JPH09232693A - 自由電子レーザ発生装置 - Google Patents

自由電子レーザ発生装置

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JPH09232693A
JPH09232693A JP4131596A JP4131596A JPH09232693A JP H09232693 A JPH09232693 A JP H09232693A JP 4131596 A JP4131596 A JP 4131596A JP 4131596 A JP4131596 A JP 4131596A JP H09232693 A JPH09232693 A JP H09232693A
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accelerating
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undulator
accelerated
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コンパクトな装置により短波長の自由電子レー
ザを出力し、更に、自由電子レーザの波長を可変とする
自由電子レーザ装置を提供する。 【解決手段】電子銃8から出力された電子を周回軌道1
1に入射する電磁石9と、加速管10により加速された
第1の加速電子を所定の波長で蛇行させるアンジュレー
タ2と、第1の加速電子の進行方向を偏向してアンジュ
レータに導く第1の加速電子偏向手段4ー1、4ー2
と、アンジュレータ2を通過した第1の加速電子の進行
方向を偏向して加速管に導く第2の加速電子偏向手段4
ー3、4ー4と、加速管10により第1の加速電子を再
加速した第2の加速電子をアンジュレータ2に導く第3
の加速電子偏向手段4ー1、4ー5、4ー2とを備え
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主に産業用、医
療用などに利用する自由電子レーザ発生装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図9は、日本原子力学会編「入門自由電
子レーザ」1995年8月に示された従来の自由電子レ
ーザ発生装置を示す概略図であり、図において、1は電
子加速器、2はN極とS極が交互に配置されたアンジュ
レータ、3は出力ミラー、3aは全反射ミラー、4、4
aは偏向電磁石、5は電子加速器1から出力される球状
電子ビーム、6はシンクロトロン放射光、7は自由電子
レーザ(以後、free electoron laserを略称してFEL
と称す)である。
【0003】次に従来の自由電子レーザ発生装置の動作
について説明する。FELは、光速に近い電子の塊が1
対の合わせ鏡(出力ミラー3、全反射ミラー3a)によ
り構成された光共振器の間に置かれたNS極が交互に変
わる磁場によって、一定周期で蛇行する毎に発生するシ
ンクロトロン放射が干渉して生ずる位相のそろったコヒ
ーレントな単色光(レーザ)である。原理的にその波長
は電子エネルギーの大きさや磁場の強さにより任意に変
えられること、特に電子リニアックの場合、高密度で短
パルスの電子塊が得られるのでその出力はピコ秒パルス
でMW級の高出力という大きな特徴を持つ。静止質量m
0 の粒子の静止質量エネルギーも含めた全相対論的エネ
ルギーEが次式で表されることから、質量とエネルギー
の等価性を理論的に示すと次式となる。 E=m02 (1− V2 /c2-1/2 (1) ここで、cは光速で、粒子の速さVがcに比べて小さい
と(1)は次式で近似できる。 E=m02+(1/2)m02 +(3/8)m02 *(V2/c2) +(5/16)m02*(V2/c22 +… (2) これは質量とエネルギーの等価性を示すアインシュタイ
ンの関係を示し、化学反応や核反応による熱エネルギー
も反応物質の静止質量変化から説明できる。右辺の第1
項は粒子の静止エネルギーであり、第2項以下の和は運
動エネルギーEk である。すなわち、 Ek =E−m02 =(1/2)m02{1+(3/4)V2/c2 +(5/8)*(V2/c22+・} (3) V/c=βとし、ローレンツ(Lorentz)因子γ
を用いて式(1)、(3)を書き換えると、 γ=Ek /m02 +1=(1−β2-1/2 (4) となり、γは粒子の静止エネルギー、m02 を単位と
する粒子の全エネルギー(運動エネルギー+静止エネル
ギー)を表す。図10にアンジュレータ2の交互に配置
されたN極とS極による高速電子の規則正しい蛇行によ
って放射されるシンクロトロン放射光6(以後、synchr
otoronradiationを省略しSRと称す)の特徴を示し
た。電子の振動によって電波が発生する。振動する電子
が高速Vで進行すると、ドップラー効果によって電波の
振動数は増加して電波の波長は短くなり、条件により赤
外光、可視光、あるいは紫外光となる。このように高速
電子が周期的に蛇行すると、蛇行毎に放射されるSRの
方向が揃い、進行方向に放射されるSRの強さはN回の
蛇行で2N倍となる。さらに規則正しい蛇行の回数が増
え蛇行毎に放射される光の位相が、特定の波長λR の光
の位相と揃い同じになると干渉効果によって波長λR
光の強度は実に4N2 倍となる。また光のスペクトル幅
(Δλ/λ)は1/2N程度の準単色光となる。同時に
蛇行によって電子は周期的に加速・減速の力を受けて電
子群は波長λR の間隔になるマイクロバンチ化(極めて
狭い空間領域に集群化)される。アンジュレータ2が長
いとマイクロバンチ化された球状電子ビーム5によって
図10に示すように光の位相が揃ったコヒーレント光
(self ampified sponteaneous emission ,SASE)
が発生する。 なお、アンジュレータ2のように電子を
蛇行させて高輝度のSRを発生させる装置は、蓄積リン
グなどの直線部に挿入されて用いられるので挿入装置
(insertion device)と呼ばれる。 図10に示した1
蛇行周期長λ0 、周期数Nを持つアンジュレータ2内
を、速度V、バンチ長σZ の電子群が時間tかかってN
回蛇行しアンジュレータ2を通過したとする。この時、
球状電子群が最初の蛇行で発生した特定波長λR の光子
群は出口に到達した球状電子群より(c−V)tだけ先
行しており、この後に2回目以降の蛇行毎に発生した特
定波長λR の光子群が続き、結局全部でN個の光子群と
なる、すなわち、 λR =(c−V)t/N=λ0 (1−β)/β (5) 高速電子の相対速度βが1に近づくと、式(4)から、 (1−β)/β=(1−β2 )/[β(1+β)] 1/(2γ2 ) (6) が導かれ、(5)は次式で表される、 λR = λ0 /(2γ2 ) (7) 正確には蛇行による電子走行距離の伸びを考慮する必要
があり、その場合アンジュレータ2得られる共振波長λ
R は次式で表される。 λR =λ0 (1+K2 /2)/(2γ2 ) (8) ここで、KはK値と称し、電子の蛇行(近似的には正弦
波運動)を特徴づけるパラメータであり、 K=93.4B0 λ0 (9) である。ここで、B0 [T],λ0 [m]は、それぞ
れ、アンジュレータ2のピーク磁場強度、およびアンジ
ュレータの1周期長である。式(8)より、アンジュレ
ータで得られる共振波長λR は、電子のエネルギー
(γ)、アンジュレータの1周期長(λ0 )、およびピ
ーク磁場強度(B0 )により任意の波長に選択でき、こ
の点に自由電子レーザは大きな特徴がある。 図9に示
すの自由電子レーザ発振装置は、球状電子ビーム5を供
給する電子加速器1と球状電子ビーム5を蛇行させるア
ンジュレータ2、アンジュレータ2を挟むように配置さ
れた一対のミラー3、3aを含む光共振器から構成され
る。 一対のミラー3、3a間の距離を調節することに
より、球状電子ビーム5の規則的蛇行によりアンジュレ
ータで発生した波長λR の球状光ビームをミラー3、3
a間で共振させ、かつ往復させて、後続する球状電子ビ
ーム5がアンジュレータ2を通過するごとに球状電子ビ
ーム5と光ビームをぴったり重ね合わせ、電子のエネル
ギーを光ビームのエネルギーへ移すことにより光パワー
を増幅する。これにより、一対のミラー3、3aはアン
ジュレータ2の長さを何百倍にもする働きをする。 球
状電子ビーム5がアンジュレータ2を通過するとき光が
得るパワー利得をG とし、光がミラー3、3a間を往
復すると2回ミラーで反射するが、その際の損失をαと
すると、両ビームがアンジュレータを入口から出口まで
通過するごとに光パワーは[1+(G−α)]倍にな
る。したがって、光ビームがアンジュレータ2を球状電
子ビーム5と重なり合ってn回往復すると光パワーは徐
々に増加し、最終的には[1+(G−α)]n 倍にな
る。たとえば、G−α=0.16、n=130の場合で
は光パワーは2.4×108 倍となる。 球状電子ビー
ム5が連続して供給され、利得も損失もパワーレベルに
よって変わらないとして、光共振器長(一対のミラー間
距離)をLc 、自発放射光パワーをPo 、FEL飽和パ
ワーをPs とすると、光パワーが徐々に増加して、これ
以上増加しない、いわゆる飽和に達するまでの時間τ
は次式で与えられる。 τ (μs)=2(Lc /c)1n(Ps /Po ) /1n[(1+G)(1−α] (10) FEL出力波形の立ち上がりから(G−α)の値が、ま
た波形の減衰からαの値が実験的に求められるが、周期
数Nのアンジュレータの利得GN uは次式のように理論的
にも求められる。 GN u ∝λ0 232 γ-3 (11)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の自由電子レーザ
装置は以上のように構成されているので、短波長のFE
Lを得るためには大規模な電子加速器1が必要となり、
異なった波長のFELを発生するためには複数台のアン
ジュレータ2が必要となるなどの問題点があった。
【0005】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、コンパクトな装置により短波長
のFELを得ることができる自由電子レーザ装置を提供
すること、また、異なった波長のFELを発生すること
のできる自由電子レーザ装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係わる自由電
子レーザ発生装置は、電子を発生する電子銃と、前記電
子を周回軌道に入射する電磁石と、周回軌道上の前記電
子を加速する加速管と、加速された電子を所定の波長で
蛇行させるアンジュレータと、前記加速管による第1の
加速電子の進行方向を偏向して前記アンジュレータに導
く第1の加速電子偏向手段と、前記アンジュレータを通
過した前記第1の加速電子の進行方向を偏向して前記加
速管に導く第2の加速電子偏向手段と、前記加速管によ
り前記第1の加速電子を再加速した第2の加速電子を前
記アンジュレータに導く第3の加速電子偏向手段とを備
えたものである。
【0007】また、次の発明に係わる自由電子レーザ発
生装置は、第1の加速電子と第2の加速電子のエネルギ
ーに応じた異なる波長の自由電子レーザを発振するもの
である。
【0008】また、次の発明に係わる自由電子レーザ発
生装置は、電子を発生する電子銃と、前記電子を周回軌
道に入射する電磁石と、周回軌道上の前記電子を加速す
る加速管と、周回軌道上に配置され、加速された電子を
異なる周波数で蛇行させる複数のアンジュレータと、前
記加速管による加速電子の進行方向を偏向して前記アン
ジュレータに導く第1の加速電子偏向手段とを備えたも
のである。
【0009】また、次の発明に係わる自由電子レーザ発
生装置は、電子を発生する電子銃と、前記電子を周回軌
道に入射する電磁石と、周回軌道上の前記電子を加速す
る加速管と、加速された電子を所定の波長で蛇行させる
アンジュレータと、前記加速管による加速電子の進行方
向を偏向して前記アンジュレータに導く第1の加速電子
偏向手段と、前記アンジュレータ内に配列され前記加速
電子を蛇行させる電磁石の磁場強度を変化する電源とを
備えたものである。
【0010】また、次の発明に係わる自由電子レーザ発
生装置は、電子を発生する電子銃と、前記電子を周回軌
道に入射する電磁石と、周回軌道上の前記電子の速度を
可変に加速する加速管と、加速された電子を所定の波長
で蛇行させるアンジュレータと、前記加速管による加速
電子の進行方向を偏向して前記アンジュレータに導く第
1の加速電子偏向手段とを備えたものである。
【0011】また、次の発明に係わる自由電子レーザ発
生装置は、電子を発生する電子銃と、前記電子を周回軌
道に入射する電磁石と、周回軌道上の前記電子を加速す
る加速管と、真空チエンバーに内包されて加速された電
子を蛇行させるアンジュレータと、このアンジュレータ
内に周回軌道に面して対向して配置された磁石の間隙を
調整する間隙調整手段と、前記加速管による加速電子の
進行方向を偏向して前記アンジュレータに導く第1の加
速電子偏向手段とを備えたものである。
【0012】また、次の発明に係わる自由電子レーザ発
生装置は、電子銃は、ピアス型の電子銃とサブハーモニ
ックバンチャーと定在波加速管の組み合わせによるもの
であるものである。
【0013】更に、次の発明に係わる自由電子レーザ発
生装置は、電子銃は、RF電子銃のフォトカソードに、
他のレーザ装置が出力するRF周波数の整数倍の周波数
のレーザ光を照射し、レーザ光の周波数に同期して電子
を発生するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下、この発明の一実施の形態を図につ
いて説明する.図1は実施の形態1による自由電子レー
ザ装置を示す構成図である。図中、図9と同一符号は同
一又は相当部分を示し説明を省略する。図1において、
4ー1、4ー2、4ー3、4ー4、4ー5は偏向磁石で
あり、偏向磁石4ー1、4ー2により第1の偏向手段
を、偏向磁石4ー3、4ー4により第2の偏向手段を、
偏向磁石4ー3、4ー4、4ー5により第3の偏向手段
を構成する、8はRF周波数(以後、radio freqenceを
省略してRFと称す)で電子を加速して出力するRF電
子銃、9はRF電子銃8が発生する電子を周回軌道に入
射するアルファ電磁石、10は例えば周波数2856M
Hz,パルス幅10μSのRF電子銃8のRF周波数と
同期して電子ビームを加速する加速管であり、例えば周
波数2856MHz,パルス幅10μSのマイクロ波の
電流により駆動される。11は電子ビームの周回軌道で
ある。
【0015】次に、この発明の自由電子レーザ装置の動
作を説明する。RF電子銃8から発生した電子ビームは
アルファ電磁石9により曲げられ加速管10に導かれて
加速され、エネルギーを増す。偏向電磁石4ー1により
軌道を曲げられ、偏向電磁石4ー2により再び曲げられ
加速管10と平行になり、アンジュレータ2を通過し、
ここで発生したSRによりミラー3、3a間でFELを
発生し、出力ミラー3よりFELが出力される。アンジ
ュレータ2を通過した電子ビームは再び、偏向電磁石4
ー3、4ー4により曲げられ加速管10により更にエネ
ルギーを増加される。2回目の加速管10による加速に
より電子ビームの速度は増加しているので、偏向電磁石
4ー1による電子ビームの偏向曲率は大きくなるので、
この偏向曲率に見合った位置に設置された偏向電磁石4
ー5により周回軌道を修正し、更に、偏向電磁石4ー2
により曲げられアンジュレータ2に導かれる。電子ビー
ムがアンジュレータ2を再び通過する時はより短波長の
FELを発生させる。最後に、電子ビームは偏向電磁石
4ー3により偏向され捨てられる。また、1回目の加速
管10により加速された電子ビームのアンジュレータ2
の通過時軌道をミラー3、3a間中心より、ずらすこと
により、2回目の加速管10により加速された電子ビー
ムによる短波長のFELだけを取り出すこともできる。
【0016】尚、この実施の形態では、加速管10によ
り電子ビームを2回加速する例について説明したが、加
速管10により3回以上加速して電子ビームのエネルギ
ーEを増すことにより、より短波長のFELを得ること
ができる。この場合、電子ビームの速度に応じて偏向磁
石4の磁界強度を制御して電子ビームを所定の周回軌道
上に保つことが必要である。
【0017】また、1回目の加速管10により加速され
た電子のエネルギーをEとすると、2回目の加速管10
により加速された電子のエネルギーは2Eとなる。FE
Lの波長λは、 λ=λw(1+K2)/2γ2 (12) γ=1+E/m02 (13) K∝B0λw (14) となる。ここで、λwはアンジュレータ2に配列された
磁石のピッチ、Eは電子のエネルギーである。従って、
加速管10のエネルギーゲインを調整することにより波
長を制御することもできる。
【0018】実施の形態2.実施の形態1では、アンジ
ュレータ2を1つを使用した例を示したが、実施の形態
2ではアンジュレータを2台使用した自由電子レーザ装
置について説明する。図2は実施の形態2による自由電
子レーザ装置を示す構成図である。図中、図1と同一符
号は同一又は相当部分を示し説明を省略する。図2にお
いて、2aは周回軌道上にアンジュレータ2と直列に設
置されたアンジュレータであり、アンジュレータ2とは
式(14)に示すK値が異なり、同一エネルギーの電子
ビームが通過しても発振するFELの波長λは互いに異
なる。このようにK値が異なるアンジュレータ2、2a
を周回軌道上に直列に設置して、異なった波長のFEL
を発生させることができる。
【0019】実施の形態3.実施の形態2では、アンジ
ュレータを2つ使用した例を示したが、実施の形態3で
は1台のアンジュレータの磁場強度を制御する自由電子
レーザ装置について説明する。図3は実施の形態3によ
る自由電子レーザ装置を示す構成図である。図中、図1
と同一符号は同一又は相当部分を示し説明を省略する。
2bは配列されたN極、S極の磁石が電磁石により構成
され、この電磁石の励磁コイルの電流を制御することに
より式(14)に示すピーク磁場強度B0を変化するこ
とができるアンジュレータ、11はアンジュレータ2b
の電磁石の励磁コイルの電流を制御するパルス電源であ
る。図4はパルス電源11が電磁石の励磁コイルに供給
するパルス電流とFELの波長λとの関係を説明する説
明図であり、パルス電流が大きい時には式(14)のB
0が増加しK値が増加するので式(12)によりFEL
の波長λは長くなり、逆にパルス電流が小さい時にはF
ELの波長λは短くなる。このようにアンジュレータ2
bの発生するピーク磁場強度を制御することにより異な
った波長のFELを発生させることができる。
【0020】尚、電磁石の励磁コイルに供給する電流を
パルス電流とし、周期的に電流を流すことにより、一定
の直流電流を流すより励磁コイルの発熱量が減少し電流
量を増加することができるので、磁場強度を増加するこ
とができる。
【0021】実施の形態4.実施の形態3では、アンジ
ュレータに異なる強度のパルス磁場を印加するようにし
たが、実施の形態4では加速管10の加速エネルギーを
制御する自由電子レーザ装置について説明する。図5は
実施の形態4による自由電子レーザ装置を示す構成図で
ある。図中、図1と同一符号は同一又は相当部分を示し
説明を省略する。 図において、10aは電子ビームの
加速エネルギーを可変にできる加速管、12は加速管1
0aに入力するRF周波数の基準周波数を発生する周波
数シンセサイザー、13は周波数シンセサイザー12の
出力を増幅するクライトロン、14はクライトロン13
に増幅のための電力を供給するパルサー、15は周波数
シンセサイザー12、クライトロン13及びパルサー1
4を制御し、加速管10aに印加する電流位相を制御す
る加速管制御装置である。図6はRF電子銃8の電子出
力位相と加速管10aに印加する電流位相と加速管10
aの加速電界との関係を説明する説明図である。図6に
おいて加速管入力電流位相(a)はRF電子銃8の電子
出力位相とピーク値が一致し、加速管10aの加速電界
(a)は最大となり、加速管入力電流位相(b)はRF
電子銃8の電子出力位相とピーク値が一致せず、加速電
界(b)は加速電界(a)より低下する。このように、
上述のように、加速管10aの加速電界を制御すること
により電子ビームの速度を変えることにより、異なった
波長のFELを発生させることができる。また、加速管
入力電流のピーク電流値を時間的に変えて加速管10a
の加速電界を制御しても同様の効果がある。
【0022】実施の形態5.実施の形態5ではアンジュ
レータの電界強度を増加することが可能な自由電子レー
ザ装置について説明する。図7は実施の形態5による自
由電子レーザ装置におけるアンジュレータを示す構成図
である。図中、図1と同一符号は同一又は相当部分を示
し説明を省略する。図7において、16aは周回軌道1
1の方向にN極・S極の順に配列された磁石、16bは
磁石16aと対向してS極・N曲の順に配列された磁
石、17は磁石16a、16bの対向する間隙を調整す
る間隙調整手段である駆動機構、18は駆動機構17に
電源を供給するダクト、19はアンジュレータ2cを内
包し真空状態に保つ真空チェンバ、20は電子ビームの
周回軌道を真空状態に保つ真空ダクトである。FELの
波長はアンジュレータ2cのN極・S極の順に配列され
た磁石のピッチを狭くしりことにより短波長となる、し
かし、磁石のピッチを狭くすると磁石自身の磁力を増す
ことにより間隙の磁界強度を高めることが困難となり、
FELの発振条件を満たすことができなくなる。そこ
で、磁石16a、16bの対向する間隙を狭めることに
より間隙の磁界強度を高めることが必要となる。従来の
自由電子レーザ装置では、真空ダクト20が磁石16
a、16bの間隙を挿通するように構成されいるため、
磁石16a、16bの間隙を真空ダクト20の外形寸法
より小さくすることができなかった。しかし、上述の構
成とすると、アンジュレータ2c全体を真空チェンバ1
9内に入れることにより磁石16a、16bの間隙をよ
り小さくすることができるようになり、電子ビームが通
過する磁石16a、16bの間隙の磁場強度を強めるこ
とができるようになり、磁石、16bは磁石16aのN
極・S極のピッチを狭めることにより、より短波長のF
ELを発振できるようになる。
【0023】実施の形態6.上記実施の形態では、電子
を発生する電子銃にRF電子銃8を用いた例を示した
が、実施の形態6では電子銃の他の形態について説明す
る。図8は実施の形態6による自由電子レーザ装置を示
す構成図である。図中、図1と同一符号は同一又は相当
部分を示し説明を省略する。 図8において、21は熱
電子によるピアス型の電子銃、22は電子銃21からの
電子をサブハーモニックバンチャで前段バンチさせ更に
定在波加速管により電子ビームのエネルギーを約2Me
Vまで事前加速する入射器である。上述の構成とする
と、図いに示すRF電子銃8に代わって、ピアス型の電
子銃21と電子をサブハーモニックバンチャで前段バン
チさせ、更に、定在波加速管により加速する入射器と組
み合わせて、電子ビームを加速することにより、RF電
子銃8と同等のエネルギーの電子ビームをより低コスト
で発生することができる。
【0024】実施の形態7.上記例では、熱電子による
ピアス型の電子銃21を利用したものについて述べた
が、実施の形態7では電子銃の他の形態について説明す
る。図9は実施の形態7による自由電子レーザ装置を構
成図である。図中、図1と同一符号は同一又は相当部分
を示し説明を省略する。 図9において、23は他のレ
ーザ装置からのレーザ光24をRF電子銃のフォトカソ
ードに照射して、このレーザ光の周波数に同期して電子
を発生するRF電子銃であり、レーザ光24の周波数は
RF周波数の整数倍に設定されている。上述の構成とす
ると、RF周波数の整数倍のレーザ光24に同期して電
子が発生するので、電子量が増加し、自由電子レーザ装
置が発振し易くなる。
【0025】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば自由電
子レーザ発生装置を、加速管による第1の加速電子と第
1の加速電子を再加速した第2の加速電子とをアンジュ
レータにより蛇行させてFELを発振するようにする
と、コンパクトな装置により第2の加速電子のエネルギ
ーを容易に増加できるので、短波長のFELを発振でき
る効果を奏する。
【0026】また、次の発明によれば自由電子レーザ発
生装置を、第1の加速電子と第2の加速電子のエネルギ
ーに応じた異なる波長の自由電子レーザを発振するよう
にすると、コンパクトな装置により、同時に、異なる波
長の自由電子レーザを発振できる効果を奏する。
【0027】また、次の発明によれば自由電子レーザ発
生装置を、周回軌道上に直列に配置され、加速電子を異
なる波長で蛇行させる複数のアンジュレータによりFE
Lを発振させるようにすると、アンジュレータのK値に
応じた、異なった波長のFELを発生することができる
効果を奏する。
【0028】また、次の発明によれば自由電子レーザ発
生装置を、アンジュレータ内に配列され加速電子を蛇行
させる電磁石の磁場強度を変化するようにすると、磁場
強度に応じて異なった波長のFELを発生することがで
きる効果を奏する。
【0029】また、次の発明によれば自由電子レーザ発
生装置を、周回軌道上の電子の速度を可変に加速する加
速管により速度を変えられた電子をアンジュレータによ
り所定の波長で蛇行させてFELを発振するようにする
と、加速電子の速度に応じて異なった波長のFELを発
生することができる効果を奏する。
【0030】また、次の発明によれば自由電子レーザ発
生装置を、アンジュレータを真空チエンバーに内包する
ことにより、電子を蛇行させるアンジュレータの磁石の
間隙を狭く設定することが可能となり、N極、S極の間
隔を狭めることが可能となり、より短波長のFELを発
生することができる効果を奏する。
【0031】また、次の発明によれば自由電子レーザ発
生装置を、ピアス型の電子銃とサブハーモニックバンチ
ャーと定在波加速管の組み合わせるて電子を発生するよ
うにすると、RF電子銃と同等のエネルギーの電子ビー
ムをより低コストで発生することができる効果を奏す
る。
【0032】更に、次の発明によれば自由電子レーザ発
生装置を、RF電子銃のフォトカソードにRF周波数の
整数倍の周波数の他のレーザ装置が出力するレーザ光を
照射し、レーザ光の周波数に同期して電子を発生するよ
うにすると、電子量が増加し、自由電子レーザ装置が発
振し易くなる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による自由電子レー
ザ発生装置を示す構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態2による自由電子レー
ザ発生装置を示す構成図である。
【図3】 この発明の実施の形態3による自由電子レー
ザ発生装置を示す構成図である。
【図4】 図3に示すパルス電源が電磁石の励磁コイル
に供給するパルス電流とFELの波長との関係を説明す
る説明図である。
【図5】 この発明の実施の形態4による自由電子レー
ザ発生装置を示す構成図である。
【図6】 図5に示すRF電子銃の電子出力位相と加速
管に印加する電流位相と加速管の加速電界の関係を説明
する説明図である。
【図7】 この発明の実施の形態5による自由電子レー
ザ発生装置におけるアンジュレータを示す構成図であ
る。
【図8】 この発明の実施の形態6による自由電子レー
ザ発生装置を示す構成図である。
【図9】 この発明の実施の形態7による自由電子レー
ザ発生装置を示す構成図である。
【図10】 従来の自由電子レーザ発生装置を示す構成
図である。
【図11】 従来の自由電子レーザ発生装置のSRの特
徴を示す説明図である。
【符号の説明】
2 アンジュレータ、4 偏向電磁石、5 電子ビー
ム、7 自由電子レーザ、8、21、23 電子銃、9
アルファ電磁石、10 加速管、11 周回軌道 1
9真空チェンバ、17 間隙調整手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子を発生する電子銃と、前記電子を周
    回軌道に入射する電磁石と、周回軌道上の前記電子を加
    速する加速管と、加速された電子を所定の波長で蛇行さ
    せるアンジュレータと、前記加速管による第1の加速電
    子の進行方向を偏向して前記アンジュレータに導く第1
    の加速電子偏向手段と、前記アンジュレータを通過した
    前記第1の加速電子の進行方向を偏向して前記加速管に
    導く第2の加速電子偏向手段と、前記加速管により前記
    第1の加速電子を再加速した第2の加速電子を前記アン
    ジュレータに導く第3の加速電子偏向手段とを備えた自
    由電子レーザ発生装置。
  2. 【請求項2】 第1の加速電子と第2の加速電子のエネ
    ルギーに応じた異なる波長の自由電子レーザを発振する
    ことを特徴とする請求項1に記載の自由電子レーザ発生
    装置。
  3. 【請求項3】 電子を発生する電子銃と、前記電子を周
    回軌道に入射する電磁石と、周回軌道上の前記電子を加
    速する加速管と、周回軌道上に配置され、加速された電
    子を異なる周波数で蛇行させる複数のアンジュレータ
    と、前記加速管による加速電子の進行方向を偏向して前
    記アンジュレータに導く第1の加速電子偏向手段とを備
    えた自由電子レーザ発生装置。
  4. 【請求項4】 電子を発生する電子銃と、前記電子を周
    回軌道に入射する電磁石と、周回軌道上の前記電子を加
    速する加速管と、加速された電子を所定の波長で蛇行さ
    せるアンジュレータと、前記加速管による加速電子の進
    行方向を偏向して前記アンジュレータに導く第1の加速
    電子偏向手段と、前記アンジュレータ内に配列され前記
    加速電子を蛇行させる電磁石の磁場強度を変化する電源
    とを備えた自由電子レーザ発生装置。
  5. 【請求項5】 電子を発生する電子銃と、前記電子を周
    回軌道に入射する電磁石と、周回軌道上の前記電子の速
    度を可変に加速する加速管と、加速された電子を所定の
    波長で蛇行させるアンジュレータと、前記加速管による
    加速電子の進行方向を偏向して前記アンジュレータに導
    く第1の加速電子偏向手段とを備えた自由電子レーザ発
    生装置。
  6. 【請求項6】 電子を発生する電子銃と、前記電子を
    周回軌道に入射する電磁石と、周回軌道上の前記電子を
    加速する加速管と、真空チエンバーに内包されて加速さ
    れた電子を蛇行させるアンジュレータと、このアンジュ
    レータ内に周回軌道に面して対向して配置された磁石の
    間隙を調整する間隙調整手段と、前記加速管による加速
    電子の進行方向を偏向して前記アンジュレータに導く第
    1の加速電子偏向手段とを備えた自由電子レーザ発生装
    置。
  7. 【請求項7】 電子銃は、ピアス型の電子銃とサブハー
    モニックバンチャーと定在波加速管の組み合わせによる
    ものであることを特徴とする請求項1乃至5に記載の自
    由電子レーザ発生装置。
  8. 【請求項8】 電子銃は、RF電子銃のフォトカソード
    に、他のレーザ装置が出力するRF周波数の整数倍の周
    波数のレーザ光を照射し、レーザ光の周波数に同期して
    電子を発生するものであることを特徴とする請求項1乃
    至5に記載の自由電子レーザ発生装置。
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JP2003017788A (ja) * 2001-07-03 2003-01-17 Japan Atom Energy Res Inst 自由電子レーザー装置において、電子ビームからレーザー光への高い引出効率とフェムト秒領域極短パルスを実現する方法及び装置
WO2018198227A1 (ja) * 2017-04-26 2018-11-01 ギガフォトン株式会社 Euv光生成装置

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