JPH09188548A - 合わせガラス用中間膜および車両サイド窓用合わせガラス - Google Patents

合わせガラス用中間膜および車両サイド窓用合わせガラス

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JPH09188548A
JPH09188548A JP5162296A JP5162296A JPH09188548A JP H09188548 A JPH09188548 A JP H09188548A JP 5162296 A JP5162296 A JP 5162296A JP 5162296 A JP5162296 A JP 5162296A JP H09188548 A JPH09188548 A JP H09188548A
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ethylene
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glass
resin
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JP5162296A
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Hajime Shobi
初 松扉
Akihiko Bando
明彦 坂東
Naoki Ueda
直樹 植田
Satoshi Hayashi
聡史 林
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】透明性、耐湿性、耐候性、耐衝撃性、接着性な
ど合わせガラスに必要な基本特性を損なうことなく、常
温で保管が可能であり、製造工程では調湿およびオート
クレーブを必要とせずに、比較的低温で合わせ加工が可
能な合わせガラス用中間膜およびそれを用いた合わせガ
ラスを提供する。 【解決手段】エチレン−酢酸ビニル共重合体またはエチ
レン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体100重
量部と、透明性改良剤0.01〜4重量部と、有機官能
基と加水分解性基を有するシランカップリング剤0.0
1〜4重量部と、ロジン系樹脂または炭化水素系樹脂1
〜40重量部とからなる樹脂組成物より形成されている
ことを特徴とする、合わせガラス用中間膜である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エチレン−酢酸
ビニル共重合体またはエチレン−アルキル(メタ)アク
リレート共重合体を主成分とする中間膜およびこの中間
膜を用いた合わせガラスに関する。この発明は、また、
車両サイド窓用の合わせガラスに関する。
【0002】
【従来技術および解決すべき課題】従来より、合わせガ
ラスは、自動車用安全ガラス板、公共施設や運動施設な
どのグレージング材料、間仕切り、防犯用ドアなどに広
く用いられており、その構造は、複数枚の無機ガラス板
(その一部を有機ガラス板即ち透明な合成樹脂板に置き
換えることもある)を中間膜を介して合わせ加工したも
のである。
【0003】合わせガラスの中間膜としては、可塑剤に
より可塑化されたポリビニルブチラール樹脂にものが、
ガラス板との優れた接着性、強靭な引っ張り特性、高度
の透明性を兼ね備えているため、最も一般的に用いられ
ている。しかしながら、上記ポリビニルブチラール樹脂
よりなる中間膜で実際に合わせガラスを製造する場合
は、ガラス板との合わせ加工の前に中間膜の調湿加工を
必要とし、しかも合わせ加工はオートクレーブによる高
温高圧下で行う必要があるため、合わせ加工の作業を煩
雑なものにしている。
【0004】また、合成樹脂透明板を合わせ加工する場
合には、可塑剤が中間膜と合成樹脂板との界面にブリー
ドアウトし、接着性を低下させると共に、合成樹脂板を
浸食し、白化させるという欠点があった。
【0005】上記の欠点の解決策として、エチレン−
酢酸ビニル共重合体の部分鹸化物を無水フタル酸で部分
エステル化してなる熱可塑性樹脂から成形した中間膜
が、例えば、特公昭47−2103号公報に開示されて
いる。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体に有機過
酸化物とシランカップリング剤を配合してなる樹脂組成
物から成形した熱架橋性の中間膜が、例えば、特公平2
−53381号公報に開示されている。さらに、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体またはエチレン−アルキル
(メタ)アクリレート共重合体に縮合反応生成物のよう
な透明性改良化剤などを添加してなる樹脂組成物から成
形した合わせガラス用中間膜が、例えば、特開平7−2
551号公報に開示されている。
【0006】しかしながら、エチレン−酢酸ビニル共重
合体の部分エステル化物からなる中間膜は、ガラス板
との接着性が悪く、透明性、耐候性や耐湿性も劣るとい
う欠点があった。
【0007】エチレン−酢酸ビニル共重合体と有機過酸
化物などからなる中間膜は、熱変成時に結晶性が低下
するため透明性が向上し、且つ常温保管が可能で合わせ
加工前の調湿が不要であり、さらにオートクレーブなし
に合わせ加工ができるという利点がある。しかしなが
ら、有機過酸化物の分解により生じたラジカルを熱硬化
反応に利用するので、140〜150℃の合わせ加工温
度を必要とし、着色した装飾合わせガラスを製造する場
合には耐熱染料が必要となり、加工作業性の悪化、コス
トアップを招くという欠点があった。また、この中間膜
を合成樹脂板と合わせ加工する場合には、高温で合成樹
脂板が熱変形を起こすという問題点もあった。
【0008】さらに、エチレン−酢酸ビニル共重合体ま
たはエチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体
と透明性改良化剤などからなる中間膜では、透明性、
耐湿性、耐衝撃性、合成樹脂板との接着性などの合わせ
ガラスに必要な基本特性を損なうこと無く、膜の自着が
無く、調湿を必要とせず、オートクレーブなしに低い加
工温度、加工圧力で合わせ加工が可能であるが、下記の
ように耐久性に問題があった。
【0009】ガラス板を金属製の窓サッシに組み込む
際、軟質プラスチック製のビード(グレージングチャン
ネルと呼ばれる)などが緩衝材として使用される。合わ
せガラスをこの方法によって施工すると、ビード中の可
塑剤が合わせガラス端部より中間膜中に移行、拡散し、
中間膜/ガラス板界面に剥離が発生するという間題があ
った。
【0010】この剥離を生じないような耐久性を耐可塑
剤性(または、耐グレチャン性)と呼んでいる。上記の
〜の中間膜はいずれもこの耐可塑剤性の点で問題が
あった。
【0011】この発明の第1の目的は、透明性、耐湿
性、耐候性、耐衝撃性、接着性など合わせガラスに必要
な基本特性を損なうことなく、常温で保管が可能であ
り、製造工程では調湿およびオートクレーブを必要とせ
ずに、比較的低温で合わせ加工が可能な合わせガラス用
中間膜およびそれを用いた合わせガラスを提供すること
にある。
【0012】また、第2の目的は、合わせガラスの長期
耐可塑剤性が改善される中間膜および合わせガラスを提
供することにある。
【0013】自動車などの車両のフロント窓には、上述
の如く、主に可塑化ポリビニルブチラール中間膜が使用
されている。一方、自動車などの車両のサイド窓ガラス
は、フロント窓ガラスほどには安全性が要求されないこ
ともあって、可塑化ポリビニルブチラール中間膜を用い
た合わせガラスよりも安価な強化ガラスが広く使用され
ている。
【0014】しかし、最近は、安全意識の高まりや車内
の物品の盗難防止などの観点から、自動車などの車両の
サイド窓ガラスにも、割れにくく割れた場合でもガラス
破片が飛散しない合わせガラスが要望されるようになっ
た。
【0015】自動車のサイド窓ガラスに、可塑化ポリビ
ニルブチラール中間膜を用いた合わせガラスを使用する
ことは知られている(例えば、実開昭57−11651
0号公報参照)。
【0016】一般に、自動車のサイド窓には縁無しのガ
ラス板が昇降可能に取付けられている。このような縁無
しのガラス板として、可塑化ポリビニルブチラール中間
膜を用いた合わせガラスを使用すると、合わせガラスの
端縁では中間膜が露出した状態となる。
【0017】そのため、長期使用に伴って、合わせガラ
スの端縁部が、露出した中間膜端縁から吸湿して白化し
たり、その界面が剥離したりして外観不良が生じ、安全
上でも支障が生じるという問題がある。また、たとえ端
縁が処理されていたとしても、長期使用により処理部が
疲労を来たすこともあり、完全に吸湿を防ぐことは困難
であった。
【0018】この発明の第3の目的は、長期間使用して
も合わせガラスの端縁からの吸湿が小さく、端縁部の中
間膜の白化や界面剥離などの外観不良が生ぜず、安全性
に優れた車両サイド窓用合わせガラスを提供することに
ある。
【0019】
【課題を解決するための手段】まず、中間膜に関する第
1の発明について説明をする。
【0020】上記第1の目的は、エチレン−酢酸ビニル
共重合体またはエチレン−アルキル(メタ)アクリレー
ト共重合体100重量部と、透明性改良剤0.01〜4
重量部と、有機官能基と加水分解性基を有するシランカ
ップリング剤0.01〜4重量部と、ロジン系樹脂また
は炭化水素系樹脂1〜40重量部とからなる樹脂組成物
より形成されていることを特徴とする、合わせガラス用
中間膜およびこの中間膜を用いた合わせガラスによって
達成することができる。
【0021】第2の目的は、上記ロジン系樹脂または石
油系樹脂のうち、特に石油系樹脂を用いることによって
達成することができる。
【0022】この発明に用いるエチレン−酢酸ビニル共
重合体は、その酢酸ビニル含量によって透明性および力
学特性に差を生じることが知られている。この共重合体
の酢酸ビニル含量は好ましくは5〜50重量%、より好
ましくは10〜40重量%、特に好ましくは18〜35
重量%である。また、この発明に用いるエチレン−アル
キル(メタ)アクリレート共重合体は、そのアルキル
(メタ)アクリレート成分(構成単位)の含量によって
透明性および力学特性を異にすることが知られている。
この共重合体のアルキル(メタ)アクリレート成分含量
は好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜4
0重量%、特に好ましくは18〜35重量%である。こ
こで、エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合
体を構成するアルキル(メタ)アクリレートは、例え
ば、メチル(メタ)アクリレートメチル、ブチル(メ
タ)アクリレート、2−エチメヘキシル(メタ)アクリ
レートなどである。
【0023】エチレン−酢酸ビニル共重合体またはエチ
レン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体におい
て、酢酸ビニル成分またはアルキル(メタ)アクリレー
ト成分の含量が高すぎると、得られる中間膜の透明性は
向上するが引張り強度などの機械的強度が低下する。逆
に、酢酸ビニル成分またはアルキル(メタ)アクリレー
ト成分の含量が低すぎると、得られる中間膜の引張り強
度は十分であるが透明性が低下する上に、流動開始温度
が高いため脱気性、加工期間などの合わせ加工性が悪く
なる。
【0024】エチレン−酢酸ビニル共重合体またはエチ
レン−(メタ)アクリレート共重合体のメルトインデッ
クス(ASTM D1238に準拠して測定された値、
以下「MI」と記す)は、好ましくは0.1〜500g
/10分、より好ましくは1〜200g/10分であ
る。MIが小さすぎると、得られる中間膜の流動性が低
下して合わせ加工性(脱気性、加工時間)が低下する。
逆に、MIが大きすぎると、得られる中間膜の粘性が低
下して合わせ加工後に中間膜が端部からはみ出したり厚
みが減少し、また得られる合わせガラスの耐衝撃性が低
下する。
【0025】上記エチレン−酢酸ビニル共重合体および
エチレン−(メタ)アクリレート共重合体は、高圧法、
乳化法など公知の製造方法によって製造可能であり、そ
の平均重量分子量は好ましくは3,000〜500,0
00、より好ましくは5,000〜300,000、最
も好ましくは10,000〜250,000である。
【0026】上記エチレン−酢酸ビニル共重合体または
エチレン−(メタ)アクリレート共重合体は、必要によ
り可塑化、部分鹸化、酸変性、架橋などの変性を行って
変性物としてもよい。また、必要によりこれに接着力調
整剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、酸化防止剤などの配合
剤が添加されていてもよい。
【0027】これ等の共重合体およびその変性物、各種
配合剤は、例えば特公昭47−2103号公報、特公平
2−53381号公報、特開平7−2551号公報に記
載されすでに公知であり、この発明では、このような公
知の共重合体およびその変性物、各種配合剤の中から適
当なものを選定することができる。
【0028】つぎに、この発明で用いる透明性改質剤に
ついて説明をする。
【0029】上記エチレン−酢酸ビニル共重合体または
エチレン−(メタ)アクリレート共重合体に配合される
透明性改良剤は、得られる中間膜の透明性を改善するも
のであり、例えば、5価以上の多価アルコールまたはそ
の誘導体を、好ましくは1.8〜2.8倍当量のベンズ
アルデヒドまたはその誘導体と反応させて得られた縮合
反応生物または一般式(I) で表される化合物が好適に使
用される。
【0030】
【化2】 (式中、nは4〜16の整数を示す)
【0031】上記縮合反応に用いる多価アルコールまた
はその誘導体としては、例えば、ソルビトール、キシリ
トール、マンニトール、ズルシトール、ソルボース、ア
ラビニトール、リビトール、フルクトースなどが挙げら
れ、これらは単独でまたは2以上の組み合わせで使用で
きる。上記の中で、特にソルビトール、キシリトール、
マンニトール、ズルシトールから得られる縮合反応生成
物は、透明性が良好な中間膜を提供するので好ましい。
【0032】上記ベンズアルデヒドまたはその誘導体と
しては、ベンズアルデヒド、ベンズアルデヒドのベンゼ
ン環の水素原子が塩素原子、アルキル基、アリール基、
アルコキシ基などで置換体されたものが挙げられ、これ
らは単独でまたは2以上の組み合わせで使用できる。
【0033】上記縮合反応は、例えば、不活性ガス存在
下で冷却管と撹件機の取り付けられた反応器に、5価以
上の多価アルコールまたはその誘導体と、ベンズアルデ
ヒドまたはその誘導体を投入し、縮合酸触媒を添加し、
加熱反応せしめることにより得られる。
【0034】上記縮合酸触媒としては、例えば、硫酸、
pートルエンスルホン酸、リン酸、塩酸、塩化亜鉛など
が挙げられる。
【0035】一般式(I) で表される化合物は、公知の技
術により製造することができ、例えば、その製造方法
は、Accounts of Chemical Research ,16,161 (198
3)に記載されている。
【0036】上記縮合反応生物または化合物(I) の例と
して、前記特開平7−2551号公報に記載されている
ようなジベンジリデンソルビトール化合物、ジベンジリ
デンキシリトール化合物、ジベンジリデンズルシトール
化合物、ジベンジリデンマンニトール化合物およびカリ
ックスアレーン化合物などが挙げられる。これ等の透明
性改良剤は単独で用いてもよく、2以上を併用してもよ
い。その中でも、特にジベンジリデンソルビトール化合
物およびカリックスアレーン化合物が好適である。
【0037】上記ジベンジリデンソルビトール化合物と
しては、例えば、ジベンジリデンソルビトール、ビス
(メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(エチルベ
ンジリデン)ソルビトール、ビス(プロピルベンジリデ
ン)ソルビトール、ビス(ブチルベンジリデン)ソルビ
トール、ビス(ペンチルベンジリデン)ソルビトール、
ビス(ヘキシルベンジリデン)ソルビトール、ビス(ク
ロルベンジリデン)ソルビトールなどが挙げられる。
【0038】また、上記カリックスアレーン化合物とし
ては、4−t−ブチルカリックス[4]アレーン、4−
t−ブチルカリックス[5]アレーン、4−t−ブチル
カリックス[6]アレーン、4−t−ブチルカリックス
[7]アレーン、4−t−ブチルカリックス[8]アレ
ーン、4−t−ブチルカリックス[9]アレーン、4−
t−ブチルカリックス[10]アレーン、4−t−ブチ
ルカリックス[11]アレーン、4−t−ブチルカリッ
クス[12]アレーン、4−t−ブチルカリックス[1
3]アレーン、4−t−ブチルカリックス[14]アレ
ーン、4−t−ブチルカリックス[15]アレーン、4
−t−ブチルカリックス[16]アレーンなどが挙げら
れる。特に一般式(I) 中のnが4〜8であるカリックス
アレーンは、樹脂への分散性がよいので好ましい。尚、
上記[ ]内の数字は、上記一般式(I) におけるnの値
を示す。
【0039】その他の透明性改良剤として、トリベンジ
リデンソルビトール、リン酸ビス(4−t−ブチルフェ
ニル)ナトリウム、リン酸2,2' −メチレンビス
(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム、ヒド
ロキシ−ジ(t−ブチル安息香酸)アルミニウムも使用
できる。上記その他の透明性改良剤は、特に上記ジベン
ジリデンソルビトール化合物、ジベンジリデンキシリト
ール化合物、ジベンジリデンズルシトール化合物、ジベ
ンジリデンマンニトール化合物およびカリックスアレー
ン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの透明
性改良剤と併用することにより、得られる中間膜や合わ
せガラスの透明性が一層向上する。
【0040】この発明に用いる上記透明性改良剤は、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体またはエチレン−(メタ)
アクリレート共重合体100重量部に対して、0.01
〜4重量部、好ましくは0.02〜1重量部の範囲で配
合される。透明性改良剤の配合量が低すぎると、中間膜
の透明性の改善効果が不充分となり、高すぎるとエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体またはエチレン−(メタ)アク
リレート共重合体との相溶性が低下し、透明性が低下す
る。
【0041】つぎに、この発明において用いられるシラ
ンカップリング剤について説明をする。
【0042】この発明で用いるシランカップリング剤
は、得られる中間膜の接着性を改善するもので、有機官
能基と加水分解性基をそれぞれ少なくとも1つ有する。
有機官能基はアミノ基、グリシジル基、メルカプト基、
ビニル基、メタクリル基などである。加水分解性基はア
ルコキシ基などである。例えば、前記特開平7−255
1号公報に記載されているようなシランカップリング剤
が用いられる。
【0043】アミノ基を有するシランカップリング剤と
しては、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、
3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルト
リエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミ
ノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランな
どが挙げられる。
【0044】また、グリシジル基を有するシランカップ
リング剤としては、3−グリシドキシプロピルジメチル
エトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエ
トキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0045】また、メルカプト基を有するシランカップ
リング剤としては、メルカプトメチルジメチルエトキシ
シラン、メルカプトメチルメチルジエトキシシラン、3
−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプト
プロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピル
ジメチルエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチ
ルジエトキシシランなどが挙げられる。
【0046】ビニル基を有するシランカップリング剤と
しては、ビニルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0047】メタクリル基を有するシランカップリング
剤としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シランなどが挙げられる。
【0048】シランカップリング剤は、単独で用いて
も、2以上の組み合わせで用いてもよい。
【0049】このようなシランカップリング剤は、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体またはエチレン−(メタ)ア
クリレート共重合体100重量部に対して、0.01〜
4重量部、好ましくは0.02〜2重量部の範囲で配合
される。上記樹脂組成物中、上記シランカップリング剤
の含有量が低すぎると、得られる中間膜の接着性の向上
効果が認められず、高すぎると、得られる中間膜が黄変
することがあり、また得られる中間膜や合わせガラスの
透明性が低下する。
【0050】さらに、この発明においては、上記エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体またはエチレン−(メタ)アク
リレート共重合体にロジン系樹脂または炭化水素系樹脂
が配合される。このロジン系樹脂または炭化水素系樹脂
は、得られる合わせガラスの長期間の保存中におけるガ
ラス板と中間膜の接着性の低下を防止して、長期保存性
を確保する。特に石油系樹脂のような炭化水素系樹脂
は、上記長期保存性とともに、長期間の使用中において
ビード(押縁)中の可塑剤による端面部におけるガラス
板と中間膜の接着性の低下を抑制し、長期耐可塑剤性を
改善するもので、この点が前記特開平7−2551号公
報に提案された中間膜および合わせガラスとは著しく異
なる。
【0051】上記炭化水素系樹脂のうち、長期耐可塑剤
性の改善の点から、石油系樹脂が好ましい。また、長期
の耐候性を良好なものとするためには、好ましくは88
重量%以上、より好ましくは95重量%以上の水添率を
有する水添石油系樹脂が用いられる。
【0052】上記ロジン系樹脂としては、ロジン(ウッ
ドロジン、ガムロジン、トール油ロジンなど)、重合ロ
ジン、水添ロジン、ロジンエステル、水添ロジンエステ
ルなどが用いられる。
【0053】石油系樹脂としては、脂肪族系石油樹脂、
芳香族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、共重合系石油樹
脂、水添石油樹脂、純モノマー系石油樹脂などが挙げら
れる。詳しくは、脂肪族(C5 )系石油樹脂、芳香族
(C9 )系石油樹脂、脂環族(水添(C9 )系石油樹
脂、C5 −C9 共重合系石油樹脂およびスチレン系オリ
ゴマーなどの純モノマー系石油樹脂などが用いられる。
クマロンインデン樹脂、クマロン樹脂、テルペン樹脂、
α−メチルスチレン重合体、ビニルトルエン重合体、α
−メチルスチレン・ビニルトルエン共重合体なども使用
できる。
【0054】ロジン系樹脂または炭化水素系樹脂は、単
独で用いても、2以上の組み合わせで用いてもよい。
【0055】上記ロジン系樹脂は、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体またはエチレン−(メタ)アクリレート共重
合体100重量部に対して、1〜40重量部、好ましく
は2〜30重量部の範囲で配合される。ロジン系樹脂の
配合量が低すぎると、得られる合わせガラスの長期保存
性が不充分となり、高すぎると、得られる中間膜の引張
り強度などの機械的強度が低下する。
【0056】また、上記炭化水素系樹脂は、エチレン−
酢酸ビニル共重合体またはエチレン−(メタ)アクリレ
ート共重合体100重量部に対して、1〜40重量部、
好ましくは2〜30重量部の範囲で配合される。石油系
樹脂の配合量が低すぎると、得られる合わせガラスの長
期保存性や長期耐可塑剤性の改善効果が不充分となり、
高すぎると、共重合体への分散性が悪くなり、得られる
中間膜や合わせガラスの透明性が低下する。
【0057】この発明の合わせガラス用中間膜には、樹
脂の劣化を防止する目的で、必要に応じて、熱安定剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤などが添加されてもよい。
【0058】上記熱安定剤としては、例えば、ステアリ
ン酸カルシウム石鹸、ジアルカノール脂肪族第三級アミ
ンなどが挙げられ、上記酸化防止剤としては、t−ブチ
ルヒドロキシトルエン(BHT)、テトラキス[メチレ
ン−3−(3’,5’−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]メタン(チバガイギー社製
「イルガノックス1010」)などが挙げられる。
【0059】上記紫外線吸収剤としては、2−(2’−
ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル(チバガイギー社製「チヌピンP」)、2−(2’−
ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール(チバガイギー社製「チヌビン32
0」)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−
5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル(チバガイギー社製「チヌピン326」)などのベン
ゾトリアゾール系:アデカアーガス社製「LA−57」
などのヒンダードアミン系;シプロ化成社製「シーソー
ブ101」、「シーソーブ102」、「シーソーブ10
3」、「シーソーブ104」などのベンゾフェノン系の
ものが挙げられる。
【0060】上記樹脂組成物を調製する際に、エチレン
−酢酸ビニル共重合体またはエチレン−(メタ)アクリ
レート共重合体と各種添加剤を均一に混合する必要があ
る。その混合方法としては、エチレン−酢酸ビニル共重
合体またはエチレン−アルキル(メタ)アクリレート共
重合体およびその他の成分をロールミルなどの混合機を
用いて溶融混練する方法;エチレン−酢酸ビニル共重合
体またはエチレン−(メタ)アクリレート共重合体とそ
の他の成分をそのまま混練するドライブレンド法;エチ
レン−酢酸ビニル共重合体またはエチレン−(メタ)ア
クリレート共重合体以外の成分を高濃度に含有するマス
ターバッチペレットをエチレン−酢酸ビニル共重合体ま
たはエチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体
で希釈して所定の濃度とする高濃度マスターバッチ法な
どが挙げられる。
【0061】上記樹脂組成物から、合わせガラス用中間
膜を製膜する方法としては、例えば、押出法、プレス
法、カレンダー法などにより樹脂組成物をシート状物に
成形する方法が挙げられる。
【0062】中間膜の厚さは、用途によって適宜決定さ
れるが、一般に0.05〜1.2mmの厚さが好まし
い。中間膜の厚さが薄すぎると、得られた合わせガラス
の耐衝撃性が低下し、中間膜の厚さが厚すぎると、得ら
れた合わせガラスの透明性が低下する。
【0063】こうして得られる中間膜を用いて、この発
明の合わせガラスを製造するには、例えば、シート状中
間膜を、その両側からガラス板または合成樹脂板などの
透明剛性板間に挟み込み、この未圧着状態のサンドイッ
チ構造体をゴムバッグヘ入れ、0〜20Torrの真空
度で一定時間脱気した後、脱気状態のまま温度80℃以
上のオーブンに入れ、この温度で一定時間保持する方
法、または上記サンドイッチ構造体を温度100℃以上
に加熱した加圧ゴムロールに一定時間通過させた後、オ
ーブン中で加熱保持する方法などが挙げられる。
【0064】上記中間膜を使用して得られる合わせガラ
スの層構成としては、ガラス/中間膜/ガラスが基本で
あるが、これ以外に下記の層構成が挙げられる。
【0065】・ガラス/中間膜/ポリエチレンテレフタ
レートフィルム/中間膜/ガラス ・ガラス/中間膜/金属板/中間膜/ガラス/中間膜/
ポリウレタンフィルム ・ガラス/中間膜/紙/中間膜/ガラス ・ポリカーボネート板/中間膜/ポリエチレンテレフタ
レートフィルム/中間膜/ポリカーボネート板 ・アクリル樹脂板/中間膜/金属板/中間膜/アクリル
樹脂板 ・アクリル樹脂板/中間膜/紙/中間膜/アクリル樹脂
【0066】つぎに、車両サイド窓用合わせガラスに関
する第2の発明について説明をする。
【0067】この発明による車両サイド窓用合わせガラ
スは、車両サイド窓に昇降可能に設けられる、複数のガ
ラス板を中間膜を介して合わせ加工してなる合わせガラ
スからなり、上記中間膜は、エチレン−酢酸ビニル共重
合体またはエチレン−アルキル(メタ)アクリレート共
重合体またはこれ等の共重合体の変性物を主成分として
含む樹脂組成物より形成されていることを特徴とするも
のである。
【0068】特に、上記樹脂膜には、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体またはエチレン−(メタ)アクリレート共
重合体またはこれ等の共重合体の変性物100重量部に
対してシランカップリング剤0.01〜4重量部が含有
されているもの、または中間膜と該中間膜に接する無機
ガラス板または有機ガラス板またはプラスチックフィル
ムまたはシートとの剥離強度が0.01〜15kg/c
m、特に0.1〜5kg/cmであるものが好ましい。
【0069】剥離強度が低すぎると、中間膜と無機ガラ
ス板または有機ガラス板またはプラスチックフィルムま
たはシートとが剥がれやすくなり、高すぎると、合わせ
ガラスの耐貫通性(衝撃吸収性)が悪くなり、安全性に
支障が生じる。
【0070】上記樹脂膜の主体を構成するエチレン−酢
酸ビニル共重合体またはエチレン−(メタ)アクリレー
ト共重合体またはこれ等の共重合体の変性物は、第1発
明について説明したものと同じである。
【0071】エチレン−酢酸ビニル共重合体またはエチ
レン−(メタ)アクリレート共重合体のメルトフローレ
ート(JIS K7210(温度190℃、荷重2.1
6kg)に準拠して測定された値、以下「MFR」と記
す)は、好ましくは0.1〜500g/10分、より好
ましくは1〜200g/10分である。MFRが小さす
ぎると、得られる中間膜の流動性が低下して合わせ加工
性(脱気性、加工時間)が低下する。逆に、MFRが大
きすぎると、得られる中間膜の粘性が低下して合わせ加
工後に中間膜が端部からはみ出したり厚みが減少し、ま
た得られる合わせガラスの耐衝撃性が低下する。
【0072】上記エチレン−酢酸ビニル共重合体または
エチレン−(メタ)アクリレート共重合体は、必要によ
り可塑化、部分鹸化、酸変性、架橋などの変性を行って
変性物としてもよい。また、必要によりこれに接着力調
整剤、透明性改良剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、酸化防
止剤などの配合剤が添加されていてもよい。これらは第
1発明について説明したものと同じである。
【0073】特に、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体
またはエチレン−(メタ)アクリレート共重合体または
これ等の共重合体の変性物に、中間膜の接着性改善剤と
してシランカップリング剤を配合することが好ましく、
さらに、得られる合わせガラスの長期間の保存中におけ
るガラス板と中間膜の接着性の低下を防止して、長期保
存性を確保するために、ロジン系樹脂または炭化水素系
樹脂を配合することが好ましい。
【0074】シランカップリング剤、ロジン系樹脂およ
び炭化水素系樹脂は、第1発明について説明したものと
同じである。
【0075】樹脂組成物の調製、同組成物から中間膜の
製造、および同中間膜から合わせガラスの製作は、公知
の方法によって実施できる。詳しくは、第1発明につい
て説明した通りである。
【0076】さらに、ガラス板と中間膜との接着を充分
に行うために、必要に応じて、合わせガラスを高温のオ
ーブンやオートクレーブに入れて再処理を行ってもよ
い。なお、これ等の合わせ加工は、上記真空バッグ方式
に限定されず、例えばハイテックエンジニア社製の簡易
合わせ加工装置なども使用することができる。
【0077】また、ガラス破片の飛散を確実に防止する
観点から、中間膜とこれを挟むガラス板とからなるサン
ドイッチ体において、車両サイド窓の内側となる方の透
明無機ガラス板或いは透明有機ガラスを、ポリエチレン
テレフタレートなどのプラスチックのフィルムまたはシ
ートに替えたり、車両サイド窓の内側となる方の透明無
機ガラス板或いは透明有機ガラス板の表面に、さらにポ
リエチレンテレフタレートなどのプラスチックのフィル
ムまたはシートを積層して、合わせガラスを製造するこ
ともできる。
【0078】こうして得られる合わせガラスは、従来の
強化ガラスと同様に、縁無しの状態で自動車などの車両
のサイド窓に昇降可能に装着されて使用される。
【0079】この合わせガラスの中間膜は、エチレン−
酢酸ビニル共重合体またはエチレン−アルキル(メタ)
アクリレート共重合体またはこれ等の共重合体の変性物
を主成分として含む樹脂膜からなり、このような樹脂膜
は吸水率(JIS K7209による温度23℃×24
時間の吸水率)が約1.5重量%以下で、可塑化ポリビ
ニルブチラール中間膜の吸水率(約3.6重量%)に比
べて吸水率が著しく低く、水や湿気の影響を受けにく
い。
【0080】特に、上記樹脂膜にシランカップリング剤
が適量含有されていると、中間膜とガラス板との接着性
が改善され、衝撃によりサイド窓の合わせガラスが割れ
にくく割れた場合のガラスの飛散防止性がさらに改善さ
れる。
【0081】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例および比
較例を示す。また、得られた合わせガラスの基礎物性も
示す。なお、以下の「部」はすべて重量部を意味する。
【0082】実施例1 (1) 中間膜の製造 酢酸ビニル含有量25重量%、MI=2のエチレン−酢
酸ビニル共重合体 X505(三菱化学社製)100部
と、ジベンジリデンソルビトール(EC−1−55:イ
ーシー化学社製)1.0部と、3−アミノプロピルトリ
メトキシシラン0.1部と、ロジンエステル(KE−3
11:荒川化学社製)10部とを配合し、得られた配合
物をラボプラストミル(東洋精機社製)に供給し温度2
00℃で溶融混練し、樹脂組成物を得た。
【0083】これを厚さ0.1mmのポリエチレンテレ
フタレートフィルムで挟み、得られたサンドウイッチ体
をプレス機により温度150℃で120kg/cm2
で30分間シート状にプレス成形して、中間膜とその両
サイドに積層されたポリエチレンテレフタレートフィル
ムとからなる樹脂シートを得た。この樹脂シートを温度
が20℃になるまで放冷した後、両サイドのポリエチレ
ンテレフタレートフィルムを剥がし、厚さ0.4mmの
中間膜を得た。
【0084】(2) 合わせガラスの製作 この中間膜を縦30cm、横30cmおよび厚さ3mm
の透明フロートガラス板の間に挟みサンドウイッチ体を
得た。このサンドウイッチ体をついでゴムバッグに入
れ、10torrの真空度で20分間脱気した後、脱気
状態のまま温度90℃のオープンに移し、この温度で1
0分間保持することによりガラス板と中間膜とを接着さ
せて、ガラス板/中間膜/ガラス板の積層構成の合わせ
ガラスを製作した。
【0085】実施例2〜4、比較例1〜2 エチレン−酢酸ビニル共重合体またはエチレン−アルキ
ル(メタ)アクリレート、透明性改良剤、シランカップ
リング剤およびロジン系樹脂または炭化水素系樹脂とし
て、表1に示すのものを特定量用いた点を除いて、実施
例1と同様にして中間膜を製造し、ついでこれを用いて
実施例1と同様にして合わせガラスを製作した。
【0086】実施例5〜9、比較例3〜6 エチレン−酢酸ビニル共重合体またはエチレン−アルキ
ル(メタ)アクリレート、透明性改良剤、シランカップ
リング剤およびロジン系樹脂または炭化水素系樹脂とし
て、表2に示すのものを特定量用いた点を除いて、実施
例1と同様にして中間膜を製造した。ついでこれを用い
て、オーブンにおけるサンドウイッチ体の保持条件を温
度100℃で30分間とした点を除いて、実施例1と同
様にして合わせガラスを製作した。
【0087】実施例10〜21、比較例7〜15 エチレン−酢酸ビニル共重合体またはエチレン−アルキ
ル(メタ)アクリレート、透明性改良剤、シランカップ
リング剤およびロジン系樹脂または炭化水素系樹脂とし
て、表3〜4に示すのものを特定量用いた点を除いて、
実施例1と同様にして中間膜を製造した。ついでこれを
用いて、オーブンにおけるサンドウイッチ体の保持条件
を温度100℃で10分間とした点を除いて、実施例1
と同様にして合わせガラスを製作した。
【0088】実施例22〜26、比較例18〜21 エチレン−酢酸ビニル共重合体またはエチレン−アルキ
ル(メタ)アクリレート、透明性改良剤、シランカップ
リング剤およびロジン系樹脂または炭化水素系樹脂とし
て、表5に示すのものを特定量用いた点を除いて、実施
例1と同様にして中間膜を製造した。ついでこれを用い
て、オーブンにおけるサンドウイッチ体の保持条件を温
度100℃で30分間とした点を除いて、実施例1と同
様にして合わせガラスを製作した。
【0089】比較例16 エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポンポリケミ
カル製「エチレン−酢酸ビニルFLAX360」、MI
=2、酢酸ビニル含量25重量%)100部に対して、
トリアリルイソシアヌレート(日本化成社製「タイ
ク」)3部、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(日本油脂社製
「パーヘキサ3M)1部、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン0.3部を配合し、得られた配合物
を温度100℃に加熱したロールミルによって混練して
樹脂組成物を調製した。
【0090】この樹脂組成物を用いて実施例22と同様
な方法で、合わせガラスおよび接着強度試験用サンプル
を作成した。ただし、オーブンにおけるサンドウイッチ
体の保持温度は130℃とした。
【0091】比較例17 攪拌器及び還流冷却管を取り付けた三つ口フラスコに、
エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量32
重量%、MFR18)(ウルトラセン750:東ソ−社
製)200部、10重量%の水酸化ナトリウム水溶液3
00部およびキシレン1500部を入れ、反応液を還流
しながら攪拌して加水分解反応を行い、固形分を濾取し
て鹸化度90%の部分鹸化物を得た。
【0092】さらに、攪拌機及び還流冷却管を取り付け
た三つ口フラスコに、上記部分鹸化物180部、無水フ
タル酸104部、ピリジン40部、キシレン1500部
を入れ、温度110℃で4時間還流しながら攪拌して反
応させ、固形分を濾取して変性物(上記部分鹸化物を無
水フタル酸によって部分エステル化したもの)を得た。
【0093】この部分エステル化物の組成を赤外線分析
法および化学分析法で調べたところ、酢酸ビニル成分
3.2重量%、ビニルアルコール成分16.1重量%、
フタル酸ビニル成分12.7重量%で残りはエチレン成
分から成っていることが認められた。
【0094】この樹脂組成物を用いて実施例22と同様
な方法で、合わせガラスおよび接着強度試験用サンプル
を作成した。
【0095】
【表1】
【0096】
【表2】
【0097】
【表3】
【0098】
【表4】
【0099】
【表5】
【0100】上記各表において組成を表す記号は下記の
ものを意味する。
【0101】
【表6】
【0102】
【表7】
【0103】透明性改良剤 ・ジベンジリデンソルビトール(EC−1−55:イー
シー化学社製) ・ビス(メチルベンジリデン)ソルビトール(ゲルオー
ルMD:新日本理化社製) ・高級脂肪酸で被覆されたジベンジリデンソルビトール
(EC−1−70:イーシー化学社製) ・4−t−ブチルカリックス[4]アレーン(関東化学
社製) ・ジベンジリデンキシリトール(合製品) ・ジベンジリデンマンニトール(合製品) ・ジベンジリデンマンニトール(合製品)
【0104】シランカップリング剤 ・3−アミノプロピルトリメトキシシラン(チッソ社
製) ・3−アミノプロピルトリエトキシシラン(チッソ社
製) ・N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン(チッソ社製) ・N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリ
メトキシシラン(チッソ社製) ・3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(チッソ
社製) ・3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(チッソ
社製) ・3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(チッ
ソ社製)
【0105】ロジン系樹脂 ・ロジンKE−311:ロジンエステル(KE−31
1、荒川化学社製) ・ロジンKR−611:ロジンエステル(KR−61
1、荒川化学社製) ・ロジンT−100X:ロジンエステル(T−100
X、三井石油化学社製)
【0106】石油系樹脂 ・アルコン M−90:脂環族系石油樹脂、水添 重
量%(アルコン M−90、荒川化学社製) ・アルコン M−100:脂環族系石油樹脂、水添80
重量%(アルコン M−100、荒川化学社製) ・アルコン P−70:脂環族系石油樹脂、水添95重
量%(アルコン P−70、荒川化学社製) ・アルコン P−90:脂環族系石油樹脂、水添95重
量%(アルコン P−90、荒川化学社製) ・アルコン P−100:脂環族系石油樹脂、水添95
重量%(アルコン P−100、荒川化学社製) ・アルコン P−115:脂環族系石油樹脂、水添95
重量%(アルコン P−115、荒川化学社製) ・FTR−6100:純モノマー系石油樹脂、スチレン
系オリゴマー、未水添(FTR6100、三井石油化学
社製) ・FTR−8100:純モノマー系石油樹脂、スチレン
系オリゴマー、未水添(FTR8100、三井石油化学
社製)
【0107】(1) ジベンジリデンソルビトールの合成 還流冷却器と攪拌装置を備えた3リットルのフラスコ
に、D−ソルビトール182g(1モル)とベンズアル
デヒド212g(2モル)、トルエン800cc、濃硫
酸2ccを入れ、温度80℃で3時間反応させた。その
後、トルエンを留去し水酸化カリウムで中和し、熱水洗
浄後、濾過し乾燥させて、ジベンジリデンソルビトール
347g(収率97重量%)を得た。
【0108】(2) ジベンジリデンキシリトールの合成 D−ソルビトールに代えてキシリトール152g(2モ
ル)を用い、上記(1)と同様な方法でジベンジリデンキ
シリトール320g(収率95重量%)を合成した。
【0109】(3) ジベンジリデンマンニトールの合成 D−ソルビトールに代えてD−マンニトール182g
(1モル)を用い、上記(1) と同様な方法でジベンジリ
デンマンニトール269g(収率75重量%)を合成し
た。
【0110】合わせガラスの特性試験 実施例1〜26および比較例1〜21で得られた合わせ
ガラスを幅2cmおよび長さ10cmのスリップに裁断
し、物性試験用のサンプルを得た。このサンプルについ
て、下記の方法で、透明度試験、接着強度試験、長期保
存試験、冷熱試験、耐湿試験、煮沸試験および衝撃試験
を行った。その結果を表8〜12に示す。
【0111】この結果から、ロジン系樹脂または炭化水
素系樹脂を配合することにより、前記特開平7−255
1号公報に記載された合わせガラスに比べ、長期保存性
が改善されることが判る。
【0112】(i) 透明性試験 東京電色社製「積分式濁度計」(商品名)を用い、温度
23℃、湿度50%における全光線透過率(%)および
ヘイズ値を測定した。なお、試験はn=10で行った。
【0113】(ii)接着強度(剥離強度)試験 透明フロートガラスを片側に用い、その反対側にポリエ
チレンテレフタレートフィルムを用い、その間に中間膜
(製作直後)を挟み、前記の合わせガラスの製造条件と
同じ条件で接着させ、これを幅2mm長さ10cmにカ
ットして試料とした。この試料の端部の中間膜を剥離さ
せ、この剥離させた中間膜の端部を、引張試験機(テン
シロンUCE500:オリエンテック社製)を用い、引
張り速度50cm/分で90度に引っ張って剥離強度を
測定した。なお、試験はn=10で行った。
【0114】(iii) 長期保存試験 中間膜を温度40℃で40日間放置し、この中間膜につ
いて上記接着強度試験と同様にして剥離強度を測定し
た。
【0115】(IV)冷熱試験 合わせガラスを温度70℃で2時間放置した後、温度7
0℃から−20℃まで2時間かけて冷却し、さらに温度
−20℃で2時間放置した後、温度−20℃から70℃
まで2時間かけて加熱した。これを1サイクルとし、合
計10サイクル試験した後、層剥離の有無を観察した。
【0116】(V) 耐湿試験 合わせガラスを温度55℃、相対湿度98%で2週間放
置した後、層剥離の有無を観察した。ただし、実施例1
0〜21および比較例7〜15の合わせガラスは温度6
0℃、相対湿度95%で8週間放置した後、層剥離の有
無を観察した。
【0117】(vi)煮沸試験 合わせガラスを沸騰水中に2時間放置した後、層剥離の
有無を観察した。
【0118】(vii) 耐衝撃性試験 JIS R3205に準拠して試験を実施した。すなわ
ち、温度23℃、湿度50%で4時間保持した合わせガ
ラスを支持枠にて垂直に保持し、重量45kg、最大径7
5mmの加撃体を30cmの高さから振り子式に合わせ
ガラスの中心に自由落下させた。破壊部分に直径75m
mの球が自由に通過できる開口を生じた場合を×、生じ
なかった場合を○とする。
【0119】(viii)耐候性試験 サンシャインウェザロメーター(JIS A1415に
準拠した)を用いてブラックパネル温度63℃で、黄色
度YI(JIS K7103に準拠した)を測定した。
尚、YIの測定は、反射型、C光源、2度視野で行い、
初期値と1000時間後のYIの差(△YI)で評価し
た。
【0120】(ix)長期耐可塑剤試験 ステンレス製バットに、可塑剤としてフタル酸ジ−2−
エチルヘキシル(DOP)を入れ、その中に合わせガラ
スを浸漬し、これを温度50℃のオーブン中に300時
間放置した後、合わせガラス周縁部の層剥離面積を測定
し、全面積に対する層剥離面積の割合で示す。
【0121】
【表8】
【0122】
【表9】
【0123】
【表10】
【0124】
【表11】
【0125】
【表12】
【0126】これらの結果から、この発明による合わせ
ガラスは、ロジン系樹脂または石油系樹脂を配合するこ
とにより、前記特開平7−2551号公報に記載された
合わせガラスに比べ、長期保存性が改善されることが判
る。そして、特に石油系樹脂を配合すると、長期保存性
とともに長期耐可塑剤性が改善されることが判る。
【0127】実施例27(車両サイド窓用窓ガラス) (1) 中間膜の製造 エチレン−酢酸ビニル共重合体として、酢酸ビニル含有
量28重量%、MFR=6のウルトラセン751(東ソ
ー社製)100部と、シランカップリング剤として、N
−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジ
メトキシシラン0.1部とをロールミルに供給し温度1
50℃で溶融混練し、樹脂組成物を得た。
【0128】これを厚さ0.1mmのポリエチレンテレ
フタレートフィルムで挟み、得られたサンドウイッチ体
をプレス機により温度150℃で120kg/cm2
で30分間シート状にプレス成形して、中間膜とその両
サイドに積層されたポリエチレンテレフタレートフィル
ムとからなる樹脂シートを得た。この樹脂シートを温度
が20℃になるまで放冷した後、両サイドのポリエチレ
ンテレフタレートフィルムを剥がし、厚さ0.4mmの
中間膜を得た。
【0129】(2) 合わせガラスの製作 この中間膜を縦30cm、横30cmおよび厚さ3mm
の透明フロートガラス板の間に挟みサンドウイッチ体を
得た。このサンドウイッチ体をついでゴムバッグに入
れ、10torrの真空度で20分間脱気した後、脱気
状態のまま温度100℃のオープンに移し、この温度で
30分間保持することによりガラス板と中間膜とを接着
させて、ガラス板/中間膜/ガラス板の積層構成の合わ
せガラスを製作した。
【0130】実施例28 実施例27と同様にして製造した厚さ0.4mmの透明
な中間膜に厚さ0.1mmのポリエチレンテレフタレー
トフィルムを積層し、得られた積層体を縦30cm、横
30cmおよび厚さ3mmの透明フロートガラス板の間
に挟みサンドウイッチ体を得た。このサンドウイッチ体
をついでゴムバッグに入れ、10torrの真空度で2
0分間脱気した後、脱気状態のまま温度100℃のオー
プンに移し、この温度で30分間保持することによりガ
ラス板と中間膜とを接着させた。その後、これを室温ま
で冷却し、真空状態を解除し、ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム側のガラス板を取り除き、ガラス板/中間
膜/ポリエチレンテレフタレートフィルムの積層構成の
合わせガラスを製作した。
【0131】実施例29 実施例27と同様にして得られた0.4mmの透明な中
間膜を、縦30cm、横30cmおよび厚さ3mmの透
明フロートガラス板と、縦30cm、横30cmおよび
厚さ3mmの透明ポリカーボネート板(ユーピロンシー
トNF2000U:三菱ガス化学社製)の間に挟み、こ
のサンドイッチ体をゴムバッグに入れ、10torrの
真空度で20分間脱気した後、脱気状態のまま温度10
0℃のオーブンに移し、この温度で30分間保持した。
その後室温まで冷却し真空状態を解除して、ガラス/中
間膜/ポリカーボネート板の積層構成の合わせガラスを
製作した。
【0132】実施例30 中間膜の材料樹脂として、比較例17と同様にして調製
したエチレン−酢酸ビニル共重合体の変性物の製造(エ
チレン−酢酸ビニル共重合体の部分鹸化物を無水フタル
酸によって部分エステル化したもの)を用い、実施例2
7と同様にして、中間膜を製造し、さらにこの中間膜を
用いて実施例27と同様にして、ガラス/中間膜/ガラ
スの積層構成の合わせガラスを製作した。
【0133】実施例31 (1) 中間膜の製造 エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量19
重量%、MFR=2.5、エバフレックス460:三井
ディポンポリケミカル社製)100部、トリアリルイソ
シアヌレート(TAIC:日本化成社製)3部、1,1
−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン(パーヘキサ3M:日本油脂社製)
1部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
(チッソ社製)0.3部を、ロールミルに供給して温度
100℃で溶融混練し、樹脂組成物を調製した。
【0134】この樹脂組成物を厚さ0.1mmのポリエ
チレンテレフタレートフィルムで挟み、得られたサンド
ウイッチ体をプレス機により温度100℃で120kg
/cm2 圧で30分間シート状にプレス成形して、中間
膜とその両サイドに積層されたポリエチレンテレフタレ
ートフィルムとからなる樹脂シートを得た。この樹脂シ
ートを温度が20℃になるまで放冷した後、両サイドの
ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、厚さ
0.4mmの中間膜を得た。
【0135】(2) 合わせガラスの製作 この中間膜を縦30cm、横30cmおよび厚さ3mm
の透明フロートガラス板の間に挟みサンドウイッチ体を
得た。このサンドウイッチ体をついでゴムバッグに入
れ、10torrの真空度で20分間脱気した後、脱気
状態のまま温度100℃のオープンに移し、この温度で
30分間保持することによりガラス板と中間膜とを接着
させて、合わせガラスを製作した。
【0136】この合わせガラスを、次いで、オートクレ
ーブ内で温度135℃、圧力12kg/cm2 の条件で
熱圧着し、その後、室温まで冷却して、ガラス/中間膜
/ガラスの積層構成の合わせガラスを製作した。
【0137】実施例32 エチレン−酢酸ビニル共重合体の代わりに、エチレン−
メチルメタクリレート共重合体(メチルメタクリレート
含量20重量%、MFR=4、アクリフトWH202、
住友化学社製)を100部用いた点を除いて、実施例2
7と同様にして中間膜を製造し、ついでこれを用いて合
わせガラスを製作した。
【0138】実施例33 エチレン−酢酸ビニル共重合体の代わりに、エチレン−
メチルメタクリレート共重合体(メチルメタクリレート
含量20重量%、MFR=4、アクリフトWH202、
住友化学社製)を100部用いた点を除いて、実施例2
8と同様にして中間膜を製造し、ついでこれを用いて合
わせガラスを製作した。
【0139】実施例34 エチレン−酢酸ビニル共重合体の代わりに、エチレン−
メチルメタクリレート共重合体(メチルメタクリレート
含量20重量%、MFR=4、アクリフトWH202、
住友化学社製)を100部用いた点を除いて、実施例2
9と同様にして中間膜を製造し、ついでこれを用いて合
わせガラスを製作した。
【0140】実施例35 エチレン−酢酸ビニル共重合体の代わりに、エチレン−
エチルアクリレート共重合体(エチルアクリレート含量
25重量%、MFR=20、UNC−6570、日本ユ
ニカー社製)を100部用いた点を除いて、実施例27
と同様にして中間膜を製造し、ついでこれを用いて合わ
せガラスを製作した。
【0141】実施例36 エチレン−酢酸ビニル共重合体の代わりに、エチレン−
メチルメタクリレート共重合体(メチルメタクリレート
含量20重量%、MFR=4、アクリフトWH202、
住友化学社製)を100部用いた点を除いて、実施例3
1と同様にして中間膜を製造し、ついでこれを用いて合
わせガラスを製作した。
【0142】実施例37 N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチル
ジメトキシシランを全く用いなかった点を除いて、実施
例27と同様にして中間膜を製造し、ついでこれを用い
て合わせガラスを製作した。
【0143】実施例38 N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチル
ジメトキシシランを全く用いなかった点を除いて、実施
例35と同様にして中間膜を製造し、ついでこれを用い
て合わせガラスを製作した。
【0144】比較例22 (1) 中間膜の製造 ポリビニルブチラール(重合度1700、ブチラール化
度65モル%、アセチル化度1モル%、残存ビニルアル
コール34モル%)100部、トリエチレングリコール
−ジ−2−エチルブチレート40部および酢酸マグネシ
ウム0.03部を、温度150℃の二本ロールで溶融混
練し、得られた混練物をポリエチレンテレフタレートフ
ィルムで挟み、プレス機により温度150℃、圧力12
0kg/cm2 でシート状にプレス成形して、中間膜と
その両サイドに積層されたポリエチレンテレフタレート
フィルムとからなる樹脂シートを得た。この樹脂シート
を温度が20℃になるまで放冷した後、両サイドのポリ
エチレンテレフタレートフィルムを剥がし、厚さ0.4
mmの中間膜を得た。これを恒温恒湿室に置いて、含水
率を0.4〜0.5重量%に調整した。
【0145】(2) 合わせガラスの作製 上記中間膜を縦30cm、横30cmおよび厚さ3mm
の透明フロートガラス板の間に挟みサンドウイッチ体を
得た。このサンドウイッチ体をついでゴムバッグに入
れ、10torrの真空度で20分間脱気した後、脱気
状態のまま温度100℃のオープンに移し、この温度で
30分間保持することによりガラス板と中間膜とを接着
させて、合わせガラスを製作した。
【0146】この合わせガラスを、次いで、オートクレ
ーブ内で温度145℃、圧力13kg/cm2 の条件で
熱圧着し、その後、室温まで冷却して、ガラス/中間膜
/ガラスの積層構成の合わせガラスを製作した。
【0147】比較例23 比較例22と同様にして得た含水率0.4〜0.5重量
%の中間膜を、厚さ0.1mmのポリエチレンテレフタ
レートテレフタレートフィルム(ルミラー:東レ社製)
と重ね合わせ、この積層体を縦30cm、横30cmお
よび厚さ0.1mmの透明フロートガラス板の間に挟み
サンドウイッチ体を得た。このサンドウイッチ体をつい
でゴムバッグに入れ、10torrの真空度で20分間
脱気した後、脱気状態のまま温度100℃のオープンに
移し、この温度で30分間保持することによりガラス板
と中間膜とを接着させて、合わせガラスを製作した。
【0148】この合わせガラスを、次いで、オートクレ
ーブ内で温度135℃、圧力12kg/cm2 の条件で
熱圧着し、その後、室温まで冷却して、ポリエチレンテ
レフタレートフィルム側のガラス板を取り去って、ガラ
ス/中間膜/ポリエチレンテレフタレートフィルムの積
層構成の合わせガラスを製作した。
【0149】合わせガラスの特性試験 実施例27〜38および比較例22〜23で得られた合
わせガラスについて、下記の方法により、耐湿性試験
(白化距離及び剥離強度)を測定した。その結果を表1
3および表14に示す。
【0150】(i) 白化距離の測定 作製直後の合わせガラスを、温度50℃、相対湿度95
%の恒温恒湿室内に4週間放置した後、合わせガラスの
端縁から内方への白化距離(mm)を測定した。
【0151】(ii)剥離強度の測定 上記実施例及び比較例で得られた中間膜を用い、これを
幅2mm×長さ10cmの透明フロートガラス(実施例
27、30、31、32、35、36、37、38及び
比較例22)、透明ポリカーボネート板(実施例29、
34)、透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(実
施例28、33及び比較例23)の片面に、各実施例又
は比較例の合わせガラスの製作条件と同じ条件で接着さ
せて、幅2mm×長さ10cmの試験片を作製した。
【0152】この試験片を、温度50℃、相対湿度95
%で4週間放置した後、その端部の中間膜を剥離させ、
この剥離させた中間膜の端部を、引張試験機(テンシロ
ンUCE500:オリエンテック社製)を用い、常温で
引張り速度50cm/分で90度に引っ張って剥離強度
を測定した。また、耐湿性試験前(温度50℃、相対湿
度95%で4週間放置しないもの)の試験片(作製直
後)の剥離強度も測定した。
【0153】
【表13】
【0154】
【表14】
【0155】これらの結果から、この発明による車両サ
イド窓用合わせガラスは、良好な耐湿性を示すことが判
る。そのため、合わせガラスの端縁部を露出させた状態
で長期間使用しても合わせガラスの端縁からの吸湿が小
さく、端縁部の中間膜の白化や界面剥離などの外観不良
が生じる恐れがないので、車両のサイド窓ガラスとして
最適に使用できることがわかる。
【0156】
【発明の効果】第1の発明による中間膜およびこれを用
いて製作した合わせガラスは以上の如く構成されている
ので、中間膜に自着性や吸湿性がなく、耐熱性、透明
性、接着性が優れ、しかも合わせガラスの長期間保存性
が改善され、長期保存中におけるガラス板と中間膜の接
着性の低下が改善される。
【0157】また、合わせガラスの長期保存性とともに
長期耐可塑剤性が改善され、長期保存中および長期間の
使用中におけるガラス板と中間膜の接着性の低下が改善
される。それゆえ、長期間の使用中においてビード(押
縁)中の可塑剤による端面部のガラス板と中間膜の接着
性の低下を防止することができる。
【0158】特に、ロジン系樹脂または炭化水素系樹脂
として、水添率88重量%以上の水添物を用いると、長
期の耐候性を一層改善することができる。
【0159】また、この発明の中間膜は合わせ加工性が
優れており、高価なオートクレーブを使用せずに、例え
ばゴムバッグや加圧ゴムロールで脱気した後、オーブン
やプレスにより比較的低い温度、例えば温度100℃で
簡易に合わせ加工ができるので、合わせガラスの製造コ
ストが安くなる。
【0160】さらに、このように比較的低い温度、例え
ば温度100℃で合わせ加工ができるので、ガラス板と
して無機ガラス板だけでなく、ポリカーボネートやポリ
メチルメタクリレートなどの有機ガラス板を熱変形させ
ることなく用いることができ、また、装飾合わせガラス
を作製する場合に、印刷インキに耐熱染料を使用する必
要がなくなり、コストが安くなる。
【0161】したがって、この発明の合わせガラスは、
金属サッシなどの枠体にセットし、これを軟質プラスチ
ック製のビード(押縁)で押さえて使用する車両の窓ガ
ラス、建物の窓ガラス、運動施設や公共施設などのグレ
ージング材、間仕切り、防犯用ドアーに好適に使用する
ことができる。
【0162】また、第2の発明による車両サイド窓用合
わせガラスは、中間膜が、エチレン−酢酸ビニル共重合
体またはエチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重
合体またはこれ等の共重合体の変性物を主成分として含
む樹脂組成物より形成されたものであるので、従来の可
塑化ポリビニルブチラール中間膜を用いた合わせガラス
に比べて吸湿性が低く、そのため、合わせガラスの端縁
部を露出させた状態で長期間使用しても合わせガラスの
端縁からの吸湿が小さく、端縁部の中間膜の白化や界面
剥離などの外観不良が生じる恐れがない。
【0163】特に、エチレン−酢酸ビニル共重合体また
はエチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体ま
たはこれ等の共重合体の変性物100重量部に対してシ
ランカップリング剤0.01〜4重量部を含む中間膜よ
り形成された合わせガラス、もしくは、中間膜と該中間
膜に接するガラス板またはプラスチックフィルムまたは
シートとの剥離強度が、0.01〜15kg/cmであ
る合わせガラスは上記効果を顕著に発揮する。
【0164】さらに、この発明による車両サイド窓用合
わせガラスは、従来の可塑化ポリビニルブチラール中間
膜を用いた合わせガラスに比べて安価で、また従来の強
化ガラスに比べて割れにくく、割れた場合でもガラス破
片が飛散しにくく、車両が衝突した際に人体を安全に守
る働きに優れている上に、車両フロント窓に用いられて
いる合わせガラスと同様に、車内の物品の盗難防止や高
度の安全性が確保できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23/08 LDF C08L 23/08 LDG LDG B60J 1/17 Z (72)発明者 林 聡史 滋賀県甲賀郡水口町泉1259 積水化学工業 株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−酢酸ビニル共重合体またはエ
    チレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体100
    重量部と、透明性改良剤0.01〜4重量部と、有機官
    能基と加水分解性基を有するシランカップリング剤0.
    01〜4重量部と、ロジン系樹脂または炭化水素系樹脂
    1〜40重量部とからなる樹脂組成物より形成されてい
    ることを特徴とする、合わせガラス用中間膜。
  2. 【請求項2】 上記ロジン系樹脂または炭化水素系樹脂
    は水添率88重量%以上の水添物であることを特徴とす
    る、請求項1記載の中間膜。
  3. 【請求項3】 上記透明性改良剤は、5価以上の多価ア
    ルコールまたはその誘導体をベンズアルデヒドまたはそ
    の誘導体と反応させて得られた縮合反応生物または一般
    式(I) で表される化合物であることを特徴とする、請求
    項1または2記載の中間膜。 【化1】 (式中、nは4〜16の整数を示す)
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載の中間膜を介して複数
    のガラス板を合わせ加工してなることを特徴とする、合
    わせガラス。
  5. 【請求項5】 車両サイド窓に昇降可能に設けられる、
    複数のガラス板を中間膜を介して合わせ加工してなる合
    わせガラスであって、上記中間膜は、エチレン−酢酸ビ
    ニル共重合体またはエチレン−アルキル(メタ)アクリ
    レート共重合体またはこれ等の共重合体の変性物を主成
    分として含む樹脂組成物より形成されていることを特徴
    とする、車両サイド窓用合わせガラス。
  6. 【請求項6】 上記樹脂組成物は、エチレン−酢酸ビニ
    ル共重合体またはエチレン−アルキル(メタ)アクリレ
    ート共重合体またはこれ等の共重合体の変性物100重
    量部に対してシランカップリング剤0.01〜4重量部
    を含むことを特徴とする、請求項5記載の車両サイド窓
    用合わせガラス。
  7. 【請求項7】 中間膜と該中間膜に接するガラス板また
    はプラスチックフィルムまたはシートとの剥離強度が、
    0.01〜15kg/cmであることを特徴とする、請
    求項5または6記載の車両サイド窓用合わせガラス。
JP5162296A 1995-06-08 1996-03-08 合わせガラス用中間膜および車両サイド窓用合わせガラス Pending JPH09188548A (ja)

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JP20313595 1995-08-09
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JP7-203135 1995-11-06
JP7-141841 1995-11-06
JP7-287322 1995-11-06
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010171419A (ja) * 2008-12-27 2010-08-05 Arakawa Chem Ind Co Ltd 太陽電池用封止材シート
US9034973B2 (en) 2006-06-19 2015-05-19 Bridgestone Corporation Composition for forming intermediate film for laminated glass, intermediate film for laminated glass and laminated glass
JP2015101530A (ja) * 2013-11-28 2015-06-04 荒川化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜および合わせガラス

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