JP3140752B2 - 樹脂状シクロオレフィン単量体の製法および重合体を製造する方法 - Google Patents

樹脂状シクロオレフィン単量体の製法および重合体を製造する方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の属する技術分野〕 本発明は、シクロオレフィン単量体から樹脂状単量体
を得る方法および該樹脂状単量体からシクロオレフィン
重合体を製造する方法に関する。さらに詳しくは、シク
ロオレフィン単量体の一部が、デイールス・アルダー付
加重合によって得られるオリゴマーおよび重合体である
樹脂状シクロオレフィン単量体からなるシクロオレフィ
ン単量体を製造する方法、ならびにそのようなシクロオ
レフィン単量体から開環重合により重合体を製造する方
法に関する。
〔従来の技術〕
ノルボルネン基を有するシクロオレフィンの開環重合
によって得られる重合体は良く知られている。例えば、
本願と同一出願人の米国特許第4,136,249号、同第4,17
8,424号、同第4,136,247号および同第4,136,248号には
そのような重合体が記載されている。
シクロオレフィンの開環重合によって不飽和線状重合
体が得られるが、この重合体は反応性(硫黄加硫可能)
であり、2官能性単量体と反応して分岐または架橋を生
じる点で興味深い。この重合体は、例えば、自動車部
品、特に装飾用トリムを始め多くの重合体利用分野にお
いて優れた特性を発揮することが知られている。
例えば、ジシクロペンタジエンおよびシクロペンテン
は、エチレン製造時に副生物として容易に入手されるシ
クロオレフィン単量体であって、開環重合によって重合
体を製造するのに広く用いられるシクロオレフィン単量
体である。最近の米国特許第3,778,420号、同第3,781,2
57号、同第3,790,545号、同第3,853,830号、同第4,002,
815号および同第4,239,874号にはジシクロペンタジエン
の重合体が記載されている。他の良く知られた単量体に
は2環ノルボルネン(ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプト−2
−エン)および置換2環ノルボルネンであり、これらは
シクロペンタジエンと特定のオレフィンとのディールス
・アルダー反応によって製造される。米国特許第3,074,
918号には2環ノルボルネンおよび置換2環ノルボルネ
ンを含むシクロオレフィン単量体の重合が記載されてい
る。さらに、米国特許第3,546,183号、同第2,721,189
号、同第2,831,037号、同第2,932,630号、同第3,330,81
5号、同第3,367,924号、同第3,467,633号、同第3,836,5
93号、同第3,879,343号および同第4,020,021号にも2環
ノルボルネンおよび置換2環ノルボルネンの開環重合に
より得られる重合体が記載されている。
テトラシクロドデセンおよび置換テトラシクロドデセ
ンも良く知られた重合体である。これらはシクロペンタ
ンジエンと2環ノルボルネンまたは適当な置換2環ノル
ボルネンとのデイールス・アルダー反応によって得られ
る。テトラシクロドデセンと他の2環オレフィンコモノ
マー(ビシクロヘプテンおよび置換ビシクロヘプテン)
との開環重合は米国特許第3,557,072号に記載されてい
る。
ジシクロペンタジエンおよびテトラシクロドデセンを
開環重合して得られる重合体は優れたガラス転移温度を
もつことが知られている。しかしながら、これらの溶液
重合重合体のうち、ジシクロペンタジエン含有量の高い
ものは最終製品へ加工するのが困難である。従って、ガ
ラス転移点を高め且つ溶液開環重合重合体の加工を単純
化する試みが続けられている。例えば、米国特許第4,17
8,424号にそのような試みが提案されている。
上記とは対照的に、塊状重合により得られる重合体お
よび共重合体は、メルトフロー性によって代表される加
工性は問題とはならない。すなわち、塊状重合が型中で
行われて目的とする形状をもつ重合体製品が直接得られ
るため、溶融加工の必要がない。ミンチャクの米国特許
第4,426,502号には、ノルボルネン、ジシクロペンタジ
エン、トリシクロペンタジエン(シクロペンタジエン、
トリマー)およびテトラシクロドデセンを含むノルボル
ネン型単量体の塊状重合法が記載されている。もっと
も、塊状重合法による重合体にとって加工性は問題とは
ならないが、重合体のガラス転移点を向上することは望
まれている。
〔発明が解決しようとする課題〕
さらに、向上したガラス転移点を有する重合体は、開
環重合による重合体の新しい分野を開拓するものとして
望まれている。本発明の目的は、このような要望に応え
る重合体の製造方法を提供するにある。
さらに、本発明の目的は、上述のような重合体の製造
に有利に用いられる、ジシクロペンタジエンより高い分
子量を有し、かつ、より多い環構造を有する樹脂状シク
ロオレフィン単量体の製造方法を提供するにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、重合原料中のシクロオレフィン単量体の分
子量を増大しかつ環構造の数を増大せしめる方法を提供
する。この方法は、シクロオレフィン単量体を、重合触
媒および助触媒を実質的に含有せしめることなく、該シ
クロオレフィン単量体の一部を解離し且つ該解離生成物
を該シクロオレフィン単量体の成分と反応させるに十分
な温度に加熱することからなる方法であって、該シクロ
オレフィン単量体が、加熱前において、(a)ジシクロ
ペンタジエンと(b)エチリデンノルボルネンまたはノ
ルボルネン;炭素数2〜12を有し、かつ鎖状のα−オレ
フィン、共役ジエン、およびビニルシクロヘキセンの中
から選ばれた単量体;ならびに炭素数4〜8のモノシク
ロオレフィンの中から選ばれた単量体を含有する単量体
混合物であることを特徴とする。
本発明は、さらに、シクロオレフィン単量体を加熱し
て、該単量体の分子量を増大するとともに高い環含有量
をもつ単量体の数を増大せしめる開環重合方法を提供す
る。この方法によって加熱された単量体は開環重合して
高いガラス転移温度を有する重合体となる。この重合は
溶液重合または塊状重合によって行なうことができる。
上記方法により製造される樹脂状シクロオレフィン単
量体(この明細書において「樹脂状シクロオレフィン単
量体」とは、ジシクロペンタジエンより高い分子量とよ
り多い環構造を有する高分子量シクロオレフィン単量体
を意味する。)と、2環ノルボルネン、テトラシクロド
デセンおよびジシクロペンタジエンのような他のシクロ
オレフィン単量体とを共重合することによって、これら
のシクロオレフィン単量体を単独重合して得られる重合
体と比較して、ガラス転移点の高い共重合体が得られ
る。少割合の樹脂状シクロオレフィン単量体を用いるこ
とによって高いガラス転移温度を有する共重合体を容易
に得ることができる。
〔発明の実施の形態〕
本発明は、適当な純度を有するシクロオレフィン単量
体を加熱すると、シクロオレフィン単量体の重合能を阻
害することなく、解離を生ぜしめることができるとの知
見を得たことに基づく。このシクロオレフィン単量体の
解離は引続く重合に悪影響を及ぼすことはない。解離に
よる生成物は、一種または二種以上のシクロオレフィン
単量体および必要に応じて非共役α−オレフィンまたは
単環オレフィンなどのシクロオレフィン単量体成分と反
応するからである。
解離生成物はシクロオレフィン単量体のノルボルネン
基と優先的に反応して、シクロオレフィン単量体の分子
量を増大する。シクロオレフィン単量体全量の中での解
離生成物の量は小さく、そして、この少量の解離生成物
は開環重合におけるシクロオレフィン単量体の性能(例
えば、重合率)に事実上悪影響を及ぼさない。
本発明の方法において分子量を高めることができるシ
クロオレフィン単量体は、(a)ジシクロペンタジエン
と、(b)エチリデンノルボルネンまたはノルボルネ
ン;炭素数2〜12を有し、かつ鎖状α−オレフィン、共
役ジエン、およびビニルシクロヘキセンの中から選ばれ
た単量体;ならびに炭素数4〜8のモノシクロオレフィ
ンの中から選ばれた単量体を含有する単量体混合物であ
る。
適度な純度を有するシクロオレフィン単量体を重合に
使用する。不純物は重合を阻害し、単量体から重合体へ
の重合率を低減せしめる。シクロオレフィン単量体中に
存在する不純分の量は、シクロオレフィン単量体の重合
率が少くとも90%となるに十分低いことが好ましい。90
%より高い重合率が好ましく、100%に近い重合率が最
も好ましい。シクロオレフィン単量体を精製するには常
法に従って蒸留することにより低沸点成分を除去すれば
よい。好ましいは、使用するシクロオレフィン単量体が
純度90%より大であり、最も好ましくは少くとも99%で
ある。
炭素数2〜12の鎖状α−オレフィンの具体例としては
1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセンな
どが挙げられ、中でも1−ヘキセンが好ましい。共役ジ
エンとしてはイソプレンおよびブタジエンなどが挙げら
れる。
炭素数4〜8のシクロオレフィンの具体例としては、
シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シク
ロオクテンなどが挙げられ、中でもシクロヘプテンが好
ましい。これらのモノシクロオレフィン類の量は重合原
料フィールド中に存在するシクロオレフィン単量体合計
重量に基づき約20重量%までに限定することが好まし
い。溶液重合においては、α−オレフィンは重合に際し
て重合原料フィードから得られる共重合体の分子量を低
減するが、上記のモノシクロオレフィン類は共重合体の
分子量を低減することはない。
上記(a)ジシクロペンタジエンと(b)成分の単量
体とは、(b):(a)(モル比)=0.001:1〜約0.5:
1、好ましくは約0.01:1〜0.3:1の割合で用いられる。
原料フィード中には常用される変性剤、充填剤、耐衝
撃改良剤、難燃化剤等を配合することができる。重合触
媒と助触媒は加熱する間はシクロオレフィン単量体中に
実質的に存在せしめずに、加熱の後に加える。加熱後
に、開環重合用触媒および助触媒の両者を存在させるこ
とは好ましくないがゲル化または重合を生起しない限り
存在せしめることができる。所望ならば、本発明の方法
で処理したシクロオレフィン単量体混合物の一部に開環
重合触媒を加え、他の一部に助触媒を加え、両者を混合
して完全な触媒/助触媒系を完成したうえ重合を開始す
ることができる。溶媒を使用しないときは2成分系の塊
状重合となり、溶媒を用いるときは溶液重合となる。
供給原料の所望な重合の種類によっては、異なる触媒
/共触媒を加熱後に加えてもよい。開環重合が大量に起
こる場合には、好ましい触媒は溶液開環重合に好ましい
ものとは異なる。溶液重合を意図する場合には、シクロ
オレフィンモノマーは反応の前に好適な溶媒に溶解して
触媒/共触媒をその時点で好都合に加えることができる
ので、触媒と共触媒とはシクロオレフィンモノマー中に
存在せしめておく必要はない。
開環溶液重合のための触媒はモリブデート若しくはタ
ングステートからなることが好ましく、助触媒はジアル
キルアルミニウムハロゲン化物、アルキルアルミニウム
ジハロゲン化物、アルキルアルコキシハロゲン化物また
はトリアルキルアルミニウムとヨウ素源との混合物から
なるのが好ましい。これらの成分のいずれも、本発明の
目的を妨げることなくシクロオレフィンモノマーに存在
することができる。
有用なモリブデートおよびタングステートの例には、
塩化物、臭化物、ヨウ化物およびフッ化物のようなハロ
ゲン化物がある。このようなハロゲン化物の具体例には
五塩化モリブデン、六塩化モリブデン、五臭化モリブデ
ン、六臭化モリブデン、五ヨウ化モリブデン、六フッ化
モリブデン、六塩化タングステン、六フッ化タングステ
ン等がある。その他の代表的な塩には、アセチルアセト
ネート、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等の塩がある。塩の
混合物を用いることもできる。重合の結果について、更
に好ましい塩はハロゲン化モリブデン、具体的にはMocl
5のような五ハロゲン化モリブデンである。
開環溶液重合の共触媒の具体例にはアルキルアルミニ
ウムハロゲン化物、例えばジエチルアルミニウムヨウダ
イド、エチルアルミニウムジヨウダイド、プロピルアル
ミニウムヨウダイドおよびエチルプロピルアルミニウム
ヨウダイドおよびトリエチルアルミニウムと元素状ヨウ
素との混合物がある。
開環溶液重合にはモリブデン若しくはタングステン塩
は一般的には総モノマー1モル当たり約0.01〜約50ミリ
モル、好ましくは総モノマー1モル当たり約0.5〜約10
ミリモルの水準で用いられ、上記有機アルミニウム化合
物は一般的には有機アルミニウム化合物のモリブデンお
よび/またはタングステン塩(類)に対するモル比が約
10/1〜約1/3、好ましくは約5/1〜約3/1で用いられる。
溶液重合の触媒と共触媒は、両方とも加熱後で且つ重合
の時点で添加される。
シクロオレフィンモノマーの塊状重合を意図する場合
には、本発明の方法によってシクロオレフィンモノマー
を加熱処理した後、開環塊状重合用触媒および共触媒を
添加するのが最も好都合であることがある。しかしなが
ら、これらの化合物が分解せず且つ異性化、重合または
その他の好ましくない反応を起こさない時には、本発明
の方法による加熱処理中に存在せしめてもよいことが認
められる。
塊状重合触媒の例には、下式 〔R2 4N〕(2y-6x)MxOy (IV) および 〔R3 3NH〕(2y-6x)MxOy (V) (式中、Oは酸素であり、Mはモリブデンまたはタング
ステンであり、xおよびyは原子価をモリブデンについ
ては+6、タングステンについては+6および酸素につ
いては−2とした場合の分子中のタングステン/モリブ
デンと酸素原子との数であり、R2とR3基は同じまたは異
なり、水素、1〜20個の炭素原子を有するアルキルおよ
びアルキレン基および5〜16個の炭素原子を有するシク
ロ脂肪族基から選択される)を有する有機アンモニウム
モリブデン酸塩およびタングステン酸塩がある。R2とR3
基との総てが水素となることは出来ずまた炭化水素およ
びほとんどの有機溶媒に本質的に不溶性の分子を生じる
程炭素原子の数が少なくなることもできない。有機アン
モニウムモリブデン酸塩およびタングステン酸塩の更に
詳細な説明は、本発明と同じ譲受人に付与された米国特
許第4,426,502号明細書に見られるが、詳細は上記特許
明細書を参照されたい。好適な有機アンモニウムモリブ
デン酸塩およびタングステン酸塩の具体例にはトリドデ
シルアンモニウムモリブデートおよびタングステート、
メチルトリカプリルアンモニウムモリブデートおよびタ
ングステート、トリ(トリデシル)アンモニウムモリブ
デートおよびタングステート、およびトリオクチルアン
モニウムモリブデートおよびタングステートがある。
シクロオレフィンモノマー内にこれらの塊状重合触媒
または共触媒が存在しても、これらが分解し且つ異性
化、重合またはその他の望ましくない反応を生じないな
らば、高分子量シクロオレフィンモノマーを提供する本
発明の目的を妨げないようにすべきである。触媒または
共触媒の量は、一般的には引き続く塊状重合反応と所望
な生成物必要によって決まる。
塊状重合に用いられる共触媒の例は、式(R4O)aR5 bA
lXcを有するアリールオキシアルキルアルミニウムハロ
ゲン化物およびアルコキシアルキルアルミニウムハロゲ
ン化物であり、但し、R4は約1〜18個、好ましくは2〜
4個の炭素原子を有するアルキル若しくはフェニル基で
あり、R5は1〜18個、好ましくは2〜4個の炭素原子を
有するアルキル基であり、Xは塩素、ヨウ素、臭素およ
びフッ素、好ましくは塩素およびヨウ素から選択される
ハロゲンであり、「a」はアルコキシまたはアリールオ
キシ基の当量数であり、約0.5〜約2.5、好ましくは約1
〜約1.75まで変化することができ、「b」はアルキル基
の当量数であり、約0.25の最小値から約2の最大値ま
で、好ましくは約0.5から約1まで変化することがで
き、「c」はハロゲンの当量数であり、約0.5の最小値
から約2の最大値まで、好ましくは約0.75から約1.25ま
で変化することができ、aとbとcとの和は3.0に等し
くなければならない。
塊状重合のために、モリブデン酸もしくはタングステ
ン酸またはそれらの混合物は一般に合計シクロオレフィ
ンモノマー1モルあたりモリブデンもしくはタングステ
ン約0.01〜50ミリモル、好ましくは0.1〜10ミリモル使
用する。モリブデン酸及び/またはタングステン酸有機
アンモニウムに対するアルキルアルミニウムハライドの
モル比は臨界的でなく、モリブデンもしくはタングステ
ンに対するアルミニウムの比で約200:1〜約1:10の範
囲、好ましくは10:1〜2:1とすることができる。
高分子量シクロオレフィンモノマーを提供する本発明
の目的を損わない限り、常用の添加剤をシクロオレフィ
ンモノマー中に包含させることができる。これらの常用
の添加剤はエチル(Ethyl)330、ヒンダードフェノール
抗酸化剤等の抗酸化剤;Shell Chemical社によって提供
されるKraton系(一般にスチレン−ブタジエン−スチレ
ンブロックコポリマーである)等の耐衝撃性改良剤;酸
化アンチモン及び有機ハライド〔デカブロモジフェニル
エーテル〕等の難燃剤;ガラスもしくは炭素繊維等の充
填材;二酸化チタン等の顔料;等を包含する。存在させ
る各添加剤の量は仕上げた重合ポリマーに目的とする添
加剤効果を与える量であることが好ましい。
重合供給原料として使用するのに適当な純度の1以上
のシクロオレフィンモノマーの1容量を得たら、これ
を、これらのモノマーの一部を解離させて、解離産物と
そこにある成分とを反応させるに十分高い温度に加熱す
る。シクロオレフィンモノマーの触媒によってシクロペ
ンタジエン単位が生じ、これが残りのシクロオレフィン
モノマー上のノルボルネン構造と反応するものと考えら
れる。解離産物はその1容量のシクロオレフィンモノマ
ー中の他の成分とも反応する。これは、もしあってもは
るかに少ない程度に、常用の添加剤、すなわち難燃剤、
耐衝撃性改良剤等(これらは重合供給原料を提供する1
容量のシクロオレフィンモノマー中に包含される)を包
含することができる。
1容量のジシクロペンタジエンモノマーについての使
用に好ましい温度範囲は130〜200℃である。もっとも好
ましくは、ジシクロペンタジエンモノマーの温度は約14
0〜175℃である。
該容量のシクロオレフィンモノマーは高めた温度で少
なくとも約0.25時間、好ましくは約1〜24時間維持す
る。解離及び反応の程度は用いた時間及び温度によって
変わる。高温にするほど解離は急激になり、供給原料中
のより高い分子量のシクロオレフィンモノマーの割合を
増加させる加熱時間が短くなる。
解離の程度は温度または高温への暴露時間をコントロ
ールすることによってコントロールできる。極端な場合
にはもとのシクロオレフィンモノマーの95%もが解離
し、解離産物が反応して新規種を生成することができ
る。もとのシクロオレフィンモノマーの約5〜50重量%
を解離し、反応させることは、好ましい範囲の温度で比
較的短時間保持することによって全く容易に行うことが
できる。
ジシクロペンタジエンをシクロオレフィンモノマーと
して用いる場合にはより高い分子量のシクロオレフィン
モノマー生成物は減少する濃度でトリシクロペンタジエ
ン、テトラシクロペンタジエン、ペンタシクロペンタジ
エン等を含む。ジシクロペンタジエンを出発原料とし、
加熱時間を12時間より少なくする場合にはペンタシクロ
ペンタジエンを越える重合度を有する樹脂状のシクロオ
レフィンモノマーも予想されるが、低濃度のため検出困
難である。
エチリデンノルボルネンはジシクロペンタジエンとの
共重合反応に用いるふつうのコモノマーであり、ジシク
ロペンタジエン液体を室温に維持するのを助ける。存在
する場合エチリデンノルボルネンは解離し及び/または
解離産物と反応してより高分子量のシクロオレフィンモ
ノマーを生ずる。エチリデンノルボルネンからの典型的
産物はエチリデンテトラシクロドデセン、エチリデンヘ
キサシクロヘプタデセン等を包含する。加熱時間が12時
間より短い場合には存在する量が少ないのでエチリデン
ヘキサシクロヘプタデセンを越えるエチリデンノルボル
ネン同族体は検出困難である。
該容量のシクロオレフィンモノマー中に存在する普通
のα−オレフィンはスチレンであって、ジシクロペンタ
ジエンを含有する重合供給原料中にフェニルノルボルネ
ン、フェニル−テトラシクロドデセン、フェニル−ヘキ
サシクロヘプタデセン等を生成する。
すべての生成物がもとのシクロオレフィンモノマーよ
り高い分子量のものである訳ではない。モノシクロオレ
フィン及び非環式α−オレフィンが存在する場合、シク
ロペンタジエンの反応によって新規なシクロオレフィン
モノマー種が生成する。これらのモノマーは、シクロペ
ンタジエンの反応を続けることができるなら結果として
出発物質より高い分子量を達成できるであろう。例え
ば、重合供給原料中にジシクロペンタジエンと共に1,4
−ブタジエンが存在するならば、ジシクロペンタジエン
より低い分子量のビニルノルボルネンが生成するであろ
う。このビニルノルボルネンは反応を続けてジシクロペ
ンタジエンより高い分子量のビニル−テトラシクロドデ
セン、ビニル−ヘキサシクロヘプタデセン等を生成する
であろう。
本発明方法によって得られる供給原料はもとの出発物
質より高い分子量のシクロオレフィンモノマーを含有す
る。かかる供給原料はより高い熱変形温度及びより高い
ガラス転移温度を有するポリマーを提供するであろう。
本発明によって提供される供給原料は溶液もしくは塊状
法での開環重合のために用いることができる。典型的な
塊状重合は反応射出成形(RIM)、樹脂トランスファー
成形(RTM)及び液体射出成形(liquid injection mold
ing)(LIM)技術を包含する。
本発明はまた開環重合生成物を生成するための方法を
提供する。これらの方法は重合に適した純度の、1容量
の1以上のシクロオレフィンモノマーを提供し、これを
加熱して、一部解離させ、解離産物を反応させてより高
い分子量のシクロオレフィンモノマーを生成させる工程
を包含する。早い時期でのポリマー生成を防ぐため、加
熱は重合触媒および助触媒の不存在下に行うことが重要
である。
本発明の重合法には塊状重合法が含まれ、そこではシ
クロオレフィンモノマーの加熱と、それに続く塊状重合
触媒及び塊状重合助触媒の添加によって反応性液混合物
が得られる。別法として、加熱したシクロオレフィンモ
ノマーから、重合触媒を含有するものと、助触媒を含有
するものとの2つの別の液混合物を調製することができ
る。加熱したシクロオレフィンモノマーは好ましくは触
媒及び/または助触媒を添加する前に冷却する。
反応性液混合物が生成したら、開環重合を開始させる
に十分高い温度に維持した型に装入する。触媒と助触媒
が別々の液混合物中に存在する場合には、これらを混合
してから型に装入する。これらの別々の液混合物の混合
は前もって十分に行うか、または別々の液混合物の型へ
の装入と同時に行う。加熱したシクロオレフィンは、液
混合物または反応性液混合物を生成させるために触媒お
よび/または助触媒を加える際、シクロオレフィンモノ
マーを解離させるに必要な温度となっていてはならな
い。
適当な触媒は前述のモリブデン酸アンモニウム及びタ
ングステン酸アンモニウムであり、適当な助触媒は塊状
重合に適当とされるアルキルアルミニウムハライドであ
る。適当な成型温度は25〜150℃である。塊状重合の結
果得られるポリマーはその中で反応が起こる型の形とな
る。これらの生成物は意図された用途に本質的に適合す
る形状をしている。すなわち生成物は器具ケース、自動
車フェンダーまたは多くの工業上もしくは自動車用途の
1つの形になっている。
本発明の重合方法は溶液技術による開環重合生成物の
製造方法を包含する。これらの方法はシクロオレフィン
モノマーの分子量を増加させる方法に関し上述した調製
及び加熱工程を包含する。目的とする分子量の増加が得
られたら、加熱したシクロオレフィンモノマー、開環重
合触媒及び1以上の有機溶媒を含有する溶液を生成させ
る。塊状重合法の場合と同様、触媒系を添加する際、加
熱した容量のシクロオレフィンモノマーは、シクロオレ
フィンモノマーを解離し、反応してモノマー溶液を生成
するに必要な温度となっていてはならない。該容量のシ
クロオレフィンモノマーは触媒、助触媒及び溶媒の添加
に先立って冷却することができる。溶液法に適当な開環
重合触媒は上述のモリブデン及びタングステン塩を包含
し、適当な助触媒は上述のアルコキシアルキルアルミニ
ウムハライド、アルキルアルミニウムハライド及びアリ
ールアルミニウムハライドを包含する。
溶液重合に適当な溶媒は炭素数4〜10の脂肪族及び脂
環式炭化水素、例えばシクロヘキサン、シクロオクタン
等;炭素数6〜14で液状のもしくは容易に液化される芳
香族炭化水素溶媒、例えばベンゼン、トルエン、キシレ
ン等;及び置換基が不活性である置換炭化水素、例えば
ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジク
ロロベンゼン等を包含する。
溶液重合供給原料への触媒の添加は溶媒の使用によっ
て助けることができる。モリブデン及びタングステン塩
について好ましい溶媒は少なくとも1つの、飽和のカル
ボン酸もしくはジカルボン酸のアルキルエステルを包含
する。適当な、飽和カルボン酸もしくはジカルボン酸ア
ルキルエステルは典型的には2〜5の炭素原子及び0も
しくは1の臭素もしくは塩素原子を含み、ギ酸メチル、
ギ酸エチル、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、ク
ロロギ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプ
ロピル、酢酸n−プロピル、ブロモ酢酸メチル、ブロモ
酢酸エチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸メチル
等が例示される。酢酸エチルを用いて優れた結果が得ら
れる。上述のエステル溶媒と組み合わせて補助溶媒を用
いることができることが注記される。
反応溶液が得られたら、これを開環重合を開始させる
に十分高い温度に加熱する。一般に開環重合温度は約10
〜約100℃で行うが、一般には約25〜45℃で特に良好に
進行する。この重合はエタノール等のアルコール、ジエ
チルアミン、アルカノアミン等のアミン、または酢酸等
のカルボン酸、等を添加して短時間で停止させることが
できる。
溶液重合の結果、生成したポリマーはアルコール(例
えばメタノール、エタノール、イソプロパノール)を用
いる凝固及び沈殿化、スチームもしくは熱水ストリッピ
ング等の公知の方法によって単離することができる。ポ
リマーを回収し、さらに水またはアルコールで洗浄し、
乾燥することができる。
触媒成分とシクロオレフィンモノマーの混合は窒素等
の不活性雰囲気中、空気もしくは水の実質的不存在下に
行うのが好ましい。重合はバッチ式でまたは連続操作で
行うことができ、反応温度により要求される圧力でモノ
マー及び溶媒を液状に保つのに十分な圧力下に行う。選
ばれた特定のエステル溶媒系は用いる反応条件下に液状
でなければならない。
溶液もしくは塊状重合反応において重合活性化剤を用
いることができる。重合活性化剤の例は水、メタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルア
ルコール、フェノール、メチルメルカプタン、2−クロ
ロエタノール、1,3−ジクロロプロパノール、p−ブロ
モフェノール、エピクロロヒドリン、エチレンオキサイ
ド、シクロペンテン−2−ヒドロパーオキシド、クミル
−ヒドロパーオキシド(cumyl−hydroperoxide)、ター
シャリ−ブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシ
ド、及び空気もしくは酸素を包含する。優れた活性化は
活性化剤として空気、パーオキシドまたはヒドロパーオ
キシドを用いて、特にベンゾイルパーオキシド等の有機
パーオキシドを用いて得られる。この活性化剤は有機ア
ルミニウム化合物モルあたり約3モルより少ない、好ま
しくは1モルより少ない量使用するのが好ましい。
本発明は塊状重合または溶液重合によって生産される
コポリマーを含有する組成物を包含する。特に興味深い
ものは種々のシクロオレフィンモノマーを含有する開環
重合ポリマーである。例えば、約75重量%のジシクロペ
ンタジエン、約20重量%のシクロペンタジエントリマー
及び約2%の他の「高分子量」モノマーを含有するポリ
マーが、一般に180℃を越えるガラス転移点を示すとい
うことから特に興味深い。これはジシクロペンタジエン
ホモポリマーのガラス転移点(160℃)より有意に高
い。本発明のポリマーは典型的には、可溶性である場
合、約0.2〜約10、より一般的には約0.3〜約2の希釈溶
液粘度(DSV)を有する高分子量生成物である。希釈溶
液粘度は以下の式を用いて得られる値を意味する: DSV=λn(t/to)/c 式中、toはトルエン流れ時間(flow time)、tはトル
エン中のポリマー溶液の流れ時間(両者ともオストワル
ドーフェンスキー粘度計を用いてトルエン中25℃で測
定)、cはポリマー溶液の濃度(25℃での、トルエンdl
あたりのポリマーのg)である。DSVは分子量の目安と
され、dl/gで表示される。
本発明の溶液重合法によって得られるコポリマー生成
物は耐衝撃性改良剤、抗酸化剤、難燃剤、顔料等とブレ
ンドすることができる。塊状重合によって得られるもの
は一般に最終形態であり、添加剤は重合前に導入せねば
ならない。
本発明方法により得られる組成物は、シクロオレフィ
ン単量体類から導かれる開環重合せる重合体からなる組
成物であって、この単量体類の一部は次式IおよびIIか
らなる群から選ばれた式で表される一種または二種以上
の樹脂状シクロオレフィン単量体である。
上式において、 (a)式I中のnは、1〜10であって、開環重合せる重
合体中の式Iで表される樹脂状シクロオレフィン単量体
単位全体のnの平均値は1より大であり、 (b)式II中のmおよびm′はいずれも1〜9であっ
て、両者は同一であっても相違してもよく、いずれの樹
脂状シクロオレフィン単量体においても(m+m′)は
10未満であり、開環重合せる重合体中の式IIで表される
樹脂状単量体単位全体の(m+m′)の平均値は2より
大きく、 (c)式Iにおいて、nが2またはそれ以上の場合、式
I中のAおよびBは (i)同一であっても相違してもよく、両者は水素、ハ
ロゲン、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のア
ルキレン基、未置換または置換基を有する炭素数6〜20
のアリール基、および未置換または置換基を有する炭素
数6〜20の飽和または不飽和シクロアルキル基から選ば
れるか、または (ii)AとBおよびこれらが結合せる2つの環炭素原子
とが一体となって、炭素数4〜12の不飽和、飽和または
不飽和/飽和環状構造を有する環状基を構成し(例え
ば、式Iの化合物は式IIIで表される)、 (d)式Iにおいて、nが1の場合、AとBおよびこれ
らが結合せる2つの環炭素原子とが一体となって、炭素
数4〜12の不飽和、飽和または不飽和/飽和環状構造を
有する環状基を構成する。
樹脂状シクロオレフィン単量体は、デイールス・アル
ダー反応によるシクロペンタジエンのプレポリマー化に
より得ることができる。このような反応は触媒なしに進
行でき、熱の適用により促進される。また、所定容量の
ジシクロペンタジエンの加熱はプレポリマー化を与え、
樹脂状シクロオレフィン単量体を生成する。このような
樹脂の生成を表1に示す。
開環重合せる重合体中に混入される樹脂状シクロオレ
フィン単量体の量は該重合体中の合計重量を基準として
少くとも約5重量%である。5重量%を越える量がガラ
ス転移温度の著しい上昇を与えるのに望ましい。これら
の樹脂状単量体の単独重合体、特に式I(式中、nは2
〜5である)の単独重合体が含まれ、それ故重合体を生
成するのに使用される樹脂状シクロオレフィン単量体の
量は合計のシクロオレフィン単量体に対し100重量%位
に高くてもよい。合計シクロオレフィン単量体に対し50
重量%を越えるときは、溶液重合により製造する場合に
架橋により加工性に劣る重合体を与え得る。反応射出成
形による塊状重合に関して、重合は所望の生成物の形状
の型中で起こり、それ故架橋はそれが起こる時に何ら問
題を生じない。
シクロペンタジエン三量体、四量体及び五量体であ
る。
樹脂状シクロオレフィン単量体の混合物が得られる。
プレポリマー化はシクロペンタジエン三量体(n=1)
を越える重合度をもつシクロオレフィン単量体を得るよ
うに制御し得る。一般に、使用される温度が高い程、加
熱時間が長くなり重合度が大きくなる。このようなシク
ロペンタジエン及びジシクロペンタジエンのプレポリマ
ー化は上記の式II及び式IIIの構成を生じる。式IIの構
造は少なくとも三つのシクロペンタジエン基を含み鎖生
長がこの構造のいずれかの末端で続いてもよく、あるい
は両末端で続いてもよい。シクロペンタジエンから得ら
れる式IIの構造に関して、鎖生長は分子中のノルボルネ
ン基で起こる。式IIIに一致する構造の形成は式IIに一
致する構造の形成よりも速く起こり、優勢な生成物は式
IIIに一致する。
選択されたオレフィンとの反応を可能にして式Iに一
致する残存の樹脂状シクロオレフィン単量体を与えるの
はシクロペンタジエン構造である。これらの選択された
オレフィンはデイールス・アルダー反応により反応して
追加の環構造を形成する。A及びBの範囲内の基の幾つ
かの同定はシクロペンタジエン環と反応するのに選択さ
れるオレフィンにより決定される。例えば、オレフィン
がエチレンである場合には、A及びBは共に水素であ
り、オレフィンがスチレンである場合には、Aは水素で
あり、Bはフェニルである。その他の通常のオレフィン
はブテン、プロピレン、ブタジエン、ペンテン−1、ビ
ニルシクロヘキセン及びイソペンテンである。これらの
オレフィンはプレポリマー化の前、後またはその間のい
ずれかでシクロペンタジエンと反応させられてもよい。
オレフィンはプレポリマー化する過程でシクロペンタジ
エンと反応するように液状であることが好ましい。これ
はオレフィンをジシクロペンタジエンとシクロペンタジ
エンとの混合物に添加し、該混合物を加熱することによ
り達成し得る。シクロペンタジエンとジシクロペンタジ
エンとの混合物とオレフィンとのプレポリマー化の一例
を表2に示す。表2に示された試料中に使用されたオレ
フィンはスチレンである。初期の組成はシクロペンタジ
エンを含まなかった。加熱によるジシクロペンタジエン
の解離がシクロペンタジエンを与える。
表2に示すプレポリマー化について、スチレン含量が
少ない場合には主生成物はシクロペンタジエン三量体で
ある。しかしながら、スチレン含量が増加すると反応混
合物(スチリル−TD、スチリル−HH)の一部がスチレン
との反応により得られ実質的に増加する。スチリル−TD
(フェニルテトラシクロドデセン)は本明細書に特定さ
れるような樹脂状単量体ではないことに留意されたい。
樹脂状及び非樹脂状の両者のシクロオレフィン単量体
の混合物が所望により使用し得る。共重合体中に混入さ
れるシクロオレフィン単量体の比率は反応混合物中のシ
クロオレフィン単量体の比率に近似する。それ故、テト
ラシクロドデセン対5−メチル−2−ノルボルネンの2
対1の比率が類似する比率の単量体単位を有する重合体
を与える。
また非共役の非環式オレフィン、モノシクロオレフィ
ン及びモノシクロオレフィンが本発明に使用される樹脂
状のシクロオレフィン単量体と共重合されてもよい。非
共役非環式オレフィン中で、少くとも一つの末端二重結
合の炭素原子を有し2〜12個の炭素原子を含有するもの
が好適である。これらは1−オレフィン即ちα−オレフ
ィンである。これらの非共役非環式オレフィンは2〜8
個の炭素原子を含むことが好ましい。これらの非共役非
環式オレフィンは分子量改質剤または溶液重合体の希釈
剤として作用することが知られている。この鎖停止反応
はそれらが共重合体の加工性を向上することができる。
容易に加工し得るという用語は混練可能であることを意
味し、さもなくば適当な加熱により容易に熱可塑性であ
ることを意味する。好適な非共役非環式モノオレフィン
の例は1−ブテン及びヘキセン−1、3−メチル−1−
ブテン、4−メチル−2−ペンテン、5−エチル−3−
オクテン、2−ペンテン等を含む。1−オレフィンが好
ましい。非共役ジオレフィンの中で、1,6−ヘキサジエ
ンが好ましくトリオレフィンの中で、1,4,7−オクタト
リエンが好ましい。好ましい非共役非環式モノオレフィ
ンは1−ブテン及び1−ヘキセンを含む。非共役非環式
モノオレフィンは典型的には約0.0001:1〜約0.5:1、好
ましくは約0.01:1〜0.3:1の非環式オレフィン対環式オ
レフィンのモル比で使用される。
溶液中でつくられる重合体生成物、二元重合体生成
物、三元共重合体生成物及び四元共重合体生成物に関し
て、非環式オレフィン単量体の混入が通常必要とされ
る。何故ならば反応生成物は通常混練、押出等の追加の
処理工程を必要とするからである。非環式オレフィン単
量体が重合生成物を加工可能な分子量に調節するのに使
用される。
RIM(反応射出成形)、RTM(試薬トランスファー成
形)及びLIM(液体射出成形)等のような塊状重合法に
関して、非環式オレフィンの混入は必要とされず、所望
されないことすらあり得る。何故ならば非環式オレフィ
ンは通常生成物中に全く混入されず、しかも可塑剤とし
て作用することにより重合生成物の性質に悪影響を及ぼ
すかあるいは生成物の表面に望ましくない程移行(浸
出)するからである。またこれらの混入されない非環式
オレフィンは生成重合体のガラス転移温度を低下し、か
くして熱変形温度を低下する。
モノシクロモノオレフィンの中で、4〜8個の炭素を
含むものが好適である。その例はシクロブテン、シクロ
ペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロド
デセン、シクロデセン等を含む。モノシクロジオレフィ
ンの中で、シクロペンタジエン、シクロドデカジエン及
び1,5−シクロオクタデセンが好適である。開環重合共
重合体を得るのに使用される合計シクロオレフィン単量
体に対してこれらの単環式オレフィンを約20重量%に制
限することが好ましい。このような単環式オレフィンの
使用は、共重合体中のシクロオレフィン単量体の大半が
二環式単量体及びそれ以上の多環式単量体である場合に
得られる共重合体のガラス転移温度を低下する。
得られる重合体の共重合体の構造の正確な性質な充分
理解されていないが、下記の式VIIIに示される1,3−シ
クロペンタンビニレン反覆構造を得るためにノルボルネ
ン基により重合される線状の不飽和共重合体であるもの
と思われる。ここでC4及びC5炭素原子はA′及びB′と
して表わされる、使用されたシクロオレフィン単量体の
残存置換基に結合される。A′及びB′がジシクロペン
タジエンをもつような環式オレフィンである場合には、
分岐または架橋が起こることがある。ペンダント不飽和
のその他の型が分岐及び架橋を導き得る。
本発明の共重合体は溶液法または塊状重合法のいずれ
かにより調製し得る。溶液法により共重合体を調製する
のに好ましい触媒は(1)モリブデンまたはタングステ
ンの塩及び(2)ジアルキルアルミニウムヨージドのよ
うなジアルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミ
ニウムジハライドまたはアルキルアルコキシハライドま
たはトリアルキルアルミニウム化合物とヨウ素源との混
合物を含む。
有用なモリブデン塩及びタングステン塩の例は、塩化
物、臭化物、ヨウ化物及びフッ化物の如きハロゲン化物
を含む。このようなハロゲン化物の特別な例は五塩化モ
リブデン、六塩化モリブデン、五臭化モリブデン、六臭
化モリブデン、五ヨウ化モリブデン、六フッ化モリブデ
ン、六塩化タングステン、六フッ化タングステン等を含
む。その他の代表的な塩はアセチルアセトネート塩、硫
酸塩、リン酸塩、硝酸塩等を含む。またこれらの塩の混
合物も使用し得る。一層好ましい塩はハロゲン化モリブ
デン、特に五塩化モリブデンである。MoCl5を用いて優
れた結果が得られた。
モリブデン塩またはタングステン塩と組合せて使用さ
れる好ましいアルキルアルミニウム化合物はジアルキル
アルミニウムヨージド、アルキルアルミニウムジヨージ
ド、またはトリアルキルアルミニウム化合物とヨウ素源
との混合物であってもよい。各アルキル基は2〜約12個
の炭素原子、好ましくは2〜約4個の炭素原子を含んで
もよい。このような化合物の具体例はジエチルアルミニ
ウムヨージド、エルチアルミニウムジヨージド、プロピ
ルアルミニウムジヨージド及びエチルプロピルアルミニ
ウムヨージドを含む。またトリアルキルアルミニウム化
合物と元素状ヨウ素のようなヨウ素源との混合物も使用
でき、ここでアルキル基は上記で特定されるとおりであ
り、例えばトリエチルアルミニウムと元素状ヨウ素との
混合物が挙げられる。その他のヨウ素源は二ヨウ化メチ
レン、ヨウ化カリウム、四ヨウ化チタン等を含む。ジエ
チルアルミニウムヨージドを用いて優れた結果が得られ
る。
モリブデン塩またはタングステン塩は一般に合計モノ
マー当り約0.01〜約50ミリモル、好ましくは合計モノマ
ー当り約0.5〜約10ミリモルの濃度で使用される。上記
の有機アルミニウム化合物は、約10/1〜約1/3、好まし
くは約5/1〜約3/1の有機アルミニウム化合物対モリブデ
ン及び/またはタングステン塩(1種以上の塩)のモル
比で使用される。元素状ヨウ素が使用される場合には典
型的には有機アルミニウム化合物1モル当り約0.1〜約1
0モルのヨウ素の範囲で使用される。その他のヨウ素源
が使用される時、触媒中の元素状ヨウ素の上記の濃度を
得るのに充分なヨウ素源が混入される。
好ましい態様に於いて、モリブデンまたはタングステ
ンの塩は重合混合物に混入する前に溶媒中に溶解され
る。モリブデンまたはタングステンの塩の溶媒の不在下
では、塩の不溶性部分の存在により重合が若干進行し難
くなる。モリブデンまたはタングステンの塩の好ましい
溶媒は飽和のカルボン酸またはジカルボン酸の少くとも
一種のアルキルエステルを含む。エステル溶媒の使用
は、モリブデンまたはタングステンの塩の単量体混合物
への添加後約1分〜約5分の短かい誘導期間を生じるこ
とがわかった。このような誘導期間は実質的な重合が開
始する前に反応混合物の全成分の添加を可能にする。結
果は、一層一様なプロセス制御であり、反応溶液から一
層容易に回収される、最終的に実質的にゲルを含まない
重合体であり、ゲル化重合体よりも一層容易に加工し得
る。
飽和のカルボン酸またはジカルボン酸の好適なアルキ
ルエステルは典型的には2〜5個の炭素原子及び0〜1
個の臭素原子または塩素原子を含み、ギ酸メチル、ギ酸
エチル、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロ
ギ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピ
ル、酢酸n−プロピル、ブロモ酢酸メチル、ブロモ酢酸
エチル、クロロ酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロ
ピオン酸エチル、2−ブロモプロピオン酸エチル、3−
ブロモプロピオン酸エチル、2−クロロプロピオン酸メ
チル、マロン酸ジメチル等が挙げられる。酢酸エチルを
用いて優れた結果が得られた。
上記エステル溶剤は少くとも一種の不活性溶剤と併用
することができる。併用する溶剤の使用量は触媒溶剤の
合計重量に基づき0〜約90重量%である。追加の溶剤を
さらに重合中に利用することができる。この追加の溶剤
の量は通常触媒溶剤合計重量に基づき約500倍以下、好
ましくは約150倍以下である。適当な不活性溶剤の具体
例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、シクロヘキサン、シクロオクタン等の炭素数約4〜
10の脂肪族または脂環式炭化水素溶剤;ベンゼン、トル
エン、ナフタレン等の液状または容易に液化し得る炭素
数約5〜14の芳香族炭化水素溶剤;ならびにジクロロメ
タン、クロロホルム、クロロベンゼン等の不活性置換基
をもつ炭化水素が挙げられる。中でもベンゼンとトルエ
ンは最良である。
重合活性剤を用いてもよいが一般には不要である。活
性剤の例としては、水、メタノール、エタノール、イソ
プロピルアルコール、ベンジルアルコール、フェノー
ル、エチルメルカプタン、2−クロロエタノール、1,3
−ジクロロプロパノール、p−ブロモフェノール、エピ
クロロヒドリン、エチレンオキサイド、シクロペンテン
−2−ハイドロパーオキサイド、キュミルハイドロパー
オキサイド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイ
ド、ベンゾイルパーオキサイドおよび空気もしくは酸素
が挙げられる。空気またはパーオキサイドもしくはハイ
ドロパーオキサイド、とくにベンゾイルパーオキサイド
のような有機パーオキサイドは優れた活性剤である。
活性剤は有機アルミニウム化合物モル当り約0〜約3
モルの範囲で用いられ、より好ましくはモル当り極く微
量から約1モルの範囲で用いられる。活性剤は装入過程
の如何なる時に加えてもよいが、最後に加えることが好
ましい。
塊状重合においては、触媒として米国特許第4,426,50
2号に記載される有機アンモニウムモリブデートおよび
タングステートを用いることが好ましい。塊状重合にお
いて好ましい助触媒は、上記米国特許に記載されるアル
キルアルミニウムおよびアルキルアルコキシアルミニウ
ムである。この特許のアルキルアルミニウムハライドお
よびアルキルアルコキシアルミニウムハライド助触媒と
有機アンモニウムモリブデートとタングステートの記載
をここに引用する。
塊状重合のためには、触媒を一般にモノマーの一部分
と予備混合するかまたは若干の溶媒と添加してモノマー
中への分散を促進させる。酸化防止剤をしばしば加えて
分解を防止し、そして好ましくはモノマーを窒素下に維
持する。塊状反応は代表的には約50℃〜約150℃の温度
範囲で進行する。反応射出成形(RIM)は、重合させる
のに充分高い温度でモノマーを型内に注入する塊状重合
の普通の形態である。しばしば、モノマーを2つの供給
流に分ける。一方は触媒を含有するものであり、他方は
共触媒を含有するものである。両供給流を混合し、そし
て型へ移す。塊状重合にはモノマー用の溶媒を使用せ
ず、モノマーを用いて触媒および共触媒、更には溶液中
に存在させることが望ましい他の添加剤例えば耐衝撃性
改良剤及び酸化防止剤を溶解する。分子量調整剤も必要
ではない。触媒/モノマー溶液と共触媒/モノマー溶液
とは、それら2つの反応性溶液を型内に注入又は移すと
きまでは、分離しておくことが重要である。
重合開始前に型への充填及びガラスマット含浸を可能
にする必要がある場合には、成分を反応成分のいずれか
に加えて反応を遅くすることができる。反応成分を充分
に混合することが必要である。反応成分が酸素及び水分
に感受性であることがある。その場合には、これらの成
分(水分及び空気)を工程から排除する。充填剤、強化
用材料及び難燃剤を反応性液体のいずれか又は両方に溶
解又は分散させることができるが、それらを均一な分散
状態に維持するための用意が必要であり、それら添加剤
が触媒又は共触媒の活性に悪影響を与えないようにそれ
ら添加剤を選択しそして処理することが必要である。
溶液重合では、装入操作の任意の段階でモノマーを添
加することができる。好ましい装入操作は以下のとおり
である。モノマーと溶媒とを最初に反応容器に加える。
これらの成分は別々に又は混合物として加えることがで
きる。次に、沃化アルキルアルミニウム化合物又はトリ
アルキルアルミニウム化合物と沃素源との混合物を、通
常は前記の共溶媒例えばベンゼン又はトルエン中の溶液
として加える。続いて、モリブデン塩又はタングステン
塩を前記のエステル溶媒と共溶媒との混合物中の溶液と
して加え、更に活性剤(使用する場合)を加える。
モリブデン又はタングステン化合物を加える前に、モ
ノマーの不純物例えば水(活性剤として用いるのに適し
た量よりも多い量)を除去する。沃化アルキルアルミニ
ウム化合物又はトリアルキルアルミニウム化合物と沃素
源との混合物を用いてモノマー又はモノマーと溶媒との
滴定を、ピンク色から無色又は薄い黄色への色変化が認
められるまで行うことができる。次に触媒有効量のアル
キルアルミニウム化合物と沃素源とを加え、更にモリブ
デン又はタングステン化合物を加えることができる。滴
定の終点の位置を文字通り正確に指示することは一般に
困難である。少量の不純物が存在する場合に、触媒有効
量の10倍及びそれ以上の沃化アルキルアルミニウム又は
トリアルキルアルミニウム化合物と沃素源との混合物に
よって不純物を無害化することができる。
触媒成分の混合及び重合は不活性雰囲気例えば窒素内
で、そして空気又は水の実質的な不在下で実施するのが
好ましい。重合は、バッチ法又は連続操作で実施するこ
とができる。重合は、モノマー及び溶媒を液相に維持す
るのに充分な圧力下で実施する。必要な圧力は反応温度
に依存する。選択する具体的な溶媒系は、使用する反応
条件下で液体であることが必要である。反応器中の反応
混合物は、各種反応体の添加の開始時点又は添加中の任
意の時点で重合温度へ冷却又は加熱することができる。
一般には重合温度として約10℃〜約100℃を用いること
ができるが、約25℃〜40℃において反応が一般に特に有
効に進行する。重合の停止は、アルコール例えばエタノ
ール、アミン例えばジエチルアミン、アルカノールアミ
ン例えばエタノールアミン又はカルボン酸例えば酢酸を
加えることによって行うことができる。
重合の終了後に、コポリマーの単離は、当業界に公知
の任意の方法、例えば、減圧下での直接乾燥、アルコー
ル例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール等
を用いる凝固及び沈殿、あるいはスチーム又は熱水スト
リッピングによって行うことができる。ポリマーを回収
する。そして更に水又はアルコールで洗い、続いて乾燥
することができる。
本発明の方法により得られるコポリマーは高分子量生
成物であり、代表的には希薄溶液粘度(DSV)約0.2〜約
0.4、より一般的には約0.4〜約2.0をもつ。希薄溶液粘
度とは、式 DSV=λn(t/to)/c 〔式中、toはトルエン流れ時間であり、tはトルエン中
のポリマー溶液の流れ時間であり、そしてこれらはどち
らもOstwald−Fenske粘度計を用いてトルエン中で25℃
で測定したものであるものとし、そしてcはポリマー溶
液の濃度(25℃においてトルエン1dl当たりのポリマー
のg数で測定)である〕 を用いて得られる値を意味する。この場合に、cはトル
エン1dl当りポリマー0.25gであった。
DSVは分子量の尺度と考えられ、dl/gの単位で報告さ
れる。
前記のとおり、樹脂状のシクロオレフィンモノマーは
高いガラス転移温度効果を提供し、その寄与はモル基準
及び重量%基準の両者においてテトラシクロドデセンよ
りも有意に大である。ノルボルネン型モノマーは、少量
の樹脂状シクロオレフィンモノマーを用いて高い熱変形
温度を達成する点で加工性を維持する。ノルボルネン型
モノマー及び樹脂状シクロオレフィンモノマーのモノマ
ー成分が生成するコポリマーは、満足することのできる
ガラス転移温度(代表的には約100℃〜約300℃)、加工
性、そして適当に配合した場合にABS、ポリカーボネー
ト及びポリフェニレンオキシド等の魅力的な代替物に前
記ポリマーをするのに充分なバランスのとれた他の性質
をもっている。前記のモノマーを塊状で重合させると、
その生成物は、剛性ポリウレタン、ポリ尿素、ポリアミ
ド及びポリエポキシ樹脂の代替物として適している。
以下、実施例によって本発明の具体的態様を説明す
る。以下に説明する態様が本発明のすべてでないことは
言うまでもない。
〔実施例〕
シクロオレフィン単量体の加熱がガラス転移温度および
衝撃強度におよぼす影響 実施例1〜9および比較例A〜F これらの例では、加熱工程において耐衝撃改良剤を含
有せしめる本発明の方法に従ってシクロオレフィンから
得られる重合体のTg値およびアイゾット衝撃強度を考察
した。実施例1〜9においてはジシクロペンタジエンを
種々の量のエチリデンノルボルネンと共にまたはエチリ
デンノルボルネンを用いずに加熱し引き続き重合した。
(注:実施例1〜3は、エチリデンノルボルネンを用い
ない参考例である。)比較例A〜Fでは熱処理をしない
シクロオレフィンとTg値およびアイゾット衝撃強度を比
較した。いくつかの実施例では加熱に先立ってシクロペ
ンタジエン中に耐衝撃改良剤を混入した。実施例1〜9
および比較例A〜Fで用いた最初の単量体組成物の詳細
を表3に示す。塊状重合により製造された重合体の衝撃
特性およびガラス転移温度を表3に示す。
比較例A 前もって105℃において少なくとも1時間乾燥し、窒
素気流中で室温に冷却した7オンス飲料ボトルに純度99
%のジシクロペンタジエン約82.1gを装入した。エチル
(Ethyl)−702抗酸化剤2gを加え、n−プロパノールを
ジシクロペンタジエン(DCPD)/5−エチリデン−2−ノ
ルボルネン(ENB)(重量比95:5)に溶解せる1M溶液2ml
を加えた。次いで、ジエチルアルミニウムクロライドを
DCPD/ENB(重量比95:5)に溶解せる0.5M溶液4mlを加
え、次いで、シリコンテトラクロライドをDCPD/ENB(重
量比95:5)に溶解せる0.25M4ml溶液を加えた。ボトルの
頭部空間を排気して気泡の発生が止まるまで10mmHgに減
圧した。式[(C12H253NH]4Mo8O26で表わされるアミ
ンモリブデートをDCPD/ENB(重量比95:5)に溶解せる0.
0125M溶液約5mlをビンに加え、急速に分散せしめた。ボ
トルをさかさにし、窒素圧を利用して液状内容物をあら
かじめ約60℃に加熱した型に移した。1.5分後には発熱
が認められ、温度は約160℃に達した。約5分経過した
後、型をあけ成型物をとり出した。重合率は約97.4%で
あった。重合率は熱重量分析(TGA)により400℃におけ
る重量損失にもとづき測定した。ガラス転移温度は差動
走査熱量法(DSC)により測定し、また熱変形温度は約2
64psiの荷重下に測定した。曲げ弾性率は1/8インチ厚の
試料について測定した。その他物性の測定条件の詳細に
ついてはそれぞれの試料について説明する。
ガラス転移温度は約160℃であった。熱変形温度は264
psiにおいて約111℃であり、1/8インチ厚試料の曲げ弾
性率は277,000psiであり、100℃のトルエン中に2時間
浸漬した後の膨潤量は109%であった。室温におけるア
イゾット衝撃強度は約1.59ft−1b/インチであった。
実施例1(参考例) 100psiスチーム加熱ジャケットを備えた5ガロンオー
トクレーブ反応器に純度99%のジシクロペンタジエン約
4ガロンを装入した。反応器中を窒素置換し、約150℃
に約6時間加熱し、次いで室温に冷却した。内容物をガ
スクロマトグラフ(GC)分析した結果、ジシクロペンタ
ジエン76.4%、およびジシクロペンタジエンに1または
2以上のシクロペンタジエン分子が付加せる分子量の高
いデイールス・アルダー付加反応生成物22.8%(ポリシ
クロペンタジエン20.8%およびテトラシクロペンタジエ
ン2.0%)であった。このあらかじめ加熱した混合物約8
1.2グラムを上記と同様な方法に従って塊状重合した。
ただし、抗酸化剤は用いず、n−プロパノール溶液1.8m
l、ジエチルアルミニウムクロライド溶液4mlおよびシリ
コンテトラクロライド溶液4mlを用いた。気泡の発生が
止まるまで減圧排気した後、アミンモリブデート溶液約
5mlを加え、分散せしめ、次いで混合物をあらかじめ約6
0℃に加熱した型中に射出した。発熱反応により温度は1
67℃に達した。
重合率は約97.6%であった。室温におけるアイゾット
衝撃強度(264psi荷重)は約1.57であり、ガラス転移温
度は約182℃であり、熱変形温度は約140℃であった。こ
れらの結果を表3に示す。
実施例2(参考例) 実施例1の方法を繰り返した。ただし、ジシクロペン
タジエンは150℃において4時間加熱したにとどめた。
結果を表1に示す。実施例1および2の重合体は比較例
Aのものと比較して高いTgおよびHDTをもつことが判明
した。
比較例B 比較例Aの方法を繰り返した。ただし、スチレン−エ
チレン−ブチレン−スチレンゴム(Kraton G−1652)2.
5重量部ジシクロペンタジエンに室温で一夜にわたって
溶解し、得られた混合物を重合した。結果を表3に示
す。
実施例3(参考例) 実施例1の方法を繰り返して塊状重合を行なった。た
だし、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム(Kraton D
−1101)約5.25重量部をジシクロペンタジエンに加え、
その後160℃で約5時間予熱した。結果を表3に示す。
加熱によってガラス転移温度に向上するが、加熱工程に
おいて耐衝撃改良剤の反応によって衝撃強度が低下す
る。
比較例CおよびD 比較例Aの方法を繰り返した。ただし、ジシクロペン
タジエンと5−エチリデン−2−ノルボルネン(重量比
85/15および90/10)を塊状重合した。結果を表3に示
す。
シクロオレフィンの加熱が重合体組成物に及ぼす影響 実施例4 この例ではシクロオレフィン単量体混合物を十分高い
温度に加熱した際の分子量増大について考察する。
ジシクロペンタジエン180gとエチリデンノルボルネン
18gの混合物をオートクレーブ中で190℃に約30分間加熱
した。生成物をガスクロマトグラフ質量分光測定(GCM
S)により分析した結果、フィードは次の組成を有して
いた。ジシクロペンタジエン=73重量%、エチリデンノ
ルボルネン5.4重量%、エチリデンテトラシクロドデセ
ン=3重量%、シクロペンタジエン三量体=16重量%、
エチリデンヘキサシクロヘプタデセン=0.25重量%、シ
クロペンタジエン四量体=1.5重量%(すべてフィード
合計重量にもとづく)。フィード単量体の分子量は実質
的に増大していた。この組成物を実施例1と同様な方法
により塊状重合して円板状試料を製造した。試料のガラ
ス転移温度は177℃(3番めの測定)であり、アイゾッ
ト衝撃強度は0.94ft−lbs/インチであった。
実施例5 実施例1の方法を繰り返した。ただし、ジシクロペン
タジエンと5−エチリデン−2−ノルボルネン(重量比
100/10)をオートクレーブ中で190℃に約60分間予熱し
た。室温まで冷却した後内容物をガスクロマトグラフィ
ーにより分析した結果ジシクロペンタジエン64.3%、5
−エチリデン−2−ノルボルネン4.6%、残り30%はこ
れらの単量体とシクロペンタジエンとの分子量の高いデ
イールス・アルダー付加反応生成物であった。実施例1
と同様に塊状重合を行なった。生成物の物性を測定した
結果を表3に示す。加熱しない比較例と比較してガラス
転移温度がかなり向上している。
比較例EおよびF 比較例Aの方法を繰り返した。ただし、ジシクロペン
タジエンと5−エチリデン−2−ノルボルネンの両者
(重量比95/5および90/10)を用い、かつクラトンG−1
652を加えて濃度2.5部のゴムを得た。結果を表3に示
す。
実施例6および7 実施例1の方法を2回繰り返した。ただし、わずかな
修正を加えて、ジシクロペンタジエンと5−エチリデン
−2−ノルボルネンとの混合物(重量比90/10)とし
た。また、実施例6の組成物にはクラトンD−1101 5.
75重量部を配合し、また実施例7の組成物にはソルプレ
ン(Solprene)−1205を5.5重量部配合した。ソルプレ
ン−1205はスチレン−ブタジエン共重合体ゴムである。
混合物は約190℃に約1時間予熱した。実施例1と同様
に塊状重合を行なった。結果を表3に示す。単量体混合
物の加熱によりガラス転移温度が向上し、衝撃強度が低
下した。
実施例8 実施例6の方法を繰り返した。ただし、クラトンD−
1101に代えてK樹脂(フィリップス・ケミカル製ブタジ
エン−スチレン共重合体)約5.6重量部を用いた。結果
を表3に示す。やはり、Tgが高く衝撃強度の低い製品が
得られた。
実施例9(参考例) 実施例3の方法を繰り返した。ただし、クラトンG−
1657約5.6重量部、スチレン−エチレン−ブチレン−ス
チレンブロック共重合体およびジシクロペンタジエン10
0部からなる混合物をオートクレーブ中で160℃に約5時
間加熱した。結果を表3に示す。Tgの高い製品が得られ
た。また、製品の衝撃強度は高かった。ゴムが飽和され
ていて単量体とシクロペンタジエンが加熱工程で反応す
る部位が存在しなかったからである。
シクロオレフィンの加熱後における耐衝撃性の改良 実施例10〜12(参考例) これらの実施例ではシクロオレフィン単量体混合物を
加熱後に耐衝撃改良剤の添加にもとづく効果を考察す
る。
各実施例において実施例1の一般的方法を繰り返し
た。それぞれの実施例においてジシクロペンタジエンを
約150℃に加熱した。実施例10ではジシクロペンタジエ
ンを約2時間加熱した。実施例11では加熱時間を4時間
とし、実施例12では加熱時間を6時間とした。シクロオ
レフィン単量体はガスクロマトグラフィーにより解離の
程度を分析し、その結果を表4に示す。各実施例におい
てシクロオレフィン単量体を加熱し、室温に冷却した後
シクロオレフィン単量体の合計重量にもとづき約5重量
%のクラトンD−1101耐衝撃改良剤を加えた。加熱した
単量体混合物は実施例1と同様の方法に従って塊状重合
を行なった。得られた成型パーツのアイゾット衝撃強
度、HDTおよびTgを測定した。その結果を表4に示す。
実施例1のデータは比較目的のために再掲したものであ
って耐衝撃剤を加えなかった場合の効果を示している。
耐衝撃改良剤を加えることによりTgのすぐれた生成物が
得られ、それらのTgは実施例1のものよりすぐれてい
た。高い衝撃強度を有する生成物が望まれる場合には加
熱後に耐衝撃改良剤を加えることが有効であることがわ
かる。
実施例13 実施例1の方法を繰り返した。ただし、ジシクロペン
タジエンと5−エチリデン−2−ノルボルネンの混合物
(重量比90/10)を190℃に30分予熱した。予熱したとき
の組成は、ジシクロペンタジエン72.5重量%、5−エチ
リデン−2−ノルボルネン5.4重量%、これらの単量体
に1または2以上のシクロペンタジエン分子が付加せる
高分子量のデイールス・アルダー付加反応生成物21.1重
量%であった。加熱後に単量体重量にもとづき約5重量
%のクラトンD−1101を加え室温で溶解した。次いで混
合物は、型に移し、実施例1と同様な方法により重合を
行なった。得られた重合生成物のアイゾット衝撃強度は
5.2ft−1b/インチであり、ガラス転移温度は182℃であ
った。これらのデータは表4に示す。通常ENBは生成物
のTgを低下せしめるが、加熱後に加えて得た生成物のTg
は高い。加熱後に所望によりエラストマーを加えること
により高い衝撃強度を維持することができる。
シクロオレフィンの加熱前および加熱後における耐衝撃
性の改良 実施例14(参考例) この例ではシクロオレフィン単量体の加熱後に耐衝撃
性改良剤を加えることにもとづく効果を考察する。
ジシクロペンタジエン単量体混合物にクラトンD−11
01耐衝撃改良剤を約5重量%加え、実施例3と同様な手
法により約160℃に約5時間予熱した。予熱後追加のク
ラトンD−1101耐衝撃改良剤の5重量%を混合物に加
え、一夜溶解した。混合物は実施例1と同様な方法によ
り重合した。得られた円板状試料のアイゾット衝撃強さ
およびガラス転移温度を測定した。それらの結果を、比
較目的のため実施例3の結果とともに表5に示す。実施
例14と実施例3との比較から、加熱後に耐衝撃性改良剤
を加えた場合には高い衝撃強度が得られること、および
加熱時にエラストマーが存在し、かつエラストマーが反
応を受容する不飽和結合を含有する場合にはエラストマ
ー特性が低下しないことがわかる。
実施例15〜19(参考例) 樹脂状単量体から導かれる重合体の熱特性 実施例15〜19では樹脂状単量体とそれから得られる重
合体の熱特性との関係について考察する。
この効果は後で示す表6のデータに示されている。こ
れらの溶液重合による重合体のガラス転移温度(Tg)
は、併用するコモノマーがテトラシクロドデセン(約21
0℃という高いTg値を有する単独重合体を生成する単量
体である。)である場合においてさえ樹脂状単量体含有
量が増大するのに伴って実質的に増大する。
実施例15〜18では、種々の組成を有するヘキサシクロ
ヘプタデセン(HH)とメチルテトラシクロドデセン(MT
D)の共重合体を製造した。実施例19では、同様な手法
によりヘキサシクロヘプタデセンの単独重合体を製造し
た。
溶液重合法 乾燥した蓋付き7オンスボトルを用いてシクロヘキサ
ン中で単量体の重合を行なった。各実施例の単量体の質
を変え、またその量は約10〜20gの範囲で変更した。ヘ
キサシクロヘプタデセン(HH)は約80%の純度のものを
用い、メチルテトラシクロドデセン(MTD)は約98%純
度のものを用いた。シクロヘキサンの量は概して約80ml
であった。各実施例で用いたシクロヘキサンの量(g)
は表に示す。重合はエチルアルミニウム・セスキクロラ
イド助触媒、モリブデンペンタクロライド触媒およびヘ
キセン−1の存在下に行なった。それぞれの実施例にお
いて用いた触媒、助触媒および溶剤の量(g)は表6に
示す。重合反応媒体中の合計固形分含有量は約15重量%
であった。触媒に対する単量体の合計量のモル比は約2,
000であり、エチルアルミニウム・セスキクロライド助
触媒に対する触媒のモル比は約5.0であった。エチルア
ルミニウム・セスキクロライドは約25重量%濃度のトル
エン溶液として用い、モリブデンペンタクロライドは約
1.6重量%濃度の酢酸エチル/トルエン(25:75重量%)
溶液として用いた。
重合は約30分間行ない、得られた重合体はエチル(Et
hyl)330ヒンダードフェノール抗酸化剤を含有するイソ
プロピルアルコール中で沈殿せしめた。重合体は真空オ
ープン中で乾燥した。実施例15〜19で用いたシクロオレ
フィン単量体は表6に示す。
実 験 実施例15〜19で得た重合体のガラス転移温度は、差動
走査熱量(DSC)セルを備えたデュポン990または1090熱
分析計を用いて測定した。測定は窒素気流下に加熱速度
約20℃/分にて行なった。多段加熱を用いて、試料から
の揮発分の除去および応力の開放を測定した。吸熱曲線
の中間点を求めた。
表6のデータからヘキサシクロヘプタデセンの量が増
大するとTg値が増大することがわかる。
実施例20および21(参考例) 塊状重合生成物の熱特性の改良 実施例20および21ではジシクロペンタジエンを約140
℃以上に加熱してシクロオレフィン単量体混合物中で樹
脂状シクロオレフィン単量体を製造する方法を説明す
る。
比較例Gでは樹脂状シクロ単量体を用いない重合体の
二次転移温度を示す。実施例20および21では以下に述べ
る塊状重合法に従って樹脂状シクロオレフィン単量体を
ジシクロペンタジエンと共重合した。比較例Gでは以下
に示す塊状重合法によりジシクロペンタジエンを単独重
合した。実施例20および21ならびに比較例Gで得られた
重合体のガラス転移温度を表7に示す。
表7に記載される他の樹脂状シクロオレフィン単量体
の量は、ジシクロペンタジエンシクロペンタジエン三量
体およびシクロペンタジエン四量体の量を求めて得た概
算値である。
実施例22および23 シクロオレフィン単量体の共重合体の熱特性の改良 実施例22および23ならびに比較例Hで得られる共重合
体のガラス転移温度を高めるための樹脂状単量体組成物
の利用方法について説明する。一般に、エチリデンノル
ボルネンをジシクロペンタジエンと共に併用するとエチ
リデンノルボルネンの存在によって共重合体のガラス転
移温度が低下する。原料中に樹脂状ポリシクロオレフィ
ンの混合物が存在すると、表8に示すように塊状重合に
より得られる共重合体のガラス転移温度がかなり上昇す
る。実施例22および23ならびに比較例Hでは以下に示す
方法によって塊状重合を行なった。
塊状重合 実施例20ないし23および比較例GおよびHで用いたサ
ンプルは透明な乾燥クォートボトルに室温でシクロオレ
フィン単量体、抗酸化剤、助触媒および触媒を順次加え
ることにより調製した。各成分の添加順序は変えてもよ
かったが、トリアルキルアンモニウム・モリブデート触
媒は常に窒素気流下に最後に加えた。
実施例20および21で用いる樹脂状シクロオレフィン単
量体を作成するためにジシクロペンタジエンを加熱し現
場でこれらの単量体を調製した。実施例22および23で用
いる樹脂状シクロオレフィン単量体を得るためにジシク
ロペンタジエンと5−エチリデン−2−ノルボルネンと
の混合物を加熱して現場で樹脂状シクロオレフィン単量
体とした。
それぞれの実施例および比較例における各成分および
量は以下に示す。各実施例および比較例におけるシクロ
オレフィン単量体組成は表7および8に示す。
(1)シクロオレフィン単量体 70〜80g (2)ヒンダードフェノール抗酸化剤 1〜 3g (3)助触媒 (a)ジエチルアルミニウムクロライド 0.5Mジシクロペンタジエン溶液 3〜5ml (b)シリコンテトラクロライド 0.5Mジシクロペンタジエン溶液 1〜3ml (c)アルコール(n−プロパノール) 0.5ジシクロペンタジエン溶液 1〜3ml (4)触媒、トリアルキルアンモニウム・ モリブデートまたは同様な [(C12H253NH]4Mo8O260.125M ジシクロペンタジエン溶液 4〜6ml クォートボトルに添加を完了した時、得られた混合物
を振り、窒素圧力によって55℃に保持された1/8″×
8″×8″キャビティー容量の型中に射出した。約1〜
2分後発熱反応が始まり温度は150℃に上昇した。得ら
れた円板状試料を約2〜3分後に型からとり出し、重合
率およびガラス転移温度を測定した。ガラス転移温度は
表7および8に示す。重合率は一般に約97〜99%であっ
た。
耐衝撃改良剤を加えることによってこれらの組成物の
耐衝撃性を改良することができる。最も普通に用いられ
る耐衝撃改良剤はクラトンゴム、ブタジエン重合体、ポ
リイソプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン変性
ゴムなどである。その他の変性剤および充填剤、たとえ
ば、カーボンブラック、酸化チタンその他の顔料、ガラ
ス繊維その他の補強材および触媒および/または助触媒
の活性に悪影響を及ぼさず好ましい特性を付与する材料
を加えることができる。難燃化剤たとえばデカおよびオ
クタブロモジフェニルエーテルをはじめとするハロゲン
含有有機物質と酸化アンチモンとの組合せを用いること
ができる。
表7および8に示すように塊状重合生成物は高分子量
樹脂の使用によってガラス転移温度が向上している。こ
の塊状重合体は自動車用フェンダー、事務機器およびコ
ンピューターのハウジングのような構造材料として多く
の用途を持っている。溶液重合体はエンジニアリングプ
ラスチック材料や低感湿性および低誘電性のプラスチッ
クとしての用途を持っている。得られた重合体はビニレ
ン−4,5−ポリシクロアルキル−1,3−シクロペンタン共
重合体ということができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ポール ティー.ストリッチャークズク アメリカ合衆国,オハイオ 44124,メ イフィールド ハイツ,マーソル ロー ド 414,6511 (72)発明者 ジョージ エム.ベネディクト アメリカ合衆国,オハイオ 44056,マ セドニア,レッジ ロード 1010 (56)参考文献 特開 昭63−154726(JP,A) 特開 昭63−227623(JP,A) 特開 昭64−9219(JP,A) 特開 昭63−234017(JP,A) 特開 昭63−234018(JP,A) 特開 昭63−234019(JP,A) 特開 昭57−83522(JP,A) 特開 平1−306419(JP,A) 特開 平1−158030(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 61/00 - 61/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シクロオレフィン単量体を、重合触媒およ
    び助触媒を実質的に含有せしめることなく、該シクロオ
    レフィン単量体の一部を解離し且つ該解離生成物を該シ
    クロオレフィン単量体の成分と反応させるに十分な温度
    に加熱することからなる、シクロオレフィン単量体の分
    子量を増大し且つ環構造の数を増大せしめる方法であっ
    て、 該シクロオレフィン単量体が、加熱前において、(a)
    ジシクロペンタジエンと(b)エチリデンノルボルネン
    またはノルボルネン;炭素数2〜12を有し、かつ鎖状の
    α−オレフィン、共役ジエン、およびビニルシクロヘキ
    センの中から選ばれた単量体;ならびに炭素数4〜8の
    モノシクロオレフィンの中から選ばれた単量体を含有す
    る単量体混合物であることを特徴とするシクロオレフィ
    ン単量体の分子量を増大し且つ環構造の数を増大せしめ
    る方法。
  2. 【請求項2】(b)成分単量体が、エチリデンノルボル
    ネンまたはノルボルネン;1−ヘキセン、ビニルシクロヘ
    キセン、イソプレンおよびブタジエン;およびシクロペ
    ンテンの中から選ばれる請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】シクロオレフィン単量体を、開環重合触媒
    および助触媒の実質的不存在下に、該シクロオレフィン
    単量体の一部を解離し且つ該解離生成物を該シクロオレ
    フィン単量体の成分と反応させるに十分な温度に加熱
    し、 加熱後に、該加熱されたシクロオレフィン単量体に塊状
    重合用触媒および塊状重合用助触媒を加えて液状反応性
    混合物を調製し、次いで、 該液状反応性混合物を、開環重合を熱的に開始するに十
    分高い温度に保持された型中へ移送することからなる開
    環塊状重合により重合体を製造する方法であって、 該シクロオレフィン単量体が、加熱前において、(a)
    ジシクロペンタジエンと(b)エチリデンノルボルネン
    またはノルボルネン;炭素数2〜12を有し、かつ鎖状の
    α−オレフィン、共役ジエン、およびビニルシクロヘキ
    センの中から選ばれた単量体;ならびに炭素数4〜8の
    モノシクロオレフィンの中から選ばれた単量体を含有す
    る単量体混合物であることを特徴とする重合体を製造す
    る方法。
  4. 【請求項4】シクロオレフィン単量体を、開環重合触媒
    および助触媒の実質的不存在下に、該シクロオレフィン
    単量体の一部を解離し且つ該解離生成物を該シクロオレ
    フィン単量体の成分と反応させるに十分な温度に加熱
    し、 加熱後に、該加熱されたシクロオレフィン単量体の一部
    に塊状重合用触媒を加えて液状混合物を調製し、 さらに、該加熱されたシクロオレフィン単量体の他の一
    部に塊状重合用助触媒を加えて、上記塊状重合用触媒含
    有液状混合物とは別の第2の液状混合物を調製し、次い
    で、 該2つの液状混合物を一緒にして、開環重合を熱的に開
    始するに十分高い温度に保持された型中へ移送すること
    からなる開環塊状重合により重合体を製造する方法であ
    って、 該シクロオレフィン単量体が、加熱前において、(a)
    ジシクロペンタジエンと(b)エチリデンノルボルネン
    またはノルボルネン;炭素数2〜12を有し、かつ鎖状の
    α−オレフィン、共役ジエン、およびビニルシクロヘキ
    センの中から選ばれた単量体;ならびに炭素数4〜8の
    モノシクロオレフィンの中から選ばれた単量体を含有す
    る単量体混合物であることを特徴とする重合体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】シクロオレフィン単量体を、開環重合触媒
    および助触媒の実質的不存在下に、該シクロオレフィン
    単量体の一部を解離し且つ該解離生成物を該シクロオレ
    フィン単量体の成分と反応させるに十分な温度に加熱
    し、 加熱後に、該加熱されたシクロオレフィン単量体、開環
    溶液重合用触媒および助触媒、ならびに該加熱されたシ
    クロオレフィン単量体を溶解するに十分な量の有機溶剤
    からなる単量体溶液を調製し、次いで、 該単量体溶液を、開環重合を開始するに十分高い温度に
    加熱することからなる開環溶液重合により重合体を製造
    する方法であって、 該シクロオレフィン単量体が、加熱前において、(a)
    ジシクロペンタジエンと(b)エチリデンノルボルネン
    またはノルボルネン;炭素数2〜12を有し、かつ鎖状の
    α−オレフィン、共役ジエン、およびビニルシクロヘキ
    センの中から選ばれた単量体;ならびに炭素数4〜8の
    モノシクロオレフィンの中から選ばれた単量体を含有す
    る単量体混合物であることを特徴とする重合体の製造方
    法。
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