JPH09221418A - マイクロスフェアの製造法 - Google Patents

マイクロスフェアの製造法

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JPH09221418A
JPH09221418A JP8333707A JP33370796A JPH09221418A JP H09221418 A JPH09221418 A JP H09221418A JP 8333707 A JP8333707 A JP 8333707A JP 33370796 A JP33370796 A JP 33370796A JP H09221418 A JPH09221418 A JP H09221418A
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acid
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phase
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信之 武智
Seiji Otani
誠司 大谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水中乾燥におけるマイクロスフェアの脱溶媒速
度を高め、得られるマイクロスフェア内における薬物の
取り込み率を改善する方法を提供する。 【解決手段】W/O/WエマルションまたはO/Wエマ
ルションから水中乾燥法によりマイクロスフェアを製造
する方法において、 外水相1m3当たりのマイクロスフェアの量が約0.1〜
約500kgであり、 外水相の容量(単位:m3)の立方根と、気相と接触
する液面の面積(単位:m2)の平方根の比が1:約0.2
〜約4.5であり、 置換回数が約0.01〜約10回/分となるようにW/O/
WエマルションまたはO/Wエマルションを置換し、 液面付近における気体の移動速度が約0.1〜約300m/
秒となるようにW/O/WエマルションまたはO/Wエ
マルションに気体を吹きつけ、 置換回数が約0.5回/分以上となるように気体を置換
することを特徴とするマイクロスフェアの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロスフェア
の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術として、例えばEP-A 481,732
には、薬物とポリ乳酸およびグリコール酸/ヒドロキシ
カルボン酸〔HOCH(C2−C8アルキル)COOH〕
共重合体からなる徐放性製剤が記載されている。該製剤
の製法として、生理活性ペプチドの水溶液を内水相と
し、生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶液を油相とする
W/Oエマルションを水等に加え、W/O/Wエマルシ
ョンから徐放性マイクロスフェアを製造する水中乾燥法
が記載されている。また、特開昭60-100516(EP-A 1452
40)および特開昭62-201816(EP-A 190833)には、水溶
性薬物と高分子重合物とから、水中乾燥法によりマイク
ロカプセルを製造する方法が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】水中乾燥において、マ
イクロスフェアの脱溶媒速度が満足できる速度でなく、
脱溶媒が不十分だとスフェア同士が凝集し易く、スフェ
アの分散性や投与時の通針性に問題が起こる。脱溶媒を
十分に行なおうとすると、水中乾燥時間が非常に長くな
り、得られるマイクロスフェア内における薬物の取り込
み率が低下し、十分満足できない。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような事情に鑑み、
鋭意検討を重ねた結果、特定の条件下に水中乾燥するこ
とにより、マイクロスフェアの脱溶媒速度を高めること
ができ、またマイクロスフェア中への薬物の取り込み率
が著しく改善されることを見いだし、本発明を完成し
た。すなわち本発明は、W/O/Wエマルションまたは
O/Wエマルションから水中乾燥法によりマイクロスフ
ェアを製造する方法において、 外水相1m3当たりのマイクロスフェアの量が約0.1〜
約500kgであり、 外水相の容量(単位:m3)の立方根と、気相と接触
する液面の面積(単位:m2)の平方根の比が1:約0.2
〜約4.5であり、 置換回数が約0.01〜約10回/分となるようにW/O/
WエマルションまたはO/Wエマルションを置換し、 液面付近における気体の移動速度が約0.1〜約300m/
秒となるようにW/O/WエマルションまたはO/Wエ
マルションに気体を吹きつけ、 置換回数が約0.5回/分以上となるように気体を置換
することを特徴とするマイクロスフェアの製造法であ
る。
【0005】本明細書中、アミノ酸,保護基等に関し、
略号で表示する場合、IUPAC−IUB コミッショ
ン・オン・バイオケミカル・ノーメンクレーチュアー
(Commission on Biochemical Nomenclature)による略
号あるいは当該分野における慣用略号に基づくものと
し、また、アミノ酸に関し光学異性体がありうる場合
は、特に明示しなければL体を示すものとする。また、
本明細書中で使用される略号は次のような意味を示す。 NAcD2Nal :N-アセチル-D-3-(2-ナフチル)アラニル D4ClPhe :D-3-(4-クロロフェニル)アラニル D3Pal :D-3-(3-ピリジル)アラニル NMeTyr :N-メチルチロシル DLys(Nic):D-(イプシロン-N-ニコチノイル)リシル Lys(Nisp):(イプシロン-N-イソプロピル)リシル DhArg(Et2):D-(N,N'-ジエチル)ホモアルギニル
【0006】本明細書中、生体内分解性ポリマーの重量
平均分子量は、重量平均分子量が120,000、52,000、22,
000、9,200、5,050、2,950、1,050、580、162の9種類
のポリスチレンを基準物質としてゲルパーミエーション
クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン
換算の分子量である。また、分散度は、このようにして
測定した重量平均分子量から算出したものである。測定
は、GPCカラムKF804Lx2(昭和電工製)、R
IモニターL−3300(日立製作所製)を使用し、移
動相としてクロロホルムを用いた。
【0007】本発明のマイクロスフェアは、生理活性物
質(以下、単に薬物と略記することもある)と生体内分
解性ポリマーとを含有する微粒子(マイクロスフェア)
であればよく、その具体例としては、例えば1個の粒子
中に1個の薬物コアーを含有するマイクロカプセル、1
個の粒子中に多数の薬物コアーを含有する多核マイクロ
カプセル、または分子状で薬物が固溶体として生体内分
解性ポリマーに溶解あるいは分散しているような微粒子
等が挙げられる。
【0008】生理活性物質としては、特に限定されない
が、生理活性ペプチド、抗腫瘍剤、抗生物質、解熱,鎮
痛,消炎剤、鎮咳去痰剤、鎮静剤、筋弛緩剤、抗てんか
ん剤、抗潰瘍剤、抗うつ剤、抗アレルギー剤、強心剤、
不整脈治療剤、血管拡張剤、降圧利尿剤、糖尿病治療
剤、抗脂血症剤、抗凝血剤、止血剤、抗結核剤、ホルモ
ン剤、麻薬拮抗剤、骨吸収抑制剤、骨形成促進剤、血管
新生抑制剤などが挙げられる。生理活性ペプチドとして
は、2個以上のアミノ酸によって構成されるもので、分
子量約200〜約80,000のものが好ましい。生理活性ペプ
チドは、好ましくはLH−RH(黄体形成ホルモン放出
ホルモン)またはその類縁体である。LH−RHの類縁
体としては、LH−RHアゴニストまたはLH−RHア
ンタゴニストが挙げられる。LH−RHアゴニストとし
ては、例えば 式: (Pyr)Glu-R1-Trp-Ser-R2-R3-R4-Arg-Pro-R5 (I) 〔式中、R1はHis,Tyr,Trpまたはp-NH2-Phe;R2はTyr
またはPhe;R3はGlyまたはD型のアミノ酸残基;R4はLe
u,IleまたはNle;R5はGly-NH-R6(R6は水素原子または
水酸基を有しまたは有しないアルキル基)またはNH-R7
(R7は水素原子、アミノまたは水酸基を有しまたは有し
ないアルキル基、またはウレイド(-NH-CO-NH2))を示
す〕で表されるペプチド〔以下、ペプチド(I)と略記
することがある〕またはその塩が挙げられる。
【0009】上記式(I)中、R3におけるD型のアミノ
酸残基としては、例えば炭素数が9までのα-D-アミノ
酸(例、D-Leu,Ile,Nle,Val,Nval,Abu,Phe,Ph
g,Ser,Thr,Met,Ala,Trp,α−Aibu)などが挙げら
れ、それらは適宜置換基(例、tert-ブチル、tert-ブト
キシ、tert-ブトキシカルボニル、メチル、ジメチル、
トリメチル、2-ナフチル、インドリル-3-イル、2-メチ
ルインドリル、ベンジル-イミダゾ-2-イル等)を有して
いてもよい。式(I)中、R6またはR7におけるアルキル
基としては、例えばC1-4アルキル基が好ましく、その
例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチルが
挙げられる。また、ペプチド(I)の塩としては、例え
ば酸塩(例、炭酸塩、重炭酸塩、酢酸塩、トリフルオロ
酢酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩等),金属錯体化
合物(例、銅錯体、亜鉛錯体等)が挙げられる。ペプチ
ド(I)またはその塩は、例えば米国特許第3,853,837
号,同第4,008,209号,同第3,972,859号,英国特許第1,
423,083号,プロシーデイングス・オブ・ザ・ナショナ
ル・アカデミー・オブ・サイエンス・オブ・ジ・ユナイ
テッド・ステイツ・オブ・アメリカ(Proceedings of th
e National Academy of Sciences of the United State
s of America)第78巻,第6509〜6512頁(1981年)等に記
載の方法あるいはこれに準ずる方法により製造すること
ができる。
【0010】ペプチド(I)は、好ましくは下記(a)
〜(j)である。 (a)リュープロレリン〔Leuprorelin、式(I)にお
いてR1=His,R2=Tyr,R3=D-Leu,R4=Leu,R5=NHCH
2-CH3であるペプチド〕;(b)ゴナドレリン(Gonadre
lin)
【化1】 〔ドイツ特許第2213737号〕;(c)ブセレリン(Buser
elin)
【化2】 〔米国特許第4024248号、ドイツ特許第2438352号、特開
昭51-41359号〕;(d)トリプトレリン(Triptoreli
n)
【化3】 〔米国特許第4010125号、特開昭52-31073号〕;(e)
ゴセレリン(Goserelin)
【化4】 〔米国特許第4100274号、特開昭52-136172号〕;(f)
ナファレリン(Nafarelin)
【化5】 〔米国特許第4234571号、特開昭55-164663号、特開昭63
-264498号、特開昭64-25794号〕;(g)ヒストレリン
(Histrelin)
【化6】 ;(h)デスロレリン(Deslorelin)
【化7】 〔米国特許第4569967号、米国特許第4218439号〕;
(i)メテレリン(Meterelin)
【化8】 〔WO9118016〕;(j)レシレリン(Lecirelin)
【化9】 〔ベルギー特許第897455号、特開昭59-59654号〕等が挙
げられる。上記した式(c)〜(j)において、式
(I)のR3に相当するアミノ酸は、D−体である。ペプ
チド(I)またはその塩は、特に好ましくはリュープロ
レリンまたは酢酸リュープロレリンである。ここにおい
て、酢酸リュープロレリンとは、リュープロレリンの酢
酸塩である。
【0011】LH−RHアンタゴニストとしては、例え
ば米国特許第4,086,219号,同第4,124,577号,同第4,25
3,997号,同第4,317,815号で開示されたもの、あるいは
【化10】 〔式中、Xは水素またはテトラヒドロフリルカルボキサ
ミドを、Qは水素またはメチルを、Aはニコチノイルま
たはN,N’−ジエチルアミジノを、Bはイソプロピル
またはN,N’−ジエチルアミジノを示す〕で表される
ペプチド〔以下、ペプチド(II)と略記することがあ
る〕またはその塩が挙げられる。式(II)において、X
は好ましくはテトラヒドロフリルカルボキサミド、さら
に好ましくは(2S)−テトラヒドロフリルカルボキサ
ミドである。また、Aは好ましくはニコチノイルであ
る。Bは好ましくはイソプロピルである。また、ペプチ
ド(II)が1種以上の不斉炭素原子を有する場合、2種
以上の光学異性体が存在する。このような光学異性体お
よびこれらの混合物も本発明に含まれる。
【0012】ペプチド(II)またはその塩は、自体公知
の方法により製造できる。このような方法としては、例
えば特開平3-101695、ジャーナル・オブ・メディシナル
・ケミストリー(Journal of Medicinal Chemistry)、
35巻、3942頁、(1992)などに記載の方法あるいはこれ
に類する方法が挙げられる。ペプチド(II)の塩として
は、好ましくは、薬理学的に許容される塩が用いられ
る。このような塩としては、無機酸(例、塩酸,硫酸,
硝酸など),有機酸(例、炭酸,重炭酸,コハク酸,酢
酸,プロピオン酸,トリフルオロ酢酸など)などとの塩
が挙げられる。ペプチド(II)の塩は、さらに好ましく
は有機酸(例、炭酸,重炭酸,コハク酸,酢酸,プロピ
オン酸,トリフルオロ酢酸など)との塩である。ペプチ
ド(II)の塩は、特に好ましくは酢酸との塩である。こ
れらの塩は、モノないしトリ塩のいずれであってもよ
い。
【0013】ペプチド(II)またはその塩の好ましい例
を以下に示す。
【化11】 〔式中、mは1ないし3の実数を示す〕 (3)NAcD2Nal-D4ClPhe-D3Pal-Ser-Tyr-DhArg(Et2)-Le
u-hArg(Et2)-Pro-DAlaNH2 (4)NAcD2Nal-D4ClPhe-D3Pal-Ser-Tyr-DhArg(Et2)-Le
u-hArg(Et2)-Pro-DAlaNH2・n(CH3COOH) 〔式中、nは1ないし3の実数を示す〕 ペプチド(II)またはその塩は、特に好ましくは上記
(1),(2)である。
【0014】生理活性ペプチドとして、さらに例えばイ
ンスリン,ソマトスタチン,ソマトスタチン誘導体(サ
ンドスタチン,米国特許第4,087,390号,同第4,093,574
号,同第4,100,117号,同第4,253,998号参照),成長ホ
ルモン,プロラクチン,副腎皮質刺激ホルモン(ACT
H),ACTH誘導体(エビラタイドなど),メラノサ
イト刺激ホルモン(MSH),甲状腺ホルモン放出ホル
モン〔(Pyr)Glu-His-ProNH2 の構造式で表わされ、以下
TRHと略記することもある〕その塩およびその誘導体
(特開昭50-121273号,特開昭52-116465号公報参照),
甲状腺刺激ホルモン(TSH),黄体形成ホルモン(L
H),卵胞刺激ホルモン(FSH),バソプレシン,バ
ソプレシン誘導体{デスモプレシン〔日本内分泌学会雑
誌,第54巻第5号第676〜691頁(1978)〕参照},オキ
シトシン,カルシトニン,副甲状腺ホルモン(PT
H),グルカゴン,ガストリン,セクレチン,パンクレ
オザイミン,コレシストキニン,アンジオテンシン,ヒ
ト胎盤ラクトーゲン,ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HC
G),エンケファリン,エンケファリン誘導体〔米国特
許第4,277,394号,ヨーロッパ特許出願公開第31567号公
報参照〕,エンドルフイン,キョウトルフイン,インタ
ーフェロン類(例、α型,β型,γ型等),インターロ
イキン類(例、1,2,3,4,5,6,7,8,9,
10,11,12等),タフトシン,サイモポイエチン,サイ
モシン,サイモスチムリン,胸腺液性因子(THF),
血中胸腺因子(FTS)およびその誘導体(米国特許第
4,229,438号参照),およびその他の胸腺因子〔医学の
あゆみ,第125巻,第10号,835-843頁(1983年)〕,腫瘍
壊死因子(TNF),コロニー誘発因子(CSF,GC
SF,GMCSF,MCSF等),モチリン,ダイノル
フイン,ボムベシン,ニューロテンシン,セルレイン,
ブラディキニン,ウロキナーゼ,アスパラギナーゼ,カ
リクレイン,サブスタンスP,インスリン様成長因子
(IGF−I,IGF−II),神経成長因子(NG
F),細胞増殖因子(EGF,TGF−α,TGF−
β,PDGF,酸性FGF,塩基性FGF等),骨形成
因子(BMP),神経栄養因子(NT−3,NT−4,
CNTF,GDNF,BDNF等),血液凝固因子の第
VIII因子,第IX因子,塩化リゾチーム,ポリミキシン
B,コリスチン,グラミシジン,バシトラシンおよびエ
リスロポエチン(EPO),トロンボポエチン(TP
O),エンドセリン拮抗作用を有するペプチド類(ヨー
ロッパ特許公開第436189号,同第457195号,同第496452
号,特開平3-94692号,同3-130299号公報参照)などが
挙げられる。
【0015】抗腫瘍剤としては、例えばブレオマイシ
ン,メソトレキセート,アクチノマイシンD,マイトマ
イシンC,硫酸ビンブラスチン,硫酸ビンクリスチン,
ダウノルビシン,アドリアマイシン,ネオカルチノスタ
チン,シトシンアラビノシド,フルオロウラシル,テト
ラヒドロフリル−5−フルオロウラシル,クレスチン,
ピシバニール,レンチナン,レバミゾール,ベスタチ
ン,アジメキソン,グリチルリチン,ポリI:C,ポリ
A:U,ポリICLCなどが挙げられる。抗生物質とし
ては、例えばゲンタマイシン,ジベカシン,カネンドマ
イシン,リビドマイシン,トブラマイシン,アミカシ
ン,フラジオマイシン,シソマイシン,塩酸テトラサイ
クリン,塩酸オキシテトラサイクリン,ロリテトラサイ
クリン,塩酸ドキシサイクリン,アンピシリン,ピペラ
シリン,チカルシリン,セファロチン,セファロリジ
ン,セフォチアム,セフスロジン,セフメノキシム,セ
フメタゾール,セファゾリン,セフォタキシム,セフォ
ペラゾン,セフチゾキシム,モキサラクタム,チエナマ
イシン,スルファゼシン,アズスレオナムなどが挙げら
れる。解熱,鎮痛,消炎剤としては、例えばサリチル
酸,スルピリン,フルフェナム酸,ジクロフェナック,
インドメタシン,モルヒネ,塩酸ペチジン,酒石酸レボ
ルファノール,オキシモルフォンなどが挙げられる。
【0016】鎮咳去痰剤としては、例えば塩酸エフェド
リン,塩酸メチルエフェドリン,塩酸ノスカピン,リン
酸コデイン,リン酸ジヒドロコデイン,塩酸アロクラマ
イド,塩酸クロフェダノール,塩酸ピコペリダミン,ク
ロペラスチン,塩酸プロトキロール,塩酸イソプロテレ
ノール,硫酸サルブタモール,硫酸テルブタリンなどが
挙げられる。鎮静剤としては、例えばクロルプロマジ
ン,プロクロルペラジン,トリフロペラジン,硫酸アト
ロピン,臭化メチルスコポラミンなどが挙げられる。筋
弛緩剤としては、例えばメタンスルホン酸プリジノー
ル,塩化ツボクラリン,臭化パンクロニウムなどが挙げ
られる。抗てんかん剤としては、例えばフェニトイン,
エトサクシミド,アセタゾラミドナトリウム,クロルジ
アゼポキシドなどが挙げられる。抗漬瘍剤としては、例
えばメトクロプロミド,塩酸ヒスチジンなどが挙げられ
る。抗うつ剤としては、例えばイミプラミン,クロミプ
ラミン,ノキシプチリン,硫酸フェネルジンなどが挙げ
られる。
【0017】抗アレルギー剤としては、例えば塩酸ジフ
ェンヒドラミン,マレイン酸クロルフェニラミン,塩酸
トリペレナミン,塩酸メトジラジン,塩酸クレミゾー
ル,塩酸ジフェニルピラリン,塩酸メトキシフェナミン
などが挙げられる。強心剤としては、例えばトランスパ
イオキソカンファー,テオフィロール,アミノフィリ
ン,塩酸エチレフリンなどが挙げられる。不整脈治療剤
としては、例えばプロプラノール,アルプレノロール,
ブフェトロール,オキシプレノロールなどが挙げられ
る。血管拡張剤としては、例えば塩酸オキシフェドリ
ン,ジルチアゼム,塩酸トラゾリン,ヘキソベンジン,
硫酸バメタンなどが挙げられる。降圧利尿剤としては、
例えばヘキサメトニウムブロミド,ペントリニウム,塩
酸メカミルアミン,塩酸エカラジン,クロニジンなどが
挙げられる。糖尿病治療剤としては、例えばグリミジン
ナトリウム,グリピザイド,塩酸フェンフォルミン,塩
酸ブフォルミン,メトフォルミンなどが挙げられる。抗
脂血症剤としては、例えばプラバスタチンナトリウム,
シンバスタチン,クリノフィブラート,クロフィブラー
ト,シンフィブラート,ベザフィブラートなどが挙げら
れる。抗凝血剤としては、例えばヘパリンナトリウムな
どが挙げられる。止血剤としては、例えばトロンボプラ
スチン,トロンビン,メナジオン亜硫酸水素ナトリウ
ム,アセトメナフトン,ε−アミノカプロン酸,トラネ
キサム酸,カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム,アド
レノクロムモノアミノグアニジンメタンスルホン酸塩な
どが挙げられる。
【0018】抗結核剤としては、例えばイソニアジド,
エタンブトール,パラアミノサリチル酸などが挙げられ
る。ホルモン剤としては、例えばプレドニゾロン,リン
酸ナトリウムプレドニゾロン,デキサメタゾン硫酸ナト
リウム,ベタメタゾンリン酸ナトリウム,リン酸ヘキセ
ストロール,酢酸ヘキセストロール,メチマゾールなど
が挙げられる。麻薬拮抗剤としては、例えば酒石酸レバ
ロルファン,塩酸ナロルフィン,塩酸ナロキソンなどが
挙げられる。骨吸収抑制剤としては、例えばイプリフラ
ボンなどが挙げられる。骨形成促進剤としては、例えば
BMP,PTH,TGF−β,IGF−1などのポリペ
プチド、(2R,4S)-(-)-N-[4-(ジエトキシホスホリルメチ
ル)フェニル]-1,2,4,5-テトラヒドロ-4-メチル-7,8-メ
チレンジオキシ-5-オキソ-3-ベンゾチエピン-2-カルボ
キサミド、2-(3-ピリジル)-エタン-1,1-ジフォスフォン
酸などが挙げられる。血管新生抑制剤としては、例えば
血管新生抑制ステロイド〔サイエンス(Science)第221
巻719頁(1983年)参照〕,フマギリン(ヨーロッパ特
許公開第325199号公報参照),フマギロール誘導体(ヨ
ーロッパ特許公開第357061号,同第359036号,同第3866
67号,同第415294号公報参照)などが挙げられる。
【0019】生理活性物質は、それ自身であっても、薬
理学的に許容される塩であってもよい。例えば、生理活
性物質がアミノ基等の塩基性基を有する場合、無機酸
(例、塩酸,硫酸,硝酸等)または有機酸(例、炭酸,
コハク酸等)との塩が用いられる。また、生理活性物質
がカルボキシ基等の酸性基を有する場合、無機塩基
(例、ナトリウム,カリウム等のアルカリ金属等)また
は有機塩基化合物(例、トリエチルアミン等の有機アミ
ン類、アルギニン等の塩基性アミノ酸類)との塩が用い
られる。
【0020】本発明において、生理活性物質は、好まし
くは生理活性ペプチド、さらに好ましくはLH−RHま
たはその類縁体、特に好ましくはリュープロレリンまた
は酢酸リュープロレリンである。
【0021】生体内分解性ポリマーとしては、好ましく
は末端に遊離のカルボキシル基を有する生体内分解性ポ
リマーが用いられる。ここにおいて、末端に遊離のカル
ボキシル基を有する生体内分解性ポリマーとは、GPC
測定による数平均分子量と末端基定量による数平均分子
量とがほぼ一致する生体内分解性ポリマーである。末端
基定量による数平均分子量は以下のように算出される。
約1〜3gの生体内分解性ポリマーを、アセトン(25m
l)とメタノール(5ml)の混合溶媒に溶解し、フェノ
ールフタレインを指示薬としてこの溶液中のカルボキシ
ル基を室温(20℃)での撹拌下、0.05Nアルコール性水
酸化カリウム溶液で速やかに滴定し、次式より数平均分
子量を算出する。 末端基定量による数平均分子量=20000×A/B A:生体内分解性ポリマーの質量(g) B:滴定終点までに添加した0.05Nアルコール性水酸化
カリウム溶液の量(ml) 例えば、1種類以上のα−ヒドロキシ酸類から無触媒脱
水重縮合法で合成され、末端に遊離のカルボキシル基を
有するポリマーでは、GPC測定による数平均分子量と
末端定量による数平均分子量とがほぼ一致する。これに
対し、環状二量体から触媒を用いて開環重合法で合成さ
れ、末端に遊離のカルボキシル基を実質的には有しない
ポリマーでは、末端基定量による数平均分子量がGPC
測定による数平均分子量を大きく上回る。この相違によ
って、末端に遊離のカルボキシル基を有するポリマー
は、末端に遊離のカルボキシル基を有しないポリマーと
明確に区別することができる。
【0022】末端基定量による数平均分子量が絶対値で
あるのに対してGPC測定による数平均分子量は各種分
析・解析条件(例えば移動相の種類,カラムの種類,基
準物質,スライス幅の選択,ベースラインの選択等)に
よって変動する相対値である。そのため、両者の一義的
な数値による関連づけは困難であるが、例えばGPC測
定による数平均分子量と末端基定量による数平均分子量
とがほぼ一致するとは、末端基定量による数平均分子量
がGPC測定による数平均分子量の約0.4倍から約2
倍、好ましくは約0.5倍から約2倍、さらに好ましくは
約0.8倍から約1.5倍の範囲であることをいう。また、末
端基定量による数平均分子量がGPC測定による数平均
分子量を大きく上回るとは、末端基定量による数平均分
子量がGPC測定による数平均分子量の約2倍を越える
ことをいう。末端に遊離のカルボキシル基を有する生体
内分解性ポリマーの具体例としては、例えばα−ヒドロ
キシ酸類(例、グリコール酸,乳酸,ヒドロキシ酪酸
等),ヒドロキシジカルボン酸類(例、リンゴ酸等),
ヒドロキシトリカルボン酸(例、クエン酸等)等の1種
以上から無触媒脱水重縮合で合成された重合体、共重合
体、あるいはこれらの混合物、ポリ−α−シアノアクリ
ル酸エステル、ポリアミノ酸(例、ポリ−γ−ベンジル
−L−グルタミン酸等)、無水マレイン酸系共重合体
(例、スチレン−マレイン酸共重合体等)等が挙げられ
る。
【0023】上記した生体内分解性ポリマーにおいて、
重合の形式は、ランダム、ブロック、グラフトのいずれ
でもよい。また、上記したα−ヒドロキシ酸類,ヒドロ
キシジカルボン酸類,ヒドロキシトリカルボン酸類が分
子内に光学活性中心を有する場合、D−,L−,DL−
体のいずれも用いることができる。末端に遊離のカルボ
キシル基を有する生体内分解性ポリマーは、好ましくは
(1)乳酸−グリコール酸重合体(ポリ乳酸,ポリグリ
コール酸などの単重合体、および乳酸とグリコール酸と
の共重合体を含む)または(2)(A)グリコール酸と
一般式
【化12】 (式中、Rは炭素数2から8のアルキル基を表す)で示
されるヒドロキシカルボン酸との共重合体および(B)
ポリ乳酸を混合した生体内分解性ポリマーである。
【0024】生体内分解性ポリマーとして乳酸−グリコ
ール酸重合体を用いる場合、その組成比(乳酸/グリコ
ール酸)(モル%)は約100/0ないし約40/60が好まし
い。組成比は、さらに好ましくは約90/10ないし約50/50
である。上記乳酸−グリコール酸重合体の重量平均分子
量は、好ましくは約5,000から約25,000である。重量平
均分子量は、さらに好ましくは約7,000から約20,000で
ある。また、乳酸−グリコール酸重合体の分散度(重量
平均分子量/数平均分子量)は、好ましくは約1.2から
約4.0である。分散度は、さらに好ましくは、約1.5から
約3.5である。上記乳酸−グリコール酸重合体は、公知
の製造法、例えば特開昭61-28521に記載の製造法に従っ
て製造できる。
【0025】乳酸−グリコール酸重合体の分解・消失速
度は組成あるいは分子量によって大きく変化するが、一
般的にはグリコール酸分率が低いほど分解・消失が遅い
ため、グリコール酸分率を低くするかあるいは分子量を
大きくすることによって放出期間を長くすることができ
る。逆に、グリコール酸分率を高くするかあるいは分子
量を小さくすることによって放出期間を短くすることも
できる。長期間(例えば1〜4カ月)型徐放性製剤とす
るには、上記の組成比および重量平均分子量の範囲の乳
酸−グリコール酸重合体が好ましい。上記の組成比およ
び重量平均分子量の範囲の乳酸−グリコール酸重合体よ
りも分解が速い乳酸−グリコール酸重合体を選択すると
初期バーストの抑制が困難であり、逆に上記の組成比お
よび重量平均分子量の範囲の乳酸−グリコール酸重合体
よりも分解が遅い乳酸−グリコール酸重合体を選択する
と有効量の薬物が放出されない期間を生じやすい。
【0026】上記した一般式(III)中、Rで示される
炭素数2から8の直鎖もしくは分枝状のアルキル基とし
ては、例えばエチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチ
ル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、1-
エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1-ジメチ
ルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、
2-エチルブチルなどが挙げられる。好ましくは、炭素数
2から5の直鎖もしくは分枝状のアルキル基が用いられ
る。具体例としては、例えばエチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチルなどが挙げられる。特に好
ましくは、Rはエチルである。
【0027】一般式(III)で示されるヒドロキシカル
ボン酸としては、例えば2-ヒドロキシ酪酸、2-ヒドロキ
シ吉草酸、2-ヒドロキシ-3-メチル酪酸、2-ヒドロキシ
カプロン酸、2-ヒドロキシイソカプロン酸、2-ヒドロキ
シカプリン酸などが挙げられる。このうち特に、2-ヒド
ロキシ酪酸、2-ヒドロキシ吉草酸、2-ヒドロキシ-3-メ
チル酪酸、2-ヒドロキシカプロン酸が好ましい。一般式
(III)で示されるヒドロキシカルボン酸は、特に好ま
しくは2-ヒドロキシ酪酸である。これらのヒドロキシカ
ルボン酸はD-体、L-体およびD,L-体の何れでもよい
が、D-体/L-体(モル%)が約75/25ないし約25/75の
範囲のものが好ましい。D-体/L-体(モル%)は、さ
らに好ましくは約60/40ないし約40/60、特に好ましくは
約55/45ないし約45/55である。
【0028】グリコール酸と一般式(III)で示される
ヒドロキシカルボン酸との共重合体(以下、グリコール
酸共重合体(A)と略称する)において、共重合の形式
は、ランダム,ブロック,グラフトの何れでもよい。好
ましくは、ランダム共重合体である。一般式(III)で
示されるヒドロキシカルボン酸は、1種または2種以上
適宜の割合で用いてもよい。グリコール酸共重合体
(A)におけるグリコール酸と一般式(III)で示され
るヒドロキシカルボン酸との組成比は、グリコール酸が
約10ないし約75モル%、残りがヒドロキシカルボン酸で
ある場合が好ましい。さらに好ましくは、グリコール酸
が約20ないし約75モル%、残りがヒドロキシカルボン酸
である場合である。特に好ましくは、グリコール酸が約
40〜約70モル%、残りがヒドロキシカルボン酸である場
合である。これらグリコール酸共重合体は、重量平均分
子量が約2,000から約50,000のものが用いられる。重量
平均分子量は、好ましくは約3,000から約40,000、さら
に好ましくは約8,000から約30,000である。また、これ
らのグリコール酸共重合体の分散度(重量平均分子量/
数平均分子量)は、好ましくは約1.2から約4.0、特に好
ましくは約1.5から約3.5である。上記グリコール酸共重
合体(A)は、公知の製造法、例えば特開昭61-28521に
記載の方法に従って製造できる。
【0029】上記(B)のポリ乳酸としては、L-体、
D-体およびこれらの混合物の何れでもよいが、D-体/
L-体(モル%)が約75/25ないし約20/80の範囲のもの
が好ましい。D-体/L-体(モル%)は、さらに好まし
くは約60/40ないし約25/75、特に好ましくは約55/45な
いし約25/75である。該ポリ乳酸の重量平均分子量は、
好ましくは約1,500から約30,000である。重量平均分子
量は、さらに好ましくは約2,000から約20,000、特に好
ましくは約3,000から約15,000である。また、ポリ乳酸
の分散度は、好ましくは約1.2から約4.0、特に好ましく
は約1.5から約3.5である。ポリ乳酸の製造法について
は、乳酸の二量体であるラクチッドを開環重合する方法
と乳酸を脱水重縮合する方法が知られている。本発明で
使用する比較的低分子量のポリ乳酸を得るためには、乳
酸を直接脱水重縮合する方法が好ましい。このような方
法は、例えば特開昭61-28521に記載されている方法ある
いはこれに類似の方法に従って行われる。
【0030】グリコール酸共重合体(A)とポリ乳酸
(B)は、例えば(A)/(B)で表わされる混合比
(重量%)が約10/90ないし約90/10の範囲で使用され
る。混合比(重量%)は、好ましくは約20/80ないし約8
0/20、さらに好ましくは約30/70ないし約70/30である。
(A),(B)のうち何れかの成分が多すぎると(A)
もしくは(B)成分を単独で使用した場合とほとんど同
じ薬物放出パターンを有する製剤しか得られず、混合基
剤による放出後期の直線的な放出パターンが期待できな
い。グリコール酸共重合体(A)およびポリ乳酸の分解
・消失速度は分子量あるいは組成によって大きく変化す
るが、一般的にはグリコール酸共重合体(A)の分解・
消失速度の方が速いため、混合するポリ乳酸の分子量を
大きくする、あるいは(A)/(B)で表わされる混合
比を小さくすることによって放出期間を長くすることが
できる。逆に、混合するポリ乳酸の分子量を小さくす
る、あるいは(A)/(B)で表わされる混合比を大き
くすることによって放出期間を短くすることもできる。
さらに、一般式(III)で示されるヒドロキシカルボン
酸の種類や割合を変化させることにより、放出期間を調
節することもできる。
【0031】末端に遊離のカルボキシル基を有する生体
内分解性ポリマーは、さらに好ましくは乳酸−グリコー
ル酸重合体である。なかでも、組成比(乳酸/グリコー
ル酸)(モル%)が100/0である乳酸−グリコール酸重
合体は、ポリ乳酸であり、該ポリ乳酸を用いてマイクロ
スフェアを製造する場合、得られるマイクロスフェアは
約3カ月以上の長期間にわたって、生理活性物質を安定
に放出することができる。したがって、末端に遊離のカ
ルボキシル基を有する生体内分解性ポリマーは、特に好
ましくはポリ乳酸である。
【0032】本発明において、W/O/Wエマルション
およびO/Wエマルションは、それぞれ(i)生理活性
物質の水溶液、分散液または懸濁液を内水相とし、生体
内分解性ポリマーの有機溶媒溶液を油相とするW/Oエ
マルションを得るか、または(ii)生理活性物質を生体
内分解性ポリマーの有機溶媒溶液に溶解あるいは懸濁し
て油相を得、この(i)または(ii)を水(外水相)に
添加し、分散、乳化することによって製造される。
【0032】上記(i)、すなわち生理活性物質の水溶
液、分散液または懸濁液を内水相とし、生体内分解性ポ
リマーの有機溶媒溶液を油相とするW/Oエマルション
は、以下のようにして製造される。まず、生理活性物質
を水に溶解、分散または懸濁し、内水相を製造する。生
理活性物質の水溶液、分散液または懸濁液中の濃度は、
例えば0.001〜90%(w/w)、好ましくは0.01〜80%(w/w)
である。上記生理活性物質の使用量は、生理活性物質の
種類、所望の薬理効果および効果の持続期間などにより
異なるが、生体内分解性ポリマーに対して、約0.01ない
し約50%(w/w)、好ましくは約0.1〜約40%(w/w)、特に
好ましくは約1ないし約30%(w/w)である。必要であれ
ば、生理活性物質のマイクロスフェアへの取り込みをあ
げるために、内水相にゼラチン、寒天、アルギン酸ナト
リウム、ポリビニールアルコールあるいは塩基性アミノ
酸(例、アルギニン、ヒスチジン、リジン)などの薬物
保持物質を加えてもよい。薬物保持物質の添加量は、生
理活性物質に対し、通常0.01〜10重量倍である。内水相
は、一旦凍結乾燥して粉末状態とした後、適当な濃度と
なるように水を添加して溶解して用いてもよい。
【0033】別に、生体内分解性ポリマーを有機溶媒に
溶解し、油相を製造する。該有機溶媒としては、ハロゲ
ン化炭化水素(例、ジクロロメタン、クロロホルム、ク
ロロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、脂肪
酸エステル(例、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、芳香族
炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン等)が挙
げられ、なかでもジクロロメタンが好ましい。有機溶媒
中の生体内分解性ポリマーの濃度は、該生体内分解性ポ
リマーの種類、分子量、有機溶媒の種類により異なる
が、通常0.01〜90%(w/w)、好ましくは0.01〜70%(w/w)
である。未溶解物がないように溶解するのがよい。この
ようにして得られる生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶
液(油相)に、上記した生理活性物質の水溶液、分散液
または懸濁液(内水相)を添加し、ホモミキサーなどで
分散、乳化し、W/Oエマルションを製造する。
【0034】一方、上記(ii)、すなわち生理活性物質
を生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶液に溶解あるいは
懸濁して得られる油相は、以下のようにして製造され
る。まず、生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶液を製造
する。該有機溶媒としては、上記W/Oエマルションを
製造する際に用いた有機溶媒と同様のものが用いられ
る。有機溶媒溶液中の生体内分解性ポリマーの濃度は、
該生体内分解性ポリマーの分子量、有機溶媒の種類によ
って異なるが、通常約0.01〜約70%(w/w)、好ましくは
約1〜約60%(w/w)である。次に、生理活性物質を生体
内分解性ポリマーの有機溶媒溶液に溶解あるいは懸濁し
て油相を製造する。生理活性物質の使用量は、該生理活
性物質の生体内分解性ポリマーに対する割合が上記W/
Oエマルション(i)を製造する場合と同様になるよう
に選択すればよい。また、(ii)で用いられる生理活性
物質は、水不溶性または水難溶性であることが好まし
い。
【0035】ついで上記した(i)W/Oエマルション
または(ii)油相を、外水相に添加し、ホモミキサーな
どを用いて分散、乳化し、それぞれW/O/Wエマルシ
ョンまたはO/Wエマルションを製造する。外水相の使
用量は、通常上記(i)または(ii)の1〜10000容量
倍、好ましくは10〜2000容量倍、特に好ましくは50〜50
0容量倍である。外水相中には、通常乳化剤を添加す
る。該乳化剤としては、一般的に安定なW/O/Wエマ
ルションまたはO/Wエマルションを形成し得るもので
あればよく、例えばアニオン性界面活性剤、非イオン性
界面活性剤、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリ
ビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシ
メチルセルロース、レシチン、ゼラチン、ヒアルロン酸
などが挙げられるが、なかでもポリビニルアルコールが
好ましい。外水相中の乳化剤の濃度は、通常0.001〜20
%(w/w)、好ましくは0.01〜10%(w/w)、特に好ましくは
0.05〜5%(w/w)である。
【0036】このようにして得られるW/O/Wエマル
ションまたはO/Wエマルション(以下、これらを単に
エマルションと略記する場合がある)を水中乾燥法に付
すことにより、これらエマルションに含まれる有機溶媒
を除去してマイクロスフェアを製造する。以下に水中乾
燥法を行う場合の好ましい各種条件について詳述する。
外水相とマイクロスフェアとの関係は、例えば外水相の
容量と、マイクロスフェアの量(生理活性物質、薬物保
持物質および生体内分解性ポリマーの合計重量)との関
係で表されるが、外水相1m3当たりのマイクロスフェ
アの量は、約0.1〜約500kg、好ましくは約0.5〜約100k
g、さらに好ましくは約1.0〜約20kgである。
【0037】水中乾燥法は、適当な容器、好ましくは外
部と遮断した密閉容器内において行われる。容器と外水
相との関係は、例えば外水相の容量と、外水相が気相と
接触する面積との関係によって表される。本発明におい
て、外水相の容量(単位:m3)の立方根と、気相と接
触する液面の面積(単位:m2)の平方根の比は、1:
約0.2〜約4.5、好ましくは1:約0.5〜約3.0である。ま
た、容器の大きさや形状との関係で、気相と接触する液
面1m2当たり、外水相中のマイクロスフェアの量は、
好ましくは約0.01〜約7000kg、さらに好ましくは約0.02
〜約100kg、特に好ましくは約0.05〜約20kgである。
【0038】エマルションは、流動させることが好まし
い。エマルションの流動は、循環または撹拌により行う
ことができる。例えば循環は、通常ポンプにより、容器
の底部より、エマルションの一部を吸引しパイプを通し
て、これを容器の上部から容器内へ戻すことにより行わ
れる。また、撹拌は、通常の化学合成などで用いる反応
機における撹拌手段でよく、撹拌翼またはマグネットス
ターラーにより行うことができる。この場合、容器内の
エマルションが均一に流動するように行うのがよい。上
記した循環または撹拌の程度は、エマルションの置換回
数で表される。該置換回数は、平均滞留時間の逆数で示
される。例えば、ポンプを用いてエマルションを循環さ
せる場合、エマルションの置換回数は、1分間あたりの
循環流量を容器内のエマルション量で除した値である。
また、エマルションを撹拌する場合、エマルションの置
換回数は、エマルションの平均角速度を2πで除した値
である。本発明の水中乾燥法において、エマルションの
置換回数は、約0.01〜約10回/分、好ましくは約0.1〜
約10回/分、さらに好ましくは約0.5〜約10回/分であ
る。
【0039】エマルションの液面の上部には気体を存在
させることが好ましい。該気体は、水中乾燥法に悪影響
を及ぼさないものであればよく、このような気体として
は、例えば空気、炭酸ガス、窒素ガス、アルゴンガス、
ヘリウムガスなどが挙げられる。エマルションの液面の
上部に存在する気体は、エマルション中から蒸発した有
機溶媒を含むので、順次一部を取り出して、有機溶媒を
含んでいない新しいものに置換することが望ましい。気
体の置換は、例えばエマルションの液面に向けて気体を
吹き付けることにより行われる。エマルションの液面に
吹き付ける気体は、通常エマルションの液面上の気体と
同種のものが用いられる。このような気体は、例えば内
径約0.2〜約1.5cmの穴から、約10〜約1000リットル/分
の流量で1カ所あるいは複数カ所から液面付近に吹きつ
ける。気体の流量は、好ましくは約50〜約500リットル
/分、さらに好ましくは約100〜約400リットル/分であ
る。また、気体の圧力は、例えば約0.3〜約4.0Kg/c
m2、好ましくは約0.5〜約3.0Kg/cm2とする。さらに、
エマルションの液面付近における気体の移動速度は、約
0.1〜約300m/秒、好ましくは約10〜約200m/秒、さ
らに好ましくは約50〜約150m/秒である。気体の置換
は、容器内の気体の置換回数が約0.5回/分以上、好ま
しくは約0.5〜約10回/分、さらに好ましくは約1〜約1
0回/分となるように行われる。上記のような各種条件
を採ることにより、水中乾燥法は、通常約0.5〜約5時
間の短時間で終了する。
【0040】このようにして得られるマイクロスフェア
は、遠心分離あるいは篩などで回収し、所望により、マ
イクロスフェア同士の凝集を防止するため糖あるいは糖
アルコール、無機塩等、好ましくは、マンニトール、ソ
ルビトールなどの凝集防止剤を添加した後、凍結乾燥に
付す。マイクロスフェアと凝集防止剤の混合割合(重量
比)は、50:1〜1:1、好ましくは20:1〜1:1、
さらに好ましくは10:1〜5:1である。凝集防止剤の
添加方法は、マイクロスフェアと凝集防止剤とが均一に
混合される方法であれば特に限定されないが、例えば凝
集防止剤の水溶液にマイクロスフェアを分散する方法等
が挙げられる。
【0041】本発明のマイクロスフェアは、そのまま生
体に投与することもできるが、種々の製剤に成型して投
与することもできる。このような製剤としては、例えば
注射剤、埋め込み剤、経口投与製剤(例、散剤、顆粒
剤、カプセル剤、錠剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤
等)、経鼻投与製剤、坐剤(例、直腸坐剤、膣坐剤な
ど)等が挙げられる。これらの製剤は、製剤分野におい
て通常一般に用いられる公知の方法によって製造するこ
とができる。例えば注射剤は、マイクロスフェアを、水
性あるいは油性の分散媒に分散することにより製造され
る。水性分散媒としては、例えば蒸留水に等張化剤
(例、塩化ナトリウム、ブドウ糖、D-マンニトール、ソ
ルビトール、グリセリンなど)、分散剤(例、Tween 8
0、HCO-50、HCO-60(日光ケミカルズ製)、カルボキシ
メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム)、保存剤
(例、ベンジルアルコール、塩化ベンザルコニウム、フ
ェノールなど)、無痛化剤(例、ブドウ糖、グルコン酸
カルシウム、塩酸プロカインなど)などを溶解して得ら
れる溶液が挙げられる。また、油性分散媒としては、例
えばオリーブ油、ゴマ油、ラッカセイ油、大豆油、コー
ン油、中鎖脂肪酸グリセリドなどが挙げられる。該注射
剤は、プレフィルドシリンジのチャンバー内に充填して
もよい。また、上記した分散媒とマイクロスフェアと
を、2つのチャンバーを有するシリンジ、すなわちダブ
ルチャンバープレフィルドシリンジ(DPS)内の異な
るチャンバーに別々に充填してもよい。
【0042】経口投与製剤は、例えばマイクロスフェア
に、賦形剤(例、乳糖、白糖、デンプンなど)、崩壊剤
(例、デンプン、炭酸カルシウムなど)、結合剤(例、
デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロー
ス、ポリビニールピロリドン、ヒドロキシプロピルセル
ロースなど)、滑沢剤(例、タルク、ステアリン酸マグ
ネシウム、ポリエチレングリコール6000など)などを添
加して圧縮成形し、次いで必要により、味のマスキン
グ,腸溶性あるいは持続性の目的のため自体公知の方法
でコーティングすることにより製造できる。コーティン
グ剤としては、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース,エチルセルロース,ヒドロキシメチルセルロー
ス,ヒドロキシプロピルセルロース,ポリオキシエチレ
ングリコール,ツイーン80,ブルロニックF68,セルロ
ースアセテートフタレート,ヒドロキシプロピルメチル
セルロースフタレート,ヒドロキシメチルセルロースア
セテートサクシネート,オイドラギット(ローム社製,
西ドイツ,メタアクリル酸・アクリル酸共重合)および
色素(例、酸化チタン,ベンガラなど)などが用いられ
る。
【0043】経鼻投与製剤は、固状、半固状または液状
のいずれであってもよい。固状の経鼻投与製剤は、例え
ばマイクロスフェアそのままであってもよいが、通常マ
イクロスフェアに賦形剤(例、グルコース、マンニトー
ル、デンプン、微結晶セルロースなど)、増粘剤(例、
天然ガム類、セルロース誘導体、アクリル酸重合体な
ど)などを添加、混合することにより製造できる。例え
ば液状の経鼻投与製剤は、上記した注射剤の場合と同様
にして製造することができる。また、これらの経鼻投与
製剤は、いずれも、pH調節剤(例、炭酸、リン酸、ク
エン酸、塩酸、水酸化ナトリウムなど)、防腐剤(例、
パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、塩
化ベンザルコニウムなど)などを含んでいてもよい。
【0044】坐剤は、油性または水性であってよく、ま
た、固状、半固状あるいは液状のいずれであってもよ
い。坐剤は、通常油性基剤、水性基剤または水性ゲル基
剤を用いて製造される。油性基剤としては、例えば高級
脂肪酸のグリセリド〔例、カカオ脂、ウイテプゾル類
(ダイナマイトノーベル社)など〕、中級脂肪酸〔例、
ミグリオール類(ダイナマイトノーベル社)など〕、あ
るいは植物油(例、ゴマ油、大豆油、綿実油など)など
が挙げられる。水性基剤としては、例えばポリエチレン
グリコール類、プロピレングリコールなどが挙げられ
る。水性ゲル基剤としては、例えば天然ガム類、セルロ
ース誘導体、ビニール重合体、アクリル酸重合体などが
挙げられる。
【0045】本発明のマイクロスフェアは、好ましくは
注射剤として用いられる。マイクロスフェアの粒子径
は、注射剤として用いた場合に分散性、通針性を満足さ
せる範囲であればよく、例えば平均径として約1から約
300μm、好ましくは約5から約100μmである。
【0046】本発明のマイクロスフェア、および該マイ
クロスフェアを含有してなる製剤(以下、これらをマイ
クロスフェア製剤と略記する)は、低毒性であり、安全
に用いられる。マイクロスフェア製剤の投与量は、主薬
である生理活性物質の種類と含量、剤形、生理活性物質
放出の持続期間、投与対象動物(例、マウス、ラット、
ウマ、ウシ、ヒト等の温血哺乳動物)、投与目的により
異なるが、該主薬の有効量であればよい。例えば成人
(体重50 kg)1人に1回あたりの投与量として、マイ
クロスフェアの重量が約1mgないし約10g、好ましくは
約10mgないし約2gの範囲から適宜選択することができ
る。なお、マイクロスフェア製剤が注射剤である場合の
分散媒の容量は、約0.5ないし約3mlの範囲から適宜選
択することができる。特に、生理活性物質が例えばペプ
チド(I)、(II)またはそれらの塩である場合、例え
ば前立腺癌、前立腺肥大症、乳癌、子宮内膜症、子宮筋
腫、中枢性思春期早発症などのホルモン依存性の疾患の
予防・治療剤または避妊薬として有用なマイクロスフェ
ア製剤が得られる。とりわけ、マイクロスフェア製剤に
おいて、生理活性物質がペプチド(I)またはその塩で
あり、該製剤が注射剤であり、さらに該製剤を上記疾患
の予防・治療剤として用いる場合、該製剤の成人(体重
50 kg)1人に対する1回あたりの投与量は、ペプチド
(I)またはその塩として、好ましくは約1ないし約10
0mg、さらに好ましくは約1ないし約10mgである。
【0047】
【発明の実施の形態】以下に実施例、比較例および実験
例を記載して本発明をさらに具体的に説明するが、本発
明はその要旨を越えない限りこれらに限定されるもので
はない。なお、%は特記しない限り重量%を示す。
【実施例】
実施例1 ナス型コルベンに酢酸リュープロレリン65.0gとゼラチ
ン10.3gを秤量し、注射用水66ミリリットルを加え、完
全に溶解させた。これに、ジクロロメタン(メチレンク
ロリド)873.6gに溶解した乳酸−グリコール酸共重合体
〔乳酸/グリコール酸=75/25(モル%)、重量平均分
子量:約11,000〕521.9gを添加し、オートミニミキサー
で10分間撹拌乳化して、W/Oエマルションを得た。20
0リットルのタンクに0.1%ポリビニルアルコール(ゴー
セノールEG40)水溶液(以下、PVA水溶液と略記
する)(外水相)150リットルを注入した後、該水溶液
に上記したW/Oエマルションを添加し、撹拌乳化し、
W/O/Wエマルションを得た。コルベン内部およびパ
イプ内部への付着があるが、実際にタンク内に注入され
たW/Oエマルションは99%以上であった。得られるW
/O/Wエマルションを、以下の条件で3時間水中乾燥
に付した。 容器の大きさ:200リットル 気相の量:50リットル 外水相の量:150リットル 外水相1m3当たりのマイクロスフェアの量:4.0kg 外水相中のマイクロスフェアの量:気相と接触する液面
1m2当たり1.2kg 外水相の容量(単位:m3)の立方根と、気体と接触する
液面の面積(単位:m2)の平方根の比: 1:1.3 エマルションの置換回数:1.3回/分(200リットル/
分) 液面付近における気体の移動速度:100m/秒 液面の上にある気体の置換回数:6回/分 なお、エマルションの流動は、エマルションの循環、す
なわちタンクの底面からパイプを通してエマルションの
一部を取出し、これをポンプによりパイプを通して液相
の上部に戻すことにより行った。また、液面付近の気体
の流動は、液面の上約10cmのところから、内径6mmのパ
イプから液面に対し約30度の角度で300リットル/分
の流速で、圧縮した空気を吹きつけることにより行っ
た。水中乾燥後、得られるマイクロスフェアを回収し、
マンニトール(94.1g)を添加し、凍結乾燥してマ
イクロスフェア末を得た。
【0048】実施例2 甲状腺ホルモン放出ホルモン(TRH)0.5gを水0.2gに
溶解した水溶液に乳酸/グリコール酸共重合物〔乳酸/
グリコール酸=75/25(W/W)、重量平均分子量:約1
4,000〕4.5gを含むジクロロメタン(4.9ml)溶液を加
え、W/Oエマルションを得た。このW/Oエマルショ
ンの全量を0.1%PVA水溶液(外水相)1リットルに
分散させ、W/O/Wエマルションを得た。該W/O/
Wエマルションを、以下の条件で3時間水中乾燥に付し
た。 容器の大きさ:2.5リットル 気相の量:1.5リットル 外水相の量:1リットル 外水相1m3当たりのマイクロスフェアの量:5kg 外水相中のマイクロスフェアの量:気相と接触する液面
1m2当たり0.09kg 外水相の容量(単位:m3)の立方根と、気体と接触する
液面の面積(単位:m2)の平方根の比: 1:2.4 エマルションの置換回数:1.9回/分(平均角速度3.8π
/分) 液面付近における気体の移動速度:100m/秒 液面の上にある気体の置換回数:5回/分 なお、エマルションの流動は、撹拌機を用いてタンク内
のエマルションを撹拌することにより行った。また、液
面付近の気体の流動は、液面の上約5cmのところから、
内径3mmのパイプから液面に対し約20度の角度で100リ
ットル/分の流速で窒素を吹き付けることにより行っ
た。水中乾燥後、マイクロスフェアを遠心分離で捕集
し、凍結乾燥を行った。窒素吹き込みを行うことによ
り、行わないで調製したマイクロスフェアと比較して、
マイクロスフェアへの薬物取り込み率が4%上昇した。
【0049】実施例3 ナス型コルベンに酢酸リュープロレリン119.3gとゼラチ
ン18.7gを秤量し、注射用水120ミリリットルを加え、完
全に溶解させた。これに、ジクロロメタン1602.8gに溶
解した乳酸−グリコール酸共重合体〔乳酸/グリコール
酸=75/25(モル%)、重量平均分子量:約11,000〕95
7.2gを添加し、オートホモミキサーで10分間撹拌乳化し
て、W/Oエマルションを得た。360リットルのタンク
に0.1%PVA水溶液(外水相)200リットルを注入した
後、該水溶液に上記したW/Oエマルションを添加し、
撹拌乳化し、W/O/Wエマルションを得た。コルベン
内部およびパイプ内部への付着があるが、実際にタンク
内に注入されたW/Oエマルションは99%以上であっ
た。得られるW/O/Wエマルションを、以下の条件で
3時間水中乾燥に付した。 容器の大きさ:360リットル 気相の量:160リットル 外水相の量:200リットル 外水相1m3当たりのマイクロスフェアの量:約5.5kg 外水相中のマイクロスフェアの量:気相と接触する液面
1m2当たり約2.2kg 外水相の容量(単位:m3)の立方根と、気体と接触する
液面の面積(単位:m2)の平方根の比: 1:1.2 エマルションの置換回数:1回/分(200リットル/
分) 液面付近における気体の移動速度:100m/秒 液面の上にある気体の置換回数:1.8回/分 なお、エマルションの流動および気体の流動は実施例1
と同様にして行った。水中乾燥後、得られるマイクロス
フェアを回収し、マンニトール(172.6g)を添加し、凍
結乾燥してマイクロスフェア末を得た。
【0050】実施例4 ナス型コルベンに酢酸リュープロレリン86.7gを秤量
し、注射用水100ミリリットルを加え、完全に溶解させ
た。これに、ジクロロメタン1280gに溶解したポリ乳酸
(重量平均分子量:約14,000)765.1gを添加し、オート
ホモミキサーで13.5分間撹拌乳化して、W/Oエマルシ
ョンを得た。360リットルのタンクに0.1%PVA水溶液
(外水相)200リットルを注入した後、該水溶液に上記
したW/Oエマルションを添加し、撹拌乳化し、W/O
/Wエマルションを得た。コルベン内部およびパイプ内
部への付着があるが、実際にタンク内に注入されたW/
Oエマルションは99%以上であった。得られるW/O/
Wエマルションを、外水相1m3当たりのマイクロスフェ
アの量を約4.2kgとし、気体の流速を350リットル/分と
する以外は、実施例3と同様にして水中乾燥に付した。
水中乾燥後、得られるマイクロスフェアを回収し、マン
ニトール(134.3g)を添加し、凍結乾燥してマイクロス
フェア末を得た。
【0051】実施例5 エマルションの置換回数を0.13回/分(20リットル/
分)とする以外は実施例1と同様にして水中乾燥を行
い、マイクロスフェアを製造した。該マイクロスフェア
を回収し、マンニトール(94.1g)を添加し、凍結乾燥
してマイクロスフェア末を得た。 実施例6 エマルションの流動をタンク内エマルションの撹拌によ
り行い、エマルションの置換回数を1.3回/分(200リッ
トル/分)とする以外は実施例1と同様にして水中乾燥
を行い、マイクロスフェアを製造した。該マイクロスフ
ェアを回収し、マンニトール(94.1g)を添加し、凍結
乾燥してマイクロスフェア末を得た。 実施例7 液面上の気体の置換回数を1.3回/分(内径12mmのパイ
プから200リットル/分)とし、液面付近における気体の
移動速度を15m/秒とする以外は実施例1と同様にして
水中乾燥を行い、マイクロスフェアを製造した。該マイ
クロスフェアを回収し、マンニトール(94.1g)を添加
し、凍結乾燥してマイクロスフェア末を得た。
【0052】実施例8 ナス型コルベンに酢酸リュープロレリン80.5gとゼラチ
ン12.6gを秤量し、注射用水80ミリリットルを加え、完
全に溶解させた。これに、ジクロロメタン1081.9gに溶
解した乳酸−グリコール酸共重合体〔乳酸/グリコール
酸=75/25(モル%)、重量平均分子量:約11,000〕64
6.1gを添加し、オートホモミキサーで10分間撹拌乳化し
て、W/Oエマルションを得た。300リットルのタンク
に0.1%PVA水溶液(外水相)135リットルを注入した
後、該水溶液に上記したW/Oエマルションを添加し、
撹拌乳化し、W/O/Wエマルションを得た。コルベン
内部およびパイプ内部への付着があるが、実際にタンク
内に注入されたW/Oエマルションは99%以上であっ
た。得られるW/O/Wエマルションを、以下の条件で
3時間水中乾燥に付した。 容器の大きさ:300リットル 気相の量:165リットル 外水相の量:135リットル 外水相1m3当たりのマイクロスフェアの量:約5.5kg 外水相の容量(単位:m3)の立方根と、気体と接触する
液面の面積(単位:m2)の平方根の比: 1:1.4 エマルションの置換回数:2.2回/分(300リットル/
分) 液面付近における気体の移動速度:100m/秒 液面の上にある気体の置換回数:1.8回/分 なお、エマルションの流動および気体の流動は実施例1
と同様にして行った。水中乾燥後、得られるマイクロス
フェアを遠心分離機を用いて回収した。
【0053】比較例 エマルションの置換回数を0.8回/分(100リットル/
分)とし、液面への圧縮した空気の吹きつけを行わない
以外は、実施例8と同様にして水中乾燥を行い、マイク
ロスフェアを回収した。
【0054】実験例1 実施例5,6および7で得られたマイクロスフェアおよ
びマイクロスフェア末について、それぞれ水中乾燥終了
時の溶媒含有量と凍結乾燥終了時の主薬の取り込み率と
を〔表1〕に示す。
【表1】 〔表1〕から明らかなように、本発明の製造法によれ
ば、溶媒含有量が少なく、主薬の取り込み率の高いマイ
クロスフェアを製造することができる。
【0055】実験例2 実施例8および比較例で得られたマイクロスフェアにつ
いて、水中乾燥終了時の溶媒含有量と回収時の操作性を
〔表2〕に示す。
【表2】 〔表2〕から明らかなように、水中乾燥時にエマルショ
ンに気体を吹きつけることにより、溶媒含有量が少な
く、かつ回収時の操作性が優れたマイクロスフェアを製
造することができる。
【0056】
【発明の効果】本発明の製造法によれば、水中乾燥時の
マイクロスフェアの脱溶媒速度を高めることにより、短
時間でマイクロスフェアの溶媒含有量を減少させること
ができる。また、溶媒含有量が少なく、主薬の取り込み
率の高いマイクロスフェアを製造することができる。さ
らに、回収時の操作性が優れたマイクロスフェアを製造
することができる。しかも、本発明の製造法により得ら
れたマイクロスフェアは、これを医薬用注射剤として用
いる場合、分散性および通針性に優れる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】W/O/WエマルションまたはO/Wエマ
    ルションから水中乾燥法によりマイクロスフェアを製造
    する方法において、 外水相1m3当たりのマイクロスフェアの量が約0.1〜
    約500kgであり、 外水相の容量(単位:m3)の立方根と、気相と接触
    する液面の面積(単位:m2)の平方根の比が1:約0.2
    〜約4.5であり、 置換回数が約0.01〜約10回/分となるようにW/O/
    WエマルションまたはO/Wエマルションを置換し、 液面付近における気体の移動速度が約0.1〜約300m/
    秒となるようにW/O/WエマルションまたはO/Wエ
    マルションに気体を吹きつけ、 置換回数が約0.5回/分以上となるように気体を置換
    することを特徴とするマイクロスフェアの製造法。
  2. 【請求項2】外水相1m3当たりのマイクロスフェアの
    量が約0.5〜約100kgである請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】外水相の容量(単位:m3)の立方根と、
    気相と接触する液面の面積(単位:m2)の平方根の比
    が1:約0.5〜約3.0である請求項1記載の製造法。
  4. 【請求項4】液面付近における気体の移動速度が約1〜
    約100m/秒である請求項1記載の製造法。
  5. 【請求項5】マイクロスフェアが、生理活性物質と生体
    内分解性ポリマーとを含有する請求項1記載の製造法。
  6. 【請求項6】生理活性物質が生理活性ペプチドである請
    求項5記載の製造法。
  7. 【請求項7】生理活性ペプチドがLHRHまたはその類
    縁体である請求項6記載の製造法。
  8. 【請求項8】生体内分解性ポリマーが末端に遊離のカル
    ボキシル基を有する生体内分解性ポリマーである請求項
    5記載の製造法。
  9. 【請求項9】末端に遊離のカルボキシル基を有する生体
    内分解性ポリマーが乳酸−グリコール酸重合体である請
    求項8記載の製造法。
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