JPH09195059A - 低温乾燥可能な無方向性電磁鋼板絶縁被膜の形成方法 - Google Patents

低温乾燥可能な無方向性電磁鋼板絶縁被膜の形成方法

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JPH09195059A
JPH09195059A JP297796A JP297796A JPH09195059A JP H09195059 A JPH09195059 A JP H09195059A JP 297796 A JP297796 A JP 297796A JP 297796 A JP297796 A JP 297796A JP H09195059 A JPH09195059 A JP H09195059A
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JP
Japan
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steel sheet
coating
insulating film
composition
forming
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Withdrawn
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JP297796A
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English (en)
Inventor
Naoto Koga
賀 直 人 古
Keiji Sato
藤 圭 司 佐
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低温で乾燥してもベトツキがなく、打ち抜き性
に優れ耐熱性にも優れる無方向性電磁鋼板の絶縁被膜形
成用組成物および形成方法を提供する。 【解決手段】無方向性電磁鋼板の絶縁被膜形成用塗工液
であって、クロム還元率30〜80%のクロム酸水溶液
に該水溶液中の金属Cr;100重量部に対して有機エ
マルジョンを樹脂固形分で20〜200重量部と無機コ
ロイドを無機固形分で20〜200重量部配合したこと
を特徴とする組成物、およびこの組成物を鋼板に塗布
し、50℃〜300、または50℃〜200℃にて乾燥
して、絶縁被膜を形成する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無方向性電磁鋼板の
絶縁被膜の形成用塗工液である組成物及びこれを用いた
絶縁被膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】無方向性電磁鋼板の絶縁被膜には数多く
の特性が要求され、例えば電気絶縁性の他に、打抜性,
密着性,耐食性,耐熱性、および占積率などに優れてい
ることが必要とされる。このため従来から、これらの諸
特性に対する要請を満足させるべく多くの改善が施さ
れ、種々の組成の絶縁被膜が開発されてきた。
【0003】これらの絶縁被膜には無機系、有機系、無
機−有機混合系の絶縁被膜が知られている。しかし無機
系絶縁被膜は打ち抜き性が劣り、一方有機系絶縁被膜は
歪取り焼鈍によって被覆が分解し使用に耐えない。無機
−有機混合系の絶縁被膜は、打ち抜き性が無機系と比べ
良好で、歪取り焼鈍にも耐えうる為、巾広く使用されて
いる。無機−有機混合系の無機組成物として重クロム酸
塩やリン酸塩が使用されている。
【0004】重クロム酸塩としては、重クロム酸マグネ
シウムとか重クロム酸カルシウム等であり、リン酸塩と
しては、リン酸アルミ,リン酸マグネシウム等である。
重クロム酸塩系では例えば、特公昭60−36476 号公報に
は2価の金属を含む重クロム酸塩系水溶液に、有機樹脂
エマルジョンと有機還元剤を配合し、実施例にて450
℃80秒で焼付けを行なっている。
【0005】また、クロム化合物を含まない無方向性電
磁鋼板の被膜としてのリン酸塩系では、例えば特開平7
−166365号公報に、リン酸Alと、リン酸Caあ
るいはリン酸Znと粒子径0.3〜3μmの合成エマル
ジョンからなる処理液を200〜500℃で焼付処理し
た被膜特性の極めて優れた電磁鋼板の製造方法及び表面
処理剤が提案されている。
【0006】
【課題を解決しようとする課題】無機−有機混合系の絶
縁被膜に重クロム酸塩を使用するとベトツキ防止の為、
塗工液の乾燥において、有機還元剤を用いても最低25
0℃以上必要で、大型の乾燥炉及び大型の冷却設備が必
要となり、生産性も悪いという問題があった。同様にリ
ン酸塩を使用しても200℃以下だと、反応が不十分で
ベトツキが発生する。本発明は、前記問題点を解決し、
低温乾燥可能な無方向性電磁鋼板絶縁被膜の形成用組成
物およびこれを用いた絶縁被膜の形成方法を提供するの
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来技術にお
ける前記問題点を解決するために、塗工液のクロムの還
元率を上げ、ベトツキの原因となる6価クロムを低減
し、150℃以下の乾燥においてもベトツキをなくした
ものである。さらに被膜中にコロイダル樹脂を含有して
いる為、打ち抜き性に優れ、また無機コロイドも含有し
ている為、耐熱性にも優れている無方向性電磁鋼板の絶
縁被膜形成用組成物およびこれを用いた絶縁被膜の形成
方法を提供する。
【0008】すなわち、本発明は、無方向性電磁鋼板の
絶縁被膜形成用塗工液であって、クロム還元率30〜8
0%のクロム酸水溶液に該水溶液中の金属Cr;100
重量部に対して有機エマルジョンを樹脂固形分で20〜
200重量部と無機コロイドを無機固形分で20〜20
0重量部配合したことを特徴とする組成物を提供する。
また、この組成物を無方向性電磁鋼板に塗布し、50℃
〜300℃にて乾燥する、または50℃〜200℃にて
乾燥して、絶縁被膜を形成せしめることを特徴とする無
方向性電磁鋼板絶縁被膜の形成方法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の無方向性電磁鋼板の絶縁
被膜形成用組成物は、塗工液としてのクロム還元率を3
0〜80好ましくは50〜70%のクロム酸水溶液を用
いる。この理由は、組成物を塗工後乾燥する際に、塗工
液の水分が蒸発すれば、乾燥被膜中のベトツキの原因と
なる6価クロムが少ない為ベトツキがないためである。
塗工液のクロム還元率が30%未満の場合は150℃未
満で乾燥させると、乾燥被膜中の6価クロムが多く表面
のベトツキが発生し、クロム還元率が80%を超える
と、水に不溶性の3価クロムが多くなり過ぎ塗工液に沈
殿が生じる。好ましいクロム酸水溶液の濃度は、金属ク
ロム換算で25〜60g/lとする。この範囲とするの
はクロム酸水溶液の貯蔵安定性の理由によるものであ
る。
【0010】次に、本発明の組成物には打ち抜き性を向
上させる為に、有機樹脂エマルジョンを添加する。樹脂
としては、アクリル系,スチレン系,酢酸ビニル系,フ
ェノール系,エポキシ系,ウレタン系,アルキッド系樹
脂から選ばれる1種又は2種以上のものである。好まし
くは、アクリル系、エポキシ系が挙げられる。有機樹脂
エマルジョンの溶媒として好ましいものは、水、アルコ
ール系が挙げられる。有機樹脂のクロム酸水溶液に対す
る配合量は、クロム酸水溶液中の金属Cr:100重量
部に対して樹脂固形分で20〜200好ましくは、50
〜150重量部とする。この理由は、樹脂固形分が20
重量部未満だと打ち抜き性が十分でなく、一方200重
量部を超えると耐熱性が劣化するからである。
【0011】組成物には又、無機コロイドが含有され
る。無機コロイドとしては、SiO2,TiO2 ,Zn
O,Al2 3 から選ばれる1種又は2種以上の水性又
は水分散系コロイドである。次に無機コロイドのクロム
酸水溶液に対する配合量は、クロム酸水溶液中の金属C
r:100重量部に対して固形分で20〜200好まし
くは、100〜200重量部とする。この理由は、無機
コロイド固形分が20重量部未満だと樹脂比率が増加し
耐熱性が低下する、一方200重量部を超えると、密着
性が低下するからである。
【0012】上記配合の塗工液の塗布方法は、ロール
法,スプレー法,浸漬法等で良く、塗工液の乾燥方法は
熱風炉、誘導加熱炉等を用いる。乾燥時の被膜乾燥条件
は、塗工液のクロム還元率を上げているので、到達板温
度として、50℃〜300℃、好ましくは50℃〜20
0℃より好ましくは80〜150℃とする。この範囲と
すると6価クロムによるベトツキが発生しない。到達板
温度が50℃未満だと水分が被膜中に残り耐食性が低下
する可能性がある。この配合の塗工液の被膜乾燥は基本
的には塗工液から水分がとべば良く、到達板温度として
150℃以下で十分である。このときの被膜乾燥後の被
膜の付着量は0.3〜6さらに0.4〜1.0g/m2
が好ましい。というのは、0.3g/m2 未満だと打ち
抜き性が悪く、一方6g/m2 を超えると、被膜の密着
性が劣化するからである。
【0013】本発明の絶縁被膜を形成された電磁鋼板
は、上記温度範囲で乾燥された後に使用される。モータ
ーやトランスの鉄心として使用する際には、電磁鋼板あ
るいはストリップを所定幅にスリットした後、連続的に
鉄心形状に打ち抜き加工するか、切断した後積層し、こ
の積層体のエッジ部を溶接するかまたはカシメて固定す
るプロセスによって製作され、その後必要に応じて70
0〜800℃の温度域で歪取り焼鈍される。本発明の絶
縁被膜は、後に実施例で示すように、低温で乾燥しても
ベトツキがなく、歪取り焼鈍後でも充分な絶縁特性、塗
膜密着性を有し、耐食性、耐溶剤性等においても高温特
性にも優れ、打ち抜性にも優れている。
【0014】
【実施例】次に実施例について述べる。板厚0.5mm
の無方向性電磁鋼板の表面に、表1に示すような配合の
各種塗工液をロールコーターにて鋼板に塗布し、熱風乾
燥炉にて表1に示す各到達板温度にて塗工液の乾燥を行
なった。得られた塗板に関して重量法にて被膜付着量を
測定し、指触法で表面ベトツキを評価した。また被膜評
価として層間抵抗、密着性,耐食性,耐溶剤,打抜き性
の評価を行ないその結果を表2に示した。
【0015】表2から本発明は、到達板温度150℃以
下で乾燥を行なったものでも、表面のベトツキが無く、
被膜性能も従来品(比較例4)と比較しても同レベルの
ものである。
【0016】比較例1は塗工液のクロム還元率が20%
と低い為、表面がベトツキ、比較例2は、クロム還元率
が90%と高く、塗工液に沈殿を生じた。
【0017】比較例3は、従来の方法で塗布したもので
ある。比較例4は従来品を到達板温度250℃で乾燥し
たもので、乾燥温度が低く表面にベタツキが発生した。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【発明の効果】本発明は、塗工液のクロム酸の還元率
を、30〜80%に上げているので、乾燥温度の到達板
温度を低温として乾燥しても従来と同じ被膜性能をもっ
た無方向性電磁鋼板を製造することができる。また、乾
燥温度を下げる事ができるので乾燥設備や冷却装置も簡
易なものでできる様になり、生産性の向上にも効果があ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無方向性電磁鋼板の絶縁被膜形成用塗工液
    であって、 クロム還元率30〜80%のクロム酸水溶液に該水溶液
    中の金属Cr;100重量部に対して有機エマルジョン
    を樹脂固形分で20〜200重量部と無機コロイドを無
    機固形分で20〜200重量部配合したことを特徴とす
    る組成物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の組成物を無方向性電磁鋼
    板に塗布し、50℃〜300℃にて乾燥して、絶縁被膜
    を形成せしめることを特徴とする無方向性電磁鋼板絶縁
    被膜の形成方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の組成物を無方向性電磁鋼
    板に塗布し、50℃〜200℃にて乾燥して、絶縁被膜
    を形成せしめることを特徴とする無方向性電磁鋼板絶縁
    被膜の形成方法。
JP297796A 1996-01-11 1996-01-11 低温乾燥可能な無方向性電磁鋼板絶縁被膜の形成方法 Withdrawn JPH09195059A (ja)

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