JPH09229110A - 車両用ディスクブレーキ - Google Patents

車両用ディスクブレーキ

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Publication number
JPH09229110A
JPH09229110A JP8036073A JP3607396A JPH09229110A JP H09229110 A JPH09229110 A JP H09229110A JP 8036073 A JP8036073 A JP 8036073A JP 3607396 A JP3607396 A JP 3607396A JP H09229110 A JPH09229110 A JP H09229110A
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JP
Japan
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hanger pin
pad
spring
locking
disc
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JP8036073A
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English (en)
Inventor
Maomi Koizumi
真臣 小泉
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Nissin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nissin Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハンガーピンとパッドスプリングとを簡単な
構造で容易に着脱できて、摩擦パッドの交換やメンテナ
ンスを容易に行なえるようする。摩擦パッドによる車両
走行時のガタ付き音や制動時の当接音を有効に防止す
る。 【解決手段】 ハンガーピン13を、ブリッジ部3cの
両側から突出する長さで形成し、両端に小径環状溝のス
プリング係止部13a,13aを形成する。パッドスプ
リング14に、摩擦パッド4,4のディスク外側面のデ
ィスク回入側と回出側とをディスク内方へ押圧するパッ
ド押圧片14a,14bと、ハンガーピン13をくぐっ
てパッド押圧片14a,14bの中間部をつなぐ連結片
14cと、連結片14cのディスク回出寄りの両側縁か
らブリッジ部3cの両側へ突出する係止腕14d,14
dと、係止腕14dの先端でスプリング係止部13aと
弾接する係止片14fとを設ける。連結片14cに、ハ
ンガーピン13のディスク内側面に弾接するピン係合部
14eを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や自動二・
三輪車等の走行車両に搭載されるディスクブレーキに係
り、詳しくは、摩擦パッドを吊り下げるハンガーピン
と、摩擦パッドをディスク内方へ弾発保持するパッドス
プリングの取付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】キャリパボディに、ハンガーピンとパッ
ドスプリングとを組合わせした車両用ディスクブレーキ
として、例えば特公昭56−14900号公報や特開平
5−180250号公報に示されるものがある。これら
の技術は、キャリパボディのブリッジ部に、摩擦パッド
を抜き差しする天井開口部を内外に貫通して設け、該天
井開口部を通してディスクロータの両側面に対向配置さ
れる一対の摩擦パッドを、前記ブリッジ部にディスク軸
方向へ架設されるハンガーピンにて吊持すると共に、摩
擦パッドをハンガーピンに係着されるパッドスプリング
にてディスク内方へ付勢して、摩擦パッドが車両の走行
振動でガタ付いたり、同じく制動時の摩擦パッドがディ
スク外方へ浮き上がることのないようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、摩擦パ
ッドを交換やメンテナンスでブリッジ部の天井開口部を
通して抜き取る場合に、前者のディスクブレーキは、ハ
ンガーピンのディスクロータ外方に位置する部分に環状
溝を形成して、この環状溝にパッドスプリングの係止片
を係着しているため、ディスクロータの外周面とハンガ
ーピンとの間に、パッドスプリングの係止片を撓ませて
環状溝に係脱するためのスペースを設ける必要がある
が、このスペースを確保するために、ブリッジ部をディ
スク外方へ移動してキャリパボディを大型化するか、或
いはキャリパボディそのものを、摩擦パッドの交換やメ
ンテナンスの度に車体から取外ししなければならなかっ
た。
【0004】また、後者のディスクブレーキでは、キャ
リパボディのブリッジ部にねじ止めしたハンガーピンの
外側を止め栓で覆って、ハンガーピンを抜け止めする構
造であるため、摩擦パッドの交換やメンテナンスは、ハ
ンガーピンと止め栓とパッドスプリングとの三者を着脱
しなければならない煩わしい作業となっていた。特にハ
ンガーピンと止め栓は、専用の回動工具を用いて着脱し
なければならず、またキャリパボディのブリッジ部とハ
ンガーピンと止め栓のそれぞれにねじ加工を要するな
ど、作業性と加工性及び経済性の各点で不利であった。
更に、いずれのディスクブレーキも、摩擦パッドは、キ
ャリパボディのディスク回入側と回出側とに突設したト
ルク受け部の間に配設されるが、トルク受け部と摩擦パ
ッドとの間には僅かな間隙が設定されているため、車両
走行時の摩擦パッドがディスク周方向に移動してガタ付
音を生じたり、制動時の摩擦パッドがディスクロータと
の摺接によってディスク回出方向へ引き摺られ、ディス
ク回出側のトルク受け部に当たって当接音を発生すると
いう不具合があった。
【0005】そこで本発明は、キャリパボディの天井開
口部を通して摩擦パッドの交換やメンテナンスを行なう
に当たり、ハンガーピンとパッドスプリングとを簡単な
構造で容易に着脱できて、作業性と加工性を高めた車両
用ディスクブレーキを低コストで提供することを主たる
目的とし、併せて摩擦パッドによる車両走行時のディス
ク周方向のガタ付き音や、制動時の当接音の発生を有効
に防止できるようにする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の主たる目的を達成
するため、第1発明では、ディスクロータの外側を跨い
で配設されるキャリパボディのブリッジ部に、摩擦パッ
ドを抜き差しする天井開口部を内外に貫通して設け、該
天井開口部を挟んで前記ディスクロータの両側面に対向
配置される一対の摩擦パッドを、前記ブリッジ部にディ
スク軸方向へ架設されるハンガーピンにて吊持し、該摩
擦パッドをハンガーピンに係着されるパッドスプリング
にてディスク内方へ付勢する車両用ディスクブレーキに
おいて、前記ハンガーピンを、前記ブリッジ部の両側か
ら突出する長さで形成して、該ハンガーピンの両端にそ
れぞれスプリング係止部を凹設し、前記パッドスプリン
グに、前記双方の摩擦パッドのディスク外側面のディス
ク回入側と回出側とをディスク内方へ押圧する一対のパ
ッド押圧片と、両パッド押圧片の中間部をつなぎ、且つ
前記ハンガーピンをくぐって該ハンガーピンのディスク
内側面に弾接する連結片と、該連結片の両側縁から前記
ブリッジ部の両側へ突出する一対の係止腕と、各係止腕
の先端で前記ハンガーピン両端のスプリング係止部と弾
接する一対の係止片とを設けたことを特徴としている。
また、上記従属の目的を達成する第2発明として、第1
発明の一対の係止片を、連結片のディスク回出寄りに連
結したことを特徴としている。
【0007】上記の第1発明では、一対の摩擦パッドを
キャリパボディに組付けする場合に、ハンガーピンのデ
ィスク内側面にパッドスプリングの連結片をくぐらせな
がら、摩擦パッドをハンガーピンから吊り下げてブリッ
ジ部に架設し、ブリッジ部の両側から突出するハンガー
ピン両端のスプリング係止部に、パッドスプリングの双
方の係止片を係着することにより、ハンガーピンの抜け
止めとパッドスプリングの装着と同時に、摩擦パッドが
ディスクロータの両側に対向して吊持される。
【0008】パッドスプリングのパッド押圧片は、ハン
ガーピンのディスク内側面に弾接した連結片や、係止片
をスプリング係止部に弾接した係止腕からの反力を受け
て、摩擦パッド外側面のディスク回入側と回出側とに弾
接し、摩擦パッドをディスク内方へ付勢して、車両走行
時のディスク半径方向のガタ付きや、制動時のディスク
外方への浮き上がりを抑制する。ブリッジ部に架設され
るハンガーピンは、上述のようにパッドスプリングとの
係合によって抜け止めされるため、従来用いていた止め
栓等の抜け止め専用部品と、ブリッジ部やハンガーピン
等へのねじ加工と、ハンガーピンや抜け止め部品を着脱
するための回動工具とがそれぞれ不要となる。
【0009】上記のように装着された摩擦パッドを、交
換やメンテナンスでキャリパボディから取り外す場合に
は、パッドスプリングの係止片をハンガーピンのスプリ
ング係止部との係合と反対方向へ撓ませて、係止片とス
プリング係止部との係合を解除することにより、ハンガ
ーピンの引き抜きが可能となり、該ハンガーピンを引き
抜きすると同時に、摩擦パッドとパッドスプリングの双
方の取り外しが行なわれる。
【0010】ハンガーピンを引き抜きするための上記係
止片の係脱作業は、ハンガーピン両端のスプリング係止
部が突出するブリッジ部の両側で行なわれるため、ディ
スクロータの外周面とハンガーピンとの間に、係脱用の
スペースを設定する必要がなくなる。またハンガーピン
は、両端に同一形状のスプリング係止部を持つ対称形状
に形成されるため、ブリッジ部への差し込み方向と引き
抜き方向とを限定しないで済む。
【0011】また第2発明によれば、パッドスプリング
の一対の係止片を、連結片のディスク回出寄りに連結し
たことによって、ハンガーピンのスプリング係止部に弾
接する係止片からの反力が、摩擦パッドの外側面ディス
ク回出側へ回入側よりも大きく作用して、摩擦パッド
は、ディスク回入側面と内側面とのコーナ部がディスク
回入側のトルク受け部に当接し、またディスク回出側面
と外側面とのコーナ部がディスク回出側のトルク受け部
に当接している。このように摩擦パッドは、予めディス
ク回入側と回出側のトルク受け部との間で傾けられてい
て、トルク受け部との間の間隙を埋めた状態で吊持され
るため、摩擦パッドが車両走行によってディスク周方向
へガタ付いたり、制動時に当接音が発生することがなく
なる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一形態例を図面に
基づいて説明する。
【0013】ディスクブレーキ1は、図示しない車輪と
矢印A方向へ一体に回転するディスクロータ2と、該デ
ィスクロータ2の一側部で車体に固設されるピストン対
向型のキャリパボディ3と、該キャリパボディ3の作用
部3a,3bの間に配設される一対の摩擦パッド4,4
とを持っている。キャリパボディ3は、作用部3a,3
bのそれぞれに、ディスクロータ2の外側を跨いで配設
されるブリッジ部3cの半部づつを一体形成した一対の
キャリパ半体を、4本の連結ボルト7でつないで構成さ
れたもので、作用部3a,3bに対向して設けられた大
小4つのシリンダ孔8a,8bにはピストン9a,9b
が液密に内挿されており、該ピストン9a,9bとシリ
ンダ孔8a,8bの底部との間に、それぞれ液圧室10
が画成されている。
【0014】車体取付け側となる一方の作用部3aに
は、車体取付け用のブラケット3d,3dと、作動液導
入用のユニオン孔11と、作動液中の混入エアを排出す
るためのブリーダスクリュ12とが設けられている。ユ
ニオン孔11には、運転者のブレーキ操作によって、別
途の図示しない液圧マスタシリンダで昇圧された作動液
が導入され、該作動液を4つの液圧室10へ分岐して、
各ピストン9をシリンダ孔8a,8bの開口部方向へ押
動し、各摩擦パッド4のライニング5をディスクロータ
2の両側面へ押圧して、制動作用が行なわれる。
【0015】各摩擦パッド4は、上述のライニング5
と、該ライニング5を保持する金属製の裏板6とからな
っている。ライニング5と該ライニング5が貼着される
裏板6の本体部6aは、ディスクロータ2の曲率に合わ
せて緩やかに湾曲させた横長方形に形成されており、裏
板6の本体部6aの上面には、中央にピン孔6cを穿っ
た吊下げ片6bが突設され、また両側部にスプリング受
け片6d,6dが吊下げ片6bよりも小さく突設されて
いる。
【0016】作用部3a,3bのディスクロータ側に
は、シリンダ孔8a,8bを挟んだディスク回入側と回
出側とに、それぞれ上下に分断されたトルク受け部3
e,3fが、裏板6の本体部6aの横幅よりもやや広い
間隔で突設されており、摩擦パッド4は、両トルク受け
部3e,3fの間に裏板6の本体部6aを収容してハン
ガーピン13にて吊持され、更にハンガーピン13に係
着されたパッドスプリング14の弾発力にてディスク内
方へ付勢されている。
【0017】摩擦パッド4,4の外側位置となるブリッ
ジ部3cの中央部には、天井開口部3gが内外に貫通し
て設けられており、該天井開口部3gを挟んでディスク
軸方向に対向する外面中央の隆条部3h,3hに、ハン
ガーピン吊り下げ用のピン孔3i,3iが貫通形成され
ている。天井開口部3gは、シリンダ孔前面の摩擦パッ
ド4,4を囲う大きさの長方形に形成されており、摩擦
パッド4,4はこの天井開口部3gを通して抜き差しさ
れる。
【0018】前記ハンガーピン13は、ブリッジ部3c
の隆条部3h,3hから突出する長さの丸棒が用いら
れ、両端の突出部分に小径の環状溝を同一形状に設け
て、この環状溝をスプリング係止部13a,13aとし
た対称形状に形成されている。パッドスプリング14
は、一対の平行なパッド押圧片14a,14bと、該パ
ッド押圧片14a,14bの中間部を交差方向につなぐ
連結片14cと、該連結片14cの一方のパッド押圧片
14a側に偏った両側縁から外方へやや傾斜しながら突
出し、更に他方のパッド押圧片14b方向に連結片14
cと平行に延びる一対の係止腕14d,14dとからな
っている。連結片14cの中央には、ピン係合部14e
が円弧状に凹設され、また各係止腕14dの先端には、
それぞれ円弧状の係止片14fが設けられている。
【0019】ハンガーピン13は、一端を一方の隆条部
3hのピン孔3iに挿通し、該一端を天井開口部3gか
ら各作用部3a,3bのトルク受け部3e,3fの間に
差し込まれた摩擦パッド4,4のピン孔6c,6cに挿
通して、摩擦パッド4,4をディスク軸方向へ移動可能
に吊持し、更に一端を他方の隆条部3hのピン孔3iに
挿通して、スプリング係止部13a,13aを隆条部3
h,3hの外側へ突出させた状態で、ブリッジ部3cに
懸架される。
【0020】またパッドスプリング14は、一対のパッ
ド押圧片14a,14bを、天井開口部3g内でディス
クロータ2の外側をディスク軸方向に跨がせ、一方のパ
ッド押圧片14aを、摩擦パッド4,4のディスク回出
側のスプリング受け片6d,6dに掛け渡し、他方のパ
ッド押圧片14bを、同じく摩擦パッド4,4のディス
ク回入側のスプリング受け片6d,6dに掛け渡しなが
ら、連結片14cをハンガーピン13の内側にくぐらせ
て、ピン係合部14eをハンガーピン13のディスク内
側面に弾接させる。係止腕14d,14dは、連結片1
4cと平行な先端側がブリッジ部3cの両側沿って突出
配置され、先端の各係止片14fをハンガーピン13の
スプリング係止部13aにディスク内方から弾接させ
て、パッドスプリング14が装着される。
【0021】このように装着されたパッドスプリング1
4のパッド押圧片14a,14bには、ハンガーピン1
3のディスク内側面に弾接した連結片14cのピン係合
部14eと、係止片14fをスプリング係止部13aに
弾接した係止腕14dからの反力が作用し、摩擦パッド
4,4をディスク内方へ付勢して、車両走行時のディス
ク半径方向のガタ付きや、制動時のディスク外方への浮
き上がりを抑制する。また係止腕14d,14dは、連
結片14cのディスク回出寄りに連結されているため、
係止腕14d,14dからの反力は、パッド押圧片14
aを通して摩擦パッド4,4のディスク回出側に大きく
作用する。
【0022】これにより、摩擦パッド4,4は、予め裏
板6の本体部6aのディスク回入側面と内側面とのコー
ナ部がディスク回入側のトルク受け部3eに当接し、ま
たディスク回出側面と外側面とのコーナ部がディスク回
出側のトルク受け部3fに当接する(図3参照)。この
ように各摩擦パッド4は、予めトルク受け部3e,3f
との間の間隙を埋めた状態で、制動時の挙動と同方向に
傾むいた状態に吊持されているため、車両走行時には、
ディスク半径方向のガタ防止に加えて、ディスク周方向
へのガタ付きをも防止することができ、更に制動時には
ディスクロータ2の引き摺りによる当接音の発生を防止
すると共に、制動時の摩擦パッド4,4が、ディスクロ
ータ2との摺接によってディスク外方へ浮き上がること
がなくなるので、ディスクブレーキ1に設定された制動
トルクを有効に発揮することができるようになる。
【0023】また、上記のように装着された摩擦パッド
4,4を、交換やメンテナンスでキャリパボディ3から
取り外す場合には、パッドスプリング14の係止片14
f,14fを、スプリング係止部13a,13aとの係
合と反対方向のディスク内方へ撓ませて、係止片14
f,14fとスプリング係止部13a,13aとの係合
を解除することにより、ハンガーピン13の引き抜きが
可能となり、該ハンガーピン13を引き抜きすると同時
に、摩擦パッド4,4とパッドスプリング14の双方の
取り外しが行なわれる。
【0024】ハンガーピン13を引き抜きするための上
記係止片14f,14fの係脱作業は、ハンガーピン両
端のスプリング係止部13a,13aが突出するブリッ
ジ部3cの両側で行なわれるため、ディスクロータ2の
外周面とハンガーピン13との間に、係脱用のスペース
を設定する必要がなくなる。またハンガーピン13は、
両端に同一形状のスプリング係止部13a,13aを持
つ対称形状に形成されるため、ブリッジ部3cへの差し
込み方向と引き抜き方向とを限定しないで済み、組付け
作業が容易に行なえる。
【0025】更に本形態例では、ハンガーピン13の架
設状態を力学的に示す図6から明らかなように、ハンガ
ーピン13の中央と両端の3点に、パッドスプリング1
4のピン係合部14eと係止片14f,14fからディ
スク外方へ押し上げる荷重が作用し、また上記ハンガー
ピン13の中央と両端との間の2点に、ブリッジ部3c
の隆条部3h,3hからディスク内方へ押し下げる反対
方向の荷重が作用するため、ハンガーピン13に、逆方
向の荷重が交互にバランスよく分散して打ち消されて行
くので、ハンガーピン13の応力が小さくて済み、ハン
ガーピン13を小径化したり合成樹脂等の軽量材を用い
ることができて、ディスクブレキ全体の軽量化が図れ
る。
【0026】尚、本発明は、パッドスプリングの係止片
を、形態例の如くハンガーピンのスプリング係止部にデ
ィスク内方から係止させることによって軽量化に寄与で
きるが、係止片はディスク外方から係止しても、摩擦パ
ッドの吊下げ機能として何等差支えはない。また、形態
例で示したパッドスプリングのピン係合部を省略して、
連結片をハンガーピンのディスク内側面に直接弾接して
もよい。更に、ハンガーピン両端のスプリング係止部
は、形態例の環状溝以外に、面取りや部分的な切り欠き
とすることもできる。またハンガーピンは、天井開口部
を貫通してブリッジ部に架設してもよく、更に形態例で
示した摩擦パッドのスプリング受け片を省略して、パッ
ドスプリングのパッド押圧片を、裏板のディスク外側面
に直接弾接することもできる。
【0027】
【発明の効果】本発明は、以上に説明した如く、キャリ
パボディのブリッジ部に架設されるハンガーピンを、ブ
リッジ部の両側から突出する長さで形成して、ハンガー
ピンの両端にそれぞれスプリング係止部を凹設し、該ハ
ンガーピンに係着されるパッドスプリングに、ディスク
ロータの外側を跨いで双方の摩擦パッドのディスク外側
面のディスク回入側と回出側とをディスク内方へ押圧す
る一対のパッド押圧片と、両パッド押圧片の中間部をつ
なぎ、且つ前記ハンガーピンをくぐって該ハンガーピン
のディスク内側面に弾接する連結片と、該連結片の両側
縁から前記ブリッジ部の両側へ突出する一対の係止腕
と、各係止腕の先端で前記ハンガーピン両端のスプリン
グ係止部と弾接する一対の係止片とを設けたことによ
り、摩擦パッドを交換やメンテナンスでキャリパボディ
から取り外す場合には、キャリパボディを車体に取付け
たまま、パッドスプリングの係止片をハンガーピンのス
プリング係止部との係合と反対方向へ撓ませるだけで、
摩擦パッドをハンガーピンやパッドスプリングと共に簡
単に取り外すことができる。
【0028】従って、従来ハンガーピンの抜け止めに用
いていた止め栓等の抜け止め専用部品を不要にできるの
で、部品点数の削減が図れ、またハンガーピンや抜け止
め部品を着脱するための回動工具が不要となるので、着
脱作業性にも優れており、更にブリッジ部やハンガーピ
ン等へのねじ加工を不要にできるので、加工性にも優れ
ており、全体を安価に形成することができる。
【0029】また、ハンガーピンを引き抜きするための
上記係止片の係脱作業は、ハンガーピン両端のスプリン
グ係止部が突出するブリッジ部の両側で行なわれるた
め、ディスクロータの外周面とハンガーピンとの間に、
パッドスプリングを係脱するためのスペースを設定する
必要がなくなるので、ディスクブレーキ全体のコンパク
ト化が図れる。更にハンガーピンは、両端に同一形状の
スプリング係止部を持つ対称形状に形成されるため、ブ
リッジ部への差し込み方向と引き抜き方向とを限定しな
いで済み、着脱作業を一層容易に行なうことができる。
【0030】また、パッドスプリングの一対の係止片
を、連結片のディスク回出寄りに連結することにより、
係止腕からの反力がパッド押圧片を通して摩擦パッドの
ディスク回出側に大きく作用し、摩擦パッドは、予めト
ルク受け部の間の間隙を埋めた状態で、制動時の挙動と
同方向へ傾いた状態で吊持されるので、車両走行時にあ
っては、摩擦パッドのディスク半径方向とディスク周方
向のガタ付きが防止され、更に制動時には、摩擦パッド
がディスクロータに引き摺られて当接音を生じることが
なくなり、しかもディスクロータとの摺接によって、制
動時の摩擦パッドがディスク外方へ浮き上がることがな
くなるので、ディスクブレーキに設定された制動トルク
を有効に発揮することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態例を示すディスクブレーキの一
部断面平面図
【図2】本発明の一形態例を示すディスクブレーキの正
面図
【図3】本発明の一形態例を示す図1のIII −III 断面
【図4】本発明の一形態例を示す図2のIV−IV断面図
【図5】本発明の一形態例を示すハンガーピンとパッド
スプリングの分解斜視図
【図6】本発明の一形態例を示すハンガーピンを架設し
た状態の概略図
【符号の説明】
1…ディスクブレーキ 2…ディスクロータ 3…キャリパボディ 3a,3b…作用部 3c…ブリッジ部 3e,3f…トルク受け部 3g…天井開口部 3h…隆条部 3i…ハンガーピン吊り下げ用のピン孔 4…摩擦パッド 5…ライニング 6…裏板 6a…裏板6の本体部 6b…裏板6の吊下げ片 6c…吊下げ片6bのピン孔 6d…裏板6のスプリング受け片 8a,8b…シリンダ孔 9a,9b…ピストン 10…液圧室 13…ハンガーピン 13a…スプリング係止部 14…パッドスプリング 14a,14b…パッド押圧片 14c…連結片 14d…係止腕 14e…ピン係合部 14f…係止片 A…ディスクロータ2の回転方向

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスクロータの外側を跨いで配設され
    るキャリパボディのブリッジ部に、摩擦パッドを抜き差
    しする天井開口部を内外に貫通して設け、該天井開口部
    を挟んで前記ディスクロータの両側面に対向配置される
    一対の摩擦パッドを、前記ブリッジ部にディスク軸方向
    へ架設されるハンガーピンにて吊持し、該摩擦パッドを
    ハンガーピンに係着されるパッドスプリングにてディス
    ク内方へ付勢する車両用ディスクブレーキにおいて、前
    記ハンガーピンを、前記ブリッジ部の両側から突出する
    長さで形成して、該ハンガーピンの両端にそれぞれスプ
    リング係止部を凹設し、前記パッドスプリングに、前記
    双方の摩擦パッドのディスク外側面のディスク回入側と
    回出側とをディスク内方へ押圧する一対のパッド押圧片
    と、両パッド押圧片の中間部をつなぎ、且つ前記ハンガ
    ーピンをくぐって該ハンガーピンのディスク内側面に弾
    接する連結片と、該連結片の両側縁から前記ブリッジ部
    の両側へ突出する一対の係止腕と、各係止腕の先端で前
    記ハンガーピン両端のスプリング係止部と弾接する一対
    の係止片とを設けたことを特徴とする車両用ディスクブ
    レーキ。
  2. 【請求項2】 前記一対の係止片を、前記連結片のディ
    スク回出寄りに連結したことを特徴とする請求項1記載
    の車両用ディスクブレーキ。
JP8036073A 1996-02-23 1996-02-23 車両用ディスクブレーキ Pending JPH09229110A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113803393A (zh) * 2021-11-17 2021-12-17 杭州寰瀛科技有限公司 一种新能源汽车制动器
WO2023032974A1 (ja) * 2021-08-31 2023-03-09 日立Astemo株式会社 車両用ディスクブレーキ及び摩擦パッド

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