JPH09207143A - マンドレル及びこれを用いたゴムホースの製造方法 - Google Patents

マンドレル及びこれを用いたゴムホースの製造方法

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JPH09207143A
JPH09207143A JP1490396A JP1490396A JPH09207143A JP H09207143 A JPH09207143 A JP H09207143A JP 1490396 A JP1490396 A JP 1490396A JP 1490396 A JP1490396 A JP 1490396A JP H09207143 A JPH09207143 A JP H09207143A
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JP
Japan
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mandrel
rubber hose
porous member
porous
fluid
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Application number
JP1490396A
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English (en)
Inventor
Masahisa Isaji
雅久 伊佐治
Haruko Miyoshi
春子 三好
Toshihiko Matsumoto
俊彦 松本
Tomohisa Kokubo
奉久 小久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Publication date
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加硫成形したゴムホースの抜き取りが容易な
マンドレル、及びこのマンドレルを使用したゴムホース
の製造方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも表面の一部が多孔質部材32
からなり、内部を通ってこの多孔質部材32に連通した
流体流路22aを備えるマンドレル12を用い、マンド
レル12の一端開口から流体流路22aに加圧注入した
流体を多孔質部材32からマンドレル外周とゴムホース
内周との間に供給しながら、ゴムホースAをマンドレル
12から抜き取る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴムホースの加硫
成形に用いるマンドレル、特に曲管ゴムホースの製造時
にその抜き取りが容易なマンドレル、及びそのマンドレ
ルを用いたゴムホースの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴムホースには直線状に延びた直管ゴム
ホースから、二次元的又は三次元的な曲がり形状を有す
る曲管ゴムホースまであり、通常はゴムホースの形状に
合わせた直棒状又は曲がり形状のマンドレルを用いて成
形されている。
【0003】例えば曲管ゴムホースを製造する一般的な
方法は、マンドレルを予め製品形状に対応した所定の曲
がり形状に形成しておき、この曲がりマンドレルに直線
状に形成した未加硫又は半加硫ゴムホースを差し込み、
加硫して所定の曲がり形状を付与するものである。そし
て、曲がり形状に加硫成形された曲管ゴムホースは、マ
ンドレルから抜き取られて製品とされる。
【0004】しかし、マンドレルからのゴムホースの抜
き取り作業は容易ではなく、特に曲管ゴムホースの場合
や、加硫後の放置時間が長くゴムホースの温度が低下し
た場合には、大きな引き抜き力を必要とするため、作業
者にとって極めて過大な労働となっていた。そこで最近
では、ゴムホース製造工程の機械化に伴い、過大な労働
の省人化並びに高温高湿の作業環境の改善を目的とし
て、ゴムホースの抜き取り工程もロボット又は専用機に
よる機械化及び自動化が進められている。
【0005】例えば、特開平6−106649号公報に
は、マンドレルに装着されている曲管ゴムホースの先端
部を把持する把持部材を設け、この把持部材で曲管ゴム
ホースの先端部を把持してその軸線延長上に沿って引っ
張ることにより、曲管ゴムホースをマンドレルから抜き
取る装置が提案されている。
【0006】又、曲管ゴムホースの抜き取りに要する力
を低減させるため、ゴムホースの端部を把持するロボッ
トハンドの内側からマンドレルとゴムホースの間に金属
製の爪状部材を差し込み、マンドレルとゴムホースの間
にエアーを送り込んで両者の固着を除いた上で、ゴムホ
ースを引く抜く方法も取られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、マンドレ
ルからのゴムホースの抜き取りは、特に曲管ゴムホース
や加硫後に放置されたゴムホースでは多大な力を必要と
するため非常に困難な作業であり、機械化した場合にも
引き抜き力が大きいほど大型のロボット等を配置する必
要があった。
【0008】また、ゴムホースの引き抜き力を低減させ
るため、マンドレルとゴムホースの間に爪状部材を差し
込んでエアーを供給する場合、規則的に配列された多数
のマンドレルの各先端部の位置精度が十分でないと爪状
部材がマンドレルとゴムホースの間に正確に挿入され
ず、そのためエアーの供給が行えなくなる結果、多くの
マンドレルの中にはゴムホースの抜き取りができないも
のが生じるという欠点があった。
【0009】本発明は、かかる従来の事情に鑑み、加硫
成形したゴムホースの抜き取りが容易であり、小さい引
き抜き力で確実にゴムホースを抜き取ることができるマ
ンドレルを提供すること、及びこのマンドレルを使用し
たゴムホースの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明が提供するゴムホースの加硫成形用のマンド
レルは、少なくとも表面の一部が多孔質部材からなり、
マンドレルの一端の開口から内部を通って多孔質部材に
連通する流体流路を備えたことを特徴とする。
【0011】また、本発明のゴムホースの製造方法は、
上記したマンドレルを用いてゴムホースを加硫成形し、
その後マンドレルの一端開口から流体流路内に流体を加
圧注入することにより、流体を多孔質部材からマンドレ
ル外周とゴムホース内周との間に供給しながら、ゴムホ
ースをマンドレルから抜き取ることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明では、通常は全体が鉄系金
属からなるマンドレルについて、その表面全体又は表面
の一部を多孔質部材で構成し、このマンドレル内部から
多孔質部材を通してマンドレルとゴムホースの間に流体
を供給するようになっている。
【0013】従って、加硫成形後のゴムホースをマンド
レルから抜き取る際に、本発明のマンドレルに流体を供
給して多孔質部材からマンドレルとゴムホースとの間に
流出させることにより、ゴムホースとマンドレルとの密
着が除かれ、機械化されたロボットハンドによる抜き取
りはもちろん人手によっても容易に抜き取ることができ
る。尚、流体はエアー又は水、あるいは離型剤を含む水
もしくは離型剤ミストが好ましい。
【0014】しかも、流体の供給はマンドレルの一端に
設けた開口を通して行うので、従来のようにマンドレル
とゴムホースの間の極めて狭い箇所に正確に爪状部材を
差し込む必要がなくなる。その結果、機械化した場合で
も、流体供給装置と各マンドレルとの位置合わせが簡単
であるため、流体の供給が行われないことによるゴムホ
ースの抜き取り不良をなくすことができる。
【0015】本発明のマンドレルに用いる多孔質部材
は、エアーや水等の流体が加圧下に通過できる連通気孔
を有する材料あれば良い。かかる多孔質材料としては、
SUS316L、青銅(銅−錫合金)等の金属系多孔質
材料、又はこれらにクロム等のメッキを施した金属系多
孔質材料、ポリテトラフロロエチレン、ポリプロピレン
等の樹脂系多孔質材料、ガラスや炭素、あるいは窒化ケ
イ素、アルミナ等からなるセラミックス系多孔質材料が
ある。
【0016】多孔質部材として用いる多孔質材料の平均
気孔径は、上記のごとく流体が加圧下に通過できる程度
であれば良いが、気孔径が大き過ぎると、マンドレルへ
の未加硫又は半加硫ゴムホースの挿入性が悪くなるう
え、引き抜き力も大きくなる。これらの点を考慮する
と、平均気孔径は100μm以下が好ましい。
【0017】尚、多孔質部材を用いず、マンドレルの表
面に1つ又は複数の開口を直接穿設し、この開口から流
体をマンドレルとゴムホースとの間に供給することも考
えられるが、機械的に穿設した大きな開口がマンドレル
の表面に存在すると、加硫時にゴムスがこの開口に入り
込んでゴムホースの内周面に大きな突起が形成される不
都合があり、加えてこの突起のためゴムホースの引き抜
き力も大きくなるので好ましくない。
【0018】以下に本発明のマンドレルの具体例を図示
して説明する。まず、図1に示すマンドレル10は、円
筒状の金属部材20の全表面に多孔質部材30が被覆さ
れており、金属部材20の周壁には少なくとも1つの貫
通孔20bが形成され、その中心孔20aと共に流体流
路を構成している。従って、流体は矢印で示すようにマ
ンドレル10の一端から金属部材20の中心孔20a内
に供給され、貫通孔20bを経て多孔質部材30からマ
ンドレル10の全外周面に流れ出すようになっている。
もちろん、流体流路となる中心孔を備えた円筒状の金属
系多孔質材料又はセラミックス系多孔質材料でマンドレ
ル全体を作製し、貫通孔20bを備えた金属部材20を
省略することもできる。
【0019】図1に示すマンドレルの一般的な製造方法
は、円筒状の金属部材20の外周面に多孔質部材30を
施し、必要に応じて所定の曲がり形状に曲げ加工する。
このため、多孔質部材30としては、曲げ加工に適した
樹脂系多孔質材料が好ましい。尚、図1の41はゴムホ
ースの位置を規制するためマンドレル10の根元側に設
けた鍔部であり、42は流体流路を閉鎖する栓部材であ
る。また、図1では流体流路の開口を根元側の鍔部41
に設けたが、反対側の栓部材42に設けることもでき
る。
【0020】次に、図2に示すマンドレル11は、円筒
状の金属部材21に内径及び外径が同一な円筒状の多孔
質部材31を接合して一体化した構造を有している。こ
のマンドレル11では、金属部材21の中心孔21aと
多孔質部材31の中心孔31aが連通して流体流路を構
成する。尚、この例では、マンドレル11の曲がり部を
金属部材21で構成し、その両側の直線部に多孔質部材
31をそれぞれ配置したが、金属部材21と多孔質部材
31の数及びその位置関係は図2の例に限定されない。
【0021】図2に示すマンドレルの一般的な製造方法
は、円筒で直線状又は曲がり形状の金属部材21及び多
孔質部材31をそれぞれ形成し、それぞれの端部をネジ
加工して、互いに螺合することにより接続する。このた
め、多孔質部材31としては、ネジ加工に適した金属系
多孔質材料又はセラミックス系多孔質材料を用いること
が好ましい。尚、金属系多孔質材料及びセラミックス系
多孔質材料は、樹脂系多孔質材料に比べ、強度が高く且
つ熱伝導率に優れている利点がある。
【0022】更に、図3に示すマンドレル12では、金
属部材22の外周の一部に外径が同一な円筒状の多孔質
部材32が埋設され、マンドレル12の一端から円筒状
の多孔質部材32に連通する流体流路22aが形成され
ている。多孔質部材32の位置は特に限定されないが、
図3のようにゴムホースの抜き取り方向であるマンドレ
ル12の先端側に配置させれば、多孔質部材32から供
給される流体によりゴムホースの抜き取り側からマンド
レル12との密着が順次解除されるので、少ない流体使
用量で且つ小さな引き抜き力で抜き取ることができる。
尚、抜き取りの際には、必要により先端部22bをゴム
ホースの上から締め付け、流体の逃げを防止する。
【0023】図3に示すマンドレルの一般的な製造方法
は、図2の場合と同様に、金属部材22及び金属部材2
2の一部をなすが別体に作製した金属製の先端部22b
並びに多孔質部材32の端部にそれぞれネジ加工を施
し、互いに螺合することにより接続する。尚、金属部材
22、その先端部22b及び多孔質部材32の外径を同
一にすることはもちろんであるが、流体流路22aは金
属部材22の先端部22bと多孔質部材32の内側にの
み設ければよい。その場合、円筒状の先端部22bと多
孔質部材32の内径を同一にしてもよいが、図3に示す
ように先端部22bと金属部材22の端部を多孔質部材
32の内周の内側に一部挿入するようにすれば、円筒状
の多孔質部材32を補強することができる。
【0024】また、金属部材22とその先端部22bを
別体とせずに全体を1つの金属部材で形成し、この金属
部材の片側端部の外径を多孔質部材の内径と同一又は小
さくして多孔質部材を挿入することもできる。この場
合、金属部材の小径部には多孔質部材と連通する複数の
貫通孔を予め穿設しておき、多孔質部材を挿入した後、
露出している残りの小径部に金属部材と外径が同一の管
状部材を螺合し又は嵌合して固定すればよい。
【0025】このように、図3に示すマンドレル12で
は、多孔質部材32が直円筒状でよく、しかも多孔質部
材32を金属部材22等で補強することができるので、
多孔質部材32として金属系多孔質材料のほか、樹脂系
多孔質材料及びセラミックス系多孔質材料も問題なく使
用することができる。
【0026】上記した図1から図3のいずれのマンドレ
ルの場合も、多孔質部材を備えるマンドレルの外径を、
その両端部分を残して他の部分を所定寸法より若干小さ
く、具体的には外径で0.5〜1.0mm程度小さく形成
することができる。この場合には、マンドレルへの未加
硫又は半加硫ゴムホースの挿着が容易になると共に、両
端部分以外では加硫後のゴムホースとマンドレルとの密
着の程度が少ないか殆ど起こらないので、ゴムホースの
抜き取りも更に容易になる。尚、ゴムホースの両端部分
の寸法は接続の必要から厳しく規制されるので、所定の
寸法に維持する必要がある。
【0027】
【実施例】実施例1 マンドレルとして、図1に示す直径が20mm及び長さ
が300mmであり、そのほぼ中央部分で直角に1曲げ
した曲がり形状のマンドレル10を使用した。このマン
ドレル10は円筒状の金属部材20の全表面に多孔質部
材30が被覆されており、金属部材20の周壁には少な
くとも1つの貫通孔20bが形成され、中心孔20aと
共に流体流路を構成している。従って、流体は矢印で示
すようにマンドレル10の一端から金属部材20の中心
孔20a内に供給され、貫通孔20bを経て多孔質部材
30からマンドレル10の全表面に流れ出すようになっ
ている。
【0028】このマンドレル10における多孔質部材3
0として、平均気孔径が異なる樹脂系多孔質材料を用
い、それぞれ未加硫ゴムホースを人手により挿入して加
硫した後、得られたゴムホーを抜き取った。即ち、ゴム
ホースの先端部をロボットハンドで把持し、マンドレル
10の根元側の開口部から流体流路である中心孔20a
にエアーを4kgf/cm2の圧力で注入しながら、マ
ンドレル10からゴムホースを抜き取った。尚、ゴムホ
ース挿入の際には、マンドレル10の表面へ水溶性シリ
コン等の離型剤を塗布した。
【0029】上記試験において、各マンドレル10への
未加硫ゴムホースの挿入性を評価すると共に、加硫して
得られたゴムホースのマンドレル10からの抜き取りに
要した引き抜き力を測定し、その結果を下記表1に示し
た。尚、樹脂系多孔質部材としてポリテトラフルオロエ
チレンを使用した。
【0030】比較のために、鉄系の金属部材のみからな
り(多孔質部材なし)、且つ同じ曲げ形状の現行マンド
レルについても同様の試験を行い、その結果を併せて表
1に示した。
【0031】
【表1】 平均気孔径 未加硫ゴム ゴムホース試料 多孔質部材 (μm) 挿入性評価 引抜力(kgf) 1 樹脂系 1 ○ 12.0 2 樹脂系 5 ○ 13.5 3 樹脂系 10 △ 16.0 4 樹脂系 30 × − 比較例 無し − ○ 16.5 (注)未加硫ゴム挿入性評価は以下の通りとした: ○:現行マンドレルと同程度 △:現行マンドレルより劣る ×:挿入不可能
【0032】上記の結果から、マンドレルに設けた多孔
質部材の平均気孔径が10μm以下の範囲でゴムホース
の引き抜き力が現行マンドレルよりも改善され、特に5
μm以下の範囲においては引き抜き力の改善が著しいと
同時に、未加硫ゴムホースの挿入性にも優れていること
が分かる。また、多孔質部材の平均気孔径が大きいほ
ど、未加硫ゴムホースの挿入性が悪くなることが分か
る。
【0033】実施例2 マンドレルとして、図2に示す直径が20mm及び長さ
が300mmであり、そのほぼ中央部分で直角に1曲げ
した曲がり形状のマンドレル11を使用した。このマン
ドレル11は円筒状の金属部材21に内径及び外径がそ
れぞれ同一な円筒状の多孔質部材31を接合して一体化
した構造を有している。このマンドレル11では、金属
部材21の中心孔21aと多孔質部材31の中心孔31
aが連通して流体流路を構成している。尚、この実施例
では、マンドレル11の曲がり部を金属部材21で構成
し、その両側の直線部分に多孔質部材31をそれぞれ配
置した。
【0034】このマンドレル11における多孔質部材3
1として、平均気孔径が異なる金属系及びセラミックス
系の多孔質材料を用い、それぞれ未加硫ゴムホースを人
手により挿入して加硫した後、得られたゴムホーを抜き
取った。即ち、ゴムホースの先端部をロボットハンドで
把持し、マンドレル11の根元側の開口部から流体流路
である中心孔31a、21aにエアーを4kgf/cm
2の圧力で注入しながら、マンドレル11からゴムホー
スを抜き取った。尚、ゴムホース挿入の際に、マンドレ
ル11の表面へ水溶性シリコン等の離型剤を塗布した。
【0035】上記試験において、各マンドレル11への
未加硫ゴムホースの挿入性を評価すると共に、加硫して
得られたゴムホースのマンドレル11からの抜き取りに
要した引き抜き力を測定し、その結果を下記表2に示し
た。尚、金属系多孔質部材として粉末焼結体(SUS
316L)、及びセラミックス系多孔質部材として多孔
質窒化ケイ素焼結体をそれぞれ使用した。
【0036】比較のために、鉄系の金属部材のみからな
り(多孔質部材なし)、且つ同じ曲げ形状の現行マンド
レルについても同様の試験を行い、その結果を併せて表
2に示した。
【0037】
【表2】 平均気孔径 未加硫ゴム ゴムホース試料 多孔質部材 (μm) 挿入性評価 引抜力(kgf) 5 金属系 1 ○ 11.5 6 金属系 5 ○ 13.0 7 金属系 10 △ 15.0 8 セラミックス系 1 ○ 13.5 9 セラミックス系 5 ○ 14.0 10 セラミックス系 10 △ 15.5 比較例 無し − ○ 16.5 (注)未加硫ゴム挿入性評価は以下の通りとした: ○:現行マンドレルと同程度 △:現行マンドレルより劣る ×:挿入不可能
【0038】上記の結果から、マンドレルに設けた多孔
質部材の平均気孔径が5μm以下の範囲において挿入性
が良好であり、且つゴムホースの引き抜き力が現行マン
ドレルよりも改善されていることが分かる。
【0039】また、上記試料5及び6のマンドレルにつ
いて、エアー圧力を変化させたときのゴムホースの引き
抜き力を測定し、その結果を図5に上記比較例と併せて
示した。図5から分かるように、エアー圧力が2kgf
/cm2以上であれば、試料5及び6共に比較例の現行
マンドレルよりも小さな引き抜き力でゴムホースを抜き
取ることができる。しかし、エアー圧力が2kgf/c
2より小さいと、平均気孔径が5μmと大きな試料6
のマンドレルでは引き抜き力が急増する。
【0040】更に、試料5と上記比較例のマンドレルに
ついて、加硫後の放置時間を変え、エアー圧力2kgf
/cm2でゴムホースの抜き取りを行ったところ、図6
に示すように、比較例の現行マンドレルでは放置時間が
長くなってゴムホース温度が室温に近付くにつれて、必
要な引き抜き力も増大するのに対して、本発明の試料5
のマンドレルでは放置時間やゴムホース温度に拘らず常
に一定の引き抜き力でゴムホースを抜き取ることができ
た。
【0041】実施例3 マンドレルとして、図3に示す直径が20mm及び長さ
が300mmであり、そのほぼ中央部分で直角に1曲げ
した曲がり形状のマンドレル12を使用した。このマン
ドレル12は鉄系の金属部材22からなり、その先端側
の外周には金属部材22の直径と同一外径の円筒状の多
孔質部材32が埋設してあり、マンドレル12の先端か
ら円筒状の多孔質部材32に連通する流体流路22aが
穿設してある。
【0042】このマンドレル12における多孔質部材3
2として、平均気孔径が異なる金属系多孔質材料を用
い、それぞれ未加硫ゴムホースを人手により挿入して加
硫した後、得られたゴムホーを抜き取った。即ち、図4
に示すようにゴムホースAの先端部をロボットハンド4
3で把持し、マンドレル12の先端にゴム製のエアー注
入部44を当接させて流体流路22aにエアーを4kg
f/cm2の圧力で注入しながら、マンドレル12から
ゴムホースAを抜き取った。尚、ゴムホース挿入の際に
は、マンドレル12の表面へ水溶性シリコン等の離型剤
を塗布した。
【0043】上記試験において、各マンドレル12への
未加硫ゴムホースの挿入性を評価すると共に、加硫して
得られたゴムホースAのマンドレル12からの抜き取り
に要した引き抜き力を測定し、その結果を下記表3に示
した。尚、金属系多孔質部材としては、粉末焼結体(S
US 316L)を使用した。
【0044】比較のために、上記と同じ鉄系の金属部材
のみからなり(多孔質部材なし)、且つ同じ曲げ形状の
現行マンドレルについても同様の試験を行い、その結果
を併せて表3に示した。
【0045】
【表3】 平均気孔径 未加硫ゴム ゴムホース試料 多孔質部材 (μm) 挿入性評価 引抜力(kgf) 11 金属系 1 ○ 13.0 12 金属系 10 ○ 13.0 13 金属系 100 ○ 13.5 14 金属系 1000 △ 16.0 比較例 無し − ○ 16.5 (注)未加硫ゴム挿入性評価: ○:現行マンドレルと同程度 △:現行マンドレルより劣る ×:挿入不可能
【0046】上記の結果から、マンドレルに設けた多孔
質部材の平均気孔径が100μm以下の範囲において
は、挿入性が良好であり、且つゴムホースの引き抜き力
が現行マンドレルよりも改善されていることが分かる。
また、図3のマンドレル12のように、通気性の多孔質
部材の使用面積が小さい場合には、気孔径が未加硫ゴム
ホースの挿入性やゴムホースの引き抜き性に及ぼす影響
は少なくなる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、ゴムホースの製造の際
に一部表面に多孔質部材を備えたマンドレルを用い、こ
の多孔質部材から流体をマンドレルとゴムホースの間に
供給することによって、加硫成形したゴムホースを小さ
い引き抜き力でマンドレルから容易に抜き取ることがで
きる。
【0048】その結果、加硫後の放置時間が長くゴムホ
ースの温度が低下した場合であっても、小さい引き抜き
力で容易に抜き取ることができ、従来使用していた離型
剤を省略することも可能である。しかも、機械化した場
合にもマンドレルへの流体の供給が簡単で、高い位置精
度を必要としないので、流体の供給不全によるゴムホー
スの抜き取り不良がなくなり、確実な抜き取りが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマンドレルの一具体例を示す断面図で
ある。
【図2】本発明のマンドレルの別の具体例を示す断面図
である。
【図3】本発明のマンドレルの更に別の具体例を示す断
面図である。
【図4】本発明のマンドレルからのゴムホースの抜き取
り工程を示す断面図である。
【図5】本発明のマンドレルと現行マンドレルについ
て、引き抜き力とエアー圧力の関係を示すグラフであ
る。
【図6】本発明のマンドレルと現行マンドレルについ
て、引き抜き力と加硫後の放置時間並びにゴム温度との
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10、11、12 マンドレル 20、21、22 金属部材 30、31、32 多孔質部材 20a、21a、31a 中心孔 20b 貫通孔 22a 流体流路 22b 先端部 41 鍔部 42 栓部材 43 ロボットハンド 44 エアー注入部 A ゴムホース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29D 23/00 B29D 23/00 // B29K 21:00 105:24 B29L 23:00 (72)発明者 小久保 奉久 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴムホースの加硫成形用のマンドレルで
    あって、少なくとも表面の一部が多孔質部材からなり、
    マンドレルの一端の開口から内部を通って前記多孔質部
    材に連通する流体流路を備えたことを特徴とするマンド
    レル。
  2. 【請求項2】 円筒状の金属部材の全表面に多孔質部材
    が被覆され、前記金属部材の周壁に少なくとも1つの貫
    通孔が形成されていることを特徴とする、請求項1に記
    載のマンドレル。
  3. 【請求項3】 少なくとも外径が同一な円筒状の金属部
    材と円筒状の多孔質部材とが、互に端部を接合して一体
    化されていることを特徴とする、請求項1に記載のマン
    ドレル。
  4. 【請求項4】 金属部材の外周の一部に外径が同一な円
    筒状の多孔質部材が埋設され、一端からこの円筒状の多
    孔質部材に連通する流体流路が形成されていることを特
    徴とする、請求項1に記載のマンドレル。
  5. 【請求項5】 上記多孔質部材が、平均気孔径100μ
    m以下の金属系、樹脂系、又はセラミックス系の多孔質
    材料からなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれ
    かに記載のマンドレル。
  6. 【請求項6】 請求項1のマンドレルを用いてゴムホー
    スを加硫成形し、その後マンドレルの一端開口から流体
    流路内に流体を加圧注入することにより、流体を多孔質
    部材からマンドレル外周とゴムホース内周との間に供給
    しながら、ゴムホースをマンドレルから抜き取ることを
    特徴とするゴムホースの製造方法。
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