JPH09204879A - 陰極線管 - Google Patents

陰極線管

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JPH09204879A
JPH09204879A JP1093696A JP1093696A JPH09204879A JP H09204879 A JPH09204879 A JP H09204879A JP 1093696 A JP1093696 A JP 1093696A JP 1093696 A JP1093696 A JP 1093696A JP H09204879 A JPH09204879 A JP H09204879A
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JP
Japan
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film
valve
ray tube
vapor deposition
bulb
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Application number
JP1093696A
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English (en)
Inventor
Nobuhiro Koseki
悦弘 小関
Toshio Shiga
俊夫 志賀
Kazuo Sawamoto
和男 澤本
Tsunekichi Nakayama
恒吉 中山
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Hitachi Ltd
Hitachi Consumer Electronics Co Ltd
Japan Display Inc
Original Assignee
Hitachi Device Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Hitachi Consumer Electronics Co Ltd
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  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 陰極線管の製造途中で、バルブ1を再利用す
る際に、バルブ1の洗浄残り不良の発生を少なくし、製
造コストの低減と材料の有効利用とを図った陰極線管を
提供する。 【解決手段】 陰極線管は、前部内面に螢光体膜5を被
着形成したパネル部2と、電子銃8を収納したネック部
4と、パネル部2とネック部4を結合するファンネル部
3とからなるバルブ1を有し、パネル部2の内面及びフ
ァンネル部3の内面にアルミニウム蒸着膜6からなるメ
タルバックを施し、ファンネル部3の内面及びネック部
4の内面に電子銃8と陽極端子7との間を導電接続する
黒鉛膜10を形成しているもので、バルブ1の内面にア
ルミニウム蒸着膜6と黒鉛膜10とを形成する際に、ま
ずアルミニウム蒸着膜6を形成し、その上に黒鉛膜10
を形成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陰極線管に係わ
り、特に、陰極線管の製造工程において、バルブ内面に
メタル蒸着膜及び黒鉛膜を形成する際に、メタル蒸着膜
を形成した後、その上に黒鉛膜を形成するようにして、
バルブの再生時に、簡単に黒鉛膜を剥離できるようにし
た陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種のカラー陰極線管やモノカラ
ー陰極線管は、ガラス製のバルブを備えており、このバ
ルブは、前側(表示側)に配置され、内面に螢光体膜を
被着形成したパネル部Pと、後側に配置され、内部に電
子銃を収納したネック部Nと、パネル部とネック部とを
結合し、略ラッパ形状のファンネル部Fとからなり、フ
ァンネル部Fにバルブの基準位置となるリファレンスラ
インSがある。
【0003】ところで、これらの陰極線管を構成するバ
ルブは、高価で、陰極線管の各種構成部品の全体価格の
中で占める割合が大きいことから、陰極線管の製造工程
中に不良品が発生した場合、不良品のバルブは、パネル
部Pとファンネル部Fとを再生利用し、ネック部Nのみ
を新たなものに交換してファンネル部Fに溶着させる方
式が多用されている。
【0004】図5は、既知の陰極線管の構成の一例を示
す一部断面構造図、及び、その一部の部分拡大断面図で
ある。
【0005】図5に示されるように、バルブ51は、パ
ネル部Pと、ファンネル部Fと、ネック部Nとからな
り、ファンネル部FにリファレンスラインSがある。パ
ネル部Pは、前部内面に螢光膜52が被着形成され、同
じく側部内面にアルミニウム蒸着膜53が形成される。
ファンネル部Fは、側面に陽極端子54が配置され、内
面にパネル部Pに続いてアルミニウム蒸着膜53が形成
される。ネック部Nは、内部に電子銃55が配置され、
開口に複数の端子を有する口金57が嵌合される。ま
た、ファンネル部Fとネック部Nとに跨って、陽極端子
54と電子銃55とを導電接続する黒鉛膜56が設けら
れる。この場合、ファンネル部Fにおいては、アルミニ
ウム蒸着膜53と黒鉛膜56の各形成個所が重なり合う
が、黒鉛膜56を陽極端子54に導電接続させることか
ら、部分拡大断面図に図示されるように、黒鉛膜56が
ファンネル部Fの内面側に形成され、その上にアルミニ
ウム蒸着膜53が形成されている。
【0006】また、図6は、既知の陰極線管におけるフ
ァンネル部Fの一部を拡大して示した構成図であって、
(a)は平面透視図、(b)は断面図である。
【0007】図6(a)、(b)に示されるように、黒
鉛膜56は、陽極端子54からリファレンスラインSの
近くまでの範囲においてはバルブ51の内面に沿って帯
状に形成され、リファレンスラインSの近くの領域から
ネック部N寄りの範囲においてはバルブ51の内面全体
に形成されている。アルミニウム蒸着膜53は、リファ
レンスラインSまでの範囲にバルブ51の内面全体に形
成され、黒鉛膜56と重なり合う部分は、前述のよう
に、黒鉛膜56の上側に形成される。
【0008】次に、図7は、既知の陰極線管を製造する
場合の製造工程の経緯を示すフローチャートである。
【0009】このフローチャートを用い、既知の陰極線
管が製造される際の工程について説明する。
【0010】i.バルブ洗浄 ステップS21において、バルブ51のパネル部Pが上
になるように配置し、ネック部Nの開口からバルブ51
内に洗浄ノズルを挿入し、洗浄ノズルを通して加圧した
洗浄液を順次バルブ51内に放出して、バルブ51の内
面を洗浄する。その後、ステップS22において、バル
ブ51の洗浄検査を行い、破損のものは廃棄処分に、洗
浄不良のものは再度ステップS21が実行され、それ以
外のものは次のステップS23に移行する。
【0011】ii.螢光体塗布 ステップS23において、バルブ51のネック部Nが上
になるように配置し、ネック部Nの開口からバルブ51
内に拡散液を注入し、さらに、開口からバルブ51内に
螢光体注入ノズルを挿入し、螢光体注入ノズルを通して
螢光体塗布液(スラリー)をバルブ51内に注入し、所
定時間静置してパネル部P内面に螢光膜52を形成す
る。
【0012】iii.フィルミング ステップS24において、パネル部P内面に形成した螢
光膜52上にフィルム膜を形成する。
【0013】iv.黒鉛膜塗布 ステップS25において、バルブ51のパネル部Pが上
になるように配置し、バルブ51の中心軸を軸心として
バルブ51回転させながら、陽極端子54と電子銃55
とを導電接続する黒鉛膜56をバルブ51の内面に塗布
形成する。
【0014】v.アルミニウム蒸着 ステップS26において、バルブ51のパネル部Pが上
になるように配置し、真空蒸着装置を用いて、アルミニ
ウム膜をバルブ51の内面に蒸着し、アルミニウム蒸着
膜53を形成する。
【0015】vi.ベーキング ステップS27において、黒鉛膜56やアルミニウム蒸
着膜53を形成したバルブ51をベーキングする。その
後、ステップS28において、バルブ51の検査を行
い、破損のものは廃棄処分に、螢光膜52の形成不良の
ものはステップS21に戻されて、ステップS21以降
の処理が再実行され、その以外のものは次のステップS
29に移行する。
【0016】vii.電子銃封止 ステップS29において、バルブ51内に電子銃55等
の部品を組み込み、ネック部Nの開口に口金57を嵌合
して封止する。
【0017】viii.排気 ステップS30において、嵌合した口金55を介してバ
ルブ51内の空気等を排気し、陰極線管を得る。その
後、ステップS31において、得た陰極線管の特性検査
を行い、バルブ破損のものは廃棄処分にされ、螢光膜5
2の特性不良のものは、ステップS32において、口金
57や電子銃55等とともにネック部Nが外された後、
新たなネック部Nが溶着されてバルブ51に再生され、
再生されたバルブ51はステップS21に戻されて、ス
テップS21以降の処理が再実行される。その以外のも
のは、ステップS33において、仕上処理が行われ、完
成された陰極線管になる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】図7のフローチャート
に示されるように、前記既知の陰極線管は、その製造工
程中に幾つかの検査工程を設けており、これらの検査工
程において、製造上の不良、例えば、ステップS28に
おける螢光膜52の形成不良や、特性上の不良、例え
ば、ステップ33における螢光膜52の特性不良を発見
できるようにしている。そして、検査工程において、不
良と判断されたバルブや陰極線管は、製造費用の削減や
材料の有効活用等の点から、再び、バルブ51の状態に
戻される。このとき、ネック部Nに電子銃55の組み込
みや口金57の嵌合が行われる前の状態であれば、バル
ブ51全体が再利用され、また、ネック部Nに電子銃5
5の組み込みや口金57の嵌合が行われた後の状態であ
れば、ネック部Nがファンネル部Fから切断され、パネ
ル部Pとファンネル部Fとが再利用されるもので、いず
れの場合においても、バルブ51の内面に形成されてい
る黒鉛膜56やアルミニウム蒸着膜53等が、ステップ
S21におけるバルブ洗浄によって溶融剥離される。
【0019】ここで、図8は、既知の陰極線管におい
て、再利用されるバルブ51のファンネル部Fの近傍の
状態を示す構成図であって、(a)は陽極端子54の周
辺部の理想的な状態の断面図、(b)は陽極端子54の
周辺部の現実の状態の断面図、(c)は黒鉛膜56やア
ルミニウム蒸着膜53が形成されている状態の断面図、
(d)は黒鉛膜56やアルミニウム蒸着膜53の溶融剥
離した後で残渣が存在する状態の断面図、(e)は陽極
端子54の周辺部にクラックが生じた状態の平面図を示
すものである。
【0020】既知の陰極線管においては、ファンネル部
Fの側面に陽極端子54を溶着させる場合、本来なら
ば、図8(a)に示されるように、陽極端子54に内側
面とバルブ51の内面とが略一致する筈であるのに対
し、現実には、陽極端子54との境界部分にある溶着領
域のバルブ51が融け、図8(b)に示されるように、
陽極端子54の周辺部のバルブ51の内面側に0.1m
m乃至0.8mmの範囲内の凹凸d1 、d2 が形成さ
れ、しかも、凹凸d1 、d2 の量や形状は種々に変化す
るものである。なお、この凹凸d1 、d2 の量や形状を
略一定にすることは、現在では技術的に可能であるが、
バルブ51の製造価格が高騰することから実用的でなも
のではなく、実際に行われていない。
【0021】そして、このような凹凸d1 、d2 を有す
るバルブ51に、図8(c)に示されるように、黒鉛膜
66を10乃至25μmの厚さに形成し、また、アルミ
ニウム蒸着膜53を0.1乃至0.2μmの厚さに形成
したバルブ51が、その後の検査で不良と判定され、バ
ルブ51として再利用する場合には、前記ステップS2
1におけるバルブ洗浄によって、アルミニウム蒸着膜5
3及び黒鉛膜56を溶融剥離させる。この場合、バルブ
51の陽極端子54の周辺部に凹凸d1 、d2が形成さ
れていたときには、図8(c)に示されるように、標準
の作業条件でバルブ洗浄を行ったとしても、凹凸d1
2 内に黒鉛膜56の残渣56aが残留し、いわゆる、
洗浄残り不良が生じることがある。この洗浄残り不良
は、5乃至15%程度の高率で発生し、洗浄残り不良を
生じたバルブ51は、製品製造コストを低減させる点及
び材料を有効利用する点から、破棄処分に回されずに、
洗浄残り不良が解消されるまで、ステップS21におけ
るバルブ洗浄が繰り返し実行される。
【0022】一方、バルブ51は、繰り返しバルブ洗浄
が行われると、図8(e)に示されるように、陽極端子
54との境界部分の溶着領域に局所的な侵食d3 が生
じ、陰極線管の製造工程中の、ステップS27における
ベーキングやステップS30における排気時の加熱処理
時に、これらの侵食d3 を原因とするバルブクラックが
0.01%程度の割合で発生し、陰極線管の真空不良を
派生するようになる。
【0023】このように、既知の陰極線管においては、
洗浄残り不良を生じたバルブ51のバルブ洗浄に多くの
時間を要するという問題があり、その上に、バルブ洗浄
の繰り返しによってバルブクラックが発生すると、その
バルブを再利用することができず、その結果、製造コス
トを低減できなくなる等の問題もある。
【0024】本発明は、これらの問題点を解決するもの
で、その目的は、バルブの洗浄残り不良の発生を少なく
し、製造コストの低減と材料の有効利用とを図った陰極
線管を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の陰極線管は、内面に螢光体膜を被着形成し
たパネル部と、電子銃を収納したネック部と、パネル部
とネック部を結合するファンネル部とからなるバルブを
有し、パネル部の内面及びファンネル部の内面にメタル
蒸着膜からなるメタルバックが施され、ファンネル部の
内面及びネック部の内面に、電子銃と陽極端子との間を
導電接続する黒鉛膜が形成されるとともに、メタル蒸着
膜と黒鉛膜とが形成される際に、下側(バルブ側)にメ
タル蒸着膜が形成され、その上側に黒鉛膜が形成される
ものである。
【0026】かかる手段を採用すれば、バルブを再利用
するため、バルブ内面に形成されているメタル蒸着膜と
黒鉛膜とを、バルブ洗浄によって溶融剥離させる際に、
このバルブ洗浄により上側の黒鉛膜が溶融するととも
に、下側のメタル蒸着膜がより多量に溶融するので、下
側のメタル蒸着膜の溶融に伴い上側の黒鉛膜もともに剥
離される。このため、陽極端子の周辺部のバルブ内面
に、凹凸が形成されていても、凹凸内に黒鉛膜の残渣が
残留することが殆んどなくなって、バルブの再利用時に
おける洗浄残り不良の発生の割合を大幅に低減させるこ
とが可能になり、陰極線管の製造コストを低減させ、材
料の有効利用を図ることができる。
【0027】このとき、メタル蒸着膜をアルミニウム蒸
着膜で形成すれば、アルミニウム蒸着膜はバルブ洗浄時
に用いる洗浄液に対する溶融度が大きいので、アルミニ
ウム蒸着膜の多量の溶融に伴い上側の黒鉛膜の剥離の割
合がさらに大きくなり、凹凸内に黒鉛膜の残渣が残留す
る割合を極端に少なくする、または、皆無にすることが
できる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明による陰極線管の実施の形
態は、次のとおりである。
【0029】陰極線管は、前部(表示側)内面に螢光体
膜を被着形成したパネル部と、電子銃を収納したネック
部と、パネル部とネック部を結合する略ラッパ形状のフ
ァンネル部とからなるバルブを有し、パネル部の内面及
びファンネル部の内面にメタル蒸着膜からなるメタルバ
ックが施されており、ファンネル部の内面及びネック部
の内面に、電子銃と陽極端子との間を導電接続する黒鉛
膜が形成されているもので、メタル蒸着膜と黒鉛膜とを
形成する際に、下側(バルブ側)にメタル蒸着膜が形成
され、その上側に黒鉛膜が形成されているものである。
【0030】そして、かかる構成の陰極線管は、その製
造途中の検査時に、構造不良や特性不良が発見される
と、バルブを再利用するために、バルブ内に形成されて
いるメタル蒸着膜や黒鉛膜をバルブ洗浄によって溶解剥
離させる。この場合、メタル蒸着膜と黒鉛膜とが重なり
合って形成されている部分、とりわけ、バルブのファン
ネル部の側面に設けられた陽極端子の周辺部は、前述の
ように、下側(バルブ側及び陽極端子側)にメタル蒸着
膜が形成され、その上側に黒鉛膜が形成された構造にな
っているので、バルブ洗浄によって上側の黒鉛膜が溶融
するとともに、下側のメタル蒸着膜がより多量に溶融す
るので、メタル蒸着膜の多量の溶融に伴い上側の黒鉛膜
もともに剥離される。このため、陽極端子の周辺部のバ
ルブ内面側に凹凸が形成されていても、凹凸内に黒鉛膜
の残渣が残留する割合が極めて少なくなり、バルブを再
利用する際の洗浄残り不良が発生するバルブの割合を大
幅に低減することができ、それにより、陰極線管の製造
コストの低減させることができ、材料の有効利用を図る
ことができる。
【0031】また、陰極線管に形成するメタル蒸着膜を
アルミニウム蒸着膜にすれば、アルミニウム蒸着膜は、
薬品洗浄に対する溶融度が大きいので、薬品洗浄によっ
てアルミニウム蒸着膜の溶融がより多量になり、上側の
黒鉛膜の剥離の度合いをより大きすることができる。こ
のため、凹凸内に黒鉛膜の残渣が残留する割合がさらに
少なくなり、洗浄残り不良が発生するバルブの割合をよ
り大幅に低減させるか、または、皆無にすることができ
る。
【0032】
【実施例】ここで、本発明の実施例を図面を用いて説明
する。
【0033】図1は、本発明による陰極線管の構成の一
例を示す一部断面構造図、及び、その一部の部分拡大断
面図である。
【0034】図1において、1はバルブ、2はパネル
部、3はファンネル部、4はネック部、5は螢光膜、6
はアルミニウム蒸着膜(メタル蒸着膜)、7は陽極端
子、8は電子銃、8bは電子ビーム、9は口金、10は
黒鉛膜である。
【0035】そして、バルブ1は、パネル部2とファン
ネル部3とネック部4とからなっており、ファンネル部
3にリファレンスライン3Sがある。パネル部2は、前
部(表示側)内面に螢光膜5が被着形成され、同じく側
部内面にアルミニウム蒸着膜6が形成される。ファンネ
ル部3は、側部に陽極端子7が配置され、内面にパネル
部2に続くアルミニウム蒸着膜6が形成される。ネック
部4は、内部に電子銃8が配置され、開口に複数本の端
子を有する口金9が嵌合される。ファンネル部3とネッ
ク部4とに跨り、陽極端子7と電子銃8とを導電接続す
る黒鉛膜10が設けられる。この場合、ファンネル部3
においては、アルミニウム蒸着膜6と黒鉛膜10との形
成個所が一部で重なり合うが、部分拡大断面図に図示さ
れるように、アルミニウム蒸着膜6がファンネル部3の
内面側(バルブ1側及び陽極端子7側)に形成され、そ
の上に黒鉛膜10が形成されている。この場合、電子銃
8から発射された電子ビーム8bは、偏向ヨーク(図示
なし)で適宜偏向を受けた後、シャドウマスク(同じく
図示なし)を通して螢光膜5に照射される。
【0036】また、図2は、図1に図示された本実施例
の陰極線管におけるファンネル部3の一部を拡大して示
した構成図であって、(a)は平面透視図、(b)は断
面図である。
【0037】図2(a)、(b)に示されるように、ア
ルミニウム蒸着膜6は、パネル部2の側部からファンネ
ル部3のリファレンスライン3Sに至るまでの範囲のバ
ルブ1の内面全体に形成され、黒鉛膜10は、陽極端子
64からリファレンスライン3Sの近くに至るまでの範
囲内においてはバルブ1の内面に沿って帯状に形成さ
れ、リファレンスライン3Sの近くの領域からネック部
4寄りの範囲内においてはバルブ1の内面全体に形成さ
れている。そして、アルミニウム蒸着膜6と黒鉛膜10
とが重なり合う部分は、アルミニウム蒸着膜6が下側
(バルブ1側及び陽極端子7側)に形成され、その上に
黒鉛膜10が形成される。
【0038】この場合、本実施例の陰極線管と、図6
(a)、(b)に図示された既知の陰極線管とを比べる
と、アルミニウム蒸着膜及び黒鉛膜のバルブの内面への
形成個所は同じであるが、アルミニウム蒸着膜と黒鉛膜
とが重なり合っている部分において、本実施例の陰極線
管は、アルミニウム蒸着膜6が下側、黒鉛膜10が上側
に配置形成されるのに対し、既知の陰極線管は、黒鉛膜
56が下側、アルミニウム蒸着膜53が上側に配置形成
される点で異なっているものである。
【0039】続いて、図3は、図1に図示された本実施
例の陰極線管を製造する場合の製造工程の経緯を示すフ
ローチャートである。
【0040】図3のフローチャートを用いて、本実施例
の陰極線管の製造工程について説明する。
【0041】1.バルブ洗浄 ステップS1において、バルブ1のパネル部2が上にな
るように配置し、ネック部4の開口からバルブ1内に洗
浄ノズルを挿入した後、洗浄ノズルを通して加圧したバ
ルブ洗浄液をバルブ1内に放出し、バルブ1の内面を洗
浄する。その後、ステップS2において、バルブ1の洗
浄検査を行い、破損のものは廃棄処分に、洗浄不良のも
のはステップS1に戻されて、再度ステップS1が実行
され、それ以外のものは次のステップS3に移行する。
【0042】2.螢光体塗布 ステップS3において、バルブ1のネック部4が上にな
るように配置し、ネック部4の開口からバルブ1内に拡
散液を注入し、続いて、開口からバルブ1内に螢光体注
入ノズルを挿入した後、螢光体注入ノズルを通して螢光
体塗布液(スラリー)をバルブ1内に注入し、所定時間
静置してパネル部2の前部内面に螢光膜5を形成する。
【0043】3.フィルミング ステップS4において、パネル部2内面に形成した螢光
膜5上にフィルム膜を形成する。
【0044】4.アルミニウム蒸着 ステップS5において、バルブ1のパネル部2が上にな
るように配置し、真空蒸着装置を用いて、アルミニウム
膜をバルブ1の内面に蒸着し、アルミニウム蒸着膜6を
形成する。
【0045】5.黒鉛膜塗布 ステップS6において、バルブ1のパネル部2が上にな
るように配置し、バルブ1の中心軸が軸心となるように
回転させながら、陽極端子7と電子銃8とを導電接続す
る黒鉛膜10をバルブ1の内面に塗布形成する。
【0046】6.ベーキング ステップS7において、アルミニウム蒸着膜6と黒鉛膜
10とを形成したバルブ1をベーキングする。その後、
ステップS8において、バルブ1の検査を行い、破損の
ものは廃棄処分に、螢光膜5の形成不良のものはステッ
プS1に戻されて、ステップS1以降の処理が再実行さ
れ、その以外のものは次のステップS9に移行する。
【0047】7.電子銃封止 ステップS9において、バルブ1内に電子銃8等の部品
を組み込み、ネック部4の開口に口金9を嵌合して封止
する。
【0048】8.排気 ステップS10において、嵌合した口金9を介してバル
ブ1内の空気等を排気し、陰極線管を得る。その後、ス
テップS11において、得た陰極線管の特性検査を行
い、バルブ破損のものは廃棄処分にされ、螢光膜5の特
性不良のものは、ステップS12において、口金9や電
子銃8等とともにネック部4が外された後、新たなネッ
ク部4が溶着されてバルブ1に再生され、再生されたバ
ルブ1はステップS1に戻されて、ステップS1以降の
処理が再実行される。それ以外のものは、ステップS1
3において、仕上が行われ、完成された陰極線管にな
る。
【0049】この場合、本実施例の陰極線管の製造工程
1乃至8と既知の陰極線管の製造工程i乃至viiiとを比
べると、製造工程1は製造工程iに、製造工程2は製造
工程iiに、製造工程3は製造工程iiiに、製造工程4は
製造工程vに、製造工程5は製造工程ivに、製造工程6
は製造工程viに、製造工程7は製造工程viiに、製造工
程8は製造工程viiiにそれぞれ対応する工程であるが、
本実施例の陰極線管の製造工程においては、製造工程4
のアルミニウム蒸着の後に、製造工程5の黒鉛膜塗布が
行われるのに対し、既知の陰極線管の製造工程において
は、製造工程vの黒鉛膜塗布の後に、製造工程ivのアル
ミニウム蒸着が行われる点において大きく異なっている
ものである。
【0050】続く、図4は、本実施例の陰極線管におい
て、再利用されるバルブ1のファンネル部3の近傍を示
す構成図であって、(a)は黒鉛膜10やアルミニウム
蒸着膜6が形成されている状態の断面図、(b)は黒鉛
膜10やアルミニウム蒸着膜6を剥離するためのバルブ
洗浄の途中の状態の断面図、(c)はバルブ洗浄が進ん
だときの状態の断面図をそれぞれ示すものである。
【0051】本実施例の陰極線管は、図4(a)に示さ
れるように、バルブ1の内面に、始めに、アルミニウム
蒸着膜6が、例えば、0.1乃至0.2μmの厚さに形
成され、その後に、以下の表1に示される組成1、組成
2のいずれかの黒鉛膜塗布液(スラリー)の塗布によ
り、黒鉛膜10が、例えば、10乃至25μmの厚さに
形成される。
【0052】
【表1】
【0053】この場合、ファンネル部3の側面に陽極端
子7を溶着させた際、前述のように、陽極端子7の周辺
部のバルブ1の内面側に0.1mm乃至0.8mmの範
囲内の凹凸d1 、d2 が形成されていたとすれば、アル
ミニウム蒸着膜6や黒鉛膜10には、これら凹凸d1
2 の形成個所に同じような凹凸が形成される。
【0054】そして、アルミニウム蒸着膜6と黒鉛膜1
0とを形成したバルブ1が陰極線管の製造の途中で、構
造不良または特性不良になり、バルブ1として再利用さ
れる場合には、アルミニウム蒸着膜6及び黒鉛膜10
を、以下の表2に示される組成1、組成2、組成3のい
ずれかのバルブ洗浄剤を用いて、以下の表3に示される
洗浄法1、洗浄法2のいずれかの方法でバルブ洗浄さ
れ、図4(b)に示されるように、バルブ1の内面から
アルミニウム蒸着膜6と黒鉛膜10とを溶融剥離させ
る。
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】なお、バルブ洗浄剤に用いられているフッ
化アンモニウム(NH4 F)とフッ酸(HF)は、主と
して、黒鉛膜10に含有するケイ酸カリウム(K2 Si
3)やケイ酸ナトリウム(Na2 SiO3 )それにバ
ルブ1のガラスを溶融するものであり、バルブ洗浄方法
で挙げてあるアルカリ、代表例として、苛性ソーダ(N
aOH)は、主として、アルミニウム蒸着膜6を溶融す
るものである。
【0058】このようなバルブ洗浄を行うことにより、
最初に、表面側(上側)にある黒鉛膜10が溶融し、そ
の後直ちに、バルブ1側(下側)にあるアルミニウム蒸
着膜6が多量に溶融するので、上側の溶融途中の黒鉛膜
10が溶融したアルミニウム蒸着膜6とともに剥離され
るようになる。このため、陽極端子7の周辺部のバルブ
1の内面に凹凸d1 、d2 が形成されていたとしても、
図4(c)に示されるように、黒鉛膜10の剥離が進む
と、凹凸d1 、d2 内の黒鉛膜10は殆んど前部溶融し
たアルミニウム蒸着膜とともに排出され、黒鉛膜10の
残渣の残留する割合が殆んどゼロに近くなり、バルブ1
を再利用する際の洗浄残り不良の発生の割合が大幅に低
減する。そして、洗浄残り不良の発生の割合を大幅低減
させたことに伴い、陰極線管の製造コストを低減させる
ことができ、材料の有効利用を図ることができる。ま
た、仮りに、バルブ1に洗浄残り不良が発生したとして
も、その後に何回もバルブ洗浄を行うことなく、バルブ
1の洗浄残り不良を解消することができるので、繰り返
し行われるバルブ洗浄に伴って生じるバルブ1と陽極端
子7との境界部分の溶着領域の局所的な侵食の発生をな
くし、陰極線管の製造時に、真空不良のバルブ1を派生
させることをなくすことができる。
【0059】なお、前記実施例においては、メタル蒸着
膜として、アルミニウム蒸着膜6を形成した例を挙げて
説明したが、本発明によるメタル蒸着膜はアルミニウム
蒸着膜6に限られるものでなく、比較的簡単に溶融する
他のメタル、例えば、銅(Cu)等を用いてよいことは
勿論である。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、バルブを再利用するた
め、バルブの内面に形成されたメタル蒸着膜と黒鉛膜と
をバルブ洗浄によって溶融剥離する際に、バルブ洗浄に
よって表面側(上側)のメタル蒸着膜が溶融するととも
に、バルブ側(下側)のメタル蒸着膜が多量に溶融する
ので、下側のメタル蒸着膜が上側の黒鉛膜ともに剥離さ
れる。このため、陽極端子の周辺部のバルブ内面に凹凸
が形成されていたとしても、凹凸内に黒鉛膜の残渣が残
留する割合が殆んどなくなり、その分、バルブの再利用
の際に、バルブの洗浄残り不良の発生の割合を大幅に低
減させることが可能になって、陰極線管の製造コストを
低減させることができ、かつ、材料の有効利用を図るこ
とができるという効果がある。
【0061】また、本発明によれば、メタル蒸着膜をア
ルミニウム蒸着膜で構成すると、アルミニウム蒸着膜
は、バルブ洗浄の際に用いるバルブ洗浄液に対する溶融
度が大きいので、下側のアルミニウム蒸着膜のより多量
の溶融に伴って上側の黒鉛膜の剥離の割合がさらに大き
くなり、凹凸内に黒鉛膜の残渣が残留する割合を極端に
少なく、または、皆無にすることができるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による陰極線管の構成の一例を示す一部
断面構造図、及び、その一部の部分拡大断面図である。
【図2】図1に図示された本実施例の陰極線管における
ファンネル部の一部を拡大して示した構成図である。
【図3】図1に図示された本実施例の陰極線管を製造す
る場合の製造工程の経緯の概要を示す説明図である。
【図4】本実施例の陰極線管の再利用されるバルブにお
けるファンネル部の近傍を示す構成図である。
【図5】既知の陰極線管の構成の一例を示す一部断面構
造図、及び、その一部の部分拡大断面図である。
【図6】既知の陰極線管におけるファンネル部の一部を
拡大して示した構成図である。
【図7】既知の陰極線管を製造する場合の製造工程の経
緯の概要を示す説明図である。
【図8】既知の陰極線管の再利用されるバルブにおける
ファンネル部の近傍を示す構成図である。
【符号の説明】
1 バルブ 2 パネル部 3 ファンネル部 4 ネック部 5 螢光膜 6 アルミニウム蒸着膜(メタル蒸着膜) 7 陽極端子 8 電子銃 9 口金 10 黒鉛膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤本 和男 千葉県茂原市早野3681番地 日立デバイス エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 中山 恒吉 千葉県茂原市早野3681番地 日立デバイス エンジニアリング株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面に螢光体膜を被着形成したパネル部
    と、電子銃を収納したネック部と、前記パネル部と前記
    ネック部を結合するファンネル部とからなるバルブを有
    し、前記パネル部内面及び前記ファンネル部内面にメタ
    ル蒸着膜からなるメタルバックを施し、前記ファンネル
    部内面及び前記ネック部内面に前記電子銃と陽極端子と
    の間を導電接続する黒鉛膜を形成した陰極線管におい
    て、前記メタル蒸着膜を形成した後、その上に前記黒鉛
    膜を形成したことを特徴とする陰極線管。
  2. 【請求項2】 前記メタル蒸着膜は、アルミニウム(A
    l)蒸着膜であることを特徴とする請求項1に記載の陰
    極線管。
JP1093696A 1996-01-25 1996-01-25 陰極線管 Pending JPH09204879A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012066640A (ja) * 2010-09-21 2012-04-05 Yupiteru Corp 車載用電子機器

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JP2012066640A (ja) * 2010-09-21 2012-04-05 Yupiteru Corp 車載用電子機器

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