JPH09209742A - 過給機付き内燃機関の排気制御装置 - Google Patents

過給機付き内燃機関の排気制御装置

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JPH09209742A
JPH09209742A JP8018749A JP1874996A JPH09209742A JP H09209742 A JPH09209742 A JP H09209742A JP 8018749 A JP8018749 A JP 8018749A JP 1874996 A JP1874996 A JP 1874996A JP H09209742 A JPH09209742 A JP H09209742A
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JP
Japan
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fuel ratio
air
exhaust
nox
passage
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Application number
JP8018749A
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English (en)
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Mitsunori Teramura
光功 寺村
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01NGAS-FLOW SILENCERS OR EXHAUST APPARATUS FOR MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; GAS-FLOW SILENCERS OR EXHAUST APPARATUS FOR INTERNAL COMBUSTION ENGINES
    • F01N2340/00Dimensional characteristics of the exhaust system, e.g. length, diameter or volume of the apparatus; Spatial arrangements of exhaust apparatuses
    • F01N2340/04Dimensional characteristics of the exhaust system, e.g. length, diameter or volume of the apparatus; Spatial arrangements of exhaust apparatuses characterised by the arrangement of an exhaust pipe, manifold or apparatus in relation to vehicle frame or particular vehicle parts
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 過給機を備えリーン空燃比で運転可能な内燃
機関の排気制御装置において、過給機における過給効率
の低下を抑制しつつ、NOx 還元触媒におけるNOx 浄
化作用の低下を防止する。 【解決手段】 エンジン11は燃焼室を含む各気筒#1
〜#4を有する。各気筒#1〜#4の排気ポートにエグ
ゾーストマニホルド28の分岐管29を接続する。同マ
ニホルド28の下流側における排気通路13に三元触媒
コンバータ31を配設し、同コンバータ31の下流側に
ターボチャージャ33のタービン35を配設する。排気
通路13においてタービン35の下流側にNOx 触媒コ
ンバータ47を配設する。第4気筒#1に接続された分
岐管29にバイパス通路43の上流側を接続し、同通路
43の下流側を三元触媒コンバータ31とタービン35
との間の排気通路13に接続する。バイパス通路43に
バイパス制御弁44を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、過給機を備えた内
燃機関の排気制御装置に係り、詳しくは、内燃機関から
排出されるNOx 成分を浄化するための排気制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より内燃機関から排出されるNOx
成分を浄化(除去)するための技術が種々提案されてい
る。例えば、特開平6−235319号公報には、過給
機を備えるとともに、排気中に含まれるNOx 成分を浄
化可能な触媒システムを有した内燃機関が開示されてい
る。
【0003】より詳細に説明すると、同機関では、排気
通路の途中に過給機が設けられるとともに、その過給機
の上流側及び下流側にそれぞれNOx 還元触媒が設けら
れている。又、各NOx 還元触媒をバイパスするバイパ
ス通路が排気通路の一部としてそれぞれ設けられ、更に
各バイパス通路には各通路を開閉するバイパス弁が設け
られている。そして、各バイパス弁を排気温度等に応じ
て開閉制御することにより、過給機の上流側及び下流側
に設けられた各NOx 還元触媒のいずれかを選択して排
気を通過させ、排気中に含まれるNOx 成分の浄化を行
うようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、理論空燃比より
も空気過剰状態の空燃比、いわゆるリーン空燃比で内燃
機関の運転を行い、同機関における燃費の向上を図るこ
とがおこなわれている。このようなリーン空燃比で運転
を行う内燃機関において、上記従来技術における触媒シ
ステムを適用した場合には、以下のような問題が生じ
る。
【0005】即ち、リーン空燃比においては、機関の排
気中に含まれるNOx 成分が増加するのに対して、同排
気中に含まれる炭化水素(HC)、或いは一酸化炭素
(CO)成分は減少する。前記NOx 還元触媒は、前記
HC、或いはCO等の還元作用によりNOx 成分を還元
するものである。従って、NOx 還元触媒には、例えば
排気中からNOx 成分の還元に必要なHC成分等を供給
する必要がある。
【0006】ところが、内燃機関がリーン空燃比で運転
を行っている場合、前述したように同機関からの排気中
に含まれるHC、CO成分が減少するため、前記各NO
x 還元触媒において必要なHC、CO成分量が不足する
ことがあった。その結果、NOx 還元触媒におけるNO
x 成分の浄化作用が低下するという問題があった。
【0007】更に上記従来技術では、過給機の上流側に
設けられたNOx 還元触媒における排気の圧力損失によ
り、過給機における過給効率が低下するという欠点があ
った。このため、従来より、過給機を備え、且つ、リー
ン空燃比で運転可能な内燃機関においては、触媒システ
ムによりNOx 成分の浄化を確実に行うことができ、更
に、排気通路中に触媒システムを設けたことに起因した
過給機の過給効率低下を抑制することができる技術が望
まれていた。
【0008】本発明は上記のような従来技術における事
情を鑑みてなされたものであって、その第一の目的は、
過給機を備えリーン空燃比で運転可能な内燃機関の排気
制御装置において、NOx 還元触媒におけるNOx 浄化
作用の低下を防止することにある。第二の目的は、前記
装置において、更に、過給機における過給効率の低下を
抑制することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、リーン空燃比で運転可能な
多気筒内燃機関に設けられた排気通路と、前記排気通路
に設けられた三元触媒と、同三元触媒より下流側の排気
通路に設けられ、HC、或いはCO成分とNOx 成分と
を反応させてNOx 成分の還元を行うNOx 還元触媒
と、前記三元触媒とNOx 還元触媒との間における排気
通路に設けられた過給機と、前記排気通路において前記
三元触媒及び過給機のそれぞれの上流側を接続し、三元
触媒をバイパスして排気の一部を通過させるバイパス通
路と、前記バイパス通路に設けられ、同通路を開放閉塞
可能な制御弁とを有した過給機付き内燃機関の排気制御
装置において、内燃機関がリーン空燃比で運転している
際に、同機関の排気中に含まれるHC、或いはCO成分
を所定時間増大させるHC量増大手段と、前記HC量増
大手段により排気中に含まれるHC、或いはCO成分が
増大した際に、前記制御弁を開弁させ前記バイパス通路
内にその排気を通過させる通路制御手段とを備えたこと
をその要旨とするものである。
【0010】又、請求項2記載の発明は、請求項1に記
載した過給機付き内燃機関の排気制御装置において、前
記排気通路は、各気筒の排気ポートにそれぞれ接続され
る分岐管を有し前記HC量増大手段は、一部の気筒に接
続された前記分岐管からの排気のみに含まれるHC、或
いはCO成分を増大させるものであり、更に、前記バイ
パス通路は、その上流側が前記一部の気筒の分岐管に接
続されたものであることをその要旨とするものである。
【0011】(作用)上記請求項1及び請求項2に記載
した発明の作用について説明する。請求項1記載の発明
によれば、内燃機関がリーン空燃比で運転される際、H
C量増大手段により排気中に含まれるHC、或いはCO
成分が所定時間増大される。この際、通路制御手段によ
って制御弁が開弁されるため、HC、或いはCO成分が
増加した排気の一部は三元触媒を通過することなくバイ
パス通路を介して過給機の上流側に導入される。従っ
て、前記排気の一部に含まれるHC、或いはCO成分が
三元触媒において酸化されてしまうことがない。
【0012】又、バイパス通路を通過した前記排気の一
部は過給機の上流側に導入され、同通路を通過しない排
気と合流して過給機に導入される。このため、バイパス
通路の下流側を過給機の下流側に接続する構成とした場
合と比較して、過給機における過給効率の低下が抑制さ
れる。
【0013】更に、HC、或いはCO成分が増加した排
気は、過給機から同過給機の下流側に設けられたNOx
還元触媒に導入される。従って、NOx 還元触媒にはN
Oxの還元に必要なHC、或いはCO成分が供給される
ため、同触媒におけるNOx浄化作用の低下が防止され
る。
【0014】請求項2記載の発明によれば、請求項1に
記載した発明の作用に加え、HC量増大手段は、内燃機
関がリーン空燃比で運転されている際に、一部の気筒に
接続された分岐管を通過する排気のみに含まれるHC、
或いはCO成分を増大させる。この際、通路制御手段に
より制御弁が開弁され、HC、或いはCO成分が増加し
た排気の一部は、三元触媒を通過することなくバイパス
通路を介して過給機の上流側にある排気通路に導入され
る。
【0015】又、内燃機関はリーン空燃比で運転されて
いることから、前記HC量増大手段によってHC、或い
はCO成分の増大操作が行われない気筒からは、O2 を
多量に含む排気が、分岐管を介して同じく過給機の上流
側にある排気通路に導入される。そして、排気通路の導
入されたO2 を多量に含む排気は、前述のHC、或いは
CO成分を含む排気と混合される。
【0016】そして、混合された排気は、その温度が高
いため、HC、或いはCO成分の一部がO2 と反応して
酸化し、その酸化熱によって体積が増加する。従って、
前記三元触媒を通過して圧力が低下した排気の圧力は再
び増加する。その結果、過給機には圧力が増加した排気
が流入することとなるため、過給機における過給効率の
低下を更に抑制することができる。又、HC、或いはC
O成分の一部は酸化されることなく、過給機の下流側排
気通路を介してNOx 還元触媒に導入され、NOx 成分
の還元に供される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明を自動車のガソリ
ンエンジンシステムに具体化した実施の形態について図
面を参照して詳細に説明する。本実施の形態におけるガ
ソリンエンジンは、後述する吸気通路に導入された空気
量とインジェクタから噴射される燃料量との比、即ち、
空燃比がリーン空燃比の状態で運転可能である。
【0018】図1に示すガソリンエンジンシステムは、
内燃機関としてのエンジン11と、エンジン11に吸入
空気を導入する吸気通路12と、エンジン11にて発生
した排気を外部へ排出するための排気通路13とを備え
ている。
【0019】エンジン11内には燃焼室を含む第1〜4
気筒#1,#2,#3,#4が形成されており、又、各
気筒#1〜#4にはエンジン11に接続されたインテー
クマニホルド14を介して吸気通路12が接続されてい
る。
【0020】吸気通路12の上流側(空気取り入れ側)
には、エアクリーナ15が接続されており、同クリーナ
を介して吸気通路12内には清浄な空気が導入される。
インテークマニホルド14と吸気通路12の間には、吸
入空気の脈動を抑制するためのサージタンク16が接続
されている。
【0021】インテークマニホルド14のエンジン11
接続側には、各気筒#1〜#4内に燃料を噴射するため
のインジェクタ17がインテークマニホルド14内に突
出するように配設されている。各インジェクタ17は、
通電により開かれる電磁弁であり、各インジェクタ17
には、燃料タンク(図示しない)からポンプ(図示しな
い)により燃料が圧送される。吸気通路12の吸入空気
とインジェクタ17から噴射された燃料との混合気は、
各気筒#1〜#4に設けられた吸気バルブ(図示しな
い)により吸気ポート(図示しない)が開かれることに
より、各燃焼室に導入(吸入)される。
【0022】吸気通路12において前記サージタンク1
6の近傍にはスロットルバルブ18が設けられている。
スロットルバルブ18は、アクセルペダル(図示しな
い)の操作に連動して作動することにより、吸気通路1
2を開閉する。そして、このバルブ18の作動により、
吸気通路12における吸入空気量が調節される。スロッ
トルバルブ18の近傍にはスロットルセンサ19が設け
られている。スロットルセンサ19はスロットルバルブ
18の開度(スロットル開度)を検出し、その開度に応
じた信号を出力する。
【0023】サージタンク16に接続配管20によって
吸気圧センサ21が接続されている。同センサ21は、
サージタンク16における過給圧力を含む吸気圧PMを
検出し、その圧力に応じた信号を出力する。吸気圧セン
サ21は結晶(シリコン)に圧力を加えるとその電気抵
抗が変化する性質を利用した半導体式圧力センサよりな
り、吸気圧力を電気信号に変換及び増幅して出力する。
【0024】各気筒#1〜#4内には、吸入された混合
気に点火するための点火プラグ22が突出するように配
設されている。各点火プラグ22は、プラグコード等
(図示しない)を介して、エンジン11の近傍に配設さ
れているディストリビュータ23に接続されている。デ
ィストリビュータ23には、電子制御装置(以下、「E
CU」という)24からの点火信号に基づき高電圧を出
力するイグナイタ25が接続されており、イグナイタ2
5から出力された高電圧は、ディストリビュータ23に
よりクランク角度に同期して各点火プラグ22に分配さ
れる。
【0025】又、ディストリビュータ23には、エンジ
ン11の回転に連動して回転するロータ(図示しない)
が内蔵されている。そして、このディストリビュータ2
3には、ロータの回転からエンジン11の回転速度(エ
ンジン回転数NE)を検出する回転数センサ26が設け
られている。この回転数センサ26は、例えば、クラン
ク角(CA)10°毎に回転パルス信号を出力する。
【0026】更に、ディストリビュータ23には、ロー
タの回転に応じて、エンジン11のクランク角の変化を
所定の割合で検出する気筒判別センサ27が設けられて
いる。この気筒判別センサ27は、例えば、720°C
A毎に基準位置信号を出力するようになっている。尚、
本実施の形態において、上記吸気圧センサ21及び回転
数センサ26によってエンジンの運転状態を検出するた
めの運転状態検出手段が構成されている。
【0027】又、各気筒#1〜#4には排気バルブ(図
示しない)が設けられており、同排気バルブにより排気
ポート(図示しない)が開かれることにより、各気筒#
1〜#4において燃焼した燃焼ガスが排気として排気通
路13に排出される。排気通路13の上流側は各気筒#
1〜#4の排気ポートに対して、排気通路13の一部を
構成するエグゾーストマニホルド28を介して接続され
ている。エグゾーストマニホルド28は、各気筒#1〜
#4の排気ポートにそれぞれ接続された分岐管29と、
各分岐管29の下流側がそれぞれ接続され、排気が集合
して流れる集合部30とを有している。この集合部30
の下流側(排気が導出する側)には三元触媒コンバータ
31が接続されている。同コンバータ31の内部には三
元触媒31aが内蔵されており、同触媒はエンジン11
が理論空燃比近傍で運転を行う際に、排気中に含まれる
HC、CO、及びNOx 成分の三成分を同時に浄化する
ことができる。又、三元触媒コンバータ31近傍の排気
通路13には、排気中の酸素濃度を検出する酸素センサ
32が配設されている。
【0028】吸気通路12と排気通路13との間には過
給機としてのターボチャージャ33が設けられており、
同ターボチャージャ33によって、吸気通路12を通過
して各気筒#1〜#4へ吸入空気が過給される。ターボ
チャージャ33はコンプレッサ34及びタービン35
と、それら両者34,35を連結するシャフト36とを
備えている。前記コンプレッサ34は、エアクリーナ1
5と後述するインタクーラ46との間における吸気通路
12に配置されている。又、タービン35は前記三元触
媒コンバータ31と後述するNOx 触媒コンバータとの
間の排気通路13に配置されており、排気通路13を流
れる排気の運動エネルギによって回転される。タービン
35が排気の運動エネルギによって回転すると、前記コ
ンプレッサ34はタービン35と一体に回転し、吸気通
路12を流れる吸入空気が過給される。この過給作用に
より、各気筒#1〜#4の燃焼室に導かれる空気が高密
度化され、エンジン11における出力の増大が図られ
る。
【0029】排気通路13には前記タービン35をバイ
パスする圧力調整通路37が設けられており、同通路3
7によってタービン35の上流側と下流側とが連通され
ている。圧力調整通路37にはターボチャージャ33に
おける過給圧を制御するためのウェイストゲートバルブ
38が設けられている。同ウェイストゲートバルブ38
はダイヤフラム式のアクチュエータ39によって作動す
るようになっている。アクチュエータ39には圧力室
(図示しない)が設けられており、同圧力室は第1圧力
通路40を介して、コンプレッサ34より下流側の吸気
通路12に接続されている。この第1圧力通路40には
コンプレッサ34による過給圧力が作用する。第1圧力
通路40を通じて圧力室に導かれる過給圧力が所定値を
越えると、アクチュエータ39が作動して、ウェイスト
ゲートバルブ38が開弁し圧力調整通路37が開かれ
る。これにより、タービン35に流れるべき排気の一部
がタービン35を迂回して圧力調整通路37を流れ、タ
ービン35の回転が抑えられる結果、コンプレッサ34
による過給圧が抑えられる。従って、ウェイストゲート
バルブ38の開度を調節することにより、ターボチャー
ジャ33による過給圧力が調節される。
【0030】更に、前記圧力室は第2圧力通路41を介
して前記コンプレッサ34より上流側の吸気通路12に
接続されている。この第2圧力通路41には、コンプレ
ッサ34により過給される前の吸入空気圧力が作用す
る。圧力通路にはバキューム・スイッチング・バルブ
(以下、「VSV」という)42が設けられており、同
VSV42により同通路が開閉される。このVSV42
の開度は電気的にデューティ制御されるようになってお
り、このVSV42が適宜に開かれることにより、過給
圧力より低い空気圧力が第2圧力通路41を通じて圧力
室に導入される。これによって圧力室の圧力が下がり、
アクチュエータ39はウェイストゲートバルブ38の開
度を小さくするように作動する。
【0031】又、本実施の形態において、前記三元触媒
コンバータ31をバイパスして排気を通過させるバイパ
ス通路43が設けられている。このバイパス通路43の
上流側は、前記エグゾーストマニホルド28において、
前記第4気筒#4に接続された分岐管29に接続され、
又、同通路43の下流側は三元触媒コンバータ31とは
前記タービン35との間の排気通路13に接続されてい
る。
【0032】バイパス通路43の途中には同通路43を
開放閉塞する制御弁としてのバイパス制御弁44が設け
られている。バイパス制御弁44はアクチュエータ45
を有しており、このアクチュエータ45がECU24か
らの制御信号に基づいて作動することにより同弁44が
開閉駆動されるようになっている。
【0033】吸気通路12において前記スロットルバル
ブ18とコンプレッサ34との間にはインタクーラ46
が設けられており、コンプレッサ34により過給され温
度上昇した吸入空気はインタクーラ46により冷却され
る。従って、吸気通路12から各気筒#1〜#4内に導
入される吸入空気の単位体積当たりの重量が増加して、
エンジン11出力の増大が図られる。
【0034】排気通路13において、前記タービン35
よりも下流側の位置には、NOx 触媒コンバータ47が
設けられ、更に、同コンバータ47の下流側にはマフラ
48が設けられている。NOx 触媒コンバータ47はN
Ox 還元触媒としてのNOx吸収還元触媒47aを内蔵
している。このNOx 吸収還元触媒47aは、例えばア
ルミナからなる多孔質体(図示しない)と、この多孔質
体上に担持されたバリウムBaからなるNOx 吸収物質
(図示しない)、及び白金Ptのような貴金属(図示し
ない)とを有している。そして、NOx 吸収還元触媒4
7aは、排気中に含まれるNOx 成分をエンジン11の
空燃比状態に応じて吸収、還元することによって同成分
の浄化を行う。
【0035】以下、NOx 吸収還元触媒47aにおける
NOx 成分の吸収還元作用について説明する。エンジン
11がリーン空燃比状態で運転され、排気中に含まれる
酸素O2 の濃度が増大すると、排気中のNOx 成分は貴
金属の表面で酸素O2 によって酸化され、NO2 とな
る。そして、酸化されたNOx 成分(NO2 )は前記N
Ox 吸収物質に吸収される。このようなNOx 吸収還元
触媒47aにおけるNOx 吸収作用は、排気中における
酸素濃度が高い状態にあり、且つ、NOx 吸収物質にお
ける吸収能力が飽和してしまわない限り続けられる。
【0036】これに対して、エンジン11が理論空燃
比、或いはリッチ空燃比で運転され、排気中の酸素濃度
が低下するとともに、排気中に含まれるHC或いはCO
成分量が増大する。すると、NOx 吸収物質に吸収され
ているNOx 成分(NO2 )が貴金属の表面上から放出
されるとともに、排気中に含まれるHC,CO成分と反
応して還元される。その結果、HC、CO、及びNOx
成分は、二酸化炭素(C02 )、水(H2 0)、及び窒
素(N2 )に変換され、NOx 触媒コンバータ47から
前記マフラ48を介して外部に排出される。
【0037】上記NOx 吸収還元触媒47aは、前述し
たように、エンジン11の運転状態に応じてNOx を吸
収、及び還元を行うものであるが、同触媒47aにおけ
るNOx 成分の吸収能力は、前記NOx 吸収物質に吸収
されているNOx 成分が所定量を越えると低下する性質
を有している。従って、NOx 吸収物質の吸収能力が飽
和する前に、NOx 吸収還元触媒47aに対してHC、
或いはCO成分が供給され、NOx 吸収物質に吸収され
ているNOx 成分を放出還元することによって、同物質
におけるNOx 吸収能力を回復させる必要がある。特
に、エンジン11がリーン空燃比で運転されている場合
には、排気に含まれるNOx 成分が増加する一方で、同
成分の還元剤となるHC、或いはCO成分が減少するた
め、NOx吸収物質における吸収能力の低下が生じやす
い。そこで、本実施の形態では、エンジン11がリーン
空燃比で運転する場合に、一部の気筒の空燃比をリーン
空燃比の状態からリッチ空燃比に切り換える空燃比制御
を行うことによって、排気中に含まれるHC或いはCO
成分を所定時間増加させ、HC、或いはCO成分が増加
した排気をNOx 触媒コンバータ47内のNOx 吸収還
元触媒47aに対して供給するようにしている。
【0038】次に、本実施の形態における排気制御装置
における電気的構成について説明する。図2は、ECU
24、及び同ECU24に接続された各種センサ19,
21,26,27,32、及び各インジェクタ17、イ
グナイタ25、VSV42、バイパス制御弁44を示す
ブロック図である。同図に示すように、ECU24は中
央処理装置(以下、「CPU」という)49、読み出し
専用メモリ(以下、「ROM」という)50、ランダム
アクセスメモリ(以下、「RAM」という)51、及び
バックアップRAM52等を備える。ECU24はこれ
ら各部と、入力インタフェース53、及び出力インタフ
ェース54等とを双方向バスにより接続してなる論理演
算回路によって構成されている。ここで、ROM50は
所定の制御プログラム等を予め記憶している。RAM5
1にはCPU49の演算結果等が一時的に記憶される。
又、バックアップRAM52には予め記憶したデータが
保存されている。入力インタフェース53はバッファ、
波形整形回路及びA/D変換器等を含み、又、出力イン
タフェース54は駆動回路等を有している。
【0039】各種センサからの信号は入力インタフェー
ス53を介して前記CPU49に入力される。CPU4
9はそれら入力値に基づき、空燃比制御を含む燃料噴射
量制御、点火時期制御、及び過給圧力制御等の処理を実
行する。
【0040】ここで、燃料噴射量制御とは、エンジン1
1の運転状態に応じて各インジェクタ17から噴射され
る燃料量を制御することである。点火時期制御とは、エ
ンジン11の運転状態に応じてイグナイタ25を制御す
ることにより、各点火プラグ22を作動させて各燃焼室
における混合気の点火時期を制御することである。又、
過給圧力制御とは、吸気圧力(過給圧力)の状態を含む
エンジン11の運転状態に基づいてVSV42の開度を
デューティ制御することにより、アクチュエータ39を
作動させ、前記ウェイストゲートバルブ38の開度を制
御することである。
【0041】本実施の形態における排気制御装置では、
以下に説明する「空燃比設定ルーチン」において、第4
気筒#4の空燃比を他の気筒#1〜#3とは異なる空燃
比に所定時間変更することにより、NOx 吸収還元触媒
47aのNOx 吸収物質におけるNOx 吸収能力を回復
させ、NOx 触媒コンバータ47におけるNOx 浄化作
用の低下を防止している。以下、「空燃比設定ルーチ
ン」について図5に示すフローチャートに基づき詳細に
説明する。
【0042】先ず、エンジン11の運転が開始される
と、CPU49によって実行される「初期値設定ルーチ
ン」にて前記「空燃比設定ルーチン」で用いられるカウ
ンタt1,t2 ,C1 ,C2 がそれぞれ「0」に初期設
定されるとともに、後述するカウンタiが「1」に設定
される。尚、カウンタt1 はエンジン11がリーン空燃
比で運転されている場合にのみカウントアップされるカ
ウンタである。「空燃比設定ルーチン」において、CP
U49はカウンタt1 が後述する時間間隔Tj1を越えた
場合に第4気筒#4の空燃比を一時的にリッチ空燃比と
なるように設定する。又、カウンタC1 は第4気筒#4
における空燃比が一時的にリッチ空燃比に設定されてか
らの時間を示すものであり、このカウンタC1 が所定値
Cj1を越えるまでの間、後述するステップ211におい
て第4気筒#4の空燃比補正係数K4 が「1.0」より
小さく設定され、同気筒#4の空燃比がリッチ空燃比に
設定される。
【0043】CPU49の処理が「空燃比設定ルーチ
ン」に移行すると、先ず、CPU49はステップ201
(図では「S201」と示す)において、吸気圧センサ
21、回転数センサ26から出力される吸気圧PM、及
びエンジン回転数NEを入力信号として読み込む。
【0044】ステップ201に続くステップ202で、
CPU49は吸気圧PM及びエンジン回転数NEに基づ
いて空燃比基準補正係数Kを決定する。この空燃比基準
補正係数Kはエンジン11の空燃比を制御するための補
正係数であり、K=1.0に設定されるとエンジン11
の空燃比は理論空燃比となる。又、K>1.0に設定さ
れると、エンジン11空燃比は理論空燃比よりも小さい
リッチ空燃比となり、K<1.0に設定するとエンジン
11の空燃比は理論空燃比より大きく空気が過剰の状
態、即ち、リーン空燃比となる。
【0045】前記ROM50には吸気圧PM及びエンジ
ン回転数NEに対応する空燃比基準補正係数Kが図3に
示すような関数データとして予め記憶されている。CP
U49はこの関数データに基づいて空燃比基準補正係数
Kの決定を行う。本実施の形態では、図3に示すよう
に、吸気圧PMが比較的低い領域(低負荷運転領域)で
は補正係数Kは「1.0」とされ、エンジン11は理論
空燃比で運転される。又、吸気圧PMが比較的高い領域
(中高負荷運転領域)では前記補正係数Kは「1.0」
より小さく設定され、エンジン11はリーン空燃比で運
転される。
【0046】続いて、CPU49はステップ203に移
行し、ステップ202にて決定した空燃比基準補正係数
Kの値が「1.0」より小さいか否かを判断する。そし
て、ステップ203において、空燃比基準補正係数Kが
「1.0」以上である場合(ステップ203が「N
O」)、即ち、エンジン11が理論空燃比で運転される
べき場合には、第4気筒#4の空燃比を切り換える必要
はないため、ステップ213、ステップ214でカウン
タt1 とC1 の値を「0」に設定するとともに、ステッ
プ215で第4気筒#4の空燃比補正係数K4 の値を前
記空燃比基準補正係数Kの値と同一に設定する。そして
CPU49はステップ216で前記バイパス制御弁44
のアクチュエータ45を制御して同弁44を閉弁させ
る。
【0047】一方、ステップ203で空燃比基準補正係
数Kが「1.0」より小さく、エンジン11がリーン空
燃比で運転されるべき場合には、、CPU49はステッ
プ204に移行して、前記カウンタt1 を「1」だけイ
ンクリメントした後、ステップ205に移行する。
【0048】ステップ205においてCPU49は時間
間隔tj1の値を決定する。この時間間隔tj1は前記NO
x 触媒コンバータ47内のNOx 吸収還元触媒47aに
HC、或いはCO成分を供給する時間間隔を示すパラメ
ータである。本実施の形態において、時間間隔tj1は以
下のようにして決定されている。
【0049】前記時間間隔tj1は、エンジン11の排気
中に含まれるNOX 成分量に応じて決定される。即ち、
排気中に含まれるNOx 成分量が多い場合には前記NO
x 吸収還元触媒47aにて吸収されるNOx 成分が多く
なり、同触媒47aのNOx吸収物質におけるNOx 吸
収能力が飽和するまでの時間が短くなる。従って、時間
間隔tj1を短くして、より早いタイミングでNOx 吸収
還元触媒47aにHC、或いはCO成分を供給する必要
がある。
【0050】これに対して、排気中に含まれるNOx 成
分量が少ない場合には、逆に時間間隔tj1を長くして燃
費の向上を図ることが好ましい。排気中のNOX 成分量
はエンジン11の空燃比がリーン側となるほど多くな
る。本実施の形態では、空燃比と排気中のNOx 成分量
との関係が実験等により求められ、その結果に基づい
て、空燃比の状態を示すパラメータである空燃比基準補
正係数Kと時間間隔tj1との関係が関数データとして前
記ROM50に記憶されている。CPU49はその関数
データに基づいて、空燃比基準補正係数Kに対応する時
間間隔tj1を決定する。このようにてして時間間隔tj1
を決定した後、CPU49はステップ206に移行す
る。
【0051】ステップ206においてCPU49はエン
ジン11の空燃比がリーン空燃比となってからの経過時
間を示すカウンタt1 と時間間隔tj1とを比較し、カウ
ンタt1 が時間間隔tj1より小さいか否かを判断する。
カウンタt1 が時間間隔tj1より小さい場合(ステップ
206が「YES」)、CPU49はリーン空燃比の状
態となってから所定時間が経過していないと判断してス
テップ207に移行し、同ステップ207で第4気筒#
4の空燃補正係数K4 を空燃比基準補正係数Kと同一の
値に設定する。そして、続くステップ208においてC
PU49は前記バイパス制御弁44のアクチュエータ4
5を制御して同弁44を閉弁させる。
【0052】一方、ステップ206において、カウンタ
t1 が経過時間tj1以上である場合(ステップ206が
「NO」)、即ち、NOx 吸収還元触媒47aのNOx
吸収物質におけるNOx 吸収能力が飽和状態に近い状態
にあり、同触媒47aに対してHC、或いはCOの供給
を行う必要がある場合、CPU49はステップ209に
移行する。ステップ209に移行したCPU49はカウ
ンタC1 の値を「1」だけインクリメントした後、ステ
ップ210に移行する。そして、同ステップ210にお
いてCPU49はカウンタC1 が所定値Cj1より小さい
か否かを判断する。所定値Cj1は第4気筒#4をリッチ
空燃比に保持する時間である。尚、第4気筒#4の空燃
比をリッチ空燃比に保持する時間Cj1は、本実施の形態
では、例えば1秒以下の短い時間に設定され、第4気筒
#4の空燃比はパルス状にリッチ空燃比に切り換えられ
る。
【0053】ステップ210において、カウンタC1 が
所定値Cj1より小さい場合(ステップ210が「YE
S」)、第4気筒#4の空燃比がリーン空燃比からリッ
チ空燃比に設定されてから所定時間Cj1経過していない
として、CPU49はステップ211に移行して第4気
筒#4の空燃比補正係数K4 を所定値α1 に設定する。
ここで、所定値α1は、α1≧1.0の適宜な値の一定値
であり、本実施の形態では、α1 =1.2に設定され
る。ステップ211において第4気筒#4の空燃比補正
係数K4 がα1 =1.2に設定されることによって、同
気筒#4における空燃比がリーン空燃比の状態からリッ
チ空燃比に切り換えられる。そして、CPU49はステ
ップ211からステップ212に移行して、前記バイパ
ス制御弁44のアクチュエータ45を制御して同弁44
を開弁する。尚、前記ステップ211において第4気筒
#4の空燃比補正係数K4 を所定値α1 に設定する処
理、及びステップ212においてバイパス制御弁45の
開弁制御処理を実行するCPU49は、本発明のHC量
増大手段及び通路制御手段を構成している。
【0054】又、ステップ210で、カウンタC1 が所
定値Cj1以上となっている場合(ステップ210が「N
O」)、CPU49はステップ213、ステップ214
でカウンタt1 とカウンタC1 の値を「0」に設定する
とともに、ステップ215で第4気筒#4の空燃比補正
係数K4 の値を前記空燃比基準補正係数Kの値と同一に
設定する。そしてCPU49はステップ216で前記バ
イパス制御弁44のアクチュエータ45を制御して同弁
44を閉弁させる。
【0055】CPU49はステップ208、ステップ2
12、及びステップ216においてバイパス制御弁44
を開閉制御した後、ステップ301に移行する。ステッ
プ301以降の各処理は、エンジン11がリーン空燃比
の運転状態である場合において、第1〜第3気筒#1〜
#3の空燃比補正係数K1 〜K3 のいずれかを一時的に
リッチ側に変更することにより、前記各触媒31a,4
7aにおける過熱を防止するためのものである。
【0056】即ち、本実施の形態におけるエンジン11
では、図3に示すように、大部分の運転領域でリーン空
燃比の状態となっている。このように、リーン空燃比の
状態では、排気温度が高くなり、各触媒コンバータ3
1,47に内蔵された触媒31a,47aの温度が過度
に上昇して同触媒31a,47aが損傷を被る虞があ
る。本実施の形態における「空燃比設定ルーチン」で
は、第1〜第3気筒#1〜#3における空燃比を一時的
にリッチ空燃比に変更することによって排気温度を低下
させ、各触媒31a,47aの損傷を未然に防止してい
る。
【0057】以下、図6のフローチャートを参照して説
明すると、ステップ301に移行したCPU49は、先
ず、第1〜第3気筒における空燃比補正係数K1 〜K3
をいずれも前記空燃比基準補正係数Kに設定する。続い
て、CPU49はステップ302に移行して、ステップ
202において決定した空燃比基準補正係数Kが「1.
0」より小さいか否かを判断する。そして、CPU49
は空燃比基準補正係数Kが「1.0」以上である場合
(ステップ302が「NO」)、ステップ310に移行
する。
【0058】一方、ステップ302で空燃比基準補正係
数Kが「1.0」より小さい場合、CPU49はステッ
プ303に移行して、前記カウンタt2 を「1」だけイ
ンクリメントした後、ステップ304に移行する。
【0059】ステップ304においてCPU49は時間
間隔tj2の値を決定する。この時間間隔tj2は第1〜第
3気筒#1〜#3の一部の空燃比をリーン空燃比からリ
ッチ空燃比に変更する時間間隔を示すパラメータであ
る。一般に、エンジン11の空燃比がリーン空燃比であ
る場合、排気温度が高くなる傾向があるため、前記時間
間隔tj2を短くして、エンジン11の空燃比をより頻繁
にリッチ空燃比に切り替えることにより排気温度を低下
させる必要がある。逆に、エンジン11の空燃比がリー
ン空燃比であっても理論空燃比に近い場合には、時間間
隔tj2を長くして燃費の向上を図ることが望ましい。前
記ROM50には、エンジン11の空燃比の状態を示す
前記空燃比基準補正係数Kと時間間隔tj2との関係が関
数データとして記憶されている。CPU49はその関数
データに基づいて現在の空燃比基準補正係数Kに対応す
る時間間隔tj2を決定する。そして、CPU49は時間
間隔tj2を決定した後、ステップ305に移行する。
【0060】ステップ305においてCPU49はエン
ジン11の空燃比がリーン空燃比となってからの経過時
間を示すカウンタt2 と、時間間隔tj2とを比較し、カ
ウンタt2 が時間間隔tj2より小さいか否かを判断す
る。カウンタt2 が時間間隔tj2より小さい場合(ステ
ップ305が「YES」)、CPU49はステップ30
9に移行する。
【0061】一方、ステップ305において、カウンタ
t2 が経過時間tj2以上である場合(ステップ305が
「NO」)、CPU49はステップ306に移行する。
ステップ306に移行したCPU49はカウンタC2 の
値を「1」だけインクリメントした後、ステップ307
に移行する。そして、同ステップ307においてCPU
49はカウンタC2 が所定値Cj2より小さいか否かを判
断する。所定値Cj2は第1〜第3気筒#1〜#3の空燃
比をリッチ空燃比に保持する時間を示すパラメータであ
る。
【0062】ステップ307において、カウンタC2 が
所定値Cj2より小さい場合(ステップ307が「YE
S」)、CPU49はステップ308に移行してカウン
タiに対応して決定される一気筒での空燃比補正係数K
n を所定値α2 に設定する。即ち、カウンタiが「1」
である場合、第1気筒の空燃比補正係数K1 が所定値α
2 に変更され、「2」である場合、第2気筒の空燃比補
正係数K2 が、「3」である場合、第3気筒の空燃比補
正係数K3 がそれぞれ所定値α2 に変更される。又、所
定値α2 は、α≧1.0の適宜な値の一定値であり、本
実施の形態では、α=1.2に設定される。ステップ3
08において第1〜第3気筒#1〜#3のいずれかの気
筒における空燃比補正係数Kn がα=1.2に設定され
ることによって、その気筒における空燃比がリーン空燃
比の状態からリッチ空燃比に切り換えられる。尚、本実
施の形態において、ステップ308の空燃比切換処理を
行うCPU49によって触媒31a,47aの温度上昇
を抑制する過熱防止手段が構成されている。
【0063】又、ステップ307で、カウンタC2 が所
定値Cj2以上となっている場合(ステップ307が「N
O」)、CPU49はステップ310、ステップ311
でカウンタt2 とカウンタC2 の値を「0」に設定する
とともに、ステップ312でカウンタiの値を「1」だ
けインクリメントしてステップ313に移行する。
【0064】ステップ313に移行したCPU49はカ
ウンタiの値が「3」以下であるか否かを判断する。そ
して、カウンタiが「3」以下である場合(ステップ3
13が「YES」)、CPU49はステップ309に移
行する。一方、カウンタiが「3」より大きい場合(ス
テップ313が「NO」)、CPU49はステップ31
4に移行してカウンタiを「1」にリセットしてステッ
プ309に移行する。
【0065】ステップ308,313,314からステ
ップ309に移行したCPU49は、それまでの処理に
よって設定した第1〜第4気筒#4における各空燃比補
正係数K1 〜K4 の値を前記RAM51に格納してルー
チンを終了する。
【0066】CPU49は「空燃比設定ルーチン」にて
設定された空燃比補正係数K1 〜K4 に基づいて燃料噴
射量、即ち各気筒#1〜#4毎に設けられたインジェク
タ17における燃料噴射時間TAU1 〜TAU4 を算出
する。
【0067】より詳細に説明すると、燃料噴射時間TA
Uは次式によって算出される。 TAUn =TP×Kn (n=1〜4)・・・(1) 上式(1)において、TPは機関燃焼室内に供給される
混合気の空燃比を理論空燃比にするために必要とされる
燃料噴射時間、すなわち基本燃料噴射時間を示してい
る。本実施の形態において、燃料噴射時間TPは、吸気
圧センサ21により検出された吸気圧PMと機関回転数
NEとの関数データとして、予め実験等により求めら
れ、図4に示すような数値テーブルとして前記ROM5
0に格納されている。CPU49は式(1)によって算
出された前記燃料噴射時間TAUn と一致するように各
気筒#1〜#4に設けられたインジェクタ17の開弁時
間を制御する。
【0068】次に本実施の形態における作用について説
明する。図7は、エンジン11がリーン空燃比で運転さ
れている場合の上記ルーチンの実行による第4気筒#4
の空燃比変化、バイパス制御弁44の開閉状態、及びN
Ox 吸収還元触媒47aに吸収されたNOx 成分の吸収
量を示すタイミングチャートである。
【0069】図7に示すように、エンジン11がリーン
空燃比で運転されている場合、CPU49は所定時間t
j1毎に第4気筒#4の空燃比を一定時間Cj1の間、リッ
チ空燃比に切り換えるとともに、前記バイパス制御弁4
4のアクチュエータ45を制御して同弁44を開弁す
る。その結果、第4気筒#4に接続された分岐管29内
の排気の一部は前記バイパス通路43内に流入する。
【0070】そして、その排気の一部は前記三元触媒コ
ンバータ31を通過することなく、バイパス通路43を
通過して、三元触媒コンバータ31とターボチャージャ
33のタービン35との間の排気通路13に流入する。
ここで、バイパス通路43内を通過する排気は、第4気
筒#4における空燃比が一時的にリッチ側に切り換えら
れているため、多量のHC、或いはCO成分を含んでい
る。従って、ターボチャージャ33上流側の排気通路1
3には多量のHC、或いはCOを含んだ排気が導入され
ることとなる。
【0071】一方、第1〜第3気筒#1〜#3からの排
気は、各気筒#1〜#4の排気ポートに接続された分岐
管29を介して三元触媒コンバータ31に流入する。そ
して、排気中に含まれるHC、CO成分は同コンバータ
31に内蔵された三元触媒31aにて浄化される。その
後、排気は、排気通路13においてターボチャージャ3
3上流側の位置で、バイパス通路43を通過したHC、
COを多量に含む排気と合流する。リーン空燃比にて燃
焼を行う第1〜第3気筒#1〜#3からの排気は、各気
筒#1〜#3内において燃料の燃焼(酸化)に供されな
い多量のO2 を含んでおり、又、比較的高温の状態にあ
る。そのため、第4気筒#4からの排気中に含まれるH
C、CO成分の一部は、第1〜第3気筒#1〜#3から
の排気中に含まれるO2 と反応(酸化)する。
【0072】この酸化反応によって生じた熱によって、
ターボチャージャ33の上流側における排気の体積が増
加する。各気筒#1〜#4から排出された排気の大部分
は前記三元触媒コンバータ31を通過するため、その圧
力が低下することとなる。しかしながら、本実施の形態
では前述したように、HC,CO成分の酸化反応による
酸化熱によって排気の体積が増加するため、ターボチャ
ージャ33に流入する排気の圧力が増加する。そして、
その圧力が増加した排気が、ターボチャージャ33のタ
ービン35を回転させるための回転駆動力として用いら
れるため、ターボチャージャ33の過給圧低下が抑制さ
れる。
【0073】又、酸化されなかったHC、CO成分を含
む排気は、ターボチャージャ33下流側の排気通路13
を通過してNOx 触媒コンバータ47に流入する。そし
て、排気中に含まれるHC、CO成分は前述したように
NOx 触媒コンバータ47に内蔵されたNOx 吸収還元
触媒47aにおいて、同触媒47aのNOx 吸収物質に
吸収されているNOx 成分の還元作用に供される。即
ち、排気中に含まれるHC、CO成分と、NOx 吸収物
質に吸収されていたNOx 成分とが反応することによ
り、これら各成分は二酸化炭素(C02 )、水(H2
0)、及び窒素(N2)に変換される。
【0074】このように、NOx 成分の還元が行われる
ことによって、図7に示すように、NOx 吸収還元触媒
47aに含まれるNOx 成分の濃度(吸収量)が減少し
て、同触媒47aのNOx 吸収物質におけるNOx 吸収
能力が回復する。そして、以上のようにして前記各触媒
コンバータ31,47にてHC、CO、NOx 成分の各
々が浄化された排気は、マフラ48を介して外部に排出
される。
【0075】以上説明したように、本実施の形態ではエ
ンジン11がリーン空燃比で運転している場合に、第4
気筒#4における空燃比を一時的にリッチ空燃比に切り
換えることによって、NOx 吸収還元触媒47aにおけ
るNOx 浄化能力の低下を防止している。
【0076】更に、本実施の形態では、同じく、エンジ
ン11がリーン空燃比で運転している場合に、第1〜第
3気筒#1〜#3における空燃比を一時的にリッチ空燃
比に切り換えることによって、各触媒31a,47a、
特に排気通路13の上流側にあって熱的条件が厳しくよ
り高温に晒される三元触媒31aの過熱を防止するよう
にしている。
【0077】即ち、上記ルーチンにおけるステップ30
1〜314にて説明したように、本実施の形態では、エ
ンジン11がリーン空燃比で運転されている場合、CP
U49は所定時間tj2 毎に第1〜第3気筒#1〜#3
の空燃比を一定時間Cj2の間、順次、リッチ空燃比に切
り換えるようにしている。このように第1〜第3気筒#
1〜#3の空燃比がリッチ空燃比に切り換えられること
によって、リッチ空燃比に切り換えられた気筒から排出
される排気の温度が低下し、三元触媒31a、或いはN
Ox 吸収還元触媒47aに流入する排気の温度が低下す
る。その結果、各触媒31a,47aを通過する排気の
温度が低下して、各触媒31a,47aが過熱状態とな
って損傷することが未然に回避される。
【0078】以上説明した本実施の形態は以下に示す特
徴(a)〜(f)を有するものである。 (a)本実施の形態では、エンジン11がリーン空燃比
で運転されている場合に、第4気筒#4の空燃比が一時
的にリッチ空燃比に切り換えられ、HC、CO成分を多
量に含む排気が所定時間Cj1の間、バイパス通路43等
を介してNOx吸収還元触媒47aに供給される。従っ
て、NOx 吸収還元触媒47aに吸収されているNOx
成分の濃度を定期的に低下させることができ、同触媒4
7aのNOx 吸収物質におけるNOx 吸収能力を回復さ
せることができる。その結果、本実施の形態によれば、
NOx 吸収還元触媒47aにおけるNOx 浄化能力の低
下を防止して、排気中に含まれるNOx 成分を確実に浄
化することができる。
【0079】(b)本実施の形態では、三元触媒31a
をバイパスするバイパス通路43を設けたため、HC、
CO成分を含む排気を三元触媒31aを通過させること
なく、NOx 吸収還元触媒47aに供給することができ
る。即ち、排気中のHC、CO成分は三元触媒31aに
よって酸化されてしまうことがなく、確実に前記NOx
吸収還元触媒47aにおいてNOx 成分の還元に供され
る。従って、NOx 吸収還元触媒47aにおけるNOx
成分の還元を効率的に行うことができ、NOx吸収能力
を速やかに回復させることができる。
【0080】(c)更に、本実施の形態では、前記バイ
パス通路43にバイパス制御弁44を設け、NOx 吸収
還元触媒47aにHC、CO成分を供給する場合にの
み、同弁44を開弁してバイパス通路43内に排気を通
過させ、エンジン11が理論空燃比で運転されている場
合のように、NOx 吸収還元触媒47aに対してHC、
CO成分を供給する必要がない時には、バイパス制御弁
44を閉弁して排気を三元触媒コンバータ31に通過さ
せるようにした。従って、NOx 吸収還元触媒47aに
対して過剰なHC、CO成分を含む排気が供給されて、
同触媒47aにて浄化されないHC、CO成分を含む排
気が外部に排出されてしまうことがない。
【0081】(d)前記バイパス通路43の下流側は、
排気通路13において三元触媒コンバータ31とターボ
チャージャ33のタービン35との間、即ち、タービン
35の上流側に接続されている。従って、例えば、バイ
パス通路43の下流側をタービン35が設けられた位置
よりも下流側の排気通路13に接続した構成とした場合
と異なり、第4気筒#4から排出された排気も第1〜第
3気筒#1〜#3からの排気と同様に、前記タービン3
5を回転させるための回転駆動力として利用することが
できる。
【0082】更に、本実施の形態では、ターボチャージ
ャ33のタービン35上流側の排気通路13内におい
て、第4気筒#4からの排気中に含まれるHC、CO成
分の一部がO2 と酸化し、その酸化熱によって排気の体
積が増加する。その結果、排気の圧力が増加し、その圧
力が増加した排気によって前記タービン35が回転させ
られる。
【0083】本実施の形態のように、排気通路13の上
流側に三元触媒31aを設け、同触媒31aよりも下流
側にターボチャージャ33を設けた構成を採用した場
合、一般に、三元触媒31aにおける圧力損失によって
ターボチャージャ33の過給効率が低下する傾向があ
る。しかしながら、本実施の形態によれば、上記のよう
なターボチャージャ33における過給効率の低下を抑制
することができる。
【0084】(e)本実施の形態では、エンジン11が
リーン空燃比で運転されている場合に、第1〜3気筒の
空燃比を一時的にリッチ空燃比に切り換えることによっ
て、前記各触媒コンバータに内蔵されている三元触媒3
1a、或いはNOx 吸収還元触媒47aを通過する排気
の温度を低下させることができる。その結果、各触媒3
1a,47aが過熱状態となることを回避し、その熱的
な損傷を防止することができる。特に、排気通路13の
上流側に設けられるため温度上昇しやすい三元触媒31
aの過熱を防止する点において、前述したように排気の
温度を低下させることは有効である。
【0085】又、本実施の形態では、第4気筒#4の空
燃比においても前記NOx 吸収還元触媒47aへのH
C、CO成分の供給を目的として、リーン空燃比から一
時的にリッチ空燃比へ空燃比が切り換えられが、この空
燃比の切り換えも、前述した第1〜第3気筒#1〜#3
における空燃比の切り換えと同様に、排気温度の低下さ
せることができる効果を奏する。
【0086】(f)前述したよう本実施の形態では、第
1〜3気筒の空燃比をリーン空燃比から所定時間の間、
リッチ空燃比に切り換えることによって排気温度を低下
させ、各触媒の過熱を防止するようにしたが、この際、
第1〜3気筒の全ての空燃比をリッチ空燃比に切り換え
るのではなく、一つの気筒の空燃比のみを順次変更する
ようにしている。従って、第1〜第3気筒#1〜#3の
全ての空燃比を一度にリッチ空燃比に変更した場合と異
なり、リッチ空燃比への切り換えに伴うエンジン11の
トルク変動を抑制することができる。即ち、リッチ空燃
比に切り換えに伴うトルク変動は一つの気筒においての
み発生し、他の気筒においては発生しないことから、エ
ンジン11全体におけるトルク変動のレベルを低くする
ことができる。
【0087】又、空燃比をリッチ空燃比に切り換える気
筒を順次変更するようにしたため、一つの気筒において
のみリッチ空燃比に変更するようにした場合と異なり、
第1〜第3気筒#1〜#3のうち特定の気筒に設けられ
た点火プラグ22にだけ煤が付着するような不具合が生
じない。
【0088】尚、本実施の形態は、一つの気筒の空燃比
のみをリッチ空燃比に変更することによって排気温度の
低下を図るようにしているため、第1〜第3気筒#1〜
#3の空燃比を全てリッチ空燃比に変更した場合と比較
して、排気の温度変化量が小さい。しかしながら、前述
した時間間隔tj2 、Cj2を変更し、排気温度を低下さ
せる頻度或いは時間を変更することによって、三元触媒
31a、或いはNOx吸収還元触媒47aにおける過熱
を防止することができる。
【0089】本発明は上記実施の形態以外にも、以下に
示す別の実施形態として具体化するようにしてもよい。 (1)上記実施の形態では、バイパス通路43の上流側
を第4気筒#4の分岐管29に接続し、第4気筒#4の
空燃比をリーン空燃比からリッチ空燃比に変更した際
に、バイパス通路43に設けられたバイパス制御弁44
を開弁し、HC、CO成分を多量に含む排気を前記NO
x 触媒コンバータ47に供給するようにした。
【0090】上記構成は例えば以下のように変更するこ
とができる。即ち、バイパス制御弁44を有したバイパ
ス通路43の上流側をエギゾーストマニホルドの集合部
30に接続する。そして、第1〜第4気筒#4の全てに
おいて空燃比をリッチ空燃比に切り換えるようにすると
ともに、その切換時にバイパス制御弁44を開弁し、集
合部30における排気の一部をバイパス通路43を介し
てターボチャージャ33の上流側に流入させる。
【0091】以上のような構成としても、NOx 吸収還
元触媒47aに対してHC、CO成分を供給することが
できる。更に、このような構成によれば、全気筒#1〜
#4の空燃比が所定の時間間隔でリッチ空燃比に切り換
えられ、温度の低下した排気が三元触媒31aに流入す
るようになるため、前記「空燃比設定ルーチン」におけ
るステップ301以降の処理(ステップ309の処理を
除く)、即ち、第1〜第3気筒#1〜#3の空燃比を一
時的にリッチ空燃比に切り換えて各触媒31a,47a
の温度を低下させる処理が不要となる。
【0092】(2)上記実施の形態では、第4気筒#4
の空燃比をリーン空燃比からリッチ空燃比に変更するよ
うにしたため、排気中に含まれるHC、CO成分をより
増加させることができるが、必ずしもリッチ空燃比に変
更する必要はない。即ち、理論空燃比となるように変更
してもよく、或いは、変更前の空燃比よりリッチ側であ
れば第4気筒#4の空燃比をリーン空燃比領域に変更す
るようにしてもよい。但し、そのような構成とした場合
には、前記時間間隔tj1を大きくして、第4気筒#4の
空燃比がより頻繁にリッチ側に切り換えられるように
し、或いは、リッチ側に保持される時間間隔Cj1を長く
設定する必要がある。
【0093】(3)上記実施の形態では、エンジン11
の運転状態に応じて前記時間間隔tj1を変化させること
により第4気筒#4からNOx 吸収還元触媒47aに供
給されるHC、CO成分の量を調整しているが、HC、
CO成分等の供給の調整は他の方法によることも可能で
ある。例えば、時間間隔tj1を一定にして、第4気筒#
4をリッチ空燃比に保持する時間Cj2、又は、第4気筒
#4の空燃比補正係数K4 の設定値α1 をエンジン11
運転条件に応じて変化させるようにしてもよい。この場
合、予めエンジン11運転条件(NOX 発生量)と、そ
の条件で必要とされるCj2またはα1 の値をエンジン1
1運転条件との関数データとして前記ROM50に格納
しておき、エンジン11運転条件(吸気圧PM、エンジ
ン11回転ステップNE等)から前記関数データを用い
て前記時間間隔Cj2または空燃比補正係数α1 の値を決
定するようにすればよい。
【0094】(4)上記実施の形態では、第4気筒#4
における空燃比のみを変更してNOx 吸収還元触媒47
aにHC、CO成分を供給するようにしたが、第1〜第
3気筒#1〜#3の分岐管29に対して第4気筒#4に
接続されたバイパス通路43と同様のバイパス通路をそ
れぞれ接続し、第1気筒〜第4気筒#1〜#4の空燃比
を順にリッチ空燃比に切り換えるとともに、リッチ空燃
比に切り換えられた気筒に接続されたバイパス通路43
内に排気を通過させて、NOx 吸収還元触媒47aにH
C、CO成分を供給する構成としてもよい。
【0095】(5)上記実施の形態におけるNOx 吸収
還元触媒47aは、酸素濃度が高い時にNOx 吸収物質
にNOx 成分を吸収し、酸素濃度が低下したときに、そ
の吸収しているNOx 成分をHC、及びCO成分とによ
って還元して外部に排出するものであったが、NOx 成
分を還元するための触媒は上記のようなタイプに限定さ
れるものでない。
【0096】例えば、排気中に含まれるHC及びCO成
分を細孔にて吸着可能な多孔質体を有し、排気中に含ま
れるNOx 成分を多孔質体に吸着されたHC、CO成分
と反応させることによって還元浄化するタイプのNOx
還元触媒であってもよい。このようなタイプのNOx 還
元触媒を用いた構成において、リーン空燃比での運転を
続けた場合には、多孔質体に吸着されているHC、CO
成分が消費されてしまい、排気中のNOx 成分を還元す
るのに必要なHC、CO成分の量が不足する場合があ
る。しかしながら本実施の形態によれば、上記NOx 還
元触媒に対してHC、CO成分を定期的に供給すること
によって、同触媒における所定のNOx 浄化機能を維持
することができる。
【0097】(6)上記実施の形態では空燃比をリッチ
空燃比に切り換えることにより第4気筒#4の排気中に
含まれるHC、CO成分を増大させるようにしたが、本
発明のHC供給手段としては空燃比切換によるものに限
定されるわけではなく排気中のHC成分を増大させるこ
とが可能であれば、他の手段も採用することができる。
例えば、一部の気筒のみの点火時期を進角させることに
より、或いは、一部の気筒のみのEGR量を増大させる
ことによりHC、CO成分を増大させることも可能であ
る。更には、一部の気筒のみの点火を中断して強制的に
失火を生じさせることによりHC、CO成分の発生量を
増大させるようにすることも可能である。
【0098】(7)上記実施の形態では、エンジン11
がリーン空燃比で運転している場合に、三元触媒31a
或いはNOx 吸収還元触媒47aの過熱を防止するた
め、第1〜第3気筒#1〜#3における空燃比を所定時
間間隔tj1で、一時的にリッチ空燃比に切り換え排気温
度を低下させるようにしたが、例えば、排気通路13に
排気温センサを設け、同センサによって検出される排気
温度に基づいて、前記空燃比の切り換えを行うようにし
てもよい。即ち、排気温度が所定温度以上である場合に
のみ、前記空燃比の切り換えを実行し、排気温度が所定
温度より小さくなった場合には、三元触媒31a、或い
はNOx 吸収還元触媒47aにおける過熱を考慮する必
要がないとして、第1〜第3気筒#1〜#3における空
燃比の切り換えを実行しないようにしても上記実施の形
態と同様に各触媒における過熱を防止することができ
る。
【0099】以上、本発明を具体化した実施の形態及び
別の実施形態について説明したが、これら実施形態から
把握できる技術的思想について効果とともに記載する。 (イ) 請求項2に記載した過給機付き内燃機関の排気
制御装置において、HC量増大手段は、内燃機関がリー
ン空燃比で運転している際に、一部の気筒における空燃
比のみを所定時間、リッチ側に切り換える空燃比変更処
理を行うものであることを特徴とする過給機付き内燃機
関の排気制御装置。尚、上記構成において、「リッチ側
に切り換える」とは燃料噴射量を増加させる等の方法に
より空気量に対する相対的な燃料の量を増加させること
を意味するものであり、空燃比をリッチ空燃比に切り換
える動作のみならず、理論空燃比、或いはリーン空燃比
領域においてより燃料の比が多い状態に空燃比に切り換
える動作を意味する。
【0100】上記(イ)に記載した構成によれば、内燃
機関の排気系や燃料系に大幅な構造変更を加えることな
く、一部の気筒から排出される排気中のHC、CO成分
を増加させることができる。
【0101】(ロ)上記(イ)に記載した過給機付き内
燃機関の排気制御装置において、HC量増大手段は、内
燃機関がリーン空燃比で運転している際に、一部の気筒
における空燃比のみを一時的にリッチ空燃比に切り換え
るものであることを特徴とする。
【0102】上記(ロ)に記載した構成によれば、排気
中に含まれるHC、CO成分の量を増加させて、より多
くのHC、CO成分をNOx 還元触媒に対して供給する
ことができる。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、排気通路に設けられた過給機の過給効率低
下を抑制しつつ、NOx 還元触媒に対してNOx 成分の
還元に必要なHC、或いはCO成分を供給することがで
きる。その結果、NOx 還元触媒におけるNOx 浄化作
用の低下を防止することができ、内燃機関から排出され
た排気に含まれるNOx 成分をNOx 還元触媒によって
確実に浄化することができる。
【0104】特に、請求項2記載の発明によれば、請求
項1に記載した発明の効果に加えて、過給機の過給効率
低下を更に抑制できる効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】過給機付きガソリンエンジンシステムを示す概
略構成図。
【図2】ECU等の構成を示すブロック図。
【図3】吸気圧及びエンジン回転数と空燃比基準補正係
数との関係を示す図。
【図4】吸気圧及びエンジン回転数と基本燃料噴射時間
との関係を示す図。
【図5】「空燃比設定ルーチン」を示すフローチャー
ト。
【図6】「空燃比設定ルーチン」を示すフローチャー
ト。
【図7】第4気筒の空燃比の変化等を示すタイミングチ
ャート。
【符号の説明】
11…ガソリンエンジン(内燃機関)、13…排気通
路、28…エグゾーストマニホルド(排気通路)、29
…分岐管、30…集合部(排気管)、31a…三元触
媒、33…ターボチャージャ、43…バイパス通路、4
4…バイパス制御弁(制御弁)、47a…NOx 吸収還
元触媒(NOx 還元触媒)、49…CPU(HC量増大
手段、通路制御手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F01N 3/24 F01N 3/24 T F02B 37/00 302 F02B 37/00 302Z 37/02 37/02 E

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リーン空燃比で運転可能な多気筒内燃機
    関に設けられた排気通路と、 前記排気通路に設けられた三元触媒と、 同三元触媒より下流側の排気通路に設けられ、HC、或
    いはCO成分とNOx成分とを反応させてNOx 成分の
    還元を行うNOx 還元触媒と、 前記三元触媒とNOx 還元触媒との間における排気通路
    に設けられた過給機と、 前記排気通路において前記三元触媒及び過給機のそれぞ
    れの上流側を接続し、三元触媒をバイパスして排気の一
    部を通過させるバイパス通路と、 前記バイパス通路に設けられ、同通路を開放閉塞可能な
    制御弁とを有した過給機付き内燃機関の排気制御装置に
    おいて、 内燃機関がリーン空燃比で運転している際に、同機関の
    排気中に含まれるHC、或いはCO成分を所定時間増大
    させるHC量増大手段と、 前記HC量増大手段により排気中に含まれるHC、或い
    はCO成分が増大した際に、前記制御弁を開弁させ前記
    バイパス通路内にその排気を通過させる通路制御手段と
    を備えたことを特徴とする過給機付き内燃機関の排気制
    御装置。
  2. 【請求項2】 前記排気通路は、各気筒の排気ポートに
    それぞれ接続される分岐管を有し前記HC量増大手段
    は、一部の気筒に接続された前記分岐管からの排気のみ
    に含まれるHC、或いはCO成分を増大させるものであ
    り、 更に、前記バイパス通路は、その上流側が前記一部の気
    筒の分岐管に接続されたものであることを特徴とする請
    求項1記載の過給機付き内燃機関の排気制御装置。
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