JPH09209955A - 密閉形回転圧縮機 - Google Patents

密閉形回転圧縮機

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JPH09209955A
JPH09209955A JP1779896A JP1779896A JPH09209955A JP H09209955 A JPH09209955 A JP H09209955A JP 1779896 A JP1779896 A JP 1779896A JP 1779896 A JP1779896 A JP 1779896A JP H09209955 A JPH09209955 A JP H09209955A
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JP
Japan
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vane
roller
crankshaft
oil
chamber
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JP1779896A
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English (en)
Inventor
Takeshi Odajima
毅 小田島
Yasuhiro Oshima
靖浩 大嶋
Masatoshi Mishina
将利 三品
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダ室のロ−ラとベ−ンとの接触部の潤
滑を効果的に行なえるようにするとともに、性能の低下
を防止する。 【解決手段】 シリンダ室6a内では、クランク軸5の
偏心部により、ロ−ラ9がシリンダ室6aの側面に沿っ
て公転運動しており、このロ−ラ9にベーン11の先端
が押圧されて、ベーン11の公転運動に応じて溝6cを
往復運動している。ベーン11の吸込室6d側の側面に
は溝状の油溜め部18が設けられており、ベーン11が
給油ポンプ室13側に押し込められているときには、油
溜め部18はシリンダ室6aと給油ポンプ室13とから
離れ、圧力によって給油ポンプ室13から油溜め部18
に冷凍機油が送り込まれる。ロ−ラ9の公転運動によっ
て油溜め部18が吸込室6dに開口すると、その瞬間、
油溜め室18の冷凍機油が吸込室6dに供給され、ロー
ラ9の面に付着される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密閉形回転圧縮機
に係り、特に、ロ−ラとベ−ンとの接触部の潤滑改善に
関する。
【0002】
【従来の技術】図8は密閉形回転圧縮機の一従来例を示
す縦断面図であって、1は密閉容器、2は固定子、3は
回転子、4は冷凍機油、5はクランク軸、5bはスパイ
ラル油溝、6はシリンダ、7は主軸受、8は副軸受、8
aは吐出サイレンサ室、9はロ−ラ、10はバネ、11
はベ−ン、12a,12bはノズル形流体ダイオ−ド、
14は冷媒吸入管、15は吐出管、16は連通孔であ
る。
【0003】また、図9は図8の分断線A−Aに沿う横
断面図であって、5aは油通孔、5cは偏心部、6aは
シリンダ室、6bは吸込口、6cは溝、6dは吸込室、
6eは圧縮室、13は給油ポンプ室であり、図8に対応
する部分には同一符号を付けている。
【0004】図8において、この密閉容器1内には、電
動要素部と圧縮要素部が収納され、かつ冷凍機油4が貯
溜されている。
【0005】電動要素部は回転子3と固定子2とからな
り、回転子3にクランク軸5が焼嵌されている。
【0006】圧縮要素部では、主軸受7と副軸受8とが
シリンダ室6aの側壁を兼ねて設けられ、これら主軸受
7と副軸受8とによってクランク軸5が支持されてい
る。シリンダ6では、図9に示すように、円筒状のロ−
ラ9が設けられ、このローラ9にクランク軸5の偏心部
5cが摺動可能に嵌合されている。このローラ9は、ま
た、主軸受7と副軸受8とに摺動可能であって、偏心部
5cの偏心回転とともに、クランク軸5の中心線を中心
に、かつシリンダ室6aの壁面に沿って公転運動をす
る。
【0007】このシリンダ6は、溝6cを介して、給油
ポンプ室13が連結されている。そして、この溝6c内
にベ−ン11が挿入されており、このべーン11は、そ
の先端が常時ロ−ラ9に当接するように、バネ10によ
って押圧され、ローラ9の公転運動に応じて溝6cを往
復運動する。また、ベ−ン11がローラ9に押圧されて
いることにより、シリンダ室6aが吸込室6dと圧縮室
6eとに仕切られている。
【0008】かかる構成により、密閉形回転圧縮機の運
転が開始してクランク軸5が回転すると、シリンダ室6
a内でロ−ラ9が公転運動し、冷媒吸入管14から流入
された冷媒ガスが、図9において、吸込口6bからシリ
ンダ室6aの吸込室6dに吸い込まれ、ロ−ラ9の公転
運動とともに圧縮室6eで圧縮される。このように圧縮
された冷媒ガスは、図8において、副軸受8に配設した
吐出孔(図示せず)や吐出弁(図示せず),吐出サイレ
ンサ室8aを通過し、連通孔16を経て密閉容器1内に
放出され、さらに、密閉容器1に接続された吐出管15
から密閉容器1外へ導出される。
【0009】ここで、ローラ9の公転運動に追従して往
復運動するベ−ン11によって給油ポンプ室13の容積
変化を生ずるが、この容積が小さくなるときに、密閉容
器1内に貯溜された冷凍機油4が給油ポンプ室13から
ノズル型流体ダイオ−ド12a,12bを通ってクラン
ク軸5の圧縮要素部側の部分に供給され、このクランク
軸5の偏心部5cの油通孔5aを通ってロ−ラ9内に送
られるとともに、クランク軸5に設けられたスパイラル
油溝5bを介して主軸受7と副軸受8とに供給される。
ローラ9内に供給された冷凍機油4は、ローラ9と主軸
受7,副軸受8との間の潤滑に用いられる。これによ
り、圧縮要素部のシ−ル及び潤滑が行なわれる。
【0010】上記の各部材の摺動部での潤滑機構は、密
閉形回転圧縮機の信頼性に大きく関与している。特に、
ロ−ラ9とベ−ン11との接触部は線接触となり、ベー
ン11が高温・高圧の雰囲気下で往復摺動を繰り返す過
酷な条件で使用されることから、摩擦や摩耗の問題は避
けられない状態にある。
【0011】次に、かかる従来の密閉形回転圧縮機での
ロ−ラ9とベ−ン11との潤滑機構を図10〜図12を
用いてさらに詳しく説明する。
【0012】図10は図9でのシリンダ室6a内への冷
凍機油4の流れをモデル化して示した図であって、図9
に対応する部分には同一符号を付けている。
【0013】図10において、ロ−ラ9とベ−ン11の
接触部の潤滑は、シリンダ室6a内へ送り込まれる冷凍
機油4、即ち、吸込室6d内の圧力と密閉容器1内の吐
出圧力との圧力差による ロ−ラ9内からローラ9の端面と主軸受7,副軸受8
との間の隙間を通って漏れ込む冷凍機油4 溝6cでのベ−ン11との隙間を通ってポンプ室13
から漏れ込む冷凍機油4と 吸込口6bから吸込室6dに流入する冷媒ガス中に含
まれている冷凍機油4とがあり、これらがロ−ラ9の外
周部に付着し、ロ−ラ9の公転運動によってベ−ン11
との接触部に供給されている。
【0014】なお、上記及びによって漏れ込む冷凍
機油4には冷媒が溶け込んでおり、この冷媒の再膨張が
冷力低下の原因となる。このために、定格時の性能向上
策として、これらの隙間は極力小さくして僅かの漏れ込
みに抑えている。この結果、過負荷条件になってくる
と、給油量が不足気味となってくる。
【0015】この対策として、実開昭53−46612
号公報に開示される密閉形回転圧縮機においては、図1
1に示すように、ベーン11の側面に溝17を設けるこ
とにより、ベ−ン11の往復運動により、シリンダ室6
aの内圧と給油ポンプ室13の内圧(従って、密閉容器
1の内圧)との間に差圧がある状態では、この溝17に
よってシリンダ室6aと給油ポンプ室13とが連通し、
シリンダ室6aの内圧と給油ポンプ室13の内圧とが等
しくなる前にシリンダ室6aと給油ポンプ室13との間
が遮断されるようにし、密閉容器1の下部に貯溜されて
いる冷凍機油4が給油ポンプ室13からこの溝17を通
じてシリンダ室6a内に送り込まれるようにして、ロ−
ラ9とベ−ン11との接触部の潤滑を向上させている。
この溝17は、その位置及びその長さを変化させること
により、シリンダ室6aと給油ポンプ室13が連通して
いる期間を調節できるようにしている。
【0016】また、特開昭61−155681号公報に
開示される密閉形回転圧縮機においては、図12に示す
ように、ベ−ン11に油溜め部18が設けられ、ローラ
9が下死点近傍にある図12(a)に示す状態では、こ
の油溜め部18が給油ポンプ室13と連通して冷凍機油
が流れ込み、ローラ9が上死点近傍にある図12(b)
に示す状態では、油溜め部18がシリンダ室6aの吸込
室と連通し、この油溜め部18内の冷凍機油に混入して
いる冷媒ガスが膨張してこの冷凍機油の見掛け上の体積
が増加し、その増加分が低圧の吸込室に流れ込むように
している。ローラ9が下死点近傍と上死点近傍との間に
ある図12(c)に示す状態では、油溜め部18は、ク
ランク軸5の如何なる回転角度においても、給油ポンプ
室13と吸込室を連通させない。
【0017】かかる構成により、給油ポンプ室13と吸
込室とでの差圧により、密閉容器1の下部に貯溜されて
いる冷凍機油4をシリンダ室6a内へ供給するととも
に、シリンダ室6a内への給油過剰を防止している。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、密
閉形回転圧縮機の信頼性に最も重要なロ−ラ9とベ−ン
11との接触部の潤滑を向上させることを目的として、
ベ−ン11の往復運動により、シリンダ室6aの内圧と
給油ポンプ室13の内圧(即ち、密閉容器1の内圧)と
に差圧がある状態でシリンダ室6aと給油ポンプ室13
とを連通し、シリンダ室6aと給油ポンプ室13との内
圧が等しくなる前にこの連通を閉じるような機構を有す
る溝17などをベ−ン11に設けたり、あるいは、下死
点近傍においては、給油ポンプ室13と連通して冷凍機
油を流し込み、上死点近傍においては、シリンダ室6a
の吸込室と連通して冷凍機油4をこの吸込室に供給し、
かつ、如何なるクランク軸5の回転角度においても、給
油ポンプ室13とシリンダ室6aを連通させないように
した油溜め部18をベ−ン11に設けたりすることによ
り、積極的に冷凍機油4をシリンダ室6a内に送り込む
構成としているが、その際に生じる性能低下を考慮して
いないし、または、考慮していても、シリンダ室6a内
への過剰給油防止による性能低下を考慮しているが、1
回転当たりほぼ一定容積の冷凍機油を給油する工夫まで
に留まっている。
【0019】図13は従来の密閉型回転圧縮機でのロ−
ラ9とベ−ン11との当接部における摺動形態の一例を
示す図であって、4aはロ−ラ9の外周面に付着した油
膜状の冷凍機油であり、白抜き矢印はクランク軸5の回
転方向を、細い実線矢印はベ−ン11に対するロ−ラ9
の摺動方向を夫々示している。
【0020】図13(A)に示すように、ロ−ラ9がベ
−ン11に対してクランク軸5の回転方向と同じ方向に
摺動している場合には、ロ−ラ9とベ−ン11との当接
部に冷凍機油4aを保持することができ、ベーン11の
摩耗の発生や進行を抑えることができる。
【0021】しかし、図13(A)に示す状態から図1
3(B)に示す状態に移行した際には、ロ−ラ9がベ−
ン11に対してクランク軸5の回転方向とは逆方向に摺
動することになり、これにより、ロ−ラ9の外周面のベ
−ン11によって冷凍機油4aが拭い取られたロ−ラ9
の外周面に直接ベ−ン11が接触することとなる。この
ため、べーン11の摩耗が発生して進行する。
【0022】図14はベ−ン11に対するロ−ラ9の相
対摺動方向及び速度の一計算例を示す図であって、この
計算例は、特に、過負荷条件の運転条件を想定してお
り、吐出圧力が高く、ロ−ラ9へのベ−ン11の押圧力
が大きくなってロ−ラ9の自転がしにくい条件の場合の
ものである。
【0023】図14に示すように、ロ−ラ9はベ−ン1
1に対して揺動運動しており、クランク軸5の回転角度
が約90°〜約270°の範囲では、ロ−ラ9はベ−ン
11に対してクランク軸5の回転方向とは逆方向に摺動
している。クランク軸5の回転角度がかかる範囲内にあ
るときには、図13(B)で説明したように、ベ−ン1
1とロ−ラ9との当接部に冷凍機油4aが無い状態とな
る。
【0024】本発明の目的は、かかる問題を解消し、過
負荷条件でのロ−ラの逆転時においても、ロ−ラとベ−
ン間との潤滑を最も効果的に行なえるようにするととも
に、さらに、性能低下を極力抑えて高い信頼性を得るこ
とができるようにした密閉形回転圧縮機を提供すること
にある。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、シリンダ室内で偏心回転するロ−ラに常
時当接し、かつシリンダ室を冷媒ガスの吸込室と圧縮室
とに仕切るベ−ンに、クランク軸の回転角度が所定角度
範囲となったとき、該シリンダ室に開口し、かつ、如何
なる角度においても、該シリンダ室を外部空間と連通さ
せない油溜め部を設ける。
【0026】また、本発明は、上記所定角度範囲を、上
記ロ−ラと上記ベ−ンとの接触部の摺動方向が逆転する
時点近傍とする。
【0027】クランク軸の回転にともなうロ−ラの公転
運動とともに、シリンダ溝に設けられたベ−ンが往復動
し、これによってベ−ンに設けられた油溜め部がシリン
ダ室に開いたり、閉じたりする。ここで、シリンダ溝と
ベ−ンとの隙間を通って、給油ポンプ室の吐出圧力によ
り、冷凍機油が油溜め部に溜められ、油溜め部がシリン
ダ室に開口したとき、ベ−ンの往復動の際の慣性によっ
てシリンダ室の吸込室内に供給される。従って、過負荷
条件のように、特に、吐出圧力が高く、冷凍機油が多く
必要な場合には、多く油が溜められて吸込室に供給され
ることになる。
【0028】また、ベーンに対するロ−ラの摺動方向が
変化する場合がある。このようなときには、ベーントロ
ーラとの摺動部では、ロ−ラの外周面に付着された冷凍
機油がベ−ンによって拭い取られ、その冷凍機油が拭い
取られた面にベ−ンが直接接触することとなり、ロ−ラ
とベ−ンとの間の潤滑が損なわれる。これに対し、本発
明では、ベーンに対するロ−ラの摺動方向が逆転するタ
イミングに合わせて、クランク軸の所定の回転角度にお
いて、油溜め部の冷凍機油を吸込室内に送り込むように
する。これにより、ロ−ラとベ−ンとの接触部に、より
効果的に冷凍機油を供給することが可能となる。
【0029】さらに、クランク軸の如何なる回転角度に
おいても、油溜め部が給油ポンプ室と直接連通すること
がないため、通常条件での系統機油の吸込室への流入を
大いに低減でき、冷力低下を極力抑えることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて説明する。図1は本発明による密閉形回転圧縮機
の第1の実施形態の要部を示す拡大図であって、18は
油溜め部であり、図9に対応する部分には同一符号をつ
けて重複する説明を省略する。
【0031】この第1の実施形態の全体構成は、図8に
示した従来の密閉型回転圧縮機と同様である。
【0032】図1及び図8において、密閉型回転圧縮機
の運転が開始し、クランク軸5が回転してその偏心部5
cが偏心回転すると、それに追従してロ−ラ9がクラン
ク軸5を中心に公転運動し、冷媒吸入管14(図8)か
ら吸込口6bを通ってシリンダ室6aに流入した冷媒ガ
スはシリンダ室6a内でのロ−ラ9の上記公転運動によ
って圧縮され、副軸受8に配設されている吐出孔(図示
せず)及び吐出弁(図示せず)から吐出サイレンサ8a
を通過し、連通孔16を経て密閉容器1内に放出され、
その後、密閉容器1に固定された吐出管15を経て密閉
容器1外へ導出されるという一連の圧縮行程が行なわれ
る。
【0033】図1において、ロ−ラ9はシリンダ室6a
の壁面と僅かな隙間を隔てて1つの直線で面してシ−ル
しており、クランク軸5の回転によるロ−ラ9の公転運
動とともに、このシ−ル線Xがシリンダ室6aの円筒状
の壁面に沿って移動する。
【0034】このロ−ラ9の公転運動中、ベ−ン11
は、その先端が常にロ−ラ9の外周面に接触しつつ、給
油ポンプ室13内を往復運動し、また、シリンダ室6a
を冷媒ガスの吸込室6dと圧縮室6eとに仕切ってい
る。即ち、図1に示す状態では、矢印で示すクランク軸
5の回転方向にみて、ベ−ン11からシ−ル線Xまでの
空間が吸込室6dとなり、シ−ル線Xからベ−ン11ま
での空間が圧縮室6eとなる。クランク軸5の回転とと
もにローラ9がシリンダ室6aの壁面に沿って公転し、
吸込室6dでは、吸込口6cから冷媒ガスが吸い込ま
れ、圧縮室6eでは、冷媒ガスが圧縮される。
【0035】ここで、ベ−ン11に対するロ−ラ9の相
対摺動方向及び速度としては、その一例が先の図14に
示したようになり、ロ−ラ9はベ−ン11に対して揺動
運動を行なう。そして、クランク軸5の回転角度が約9
0°〜約270°の範囲内にあるときには、ロ−ラ9は
ベーン11に対してクランク軸5の回転方向とは逆方向
に摺動している。なお、ここで、クランク軸5の回転角
度は、図1において、ロ−ラ9が最も給油ポンプ室13
側に変位してシ−ル線Xがベ−ン11の先端に一致する
状態(即ち、図3(A)に示す状態)を0°としてい
る。従来の密閉型回転圧縮機では、クランク軸5の回転
角度が上記の範囲内にあるとき、ベ−ン11とロ−ラ9
の当接部にロ−ラ9の外周面に付着させるべき油膜状の
冷凍機油4aがない状態となる。
【0036】そこで、この第1の実施形態では、図1に
示すように、さらに図2でより具体的に示すように、ベ
−ン11でのシリンダ室6aにおける吸込口6b側に面
した側面に、ベ−ン11の往復運動中、シリンダ室6a
の吸込室6dには開口するが、給油ポンプ室13には開
口しない溝状の油溜め部18を設けている。
【0037】そして、この油溜め部18のシリンダ室6
への開口は、ベーン11に対するロ−ラ9の摺動方向が
クランク軸5の回転方向とは逆転するときとし、また、
油溜め部18が給油ポンプ室13側にローラ9によって
押し込まれたときには、給油ポンプ室13に開口しない
が、密閉容器(図8)の内圧と油溜め部18の内圧との
差圧により、この密閉容器1の下部に貯溜されている冷
凍機油4(図8)が給油ポンプ室13から油溜め部18
内に送り込まれるものである。しかる後、上記のように
油ため部18がシリンダ室6aの吸込室6dに開口する
と、油溜め部18の冷凍機油4がこの吸込室6d内に送
り込まれるようにする。
【0038】次に、かかる第1の実施形態の動作を、以
下、図3により説明する。なお、同図において、図1に
対応する部分には同一符号をつけている。
【0039】図3(A)は冷媒ガスの圧縮行程でのクラ
ンク軸5の回転角θが0°のときの状態を示しており、
図3(B),(C),(D)は夫々、クランク軸5の回
転角θが90°,180°,270°の状態を示してい
る。この圧縮行程中、給油ポンプ室13内の圧力は冷媒
ガス吐出圧力(従って、密閉容器1(図8)の内圧)に
等しい。
【0040】図3(A)は、かかる圧縮行程において、
シリンダ室6aへの冷媒ガスの吸込み動作が終わり、こ
の冷媒ガスの圧縮と吸込口6bからシリンダ室6aへの
冷媒ガスの次回の吸込みを始めるときの状態を示してい
る。
【0041】クランク軸5が回転角θ=0°のこの状態
では、ベ−ン11は給油ポンプ室13内に最も入り込ん
だ位置にあるが、油溜め部18は給油ポンプ室13とシ
リンダ室6aとの両方に連通していない。従って、この
とき、油溜め部18には、図10ので示すシリンダ溝
6cでのベ−ン11との隙間を通って漏れ込む冷凍機油
4が供給され、ここに滞留される。なお、この油溜め部
18への冷凍機油4の供給量は、シリンダ室6aの吸込
室6dの内圧(従って、吸込圧力)と給油ポンプ室13
の内圧(従って、吐出圧力)との差圧に応じたものであ
り、従って、吐出圧力が高く、吸込圧力との差圧が大き
いほど多くなる。
【0042】図3(A)に示す状態からクランク軸5が
さらに回転し、図3(B)に示すように、その回転角θ
が90°になった状態では、即ち、図14に示すよう
に、ベ−ン11に対するロ−ラ9の相対速度が0となっ
て、ベーン11に対するその摺動方向がクランク軸5の
回転方向とは逆転するときには、油溜め部18がシリン
ダ室6aの吸込室6dに連通するようにする。この瞬
間、ベーン11の往復動によって生ずる往復動の慣性に
より、油溜め部18に滞留されている冷凍機油4が押し
出される形となり、シリンダ室6aの吸込室6d内に送
り込まれる。
【0043】このとき、ローラ9の外周面のベーン11
の当接部よりも、図面上、左側の吸込室6d側では、冷
凍機油の油膜が拭い取られた状態にあるが、上記のよう
にして、油溜め部18の冷凍機油4が吸込室6d内に送
り込まれることにより、この外周面にこの冷凍機油4a
が油膜状に付着する。その結果、図4(A)に示すよう
に、ベーン11によって冷凍機油4aが拭い取られたロ
ーラ9の外周面のベーン11の左側の部分にも、冷凍機
油4aが油膜状に形成される。さらにクランク軸5が回
転すると、図4(B)に示すように、ベーン11に対す
るローラ9の摺動方向が逆転し、ベーン11はローラ9
の冷凍油4aが付着した部分に圧着される。これによ
り、ローラ9の摺動方向が逆転しても、そのときから直
ちに、ベーン11とローラ9との間で良好な潤滑が達成
できる。
【0044】そして、図3(C)に示すように、クラン
ク軸5の回転角θが180°になった状態では、ベ−ン
11はシリンダ室6a側へ最も移動し、その後、ロ−ラ
9の公転運動とともに、ベ−ン11はシリンダ室6a側
から給油ポンプ室13側へと移動し、図3(D)に示す
状態から再び図3(A)に示す状態となり、再び同じ動
作を繰り返す。
【0045】このようにして、クランク軸5の回転に追
従して、冷凍機油4がベ−ン油溜め部18によって運ば
れ、ロ−ラ9とベ−ン11との接触部に給油されること
になるが、この接触部への給油はベーン11に対するロ
−ラ9の摺動方向が逆転するときにのみ適宜行なわれる
ものであり、これによって冷力低下を極力抑えることが
でき、ロ−ラ9とベ−ン11との接触部への冷凍機油4
の供給をより効果的に行なうことができる。
【0046】図5は本発明による密閉型回転圧縮機の第
2の実施形態の動作を示す図であって、18a,18b
は油溜め部であり、前出図面に対応する部分には同一符
号をつけている。
【0047】また、図6は図5におけるベーン11の一
具体例を示す斜視図であって、図5に対応する部分には
同一符号をつけている。
【0048】図5において、この第2の実施形態では、
ベ−ン11の夫々の側面に、図6に示すように、溝状の
油溜め部18a,18bが設けられている。この油溜め
部18aは、図2に示した油溜め部18と同様のもので
ある。これ以外の構成は先に説明した第1の実施形態と
同様であり、従って、図5(B)に示すクランク軸5の
回転角度θ=90゜のとき、油溜め部18aがシリンダ
室6aの吸込室6dに、油溜め部18bが圧縮室6eに
夫々開口することとなる。
【0049】以下、この第2の実施形態の動作を説明す
る。なお、吸込室側の油溜め部18aについては、先の
第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0050】図5(A)に示すクランク軸5の回転角θ
が0°の状態では、圧縮室側の油溜め部18bには、ロ
−ラ9の公転運動によって押し込まれた冷凍機油4が貯
溜されている。次に、クランク軸5が回転し、図5
(B)に示す状態となると、油溜め部18bが圧縮室6
eに開口し、ベ−ン11が往復動する際の慣性により、
油溜め部18bに貯溜されている冷凍機油がこの圧縮室
6e内にも供給される。その後、さらにクランク軸5が
回転し、図5(C),(D)に示す状態を経て図5
(A)に示す状態に戻り、油溜め部18b内に冷凍機油
4が送り込まれて貯溜され、再び同じ動作を繰り返す。
【0051】このようにして、上記第1の実施形態の場
合よりも多くの冷凍機油4がシリンダ室6a内に供給さ
れるが、これは過負荷条件時であり、第1の実施形態と
同様に、ロ−ラ9とベ−ン11との接触部の摺動方向が
逆転するときに適宜給油されて冷力低下を抑えることが
でき、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる
とともに、第1の実施形態のようにベ−ン11の片側だ
けに油溜め部18を設けた場合に比べ、ベーン11の向
きを逆にしても、反対側の油溜め部18aと同じ油溜め
部18bが吸込室6d側にあることになり、ベーン11
の誤った向きの取付けということがないので、組立の効
率化を図ることができる。
【0052】図7は本発明による密閉型回転圧縮機の第
3の実施形態に用いられるベーン11の一具体例を示す
斜視図であって、18cは油溜め部であり、図6に対応
する部分には同一符号をつけている。
【0053】同図において、ベーン11は図5に示した
第2の実施形態と同様に取り付けられており、油溜め部
18aは吸込室側に配置される図6での油溜め部18a
と同様であるが、油溜め部18cは圧縮室側に配置さ
れ、給油ポンプ室には開口しないが、クランク軸5の回
転角θが如何なる角度であっても、常に圧縮室に開口し
ているように設けられている。
【0054】この油溜め部18cにより、上記各実施形
態の給油効果の他に、油溜め部18cが、ロ−ラ9の公
転運動により、過圧縮された冷媒ガスの逃げ空間とな
り、過圧縮の防止効果を持たせることができて、高周波
音域の騒音発生を防止することもできる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
簡単な構成でもって、ロ−ラとベ−ンとの接触部に適正
なタイミングでのみ冷凍機油を供給することができ、ロ
−ラとベ−ンとの接触部の潤滑を効果的に行なうことが
できるとともに、さらに、性能の低下も極力防止できる
高信頼性の密閉形回転圧縮機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による密閉形回転圧縮機の第1の実施形
態の要部を示す拡大図である。
【図2】図1におけるベ−ンの一具体例を示す斜視図で
ある。
【図3】図1に示す実施形態の動作を示す説明図であ
る。
【図4】図1に示した実施形態におけるロ−ラとベ−ン
との摺動形態を示すモデル図である。
【図5】本発明による密閉形回転圧縮機の第2の実施形
態の要部の動作を示す説明図である。
【図6】図5におけるベ−ンの一具体例を示す斜視図で
ある。
【図7】本発明による密閉形回転圧縮機の第3の実施形
態におけるベ−ンの一具体例を示す斜視図である。
【図8】密閉形回転圧縮機の全体構成を示す縦断面図で
ある。
【図9】図8におけるA−Aでの断面図である。
【図10】図9でのシリンダ室内への冷凍機油の流れを
モデル化して示した図である。
【図11】密閉形回転圧縮機の他の従来例のベーンの部
分を示す断面図である。
【図12】密閉形回転圧縮機のさらに他の従来例のベー
ンの動作を示す断面図である。
【図13】従来の密閉形回転圧縮機でのロ−ラとベ−ン
との摺動部での冷凍機油の形態をモデル化して示す図で
ある。
【図14】ロ−ラとベ−ンの相対摺動方向及び速度の一
計算例を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 密閉容器 2 固定子 3 回転子 4 冷凍機油 4a 付着冷凍機油 5 クランク軸 5a 油通孔 5b スパイラル油溝 5c 偏心部 6 シリンダ 6a シリンダ室 6b 吸込口 6c 溝 7 主軸受 8 副軸受 8a 吐出サイレンサ室 9 ロ−ラ 10 ばね 11 ベ−ン 12a ノズル形流体ダイオ−ド 12b ノズル形流体ダイオ−ド 13 給油ポンプ室 14 冷媒吸入管 15 吐出管 16 連通孔 17 溝 18 油溜め部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷凍機油を貯溜した密閉容器内に電動要
    素部と圧縮要素部がクランク軸で連結されてなり、該圧
    縮要素部では、シリンダ室内で該クランク軸の偏心部に
    よってローラが公転運動し、ベ−ンが、その先端部が該
    ロ−ラに常時当接するようにして、該ロ−ラの公転運動
    とともに該シリンダ室内を往復運動し、該シリンダ室を
    冷媒ガスの吸込室と吐出室に仕切るようにした密閉形回
    転圧縮機において、 該ベ−ンに油溜め部を設け、 該油溜め部は、該クランク軸の回転角が所定の範囲とな
    ったとき、該シリンダ室に開口し、かつ、該クランク軸
    の如何なる回転角度においても、該密閉容器内の該シリ
    ンダ室以外の空間と連通しないようにしたことを特徴と
    する密閉形回転圧縮機。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記所定の範囲とは、前記ベーンに対する前記ロ−ラの
    摺動方向が前記クランク軸の回転方向と逆転する時点近
    傍であることを特徴とする密閉形回転圧縮機。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記ベ−ンが前記シリンダ室の最も外側へ位置したとき
    の前記クランク軸の回転角を0°として、前記所定の範
    囲が90°を含むその近傍の範囲であることを特徴とす
    る密閉形回転圧縮機。
  4. 【請求項4】 請求項1,2または3において、 前記油溜め部は、前記クランク軸の回転角が前記所定の
    範囲で、前記シリンダ室の前記ベ−ンによって仕切られ
    る前記吸込室に開口することを特徴とする密閉形回転圧
    縮機。
  5. 【請求項5】 請求項1,2または3において、 前記油溜め部は、前記クランク軸の前記所定角度範囲
    で、前記シリンダ室の前記ベ−ンによって仕切られる前
    記吸込室と前記圧縮室とに開口するように配置されてい
    ることを特徴とする密閉形回転圧縮機。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記クランク軸の前記所定の範囲で圧縮室側に開口する
    ように配置されている油溜め部は、前記クランク軸の如
    何なる回転角度においても、前記圧縮室に開口している
    ことを特徴とする密閉形回転圧縮機。
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