JPH09188714A - オレフィン重合成形物の製造方法およびそれに用いる二液混合系反応用溶液 - Google Patents

オレフィン重合成形物の製造方法およびそれに用いる二液混合系反応用溶液

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JPH09188714A
JPH09188714A JP1703796A JP1703796A JPH09188714A JP H09188714 A JPH09188714 A JP H09188714A JP 1703796 A JP1703796 A JP 1703796A JP 1703796 A JP1703796 A JP 1703796A JP H09188714 A JPH09188714 A JP H09188714A
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olefin
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JP1703796A
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Ryoji Tsukamoto
亮二 塚本
Zenichiro Endo
善一郎 遠藤
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Teijin Metton KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オレフィン重合成形物の製造方法およびそれ
に用いる二液混合可能な反応溶液の発明を提供する。 【解決手段】 チーグラー触媒系の触媒とオレフィン重
合性モノマーとを含有する溶液(溶液A)と、チーグラ
ー触媒系の活性化剤とオレフィン重合性モノマーとを含
有する溶液(溶液B)とを混合することで、バルク重合
が可能となる。また、ハロゲン化チタンをフェノール化
合物で安定化したチタン系触媒をチーグラー触媒系の触
媒とし、ビニルエーテル化合物によって安定化したアル
キルアルミニウム化合物をチーグラー触媒系の活性化剤
とすることによって、バルク重合前の溶液の優れた保存
安定性が達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオレフィン重合成形
物の製造方法およびそれに用いる二液混合可能な反応溶
液、更に詳しくは耐候性、酸化安定性に優れた成形物と
それを得るための二液混合反応可能な反応溶液に関す
る。
【0002】
【従来の技術】環状オレフィンがメタセシス重合触媒系
によって開環重合体を与えることは公知である。そこで
メタセシス重合性環状オレフィンをメタセシス重合触媒
系によって、金型内で重合と成形とを一段階で行って重
合成形物を得る方法が提案された。すなわち、メタセシ
ス重合触媒系が塩化タングステンの如き触媒成分とアル
キルアルミニウム化合物の如き活性化剤成分との二成分
より成ることを利用し、各成分とモノマーとからなる二
種類の液を用いて重合時に急速混合のあと金型内に流し
込み重合体成形物を得る方法が提案された。(例えば、
特開昭58−129013号公報参照)。
【0003】かかる方法によれば安価な低圧金型を用い
て、良好な機械的性能を有する大形成形物が得られるた
め、工業的に非常に魅力のある方法といえるが、実際に
適用していくにつれていくつかの問題点が生じてきた。
そのひとつとして、例えばエチリデンノルボルネンのメ
タセシス重合によって得られる重合体は図1のようにポ
リマー中のメタセシス型重合関与の重合鎖に二重結合を
含むため、得られた重合体の二重結合が酸化されやす
く、結果として成形物の着色、さらには機械的特性の低
下を生じる原因となる欠点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、アルキルアルミ
ニウム化合物とハロゲン化チタンとの組み合わせ等によ
る、いわゆるチーグラー触媒を用いた配位重合による重
合体の製造も公知であり、この重合法によって得られる
エチリデンノルボルネンの重合体は図2のように、ポリ
マー中のチーグラー型重合関与の重合鎖に二重結合を含
まないため、耐候性、酸化安定性、透明性に優れた重合
体が得られることが知られている。
【0005】しかしながら、このチーグラー触媒を使用
して、二液混合反応可能な二つの反応性溶液の流れを混
合することにより、オレフィン重合性モノマーを、実質
的に溶媒を使用せず重合(すなわちバルク重合)させ、
熱硬化したオレフィン重合成形物を得る方法については
これまで知られていなかった。
【0006】本願発明は、このような、チーグラー触媒
を使用して、二液混合反応可能な二つの反応性溶液の流
れを混合することによりオレフィン重合性モノマーをバ
ルク重合させ、熱硬化したオレフィン重合成形物を得る
方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、オレフィ
ン重合性モノマーのバルク重合法を利用した耐候性、酸
化安定性に優れた成形物を得る方法について鋭意検討し
た結果、チーグラー触媒系を用いた場合に、同じオレフ
ィン重合性モノマーを使用してメタセシス重合触媒で重
合させたポリマーより耐候性、酸化安定性に優れたポリ
マー構造体をバルク重合法によって得られる可能性があ
ることを見出した。しかし、検討の途中でチーグラー触
媒系の触媒として四塩化チタン等のハロゲン化チタンを
オレフィン重合性モノマーに添加するとカチオン重合が
起こってしまい、チーグラー触媒系の活性化剤としてア
ルキルアルミニウム化合物をオレフィン重合性モノマー
に添加すると短時間にアルキルアルミニウム化合物がオ
レフィンに付加反応したりしてチーグラー重合活性を消
失してしまうため、複数の流れを混合することによりオ
レフィン重合性モノマーをバルク重合させる前の、二液
混合反応可能な反応性溶液の保存が困難な場合があると
いう問題点を有していることが判ってきた。そこでさら
に検討を重ねた結果、特定のフェノール化合物で安定化
されたチタン系触媒を用いた場合にのみオレフィン重合
性モノマーのカチオン重合反応が抑制され、安定なオレ
フィン重合性モノマーを含有した溶液が得られること、
また、特定のビニルエーテル化合物と反応させたアルキ
ルアルミニウムを活性化剤として用いた場合にのみオレ
フィン重合性モノマーへの付加反応を抑制し、活性化剤
としての能力を長期間に渡り維持できる安定なオレフィ
ン重合性モノマーを含有した溶液が得られることによ
り、二液混合系反応用溶液の保存安定性の問題が解決で
きることが見いだされた。
【0008】更に、意外にも、生成した重合体成形物は
架橋構造を有し、熱硬化物となっていることが見いださ
れた。その理由は明らかではないが、おそらく、チーグ
ラー触媒による重合反応で発生した熱による反応、カチ
オン重合等が関与しているものと思われる。
【0009】すなわち、本発明は、 1. チーグラー触媒系の触媒とオレフィン重合性モノ
マーとを含有する溶液の流れと、チーグラー触媒系の活
性化剤とオレフィン重合性モノマーとを含有する溶液の
流れとを含む複数の流れを混合した後、該混合物を金型
内でバルク重合することを特徴とする熱硬化したオレフ
ィン重合成形物の成形方法、 2. チーグラー触媒系の触媒が、ハロゲン化チタンを
フェノール化合物で安定化したチタン系触媒であること
を特徴とする前記1の熱硬化したオレフィン重合成形物
の成形方法、 3. チーグラー触媒系の活性化剤が、ビニルエーテル
化合物によって安定化したアルキルアルミニウム化合物
であることを特徴とする前記1または2の熱硬化したオ
レフィン重合成形物の成形方法、および、 4. ハロゲン化チタンをフェノール化合物で安定化し
たチタン系触媒とオレフィン重合性モノマーとを含有す
る溶液と、ビニルエーテル化合物によって安定化された
アルキルアルミニウム化合物とオレフィン重合性モノマ
ーとを含有する溶液との組み合わせであり、実質上溶媒
を含まないことによりバルク重合を達成することが可能
となる。
【0010】なお、本明細書ではチーグラー触媒系の触
媒とオレフィン重合性モノマーとを含有する溶液を溶液
A、チーグラー触媒系の活性化剤とオレフィン重合性モ
ノマーとを含有する溶液を溶液Bということがあるが、
この「溶液A」という用語は、「チーグラー触媒系の触
媒とオレフィン重合性モノマーとを含有する溶液」の好
適な下位概念である「ハロゲン化チタンをフェノール化
合物で安定化したチタン系触媒とオレフィン重合性モノ
マーとを含有する溶液」をも意味する場合があり、「溶
液B」という用語は、「チーグラー触媒系の活性化剤と
オレフィン重合性モノマーとを含有する溶液」の好適な
下位概念である「ビニルエーテル化合物によって安定化
されたアルキルアルミニウム化合物とオレフィン重合性
モノマーとを含有する溶液」をも意味する場合がある。
【0011】以下本発明について詳細に説明する。
【0012】本発明で使用する成形方法は、チーグラー
触媒系の触媒とオレフィン重合性モノマーとを含有する
溶液(溶液A)の流れと、チーグラー触媒系の活性化剤
とオレフィン重合性モノマーとを含有する溶液(溶液
B)の流れとを含む複数の流れを混合した後、該混合物
を金型内でバルク重合することによる。その具体的混合
方法としては、複数の液を衝突混合する方法(反応射出
成形方法)や複数の液を一つの容器に導き攪拌混合する
方法(注型成形方法)、複数の液を一つの流れとしスタ
ティックミキサーを通過させ混合させる方法などが使用
され、いずれも混合物は金型内でバルク重合する。
【0013】ここで、チーグラー触媒系の触媒としては
ハロゲン化チタンが好ましく、具体的には、四塩化チタ
ン、三塩化チタン、四臭化チタン、三臭化チタン、四弗
化チタン、三弗化チタン、四よう化チタン、三よう化チ
タンがある。その中では特に四塩化チタンが反応性の点
から最も好ましい。これらは単独で用いてもよく二種以
上を併用しても良い。
【0014】また、本発明で使用するチーグラー触媒系
の活性化剤はアルキルアルミニウム化合物が好ましい。
中でもトリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニ
ウムハライド、アルキルアルミニウムジハライドが好ま
しく、具体的には塩化ジエチルアルミニウム、二塩化エ
チルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどが
挙げられ、特に塩化ジエチルアルミニウムが好ましい。
またこれらは単独で使用してもよく二種以上を併用して
もよい。
【0015】本発明で使用する触媒を含む溶液の安定化
のために使用するフェノール化合物は無置換フェノー
ル、アルキル置換フェノール、ハロゲン置換フェノール
などであり、例えばフェノール、4−アルキルフェノー
ル、2,6−ジアルキルフェノール、4−ハロゲン化フ
ェノール、2,6−ジハロゲン化フェノール、2,4,
6−トリハロゲン化フェノール、4−アルキル−2,6
−ジハロゲン化フェノールなどが挙げられる。特に4位
に置換したアルキルフェノールは触媒の反応溶液への溶
解性を高めるためにも4位のアルキル鎖が長い方が好ま
しく、具体的には炭素数が4以上のアルキル基の置換し
たフェノールが好ましい。具体的には4−t−ブチルフ
ェノール、4−オクチルフェノール、4−ノニルフェノ
ール、2,6−ジブロモ−4−ノニルフェノールなどが
好ましい。またこれらは単独で使用してもよく二種以上
を併用してもよい。
【0016】ここで、本発明に係るフェノール化合物で
安定化したチタン触媒は、適当な溶媒中に溶解したチタ
ン触媒の溶液にフェノール化合物を添加することによっ
て調製され、この溶液を適当なオレフィン重合性モノマ
ーと混合することにより、保存安定性に優れた二液混合
反応用の溶液Aが得られる。チタン触媒とともに使用さ
れる溶媒の量は少量であるため、溶液Aのバルク重合に
は支障はない。
【0017】本発明で使用するハロゲン化チタンをフェ
ノール化合物で安定化したチタン系触媒におけるハロゲ
ン化チタンとフェノール化合物のモル比(ハロゲン化チ
タン/フェノール化合物)は特に制限はないが、この組
成比が大きすぎると、複数の流れを混合することにより
オレフィン重合性モノマーをバルク重合させる前の原料
液の保存安定性についての効果がほとんど発揮されず、
逆に小さすぎると二液混合反応の際の重合反応性が低下
し、重合体が得られなくなる。具体的にはハロゲン化チ
タン/フェノール化合物のモル比が0.3〜5の範囲が
好ましく、0.5〜2の範囲が更に好ましい。
【0018】本発明のアルキルアルミニウム化合物はオ
レフィン重合性モノマーに添加すると、短時間にアルキ
ルアルミニウム化合物がオレフィンに付加反応したりし
てチーグラー重合性を消失してしまう場合がある。この
対策としてかかるアルキルアルミニウム化合物に脂肪族
エーテル類を加え安定化する方法が考えられたが、脂肪
族エーテル類を少量添加することにより、液の安定性は
向上するものの、二液混合反応による反応性が大きく低
下し、重合体が得られない場合があるという問題点が生
じてきた。これについて更に検討したところ、脂肪族エ
ーテル類として飽和脂肪族エーテル類を使用した場合に
は二液混合反応による反応性が大きく低下するが、ビニ
ルエーテル化合物をアルキルアルミニウム化合物とオレ
フィン重合性モノマーの安定剤として使用した場合には
二液混合反応による反応性を保持しながら溶液を安定化
させることが明らかになった。
【0019】本発明で使用するビニルエーテル系化合物
としては一般的に用いられているビニルエーテル類でよ
く、例えばイソブチルビニルエーテル、エチルビニルエ
ーテル、t−ペンチルビニルエーテルなどが挙げられ
る。これらは単独で使用してもよく二種以上を併用して
もよい。
【0020】ここで、本発明に係るビニルエーテル化合
物によるアルキルアルミニウム化合物の安定化は、適当
なオレフィン重合性モノマーとビニルエーテルとアルキ
ルアルミニウム化合物とを混合することによって達成さ
れるが、予めビニルエーテル化合物とアルキルアルミニ
ウム化合物とを混合する等他の方法によっても良い。ま
た、ビニルエーテル化合物やアルキルアルミニウム化合
物の取り扱いのために少量の溶媒を使用することも可能
である。
【0021】本発明で使用するアルキルアルミニウム系
触媒活性剤とビニルエーテル系化合物の組成比(アルキ
ルアルミニウム化合物/ビニルエーテル系化合物)は特
に制限はないが、この組成比が大きすぎると、アルキル
アルミニウム化合物がオレフィンに付加反応したりして
チーグラー重合活性を消失することによって、二液混合
系反応用溶液の保存安定性がなくなり、小さすぎると、
二液混合反応の際の反応性が低下し、重合体が得られな
くなる。具体的にはアルキルアルミニウム化合物/ビニ
ルエーテル系化合物モル比が1〜20の範囲が好まし
く、3〜10の範囲が更に好ましい。
【0022】本発明で使用するオレフィン重合性モノマ
ーは特に制限はないが、与えられる重合体の耐熱性を高
める効果を持つ構造を有しているものが好ましい。具体
的にはノルボルネン、ジシクロペンタジエン、アルキリ
デンノルボルネン、ノルボルナジエンなどのノルボルネ
ン骨核を有するものが好ましく、これらの中でもエチリ
デンノルボルネン、プロピリデンノルボルネンなどのア
ルキリデンノルボルネンが最も好ましい。またチーグラ
ー触媒で重合する他のオレフィン類、例えばスチレン、
メチルペンテン、シクロヘキセン等を加えてもよい。こ
れらは単独で使用してもよく二種以上を併用してもよ
い。
【0023】本発明のハロゲン化チタンをフェノール化
合物で安定化したチタン系触媒とオレフィン重合性モノ
マーとを含有する溶液(溶液A)に含まれるチタン系触
媒の使用量はこの溶液Aと、ビニルエーテル化合物によ
って安定化されたアルキルアルミニウム化合物とオレフ
ィン重合性モノマーとを含有する溶液(溶液B)との両
方に含まれるオレフィン重合性モノマーの合計に対して
モル比で0.0005〜0.1の範囲が好ましく、0.
001〜0.01の範囲が更に好ましい。
【0024】また、本発明の溶液Bに含まれるアルキル
アルミニウム触媒活性化剤の使用量は溶液Aおよび溶液
B中に含まれるオレフィン重合性モノマーの合計に対し
てモル比で0.0002〜0.1の範囲が好ましく、
0.0005〜0.01の範囲が更に好ましい。
【0025】本発明の重合体の製造方法における重合温
度、重合時間は特に制限はないが、反応の初期温度が高
すぎると重合が急速に進行し、均一な成形物が得られ
ず、初期の反応温度が低すぎると反応時間が長く、また
反応性も低下し、未反応のモノマーが多く残る原因とな
る。実用上の初期反応温度は−10℃〜150℃の範囲
であり、好ましくは10℃〜100℃の範囲である。ま
た重合時間は重合温度にも影響されるが数秒〜10分の
範囲で、好ましくは10秒〜5分の範囲である。
【0026】本発明の二液混合系反応溶液には重合反応
を阻害しない範囲内で各種添加剤、例えばガラス繊維、
雲母、カーボンブラック等の充填剤、酸化安定剤、光安
定剤、滑剤、難燃剤、異種重合体、オリゴマー等を添加
してもよい。特に異種重合体としてポリスチレン、ゴム
等を添加することにより機械物性、成形加工性が向上し
より好ましい。
【0027】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。なお、実施例中、部は重量部を表す。
【0028】[実施例1](フェノール性化合物で安定
化したチタン触媒溶液の調製) 撹拌機を有する反応器に窒素気流下でトルエン15部、
四塩化チタン12.4部を仕込み、20℃に保ち、撹拌
させながら2,6−ジブロモ−4−ノニルフェノール1
8.9部を1時間かけてゆっくりと滴下した。更に温度
を20℃に保ちながら、48時間かけて撹拌した後トル
エンを添加して全体量を50mlとしチタン化合物とし
て1N−トルエン溶液を得た。
【0029】[実施例2](フェノール性化合物で安定
化したチタン触媒溶液の調製) 2,6−ジブロモ−4−ノニルフェノール18.9部の
代わりに4−ノニルフェノール11部を用いた以外は実
施例1と同様に行ってチタン化合物として1N−トルエ
ン溶液を得た。
【0030】[実施例3](溶液Aの調製) 4−エチリデンノルボルネン75.7gを十分に窒素置
換し、実施例1で調製した溶液を窒素雰囲気下で3.8
ml添加して二液混合反応用の溶液Aを調製した。この
溶液は調製3カ月後もカチオン重合による粘度上昇を抑
制し配位重合活性を示した。
【0031】[実施例4](溶液Aの調製) 実施例1で調製した溶液の代わりに実施例2で調製した
溶液を用いた以外は実施例3と同様に行って二液混合反
応用の溶液Aを調製した。この溶液Aは調製3カ月後も
カチオン重合による粘度上昇を抑制し配位重合活性を示
した。
【0032】[実施例5](溶液Aの調製) 4−エチリデンノルボルネン75.7gのかわりに4−
エチリデンノルボルネン60.6g、ジシクロペンタジ
エン16.7gを用いた以外は実施例3と同様に行って
二液混合反応用の溶液Aを調製した。この溶液Aは調製
3カ月後もカチオン重合による粘度上昇を抑制し配位重
合活性を示した。
【0033】[実施例6](溶液Aの調製) 4−エチリデンノルボルネン75.7gのかわりに4−
エチリデンノルボルネン68.1g、スチレン6.6g
を用いた以外は実施例3と同様に行って二液混合反応用
の溶液Aを調製した。この溶液Aは調製3カ月後もカチ
オン重合による粘度上昇を抑制し配位重合活性を示し
た。
【0034】[実施例7](溶液Aの調製) 4−エチリデンノルボルネン75.7gのかわりにポリ
スチレン3.8gを溶解させた4−エチリデンノルボル
ネン79.5gを用いた以外は実施例3と同様に行って
二液混合反応用の溶液Aを調製した。この溶液Aは調製
3カ月後もカチオン重合による粘度上昇を抑制し配位重
合活性を示した。
【0035】[実施例8](溶液Bの調製) 4−エチリデンノルボルネン75.7gを十分に窒素置
換し、イソブチルビニルエーテル0.025gを添加
後、0.95N−ジエチルアルミニウムクロリドヘキサ
ン溶液1.32mlをゆっくりと添加し、二液混合反応
用の溶液Bを調製した。この溶液Bは調製3カ月後も配
位重合活性を示した。
【0036】[実施例9](溶液Bの調製) 4−エチリデンノルボルネン75.7gのかわりに4−
エチリデンノルボルネン60.6g、ジシクロペンタジ
エン16.7gを用いた以外は実施例8と同様に行って
二液混合反応用溶液Bを調製した。この溶液Bは調製3
カ月後も配位重合活性を示した。
【0037】[実施例10](溶液Bの調製) 4−エチリデンノルボルネン75.7gのかわりに4−
エチリデンノルボルネン68.1g、スチレン6.6部
を用いた以外は実施例8と同様に行って二液混合反応用
の溶液Bを調製した。この溶液Bは調製3カ月後も配位
重合活性を示した。
【0038】[実施例11](溶液Bの調製) 4−エチリデンノルボルネン75.7gのかわりにポリ
スチレン3.8gを溶解させた4−エチリデンノルボル
ネン79.5gを用いた以外は実施例8と同様に行って
二液混合反応用の溶液Bを調製した。この溶液Bは調製
3カ月後も配位重合活性を示した。
【0039】[比較例1](溶液Bの調製) イソブチルビニルエーテルを添加しなかったこと以外は
実施例8と同様に行って二液混合反応用の溶液Bを調製
した。この溶液Bは二液混合系反応用の溶液として使用
しても配位重合活性を示さなかった。
【0040】[実施例12](成形) 3ヶ月室温で保存した後の実施例3で調製した溶液A1
0ml、3ヶ月室温で保存した後の実施例8で調製した
溶液B10mlを30℃に保ち、十分窒素置換したシリ
ンジ内に取り出し、一定速度で押し出しスタチックミキ
サーにて混合せしめて80℃に加熱した金型に導き成形
したところ褐色の強靱な板状物が成形できた。またこの
ときの成形物の最高到達温度を測定した。結果を表1に
示す。更にかかる成形物から1gのサンプルを切り出し
50mlのトルエン中に浸漬し、十分残留モノマーを抽
出した後ガスクロマトグラフィーにより、未反応の単量
体成分を残留モノマー量として測定した。この結果を表
1に示す。また、得られたポリマーのIRスペクトルお
よびNMRスペクトルからオレフィンに帰属されるシグ
ナルは観測されず定量的に図2に示した構造のポリマー
が得られているものと判断された。
【0041】[実施例13](成形) 実施例3で調製した溶液Aの代わりに、3ヶ月室温で保
存した後の実施例4で調製した溶液Aを用いた以外は実
施例12と同様に行い、褐色の強靱な板状物が成形でき
た。実施例12の場合と同様に測定した成形物の最高到
達温度、残留モノマー量を表1に示す。また、得られた
ポリマーのIRスペクトルおよびNMRスペクトルから
オレフィンに帰属されるシグナルは観測されず定量的に
図2に示した構造のポリマーが得られているものと判断
された。
【0042】[実施例14](成形) 実施例3で調製した溶液Aの代わりに、3ヶ月室温で保
存した後の実施例5で調製した溶液Aを用い、実施例8
で調製した溶液Aの代わりに、3ヶ月室温で保存した後
の実施例9で調製した溶液Bを用いた以外は実施例12
と同様に行い、褐色の強靱な板状物が成形できた。実施
例12の場合と同様に測定した成形物の最高到達温度、
残留モノマー量を表1に示す。
【0043】[実施例15](成形) 実施例3で調製した溶液Aの代わりに、3ヶ月室温で保
存した後の実施例6で調製した溶液Aを用い、実施例8
で調製した溶液Aの代わりに、3ヶ月室温で保存した後
の実施例10で調製した溶液Bを用いた以外は実施例1
2と同様に行い、褐色の強靱な板状物が成形できた。実
施例12の場合と同様に測定した成形物の最高到達温
度、残留モノマー量を表1に示す。
【0044】[実施例16](成形) 実施例3で調製した溶液Aの代わりに、3ヶ月室温で保
存した後の実施例7で調製した溶液Aを用い、実施例8
で調製した溶液Aの代わりに、3ヶ月室温で保存した後
の実施例11で調製した溶液Bを用いた以外は実施例1
2と同様に行い、褐色の強靱な板状物が成形できた。実
施例12の場合と同様に測定した成形物の最高到達温
度、残留モノマー量を表1に示す。
【0045】[比較例2](溶液Bの調製と成形) イソブチルビニルエーテル0.025gのかわりにジグ
ライムム0.034gを用いた以外は実施例8と同様に
行って二液混合反応用溶液Bを調製した。実施例8で調
製した溶液Bの代わりに、調製4時間後の上記のイソブ
チルビニルエーテルのかわりにジグライムを使用した溶
液Bを用いた以外は実施例12と同様に行った結果、黄
色でゴム状の軟らかい成形物が得られたのみで強靱な板
状物は得られなかった。実施例12の場合と同様に測定
した成形物の最高到達温度、残留モノマー量を表1に示
す。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明により、チーグラー触媒系の触媒
とオレフィン重合性モノマーとを含有する溶液(溶液
A)と、チーグラー触媒系の活性化剤とオレフィン重合
性モノマーとを含有する溶液(溶液B)とを混合するこ
とで、バルク重合が可能となり、かかる重合体の製造方
法として、溶液Aと溶液Bをヘッド部で衝突混合させて
そのまま金型に流し込むRIM方式等により二液混合反
応による重合体を製造することが可能となった。得られ
た成形物は様々な分野の成形材料として利用することが
できる。また、得られる重合体はポリマー中のチーグラ
ー型重合関与の重合鎖に二重結合を含まないため、耐候
性、酸化安定性、透明性に優れた重合体が二液混合反応
により得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】メタセシス重合によって得られるエチリデンノ
ルボルネン重合体の化学的構造を示す図である。
【図2】チーグラー触媒を用いた配位重合によって得ら
れるエチリデンノルボルネン重合体の化学的構造を示す
図である。
【符号の説明】
n 重合度を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チーグラー触媒系の触媒とオレフィン重
    合性モノマーとを含有する溶液の流れと、チーグラー触
    媒系の活性化剤とオレフィン重合性モノマーとを含有す
    る溶液の流れとを含む複数の流れを混合した後、該混合
    物を金型内でバルク重合することを特徴とする熱硬化し
    たオレフィン重合成形物の成形方法。
  2. 【請求項2】 チーグラー触媒系の触媒が、ハロゲン化
    チタンをフェノール化合物で安定化したチタン系触媒で
    あることを特徴とする請求項1の熱硬化したオレフィン
    重合成形物の成形方法。
  3. 【請求項3】 チーグラー触媒系の活性化剤が、ビニル
    エーテル化合物によって安定化したアルキルアルミニウ
    ム化合物であることを特徴とする請求項1または2の熱
    硬化したオレフィン重合成形物の成形方法。
  4. 【請求項4】 ハロゲン化チタンをフェノール化合物で
    安定化したチタン系触媒とオレフィン重合性モノマーと
    を含有する溶液と、ビニルエーテル化合物によって安定
    化されたアルキルアルミニウム化合物とオレフィン重合
    性モノマーとを含有する溶液との組み合わせ。
JP1703796A 1996-01-08 1996-01-08 オレフィン重合成形物の製造方法およびそれに用いる二液混合系反応用溶液 Pending JPH09188714A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6350832B1 (en) 1998-12-09 2002-02-26 The B. F. Goodrich Company Mold addition polymerization of norbornene-type monomers using group 10 metal complexes

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