前記ビット周期より短い周期でシフトさせること
    を特徴とする請求項12〜請求項14の何れかに記載の
    同期捕捉方法。
  16. 【請求項16】発振器出力に基づいて、少なくともチッ
    プ周期およびビット周期をもつ第1、第2のクロックを
    含む複数種類のクロック信号を発生するクロック発生手
    段と、 上記クロック発生手段から出力された第1、第2のクロ
    ック信号に同期して複数チップからなる拡散符号を発生
    する拡散符号発生手段と、 受信入力信号と上記拡散符号との乗算結果をビット周期
    で積分して得られる信号を出力する逆拡散手段と、 上記逆拡散手段の出力信号をビット信号列に変換する復
    調手段と、 上記逆拡散手段の出力信号の状態を判定して、上記クロ
    ック発生手段および拡散符号発生手段に与えるべき複数
    の制御信号を発生する制御手段とからなり、 上記クロック発生手段が、上記制御手段から与えられた
    制御信号に応じて上記第1、第2のクロックの位相をシ
    フトするための手段を備え、 上記拡散符号発生手段が、上記クロック位相の変更に応
    じて上記拡散符号の位相をスライドし、 上記制御手段が、同期捕捉時にビット周期で上記拡散符
    号の位相を所定量ずつスライドさせながら、上記逆拡散
    手段の出力信号の状態から上記受信入力信号と上記拡散
    符号との間の相関値を判定することによって、所定の位
    相範囲について相関値が最大となる最適位相Pmaxを
    サーチし、サーチ終了後に、上記発振器と上記受信入力
    信号の送信元の発振器との間の周波数誤差に起因する上
    記最適位相Pmaxの位相ずれ量ΔLと上記Pmaxの
    値とに応じて新たな位相範囲を設定し、該位相範囲が所
    定の閾値に達する迄は、上記新たな位相範囲について最
    適位相Pmaxのサーチを繰り返すように上記制御信号
    を発生することを特徴とするスペクトル拡散方式の通信
    装置。
  17. 【請求項17】前記制御手段が発生する前記制御信号
    が、前記第1のクロックの位相について進み/遅れ、お
    よびシフト量を指定するための制御信号群と、上記クロ
    ックの位相シフトのタイミングを指定するための制御信
    号とを含み、 前記拡散符号の位相を前記新たな位相範囲の始点に位置
    付けるとき、上記制御手段が、上記タイミング指定のた
    めの制御信号によって、前記クロック発生手段にビット
    周期よりも短い周期で前記第1のクロックをシフトさ
    せ、該クロックシフトによって、前記拡散符号発生手段
    が拡散符号の位相を高速度でスライドさせるようにした
    ことを特徴とする請求項16に記載のスペクトル拡散方
    式の通信装置。
  18. 【請求項18】前記逆拡散手段の出力信号を絶対値信号
    に変換するための手段を有し、前記制御手段が上記絶対
    値信号に基づいて、上記逆拡散手段の出力信号の状態を
    判定することを特徴とする
  19. 【請求項19】拡散符号発生器から出力した複数チップ
    からなる拡散符号によって受信信号を逆拡散した後、復
    調処理するスペクトル拡散方式の通信装置において、 上記拡散符号発生器から出力される拡散符号のチップ周
    期を決定する第1のクロックと、上記拡散符号の周期性
    を支配する第2のクロックとを生成するクロック生成手
    段と、 上記クロック生成手段に、上記第1のクロックの位相シ
    フト方向とシフト量を指定する第1の制御信号と、上記
    位相シフトの実行タイミングを指定する第2の制御信号
    とを与える制御手段とからなり、 上記制御手段が、同期捕捉時に、上記第1クロックの位
    相をビット周期で所定方向に所定量ずつスライドさせな
    がら、上記逆拡散された信号の状態から上記受信信号と
    上記拡散符号との間の相関を判定し、上記拡散符号の所
    定の位相範囲について相関値が最大となる最適位相Pm
    axをサーチした後、上記拡散符号のチップ周期と上記
    受信信号のチップ周期との間の周波数誤差に起因して起
    こる上記最適位相Pmaxの位相ずれの量と上記最適位
    相Pmaxとに応じた新たな位相範囲を設定し、該位相
    範囲が所定の閾値に達する迄は、上記拡散符号の位相を
    上記新たな位相範囲の始点に位置付けた後、上記位相ス
    ライドによる同様のサーチを繰り返すように、上記第
    1、第2の制御信号を発生し、 上記クロック信号生成手段が、上記第2の制御信号の状
    態に応じたタイミングで、上記第1の制御信号が示すク
    ロック位相シフト動作を実行することを特徴とするスペ
    クトル拡散方式の通信装置。
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