JP3594406B2 - 自由電子レーザ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リニアックから発生した電子ビームを用いる自由電子レーザ装置に関し、特に一旦アンジュレータを通過してシンクロトロン放射した後の電子ビームを再度利用して自由電子レーザを発生させることにより効率を高めた自由電子レーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自由電子レーザ(FEL)は、コヒーレントで波長可変の高輝度な単色光であるため、医学、化学、バイオテクノロジー、あるいは群分離や核融合などの物理学分野における利用が期待されており、特にリニアックからの電子ビームを用いた自由電子レーザ装置はアメリカ、オランダ、フランス、日本等で既に利用研究が進められている。
【0003】
例えば、235UF238UFの同位体シフトによる振動エネルギの差を利用した同位体ウラン分離プロセスでは、過冷却気体状態の235UFを16μmレーザ光により選択的に励起しさらに解離用のレーザ光を照射して解離し固体状の235UFを捕集する。このレーザ光源としてはCO励起パラ水素ラマンレーザが有力視されているが、波長可変の高輝度レーザ光を得ることとができる自由電子レーザ(FEL)を活用することも検討されている。FELを利用すると、ガスレーザのようにレーザガスの供給・循環システムが不要であり、メンテナンスが容易で廃棄物が出ないという利点がある。
【0004】
従来型のリニアックを用いた自由電子レーザ(FEL)装置では、1台のリニアックからの電子ビームを1台のアンジュレータに通すことによりFELを発生させる。
図7は従来の自由電子レーザ装置を示すブロック図である。リニアックは、電子銃、サブハーモニックバンチャー、バンチャー、収束コイル等からなる初段加速部と主加速部で構成される。
【0005】
電子ビームは、電子銃を備えた電子入射器により入射され、初段加速部において10〜15psの極短バンチにバンチ化され、エネルギを5〜10MeVまで加速され、さらに主加速器でFELの波長領域に従って決定されるエネルギまで加速され、二極電磁石を含む偏向輸送系を介してアンジュレータに導かれシンクロトロン放射し、その後、下流に設けられた別の偏向輸送系によりビームダンプに導かれて吸収される。
シンクロトロン放射された準単色光は、2枚の鏡を向かい合わせた光共振器で何百回も往復する間に往路では必ず光パルスと後続の電子ビームパルスと同期するようにして自由電子レーザとし、一方の鏡から射出させて利用する。
【0006】
外部から供給される1次電力は、RF電力発生器を介してクライストロンに供給され、ここでマイクロ波に変換される。マイクロ波は、導波管を含むマイクロ波立体回路を介して電子入射器や加速管に分配されて電子ビームを加速する。
FEL装置では上記のように、1次電力をマイクロ波に変換し、このマイクロ波で電子ビームを加速し、さらに加速された電子ビームがアンジュレータで光のエネルギに変換される。このようにエネルギ変換を繰り返す毎にエネルギ変換効率は低下する。
特にビームエネルギからFELへの変換効率が1%以下である現状では、全体のエネルギ変換効率は0.1%程度と評価されている。この条件で連続1kWのFEL出力を得るためには1次電力が平均1MW程度必要となる。
上記のFEL装置のエネルギ変換効率はCO励起パラ水素ラマンレーザの変換効率より1桁以上低く、実際にFEL装置を同位体ウラン分離プロセスに適用するためには、特に変換効率の一層の向上が要請されている。
【0007】
ところで、FEL装置ではアンジュレータで消費される電子エネルギは極く僅かであるから、これを補填して再度アンジュレータにおける放射を行わせることができれば、1台のリニアックからの電子ビームを繰り返し利用することにより全体のエネルギ変換効率はたちまち向上することになる。
FELの出力をPt、1リニアックマクロパルスの繰り返しをRp、1マクロパルスからの出力をPu、共振器の数をUnとすれば、これらの変数の間には下式(1)の関係が成立する。
Pt=Pu×Rp×Un (1)
従って例えば、Pu=2.5W/PPS、Rp=40PPS、Un=10台とすれば、FEL出力Pt=1kWとなる。このようにアンジュレータ10台を用いたシステムで連続出力1kWのFELを得るための1次電力は77kWと見積もられ、追加速のための電力は極めて小さいので変換効率も約10倍になる。なお、1次電力からRF出力までの効率が一般的な36%であるときには正味のRF出力は連続28kWあればよく、クライストロン2本で実現可能である。
【0008】
FELの波長はλは、電子ビームのエネルギとアンジュレータの磁場周期およびアンジュレータの磁場強度の関数として下の(2)式により表される。
λ=λ(1+K/2)/2γ (2)
ここでλは磁場周期長、Kは電子の蛇行を特徴付けるアンジュレータパラメータ、γは電子ビームのエネルギを表すローレンツファクタである。
(2)式は直線運動をしているエネルギの揃った電子ビームがアンジュレータで規則的な蛇行運動をするという仮定で導かれたものである。しかし、加速器で加速された電子ビームはある大きさの規格化エミッタンスεを持ってビーム半径rと発散角θの積を一定に保ち、ビーム輸送系に組み込まれたアンジュレータの軸に沿ってベータトロン振動をしながら通過するので、蛇行運動による電子の遅れの他にベータトロン振動による進行方向の速度幅ε /(2r /γ)のための遅れが加わる。
【0009】
さらに、電子ビームのエネルギ幅の影響を加えると、進行方向の速度幅Δβは下の(3)式で表されるようにさらに大きくなり、FEL発振波長に限界が生じる。
Δβ=((ε /2r +(Δγ/γ)1/2/γ (3)
ここでΔγは電子ビームのエネルギγの半値幅を表す。
最終的には、長さLのアンジュレータを通過する間に電子の位相が光よりFEL波長λの1/2に相当する位相以下でなければならないため下式(4)の条件を満たす必要がある。
λ/2>ΔβL (4)
【0010】
これらから、FEL波長限界は下の(5)式で表される。
Figure 0003594406
ここで、Zはレーリ(Rayleigh)長で、ガウス分布した光ビームの最小スポット半径rとFEL波長λとから、Z=πr /λで与えられる。また、fはフィリングファクタで、f=2r /r で定義される。
従って、一定の波長λを有するFELを得るためには、電子ビームのエネルギ幅Δγは上記(5)式で与えられる一定の値以下でなければならない。
【0011】
ところが、半値幅Δγ/γが0.1〜0.2%で(5)式を満たす質の良いエネルギ分布を有する電子ビームがアンジュレータでFELを発生すると、飽和パワー状態で例えば半値幅1〜2%まで質が劣化した電子ビームになり、次段のアンジュレータでは(5)式を満たさなくなり所定の波長λで発振することができない。
そして、通常のアンジュレータで発振して出力飽和した後の電子ビームのエネルギγの半値幅Δγは、アンジュレータの周期数Nを用いて下の(6)式により表される。
Δγ/γ〜1/2N (6)
例えば周期数が30であれば、発振後のエネルギ広がりは約2%となる。
【0012】
このように、アンジュレータでFELを放出した後の電子ビームはエネルギが減少するばかりでなく、エネルギ分布が広くなって電子ビームの質が低下しFEL発生の条件を満たさず、アンジュレータにおける放射ができない。
従って、複数のアンジュレータを通過させて各アンジュレータで放射光を取り出すためには電子ビームの質を回復する手段が不可欠である。
【0013】
この問題を解決しようとするものとして、自由電子レーザ研究所のと冨増多喜夫外により、特開平6−29630号公報において、自由電子レーザ発生後のビームを再集群化(バンチング)し、再加速あるいは減速して、その下流で再び自由電子レーザを発生させる方法、およびアンジュレータの下流に蓄積リングを設置して電子ビームを再利用する方法が開示されている。
冨増のシステムは、磁気バンチャーによりミクロバンチを再び集群化し、さらに加速管を通過させて加減速させることにより第1段の自由電子レーザの波長と異なる波長の自由電子レーザを発生させるものである。偏向電磁石は、ビームのパスの偏向とエネルギーの分散の2つの作用を同時に行うため、エネルギーの違いに基づいてビームのパスの違いを生じさせることにより微調整することが困難である。また、加速管による追加速では前段の自由電子レーザ発振によってFEL波長に応じて生じた電子バンチ内のエネルギー分布を再び小さくすることはできない。また、電子蓄積リングを使用すると施設全体が大型になるため産業上の利用が容易でない。
【0014】
なお、リニアック型FEL装置に複数のアンジュレータを備えたものも従来存在していた。これら従来のFEL装置はアンジュレータと並列に加速管を配設して、上流のアンジュレータを迂回し併設した加速管を通して高エネルギ化した電子ビームを下流のアンジュレータに供給するか、上流のアンジュレータで長波長レーザを光放射してエネルギを放出した例えば80MeVの低エネルギ電子ビームを加速管でさらに加速して高エネルギ化し、例えば160MeVとして下流のアンジュレータに供給し短波長レーザ光を放出させる。
すなわち上記従来のFEL装置は、電子ビームが各アンジュレータに到達するまでに通過する加速管の数あるいは長さを調整してアンジュレータに入射する電子ビームのエネルギを変えるように構成することにより、発振波長が異なる場合にも同じ1基のFEL装置で対処しようとするものである。このようなFEL装置では、複数備えた各アンジュレータで発生させる光の波長が互いに異なり、使用済みの電子ビームを再使用して同時に同じ波長の光を発生させることはできない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、よりコンパクトな設備により、一旦アンジュレータでFEL発振に使用されてエネルギ幅が増大した電子ビームのエネルギ幅を縮小させて再度アンジュレータによりほぼ同じ波長の放射光を発生させることを可能とする放射光発生方法と、同時放射を可能とする自由電子レーザ装置を提供するところにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の自由電子レーザ放射方法は、前段のレーザ発生用アンジュレータを通過してきた電子ビームを静磁場中に通し、ラーマ半径の差により生ずる行路長差に基づいて電子ビーム中の電子バンチ内にエネルギ分布に応じたエネルギの低い電子が先行するような時間的分布を生じさせ、その電子ビームを電子バンチに同期したRF電場中に通してRF電界の傾斜により電子バンチのエネルギ幅を減少させた後、その電子ビームを交代磁場中に通して放射光を発生させることを特徴とする。
さらに、上記の自由電子レーザ放射方法を直列に複数回繰り返すことにより複数のレーザ光を発生させることができる。
なお、放射させた同じ波長の自由電子レーザを加え合わせて出射させるようにしてもよい。
【0017】
また、上記課題を解決するため、本発明の自由電子レーザ放射ユニットは、複数の偏向電磁石と複数の四極電磁石と追加速管と前記偏向電磁石の中間に設けた交代磁場とを電子ビームが直列に通過するように配設したビームクオリティ復元システムと、ビームクオリティ復元システムから放出される電子ビームが入射するように配設したレーザ発生用アンジュレータとを備え、ビームクオリティ復元システムに入射する電子ビームが交代磁場上流の偏向電磁石と四極電磁石を直列に通過する間に電子ビーム中の電子バンチにエネルギ分布に応じた低エネルギの電子が先行するような時間的分布を生じさせ、さらに交代磁場の磁場調整によりエネルギ分布を反映した電子ビームパスの微調整を行い、交代磁場下流の偏向電磁石と四極電磁石を通過する間に電子ビームの径を再び収束させ、追加速管で発生するRF電場により電子バンチ内のエネルギ幅を縮小させて、FEL発振条件を満たすまで電子ビームの質を回復し、レーザ発生用アンジュレータで再びFELを発生させるように構成することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の自由電子レーザ装置は、リニアックに直結されたレーザ発生用アンジュレータの下流に上記の自由電子レーザ放射ユニット1基以上を直列に配設して、複数のレーザ発生用アンジュレータで同時に自由電子レーザを発生させるようにすることを特徴とする。
さらに、本発明の自由電子レーザ装置は、各段のレーザ発生用アンジュレータから放射される同じ波長の自由電子レーザを加え合わせる光学系を備えるようにしてもよい。
【0019】
本発明の自由電子レーザ放射方法によれば、前段のレーザ発生用アンジュレータにおいてシンクロトロン放射することによりエネルギ分布が劣化した電子ビームが静磁場中で下の(7)式に従った作用を受けるため、エネルギの高い電子ほど大きなラーマ(Larmor)半径を持つため長い行路長となる。
E=0.3B×r (7)
ここで、Eは電子のエネルギ、Bは磁場の強さ、rはラーマ半径である。
一方電子の速度はそれほど異ならないため、上記の行路長差に基づいて、電子ビーム中の電子バンチ内にエネルギの低い電子が先行し高い電子が後行するような時間的分布を生じさせる。
【0020】
また、四極電磁石と偏向電磁石に、二極磁石の配列を有するアンジュレータなど周期的な磁場を発生させる装置を組み合わせてラティスを構成すれば、四極電磁石と偏向電磁石により電子ビームのパスとビームサイズを決定し、さらにアンジュレータの磁場強度の調整により電子ビーム中のエネルギ分布によるパスの違いを微調整するようにすることができる。したがって、偏向電磁石によりパスの調整をする場合と比較して、エネルギ幅によるパスの差を生じさせる調整の精度が大いに向上する。
さらに、アンジュレータからの放射光の放出はエネルギの2乗に比例するため、放射を積極的に利用することにより電子バンチ内のFEL波長に応じたエネルギ分布を小さくすることも可能になる。
このような2種類のアンジュレータを設置することにより、電子ビームのパスとエネルギ幅の両方を正確に調整することも可能である。
【0021】
エネルギ水準に従った時間的分布を有する上記の電子ビームを電子バンチに同期したRF電場中に通して、RF電界の傾斜が徐々に低下する部分に上記の電子バンチが対応するようにすると、低エネルギ電子がより高いRFエネルギを受容し、高エネルギ電子がより小さいエネルギを受容するから、バンチ内の電子が保有するエネルギ水準がより均質化することになり、電子ビームの質が向上する。
このようにして電子バンチのエネルギ幅を減少させて発振条件を満たすようにした後、その電子ビームをアンジュレータ等の交代磁場中に通すため、上流におけるアンジュレータとほぼ同じ波長のFEL光を発生させることができる。
【0022】
本発明の自由電子レーザ放射方法では、電子ビームの質の回復のために追加するRF電界エネルギは極めて僅かであるから、レーザ装置に本発明の自由電子レーザ放射方法を付加する毎にエネルギ変換効率が逓倍的に向上する。
さらに、上記の自由電子レーザ放射方法を直列に複数回繰り返すことにより、それぞれ上流のアンジュレータで光放射して質を劣化させた電子ビームの質を回復させて下流のアンジュレータに供給し、繰り返し回数分のほぼ同じ波長のレーザ光を得ることができる。
さらに、放射させた同じ波長の自由電子レーザを加え合わせて出射させることにより、光エネルギが重畳された強力なレーザ光を得ることができる。
【0023】
また、本発明の自由電子レーザ放射ユニットには、ビームクオリティ復元システム中に複数の偏向電磁石と複数の四極電磁石を組み合わせたラティスが形成されていて、通過する電子バンチ内にエネルギの低い電子が先行しエネルギの高い電子が後行するような時間的分布を生じさせ、その後追加速管のRF電場で低エネルギ側により大きな電界エネルギが印加し高エネルギ側に小さなエネルギを印加して電子バンチ全体としてエネルギ分布を小さくし質を向上させた上で、アンジュレータで交代磁場によりシンクロトロン放射するようにすることができる。
【0024】
上記のビームクオリティ復元システムを構成する偏向電磁石と四極電磁石と追加速管等の要素数は電子蓄積リングを構成する機器要素の数より少ない上、これらの構成要素が直線的に配列されるため、ビームクオリティ復元システムはエネルギ圧縮を行うにも拘わらず電子蓄積リングより小型に構成することができる。従って、本発明の自由電子レーザ放射ユニットはアンジュレータの間に電子蓄積リングを配設した自由電子レーザ放射ユニットよりコンパクトに構成することができる。
【0025】
なお、上記のビームクオリティ復元システムは、従来電子蓄積リングに電子ビームを導入する際により多くの電子ビームを有効に利用するためエネルギ分布をシャープにする目的で使用されている電子ビームのエネルギ圧縮システム(ECS)と似ている。電子蓄積リングにおいて電子エネルギの保持をさせるためには、注入される電子ビームは量が大きいばかりでなく電子のエネルギが高くしかもビームの質が良くなければならない。そこで、電子蓄積リングの周回条件に適合しないため無駄になる電子ビームも含めて電子ビーム注入口に配置したECSに取り込み、エネルギ幅を減少させて加速することにより電子ビーム全体の質を向上させてから電子蓄積リングに注入する技術的思想があった。しかし、従来は、このようなECSをアンジュレータの上流に配設して、一旦利用した電子ビームの再生利用を図る思想はなかった。
【0026】
また、本発明の第2の自由電子レーザ放射ユニットは、上記ビームクオリティ復元システムにおける偏向電磁石の中間に交代磁界を発生する電子ビームパス調整用アンジュレータを配置したものである。上記のビームクオリティ復元システムでは、電子ビームの代表的なエネルギ状態に基づいてラティス構成や印加する磁場を定めると、実際に入射する電子ビームの条件が変化したときに対応できる範囲が限られていた。本実施例におけるビームクオリティ復元システムでは、四極電磁石と偏向電磁石により電子ビームのパスやビームのサイズの大要を決定した上で、電子ビームの走向方向に沿って延長するアンジュレータの交代磁界により電子ビームを蛇行して進行させるときに、電子ビームのエネルギ水準により蛇行半径が異なるので、電子ビーム内のエネルギ分布を反映したパス長差が生ずるように微調整することができる。
従来のエネルギ圧縮システム(ECS)には、偏向電磁石の他に交代磁界を発生するアンジュレータ等をエネルギ圧縮システム中に用いて電子ビームのパスを調整する技術的思想は見られなかった。
【0027】
本発明の自由電子レーザ放射ユニットによれば、ビームクオリティ復元システムをアンジュレータと組み合わせたため、前段のアンジュレータでFEL発生しエネルギ幅が増大して同じ波長のシンクロトン放射をさせることができなくなった電子ビームをビームクオリティ復元システムで再生して電子ビームの質を向上させて、後段のアンジュレータで前段アンジュレータとほぼ同じ波長のFELを発生させることができる。
【0028】
また、リニアックに直結されたアンジュレータの下流に上記の自由電子レーザ放射ユニット1基以上を直列に配設して、複数のアンジュレータで同時に自由電子レーザを発生させるようにした本発明の自由電子レーザ装置は、同じ波長のFEL光をアンジュレータの数だけ同時に発生させることができ、自由電子レーザ装置のエネルギ効率が上記自由電子レーザ放射ユニットの数だけ向上することになる。
さらに、各段のアンジュレータから放射される自由電子レーザを加え合わせる光学系を備えたものは、強力なレーザ光を供することができる。
【0029】
また、アンジュレータの構造とアンジュレータに入射する電子ビームのエネルギの値を適当に選択することにより、同位体ウラン分離プロセスに使用する励起用と解離用の2種類の大出力レーザ光を同時に発生させるようにすることもできる。本発明の自由電子レーザ装置を利用して同位体ウラン分離を行うと、ガスレーザの場合に必要とされるレーザガスの供給・循環システムが不要であり、また廃棄物が出ないという利点がある。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面によって本発明に係る自由電子レーザ装置を詳細に説明する。
図1は本発明の自由電子レーザ装置の1実施例を示すブロック図、図2は図1の自由電子レーザ装置に用いるビームクオリティ復元システムを示すブロック図である。図中、同じ機能を有する要素については同じ参照番号を付すことにより理解が容易にできるようにした。
【0031】
自由電子レーザ装置は、電子銃、サブハーモニックバンチャー、バンチャー、収束コイル等からなる初段加速部11と主加速部13で構成される電子リニアック10と、第1の偏向輸送系20と、第1のアンジュレータ30と、第2の偏向輸送系24と、ビームクオリティ復元システム40と、第3の偏向輸送系26と、第2のアンジュレータ50と、第4の偏向輸送系28と、ビームダンプ60とからなり、さらに電子リニアック10には補助装置として高電圧発生装置15と、RF電源装置17と、クライストロン装置19を備える。
【0032】
電子リニアック10は、高電圧発生装置15から供給される高電圧電源で駆動された電子銃で発生する電子ビームを、初段加速器11と主加速器13で加速して、ビームエネルギ36MeVピーク電流0.3Aの電子ビームとして射出する。初段加速器11のサブハーモニックバンチャとバンチャ、および主加速部13にはクライストロン装置19からそれぞれ必要な周波数のマイクロ波が高周波立体回路18を介して供給されている。クライストロン装置19には2台のクライストロンが設置されていて高周波立体回路18で接続されており、それぞれの電源を25ms遅延して20PPSで繰り返すように運転することにより40PPS繰り返しを達成するようになっている。
【0033】
電子リニアック10から射出された電子ビームは第1偏向輸送系20で電子ビーム行路を平行にずらし、第1アンジュレータ30に導かれ、ここでFEL光を放射する。第1アンジュレータ30には両端の軸延長上にそれぞれ反射鏡31が配設されていて、光共振器を構成している。
第1偏向輸送系20は、電子ビームの行路を例えば22.5度偏向させる2極偏向電磁石21を1対とそれらの間に配設される幾つかの収束電磁石22とからなり、電子ビームを元の行路と平行な行路に移動させる機能を有する。第1アンジュレータ30の下流には同じ構成を有する第2の偏向輸送系24が配設されている。偏向輸送系をアンジュレータの上流と下流に設けて、アンジュレータに入出射する電子ビームの行路をアンジュレータの軸から偏向させ、光共振器の反射鏡31をアンジュレータの軸上に設置する。
【0034】
第1アンジュレータ30に入射する前の電子ビームは、アンジュレータにおける光放射の条件を満たしエネルギ半値幅が例えば0.1%以下となっているが、第1アンジュレータで光放射をした後の電子ビームは、エネルギ半値幅が拡大し2%以上になっていて、このままでは発振条件を満たさないためビームダンプに捨てていた。
【0035】
本発明の自由電子レーザ装置では、第1アンジュレータ30から放出され第2偏向輸送系24で偏向された電子ビームをビームクオリティ復元システム40に輸送する。
ビームクオリティ復元システム40は、図2に示すように、複数の四極電磁石41と複数の二極電磁石43と1式の追加速管45とからなる。四極電磁石41は収束電磁石で電子ビームの空間的広がりを抑制する機能を有する。
【0036】
図3はビームクオリティ復元システム40の作用を説明する図面である。図中、(a)のグラフはビームクオリティ復元システム40に入射する電子ビーム中の電子バンチのエネルギ分布を時間を横軸にして模式的に表したもの、(b)のグラフは偏向電磁石を通過した後、追加速管45に入射する電子バンチのエネルギ分布を表したもの、(c)のグラフは追加速管45に印加されるRF電圧波形を(b)の時間軸に対応して表現したもの、また(d)のグラフはビームクオリティ復元システム40を出射する電子バンチのエネルギ分布を時間軸に対して表したものである。図中、横軸を任意スケールの時間軸とし、縦軸を(a)(b)(d)については電子ビームのエネルギ、(c)についてはRF電圧にとってある。
【0037】
二極電磁石43には静磁場が形成されていて、第1アンジュレータ30でシンクロトロン放射して、図3の(a)に示すようにエネルギ分布が劣化した電子ビームが二極電磁石43の静磁場を通過すると、上記の(7)式に従ってエネルギの高い電子ほど大きなラーマ半径を持つ行路を走行し、エネルギが低い電子ほど小さなラーマ半径を持つ行路を走行することになるので、行路長が電子の持つエネルギによって異なることになる。一方、電子の速度は変わらないため、エネルギの高い電子と低い電子の行路長差に基づいて、電子バンチ内にエネルギの低い電子が先行し高い電子が後行するような、図3の(b)に示す時間的分布が生じる。
【0038】
複数の二極電磁石43および複数の四極電磁石41のラティスを適切に設計すると、ビームクオリティ復元システム40の中間で一旦広がった電子ビームの径が出口で再び収束するようにすることができる。上記の適切なラティスを通過してビームクオリティ復元システム40から射出された時間的分布を有する電子バンチは、次に追加速管45に導入される。
【0039】
追加速管45は、高周波立体回路18からRFマイクロ波の供給を受けて、電子バンチと同期した正弦波状の電界を発生している。ここで、図3の(c)に示すように、正弦波の立ち下がり傾斜位置に電子バンチが対応するように調整すると、電子バンチ内の低エネルギ電子がより大きなエネルギを受容し、高エネルギ電子がより小さいエネルギを受容して、加速される。従って、追加速管45を通過してビームクオリティ復元システム40を出射する電子ビームのエネルギ幅は、図3の(d)に示すように小さくなり、アンジュレータにおける光発振条件を満たすようになる。なお、加速のために印加するエネルギは、第1アンジュレータ30で光発振するために消費されたエネルギを補填する量であるから、全体の1%程度と僅かでよい。
【0040】
ビームクオリティ復元システム40を出射した電子ビームは、第3偏向輸送系26により後段の第2アンジュレータ50に入射させられて、その交代磁場中で光放射する。
第2アンジュレータ50では、上記(2)式に従い第1アンジュレータ30における波長と同じ波長でFEL発生を行うことができる。
第2アンジュレータを通過した電子ビームは第4偏向輸送系28によりビームダンプ60に投入されて安全に吸収される。
【0041】
上記のように、本発明の自由電子レーザ装置によれば、ひとつの電子リニアックから供給される電子ビームを用いて、直列に配設された同じ条件のアンジュレータで繰り返し光発振させることができるから、自由電子レーザ装置のエネルギ変換効率が向上する。
【0042】
図4は本発明の自由電子レーザ装置の第2の実施例を示すブロック図、図5は図4の自由電子レーザ装置に用いる自由電子レーザ放射ユニットを示すブロック図である。図中、前出の図面と同じ機能を有する要素については同じ参照番号を付すことにより理解が容易にできるようにした。
本実施例の自由電子レーザ装置は、初段加速部11と主加速部13で構成される電子リニアック10と、第1偏向輸送系20と、第1アンジュレータ30と、第2偏向輸送系24と、参照番号70で表される自由電子レーザ放射ユニット9基と、各自由電子レーザ放射ユニットの間に設置される偏向輸送系80と、最終段の自由電子レーザ放射ユニット70の下流に接続された最終段の偏向輸送系88と、ビームダンプ60とからなる。
なお、電子リニアック10には補助装置として高電圧発生装置15と、RF電源装置17と、クライストロン装置19を備える。
【0043】
本実施例の自由電子レーザ装置の電子リニアック10、第1偏向輸送系20、第1アンジュレータ30、第2偏向輸送系24、ビームダンプ60、および電子リニアック10の補助装置の高電圧発生装置15、RF電源装置17、クライストロン装置19については、第1実施例の自由電子レーザ装置と変わるところはないため、略図で表してある。本実施例の自由電子レーザ装置が第1実施例の自由電子レーザ装置と相違する点は、自由電子レーザ放射ユニット70を1基でなく9基設けたところである。
【0044】
自由電子レーザ放射ユニット70は、図5に表したように、ビームクオリティ復元システム72と偏向輸送系74とアンジュレータ76を直列接続したユニットである。これらの要素の構成と機能は第1実施例において説明した通りである。
ビームクオリティ復元システム72の追加速器は、導波管を介して高周波立体回路18からRFマイクロ波の供給を受けて加速する。アンジュレータ76で消費するエネルギは全体の1%程度と僅かであるから、電子のエネルギを同じ水準に戻すとしても補填するエネルギは極く僅かである。
アンジュレータ76には光共振器78が組み合わされていて、(2)式に従い電子ビームのエネルギとアンジュレータの交代磁場の条件によって決まる波長の自由電子レーザを発生する。
【0045】
このように、自由電子レーザ放射ユニット70は、ビームクオリティ復元システム72により前段のアンジュレータでシンクロトロン光放射をしてエネルギを放出しエネルギ幅を劣化させた電子ビームの質を回復してアンジュレータ76に供給し、アンジュレータ76及び光共振器78により再度自由電子レーザ光を放出させることができる。
各アンジュレータと光共振器が同じ構成を有し、電子ビームのエネルギを同じ水準に回復させる場合には、第1アンジュレータ30を含めた各アンジュレータから同じ強度で同じ波長の自由電子レーザ光を同時に発生させることができる。
【0046】
本実施例の自由電子レーザ装置では、電子リニアック10から射出された電子ビームは第1偏向輸送系20により第1アンジュレータ30に導かれシンクロトロン放射を行い第1アンジュレータ30に配設された光共振器で自由電子レーザ光を発生する。
第1アンジュレータでFEL光発生した後の電子ビームは、エネルギ半値幅が拡大し例えば約2%になっていて、このままでは発振条件を満たさない。
第1アンジュレータ30から放出された低エネルギ電子ビームは第2偏向輸送系24により自由電子レーザ放射ユニット70に供給され、自由電子レーザ放射ユニット70内で追加速を受け電子バンチのエネルギ幅を減少させて自由電子レーザを発生する。
自由電子レーザ放射ユニット70で光放射して質の低下した電子ビームは、偏向輸送系80を介してさらに後段の自由電子レーザ放射ユニット70に入射してエネルギ幅を減少させて前段の自由電子レーザ放射ユニットと同質の自由電子レーザを発生する。
このようにして、アンジュレータの段数だけ電子ビームの質の回復とレーザ光放出を繰り返し、最後に最終段の偏向輸送系88によりビームダンプ60に投入されて安全に吸収される。
【0047】
本実施例の自由電子レーザ装置は、アンジュレータを10基備えているためエネルギ変換効率が約10倍となり、容易に連続出力1kW水準のFELを得ることができる。
なお、各光共振器の出力を加え合わせることにより1本の自由電子レーザ光とし10倍程度の強度のレーザ光を得ることが可能である。
また、それぞれの光共振器は独立に波長を選択するようにもできるので、分子法レーザ同位体分離に必要な励起用と解離用の2種類の光を同時に発生させるようにもできる。
なお、本実施例では自由電子レーザ放射ユニットを9基備えているが、必要とされるレーザ光の特性に応じて自由電子レーザ放射ユニットの設置数を増減することが可能であることはいうまでもない。
【0048】
上記実施例の自由電子レーザ装置に用いた自由電子レーザ放射ユニットでは、対象とする電子ビームの性状に基づいて適当なラーマ半径を有しかつ適当な行路長差が発生するようにラティス構成を決定する。したがって、設計時と異なるエネルギ水準やエネルギ分布を有する電子ビームが入射する場合には、この両方が最適な状態になるような運転条件を選ぶことができない。一般にはラティスの配列を保存するためラーマ半径を合わせるように運転するから、適当な行路差長を与えるようにすることができなくなる。
そこで、本発明の第2の自由電子レーザ放射ユニットは、図2における第1の自由電子レーザ放射ユニットにおいてビームクオリティ復元システムの中央に配置された偏向電磁石43を中央で分割して、その間にアンジュレータを配置して構成することを特徴とする。
図6は、この第2の自由電子レーザ放射ユニットにおけるビームクオリティ復元システムの部分を表すブロック図である。図6では図2と同じ機能を有する要素に同じ参照番号を付して説明を簡約化した。
【0049】
図6において、前段のアンジュレータでシンクロトロン放射して図3(a)に示すようなエネルギ分布を有する電子ビームが四極電磁石41により整形を受けながら2個の二極電磁石43を通過する。電子ビームは、電子のエネルギと静磁場の強度に基づくラーマ半径により定まる行路を走向して、下流側の二極電磁石43の出口に達する。この時、電子ビームの中心は行路の軸上にあり、エネルギ分布に基づいた広がりを有する。電子ビームは四極電磁石91で進行方向に整形されてアンジュレータ93に入射する。この広がりを有する電子ビームはアンジュレータ93内を交代磁界により蛇行しながら進行する。このとき電子の持つエネルギが大きいほど蛇行半径が大きくなるので光路長が大きくなり、アンジュレータ93を通過したところにおける電子ビーム内の電子の進行方向分布がエネルギ分布を反映して図3(b)に示すような状態になる。この分布状態はアンジュレータ93の交代磁界強度により微調整することが可能である。アンジュレータ93はシンクロトロン放射を行わせる通常のレーザ発生用アンジュレータと異なり、電子ビームの光路長差を発生させることを目的とするものであるので、区別のためには電子ビームパス調整用アンジュレータということとする。
【0050】
電子ビームパス調整用アンジュレータ93の下流には2個の二極電磁石43と複数の四極電磁石41が上流と対称的に配列されていて、上流側の電磁石列で電子ビームパス調整用アンジュレータに入射されるまでの間に一旦幅方向に広がった電子ビームがこれらの電磁石列を通過する間に収束して、再び細い電子ビームとなって図示しない追加速管に入射しエネルギ圧縮を受けて、図3(d)に示すようなエネルギ分布を有するようになり、自由電子レーザ放射条件を回復する。
なお、この追加速管は上記のようにエネルギ圧縮の作用を担うものなのでエネルギ幅圧縮管と呼ぶこともできる。
電子ビームのエネルギ水準が異なる場合にも偏向電磁石の強度を調整することにより同じ程度のラーマ半径を有するようにすることができるから、この第2の自由電子レーザ放射ユニットでは、四極電磁石と二極電磁石で電子ビームの偏向行路を支配し、エネルギ分布に従う電子分布を電子ビームパス調整用アンジュレータで調整するようにすることができる。このため、電子ビームの性状が変化する場合にも、最適な運転が容易に可能となる。
第2の自由電子レーザ放射ユニットは、前述の第1の自由電子レーザ放射ユニットと全く同等に自由電子レーザ放射装置に組み込むことができる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の自由電子レーザ発生方法と自由電子レーザ装置により、アンジュレータの間に電子蓄積リングを介設させたものと比較してよりコンパクトな自由電子レーザ装置を構成することができ、また、他のレーザ装置に遜色ないエネルギ変換効率を達成することができる。
従って、連続可変波長を有し高輝度な自由電子レーザの特長を生かしてより広い用途に利用することが可能となり、特に励起用と解離用の2種類の光を同時に使用する必要がある同位体ウラン分離プロセスに活用することも可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自由電子レーザ放射装置の第1の実施例を示すブロック図である。
【図2】図1の自由電子レーザ放射装置に用いるビームクオリティ復元システムを示すブロック図である。
【図3】本発明に用いられるビームクオリティ復元システムの作用を説明する図面である。
【図4】本発明の自由電子レーザ装置の第2の実施例を示すブロック図である。
【図5】図4の自由電子レーザ装置に用いる自由電子レーザ放射ユニットを示すブロック図である。
【図6】図1の自由電子レーザ放射装置に用いるビームクオリティ復元システムの別の例を示すブロック図である。
【図7】従来の自由電子レーザ装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 電子リニアック
11 初段加速部
13 主加速部
15 高電圧発生装置
17 RF電源装置
18 高周波立体回路
19 クライストロン装置
20 第1偏向輸送系
21 2極偏向電磁石
22 収束電磁石
24 第2偏向輸送系
26 第3偏向輸送系
28 第4偏向輸送系
30 第1アンジュレータ
31 反射鏡
40 ビームクオリティ復元システム
41 四極電磁石
43 二極電磁石
45 追加速管
50 第2アンジュレータ
60 ビームダンプ
70 自由電子レーザ放射ユニット
72 ビームクオリティ復元システム
74 偏向輸送系
76 アンジュレータ
78 光共振器
80 偏向輸送系
88 最終段偏向輸送系
91 四極電磁石
93 電子ビームパス調整用アンジュレータ

Claims (3)

  1. 複数の偏向電磁石と複数の四極電磁石と追加速管と前記偏向電磁石の中間に設けた交代磁場とを電子ビームが直列に通過するように配設したビームクオリティ復元システムと、該ビームクオリティ復元システムから放出される電子ビームが入射するように配設したレーザ発生用アンジュレータとを備え、前記ビームクオリティ復元システムに入射する電子ビームが前記複数の偏向電磁石と複数の四極電磁石のうち前記交代磁場の上流に設けた偏向電磁石と四極電磁石を直列に通過する間に電子ビーム中の電子バンチ内にエネルギ分布に応じてエネルギの低い電子が先行するような時間的分布を生じさせ、前記交代磁場の磁場強度調整により電子ビームパスの微調整をし、前記追加速管で発生する前記電子バンチに同期したRF電場の傾斜を利用して該電子バンチ内のエネルギ幅を縮小させて、前記アンジュレータでFEL光を発生させる自由電子レーザ放射ユニット。
  2. 請求項記載の自由電子レーザ放射ユニットを少なくとも1基、リニアックに直結されたレーザ発生用アンジュレータの下流に直列に配設して、前記自由電子レーザ放射ユニットのレーザ発生用アンジュレータを加えた複数のレーザ発生用アンジュレータで同時に自由電子レーザを発生させるようにした自由電子レーザ装置。
  3. 請求項記載の自由電子レーザ装置であって、各段のレーザ発生用アンジュレータから放射される自由電子レーザを加え合わせる光学系を備えることを特徴とする自由電子レーザ装置。
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