JPH09183724A - ナフタレンカルボン酸誘導体 - Google Patents

ナフタレンカルボン酸誘導体

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JPH09183724A
JPH09183724A JP7352575A JP35257595A JPH09183724A JP H09183724 A JPH09183724 A JP H09183724A JP 7352575 A JP7352575 A JP 7352575A JP 35257595 A JP35257595 A JP 35257595A JP H09183724 A JPH09183724 A JP H09183724A
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acid derivative
naphthalenecarboxylic acid
chemical formula
propolis
extract
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Tetsuya Matsuno
哲也 松野
Yasuyuki Matsumoto
泰幸 松本
Junji Morikawa
惇二 森川
Masahiro Saito
正広 斉藤
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Eiken Chemical Co Ltd
Original Assignee
Eiken Chemical Co Ltd
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    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/185Acids; Anhydrides, halides or salts thereof, e.g. sulfur acids, imidic, hydrazonic or hydroximic acids
    • A61K31/19Carboxylic acids, e.g. valproic acid
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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    • A61P35/00Antineoplastic agents

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題はプロポリスより精製された抗
腫瘍剤として有用なナフタレンカルボン酸誘導体を提供
することである。 【解決手段】 本発明は、化学式(I)で表わされる
1,2,3,4,4a,7,8,8a−オクタヒドロ−
1,4a,5−トリメチル−1−(3−メチル−5−オ
キソ−3−ペンテニル)−2−ナフタレンカルボン酸及
びその異性体もしくはそれらの塩を有効成分として含有
してなる抗腫瘍剤よりなる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学式(I)で表
わされる既知物質1,2,3,4,4a,7,8,8a
−オクタヒドロ−1,4a,5−トリメチル−1−(3
−メチル−5−オキソ−3−ペンテニル)−2−ナフタ
レンカルボン酸(以下ナフタレンカルボン酸誘導体と略
す)及びその異性体の新規な製造方法、およびその医薬
品として、特に抗腫瘍剤としての新規な用途に関する。
【化4】
【0002】
【従来の技術】癌の治療に用いられる抗腫瘍剤は大きく
分けて化学療法剤と免疫療法剤の二つに分けられる。化
学療法剤は切除不能な癌に投与されるだけでなく、術前
や術後に投与することにより、外科療法と組合せても使
用されている。例えば、癌化学療法剤としては、アルキ
ル化剤(ニトロジエンマスタード類、エチレンイミン
類、スルホン酸エステル類等)、代謝拮抗物質(葉酸拮
抗剤、ピリミジン拮抗剤等)、植物性核***毒(コルセ
ミド、ビンブラスチン等)、抗生物質(ザルコマイシ
ン、カルチノフィリン、マイトマイシン等)、ホルモン
剤(副腎皮質ステロイド、男性ホルモン、女性ホルモン
等)、及びポルフィリン錯塩(モーフィリン、copp)等
が臨床上使用されている。しかし、化学療法剤は細胞毒
性物質であることが多く、癌細胞を攻撃するのみでな
く、正常細胞にも作用し、一般に強い副作用を伴う。例
えば、嘔吐、悪心、食欲不振、倦怠感、神経障害、骨髄
障害(白血球減少)、脱毛、口内炎等の副作用がみられ
る場合もある。そのため、長期投与にあたっては注意が
必要である。
【0003】免疫療法剤は主に免疫賦活剤で、免疫力を
高めることにより、免疫応答細胞に癌細胞を異物として
認識させ、これを治療する。しかし免疫賦活剤は副作用
は少ないが、一般的には抗腫瘍効果が穏やかで、補助的
療法として用いられることが多い。
【0004】このように従来の抗腫瘍剤には一長一短が
有り、それゆえ、抗腫瘍活性が高く、副作用が少なく、
長期投与が可能な抗腫瘍剤の開発が望まれていた。また
抗腫瘍剤は一般に高価であるので、患者の経済的負担を
軽減するために、それが安価で供給されることも望まれ
ている。
【0005】民間療法剤として用いられているプロポリ
スは、蜜蜂が集めた草木の成分と唾液、蜜蝋、花粉等が
混合された樹脂状物質で、それに抗菌作用、抗炎症作用
などの薬理作用があることが知られている。また、プロ
ポリスを健康補助食品として飲用すると抗腫瘍効果が現
れることが知られており、プロポリスより抗腫瘍性活性
物質を抽出・精製する試みがなされ(特開平5−589
43号、特開平5−271031号)、抽出物には抗菌
作用や抗腫瘍作用が認められている。
【0006】本発明者も抗腫瘍作用を有する新規生理活
性物質を発見すべく、プロポリスより抽出精製を行い、
抗腫瘍活性を有する物質として化学式(I)で表わされ
るナフタレンカルボン酸誘導体を見出した。
【0007】
【化5】
【0008】本願の化学式(I)で表わされるナフタレ
ンカルボン酸誘導体は、SYMPHYOPAPPUS種の植物(PHYTO
CHEMISTRY, 20(7),1657-1663, 1981 )やゼニゴケ類(P
HYTOCHEMISTRY, 28(12),3415-3419, 1989 )から抽出さ
れることが知られている。またその異性体である化学式
(II)及び(III)がRN=126239−79−
0及びRN=126239−80−3としてCHEMICAL A
BSTRACTに登録されている。
【0009】しかし本化合物にどのような薬理作用があ
るか、医薬品として使用可能かどうかは未だ知られてい
ない。特に本化合物に抗腫瘍作用があることは新規な知
見である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、化学式
(I)で表されるナフタレンカルボン酸誘導体及びその
異性体(II)(III)を主成分とする医薬品、特に
抗腫瘍剤を提供することを目的とする。さらに本ナフタ
レンカルボン酸誘導体の新規な製造方法を提供すること
も目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は次の化学式
(I)(II)(III)で表されるナフタレンカルボ
ン酸誘導体及びその異性体を主成分とする医薬品、特に
抗腫瘍剤を提供する。さらに本発明はナフタレンカルボ
ン酸誘導体(I)(II)(III)をプロポリスより
抽出精製する製造方法を提供する。
【化6】
【化7】
【化8】
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、ナフタレンカルボン酸
誘導体またはその塩を有効成分として含有してなる医薬
品特に抗腫瘍剤として用いられる。塩としては製薬学的
に許容される塩類が含まれる。
【0013】また本発明は(1) プロポリスのエタノ
ール懸濁液の不溶物を除去し、プロポリスのエタノール
抽出液を得、次いで得られたエタノール抽出液の溶媒を
蒸発除去し、得られた残渣を水と酢酸エチルの混液で抽
出し、酢酸エチル抽出液を得、得られた酢酸エチル抽出
液の溶媒を蒸発除去し、得られた残渣をメタノールに分
散させ、不溶物を除去し、プロポリスのメタノール抽出
液を得る工程、(2) 前記メタノール抽出液を逆相系
カラムによる液体クロマトグラフィーにかけ、70%〜
100%のメタノール濃度勾配による傾斜溶離を行い、
メタノール濃度90〜95%の画分を分取する工程、
(3) 前記メタノール濃度90〜95%画分の溶媒を
蒸発除去し、次いで得られた残渣をクロロホルムに溶解
し、得られた溶液を吸着系カラムによる液体クロマトグ
ラフィーにかけ、クロロホルムで溶出し、主画分を分取
する工程、(4) 前記画分の溶媒を蒸発除去し、次い
で得られた残渣をクロロホルムに溶解し、得られた溶液
を分子篩系カラムによる液体クロマトグラフィーにか
け、クロロホルムで溶出し、主画分を分取し、溶媒を蒸
発除去し、ナフタレンカルボン酸誘導体を得る工程より
なる、プロポリスからナフタレンカルボン酸誘導体を抽
出・精製する製造方法でもある。
【0014】工程(2)で使用するカラムは高速液体ク
ロマトグラフィー用であり、逆相系カラムとしては市販
のODS系シリカゲルカラムが使用可能であり、特に本
願には70%メタノ−ルで平衡化したODS 80TM
カラム(東ソー社製)が好ましい。
【0015】工程(3)で使用するカラムは高速液体ク
ロマトグラフィー用であり、吸着系カラムとしては市販
のInertsil系カラムが使用可能であり、特に本
願にはクロロホルムで平衡化したInertsil S
ILカラム(ジーエルサイエンス社製)が好ましい。
【0016】工程(4)で使用するカラムは高速液体ク
ロマトグラフィー用であり、分子篩系カラムとしては市
販のGPC系カラムが使用可能であり、特に本願にはク
ロロホルムで平衡化したShodex GPC−H20
00カラム(昭和電工社製)が好ましい。
【0017】上記の工程(3)および(4)において異
性体(II)(III)は近接しているが異なるリテン
ションタイムに異なるピークとして溶出される。異性体
(II)を単離精製するには、工程(3)において(I
I)のピークを分取し、工程(4)において少量残存す
る(III)を不純物として除去することにより、精製
した異性体(II)が単離される。また工程(3)及び
工程(4)を2回繰り返して行えば更に精製された(I
I)が得られる。
【0018】異性体(III)を単離精製するには、上
記と逆に工程(3)において(III)のピークを分取
し、工程(4)において少量残存する(II)を不純物
として除去することにより、精製した異性体(III)
が単離される。また工程(3)及び工程(4)を2回繰
り返して行えば更に精製された(III)が得られる。
【0019】異性体(II)(III)の単離が不要で
ある時は、工程(3)において(II)及び(III)
を含むピーク全体を分取し、工程(4)で(II)(I
II)以外の残存する不純物を除去し精製することによ
り、精製したナフタレンカルボン酸誘導体(I)が異性
体(II)(III)の混合物として得られる。
【0020】上記の操作により、精製したナフタレンカ
ルボン酸誘導体(I)は油状物質として得られ、異性体
(II)及び異性体(III)は結晶性の粉末として得
られる。
【0021】本発明のナフタレンカルボン酸誘導体は実
施例に示すように腫瘍細胞に対し抗腫瘍細胞作用を示す
ので、様々な態様で投与することにより極めて有効な抗
腫瘍効果を示すと考えられる。本化合物を投与するため
の方法は非経口投与、または経口投与が考えられ、投与
される組成物には治療上有効量の本化合物と薬理上許容
される希釈剤、安定剤、賦形剤等が含有される。投与形
態としては、静脈内注射、皮下注射、筋肉注射、座薬、
軟膏、チンキ等の非経口投与法、錠剤、散剤、カプセル
剤、顆粒剤等による経口投与法が挙げられる。
【0022】本発明のナフタレンカルボン酸誘導体は油
状物質、もしくは結晶性の粉末として得られるので、錠
剤や散剤などの乾燥した形態で投与する場合は粉末上の
異性体を用いるのが好ましく、液剤として投与するので
あれば油状でも粉末状でもそれが溶解もしくは懸濁さ
れ、投与形態に適合すれば使用できる。また倍散の如き
形態とすれば油状であっても散剤などに使用できる。
【0023】現時点では本ナフタレンカルボン酸誘導体
をヒトに投与した場合の安全性は不明である。しかし、
プロポリスそのもの10〜15g/kgをイヌ、ラット
およびモルモットに数ヶ月間経口投与しても毒性は見ら
れなかった(PROPOLIS:2ND ed.,Y.
DONADIEU,1983)ことより、ナフタレンカ
ルボン酸誘導体をヒトに投与しても安全性は高いと考え
られる。
【0024】またプロポリスのアルコール抽出物には抗
菌作用、抗酸化作用、抗炎症作用、ウイルス増殖抑制作
用、マクロファージ活性化作用、育毛作用等が知られて
おり(特開平5−271031、特開平5−31696
8、特開平7−298833等)、プロポリスのアルコ
ール抽出物を精製した本発明のナフタレンカルボン酸誘
導体にもそれらの作用が期待できる。
【0025】以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細
に説明する。なお、下記実施例は単に説明のためのもの
であり、本発明を何ら限定するものではない。
【実施例】
【0026】実施例1 プロポリスから本化合物の抽出 プロポリスからナフタレンカルボン酸誘導体の抽出・精
製は、次の[ステップ1]〜[ステップ 5]を通して
実施した。 [ステップ 1]プロポリス100gを10倍量の9
9.5%エタノールと混合し、マグネチックスターラー
を用いて室温下で攪拌した。得られた懸濁液を減圧ろ過
してプロポリスのエタノール抽出液を得た。次いで得ら
れたエタノール抽出液の溶媒をロータリーエバポレータ
ーを用い蒸発除去し、得られた残渣約30gを水と酢酸
エチル混液(1:1)に分散し、上層の酢酸エチル層を
分取しプロポリスの酢酸エチル抽出液を得た。得られた
酢酸エチル抽出液の溶媒をロータリーエバポレーターで
蒸発除去し、得られた残渣約20gを99.5%メタノ
ールに分散させ、不溶物を低速遠心で取り除き、プロポ
リスのメタノール抽出液を得た。
【0027】[ステップ 2]ステップ 1で得られた
メタノール抽出液を70%メタノールで平衡化した高速
液体クロマトグラフィー用ODS系カラム、ODS 8
0TMカラム(東ソー社製)に注入し、70%〜100
%のメタノール濃度勾配による傾斜溶離を行った。メタ
ノール濃度90〜95%の画分を分取した。
【0028】[ステップ 3]ステップ 2で得られた
メタノール濃度90〜95%の画分を1つに集め、溶媒
をロータリーエバポレーターで蒸発除去し、残渣約2g
を得た。次いで得られた残渣をクロロホルムに溶解し、
得られた溶液をクロロホルムで平衡化した高速液体クロ
マトグラフィー用Inertsil系カラム、Iner
tsil SILカラム(ジーエルサイエンス社製)に
注入し、保持時間の異なる2つの画分を分取した。
【0029】[ステップ 4]ステップ 3で得られた
2画分の溶媒をロータリーエバポレーターで蒸発除去
し、残渣各々約70mg,60mgを得た。次いで得ら
れた各々の残渣をクロロホルムに溶解し、得られた溶液
をクロロホルムで平衡化した高速液体クロマトグラフィ
ー用GPC系カラム、Shodex GPC−H200
0カラム(昭和電工社製)に注入し、各々主画分を分取
した。
【0030】[ステップ 5]ステップ 4で得られた
各々の主画分の溶媒をロータリーエバポレーターで蒸発
除去し、無色の結晶性物質として各々残渣約50mg、
40mgを得た。その残渣の理化学的性質より、それが
1,2,3,4,4a,7,8,8a−オクタヒドロ−
1,4a,5−トリメチル−1−(3−メチル−5−オ
キソ−3−ペンテニル)−2−ナフタレンカルボン酸の
異性体(II)及び(III)であることを確認した。
【0031】またステップ 3で異性体の分離を行わ
ず、その後の操作を同様に行い化合物(I)も得た。化
合物(I)は油状物質として得られた。
【0032】実施例2 ナフタレンカルボン酸誘導体
(II)の理化学的性質 化合物名: 2-Naphthalenecarboxylic acid, 1,2,3,4,4
a,7,8,8a-octahydro-1,4a,5-trimethyl-1-(3-methyl-5-
oxo-3-pentenyl)-, [1R-[1.alpha.(Z),2.beta.,4a.bet
a.,8a.alpha.]]- (9CI) (CA INDEX NAME) CA登録番号:126239-79-0 分子量:318.46 分子式:C20303
【0033】化学式:
【化9】
【0034】性状:無色の針状結晶または結晶性粉末、
においは芳香性を有す。 溶解性:クロロホルム,ジメチルホルムアミドに易溶,
エタノール,メタノールに可溶,水及びシクロヘキサン
に不溶
【0035】マススペクトル: Instrument :Finnigan MAT INCOS 50 Ionization :EI Accerelation VOLTAGE:70 eV 結果を図1に示す
【0036】NMRスペクトル: Instrument :JEOL JNM-GSX400 Resonance :1H(400 MHz) Sample phase :7.7 mg/0.55 ml CDCl3 Internal reference:TMS Temperature :30 ℃ 結果を図2に示す。
【0037】HPLC: Instrument :SHIMADZU CL-4A 分離条件及び保持時間は、下記の通り。
【表1】
【0038】これらのデータの解析より本発明のナフタ
レンカルボン酸誘導体は化学式(II)で示される化合
物と同定した。
【0039】実施例3 ナフタレンカルボン酸誘導体
(III)の理化学的性質 化合物名: 2-Naphthalenecarboxylic acid, 1,2,3,4,4
a,7,8,8a-octahydro-1,4a,5-trimethyl-1-(3-methyl-5-
oxo-3-pentenyl)-, [1R-[1.alpha.(E),2.beta.,4a.bet
a.,8a.alpha.]]- (9CI) (CA INDEX NAME) CA登録番号: 126239-80-3 分子量:318.46 分子式:C20303
【0040】化学式:
【化10】
【0041】性状:無色の針状結晶または結晶性粉末、
においは芳香性を有す。 溶解性:クロロホルム,ジメチルホルムアミドに易溶,
エタノール,メタノールに可溶,水及びシクロヘキサン
に不溶
【0042】マススペクトル: Instrument :Finnigan MAT INCOS 50 Ionization :EI Accerelation VOLTAGE:70 eV 結果を図3に示す
【0043】NMRスペクトル: Instrument :JEOL JNM-GSX400 Resonance :1H(400 MHz) Sample phase :4.05 mg/0.55 ml CDCl3 Internal reference:TMS Temperature :25 ℃ 結果を図4に示す。
【0044】HPLC: Instrument :SHIMADZU CL-4A 分離条件及び保持時間は、下記の通り。
【表2】
【0045】これらのデータの解析より本発明のナフタ
レンカルボン酸誘導体は化学式(III)で示される化
合物と同定した。
【0046】実施例4 培養腫瘍細胞に対する抗腫瘍細
胞作用 実施例1で得られたナフタレンカルボン酸誘導体(I)
(II)及び(III)を被験物質として用いて、以下
のようにして腫瘍細胞の細胞損傷活性試験を行った。9
6穴マイクロタイタープレートの各穴に10%ウシ胎児
血清及び2mMグルタミンを含むMEM培地により適宜
希釈した被験物質を0.1mlずつ添加後、トリプシン
処理したヒト肝ガン HuH13株(J. CELLULAR PHYS
YOL., VOL 148, 290-294, 1991)を上記培養液で3×1
4個/mlに調製し、0.05mlずつ分注した。
【0047】該プレートを炭酸ガスインキュベーター内
で37℃、72時間培養後、培養上清を除去し、0.0
2%ニュートラルレッドを含む培養液を0.1mlずつ
各穴に加え、37℃で1時間炭酸ガスインキュベーター
内で培養し、細胞を染色した。培養上清を除去後、残渣
を生理食塩水で1回洗浄した。次いで0.001規定塩
酸/30%エタノールで色素を抽出後、マイクロプレー
トリーダーにより550nmの吸光度を測定した。無処
理細胞と既知濃度の被験物質で処理した細胞との吸光度
を比較して次式に従って細胞の増殖阻止率を算出した。
【0048】
【数1】
【0049】得られた増殖阻止率から、細胞の増殖を5
0%阻害する被験物質濃度(ID50)を算出した。結果
を表1に示す。表1から明らかなようにナフタレンカル
ボン酸誘導体(I)(II)及び(III)は腫瘍細胞
に対し、優れた増殖阻止作用を示した。
【0050】
【表3】
【0051】
【発明の効果】プロポリスからの抽出により容易に得ら
れる本発明のナフタレンカルボン酸誘導体(1,2,
3,4,4a,7,8,8a−オクタヒドロ−1,4
a,5−トリメチル−1−(3−メチル−5−オキソ−
3−ペンテニル)−2−ナフタレンカルボン酸及びその
異性体は、抗腫瘍活性を示し、抗腫瘍剤として有用であ
る。また安全性が高く副作用の少ない抗腫瘍剤として期
待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ナフタレンカルボン酸誘導体(II)のマスス
ペクトル
【図2】ナフタレンカルボン酸誘導体(II)の1H−
NMRスペクトル
【図3】ナフタレンカルボン酸誘導体(III)のマス
スペクトル
【図4】ナフタレンカルボン酸誘導体(III)の1
−NMRスペクトル

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学式(I)で表わされるナフタレンカ
    ルボン酸誘導体またはその塩を有効成分として含有して
    なる医薬品 【化1】
  2. 【請求項2】 式(I)の化合物の異性体である化学式
    (II)で表わされるナフタレンカルボン酸誘導体また
    はその塩を有効成分として含有してなる医薬品 【化2】
  3. 【請求項3】 式(I)の化合物の異性体である化学式
    (III)で表わされるナフタレンカルボン酸誘導体ま
    たはその塩を有効成分として含有してなる医薬品 【化3】
  4. 【請求項4】 化学式(I)で表わされるナフタレンカ
    ルボン酸誘導体またはその塩を有効成分として含有して
    なる抗腫瘍剤
  5. 【請求項5】 式(I)の化合物の異性体である化学式
    (II)で表わされるナフタレンカルボン酸誘導体また
    はその塩を有効成分として含有してなる抗腫瘍剤
  6. 【請求項6】 式(I)の化合物の異性体である化学式
    (III)で表わされるナフタレンカルボン酸誘導体ま
    たはその塩を有効成分として含有してなる抗腫瘍剤
  7. 【請求項7】 次の工程を経て、プロポリスから化学式
    (I)で表わされるナフタレンカルボン酸誘導体を抽出
    ・精製する製造方法 (1) プロポリスのエタノール懸濁液の不溶物を除去
    し、プロポリスのエタノール抽出液を得、次いで得られ
    たエタノール抽出液の溶媒を蒸発除去し、得られた残渣
    を水と酢酸エチルの混液で抽出し、酢酸エチル抽出液を
    得、得られた酢酸エチル抽出液の溶媒を蒸発除去し、得
    られた残渣をメタノールに分散させ、不溶物を除去し、
    プロポリスのメタノール抽出液を得る工程、(2) 前
    記メタノール抽出液を逆相系カラムによる液体クロマト
    グラフィーにかけ、70%〜100%のメタノール濃度
    勾配による傾斜溶離を行い、メタノール濃度90〜95
    %の画分を分取する工程、(3) 前記メタノール濃度
    90〜95%画分の溶媒を蒸発除去し、次いで得られた
    残渣をクロロホルムに溶解し、得られた溶液を吸着系カ
    ラムによる液体クロマトグラフィーにかけ、クロロホル
    ムで溶出し、主画分を分取する工程、(4) 前記画分
    の溶媒を蒸発除去し、次いで得られた残渣をクロロホル
    ムに溶解し、得られた溶液を分子篩系カラムによる液体
    クロマトグラフィーにかけ、クロロホルムで溶出し、主
    画分を分取し、溶媒を蒸発除去し、化学式(I)で表わ
    されるナフタレンカルボン酸誘導体を得る工程
  8. 【請求項8】 得られるナフタレンカルボン酸誘導体が
    化学式(II)である請求項7記載の製造方法
  9. 【請求項9】 得られるナフタレンカルボン酸誘導体が
    化学式(III)である請求項7記載の製造方法
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