JPH09210570A - 火炎溶射方法 - Google Patents

火炎溶射方法

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JPH09210570A
JPH09210570A JP4295996A JP4295996A JPH09210570A JP H09210570 A JPH09210570 A JP H09210570A JP 4295996 A JP4295996 A JP 4295996A JP 4295996 A JP4295996 A JP 4295996A JP H09210570 A JPH09210570 A JP H09210570A
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正人 熊谷
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聡 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可燃性ガスと支燃性ガスをバーナ以前で完全
に混合するプレミックス型の火炎発生構造を有する溶射
機を用いて、易被酸化性金属を配合した溶射材料を溶射
するとき、ノズル閉塞を防止し、耐火性補修層の緻密性
の向上を図る。 【解決手段】 易被酸化性金属粒子として、粒子径D
(μm)が、下記(1)式で表されるD1 以上とする。 D1 =ki ×L (1)式 ここでLは、混合耐火材料が可燃性ガスとともに支燃性
ガスと混合する領域に流入する位置から火炎発生点まで
の距離(mm)、ki は定数である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工業窯炉の内壁を熱間
で補修する火炎溶射補修方法に関する。とりわけ、易被
酸化性金属粉と粉状の耐火性酸化物を噴射ノズル内で酸
素含有ガスと混合して溶融状態または半溶融状態にし、
コークス炉、高炉、製鋼窯炉等の内壁に、熱間で溶射す
る火炎溶射補修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】火炎溶射補修技術を用いて行う損傷炉壁
耐火物の補修は、修復すべき炉壁耐火物材質と略同様な
組成を有する補修用耐火性粉体に、酸化性粉体を配合し
た混合粉体を火炎溶射補修材料とするもので、酸化性粉
体を燃焼させた時の発熱を利用すると共に、酸化性粉体
自身も酸化物となり、耐火物粉体と一緒に耐火性補修層
を形成するものである。
【0003】そして、火炎溶射補修では適正な溶射効率
を保持するバーナが使用される。通常の可燃性ガスを大
容量使用することを考慮したバーナ構造として、例えば
特開昭55−111860号公報に開示されているよう
に、可燃性ガス(プロパンガス等)と支燃性ガス(酸素
ガス等)を火炎発生前で完全に混合するプレミックス型
の火炎発生構造がある。
【0004】上記のプレミックス型バーナ構造で火炎溶
射補修する場合、例えば特開昭55−111860号公
報に記載されているように、一般的には溶射材料として
耐火性酸化物のみを使用しており、易被酸化性金属粒子
(以下、金属粒子という)と耐火性酸化物粒子(以下、
酸化物粒子という)とからなる混合耐火材料は使用され
ていなかった。
【0005】これに対し、特公平2−45110号公報
に開示されるように、金属粒子と酸化物粒子とからなる
混合耐火材料を可燃性ガスと共に支燃性ガス気流中に噴
射し溶射補修する方法がある。この方法によると、酸化
物粒子のみを溶射材料とした場合と比較して、金属粒子
の酸化発熱を利用することによって可燃性ガスの発熱寄
与を低減することが可能になった。
【0006】これらをもとに大容量の火炎溶射補修を行
う場合、可燃性ガスと支燃性ガスを火炎発生前に完全に
混合するプレミックス型の火炎発生構造を有し、金属粒
子と酸化物粒子とからなる混合耐火材料を可燃性ガスと
共に支燃性ガス気流中に噴射し溶射補修する方法ないし
ノズルが考えられ、特開平7−218147号公報に開
示されている。
【0007】しかしながら、上記方法をそのまま適用し
ただけでは、ノズル内で金属粒子、状況によっては酸化
物粒子までもが溶融、固化して付着物が発生・成長して
ノズルが閉塞する。そのために吹き付け補修層が緻密化
しなかったり、溶射材料の炉壁での付着歩留りも低下す
るという問題点があり、必然的に溶射作業のコスト高騰
を招いた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】可燃性ガスと支燃性ガ
スとを火炎発生前で完全に混合するプレミックス型の火
炎発生構造を有する溶射機で、金属粒子を配合した溶射
材料を用いる溶射補修における重要課題は以下の通りで
ある。 (1)ノズル閉塞の防止 (2)耐火体補修層の緻密化 (3)溶射材料の歩留り向上 本発明は、ノズル閉塞を防止しつつ耐火性補修層の緻密
性の向上等、上記課題を有利に解決出来る経済性に優れ
る火炎溶射補修方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者等の実験・検討結
果に基づく、本発明における上記問題を解決するための
手段を以下に記す。 (a)ノズル閉塞の防止 可燃性ガスと支燃性ガスをバーナ以前で完全に混合する
プレミックス型の火炎発生構造で、金属粒子を配合した
溶射材料を用いる場合、ノズル閉塞は、材料吐出口付近
での付着物の成長によることが観察された。材料吐出口
付近での付着物の成長は、金属粒子のノズル内での溶融
・酸化燃焼によるためと推定される。そして、金属粒子
の燃焼時間はその粒径に依存し、その粒径が小さい程燃
焼時間が短い。そこで、金属粒子のノズル内での溶融・
燃焼を防止するには、該金属粒子の粒径を制御する必要
がある。ところで、さらに詳細に観察すると、金属粒子
によるものとは別に、酸化物粒子の溶融が見いだされ
た。金属粒子に比べて融点の高い酸化物粒子において
も、温度の高い火炎中では、熱容量の小さな粒径の小さ
い粒子は、ノズル内において溶融する可能性があるの
で、その粒径を制御する必要がある。 (b)耐火体補修層の緻密化 ノズル内での金属粒子、さらには酸化物粒子の溶融、燃
焼に起因するノズル閉塞を防止することによって、金属
粒子及び酸化物粒子を溶融ないし半溶融状態で効率良く
被溶着物の表面に到達させると共に、ここで金属粒子を
燃焼させる。その結果、混合耐火材料の粒子が確実に溶
融あるいは半溶融状態になることにより吹き付け補修層
の緻密性を向上させることができる。 (c)溶射材料の歩留り向上 ノズル内での金属粒子、さらには酸化物粒子の溶融、燃
焼に起因するノズル閉塞を防止することによって効率良
く金属粒子及び酸化物粒子を対象表面に到達させ得るば
かりでなく、前述のように混合耐火材料の粒子が完全に
溶融あるいは半溶融状態になることにより付着層を効率
良く形成させ、溶射材料の歩留りを向上することができ
る。
【0010】本発明は以上の手段を総合し、上記課題を
解決するものである。すなわち、第1の発明の技術手段
は、易被酸化性金属粒子と耐火性酸化物粒子とからなる
混合耐火材料が可燃性ガスとともに支燃性ガスと混合
し、次いで火炎が発生するプレミックス型のノズルを用
いて被補修物に溶射する火炎溶射方法において、前記易
被酸化性金属粒子は、粒子径(μm)が、下記(1)式
で表されるD1 以上であるか又は下記(1)式で表され
るD1 までの積算質量分率が30%以下である粒度分布
を有することの何れかを特徴とする火炎溶射方法であ
る。
【0011】D1 =ki ×L (1)式 ここでLは、混合耐火材料が可燃性ガスとともに支燃性
ガスと混合する領域に流入する流路の軸線と支燃性ガス
が該領域に流入する流路の軸線とが交差する点から火炎
発生点までの距離(mm)である。またki は、前記易
被酸化性金属粒子の物質による係数であり、iは該金属
粒子の種類を示す番号(1、2、・・)である。
【0012】第2の発明は、第1の発明をさらに発展さ
せたものであり、金属粒子だけでなく酸化物粒子の粒径
をも規制するものであって、それぞれの融点と火炎温度
の融着性への影響をも考慮して、ノズル閉塞防止効果を
一層高めている。すなわち、第2の発明は、易被酸化性
金属粒子と耐火性酸化物粒子とからなる混合耐火材料が
可燃性ガスと共に支燃性ガスと混合し、次いで火炎が発
生するプレミックス型のノズルを用いて被補修物に溶射
する火炎溶射方法において、前記易被酸化性金属粒子と
耐火性酸化物粒子とは、いずれも粒子径(μm)が、下
記(2)式で表わされるD2 以上であることを特徴とす
る火炎溶射方法であるか又は(2)式で表されるD2
での積算質量分率が30%以下である粒度分布を有する
ことを特徴とする火炎溶射方法である。 D2 =kj ×(Tf −Tm )× L (2)式 ここで,Lは、混合耐火材料が可燃性ガスとともに支燃
性ガスと混合する領域に流入する流路の軸線と支燃性ガ
スが該領域に流入する流路の軸線とが交差する点から火
炎発生点までの距離(mm)である。また、kj は、易
被酸化性金属粒子あるいは耐火性酸化物粒子の物質によ
る係数であり、jは上記各粒子の種類を示す番号(1、
2、・・・)である。さらに、Tf は、火炎温度(℃)
であり、Tm は、易被酸化性金属粒子あるいは耐火性酸
化物粒子の融点(℃)である。上記のいずれの発明にお
いても、金属(合金を含む)粒子については、Si,A
l,Mg,Mn,FeMn,SiMn,CaSi,Fe
Si,FeCr及びCaC2 等のうちいずれか一種また
は二種以上とすることでよいが、特にSiを使用した場
合に効果を発揮する。Si、Al以外の上記ki の値に
ついてはそれぞれの物質の融点と密度、比熱の関数とし
て求めることができる。また、酸化物粒子としては、シ
リカ、アルミナ、ムライト、シャモット系、ジルコン、
ジルコニア、スピネル、マグネシア及びマグクロ等のう
ちのいずれか一種類以上を含むものとすることでよい。
なお、シリカ、アルミナ以外の上記Kj の値については
それぞれの物質の融点と密度、比熱の関数として求める
ことができる。
【0013】金属粒子の形状については、特に規定はな
く、その粒径の上限は溶射可能な範囲であればよいが、
好ましくは最大粒子径を0.3mm以下にすることによ
って、付着層の緻密性、基体への接着性のさらなる向上
を図ることが可能となる。また、酸化物粒子の形状につ
いても特に規定はないが、好ましくは該酸化物粒子の最
大粒子径を0.5mm以下にすることによって、付着層
の緻密性、基体への接着性の更なる向上を図ることが可
能になる。
【0014】なお、本発明における粉体の粒度測定法に
関しては常法に従うことでよい。すなわち、粒度測定法
としては、光学・電子等による顕微鏡法、ふるい分け
法、重力・遠心沈降法、光透過法、比表面積測定による
吸着法等、いずれでもよい。以上、本発明によれば、金
属粒子の酸化・燃焼性の向上はもちろん、付着層自身の
緻密性をも向上させ、更には金属粒子の微粉を使用しな
いことによる安全性も向上出来る効果を有する。
【0015】
【発明の実施の形態】図9に、本発明の適用される火炎
発生前に酸化物粒子4及び金属粒子5と、可燃性ガス
3、支燃性ガス6が完全に混合するプレミックス型の火
炎バーナ構造の例を示した。なお、図9において(a)
は正面図、(b)は側断面図である。可燃性ガス3、耐
火性粒子4、金属粒子5はノズル本体9の中心より外側
にある流路2を通ってバーナタイル1から前方へ噴射さ
れる。中心に位置する支燃性ガス6は流路8を通って送
られ、ノズルキャップ7に衝突して半径方向に進路を曲
げ、上記可燃性ガス3、耐火性粒子4、金属粒子5と混
合する。この混合位置から、バーナタイル1の先端の火
炎発生点までの距離Lが重要な要素である。
【0016】発明者らは、種々の実験結果や熱バランス
を検討し、金属粒子5(以下、金属シリコン)の粒径
(μm)が、図9に示されるL(mm)に対し、D1
2Lであればノズル閉塞が防止できることを見出した。
このようなD1 ≧2Lを満たす粒径を有する金属シリコ
ン粒子はノズル内では溶融せず、ノズル外の火炎中に出
て始めて溶融を開始するものである。上記距離Lは、金
属シリコン粒子を含む混合耐火材料が可燃性ガス3(例
えばプロパンガス)とともに支燃性ガス6(例えば酸素
ガス)と混合するに際し、混合耐火材料4、5がこの領
域に流入する流路の軸線と支燃性ガス6がこの領域に流
入する流路の軸線とが交差する点から火炎発生点までの
距離である。
【0017】上記知見について、アルミニウム、マグネ
シウム等の他の金属粒子5についても同様に検討したと
ころ、その粒径がLに対し、D1 ≧kLであればノズル
の閉塞は生じないことが判った。ここで係数ki は、金
属粒子5の融点T(K)と密度ρ(g/cm3 )、比熱
c(J/g・k)に依存し、ki =f(T、ρ,c)で
表わされる。
【0018】ところで、ある粒度分布を有する金属粒子
5をある粒径以上にふるい分けることは工業的に不利で
ある。そこで,さらに検討を加えた結果、前記D1 まで
の積算質量分率が30%以下の粒度分布を有するもので
あれば,ノズル閉塞は実質的に問題ないことが判った。
積算質量分率が30%を超えると小粒が多くなり、これ
らがノズル内で溶融し,ノズルが閉塞しやすくなる。な
お、好ましくは,積算質量分率が15%以下の粒度分布
を有する金属粒子5を用いることによってノズル閉塞を
ほぼ完全に防止することができる。
【0019】引続き、火炎温度、金属粒子5あるいは酸
化物粒子4の融点を配慮して溶着を検討し、以下の知見
を得た。すなわち、火炎温度Tf (℃)を種々変化させ
た時に、金属シリコンの粒径D2 (μm)が、金属シリ
コンの融点1、440℃に対し、D2 ≧3.0×10-3
×(Tf −1,440)×Lなる関係であれば、ノズル
閉塞が防止できる。かかるD2 ≧3.0×10-3×(T
f −1,440)×Lを満たす粒径を有する金属シリコ
ンであれば、ノズル内では溶融せず、ノズル外の火炎中
に出て初めて溶融を開始するものである。
【0020】上記知見について、酸化物粒子4であるシ
リカについても同様に検討したところ、その粒径D2
L、Tf ,Tm に対し、D2 ≧kj ×(Tf −Tm )×
Lなる関係のであれば、ノズルの閉塞が生じないことが
わかった。ここで、係数kjは、該酸化物粒子4の融点
T(K)と密度ρ(G/cm3 ),比熱C(J/g・
K)に依存し、kj =f(T,ρ,C)で表される。ま
た、Tm は、該酸化物粒子4の融点T(℃)である。
【0021】ところで、ある粒度分布を有する金属粒子
及び酸化物粒子をある粒径以上に篩うことは工業的に不
利である。そこで、さらに検討を加えた結果、前記粒度
Dまでの積算質量分率が30%以下の粒度分布を有する
ものであれば、ノズル閉塞は実質的に問題ないことが判
った。一方、積算質量分率が30%を超えると、小粒が
多くなり、これらがノズル内で溶融してノズルが閉塞し
やすくなる。なお、好ましくは積算質量分率が15%以
下の粒度分布を有する上記金属粒子及び/又は酸化物粒
子を用いることによってノズル閉塞をほぼ完全に防止す
ることができる。また、上記を同時に満たす金属粒子及
び酸化物粒子を使用することで、ノズル閉塞をより完全
に防止することができる。
【0022】
【実施例】
[実施例1]温度750℃に設定した珪石質の基体れん
がに、図9に示すノズル構造を有するバーナにより火炎
溶射を行い、付着層(溶射補修層)を形成した。このノ
ズルは、混合耐火材料4、5(シリカ質粉体および金属
シリコン粉体)が可燃性ガス3(プロパンガス)と共に
支燃性ガス6(酸素ガス)と混合するに際し、混合耐火
材料が該領域に流入する流路の軸線と支燃性ガス6が該
領域に流入する流路の軸線とが交差する点から火炎発生
点までの距離L(図9中におけるL)が10mmと30
mmの2種類を用いた。溶射条件を表1に示す。また、
酸化物粒子であるシリカ質粉体の粒度分布を図1に示
す。
【0023】一方、金属粒子である金属シリコン粉体の
粒度分布を図2〜6に示す。溶射はこれらの金属シリコ
ンを20μmまたは60μmで細粒側をカットしたもの
と、そのままの粒度分布のものを使用した。溶射の成績
としては、ノズルが閉塞するまでの時間、溶射後の付着
層の見かけ気孔率、付着層中の残留金属量、材料歩留り
(全混合耐火材料に対する付着量)を調べ、表2に粒度
分布とともに示した。
【0024】D1 =ki ×L(シリコンの場合ki
2)で規定される粒径以下の積算質量分率が30%を超
え,比較的微粉の多い実験番号G、Hに対し、30%以
下であるA〜Fは、ノズル閉塞までの時間が長く、付着
層の見かけ気孔率や材料歩留りが高くなっている。とり
わけ、積算質量分率をC、Fのように15%以下とする
ことにより、さらにはA、Dのように粒度D1 =ki ×
L未満の微粉をカットすることにより、その効果はとり
わけ顕著である。 [実施例2]温度750℃に設定したアルミナ質の基体
れんがに、図9に示すノズル構造を有するバーナにより
火炎溶射を行い、付着層(溶射補修層)を形成した。溶
射条件を前記表1に同時に示す。酸化物粒子としては、
平均粒径150μmのアルミナ質粉体を用いた。
【0025】アルミニウム粉体の粒度分布を図7、8に
示した。溶射はこれらのアルミニウムを75μmで篩分
けて細粒をカットしたものと、そのままの粒度分布のも
のを使用した。溶射成績として、ノズルが閉塞するまで
の時間、溶射後の付着層の見かけ気孔率、付着層中の残
留金属量、材料歩留り(全混合耐火材料に対する付着
量)を調べ、表2に粒度分布とともに示す。
【0026】D1 =ki ×L(アルミニウムの場合ki
=2.5)で規定される粒径以下の積算質量分率が30
%を超え,比較的微粉の多い実験番号Kに対し、30%
以下であるI,Jは、ノズル閉塞までの時間が長く、付
着層の見かけ気孔率や材料歩留りが高くなっている。と
りわけ、IのようにD未満の微粉をカットすることによ
り、その効果は顕著である。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】[実施例3]雰囲気温度750℃に設定し
たれんが基体に、図9に示すノズル構造を有するバーナ
により火炎溶射を行い、付着層(溶射補修層)を形成し
た。このノズルは、混合耐火材料(シリカ質粉体及び金
属シリコン粉体)が可燃性ガス(プロパンガス)と共に
支燃性ガス(酸素ガス)と混合するに際し、該混合耐火
材料が該領域に流入する流路の軸線と支燃性ガスが該領
域に流入する流路の軸線とが交差する点から火炎発生点
までの距離L(図中におけるL)が30mmのものを用
いた。溶射条件を表1に示す。
【0030】金属シリコン粉体(Tm =1440℃、k
j =3.0×10-3)は、その粒度分布を図2〜6に示
すものを60μmで細粒側をカットしたものと、そのま
まの粒度分布のものとを使用した。シリカ質粉体(Tm
=1650℃、kj =4.5×10-4)は、その粒度分
布を図1に示すものを、6μmで細粒側をカットしたも
のと、そのままの粒度分布のものとを使用した。
【0031】溶射成績として、ノズルが閉塞するまでの
時間、溶射後の付着層の見掛け気孔率、付着層中の残留
金属量、材料歩留り(全混合耐火材料に対する付着量)
を調べ、表3に粒度分布と共に示す。金属シリコン粉体
が、D2 =kj ×(Tf −Tm )×Lで規定される粒径
以下の積算質量分率が30%以下であっても、シリカ質
粉体のそれが30%を超え,微粉の多い実験番号Oに対
し、30%以下であるL〜N,Pは,ノズル閉塞までの
時間が長く、付着層の見掛け気孔率や材料歩留りが高く
なっている。とりわけ、積算質量分率をL,Nのように
15%以下とすることにより、さらにはLのようにD未
満の微粉をカットすることにより、その効果は顕著であ
る。また、P,Qに比較するように、火炎温度が高くな
ると、粉体の粒径を大きくしないと、ノズル詰りの傾向
が見られた。
【0032】
【表3】
【0033】[実施例4]雰囲気温度750℃に設定し
たアルミナ質の基体れんがに、図9に示すノズル構造を
有するバーナにより火炎溶射を行い、付着層(溶射補修
層)を形成した。溶射条件を表1に示す。耐火性酸化物
粒子としては、平均粒径150μmのアルミナ質粉体を
用いた。このアルミナ粉体の粒度分布を図10に示す。
【0034】溶射成績として、ノズルが閉塞するまでの
時間、溶射後の付着層の見掛け気孔率、付着層中の残留
金属量、材料歩留り(全混合耐火材料に対する付着量)
を調べ、表3に粒度分布とともに示す。実施例3と同様
に、アルミニウム粉体、アルミナ質粉体の両方がD2
j ×(Tf −Tm )×Lで規定される粒径以下の積算
質量分率を30%以下とした実験番号Sでは、ノズル詰
りがほとんど防止できている。これに対し、アルミナ質
粉体のそれが30%を超え,微粉の多いTは、Sに比べ
てノズル閉塞時間が短く、金属粒子ばかりでなく酸化物
粒子の粒径を規定することにより、ノズル詰りが一層改
善されることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた酸化物粒子の粒度分布を示す図
である。
【図2】実施例の実験番号A,Bで用いられ,粒子径2
0μmまでの積算質量分率が28%である金属粒子の粒
度分布を示す図である。
【図3】実施例の実験番号Cで用いられ、粒子径20μ
mまでの積算質量分率が8%及び粒子径60μmまでの
積算質量分率が15%である金属粒子の粒度分布を示す
図である。
【図4】実施例の実験番号Gで用いられ、粒子径20μ
mまでの積算質量分率が33%である金属粒子の粒度分
布を示す図である。
【図5】実施例の実験番号D,Eで用いられ、粒子径6
0μmまでの積算質量分率が30%である金属粒子の粒
度分布を示す図である。
【図6】実施例の実験番号Hで用いられ、粒子径60μ
mまでの積算質量分率が34%である金属粒子の粒度分
布を示す図である。
【図7】実施例の実験番号I,Jで用いられ、粒子径7
5μmまでの積算質量分率が28%である金属粒子の粒
度分布を示す図である。
【図8】実施例の実験番号Kで用いられ、粒子径75μ
mまでの積算質量分率が32%である金属粒子の粒度分
布を示す図である。
【図9】バーナ以前で材料と可燃性ガスと支燃性ガスが
完全に混合するプレミックス型の火炎バーナ構造で、
(a)は正面図、(b)は側断面図である。
【図10】実施例で用いた酸化物粉体の粒度分布を示す
図である。
【図11】実施例の実験番号Mで用いられ、粒子径6μ
mまでの積算質量分率が30%である酸化物粒子の粒度
分布を示す図である。
【図12】実施例の実験番号Nで用いられ,粒子径6μ
mまでの積算質量分率が15%である酸化物粒子の粒度
分布を示す図である。
【図13】実施例の実験番号Oで用いられ、粒子径6μ
mまでの積算質量分率が33%である酸化物粒子の粒度
分布を示す図である。
【図14】実施例の実験番号Pで用いられ,粒子径73
μmまでの積算質量分率が15%である金属粒子の粒度
分布を示す図である。
【図15】実施例の実験番号Qで用いられ、粒子径73
μmまでの積算質量分率が35%である金属粒子の粒度
分布を示す図である。
【図16】実施例の実験番号P,Qで用いられ、粒子径
8μmまでの積算質量分率が30%である酸化物粒子の
粒度分布を示す図である。
【図17】実施例の実験番号Rで用いられ,粒子径5μ
mまでの積算質量分率が18%である酸化物粒子の粒度
分布を示す図である。
【図18】実施例の実験番号Sで用いられ,粒子径5μ
mまでの積算質量分率が40%である酸化物粒子の粒度
分布を示す図である。
【符号の説明】
1 バーナタイル 2 流路 3 可燃性ガス 4 酸化物粒子 5 金属粒子 6 支燃性ガス 7 ノズルキャップ 8 支燃性ガスの流路 9 ノズル本体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 聡 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 田村 望 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 易被酸化性金属粒子と耐火性酸化物粒子
    とからなる混合耐火材料が可燃性ガスと共に支燃性ガス
    と混合し、次いで火炎が発生するプレミックス型のノズ
    ルを用いて被補修物に溶射する火炎溶射方法において、 前記易被酸化性金属粒子は、粒子径(μm)が、下記
    (1)式で表されるD1以上であることを特徴とする火
    炎溶射方法。 D1 =ki × L (1)式 ここで L: 混合耐火材料が可燃性ガスと共に支燃性ガスとの
    混合領域に流入する位置から火炎発生点までの距離(m
    m) ki :易被酸化性金属粒子の物質による係数であり、i
    は該金属粒子の種類を表わす番号(1、2、3・・・
    ・)
  2. 【請求項2】 前記粒子径(μm)が、(1)式で表さ
    れるD1 以上であることに代えて、(1)式で表される
    1 までの積算質量分率が30%以下である粒度分布を
    有することを特徴とする請求項1記載の火炎溶射方法。
  3. 【請求項3】 易被酸化性金属粒子と耐火性酸化物粒子
    とからなる混合耐火材料が可燃性ガスと共に支燃性ガス
    と混合し、次いで火炎が発生するプレミックス型のノズ
    ルを用いて被補修物に溶射する火炎溶射方法において、
    前記易被酸化性金属粒子と耐火性酸化物粒子とは、それ
    ぞれ粒子径(μm)が、下記(2)式で表わされるD2
    以上であることを特徴とする火炎溶射方法。 D2 =kj ×(Tf −Tm )× L (2)式 ここで, L: 混合耐火材料が可燃性ガスと共に支燃性ガスとの
    混合領域に流入する位置から火炎発生点までの距離(m
    m) kj :易被酸化性金属粒子あるいは耐火性酸化物粒子の
    物質による係数であり、 jは上記各粒子の種類を表わす番号(1、2、3・・・
    ・) Tf :火炎温度(℃) Tm :易被酸化性金属粒子あるいは耐火性酸化物粒子の
    融点(℃)
  4. 【請求項4】 前記粒子径(μm)が、(2)式で表わ
    されるD2 以上であることに代えて、(2)式で表され
    るD2 までの積算質量分率が30%以下である粒度分布
    を有することを特徴とする請求項3記載の火炎溶射方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002096003A (ja) * 2000-06-02 2002-04-02 Spraying Syst Co 改良型空気式スプレーノズル
WO2022202583A1 (ja) * 2021-03-26 2022-09-29 デンカ株式会社 無機酸化物粉末、樹脂組成物及び圧縮成形品
WO2022202584A1 (ja) * 2021-03-26 2022-09-29 デンカ株式会社 無機酸化物粉末、樹脂組成物及び圧縮成形品

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