JPH09205124A - 制御電極及びこの制御電極を用いた可動イオン分離装置の帯電装置 - Google Patents

制御電極及びこの制御電極を用いた可動イオン分離装置の帯電装置

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JPH09205124A
JPH09205124A JP10278796A JP10278796A JPH09205124A JP H09205124 A JPH09205124 A JP H09205124A JP 10278796 A JP10278796 A JP 10278796A JP 10278796 A JP10278796 A JP 10278796A JP H09205124 A JPH09205124 A JP H09205124A
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JP
Japan
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control electrode
charging
silicon wafer
charged
electrode
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JP10278796A
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English (en)
Inventor
Fumihiro Nakatani
郁洋 中谷
Hiroshi Okada
博至 岡田
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウエハの一部領域における帯電を可能にし、
複数箇所での可動イオン測定を可能にする。 【解決手段】 BT処理の帯電処理においてシリコンウ
エハ7に対向配置されるチャージワイヤ37は断面コ字
形のシールド電極32の開口面(ウエハに臨む面)に水
平に張架されている。シールド電極32の開口面のチャ
ージワイヤ37の前方には略中央に透過領域37が形成
された制御電極33が設けられ、コロナ放電によるイオ
ン化分子は制御電極33の透過領域37の領域でのみシ
リコンウエハ7表面に付与される。制御電極33により
シリコンウエハ7の透過領域37に対向する一部領域A
Rにのみ帯電可能にし、この一部領域ARでの可動イオ
ンの測定を可能にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電電極とこの帯
電電極に生じたコロナ放電により帯電される被帯電物と
の間に介設されている制御電極、及びこの制御電極を備
え、ウエハの酸化膜中に含まれる可動イオンを膜表面又
は膜とウエハの界面に移動させるため、ウエハ表面に電
荷を付与する可動イオン分離装置の帯電装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工程においては、シリコンウ
エハの酸化膜であるSiO2膜に侵入した可動イオン
(主に可動Naイオン)によりトランジスタの特性が大
きく影響を受けることから、一般にシリコンウエハのC
−V特性を用いてSiO2膜中の可動イオンの個数を推
定する酸化膜評価が行われている。
【0003】従来、上記酸化膜の評価方法として、コロ
ナ帯電法が提案されている。このコロナ帯電法は、シリ
コンウエハと、このシリコンウエハ表面に対向配置され
た帯電電極との間に直流高電圧を印加し、コロナ放電に
より発生したイオンをシリコンウエハ表面に付与して帯
電状態にした後、所定の高温に加熱してSiO2膜中の
可動イオンをSiO2膜の表面又はSiO2膜とシリコン
ウエハの界面に移動させ、その後、表面の余分な不要電
荷を除去し、表面又は界面に移動した可動イオンを電気
的に中和(キャンセル)する方法である。これは、一般
にBT(Bias-Temperature)処理といわれる。
【0004】上記のように可動イオンが電気的に中和さ
れると、可動イオンが見かけ上存在しない状態となり、
BT処理を施す前のものに比べてC−V特性が変化する
ので、このC−V特性の変化量から可動イオンの数量を
推定して酸化膜の評価が行われる。
【0005】なお、静電的電子写真の分野では、コロナ
放電により電荷を感光材料表面に付与して感光化するコ
ロトロン(corotron)、スコロトロン(scorotron)等
の帯電装置が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のコロナ帯電法を
用いた可動イオン分離装置の帯電装置は、上記コロトロ
ン又はスコロトロンを応用したもので、コロナ放電によ
りシリコンウエハ表面全体を帯電するようになっている
ので、ウエハ単位でしか可動イオン量を測定できず、シ
リコンウエハ上の一部領域について可動イオン量を測定
することは困難となっている。
【0007】なお、帯電電極のウエハに対するサイズを
相対的に小さくしてウエハの局部的な帯電を行うことも
可能であるが、この方法では、帯電電極の種類に応じて
印加電圧を制御する必要があるとともに、ウエハの帯電
領域を変更する場合、帯電電極の移動も制御しなければ
ならず、駆動系及び制御系が複雑になる。
【0008】また、上記スコロトロンには帯電電極と被
帯電物間に制御電極が設けられ、この制御電極により帯
電制御が行われるようになっているが、スコロトロンに
おける制御電極は、感光材料全面の均一帯電を制御する
ものであって被帯電物の帯電領域を制限するものではな
いので、この制御電極ではウエハの一部領域の帯電制御
は到底なし得ないものである。
【0009】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、被帯電物の一部領域のみを帯電させることので
きる制御電極および測定試料を有効に活用してウエハの
酸化膜評価が効率よく行える可動イオン分離装置の帯電
装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、帯電電極とこ
の帯電電極に生じたコロナ放電により帯電される被帯電
物との間に介設される制御電極であって、上記コロナ放
電で発生したイオンを上記被帯電物側に透過させる透過
領域と上記被帯電物の帯電領域を制限する制限領域とが
形成されている導電部材を有するものである(請求項
1)。
【0011】上記構成によれば、帯電電極に直流の高電
圧を印加し、コロナ放電を生じさせると、気体中の分子
がイオン化し、帯電電極と同極性のイオンが被帯電物側
に付着する。このイオンの大部分は、導電部材の非透過
領域である制限領域で捕捉され、一部が透過領域から被
帯電物側に透過し、この被帯電物の一部領域に帯電され
る。
【0012】また、本発明は、上記制御電極において、
上記透過領域が複数の微小孔をマトリックス状に形成す
ることにより構成されたものである(請求項2)。上記
構成によれば、微小孔のサイズや個数を調節することに
より帯電量や帯電範囲を変えることが可能になる。
【0013】また、本発明は、上記制御電極において、
上記透過領域が微小幅の複数の長尺状の孔を上記帯電電
極に沿う方向に並列させて形成することにより構成され
たものである(請求項3)。上記構成によれば、微小孔
をマトリックス状に形成したものに比べ、被帯電物上の
少なくとも帯電電極に沿う方向における帯電電位の分布
が平坦化される。
【0014】また、本発明は、上記制御電極において、
上記複数の長尺状の孔が、対向する2つの領域にそれぞ
れ等しい孔間隔で形成されると共に、上記2つの領域の
境界部から離れるに従って孔幅が広くなるように形成さ
れたものである(請求項4)。上記構成によれば、帯電
電極に沿う方向だけではなく、帯電電極と直交する方向
においても被帯電物上の帯電電位の分布が平坦化され
る。
【0015】また、本発明は、上記制御電極において、
上記複数の長尺状の孔が、対向する2つの領域にそれぞ
れ等しい孔幅で形成されると共に、上記2つの領域の境
界部から離れるに従って孔間隔が狭くなるように形成さ
れたものである(請求項5)。上記構成によれば、帯電
電極に沿う方向だけではなく、帯電電極と直交する方向
においても被帯電物上の帯電電位の分布が平坦化され
る。
【0016】また、本発明は、上記制御電極において、
上記複数の長尺状の孔が、その孔幅を孔間隔よりも広く
するようにして形成されたものである(請求項6)。上
記構成によれば、帯電電極に沿う方向と帯電電極と直交
する方向の被帯電物上の帯電電位の分布が平坦化され
る。
【0017】また、本発明は、ウエハの酸化膜中の可動
イオンを膜表面又は膜とウエハの界面に移動させるべ
く、上記ウエハに対向配置された帯電電極に高電圧を印
加し、コロナ放電により上記イオンをウエハ表面に付与
する可動イオン分離装置の帯電装置において、上記制御
電極を備えたものである(請求項7)。
【0018】上記構成によれば、帯電電極に直流の高電
圧が印加されると、帯電電極の回りに発生したコロナ放
電により空気中の分子がイオン化され、帯電電極と同極
性のイオンはウエハ側に静電的に吸引されるが、大部分
のイオンは、導電部材の非透過領域である制限領域で捕
捉され、一部のイオンが透過領域からウエハ側に透過す
る。これによりウエハ表面の上記透過領域に対向する領
域にイオンが付与され、この領域の酸化膜中の可動イオ
ンは付与されたイオンにより酸化膜の表面又はウエハと
の界面に移動される。
【0019】また、本発明は、上記可動イオン分離装置
の帯電装置において、上記帯電電極の上記ウエハと反対
側の半空間を遮蔽するシールドケースを備え、上記制御
電極は上記シールドケースの開口面に着脱可能に取り付
けられているものである(請求項8)。上記構成によれ
ば、帯電電極はシールドケース及び制御電極で包囲さ
れ、短絡、断線等の電気的、機械的損傷から保護され
る。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る可動イオン
分離装置の帯電装置を備えたC−V測定システム用外部
ユニットの正面図、図2は、同C−V測定システム用外
部ユニットの左側面図である。
【0021】C−V測定システムは、Si半導体及びS
iO2膜が形成されたシリコンウエハのC−V特性(M
OSダイオードの印加直流電圧と電気容量との相関特
性)を測定するシステムで、C−V測定システム用外部
ユニット1の本体2の上部にBT処理の一部の処理であ
る可動イオンを分離する処理を行う可動イオン分離ユニ
ット3を備えている。
【0022】C−V測定システムは、C−V特性に関連
して酸化膜評価、ベアウエハ評価(ベア状態でのキャリ
ア濃度評価)、結晶性評価(C−t特性(印加パルス電
圧に対する電気容量の時間変化特性))等の各種評価が
可能になされ、図略のCRT(Cathode Ray Tube)表示
装置に表示された表示内容に従ってキーボード4を操作
することにより評価が可能になっている。
【0023】酸化膜評価はシリコンウエハのC−V特性
の理想特性からのずれ量からSiO2膜中に含まれる可
動イオン量を評価するもので、C−V特性のずれ量は、
SiO2膜中に可動イオンが混在した状態で測定したC
−V特性と可動イオンを分離した状態で測定したC−V
特性とから算出される。
【0024】可動イオン分離ユニット3は、シリコンウ
エハ表面にコロナ放電により電荷を付与し、この後、付
与された電荷でSiO2膜中に含まれる可動イオン(主
にNaイオン)を拘束することにより可動イオンをSi
2膜の表面と、SiO2膜とシリコンウエハの界面とに
分離するものである。
【0025】可動イオン分離ユニット3は、ユニット本
体内部に帯電、加熱等の処理を行うBT処理室を備え、
ユニット前面の段差部分の略中央に形成された開口窓5
に昇降可能に設けられた搬送トレイによりシリコンウエ
ハが処理室に搬送されるようになっている。
【0026】図3は、可動イオン分離ユニットの内部構
造を示す概略側面図である。同図において、右端側は可
動イオン分離ユニット3の前面側、左端側は可動イオン
分離ユニット3の後面側である。可動イオン分離ユニッ
ト3は、ユニット本体301の上面の前面側にシリコン
ウエハ7を搬送する搬送トレイ6を備えている。
【0027】この搬送トレイ6は、開口部61Aを有す
る保持部61を備え、この保持部61にシリコンウエハ
7が装着されるようになっている。また、搬送トレイ6
は、ユニット本体301の上面の開口窓5に設けられた
シリコンウエハ7の装着脱を行う位置(以下、着脱位置
という。)とこの開口窓5の下方位置適所に設けられた
帯電、加熱等の処理が行われる所定の位置(以下、処理
位置という。)との間を昇降可能に設けられている。
【0028】搬送トレイ6は、ユニット本体301内の
前面側から見て左側部(図中、手前側)に設けられた搬
送トレイ駆動部8により昇降駆動される。搬送トレイ駆
動部8は、立直された支持板9の上下両端に回転可能に
取付けられたプーリ10,11、両プーリ10,11間
に捲回されたワイヤロープ12及び下端のプーリ11が
駆動軸に固着された図略の駆動モータから構成されてい
る。
【0029】搬送トレイ6は、下面適所に設けられた支
持部62がワイヤロープ12に固着されており、駆動モ
ータの回転力によりプーリ11を介してワイヤロープ1
2を時計回り又は反時計回りに周回させることにより昇
降される。
【0030】また、ユニット本体301の上面には、搬
送トレイ6が処理位置に下降したとき、開口窓5を遮蔽
するシャッタ13が後面側から前面側にスライド可能に
設けられている。
【0031】シャッタ13は、その下部に設けられたシ
ャッタ駆動部14によりスライド駆動が行われる。シャ
ッタ駆動部14は、支持板15のシャッタ13の移動範
囲の両端位置に設けられた一対のプーリ16,17、両
プーリ16,17間に捲回され、上記シャッタ13が固
着されたワイヤロープ18及び後面側のプーリ16が駆
動軸に固着された図略の駆動モータからなり、搬送トレ
イ駆動部8と同様にワイヤロープ18により牽引してシ
ャッタ13のスライド移動を行う。
【0032】また、処理位置には、テーブル19上に搬
送トレイ6で搬送されたシリコンウエハ7を加熱するヒ
ータユニット20が設けられ、このヒータユニット20
の後方位置に、上記シリコンウエハ7を帯電する帯電ユ
ニット23がヒータユニット20側にスライド移動可能
に設けられている。
【0033】ヒータユニット20は、搬送トレイ6で搬
送されたシリコンウエハ7を真空吸着するヒータステー
ジ21、このヒータステージ21を加熱する図略のヒー
タ、このヒータステージ21の加熱温度を制御するヒー
タ温度調節部22及び加熱後のシリコンウエハ7を冷却
する図略の冷却ファンを備えている。
【0034】帯電ユニット23は、チャージワイヤを備
えた一対のヘッド部24とチャージワイヤに所定の直流
高電圧を供給する電源部25とを備え、帯電ユニット2
3の下部に設けられた帯電ユニット駆動部26によりス
ライド駆動が行われる。ヘッド部24は、後述するよう
にシリコンウエハ7の一部領域の帯電が可能になってお
り、本実施の形態ではシリコンウエハ7の2つの領域を
それぞれプラスとマイナスとに帯電し得るように、2個
並べて設けられている。また、電源部25は2個のヘッ
ド部24にそれぞれ極性の異なる直流高電圧を供給し得
るようになっている。
【0035】帯電ユニット駆動部26は、帯電ユニット
23の移動範囲の両端位置に設けられた一対のプーリ2
7,28、両プーリ27,28間に捲回され、帯電ユニ
ット23が固着されたワイヤロープ29及び後面側のプ
ーリ27が駆動軸に固着された図略の駆動モータからな
り、搬送トレイ駆動部8,シャッタ駆動部14と同様に
ワイヤロープ29により牽引して帯電ユニット23のス
ライド移動を行う。
【0036】そして、帯電ユニット23が処理位置にス
ライド移動されると、ヘッド部24のチャージワイヤが
搬送トレイ6に装着されたシリコンウエハ7の表面から
所定の距離だけ隔てた高さ位置に配設されるようになっ
ている。
【0037】また、ユニット本体内のテーブル19の後
方位置に帯電、加熱等の処理を集中制御するコントロー
ラ30が設けられている。このコントローラ30は搬送
トレイ6、シャッタ13、ヒータユニット20及び帯電
ユニット23の各アクチュエータ及びユニットの駆動を
制御するとともに、シリコンウエハ7の帯電、加熱等の
処理を制御する。
【0038】図4は上記ヘッド部の構造を示す縦断面
図、図5は同ヘッド部の底面図、図6は同ヘッド部の右
側面図である。
【0039】ヘッド部24は、高電圧が印加されるチャ
ージワイヤ31、このチャージワイヤ31のシリコンウ
エハ7に対する反対側の半空間をシールドするシールド
ケース32、このシールドケース32の開口面(シリコ
ンウエハ7に対向する面)に設けられた制御電極33及
びシールドケース32の基端部に設けられた端子部34
から構成されている。
【0040】チャージワイヤ31は、ワイヤ表面とシリ
コンウエハ7との間にコロナ放電を発生させて空気中の
分子をイオン化する帯電電極で、例えば線径数十μmの
タングステンワイヤからなる。
【0041】シールドケース32は、チャージワイヤ3
1との間で放電電流を流してワイヤの長手方向に安定し
たコロナ放電を発生させるとともに、このコロナ放電に
よりイオン化された分子(以下、イオン化分子とい
う。)のシリコンウエハ表面以外の帯電を阻止するもの
である。シールドケース32は、シリコンウエハ7に対
向する面と基端部を除く側面をシールドする断面コ字形
の電極で、例えばステンレスの金属単板を折曲加工して
形成されている。このシールドケース32の内側面適所
には2個のコ字形の導電性の支持板35、36が設けら
れ、チャージワイヤ31がこの支持板35、36に取り
付けられている。
【0042】制御電極33は、イオン化分子のシリコン
ウエハ7側への放電を制限する長方形状の導電部材から
なる電極板で、シールドケース32の開口面と略同一の
サイズを有している。この制御電極33には、シリコン
ウエハ7の帯電領域を制限し得るように、電極板の略中
央、やや先端側に位置ずれした部分に、図7に示すよう
に、複数の角形状の微小孔38をマトリックス状に穿設
して上記コロナ放電で発生したイオンをシリコンウエハ
7側に透過させるべく縦横それぞれ数mm乃至は数cm
程度の大きさの透過領域37が形成されている。この制
御電極33の透過領域37以外の領域は、上記イオンの
透過を阻止してシリコンウエハ7の帯電領域を制限する
制限領域を形成する。
【0043】制限電極33は、例えばステンレスからな
る金属薄板の透過領域37の形成位置に上記微小孔38
をレーザ加工により穿設して構成される。また、微小孔
38の変わりに角形状の微小孔を有する導電性のメッシ
ュを取り付けてもよい。なお、透過領域37の微小孔3
8やメッシュの孔の形状は角形に限定されるものではな
く、円、楕円、三角形等の任意の形状を採用することが
できる。また、透過領域37の部分を複数の微小孔38
からなるものに代えて1個の貫通孔としてもよい。更
に、本実施の形態では、制御電極33には1つの領域に
透過領域37を設けているが、2以上の領域に透過領域
37を設けるようにしてもよい。
【0044】シールドケース32の内側面適所には2個
のコ字形の導電性の支持片35,36が設けられ、制御
電極33は、この支持片35,36にネジ等により着脱
可能に取り付けられている。
【0045】このような制御電極33によれば、透過領
域37のサイズを変更することによりシリコンウエハ7
の帯電領域が変化し、微小孔38のサイズ(すなわち、
透過領域37のメッシュサイズ)を変更することにより
上記帯電領域の帯電量が変化するので、透過領域37の
形成位置、サイズ及びメッシュサイズの異なる制御電極
33を複数個、用意しておき、ヘッド部24の制御電極
33を所定のものと取り替えることによりシリコンウエ
ハ7の帯電領域及び帯電量を所望の条件に設定すること
ができる。
【0046】端子部34は、チャージワイヤ31の基端
部に電源部25からの電源供給線路41を接続端子39
を介して接続するものである。端子部34は、合成樹脂
等の絶縁部材からなり、中間部が直角に屈曲した断面L
字状の形状をなしている。
【0047】端子部34のチャージワイヤ31が引き出
される先端部にはシールドケース32の内側面の形状寸
法と略同一の外径寸法を有する断面コ字形の嵌入部34
1が設けられ、この嵌入部341の基端部に上記接続端
子39を固定する端子保持部342が直角に屈曲させて
形成されている。
【0048】端子保持部342は、端子収納室を形成す
るように、その周縁部に側壁343が突設され、この側
壁343の内側面に蓋体40を嵌入装着して接続端子3
9が収納された端子保持室が密閉されるようになってい
る。
【0049】接続端子39は金属片からなり、端子保持
部342に形成される端子収納室の底部に固定されてい
る。接続端子39の一方端に電源供給線路41が接続さ
れ、他端にチャージワイヤ31の基端が接続されてい
る。チャージワイヤ31は、嵌入部341を介してシー
ルドケース32側に引き出され、シールドケース32の
開口面であって制御電極33より所定寸法Dだけ内側に
離隔してこの制御電極33と平行に張設されている。
【0050】すなわち、支持片35,36の開口面に臨
む部分の内側面に絶縁部材からなる保持部材42,43
が突設され、ワイヤの中間部と先端とをそれぞれこれら
保持部材42,43で保持して端子部34から引き出さ
れたチャージワイヤ31が制御電極33と平行に所定間
隔Dを設けて張設されている。
【0051】上記構成により、図8に示すように、ヘッ
ド部24をシリコンウエハ7に対向配置して帯電処理し
た場合、シリコンウエハ7の透過領域37に対向する一
部領域ARのみにコロナ放電によりイオン化分子又は電
子が付与される。
【0052】すなわち、図9に示すように、ヘッド部2
4のチャージワイヤ31を電源部25の一方電極(例え
ばマイナス電極)に接続し、シールドケース32、制御
電極33及びシリコンウエハ7を電源部25の他方電極
(プラス電極)に接続してチャージワイヤ31に直流高
電圧を印加すると、チャージワイヤ31の表面でコロナ
放電が発生し、ワイヤ周囲の空気中の分子がイオン化さ
れる。
【0053】イオン化分子のうち、チャージワイヤ31
と反対の極性のプラスのイオン化分子44はチャージワ
イヤ31に静電的に吸引され、同極性のマイナスのイオ
ン化分子45はシールドケース32及び制御電極33に
静電的に吸引され、マイナスイオン化分子45の大部分
はチャージワイヤ31とシールドケース32及び制御電
極33との間を流れる放電電流となり、一部は制御電極
33の透過領域37を透過してシリコンウエハ7の表面
に帯電される。
【0054】この場合、透過領域37は制御電極33の
一部領域に形成されているので、シリコンウエハ7には
この透過領域37に対向する一部領域ARにのみマイナ
スのイオン化分子45が付与され、その他の領域はイオ
ン化分子により帯電されることはない。
【0055】なお、図9において、電源部25の給電極
性を逆にすると、マイナスのイオン化分子45がチャー
ジワイヤ31に静電的に吸引され、プラスのイオン化分
子44が制御電極33に静電的に吸引され、その一部は
透過領域37を透過してシリコンウエハ7の表面に帯電
される。
【0056】上記のように、シールドケース32のシリ
コンウエハ7に対向する開口面に一部領域に透過領域3
7が形成された制御電極33を設けているので、シリコ
ンウエハ7表面の上記透過領域37に対向する領域AR
のみの帯電が可能で、この領域ARについて可動イオン
分離処理及び酸化膜評価を行うことができる。
【0057】また、チャージワイヤ31をシールドケー
ス32と制御電極33とで構成される筒体内に収納して
いるので、チャージワイヤ31の短絡、断線等の電気
的、機械的損傷を防止することも可能となる。
【0058】図10は、可動イオン分離ユニットのブロ
ック構成図である。同図において、図3に示す部材と同
一部材には同一番号を付している。また、真空ポンプ4
6は、シリコンウエハ7をヒータステージ21に吸着す
るための吸引源、表示部47はCRT等の表示装置、操
作部48は、キーボード4を含む、処理開始及びシリコ
ンウエハ7の処理位置へのセット/リセット等の指示や
各種の処理条件を入力するための操作部である。また、
ヒータ211はヒータステージ21に設けられた熱源、
ヒータ温度調節部22はヒータ211の通電を制御する
通電制御部である。
【0059】次に、図11を用いて可動イオン分離ユニ
ットにおける処理動作についての説明する。
【0060】まず、処理のSTARTスイッチが操作さ
れ(ステップS1)、搬送トレイ6の保持部61にシリ
コンウエハ7が装着された後(ステップS2)、LOA
Dスイッチが操作されると(ステップS3)、搬送トレ
イ駆動部8が駆動され、ワイヤロープ12の周回動作に
より搬送トレイ6が着脱位置から処理位置に下降される
(ステップS4)。このとき、同時にシャッタ駆動部1
4が駆動され、シャッタ13が開放位置から遮蔽位置に
移動して開口窓5が完全に閉塞される。
【0061】続いて、真空ポンプ46が駆動され、シリ
コンウエハ7は開口部61Aを介して対向配置されてい
るヒータステージ21に吸着される(ステップS5)。
続いて、帯電ユニット駆動部26により帯電ユニット2
3が待機位置から処理位置にスライド移動され、帯電ユ
ニット23の2個のヘッド部24,24′が、図12に
示すように、シリコンウエハ7の上部に対向配置される
(ステップS6)。続いて、電源部25からヘッド部2
4にプラスの直流高電圧が供給され、ヘッド部24′に
マイナスの直流高電圧が供給されてシリコンウエハ7の
帯電処理が行われる(ステップS7)。
【0062】上述したようにヘッド部24,24′のシ
ールドケース32の開口面には制御電極33が設けられ
ているので、シリコンウエハ7は、各制御電極33の透
過領域37に対向する領域AR1(以下、第1領域AR
1という。),AR2(以下、第2領域AR2とい
う。)にのみコロナ放電による帯電が行われる。この場
合、ヘッド部24にはプラス電圧が供給されているの
で、第1領域AR1はプラスに帯電され、ヘッド部2
4′にはマイナス電圧が供給されているので、第2領域
AR2はマイナスに帯電される。
【0063】続いて、帯電処理が終了すると、帯電ユニ
ット23が処理位置から待機位置にスライド移動された
後(ステップS8)、ヒータ温度調節部22よりヒータ
211に通電され、シリコンウエハ7の加熱処理が行わ
れる(ステップS9)。この加熱処理ではシリコンウエ
ハ7が100℃以上の所定の高温で所定の時間(10分
程度以上)、加熱される。
【0064】この加熱処理により可動Naイオンはシリ
コンウエハ7のSiO2膜中を移動し、第1領域AR1
及び第2領域AR2においては、図13に示すように、
可動Naイオンがシリコンウエハ7の表面に付与された
イオン化分子44,45にそれぞれ静電的に分離され
る。なお、第1領域AR1においては、プラスのイオン
化分子44が付与されているので、プラス帯電している
可動Naイオン49はイオン化分子44によりSiO2
膜の下面(シリコン層との境界)に静電的に反発され、
第2領域AR2においては、マイナスのイオン化分子4
5が付与されているので、可動Naイオン49はイオン
化分子45によりSiO2膜の表面に静電的に吸引さ
れ、この静電的な吸引若しくは反発の状態が保持される
ことで可動Naイオンの分離が行われる。
【0065】加熱処理が終了すると、真空ポンプ46の
駆動を停止してシリコンウエハ7のヒータステージ21
への吸着が解除された後(ステップS10)、搬送トレ
イ6が冷却位置に下降され(ステップS11)、冷却フ
ァン212による送風により所定時間、冷却処理が行わ
れる(ステップS12)。この冷却処理によりシリコン
ウエハ7が冷却されると、上記静電的な吸引若しくは反
発により分離された可動Naイオンは移動が不可能とな
ってその位置に留まった状態となる。
【0066】冷却処理が終了すると、操作部36よりU
NLOADスイッチが操作されることにより(ステップ
S13)、搬送トレイ駆動部8が駆動され、ワイヤロー
プ12の周回動作により搬送トレイ6が処理位置から着
脱位置に上昇される(ステップS14)。
【0067】搬送トレイ6が着脱位置に上昇すると、シ
リコンウエハ6は搬出され(ステップS15)、処理は
終了する。なお、処理が終了した後に、水やアルコール
等によりシリコンウエハ7を洗浄してウエハ表面の余分
なイオン化分子44,45の除去が行われる。
【0068】可動イオンの分離が行われたシリコンウエ
ハ7は第1領域AR1及び第2領域AR2のC−V特性
を測定することにより可動イオンの数量が演算される。
【0069】すなわち、図14はシリコンウエハ7のC
−V特性例を示すものであるが、可動イオンの分離処理
前のシリコンウエハ7のC−V特性をとすると、シリ
コンウエハ7をマイナス帯電して可動イオンの分離処理
をした後のC−V特性は、のように、バイアス電圧V
のプラス側にシフトし、シリコンウエハ7をプラス帯電
して可動イオンの分離処理をした後のC−V特性は、
のように、バイアス電圧Vのマイナス側にシフトし、こ
れら,の特性のの特性に対するシフト量ΔV1,
ΔV2は可動イオンの数量に比例することが知られてい
る。
【0070】従って、第1領域AR1及び第2領域AR
2のC−V特性を測定し、各領域について上記シフト量
ΔV1,ΔV2を算出することにより第1,第2領域A
R1,AR2に含まれる可動イオンの数量が算出され
る。なお、ΔV1+ΔV2によっても可動イオンの数量
が算出できる。
【0071】上記のように、帯電ユニット23のチャー
ジワイヤ31とシリコンウエハ7との間に一部領域に透
過領域37が形成された制御電極33を設け、シリコン
ウエハ7の透過領域37の対向領域にのみ帯電可能にし
ているので、シリコンウエハ7の一部領域について簡単
に酸化膜評価を行うことができる。
【0072】また、シリコンウエハ7に2個のヘッド部
24,24′を対向配置し、それぞれのヘッド部24,
24′で互いに異なる極性の帯電を行うようにしている
ので、同時にプラス・マイナス両極性の可動イオンにつ
いて酸化膜評価を行うことができる。
【0073】また、透過領域37のシリコンウエハ7と
の対向領域を変更することによりシリコンウエハ7につ
いて複数の領域について酸化膜の評価が可能で、評価試
料の有効利用、評価効率の向上が可能になる。
【0074】ところで、上記実施の形態では、帯電ユニ
ット23のヘッド部24に制御電極33を設けるように
しているが、図15に示すように、単体の制御電極3
3′をシリコンウエハ7とチャージワイヤ31との間に
介在させるようにしてもよい。
【0075】この場合、シリコンウエハ7の制御電極3
3′に形成された透過領域37に対向する領域ARのみ
に帯電領域を制限するため、制御電極33′のサイズ
は、図16に示すように、チャージワイヤ31から制御
電極33′を見た立体角ω2がチャージワイヤ31から
シリコンウエハ7を見た立体角ω1と略同一となるサイ
ズに少なくとも設定する。このようにすることによりシ
リコンウエハ7の領域AR以外の部分は制御電極33′
により遮蔽され、確実に帯電領域を領域ARに制限にす
ることができる。
【0076】なお、シリコンウエハ7の周縁部の帯電が
領域ARの可動イオン測定に影響を与えない範囲で制御
電極33′のサイズを上記サイズより小さくすることは
差し支えない。
【0077】また、図16から明らかなように、制御電
極33′のサイズはチャージワイヤ31に近接するほど
小さくできるから、制御電極33′の保持及び給電等を
考慮すると、好ましくは上記実施の形態で示したよう
に、チャージワイヤ31のシールドケース32の開口面
に制御電極33′を取り付けるのがよい。
【0078】また、上記実施の形態では、制御電極33
の透過領域37は複数の微小孔38をマトリックス状に
形成することにより構成されているが、図17に示すよ
うに、微小幅の複数の長尺状の孔51をチャージワイヤ
31に沿う方向に所定の孔間隔で並列させて形成するこ
とにより構成するようにしてもよい。すなわち、図17
に示す透過領域37´は、チャージワイヤ31と対向す
る位置である境界部Bの両側の対向する2つの領域にそ
れぞれ長尺状の孔51a,51b,51c,51d,5
1e,51fが境界部Bを境にして対称的に配置されて
構成されている。
【0079】境界部Bの両側の各領域における孔51
a,51b,51c,51d,51e,51fの各孔間
隔はそれぞれ同じ寸法となっているが、各領域の境界部
Bに接する孔51a,51a間は他の孔間隔よりも広く
なるように設定されている。また、各領域の境界部Bに
接する孔51aの孔幅寸法(境界部Bと直交する方向の
孔の寸法)は孔51bよりも僅かに狭く、孔51bの孔
幅寸法は孔51cよりも僅かに狭くなるように設定され
ている。また、孔51cの孔幅寸法は孔51dよりも僅
かに狭く設定され、孔51d乃至孔51fはそれぞれ同
じ孔幅寸法となるように設定されている。
【0080】すなわち、境界部Bに近い位置にあるもの
はその孔幅が狭く、境界部Bから離れるに従ってその孔
幅寸法が広くなるように形成されている。なお、この孔
幅寸法は孔1つ毎に順に広くなるようにする必要はな
く、2つ毎や3つ毎に順に広くなるようにしてもよい。
また、各領域における各孔51a,51b,51c,5
1d,51e,51fの孔幅寸法は、各孔間隔よりも広
くなるように設定されている。
【0081】図18は、図17に示す構成の透過領域3
7´を構成した制御電極33″を用いてシリコンウエハ
を帯電した場合の境界部Bと直交する方向、すなわち、
チャージワイヤ31と直交する方向のシリコンウエハ上
の帯電電位の分布を示す図である。この図において、縦
軸は最も高い電位との比を示し、横軸はチャージワイヤ
31の対向位置を0とし、チャージワイヤ31と直交す
る方向のチャージワイヤ31を境とする一方側の位置を
+、他方側の位置を−で表したシリコンウエハ上の位置
を示している。
【0082】また、図19は、図17に示す構成の透過
領域37´を構成した制御電極33″を用いてシリコン
ウエハを帯電した場合の境界部Bに沿う方向、すなわ
ち、チャージワイヤ31に沿う方向のシリコンウエハ上
の帯電電位の分布を示す図である。この図において、縦
軸は最も高い電位との比を示し、横軸はチャージワイヤ
31の対向位置における中央位置を0とし、その対向位
置に沿う右側位置を+、左側位置を−で表したシリコン
ウエハ上の位置を示している。
【0083】これらの図から明らかなように、チャージ
ワイヤ31と直交する方向とチャージワイヤ31に沿う
方向の両方向共に一定の範囲内で帯電電位の分布に略平
坦な領域が形成されている。このような平坦な領域が形
成されると、C−V特性を測定するときに測定位置が透
過領域37´の中心位置からずれたとしても分布の平坦
な領域の範囲内であれば正確な測定を行うことができる
ことになる。
【0084】なお、図20及び図21は、図7に示す微
小孔38をマトリックス状に形成して透過領域37を構
成した制御電極33を用いてシリコンウエハを帯電した
場合のシリコンウエハ上の帯電電位の分布を示す図であ
り、それぞれ図18及び図19に対応するものである。
これらの図から明らかなように、長尺状の孔51により
透過領域37´を形成した制御電極33″の方が、微小
孔38により透過領域37を形成した制御電極33より
も帯電電位の分布により平坦な領域が形成されるように
なっている。このように、シリコンウエハ上の帯電電位
の分布の状態に差異が生じるのは次のような理由による
ものと考えられる。
【0085】すなわち、チャージワイヤ31と直交する
方向では、チャージワイヤ31から離れるに従ってイオ
ン化分子のシリコンウエハに対する付与量が少なくなる
が、図17に示す構成の透過領域37´の構成ではチャ
ージワイヤ31に近い位置にある孔51はその幅が狭
く、チャージワイヤ31から離れた位置の孔51はその
幅が広くなっているため、図7に示す構成の透過領域3
7に比べてイオン化分子のシリコンウエハに対する付与
量が均一化され易いからである。また、チャージワイヤ
31に沿う方向では、図17に示す構成の透過領域37
´ではチャージワイヤ31に沿って孔51が連続してい
るため、図7に示す構成の透過領域37に比べてイオン
化分子の付与が不連続となり難いからである。
【0086】なお、図17に示す境界部Bの両側の対向
する2つの領域の孔51a,51b,51c,51d,
51e,51fの孔幅寸法をそれぞれ同一にし、各領域
における孔間隔を境界部Bに近い位置にあるものは広く
し、境界部Bから離れるに従って狭くするようにしても
よい。この場合でも、各孔51a,51b,51c,5
1d,51e,51fの孔幅寸法は、各孔間隔の寸法よ
りも広くすることが望ましい。このようにした場合で
も、図17に示すものと同様の効果を得ることができ
る。ただし、図17の場合も含め、各孔51a,51
b,51c,51d,51e,51fの孔幅寸法は、必
ずしも各孔間隔の寸法よりも広くしなければならないも
のではなく、孔間隔と同等としたり、孔間隔よりも狭く
するようにしてもよい。
【0087】また、複数の長尺状の孔51がチャージワ
イヤ31に沿う方向に並列して形成されておれば、各長
尺状の孔51の孔幅や孔間隔は必ずしも上記条件を満た
していなくてもよい。この場合でも、少なくともチャー
ジワイヤ31に沿う方向の帯電電位の分布に平坦な領域
を形成することが可能となり、C−V特性を測定すると
きに測定位置が透過領域37´の中心位置からチャージ
ワイヤ31に沿う方向にずれたとしても分布の平坦な領
域の範囲内であれば正確な測定を行うことができること
になる。
【0088】また、図17に示す透過領域37´を構成
している複数の長尺状の孔51は、少なくとも透過領域
37´の中央部分が上記条件を満足するようになってお
ればよく、透過領域37´の周辺部分は若干不規則な形
状となっていてもよい。
【0089】また、図7に示す透過領域37を構成して
いる複数の微小孔38についても、チャージワイヤ31
と直交する方向のものをチャージワイヤ31から離れる
に従って孔幅を大きくしたり、孔間隔を狭くしたりする
ことにより、シリコンウエハの帯電電位の分布をより平
坦化することが可能となる。
【0090】更に、本実施の形態では、可動イオン分離
装置の帯電装置を例に説明したが、本発明に係る制御電
極は、被帯電物全体を均一帯電させるのではなく、その
一部領域のみの帯電が必要な場合に帯電領域を制限する
制御電極として広く適用できるものである。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
帯電電極と被帯電物との間に介設される制御電極を、コ
ロナ放電で発生したイオンを被帯電物側に透過させる透
過領域と被帯電物の帯電領域を制限する制限領域とが形
成されている導電部材で構成したので、確実に被帯電物
の透過領域に対向する領域のみを帯電させることができ
る。
【0092】また、上記制御電極の透過領域を、複数の
微小孔をマトリックス状に形成して構成したので、微小
孔のサイズや個数を調節することにより帯電量や帯電範
囲の異なる制御電極を簡単に作成することができる。
【0093】また、上記制御電極の透過領域を、微小幅
の複数の長尺状の孔を帯電電極に沿う方向に並列させて
構成したので、被帯電物上の少なくとも帯電電極に沿う
方向における帯電電位の分布を一定の範囲内で平坦化す
ることができ、被帯電物の特性の測定位置が多少ずれて
も正確な測定を行うことができるようになる。
【0094】また、上記制御電極の複数の長尺状の孔
を、対向する2つの領域にそれぞれ等しい孔間隔で形成
すると共に、その2つの領域の境界部から離れるに従っ
て孔幅が広くなるように形成したので、帯電電極に沿う
方向と帯電電極と直交する方向の被帯電物上の帯電電位
の分布を一定の範囲内で平坦化することができ、被帯電
物の特性の測定位置が多少ずれても正確な測定を行うこ
とができるようになる。
【0095】また、上記制御電極の複数の長尺状の孔
を、対向する2つの領域にそれぞれ等しい孔幅で形成す
ると共に、その2つの領域の境界部から離れるに従って
孔間隔が狭くなるように形成したので、帯電電極に沿う
方向と帯電電極と直交する方向の被帯電物上の帯電電位
の分布を一定の範囲内で平坦化することができ、被帯電
物の特性の測定位置が多少ずれても正確な測定を行うこ
とができるようになる。
【0096】また、上記制御電極の複数の長尺状の孔
を、その孔幅が孔間隔よりも広くなるように形成したの
で、帯電電極に沿う方向と帯電電極と直交する方向の被
帯電物上の帯電電位の分布を一定の範囲内でより確実に
平坦化することができ、被帯電物の特性の測定位置が多
少ずれても正確な測定を行うことができるようになる。
【0097】また、ウエハに対向配置された帯電電極に
高電圧を印加し、コロナ放電によりイオンをウエハ表面
に付与する可動イオン分離装置の帯電装置において、帯
電電極とウエハとの間に制御電極を介設したので、ウエ
ハの一部領域を限定して帯電させることができ、ウエハ
の複数箇所で可動イオンの測定をすることができる。
【0098】また、上記帯電装置において、帯電電極の
ウエハと反対側の半空間を遮蔽するシールドケース備
え、そのシールドケースの開口面に上記制御電極を着脱
可能に取り付けたので、帯電電極全体がシールドケース
と制御電極とにより遮蔽され、帯電電極の断線や短絡等
の機械的、電気的損傷を確実に防止することができる。
また、透過領域の異なる制御電極を交換することにより
ウエハの帯電領域を簡単に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る可動イオン分離装置の帯電装置を
備えたC−V測定システム用外部ユニットの正面図であ
る。
【図2】本発明に係る可動イオン分離装置の帯電装置を
備えたC−V測定システム用外部ユニットの左側面図で
ある。
【図3】本発明に係る可動イオン分離装置の内部構造を
示す概略側面図である。
【図4】本発明に係る帯電装置のヘッド部の構造を示す
縦断面図である。
【図5】本発明に係る帯電装置のヘッド部の底面図であ
る。
【図6】本発明に係る帯電装置のヘッド部の右側面図で
ある。
【図7】制御電極の透過領域の構成を示す図である。
【図8】シリコンウエハの上部に帯電ユニットのヘッド
部が対向配置された状態を示す断面図である。
【図9】帯電ユニットによるシリコンウエハの一部領域
の帯電を説明するための図である。
【図10】可動イオン分離ユニットのブロック構成図で
ある。
【図11】可動イオン分離ユニットの処理動作のシーケ
ンスを示すフローチャートである。
【図12】シリコンウエハ表面の帯電領域を示す斜視図
である。
【図13】シリコンウエハの酸化膜中の可動イオンを分
離した状態を示す図である。
【図14】可動イオンの分離処理によるC−V特性の変
化を示す図である。
【図15】チャージワイヤとシリコンウエハとの間に制
御電極単体を介在させた状態を示す斜視図である。
【図16】チャージワイヤとシリコンウエハとの間に制
御電極単体を介在させる場合の制御電極のサイズを説明
するための図である。
【図17】制御電極の透過領域の他の構成例を示す図で
ある。
【図18】図17に示す構成の制御電極を用いて帯電さ
せたシリコンウエハ上の電位分布を示す図である。
【図19】図17に示す構成の制御電極を用いて帯電さ
せたシリコンウエハ上の電位分布を示す図である。
【図20】図7に示す構成の制御電極を用いて帯電させ
たシリコンウエハ上の電位分布を示す図である。
【図21】図7に示す構成の制御電極を用いて帯電させ
たシリコンウエハ上の電位分布を示す図である。
【符号の説明】
1 C−V測定システム用外部ユニット 2 ユニット本体 3 可動イオン分離ユニット(可動イオン分離装置) 301 ユニット本体 4 キーボード 5 開口窓 6 搬送トレイ 61 保持部 61A 開口部 62 支持部 7 シリコンウエハ(被帯電物) 8 搬送トレイ駆動部 9 支持板 10,11 プーリ 12 ワイヤロープ 13 シャッタ 14 シャッタ駆動部 15 支持板 16,17 プーリ 18 ワイヤロープ 19 テーブル 20 ヒータユニット 21 ヒータステージ 22 ヒータ温度調節部 23 帯電ユニット(帯電装置) 24 ヘッド部 25 電源部 26 帯電ユニット駆動部 27,28 プーリ 29 ワイヤロープ 30 コントローラ 31 チャージワイヤ(帯電電極) 32 シールドケース 33,33′,33″ 制御電極 34 端子部 341 嵌入部 342 端子保持部 343 側壁 35,36 支持片 37,37´ 透過領域 38 微小孔 39 接続端子 40 蓋体 41 電源供給線路 42,43 保持部材 44,45 イオン化分子 46 真空ポンプ 47 表示部 48 操作部 49 可動Naイオン 51 長尺状の孔

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯電電極とこの帯電電極に生じたコロナ
    放電により帯電される被帯電物との間に介設される制御
    電極であって、 上記コロナ放電で発生したイオンを上記被帯電物側に透
    過させる透過領域と上記被帯電物の帯電領域を制限する
    制限領域とが形成されている導電部材を有することを特
    徴とする制御電極。
  2. 【請求項2】 上記透過領域は、複数の微小孔をマトリ
    ックス状に形成してなるものであることを特徴とする請
    求項1記載の制御電極。
  3. 【請求項3】 上記透過領域は、微小幅の複数の長尺状
    の孔を上記帯電電極に沿う方向に並列させて形成してな
    るものであることを特徴とする請求項1記載の制御電
    極。
  4. 【請求項4】 上記複数の長尺状の孔は、対向する2つ
    の領域にそれぞれ等しい孔間隔で形成されると共に、上
    記2つの領域の境界部から離れるに従って孔幅が広くな
    るように形成されていることを特徴とする請求項3記載
    の制御電極。
  5. 【請求項5】 上記複数の長尺状の孔は、対向する2つ
    の領域にそれぞれ等しい孔幅で形成されると共に、上記
    2つの領域の境界部から離れるに従って孔間隔が狭くな
    るように形成されていることを特徴とする請求項3記載
    の制御電極。
  6. 【請求項6】 上記複数の長尺状の孔は、その孔幅が孔
    間隔よりも広くなるように形成されていることを特徴と
    する請求項4又は5記載の制御電極。
  7. 【請求項7】 ウエハの酸化膜中の可動イオンを膜表面
    又は膜とウエハの界面に移動させるべく、上記ウエハに
    対向配置された帯電電極に高電圧を印加し、コロナ放電
    により上記イオンをウエハ表面に付与する可動イオン分
    離装置の帯電装置において、 請求項1乃至6のいずれかに記載の制御電極を備えてい
    ることを特徴とする制御電極を用いた可動イオン分離装
    置の帯電装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の制御電極を用いた可動イ
    オン分離装置の帯電装置において、上記帯電電極の上記
    ウエハと反対側の半空間を遮蔽するシールドケースを備
    え、上記制御電極は上記シールドケースの開口面に着脱
    可能に取り付けられていることを特徴とする制御電極を
    用いた可動イオン分離装置の帯電装置。
JP10278796A 1995-11-21 1996-04-24 制御電極及びこの制御電極を用いた可動イオン分離装置の帯電装置 Pending JPH09205124A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006351303A (ja) * 2005-06-15 2006-12-28 Hitachi High-Technologies Corp パターン欠陥検査方法および装置
JP2011159636A (ja) * 2011-05-11 2011-08-18 Hitachi High-Technologies Corp パターン欠陥検査方法および装置

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