JPH0920982A - 金属材料の無電解複合メッキ処理法 - Google Patents

金属材料の無電解複合メッキ処理法

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JPH0920982A
JPH0920982A JP13321791A JP13321791A JPH0920982A JP H0920982 A JPH0920982 A JP H0920982A JP 13321791 A JP13321791 A JP 13321791A JP 13321791 A JP13321791 A JP 13321791A JP H0920982 A JPH0920982 A JP H0920982A
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composite plating
wear
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JP13321791A
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Kiyoichi Ogawa
喜代一 小川
Yoshibumi Matsuoka
義文 松岡
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Nidec Instruments Corp
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Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 型材料に被加工性の優る金属材料を自由に選
択し、成形後の耐久性については物理化学的考慮に基ず
く、耐久性処理を施すことで、型加工期間の短縮も可能
とすることである。 【構成】 二重の無電解メッキ槽の中に処理金属材を入
れると共に、無電解複合メッキ浴を供給し、処理温度を
浴温92℃に同調する温度となるように蒸気加熱すると
共に撹拌供給することが望ましい。無電解複合メッキ浴
は、Ni−P無電解浴を基とし、セラミックその他を加
え、Ni−P−SiCなど複合メッキとして処理した。
実験には無電解メッキ浴として、次亜リン酸ナトリュウ
ム(NaH2 PO2 ・H2 O)を用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄系金属材料に、焼
入、焼戻を行ったもの、または更に窒化処理を補足した
鋼材、並びにアルミニウム、銅、亜鉛合金など非鉄金属
材料等に無電解複合メッキを施す金属材料の無電解複合
メッキ処理法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、無電解複合メッキ法に関しては、
Ni−P浴その他理論化学的論文には多くの優れた研究
も、文献も存在するが、何れも工業化に関する実用上の
検討として、応用可能な金属材料とその特性の指針とな
る耐久性などの報告は認められない。具体的な耐摩耗試
験等を伴った研究発表はない。
【0003】A.現状における熱間用金型の技術的検討 金型用金属材料または切削用刃物には、多くの工具鋼が
用いられる。プラスチック成形用金型のキャビテ−は複
雑形状であって、工具鋼を用いると、他の炭素鋼並びに
低合金鋼などに比べ被加工性が劣り、加工期間を延長
し、なお技術的にも加工応力の増大、寸法精度にも影響
を及ぼす。被加工性の優る場合は、単に加工能率の上昇
に止らず技術内容、経済性が改善される。この様に、そ
の優劣は、直接工業面に影響を及ぼす。本研究は、型材
料に被加工性の優る金属材料を自由に選択し採用する
が、これら金属材料は、成形後、型の機械的性質の弱体
であることにも共通性がある。よって本発明による無電
解複合メッキ処理を、型成形後施すことにより十分な耐
久性とすることである。
【0004】切削工具鋼による型鋼材、被切削性の問題
点:切削工具の主体は、超硬工具(WC+Co系粉末焼
結)など特殊例を除けばハイス(高速度工具鋼)がその
殆どで、Mo系ハイス{6(W)−5(Mo)−2
(V)+4(Cr)}が主体である。型鋼の被加工材料
の切削性に最も影響を及ぼす金属元素は、炭素であっ
て、C、Si、Mn、Niなどの順位とされる。従っ
て、高炭素鋼程、被切削性は劣り、なおCr、W、M
o、Vなど合金鋼の場合は、Cと反応して硬さHv18
00〜2450の炭化物Cr7 C3 、Fe3 W3 C、V
4 C3 などを生じ、被削性としては影響を受ける。本研
究は、型鋼材の被加工性を重視し、加工期間を短縮し、
技術面の向上を計る。
【0005】工具鋼その他鋼製部品の耐久性向上策:現
状各国における工具鋼、鋼製部品などの耐久性の向上に
は、各鋼種のそれぞれ適性熱処理条件により、焼入、焼
戻後、さらに補足処理がなされることが多い。補足処理
として一例を示すと、TiC(処理温度1000℃)、
TiN(550℃)、VC処理(TDプロセスともい
う)(1000℃)、硼化処理(900℃〜950
℃)、窒化処理(500℃〜600℃)などを加える表
面硬化処理法である。しかし、上述で補足する各種方法
は、いずれも最終行程で施す処理であるため、括弧内に
示した各々処理温度の高低が問題となる。つまり、第一
段階における焼戻温度より、補足処理温度が著しく高温
の場合は、被処理鋼内部は軟弱となり、適性処理温度と
は言えない。窒化処理のみは、α−Fe界域の低温処理
により、高硬さの窒化物Fen Nmが得られ、硬さHv
1000〜1200を生じ、耐摩耗性が優り、直接的寸
法変化も認められず、さらに窒化表面層は、圧縮応力を
生ずるため、耐疲労性であることも認められている。し
かし、窒化処理のみでは、長年に及ぶ研究結果による
と、切削性、または耐摩耗性の検討結果には優劣があり
不安定であることを承知している。この理由には種々考
えられるが、主因の一端は、第一段階で施した焼入、焼
戻しによる硬さは、工具鋼その他合金鋼も硬さHv78
0〜850程度あるに反し、窒化層表面層は、前述のよ
うに最高硬さHv1200に及ぶもので、著しい硬度差
が、母材と、窒化層間に生ずること、さらに一点、窒化
法の処理温度は、α−Fe域の低温処理であって、母材
側に窒化物の拡散性が全く無い。高低硬さの板鋼を重ね
た状態の硬さ分布を示すことにある。従って衝撃負荷の
場合は勿論、一般切削、摩耗現象など加わった際は、機
械的性質の不安定の表面層には、微細カケ、剥離粉末な
どを生ずるものと信ずる。
【0006】各種型鋼の問題点:昭和60年以降、プラ
スチック成形用型は、従来の冷間プレス型鋼の要求量を
凌駕して、現在その差は、なお拡大しつつある。プラス
チック型成形用鋼の耐久性とは、単なる機械的性質によ
る耐摩耗性とは異なり、耐食性、侵食性ガス、熱的影
響、又は無機物(ガラス繊維)を含む、強靭性樹脂な
ど、多くの因子の綜合作用の結果を検討することであ
る。且つ米国UL規制による難燃性樹脂の使用について
は、ハロゲン系添加物(弗素、臭素、塩素)などを含
み、成形時に著しい侵食性ガスを生じ、型鋼に腐食摩耗
を顕著に生じ、工業化を不能とする。また強靭性樹脂に
はガラス繊維30%以上を含み、金型の摩耗現象を著し
く生ずるなど技術的に困難な因子が多い。特に寸法精度
に関しては、従来の工業技術限界を越えるミクロン(μ
m)を越えサブミクロンの要求などの希望がある。なお
複雑形状のキャビテ−の場合など、被成形物の離型性の
良否などをも含め、型耐久性とする場合も存在し、従来
の単一用途のプレス型などと異なり、型応用範囲が拡大
し、その要求も複雑となった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、金型の耐久性向上に関しては、前記0005の
「工具鋼その他鋼製部品の耐久性向上策:」で述べた各
国でのTiC、TiNコ−テング法その他が存在する。
但し、これら処理法は、金型製作上の最終工程に当たる
場合は、その処理温度が問題となり、550℃以上の高
温度処理は不適当であって、大きな副作用的欠点を伴う
ことが明らかと言える。本研究は、無電解複合メッキ法
によるもので、処理浴の温度は92℃一定である。また
窒化処理を用いる場合も、その処理温度は520℃であ
って、技術上何等の障害もない。
【0008】本発明の目的:本発明は、金型に関する現
状の希望因子を要約して、次の四項目に絞り得るとして
いる。型製作上の総てを考慮して、a)迅速加工法の開
発、b)多用化された用途に対し、型耐久性の向上、
c)型寸法精度の確立、d)経済性と信じている。但
し、この四項も技術的に相反する性質があって、総てを
満足することは不可能に近い。本発明は、型材料に被加
工性の優る金属材料を自由に選択し、成形後の耐久性に
ついては物理化学的考慮に基ずく、無電解複合メッキ法
によって耐久性処理を施すことで、型加工期間の短縮も
可能とすることである。本研究の目的に対し、終始実験
的に遂行した内容は、要約すると、次のように考える。
熱間金型または切削工具その他、耐久性の向上を目的と
しては、現状から将来に向って、工業的に必要な技術問
題として、本発明の金属材料の無電解複合メッキ処理法
を提案することである。
【0009】
【問題を解決するための手段】本発明は、鉄系金属材料
に、焼入、焼戻を行ったもの、または更に窒化処理を補
足した鋼材、並びに非鉄金属材料に対し、各々無電解複
合メッキ処理を加え、物理化学的耐久性向上を計ること
を要旨とするものである。
【0010】
【実施例】以下、実施例で本発明を説明する。本発明の
金属材料の無電解複合メッキ処理法は、二重の無電解メ
ッキ槽の中に処理金属材を入れると共に、無電解複合メ
ッキ浴を供給し、処理温度を浴温92℃に同調する温度
となるように蒸気加熱すると共に撹拌供給することが望
ましい。浴温92℃に同調とは、浴温は常に90℃±2
℃に保つていることで、この温度にするには蒸気加熱す
ると共に、ドライのN2 を吹込めばよく、ドライのN2
は恒温槽を通して温度を一定として供給する。撹拌と
は、酸化性ガスと水分を吹込むことであり、中性雰囲気
N2 もボンベからの供給は、水分を伴う。乾燥後、処理
温度を浴温92℃に同調する温度とし撹拌供給すること
が望ましい。撹拌の必要は、セラミックその他、微粒子
添加の際、撹拌作用の適否はメッキ効果に著しく影響を
及ぼす。一例を示すとSiCは沈降し、Boron系は
浮上するなど撹拌を必要とする。
【0011】本発明はプラスチック成形金型を主体と
し、その耐久性向上を計るため、多くの鉄系及び非鉄金
属型に図1のように無電解複合メッキを施して、耐食、
耐熱、耐久性とし、なお各種型鋼の摩耗試験を行って、
具体的に検討した結果を述べる。
【0012】A.プラ型材の選択と、無電解複合メッキ
法の関連 プラ型成形用鋼の耐久性とは、単なる機械的性質による
耐摩耗性とは異なり、耐食性、侵食性ガス、熱的影響、
無機物(ガラス繊維)を含む強靭性樹脂など、多くの因
子の綜合作用の結果を検討することである。なお反面工
業化関連として、型Cavity の磨き性の影響、離型性な
ど重要因子をも考察に入れ、耐久性として摩耗実験を行
ったものである。実験に採用した型材は、炭素鋼(S5
5C)、構造用合金鋼(SCM435)、Cu合金(B
e−Cu)、Zn合金(ZAS)、Al合金(Duralum
in orHIT51)などである。プラ型として重要因
子の一つは、被加工性の優ることであるが、これら選択
材料は、被加工性は優るが、成形型として弱性である。
本発明はその強化に無電解複合メッキを施した。Ni−
P−αとし、浴メッキのαには、セラミック(SiC)
を主体とし、BN、Boron、Mica、テフロン、
グラファイトその他を用い、強化後に耐摩耗性実験を行
った。
【0013】1. 技術面から見た成形型の問題点 金型の技術的要求は、型成形加工期間を短縮するため、
a)型迅速加工法の開発、b)寸法精度の確立、一例と
して光通信用部品、レンズ加工など、μm→サブミクロ
ンが望まれ、工業技術面で最も苛酷の条件と考えられ
る。なおc)耐久性の向上、d)経済性と、信ずる者で
ある。しかし、四項目の内容は、技術的に逆性質の因子
もあって、総てを満足することは不可能に近い。なお、
型材加工性の難易は、大切の問題で型Cavity の複雑多
用化に伴い多くの問題に影響を及ぼす。加工性の劣る材
質は、慨して加工応力の増大、爾後の寸法精度の影響な
ど、広範囲の問題に波及する。
【0014】2. 無電解メッキ法の特徴 プラ型材の選択に被加工性をまず優先したが、被加工性
の優る低炭素鋼、非鉄金属などは強度の劣る事も共通性
がある。本発明では無電解メッキ処理を加えて強化し耐
久性の向上を計った。無電解法は、−般電解メッキ法と
特性が異なりa)複雑形状面に添って均−メッキ層が得
られる。写真1は、3mmφの小ねじにNi−P無電解
メッキを施した拡大写真で倍率(×93)で、均−層が
認められる。さらにb)メッキ層硬さが高く、c)応力
が殆ど存在せず、条件によっては圧縮応力を含むことが
あっても剥離その他の憂いはない。安定な厚メッキも可
能である。電解メッキ層は引張応力が存在し、硬さを増
す場合があるが、応力の影響による硬さは耐摩耗性には
Negative である。摩擦熱が加わると、応力は除去され
て、寸法変化に変り、摩耗の当り面を狂わせ(±)、初
期摩耗の繰返しとなって、摩耗量をます。d)ピンホ−
ルを生ぜず潤滑性、焼付き耐力にまさる。なお、絶縁物
にメッキ処理可能なことも特徴と考える。
【0015】3.無電解メッキ浴組成 無電解浴の還元剤には、次亜リン酸ナトリウムを用い
た。Ni塩次亜リン酸型無電解メッキ浴には、酸性塩そ
の他がある。浴に添加する錯化剤、調整剤、pH緩衝剤
などにより多くの浴性が提案されている。主成分は金属
塩として、Niの塩化物、硫酸塩を、また還元剤に次亜
リン酸ナトリュウムを用いた場合の、Ni析出反応は複
雑であるが、結果として、次のように示される。
【化1】 次亜リン酸イオンは、活性水素によって、
【化2】 とに還元されて、メッキ皮膜はNi−P共析とな
り、これに一例としてSiCが加われば、硬いNi−P
−SiCの複合皮膜を生ずる。なおH2 PO2 にH2 O
が反応すると、
【化3】 H2 によって還元剤は消費され、利用効果から好ましく
ない。
【0016】4.本実験に用いた無電解複合メッキ浴 Ni−P無電解浴を基とし、セラミックその他を加え、
Ni−P−SiCなど複合メッキ(Composite−Plati
ng)として処理した。実験には無電解メッキ浴として、
上述の次亜リン酸ナトリュウムを用いたが、大別して二
種類あり、酸性浴を用いた。この浴性は一般に緻密で光
沢が優ると言われる実験浴には次を採用した。 硫酸Ni:NiSO4 ・6H2 O……………………0. 08mol/l 次亜リン酸Na:NaH2 PO2 ・H2 O …………0. 24mol/l 乳酸:CH3 CH(OH)・COOH……………0. 30mol/l プロピオン酸:C2 H5 COOH……………………0. 03mol/l pH:4. 5〜5. 0、温度:90℃±2℃、折出速
度:20μm/hr、なお錯化剤・20g/l、助剤・
20g/l、安定剤2ppm、界面活性剤添加、セラミ
ック添加剤・SiC (1. 〜4. μm微粒子)の添加
量・10〜20g/l、メッキ厚・本実験では、10〜
30μm、但しメッキ厚に応力が存在せず200μm厚
メッキを経験している。還元剤として次亜リン酸Na浴
は、pH及び還元剤の濃度により、リン(P)添加量
(w%)は、5%、8〜10%(本実験)、13%(非
磁性)など、比較的P含有量が多い。
【0017】本実験の結果によると、無電解複合メッキ
処理のままの硬さ、Hv500〜580、さらに化合物
析出を促進する400℃加熱によると、硬さHv110
0〜1200の安定硬さが得られる。なお400℃加熱
処理の際、雰囲気に特殊条件(減圧)を加え、型材Cav
ity のピンホ一ル、空洞の存在する場合も、小孔にメッ
キ浴が進入し、メッキ後に空洞を残さない。写真2は、
炭素鋼S55Cの一例で組織写真(×378)を示し
た。従って表面層にフクレ現象(Blister)を生じるこ
とがない。セラミックその他、微粒子添加の際、撹拌作
用の適否はメッキ効果に著しく影響を及ぼす。一例を示
すとSiCは沈降し、Boron系は浮上するなど撹拌
を必要とする。空気撹拌とは、酸化性ガスと水分を吹込
むことであり、中性雰囲気N2 もボンベからの供給は、
水分を伴う。乾燥後、処理温度を浴温92℃に同調する
温度とし撹拌供給することが望ましい。メッキ浴管理法
は、電解メッキ法と異なり、金属の析出が進むに従い、
主成分の金属塩及び還元剤が不足する。無電解メッキ法
は、これを外部から補充する必要がある。また還元剤が
析出反応と共に酸化し、浴中のpHが酸性に傾くと同時
に生成物が、浴の老化を促進することに注意したい。
【0018】5.実験に用いた型材と、その意義 型材選択は、初頭に述べたように被加工性を重視した。
被加工性の最も影響を及ぼす金属元素は、炭素(C)で
ある。C%の上昇と共に被削性は劣り、更にCは、C
r、Mo、Vなどと反応し、硬質炭化物を生成するなど
二面の影響を及ぼす、また反面、低炭素鋼(0. 1%〜
0. 2%C)、非鉄金属(Al、Cu)などは機械的強
度の劣ることと、加工応力を生じ易い傾向がある。応力
の存在は、腐食作用を促進し、寸法変化を生じ、なお摩
耗機構上、初期摩耗的現象を繰返し、摩耗量を増す。耐
疲労性に圧縮応力の存在は望ましいが、一般機械加工、
焼入焼戻などによる引張応力の存在に対しては障害とな
るなど、多くの重要因子に応力は関連する。型鋼材の選
定には、メッキの前工程で、調質処理(850℃油焼
入、600℃焼戻)を施し、残留応力除去を行う必要が
ある。鋳鉄の場合も同様に、鋳造応力除去が大切で、5
30℃前後で加熱処理を施すことを必要とする。一案
で、プラ型用鋼に、熱処理済み鋼(Preharden・steel
) が市販され、たとえばNAK55、HPM1など
を選べば、調質処理を省き、成形加工後、直ちに複合メ
ッキを行い得て耐久性が得られる。
【0019】本実験で用いたAl合金は、国産JIS.
7075(Al−Zn系)Duralumin で、アルクイン
(市販名)と呼ぶ。なお最近国産化のシルミン系Al・
合金HIT51(市販名)11%、Si,2. 4%、C
u,0. 37%、Mg,残Alが存在する。7075系
Al合金は、現在、英、仏その他からも輸入され、仮型
その他、玩具型など限られた用途に応じている。鋼に比
べ、被加工性が約3倍、比重約1/3、熱拡散性、約3
倍で加熱、冷却を迅速化するなど衆知の通りである。A
l合金は、本研究の無電解複合メッキ法に関し、頗る対
応性の優る適性材料である。メッキ厚、局部メッキも自
由であり、型修正上の剥離作用も容易である。なお前述
の通り、単なる耐久性と異なり、米国UL規制から、難
燃性樹脂成形時の著しい侵食性ガスによる型の腐食摩耗
対策にも複合メッキ法の適性を認めている。なお、問題
視されたAl合金の熔接は、Ar熔接法その他により、
ほぼ解決された。
【0020】B.各種型材の、無電解複合メッキと、耐
摩耗性 前章で詳述したように、本研究はプラスチック型を主体
とし、型材に無電解複合メッキ処理を施した場合の耐久
性を検討したものである。型材には、各種合金及び非鉄
金属を用い、セラミックその他を添加した無電解複合メ
ッキを施し、耐久性の吟味には、摩耗試験を行って検討
した。
【0021】1.摩耗試験に影響を及ぼす、各因子の検
討 摩耗試験には、スピンドル改良型、潤滑すべり摩耗試験
機を用いた。図2に装置の概要を示した。図2で摩耗試
験機は回転試験片1を図示しない駆動源で回転し、この
回転試験片1に接触調整装置2を介して荷重Pを掛けた
固定試験片3を押し当てる。回転試験片1の下方は油槽
4に入れ、油槽4には潤滑油5を循環供給する。潤滑油
5は潤滑油槽6に入れ、循環ポンプ7、冷却筒8、油量
調整バルブ9、恒温槽10を通して油槽4に送り、油槽4
の潤滑油5は濾過装置11を通して潤滑油槽6に戻す。固
定試験片3には、型材として摩耗の検討を行う材料を、
また回転試験片1には、S55C炭素鋼を調質処理(S
orbite組織化)し、硬さHv260を用いた。なおその
選定理由は、摩耗量の大小は別として、S55C、Sor
bite組織鋼は、その摩耗曲線が直線的に示され、組合わ
せ固定試験片の摩耗性質の判定が容易なことによる。な
お図に明らかのように、その接触摩擦量は、固定試験片
の1/15であり摩耗量は軽減される。試料の摩耗面あら
さは、Rmax0. 3〜0. 4μm一定とし、潤滑油に
は、パラフィン系基油の弱潤滑性油を用いた。高性能潤
滑油を用いると、摩耗結果の判定の際、油の影響か、型
材性質によるかの検討が困難になる。使用後の油は、循
環ポンプ7により、二段階に濾過され、冷却筒8で過冷
されて、微少不純物を沈降除去し、恒温槽10で定温、定
量とし、再び供給される。なお摩耗量の実測は、試験片
に粘着した油脂をベンゼン、エ−テル、アルコ−ルなど
で洗滌し、乾燥後ミクロバランスで測定した。
【0022】2.摩耗の実験条件の決定 摩耗試験の実験条件となる、接触圧力並びに、摩擦速度
の決定は、摩耗の実験上から慎重に、定めるべきであ
る。任意に希望的に定めることは、実験の意義を失うも
のと言える。実験中摩耗面は常に、機械的破壊摩耗域の
安定機構で、継続されることの確認を要する。摩耗実験
に就て考慮すべき事項は、他にも存在するが、本説明で
は省略する。
【0023】3.SCM435構造用合金鋼の無電解複
合メッキ処理例 SCM435合金鋼にセラミック複合メッキを施した一
例を写真3(×378)に示した。メッキ層の黒点はS
iCであって、この組織は金属合金の固溶体(Solid
Solution )とは異なる。撹拌作用によって均一分布し
たものである。
【0024】4.Cu合金(Be−Cu)の無電解複合
メッキ処理例 従来、米国では、プラ型材にBe−Cu合金を多用して
いる。Be添加量には三種類あって、本実験の2. 75
% は最大添加量であり、一般にはBeA275Cと表
現している。被加工性は優るがBeA275Cのままで
は、プラ型材専用であって、弱性であるが無電解複合メ
ッキ処理によると、Zn合金のダイカスト型材として使
用可能である。写真4(×378)はNi−P−SiC
処理例を示す。
【0025】5.Al合金(JIS.7075及びAD
C12)の無電解複合メッキ処理例 写真5は7075(超々Duralumin)Ni−P−SiC
処理を施した一例である。メッキ層に接続する小孔に
は、メッキ浴を導入し硬化している。なお顕微鏡写真
(×378)での黒い部分は空洞であるが、本体素材内
部の場合は、プラ型強度に影響は認めない。近時、AD
C12に近似したHIT51(商品名)が国産化された
が、本研究の結果、その無電解複合メッキ処理効果は、
7075同様であることを確認している。前述の通りA
l合金は、鉄鋼に比べ、軽量で被加工性に優れ、迅速加
工が可能、複合メッキ処理と対応性が良く、寸法修正上
のメッキ層剥離性も容易である。
【0026】6.Zn合金(ZDC)の無電解複合メッ
キ処理例 写真6(×378)は、Zn合金にNi−P−SiC無
電解複合メッキ処理例を示すが、Zn合金の場合は、中
間メッキ(Cuメッキ)を必要とするが、その他は全く
変化がない。なお上述した各種合金材のメッキ処理後に
おける表面状況は、メッキ前の素材表面層の仕上あらさ
面が、そのままメッキ表面に転写される。素材表面仕上
げに光沢があるものは、メッキ後の表面層も光沢を保
つ、この現象は共通である。
【0027】7.炭素鋼及びCu合金(Be−Cu)を
型材とし、これに三種類のメッキ処理を施した際の耐摩
耗性比較 型材にS55C(Hv260)及びBeA275C(H
v440)を選び、これに三種類のメッキ処理を施し
た。 a)Ni−P無電解メッキ、b)Ni−P−SiC複合
メッキ処理。 a)及びb)はメッキ後400℃に加熱し、化合物の析
出処理を施しており、前者Ni−Pメッキ層は、硬さH
v830、後者複合メッキ層は、硬さHv1150を得
た。 c)従来の硬質クロム電解メッキ法により、サ−ゼント
浴を用い、電流密度56A/ Dm2 、 浴温58℃処理
を施し、硬さHv850を得た。 以上三種類のメッキ処理型材に、潤滑すべり摩耗試験を
行い、その結果を図3に示した。図3で、○、□、△は
S55Cの固定試験片。●、■、▲はBeA275Cの
固定試験片。且つ○、●はNi−P無電解メッキ処理。
□、■はNi−P−SiC複合メッキ処理。△、▲は硬
質クロム電解メッキ処理。★はHIT51(商品名)の
固定試験片でNi−P−SiC複合メッキ処理である。
予備実験の結果から、摩擦速度3. 4m/s と定める
ことに合理性を認め、一定速度の下で、接触圧力を広範
囲に求めた。摩耗実験の結果から、Ni−P無電解メッ
キが摩耗量最大で、その許容最大接触圧力は40kg/
cm2 であることを確認した。従って爾後の摩耗圧力
は、共通に40kg/cm2 と定め、3. 4m/s の
速度の下で、各メッキ材試片の耐摩耗性を比較検討し
た。硬質クロム電解メッキの結果は、Ni−P処理の型
材に比べ、僅かに摩耗量を軽減したが、摩耗面の均一電
着性が悪く、試験条件にするため、均一加工を行った
が、作業が困難であった。工業面で採用の場合は電解条
件を低下し、硬さHv700程度で仕上げ加工が可能の
点に処理することを条件とすることを知った。Ni−P
−SiC無電解複合メッキ後、更に400℃加熱処理に
よる試片は、型素材の硬さに拘らず両者共に耐摩耗性に
優れており、その摩耗曲線は重畳して示された。なお本
実験結果による、圧力40kg/cm2 、速度3. 4m
/sの摩耗実験条件は、本実験における各処理鋼の摩耗
量比較に適切条件であって後節でも共通に採用した。
【0028】8.射出成形作業時の離型性改善 金型キャビテ−面が、Ni系メッキ層の場合、樹脂性質
によっては、被加工物の離型性を害するとの声を聞い
た。毎回離型油を用いるとした。これに関する因子は極
めて複雑で、単にNiの反応のみではない。本研究で
は、金型キャビテ−面の摩擦係数を軽減することを徹底
的に施行した。多くの実験結果から、Ni−P−α浴、
αにマイカ、テフロン、BN、グラファイト等を採用し
た。図4はその結果を示す一例である。型鋼にはYS
S、HPM1(熱処理済み市販鋼)を用い、摩耗実験
は、前節実験条件による。図4で、固定試験片はYS
S、HPM1、○はメッキ処理なし、接触圧力10kg
/cm2 。●はNi−P無電解メッキ処理。△はNi−
P+Bセラミック複合メッキ処理。▲はNi−P+A+
Bセラミック複合メッキ処理。但し、A:SiC、B:
MicaまたはBN。●、△、▲は接触圧力40kg/
cm2 、摩擦速度3. 4m/s 一定の下にすべり摩耗
実験を行った。結果は各添加物が各々それなりの離型性
効果を認めたが、耐摩耗性との関連もあって、Ni−P
−SiC−マイカまたはテフロンなどにより、離型性が
改善された。
【0029】9.米国UL規制(難燃性樹脂)成形時の
侵食性ガスと対策。 難燃性樹脂に含むハロゲン系添加物(弗素、臭素、塩
素)により、これの溶融成形時には著しい侵食性ガスを
生じ、金型その他に腐食摩耗を生ずる。本研究はステン
レス型鋼を用い、これに窒化法、硼化法、または硬質ク
ロム電解メッキ等を施したが、全く防止不能であった。
多くの実験結果から要約し、SCM435構造用低合金
鋼を型鋼としNi−P系無電解複合メッキ層20μm以
上により完全防止しすることを認めた。図5にその結果
を示したが、実験樹脂PVC94V−0(塩ビ系樹脂に
最もハロゲン系添加物多量)の難燃性樹脂の成形温度1
95℃とし、その侵食性、ガス雰囲気中の函内に摩耗験
機の試料摩耗作用の運転部分を挿入し、侵食ガス中で、
乾燥すべり摩耗を行ったもので、初期の目的を果たし得
た。図5で、○はSUS410(540℃Tempe
r)、●はSUS410(700℃Temper)、☆
はSUS420J2 (540℃Temper )、★はSUS
420J2 (700℃Temper )、△はSUS410
(ホウ化処理)、▲はSUS410(窒化処理)、▽は
SCM435(ホウ化処理)、□はSCM435(Cr
メッキ8μm)、■はSCM435(Ni−P−αメッ
キ20μm)である。
【0030】10.鋳鉄(JIS. FCD30、FCD
40)に無電解複合メッキ処理例 従来、鋳鉄の部品で耐摩耗を重視する鋳鉄部品にシリン
ダ−ライナ−鋳鉄がある。出願者は、かって国の内外の
著名のシリンダ−ライナ−鋳造を集め、潤滑すべり摩耗
実験を行ったData を持つ。鋳鉄は圧縮抵抗には強いが
溶融温度(m・ p)が鋼に比較して、低いことは衆知の
処である。実験によると、接触圧力15kg/cm2 以
上の場合、摩擦速度の許容値は1. 0m/s を越える
こと許されない。溶融摩耗を生じ焼付き現象を生ずるこ
とを確認している。図6は本研究の鋳鉄による結果の総
括である。鋳鉄試片のA〜Eは、いずれも、化学組成が
異なり、強度も各々違う鋳鉄であるが、Ni−P−Si
C複合メッキを施した場合は、強弱著しく相違する鋳鉄
であっても、摩耗試験の結果は、接近した摩耗曲線を示
す。図6で、○はXA、△はXE、●はMA、▲はM
E、+はMCである。但し、X:応力除去、500℃×
3h→炉冷。M:850℃×5→260℃×30′、M
arquench→A.C.、260℃×60′Temper 。写真
7はFCD30に複合メッキ処理を施した一例を示した
顕微鏡写真(×378)。なお写真8、9は、摩耗試験
結果の許容摩擦速度を検討した顕微鏡写真(×400)
を示すが、写真8−aの速度3. 4m/s までは安定
な摩耗機構であるが、写真8−bの速度4. 2m/s
によると、溶融摩耗を生ずることを知る。接触圧力は4
0kg/cm2 である。また写真9は、摩擦速度3. 4
m/s 一定とし、許容最大接触圧力を求めた顕微鏡写
真であって、写真9−aの接触圧力70kg/cm2 ま
では安定摩耗であるが、写真9−bの接触圧力80kg
/cm2 は焼付き性摩耗を生ずることを認めた。即ち、
鋳鉄の摩耗機構は、無電解複合メッキ処理によって、顕
緒な耐摩耗性の得られることを認めた。写真10(×37
8)は、FCD40鋳鉄にNi−P無電解メッキを施し
た例で、メッキ層に応力を生ぜず任意の厚メッキ層を得
られるが、写真で示すようにメッキ層は非晶質(アモル
ファス)である。この厚メッキ厚は鉄鋼の場合も同様に
生じ、この層を利用し、超寸法精度サブミクロンを必要
とする超精度部品に応用することは、興味深いと考え
る。
【0031】11.その他無電解メッキ処理の応用例 a)写真11は、JIS. ADC12のAl合金に近似す
るHIT51(市販名)に、ダイヤモンド複合メッキ処
理を施した試験片の断面、顕微鏡写真(×400)例で
ある。メッキ層は物理化学的に頗る安定な性質を有す
る。 b)表1〜表3は、JIS. SKH57(高速度工具
鋼)製エンドミル、10mmφ二枚刃のオ−エスジ−社
標準の市販品に本研究のNi−P−αの無電解複合メッ
キ処理を施した。αにはテフロン、マイカ、BNなどを
用い、メッキ厚1. 0〜20. 0μmとし、被加工材S
50Cに切削試験を施した結果例を示す。
【表1】
【表2】 試験結果:無電解セラミックによる複合メッキ処理で、
EDS(二枚刃)φ10の性能は、被切削材S50C材
のみぞ切削に用いて標準品(ESD.無処理)と切削耐久力
を比べたが、表3であった。
【表3】 c)図7は、上述オ−エスジ−社製SKH57鋼エンド
ミル10mmφ二枚刃により被切削材S55Cを次の切
削条件で切削し、その切削作業中の振動波形を小野測器
社製振動計で実測した一例で、図7(a)は速度波形、
図7(b)はスペクトル(速度)、図7(c)は変位波
形である。 切削条件:切り込み1. 0m/min、2. 0m/mi
n、周速31. 4m/min 実測波形:dry切削中の速度波形、スペクトル(速
度)、変位波形の実測 結果:標準品と、無電解複合メッキ処理品の相違を示し
たが要は標準品に比べ、処理鋼の摩擦係数の優ることに
よるものと考える。 d)JIS.SKD11及びSKD61または同等工具
鋼に標準的焼入、焼戻を施し、これに加圧窒化処理(窒
化性雰囲気に、圧力10kg/cm2 以下を加えた窒化
法)を窒化処理温度520℃、2〜10h処理を施し、
更に本研究の無電解複合メッキ処理を加えた工具鋼処理
開発 メッキ浴例:Ni−P−α浴、αにはSiC、W、Bo
ron、BN、Micaなどを、更に化合物析出処理2
00℃〜500℃加熱を加えることもある。 応用例・Al合金のダイカスト成形型その他、写真12〜
14に複合メッキ処理後の試料、断面、顕微鏡写真(×4
00)で、その一例を示した。
【0032】
【発明の効果】本発明は前述のように構成されたから、
各種成形用金型鋼として耐食、耐熱、腐食摩耗などに耐
え、著しく耐摩耗性に優れ、耐久性が著しく向上し、耐
摩耗試験等を行って検証して良好な結果が得られ、金属
加工用切削工具鋼として切削性、被切削性共に優れ、耐
摩耗性が向上する等優れた効果を奏する金属材料の無電
解複合メッキ処理法を提供することが出来る。
【0033】
【図面の簡単な説明】
【図1】無電解複合メッキ処理法の要部工程説明図であ
る。
【図2】(a)スピンドル改良型潤滑すべり摩耗試験機
の概要説明図である。
【図2】(b)回転試験片と固定試験片の正面図であ
る。
【図3】各種メッキ処理における長距離すべり摩耗試験
の結果を示すグラフである。
【図4】各種メッキ処理を施したYSS、HPM1鋼の
長距離すべり摩耗試験の結果を示すグラフである。
【図5】鋼材型の熱処理の変化と、メッキ処理による腐
食摩耗実験(侵食性ガス内での乾燥すべり摩耗)結果を
示すグラフである。
【図6】複合メッキ処理に於ける接触圧力の変化と摩耗
量の関係を示すグラフである。
【図7】(a)振動計による速度波形グラフである。
【図7】(b)振動計によるスペクトル(速度)グラフ
である。
【図7】(c)振動計による変位波形グラフである。
【写真1】3mmφの小ねじにNi−P無電解メッキを
施した拡大写真である。
【写真2】炭素鋼S55Cに減圧条件で無電解複合メッ
キを施した組織写真である。
【写真3】SCM435合金鋼にセラミック複合メッキ
を施した拡大写真である。
【写真4】Be−Cu合金にNi−P−SiC無電解複
合メッキを施した拡大写真である。
【写真5】Al合金(JIS.7075超々Duralumi
n)にNi−P−SiC無電解複合メッキを施した拡大
写真である。
【写真6】Zn合金にNi−P−SiC無電解複合メッ
キを施した拡大写真である。
【写真7】FCD30に複合メッキ処理を施した顕微鏡
写真である。
【写真8】摩耗試験結果の許容摩擦速度を検討した顕微
鏡写真で、速度3. 4m/s と速度4. 2m/s で
ある。
【写真9】摩耗試験結果の許容摩擦速度を検討した顕微
鏡写真で、摩擦速度3. 4m/s一定とし、許容最大接
触圧力を求めた顕微鏡写真であって、接触圧力70kg
/cm2 と接触圧力80kg/cm2 である。
【写真10】FCD40鋳鉄にNi−P無電解メッキを施
した拡大写真である。
【写真11】JIS. ADC12のAl合金に近似するH
IT51(市販名)に、ダイヤモンド複合メッキ処理を
施した顕微鏡写真である。
【写真12】JIS. SKD11に加圧窒化処理とNi−
P無電解複合メッキを施した拡大写真である。
【写真13】JIS. SKD11に加圧窒化処理とNi−
P−SiC無電解複合メッキを施した拡大写真である。
【写真14】JIS. SKD61に加圧窒化処理とNi−
P−SiC無電解複合メッキを施した拡大写真である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年6月4日
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】無電解複合メッキ処理法の要部工程説明図であ
る。
【図2】(a)はスピンドル改良型潤滑すべり摩耗試験
機の概要説明で、(b)は回転試験片と固定試験片の正
面図である。
【図3】各種メッキ処理における長距離すべり摩耗試験
の結果を示すグラフである。
【図4】各種メッキ処理を施したYSS、HPMl鋼の
長距離すべり摩耗試験の結果を示すグラフである。
【図5】鋼材料の熱処理の変化と、メッキ処理による腐
食摩耗実験(侵食性ガス内での乾燥すべり摩耗)結果を
示すグラフである。
【図6】複合メッキ処理に於ける接触圧力の変化と摩耗
量の関係を示すグラフである。
【図7】振動計による速度波形グラフである。
【図8】振動計によるスペクトル(速度)グラフであ
る。
【図9】振動計による変位波形グラフである。
【図10】3mmφの小ねじにNi−P無電解メッキを
施した拡大断面メッキ層金属組織写真である。
【図11】炭素鋼S55Cに減圧条件で無電解複合メッ
キを施した金属組織写真である。
【図12】SCM435合金鋼にセラミック複合メッキ
を施した拡大金属組織写真である。
【図13】Be−Cu合金にNi−P−SiC無電解複
合メッキを施した拡大金属組織写真である。
【図14】Al合金(JIS.7075超々Dural
umin)にNi−P−SiC無電解複合メッキを施し
た拡大金属組織写真である。
【図15】Zn合金にNi−P−SiC無電解複合メッ
キを施した拡大金属組織写真である。
【図16】FCD30に複合メッキ処理を施した金属組
織顕微鏡写真である。
【図17】摩耗試験結果の許容摩擦速度を検討した金属
組織顕微鏡写真で、(a)は速度3.4m/sで、
(b)は速度4.2m/sである。
【図18】摩耗試験結果の許容摩擦速度を検討した金属
組織顕微鏡写真で、摩耗速度3. 4m/s一定とし、
許容最大接触圧力を求めたものであって、(a)は接触
圧力70kg/cm2で、(b)は接触圧力80kg/
cm2である。
【図19】FCD40鋳鉄にNi−P無電解メッキを施
した拡大金属組織写真である。
【図20】JIS.ADC12のAl合金に近似するH
IT51(市販名)に、ダイヤモンド複合メッキ処理を
施した金属組織顕微鏡写真である。
【図21】JIS.SKD11に加圧窒化処理とNi−
P無電解複合メッキを施した拡大金属組織写真である。
【図22】JIS.SKD11に加圧窒化処理とNi−
P−SiC無電解複合メッキを施した拡大金属組織写真
である。
【図23】JIS.SKD61に加圧窒化処理とNi−
P−SiC無電解複合メッキを施した拡大金属組織写真
である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図19】
【図20】
【図21】
【図17】
【図18】
【図22】
【図23】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄系金属材料に、焼入、焼戻を行ったも
    の、または更に窒化処理を補足した鋼材、並びに非鉄金
    属材料に対し、各々無電解複合メッキ処理を加え、物理
    化学的耐久性向上を計る金属材料の無電解複合メッキ処
    理法。
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