JPH0919572A - 往復式電気かみそり - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】滑らかな感触のフロートが得られ、刃の取り外
しが容易な往復式電気かみそりを提供する。 【解決手段】固定刃と可動刃と可動刃押し上げバネをベ
ース部材を介して一体ブロックとした刃ヘッドを刃フレ
ームにフロート自在に支持するようにした往復式電気か
みそりである。ベース部材に可動刃押し上げバネを保持
するためのバネ受け部とフロート用コイルバネを保持す
るバネ受け部を設ける。それぞれのバネが上下フロート
方向にオーバーラップするような位置関係になるように
各バネ受け部を配した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、フロート自在な刃
部を備えた往復式電気かみそりに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、肌あたり感触の向上や刺激の低減
等を目的として、外刃が上下にフロートするようにした
電気かみそりが提供されている。一例として特開昭５５
−８６４９０号公報にて示されるものでは、外刃枠内に
内刃と内刃押し上げバネを組み込んで一体化してフロー
トするようにしたものが提供されている。

【０００３】このものにあっては、外刃のフロート用の
バネを内刃押し上げバネから独立して構成しているため
に、フロートのバネ設定が比較的自由に設定できるため
にある程度柔らかいフロートを有する刃ヘッドを構成で
きるものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
従来例にあっては、内刃押し上げバネとフロートバネが
上下方向に並ぶように取り付けられているために、バネ
を取り付けるための上下スペースが限られてしまい、各
バネの取り付け高さが小さくなるために、フロート量が
小さくバネ定数が大きくなってゴツゴツした感触のフロ
ートになってしまう。

【０００５】また、フロート用のバネを本体内に組み込
んでいるために、外刃ブロックの取り外しが難しくなっ
て掃除や刃の交換がしづらいという欠点を有している。
また、別の実施例として図７に示すような、弾性を有す
る成形品の薄肉バネ１０２を刃フレーム１０１の側面に
設けたものがある。このものにおいては、刃フレーム１
０１に薄肉バネ１０２を有しているために、刃の交換を
比較的楽に行えるものであるが、スペースの制約からコ
イルバネと比較してバネ定数が倍以上になって硬い感触
のフロートになってしまうだけでなく、成形品の薄肉バ
ネ１０２ではクリープ等により安定した初期状態での上
方向押し上げ荷重が得られないために、粗剃り刃ヘッド
１０３自体が駆動時に上下振動するという欠点を有して
いる。

【０００６】本発明は上記問題点の解決を目的とするも
のであり、滑らかな感触のフロートが得られ、刃の取り
外しが容易な往復式電気かみそりを提供しようとするも
のである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１の発明では、ベース部材に可動刃押し上げ
バネを保持するためのバネ受け部とフロート用コイルバ
ネを保持するバネ受け部を設け、それぞれのバネが上下
フロート方向にオーバーラップするような位置関係にな
るように各バネ受け部を配したことを特徴とするもので
ある。

【０００８】請求項２の発明では、請求項１においてフ
ロート用コイルバネの下側を受けるバネ受け部を本体に
対して着脱可能な刃フレームに設けたことを特徴とする
ものである。請求項３の発明では、請求項２においてフ
ロート用コイルバネの下側を保持するバネ受け部材を刃
フレームとは別に設け、刃フレームにバネ受け部材を固
定する孔部を設けたことを特徴とするものである。

【０００９】請求項４の発明では、請求項３においてフ
ロート用コイルバネをガイドする突起部を上側に配し、
下側に刃フレームに固定するためのフック部を配してバ
ネ受け部材を構成したことを特徴とするものである。請
求項５の発明では、請求項３において刃フレームの孔部
の延長方向にベース部材のバネ受け部を設けたことを特
徴とするものである。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明における往復式電気かみそ
りは、図６に示されるように本体５の上端に一対の仕上
げ剃り刃ヘッド１，１と、両仕上げ剃り刃ヘッド１間に
配された粗剃り刃ヘッド２の三者が平行並列に配設され
たもので、これら３個の刃ヘッド１，１，２は、モータ
４によって同時に駆動されるようになっている。図中６
はトリマーブロック、７はスイッチ部である。

【００１１】上記刃ヘッド１，１，２のうち、仕上げ剃
り刃ヘッド１，１は、図２に示されるように金属薄板か
ら形成されると共に多数の刃孔が形成されている外刃１
０と、この外刃１０を保持する外刃枠１１と、外刃１０
内面に摺接する図５に示される内刃１２とからなるもの
で、外刃枠１１は長手方向に沿う両外側面に外刃１０取
付けのための複数個のヒートシール用突起５３と、スム
ーサー９に係合される係合突起５４とを備えており、長
手方向と直交する両端面には突起部５５とＥ字状をなし
た弾性アーム５６を一体に備え、弾性アーム５６におけ
る中央片の先端部には係合突起５７を備えている。外刃
１０は長手方向に沿う両端部に穿設された係止孔５１に
ヒートシール用突起５３を係合してヒートシール用突起
５３をヒートシールすることによって外刃枠１１の上部
に沿って取付けられるようになっている。

【００１２】刃ヘッド１，１の外側にフロート自在に取
付けられるスムーサー９は上部に複数の弾性を有するフ
ィン６３を備えた板状の部材で、その下部に設けられた
係合孔６１と、外刃枠１１の片側外側面の弾性アーム５
８の先端部に設けられた取付突起５９とのヒートシール
結合により、外刃枠１１に対して上下にフロート可能な
状態で取付けられる。ここで、上記係合突起５４は係合
孔６１内に係合される。

【００１３】粗剃り刃ヘッド２は、図４に示されるよう
に両側面に至るスリット状の刃孔を上面に複数備えた固
定刃としての外刃２０と、外刃２０の長手方向両端にそ
れぞれヒートシールで固定されるベース部材としての一
対の外刃保持部材２５，２６と、外刃２０の内面に摺接
する可動刃としての内刃２２と、内刃２２に固着された
スリット継手２３とからなるもので、外刃保持部材２
５，２６の下片の上面と、スリット継手２３の両端下面
との間には、それぞれ可動刃押し上げバネとしての押し
上げバネ２４，２４が配設されている。この押し上げバ
ネ２４，２４はバネ受け部によって外刃保持部材２５，
２６とスリット継手２３との間に設置されているもので
あり、下端を外刃保持部材２５，２６より突設されたバ
ネ受け突起７５に嵌着すると共に、上端をスリット継手
２３の両端より下方に突設されたバネ受け突起７８に嵌
着するようにしてスリット継手２３に上方への付勢力を
付与するようにスリット継手２３と外刃保持部材２５，
２６との間に設置されている。

【００１４】外刃２０と内刃２２のヒートシール孔８
１，８０は下側に開口した形状をしており、組み立て時
にそのまま下側からヒートシール突起７６，７９を挿入
することができるもので、組み立て時に外刃２０の下部
を大きく広げることにより外刃２０が変形することを防
止できるようになっている。このとき、外刃２０の脚部
８２が外刃保持部材２５，２６に設けられた外刃ガイド
溝７７に対してガタなく嵌合することにより、少ないヒ
ートシール箇所でも十分な保持力を確保できる。

【００１５】これら刃ヘッド１，１，２は、刃フレーム
３とサブフレーム８とを介して本体５の上端部に取付け
られる。刃フレーム３は図２に示されるように合成樹脂
の成形によって矩形枠状に形成されたもので、その長手
方向の両端面には、外側に係合孔３３が２つ、その内側
に外刃枠ガイド溝３１が２つ、中央に粗剃り刃ガイド溝
３２が１つ設けられており、中央下端には係止孔３５を
有する突起部３４が内側に向かって突出している。ま
た、刃フレーム３の両端面には上記係合孔３３に至るよ
うに下側からガイド溝４０がそれぞれ凹設されている。

【００１６】仕上げ剃り刃ヘッド１，１の組み立ては、
両端の弾性アーム５６の先端に設けられた係合突起５７
が刃フレーム３のガイド溝４０を介して係合孔３３に係
合されることにより取り付けられるものである。また、
上記の各係合孔３３は、刃フレーム３の内面側におい
て、下端が刃フレーム３の底面に至るガイド溝４０の上
端がつながっており、仕上げ剃り刃ヘッド１の組み立て
時に係合突起５７の位置をガイドして組み立てやすくす
るものである。

【００１７】外刃枠１１の長手端部に設けられた突起部
５５は刃フレーム３内面に設けられた外刃枠ガイド溝３
１と対応しており、外刃枠１１の前後方向の位置決めを
行うと同時に上方向のストッパーとなっており、内刃１
２の上方への押し付け力を受け止めるための場所であ
る。このとき、刃フレーム３の両側面に設けられたガイ
ドリブ３８には、外刃枠１１の側面から突出した係合突
起５４がスムーサー９のガイド孔６２を貫通して係合す
るものであり、仕上げ剃り刃ヘッド１とスムーサー９の
長手方向のガタを止めることができる。

【００１８】次に粗剃り刃ヘッド２の組み立ては、図
２、図３に示されるように以下の手順で行われる。粗剃
り刃ヘッド２の片側の端部に設けられた係合突起７１が
粗剃り刃ヘッド２の巾よりも突出しており、その係合突
起７１が刃フレーム３のガイド溝３９に下から挿入され
る。

【００１９】この嵌合により内刃駆動時にも粗剃り刃ヘ
ッド２が長手方向にガタつくのを防止しながらフロート
自在としており、不快な騒音や振動による肌当たりへの
悪影響を防止できるようになっている。ここで、係合突
起７１の断面形状は円形をしており、これが平面で構成
されるガイド溝３９と片側でのみ嵌合することによって
片側だけのフロートでもスムーズに行うことができるも
のである。

【００２０】このとき、外刃保持部材２５，２６と刃フ
レーム３のガイド溝３２との嵌合により、粗剃り刃ヘッ
ド２は前後方向にも規制される。この状態で粗剃り刃ヘ
ッド２は刃フレーム３に対して上下移動可能に取り付け
られた状態になっているが、次に下からの付勢力を付与
するためにフロート用コイルバネとしてのフロートバネ
２７とバネ受け部材２８を刃フレーム３の下側から取り
付ける。フロートバネ２７は下端がバネ受け部材２８に
設けられた突起部としてのガイド部８３にて受けられる
と共に、上端は外刃保持部材２５，２６より下方に突設
されたバネガイド突起７４に嵌着される。

【００２１】刃フレーム３の下側から延びる突起部３４
に設けられた孔部としての係止孔３５に対して、フロー
トバネ２７とバネ受け部材２８が順に下側から入って、
バネ受け部材２８のフック部８４により抜け止めがなさ
れるものである。このときに外刃保持部材２５，２６の
下側に突出しているバネガイド突起７４は、係止孔３５
の延長方向に設けられているためにフロートバネ２７の
上端がバネ受け部としてのバネガイド突起７４に自然に
誘い込まれるもので、フロートバネ２７を組み立てるの
を容易にするものである。

【００２２】この状態で図１に示されるように外刃保持
部材２５，２６のバネ受け面が段違いになっているため
に、フロートバネ２７の上端は押し上げバネ２４の下端
よりも図中ａ寸法分だけオーバーラップして上側に出て
いることになる。これにより、押し上げバネ２４、フロ
ートバネ２７の上下方向の取り付け寸法を大きく取るこ
とができるために、押し上げバネ２４については内刃２
２の左右方向の振幅に対しても応力を小さく抑えること
ができるものであり、フロートバネ２７については粗剃
り刃ヘッド２のフロート量を大きく且つバネ定数が小さ
くできるために柔らかいフロートを実現できるために滑
らかな肌当たりを与えるものである。

【００２３】また、粗剃り刃ヘッド２の両端に設けられ
た上下ストッパー７２，７３は組み立て後には、刃フレ
ーム３の両側に設けられたストッパー受け面４１により
粗剃り刃ヘッド２の下方向の規制を行うためのものであ
る。これにより、粗剃り刃ヘッド２が下方向に強く押し
付けられた場合にも、フロートバネ２７に強い力が働い
て、フロートバネ２７の破損やバネ受け部材２８の抜け
等が発生することを防ぐものである。

【００２４】ここにおいて、片側の上下ストッパー７２
が弾性を有する形状としているのは、粗剃り刃ヘッド２
の組み立て時にストッパー受け面４１を乗り越え易くす
るためである。刃フレーム３はその両端外面に釦３７を
備えたフック部３６，３６を備えている。

【００２５】これらフック部３６，３６は、刃フレーム
３をサブフレーム８に着脱自在に取り付けるためのもの
である。一方、本体５側内に配設されたモータ４の出力
軸には、偏心軸と、この偏心軸の回転を往復動に変換す
る一対の駆動子１４，１５とが連結され、本体５の上面
に上部が突出する駆動子１４，１５には、図６に示すよ
うに、刃ヘッド１，１における各内刃１２，１２が連結
される。

【００２６】この時、駆動子１４，１５と内刃１２，１
２との間には、内刃１２を上方へと付勢する押し上げバ
ネ１９，１９と、バネの抜け止めのためのバネ止め１
８，１８と、内刃１２を連結するための内刃継手１３，
１３が配設され、押し上げバネ１９，１９は駆動子１
４，１５に立設された駆動ピン９２に挿着される。内刃
継手１３と内刃１２は内刃継手１３から突出する係止フ
ック９１により一体化されている。また、一方の駆動子
１４にはスリット駆動子１７がその取り付けフック９３
により取り付けられる。

【００２７】このスリット駆動子１７は、上部が粗剃り
刃ヘッド２におけるスリット継手２３と係合する。しか
して、２種３個の刃ヘッド１，１，２が平行並列に並ん
でいるとともに、粗剃りに適した刃ヘッド２の両側に仕
上げ剃りに適した一対の刃ヘッド１，１が配されている
往復式電気かみそりにおいて、モータ４を駆動すれば、
モータ４の回転が駆動子１４，１５によって往復動に変
換され、この往復動で仕上げ剃り刃ヘッド１，１の内刃
１２，１２と粗剃り刃ヘッド２の内刃２２とが往復駆動
されるものである。また、肌にこれら刃ヘッド１，１，
２を押し当てた時、仕上げ剃り刃ヘッド１はその外刃枠
１１における弾性アーム５６が撓むことでフロートし、
粗剃り刃ヘッド２はフロートバネ２７が撓むことでフロ
ートする。

【００２８】

【発明の効果】請求項１の発明は、ベース部材に可動刃
押し上げバネを保持するためのバネ受け部とフロート用
コイルバネを保持するバネ受け部を設け、それぞれのバ
ネが上下フロート方向にオーバーラップするような位置
関係になるように各バネ受け部を配してあるので、バネ
の上下方向のスペースを大きく取ることができるもので
あり、全体の大きさを大きくすることなくフロート量が
大きく、バネ定数の低い滑らかな感触のフロートを得る
ことができるものである。

【００２９】請求項２の発明は、請求項１においてフロ
ート用コイルバネの下側を受けるバネ受け部を本体に対
して着脱可能な刃フレームに設けてあるので、請求項１
の効果に加えて掃除や刃の交換での刃部の着脱を容易に
行うことができるものである。請求項３の発明は、請求
項２においてフロート用コイルバネの下側を保持するバ
ネ受け部材を刃フレームとは別に設け、刃フレームにバ
ネ受け部材を固定する孔部を設けてあるので、請求項２
の効果に加えてバネを孔部の下側から挿入した後にバネ
受け部材を固定することができるものであり、フロート
用コイルバネの取り付けを簡単且つ確実に行うことがで
きるものである。

【００３０】請求項４の発明は、請求項３においてフロ
ート用コイルバネをガイドする突起部を上側に配し、下
側に刃フレームに固定するためのフック部を配してバネ
受け部材を構成してあるので、請求項３の効果に加えて
バネガイド部分を大きく確保することができるものであ
り、バネが撓んだ時にもバネが座屈することなく確実に
バネを保持することができるものである。

【００３１】請求項５の発明は、請求項３において刃フ
レームの孔部の延長方向にベース部材のバネ受け部を設
けてあるので、請求項３の効果に加えてバネを孔部に挿
入したときに自動的にベース部材のバネ受け部に嵌合
し、位置決めの必要なく簡単に組み立てを行うことがで
きるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一例を示すものであり、（ａ）は一部
破断した正面図、（ｂ）は刃フレームを省略した状態の
平面図である。

【図２】同上の一部破断した分解斜視図である。

【図３】同上の可動刃押し上げバネとフロート用コイル
バネの設置部位を説明する分解斜視図である。

【図４】同上の粗剃り刃ヘッドの分解斜視図である。

【図５】同上の内刃を示す一部省略した分解斜視図であ
る。

【図６】同上の側断面図である。

【図７】従来例を示す分解斜視図である。

【符号の説明】

２０ 外刃 ２２ 内刃 ２４ 押し上げバネ ２５ 外刃保持部材 ２６ 外刃保持部材 ２７ フロートバネ ２８ バネ受け部材 ７４ バネガイド突起 ７５ バネ受け突起 ７８ バネ受け突起

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 固定刃と可動刃と可動刃押し上げバネを
   ベース部材を介して一体ブロックとした刃ヘッドを刃フ
   レームにフロート自在に支持するようにした往復式電気
   かみそりにおいて、ベース部材に可動刃押し上げバネを
   保持するためのバネ受け部とフロート用コイルバネを保
   持するバネ受け部を設け、それぞれのバネが上下フロー
   ト方向にオーバーラップするような位置関係になるよう
   に各バネ受け部を配して成ることを特徴とする往復式電
   気かみそり。
2. 【請求項２】 フロート用コイルバネの下側を受けるバ
   ネ受け部を本体に対して着脱可能な刃フレームに設けて
   成ることを特徴とする請求項１記載の往復式電気かみそ
   り。
3. 【請求項３】 フロート用コイルバネの下側を保持する
   バネ受け部材を刃フレームとは別に設け、刃フレームに
   バネ受け部材を固定する孔部を設けて成ることを特徴と
   する請求項２記載の往復式電気かみそり。
4. 【請求項４】 フロート用コイルバネをガイドする突起
   部を上側に配し、下側に刃フレームに固定するためのフ
   ック部を配してバネ受け部材を構成して成ることを特徴
   とする請求項３記載の往復式電気かみそり。
5. 【請求項５】 刃フレームの孔部の延長方向にベース部
   材のバネ受け部を設けて成ることを特徴とする請求項３
   記載の往復式電気かみそり。