JPH09232911A - Iir型周期的時変フィルタとその設計方法 - Google Patents

Iir型周期的時変フィルタとその設計方法

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JPH09232911A
JPH09232911A JP8058567A JP5856796A JPH09232911A JP H09232911 A JPH09232911 A JP H09232911A JP 8058567 A JP8058567 A JP 8058567A JP 5856796 A JP5856796 A JP 5856796A JP H09232911 A JPH09232911 A JP H09232911A
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JP
Japan
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time
filter
varying
iir
impulse response
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JP8058567A
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Inventor
Gakutou You
学東 楊
Hiromi Aoyanagi
弘美 青柳
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サブバンド符号化システム等に用いられる複
数のIIR型時不変フィルタの特性と同等な特性を実現
することができる1個のIIR型周期的時変フィルタの
フィルタ係数を求める。 【解決手段】 従来の複数のIIR型時不変フィルタの
インパルス応答を、有限の時間で表現されるインパルス
応答により近似し、その近似したインパルス応答を実現
するようなIIR型周期的時変フィルタ1、8のフィル
タ係数を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、信号を効率的に符
号化する技術に関し、特に、携帯電話や自動車電話等を
用いる移動通信方式において音声等の信号の帯域を分割
し、それぞれの帯域毎に信号を符号化する技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、音声等の信号を効率的に伝送
する方式として、主に、信号の情報量の冗長性を除去す
ることにより信号を圧縮する方法と、人間の聴覚の性質
を利用することにより信号を圧縮する方法とが採用され
ている。前者の方法としては、予測符号化、エントロピ
ー符号化、差分PCM等がある。一方、後者の方法とし
ては、サブバンド符号化や変換符号化等がある。サブバ
ンド符号化は、音声等の信号の所要帯域を複数のサブバ
ンドに分割し、それぞれのサブバンドを、聴覚の特性を
利用して最適なビット数で量子化する方法である。より
具体的には、振幅が大きいサブバンドや聴覚が敏感に働
くサブバンドに対して多めのビット数を割り当てる一方
で、振幅が小さいサブバンドや聴覚があまり敏感に働か
ないサブバンドに対して少なめのビット数を割り当てる
ことにより、全体としてのビット数を低減する方法であ
る。このようにして、符号を圧縮することにより、伝送
路を効率良く利用している。このようなサブバンド符号
化を実現するのに必要な技術である、サブバンドへの分
割やサブバンドの合成にIIR(Infinite Impulse Res
ponse )型時不変ディジタルフィルタを用いることが広
く知られており、また、送信側でサブバンドに分割され
た信号を、受信側で再び元の信号へ完全に合成し再現す
る方法として、QMF(Quadrature Mirror Filter)が
広く知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図13は、従来のサブ
バンド符号化システムのブロック図である。このサブバ
ンド復号化システムは、音声等の信号の帯域を3つのサ
ブバンドに分割し、そのサブバンド毎に信号を符号化す
る符号化装置と、その符号化された信号が伝送される伝
送路と、伝送された信号のサブバンドを元の信号のバン
ドへ合成する復号化装置とから構成される。図13
(a)に示すように、符号化装置は、時不変フィルタ1
00a〜c、間引回路200a〜c、符号化回路300
a〜c、多重化器400から構成される。復号化装置
は、多重分離器500、復号化回路600a〜c、補間
回路700a〜c、時不変フィルタ800a〜c、加算
器900から構成される。伝送路は、主に、無線伝送路
から構成されている。
【0004】音声等の信号(0.3〜3.4kHz)
は、図示しないA/D回路において、サンプリング定理
の下、8000回/秒の条件でA/D変換された後に、
ディジタル信号として符号化装置へ入力される。符号化
装置の時不変フィルタ100a〜cに入力されたディジ
タル信号は、それぞれ特定の周波数成分へ分割される。
例えば、時不変フィルタ100aが、0〜1.2kHz
の信号をろ波し、時不変フィルタ100bが、1.2〜
2.4KHzの信号をろ波し、時不変フィルタ100c
が、2.4〜3.6KHzの信号をろ波する。そして、
間引回路12a〜cは、時不変フィルタ100a〜cに
よってろ波されたそれぞれの信号から、3スロット置き
に信号を抽出する。従って、抽出された信号は、各サブ
バンド1.2kHz帯域内の信号を(8000/3)回
/秒でサンプリングした信号と同じである。符号化回路
300a〜cは、間引き後の信号をADPCM(Adapti
ve Differential Pulse Code Modulation )により符号
化する。ADPCMのビット数は、各サブバンド毎に異
なり、例えば、0〜1.2kHzのサブバンドでは2〜
3ビットで符号化し、1.2〜2.4KHzのサブバン
ドでは4〜5ビットで符号化し、2.4〜3.6kHz
のサブバンドでは1〜3ビットで符号化する。最後に、
多重化器400は、符号化された信号を時分割多重す
る。時分割多重された信号は、図示しないPSK変調装
置(Phase Shift Keying)やQAM変調回路(Quadratu
re Amplitude Modulation )により変調された後、伝送
路を通して復号化装置へ送出される。
【0005】復号化装置では、多重分離器500が、受
信した信号を時分割することにより、3つの信号へ分離
する。復号化回路600a〜cは、その各分離された信
号をADPCMにより復号する。補間回路700a〜c
は、復号化された信号上の各スロットに2つの疑似信号
を挿入することにより、見かけ上8000回/秒でサン
プリングされた信号であるかのように、その復号化され
た信号を変換する。時不変フィルタ800a〜cは、時
不変フィルタ100a〜cがそれぞれ処理する周波数成
分、即ち、0〜1.2kHz、1.2〜2.4kHz、
2.4〜3.6kHzという3つのサブバンドの成分の
みをそれぞれの信号から抽出し、最後にそれら抽出され
た信号を加算器900が合成する。このようにして、符
号化装置に入力された音声等の信号が、復号化装置で復
元されることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のサブ
バンド符号化システムで用いられるN次のIIR時不変
フィルタ100a〜c、800a〜cは、図13(b)
(c)で示されるような構成となっており、各時変フィ
ルタの伝達関数HI(z)、FI(z)は、図14の式(10
0)(101)で示すように、フィルタ係数a(k) 、b
(k) 、並びに、z演算子を用いて表すことができる。こ
れらの式は、各フィルタの出力信号が、過去の入力信号
と過去の出力信号との積和演算で求められることを意味
する。従って、例えば、時不変フィルタ100aに対す
る入力信号をx(k) 、そのときの出力信号をx0(k)とす
ると、出力信号x0(k)は、x(k) の関数として式(10
2)で表わすことができる。以上のことから、一般に、
N次の時不変フィルタの一つの出力信号を求めるために
は、2N+1回の乗算と2N回の加算が必要となる。さ
らに、分割する帯域の個数、即ちサブバンドの個数をP
個とすると、全体としては、P×(2N+1)回の乗算
とP×2N回の加算が必要となる。サブバンドの個数P
が小さい場合には、これら全体の演算量は比較的少ない
ので、処理に多くの時間を費やすことはない。しかし、
サブバンドの個数Pが大きい場合には、それら全体の演
算量は極めて多くなる。その結果、DSP(Didital Si
gnal Processor)や記憶回路の規模を大型化させてしま
ったり、処理に多大な時間を要してしまったり、消費電
力を増加させてしまったり等の問題を生ずる。このよう
な問題は、小規模回路、リアルタイム処理、低消費電力
等を満足しなければならない携帯電話等においては、特
に大きな問題となっていた。また、帯域分割の処理、並
びに、帯域合成の処理には、間引き処理や零詰め処理
(補間処理)が不可欠である。しかし、これらの処理を
実行する回路の構成・作用は、複雑であるため、全体と
しての処理も複雑になってしまうという問題もあった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の問題点
を解決するために、次の構成を採用する。 〈構成〉本発明に係る第一のIIR型周期的時変フィル
タの設計方法は、ディジタル入力信号を予め設定したP
個(Pは任意の整数)の周波数帯域に分割して、該当す
る周波数成分のみを通過させるP個の時不変フィルタか
らなるIIR型(Infinite Impulse Response )時変フ
ィルタを想定し、時不変フィルタのフィルタ係数から、
各時不変フィルタのインパルス応答を求め、各インパル
ス応答について、概ね零に収束しているとみなせる任意
の時刻T以後の部分を削除することにより、有限の時間
で表わされる近似したインパルス応答を求め、近似した
インパルス応答を実現するためのIIR型時変フィルタ
のP組のフィルタ係数を求めることを特徴とする。ま
た、本発明に係る第二のIIR型周期的時変フィルタの
設計方法は、予め設定したP個(Pは任意の整数)の周
波数帯域に分割されたディジタル入力信号のうち、該当
する周波数成分のみを通過させるP個の時不変フィルタ
からなるIIR型時変フィルタを想定し、時不変フィル
タのフィルタ係数から、各時不変フィルタのインパルス
応答を求め、各インパルス応答について、概ね零に収束
しているとみなせる任意の時刻T以後の部分を削除する
ことにより、有限の時間で表わされる近似したインパル
ス応答を求め、近似したインパルス応答を実現するため
のIIR型フィルタのP組のフィルタ係数を求めること
を特徴とする。
【0008】〈作用、効果〉本発明に係る第一のIIR
型周期的時変フィルタの設計方法では、従来P個の時不
変フィルタから構成されていたIIR型周期的時変フィ
ルタの特性と同等な特性を有する1個の時変フィルタか
らなるIIR型周期的時変フィルタについて、P組のフ
ィルタ係数を求めることができる。また、本発明に係る
第二のIIR型周期的時変フィルタでは、従来のP個の
IIR型時変フィルタにおいて必要であった、P×(2
N+1)回の乗算とP×2N回の加算という演算量を、
2N+1回の乗算と2N回の加算という演算量へ低減す
ることができる。従って、記憶回路の領域を少なくする
ことができ、処理時間を短くすることができ、消費電力
を少なくすることができる。さらに、本発明に係る第三
のサブバンド符号化装置では、従来において必要であっ
た間引回路を必要としないので、回路の構成を簡略にす
ることができる。
【0009】本発明に係る第四のIIR型周期的時変フ
ィルタの設計方法でも、従来P個の時不変フィルタから
構成されていたIIR型周期的時変フィルタの特性と同
等な特性を有する1個の時変フィルタからなるIIR型
周期的時変フィルタについて、P組のフィルタ係数を求
めることができる。また、本発明に係る第五のIIR型
周期的時変フィルタでも、従来のP個のIIR型時変フ
ィルタにおいて必要であった、P×(2N+1)回の乗
算とP×2N回の加算という演算量を、2N+1回の乗
算と2N回の加算という演算量へ低減することができ
る。従って、記憶回路の領域を少なくすることができ、
処理時間を短くすることができ、消費電力を少なくする
ことができる。さらに、本発明に係る第六のサブバンド
復号化装置では、従来において必要であった零詰め回路
(補間回路)を必要としないので、回路の構成を簡略に
することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明のサブバンド符号化
システムを、実施の形態に沿って説明する。 〈従来の符号化システムと等価なモデル〉図2は、従来
のサブバンド符号化システムの構成と等価なサブバンド
符号化システムのブロック図である。このサブバンド符
号化システムは、符号化装置txと復号化装置rxとか
ら構成されている。符号化装置txは、時変フィルタユ
ニット10、多重分離器20、符号化回路30a〜c、
多重化器40から構成されている。さらに、時変フィル
タユニット10は、3つの時不変フィルタ10a〜c、
スイッチ10sから構成される。一方、復号化装置rx
は、多重分離器50、復号化回路60a〜c、多重化器
70、時変フィルタユニット80から構成されている。
さらに、時変フィルタユニット80は、スイッチ80
s、3つの時不変フィルタ80a〜c、加算器80kか
ら構成される。
【0011】〈符号化装置txの動作の概要〉音声等の
信号(0.3〜3.4kHz)は、図示しないA/D変
換回路において、8000回/秒の条件の下でA/D変
換された後に、ディジタル信号x(k)として符号化装置
txへ入力される。符号化装置txでは、最初に、ディ
ジタルフィルタである時変フィルタユニット10におい
て、各時不変フィルタ10a〜cが、そのディジタル信
号のうち所定の周波数成分のみを通過させることによ
り、3つのサブバンドへ分割して出力し、スイッチ10
sが、それらの出力を1つずつ順番に切り替えることに
より、各サブバンドの信号を間引く。さらに、符号化回
路30a〜cが、それぞれのサブバンドにおいて、それ
ぞれの信号をADPCMにより符号化する。最後に、多
重化器40が、復号化された信号を時分割多重する。
【0012】〈復号化装置rxの動作の概要〉一方、復
号化装置rxでは、多重分離器50が、伝送路を介して
受信した信号を、上述した3つのサブバンドへ時分割分
離する。そして、復号化回路60a〜cが、その分離さ
れた各信号を復号化する。さらに、多重化器70が、そ
の復号化された信号を時分割多重する。最後に、ディジ
タルフィルタである時変フィルタユニット80におい
て、スイッチ80sが、その時分割多重された信号を1
つずつ順番に時不変フィルタ80a〜cへ入力し、時不
変フィルタ80a〜cが、その入力された信号のうちの
所定の周波数成分のみを通過させ、加算器80kが、そ
れらの通過された信号を合成することにより、信号x
‘(k) として出力する。
【0013】〈時不変フィルタ10a〜cの動作〉信号
x(k) が入力されると、時不変フィルタ10a〜cは、
それぞれ、図4(a)(b)(c)で示すような信号y
0(k) 、y1(k) 、y2(k) を出力する。それらの出力
信号は、スイッチ10sにより順番に切り替えられるの
で、点E(時変フィルタユニット10の出力点)には、
図4(d)に示すような信号y(k)が表れることにな
る。従って、時変フィルタユニット10の出力y(k)
は、図5に示すように、図14の式(100)から導出
される式(1)と、出力信号y0(k) 、y1(k) 、y2
(k) の切換えを意味する式(2)とを用いて表すことが
できる。これにより、時変フィルタユニット10のイン
パルス応答g(k、n)を求めることができる。ここ
で、インパルス応答g(k、n)は、時刻nにおけるイ
ンパルス入力に対する、時刻kでの応答を表すと定義す
る。従って、例えば、g(5、2)とは、図6に示すよ
うに、時刻2でのインパルス入力に対する出力のうち、
時刻5におけるものを指すことになる。
【0014】〈符号化装置TXの構成〉図1は、図2の
符号化装置txの機能と同等な機能を有する、本発明の
IIR型時変フィルタを有する符号化装置のブロック図
である。この符号化装置TXは、時変フィルタユニット
1、多重分離器2、符号化回路3a〜c、多重化器4か
ら構成されている。時変フィルタユニット1は、従来の
時不変フィルタ100a〜cと同様な構成を有する、1
つの時不変フィルタのみで構成される。そして、この時
変フィルタユニット1は、従来の時不変フィルタ100
a〜cのフィルタ係数とは異なるフィルタ係数a(k) 、
b(k) を有している。
【0015】〈時変フィルタユニット1の動作〉時変フ
ィルタユニット1の一般式は、図5の式(3)に示すよ
うな差分方程式で表すことができる。ここで、フィルタ
係数a(k) 、b(k) は、図5の式(4)に示すように、
P回を周期として変化する。従って、この時変フィルタ
ユニット1の特性は、P個のインパルス応答で表すこと
ができる。よって、時変フィルタユニット10の特性と
同等な特性を有する時変フィルタユニット1を得るため
には、時変フィルタユニット10のインパルス応答g
(k、0) 、g(k、1) 、g(k、2)を実現するように、式
(3)のフィルタ係数a(k) 、b(k) を決定する必要が
あることになる。
【0016】〈時変フィルタユニット1の設計手順〉次
に、時変フィルタユニット1の設計手順について説明す
る。図7は、時変フィルタユニット1の設計手順を示す
フローチャートである。以下、このフローチャートに沿
って時変フィルタユニット1の設計手順を説明する。 ステップS1: インパルス信号をそれぞれ時刻t=
0,1,2のとき時変フィルタユニット10へ入力する
ことにより、図8に示すように、各時不変フィルタ10
a〜cのインパルス応答を用いて、時変フィルタユニッ
ト10のインパルス応答g(k、0) 、g(k、1) 、g(k、2)
を求める。
【0017】ステップS2: 図8(a)(b)(c)
に示すように、時変フィルタユニット10のインパルス
応答を、図9の式(5)で示すような他のインパルス応
答gL(k、0) 、gL(k、1) 、gL(k、2) を使って近似す
る。これにより、無限長である時変フィルタユニット1
0のインパルス応答が、有限長のインパルス応答によっ
て近似されることになる。具体的には、時不変フィルタ
10a〜cが安定であれば、それらのインパルス応答は
零に収束とするとみなせるので、インパルス応答g(k、
0) 、g(k、1) 、g(k、2) のうち、時刻Lまでの時間の
部分を抽出し、他の時間の部分を削除することにより、
インパルス応答gL(k、0) 、gL(k、1) 、gL(k、2) を
生成する。
【0018】ステップS3: 各インパルス応答毎に、
それらのインパルス応答を再現するであろう入力と出力
とを図5の式(3)へ代入する。例えば、上述したよう
に、インパルス応答gL(k、0) は、時刻0にインパルス
を入力した場合における、時刻kでの応答を示すので、
図9の式(6)に示すような入力信号x(k) と出力信号
y(k) とを式(3)へ代入する。これにより、図9の式
(7)に示すgL(k、0) が得られることになり、さら
に、この式(7)を変形することにより、図9の式
(8)に示すgL(k、0) が得られることになる。同様に
して、インパルス応答gL(k、1) 、gL(k、2) について
も、図5の式(3)にそれぞれ入力信号x(k) 、出力信
号y(k) を代入する。これにより、図9の式(8)に示
すgL(k、1) 、gL(k、2) が得られることになる。
【0019】ステップS4: 図9の式(8)を時刻k
をパラメータとして変形する。例えば、インパルス応答
gL(k、0) は、図10の式(9)(10)に示すよう
に、時刻0、並びに、時刻Lを境にして、2つの式で表
すことができる。同様にして、インパルスgL(k、1) 、
gL(k、2) についても、式(9)(10)に示すよう
に、それぞれ2つの式で表すことができる。この結果、
インパルス応答gL(k、0)、gL(k、1) 、gL(k、2)
は、フィルタ係数b(k) のみが関係する式(9)と、フ
ィルタ係数a(k) 、b(k) の両方が関係する式(10)
とに分けることができる。
【0020】ステップS5: 式(9)を用いて、フィ
ルタ係数b(k) の解を求める。より具体的には、例え
ば、フィルタ係数b(0) については、式(11)に示す
ように、式(9)から行列G(0) とフィルタ係数b(k)
とについての式を求め、この式を最小二乗法等で解くこ
とになる。最小二乗法で解く場合には、行列G(0) の1
列目をG1(0) 、残りの列をGr(0) とすると、図10
の式(11)は、図11の式(12)のように変形でき
る。Gr(0) を特異値分解すると、図11の式(13)
のようになり、さらに、式(13)からは、図11の式
(14)に示すように、b(0) の解が求められる。同様
にして、b(1) 、b(2) の解が、図11の式(15)に
示すように求められる。 ステップS6: 図10の式(10)と、求められたフ
ィルタ係数b(k) とを用いて、図11の式(16)に示
すように、フィルタ係数a(k) の解を求める。このよう
にして、時変フィルタユニット1のフィルタ係数a(k)
、b(k) が求められることになる。
【0021】〈時変フィルタユニット80の動作〉次
に、図2に示す復号化装置rx内の時変フィルタユニッ
ト80について説明する。信号y‘(k) が時変フィルタ
ユニット80へ入力されると、スイッチ80sが、その
入力された信号y’(k) を順番に切り替える。その結
果、時不変フィルタ80a〜cには、それぞれ、信号y
‘(k) のうち、ある時刻におけるものだけが入力される
ことになる。より具体的には、例えば、時不変フィルタ
80aについては、時刻1には信号y0’(1) が入力さ
れ、時刻2には何も入力されず、時刻3にも何も入力さ
れず、再び時刻4において、入力信号y0‘(4) を入力
されることになる。何も信号が入力されないということ
は、0レベルの信号が入力されることと等価であるか
ら、時不変フィルタ80aに入力される信号y0’(k)
は、図12の式(20)で表すことができる。同様にし
て、時不変フィルタ80bに入力される信号y1‘(k)
、時不変フィルタ80cに入力される信号y2’(k)
も、式(20)で表すことができる。
【0022】そして、加算器80kが、それらの出力信
号y0‘’(k) 、y1‘’(k) 、y2‘’(k) を加算す
る。従って、時変フィルタユニット80の出力信号x
‘(k)は、図12の式(21)で表すことができる。よ
って、時変フィルタユニット80の出力信号x’(k)
は、入力信号y‘(k) が与えられると、式(20)と式
(21)とを用いて表すことができる。その結果、時変
フィルタユニット80のインパルス応答g(k、n) を求め
ることができる。なお、時変フィルタユニット10の場
合と同様に、インパルス応答g(k、n) は、時刻nにおけ
るインパルス入力に対する、時刻kでの応答を表すと定
義する。
【0023】〈復号化装置RXの説明〉図3は、図2の
復号化装置rxの機能と同等な機能を有する、本発明の
時変フィルタを有する符号化装置のブロック図である。
この復号化装置RXは、多重分離器5、復号化回路6a
〜c、多重化器7、時変フィルタユニット8から構成さ
れている。そして、時変フィルタユニット8は、従来の
時不変フィルタ800a〜cと同様な構成を有する、1
つの時不変フィルタのみで構成される。一方、この時変
フィルタユニット8は、従来の時不変フィルタ800a
〜cのフィルタ係数とは異なるフィルタ係数c(k) 、d
(k) を有している。
【0024】一般に、M次のIIR周期的時変フィルタ
(周期P)は、図12の式(22)に示すような差分方
程式で表すことができる。ここで、フィルタ係数c(k)
、d(k) は、図12の式(23)に示すようにP回を
周期として変化する。よって、一般に、そのような周期
的時変フィルタの特性は、P個のインパルス応答を用い
て表すことができる。よって、時変フィルタユニット8
0の特性と同等な特性を有する時変フィルタユニット8
を得るためには、時変フィルタユニット80のインパル
ス応答g(k、0) 、g(k、1) 、g(k、2) を実現するよう
に、図12の式(22)のフィルタ係数c(k) 、d(k)
を決定する必要があることになる。これらのフィルタ係
数c(k) 、d(k) は、時変フィルタユニット1のフィル
タ係数a(k)、b(k) を求める場合の設計手順(図7)
と同様にして求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィルタを有する符号化装置のブロッ
ク図である。
【図2】従来と等価なサブバンド符号化システムのブロ
ック図である。
【図3】従来のサブバンド符号化システムのブロック図
である。
【図4】フィルタの出力信号を表す図である。
【図5】符号化装置内のフィルタの説明図(その1)で
ある。
【図6】インパルス応答g(k、n) の定義を示す図であ
る。
【図7】フィルタの設計手順を示すフローチャートであ
る。
【図8】フィルタのインパルス応答を示す図である。
【図9】符号化装置内のフィルタの説明図(その2)で
ある。
【図10】符号化装置内のフィルタの説明図(その3)
である。
【図11】符号化装置内のフィルタの説明図(その4)
である。
【図12】復号化装置内のフィルタの説明図である。
【図13】従来のサブバンド符号化システムのブロック
図である。
【図14】従来のIIR型時不変フィルタの説明図であ
る。
【符号の説明】
1 時変フィルタユニット(符号化装置内) 8 時変フィルタユニット(復号化装置内)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディジタル入力信号を予め設定したP個
    (Pは任意の整数)の周波数帯域に分割して、該当する
    周波数成分のみを通過させるP個の時不変フィルタから
    なるIIR型(Infinite Impulse Response )時変フィ
    ルタを想定し、 前記時不変フィルタのフィルタ係数から、各時不変フィ
    ルタのインパルス応答を求め、 各インパルス応答について、概ね零に収束しているとみ
    なせる任意の時刻T以後の部分を削除することにより、
    有限の時間で表わされる近似したインパルス応答を求
    め、 前記近似したインパルス応答を実現するためのIIR型
    フィルタのP組のフィルタ係数を求めることを特徴とす
    るIIR型周期的時変フィルタの設計方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の設計方法により求められ
    たP組のフィルタ係数を1組ずつ順番に周期的に用いる
    ことにより、各時刻毎に該当する周波数成分のみを通過
    させるIIR型時変フィルタを有することを特徴とする
    IIR型周期的時変フィルタ。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のIIR型周期的時変フィ
    ルタを有することを特徴とするサブバンド符号化装置。
  4. 【請求項4】 予め設定したP個(Pは任意の整数)の
    周波数帯域に分割されたディジタル入力信号のうち、該
    当する周波数成分のみを通過させるP個の時不変フィル
    タからなるIIR型時変フィルタを想定し、 前記時不変フィルタのフィルタ係数から、各時不変フィ
    ルタのインパルス応答を求め、 各インパルス応答について、概ね零に収束しているとみ
    なせる任意の時刻T以後の部分を削除することにより、
    有限の時間で表わされる近似したインパルス応答を求
    め、 前記近似したインパルス応答を実現するためのIIR型
    フィルタのP組のフィルタ係数を求めることを特徴とす
    るIIR型周期的時変フィルタの設計方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の設計方法により求めれら
    たP組のフィルタ係数を1組ずつ順番に周期的に用いる
    ことにより、各時刻毎に該当する周波数成分のみを通過
    させるIIR型時変フィルタを有することを特徴とする
    IIR型周期的時変フィルタ。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のIIR型周期的時変フィ
    ルタを有することを特徴とするサブバンド復号化装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004072952A1 (ja) * 2003-02-17 2004-08-26 Kabushiki Kaisha Kenwood 音声合成処理システム
CN104221080A (zh) * 2012-03-21 2014-12-17 塞沃路森公司 嵌入与检测模式的方法和***

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