JPH09182933A

JPH09182933A - 歯成形金型

Info

Publication number: JPH09182933A
Application number: JP34246695A
Authority: JP
Inventors: Shohachi Nishiuchi; 正八西内
Original assignee: Honda Motor Co Ltd
Current assignee: Honda Motor Co Ltd
Priority date: 1995-12-28
Filing date: 1995-12-28
Publication date: 1997-07-15

Abstract

(57)【要約】【解決手段】歯成形金型１のストレート歯２に、左右
の形状が異なるアプローチ面２ａを形成したので、素材
５を歯成形金型１内に押し込むと、素材５が右方向又は
左方向に進入する。従って、素材５を右方向又は左方向
に回動しながら歯成形金型１内に押し込んで素材５をヘ
リカルスプライン８に成形できる。ストレート歯２は、
長手方向がパンチ６の進行方向と平行な位置にあるの
で、ストレート歯２を放電加工した後、ストレート歯２
の形状をラップバー等で精度を容易に補正できる。さら
に、歯成形金型１内に素材５を押し込むとき、ストレー
ト歯２の側面が受ける押圧力を小さく抑えることができ
る。【効果】ヘリカルスプラインを形成する歯成形金型の
精度を高めると共に寿命を長くすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ヘリカルギアを成
形する歯成形金型に関する。

【０００２】

【従来の技術】スプラインやギアを歯成形金型で成形す
る方法が、実開平１−１００６３１号公報「成形用歯
形」や、特開平４−１４７７３９号公報「ヘリカルギ
アの製造法」に開示されている。これら、の要部を
以下に示す再掲図にて説明する。

【０００３】図１４は上記の歯成形金型のストレート
歯の正面図であるが符号は振り直した。歯成形金型１０
０は内周面１００ａにストレート歯１０１…（…は複数
個を示す）を備える。ストレート歯１０１はアプローチ
面１０１ａ、頂面１０１ｂ、逃げ面１０１ｃ、アプロー
チ面１０１ａから谷１０２へ傾斜した左右のアプローチ
斜面１０１ｄ，１０１ｄ、頂面１０１ｂから谷１０２へ
傾斜した左右の中央斜面１０１ｅ，１０１ｅ、逃げ面１
０１ｃから谷１０２へ傾斜した左右の逃げ斜面１０１
ｆ，１０１ｆとを備える。この歯成形金型１００の内周
にパンチで素材を押込むと、歯成形金型１００のストレ
ート歯１０１…によって素材の外周にスプラインやギア
を成形することができる。

【０００４】図１５は上記の歯成形金型のヘリカル歯
の正面図であるが符号は振り直した。歯成形金型１０４
は内周面にヘリカル歯１０５…を備える。この歯成形金
型１０４に、ストレートギア１０７をパンチ１０６で押
し込む。これにより、歯成形金型１０４のヘリカル歯１
０５…でストレートギア１０７をヘリカルギア１０８に
変更することができる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記の歯成形金型１
００の場合、放電加工等でストレート歯１０１…を加工
した後、ラップバー等でストレート歯１０１…を精度補
正して高精度に加工できる。しかし、この歯成形金型１
００ではヘリカルギアを成形することはできない。

【０００６】一方、上記の歯成形金型１０４のヘリカ
ル歯１０５…の場合、放電加工後の仕上げ加工を手仕上
げやラップバーで加工する。放電加工後の仕上げ加工を
手仕上げで加工する場合、ラップバーによる加工と異な
り精度補正が困難になり精度面で問題がある。また、放
電加工後の仕上げ加工をラップバーで加工する場合、ラ
ップバーをヘリカル歯１０５…の捩りに同期させて回転
する必要があるので、設備が複雑になり歯成形金型１０
４も高価になる。さらに、歯成形金型１０４のヘリカル
歯１０５…の場合、歯の側面に押圧力がかかり歯成形金
型１０４の寿命が短くなるという問題がある。

【０００７】そこで、本発明の目的は、ストレート歯を
備えた歯成形金型でヘリカルギアを成形するようにし
て、高精度で寿命の長い歯成形金型を提供することにあ
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の請求項１は、素材にヘリカルスプライン等の
ヘリカルギア部を成形する為の歯成形金型において、こ
の歯成形金型に、歯の長手方向がパンチの進行方向と平
行なストレート歯を備え、このストレート歯はアプロー
チ面、頂面、逃げ面、頂面から谷へ傾斜した左右の中央
斜面、逃げ面から谷へ傾斜した左右の逃げ斜面とからな
り、前記アプローチ面の左右の形状を異ならせたことを
特徴とする。

【０００９】歯成形金型のストレート歯に、左右の形状
が異なるアプローチ面を形成したので、パンチで素材を
歯成形金型内に押し込むと、素材が右方向又は左方向に
進入する。従って、素材を右方向又は左方向に回動しな
がら歯成形金型内に押し込むことができるので、素材を
ヘリカルギアに成形することができる。

【００１０】また、ストレート歯は、長手方向がパンチ
の進行方向と平行な位置にあるので、例えばストレート
歯を放電加工などで加工した後、ストレート歯の形状を
ラップバー等で加工して精度を容易に補正することがで
きる。

【００１１】さらに、ストレート歯は、長手方向がパン
チの進行方向と平行な位置にあるので、歯成形金型内に
素材を押し込むとき、ストレート歯の側面が受ける押圧
力を小さく抑えることができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図１は本発明に係る歯成形金型に形成した
ストレート歯（第１実施例）の斜視図である。歯成形金
型１は、内周面１ａ上に一定の間隔をおいてストレート
歯２…を備える。ストレート歯２…は、図４（ａ）に示
す素材５の押込み方向と平行の位置にあり、且つ歯成形
金型１の内周面１ａから内側へ山形に突出したものであ
る。そして、ストレート歯２とストレート歯２との間が
谷３となる。

【００１３】図２は本発明に係るストレート歯（第１実
施例）の拡大図である。図において、上下左右方向は図
示した方向とする。ストレート歯２は、上方から下方に
順次形成したアプローチ面２ａ、頂面２ｂ及び逃げ面２
ｃと、アプローチ面２ａの左右に形成した左アプローチ
斜面２ｄ及び右アプローチ斜面２ｅと、頂面２ｂの左右
に形成した左中央斜面２ｆ及び右中央斜面２ｇと、逃げ
面２ｃの左右に形成した左右の逃げ斜面２ｈ，２ｈとか
らなる。

【００１４】頂面２ｂはストレート歯２の山形頂部に位
置する平面であり、アプローチ面２ａは谷３から頂面２
ｂに至る上昇傾面である。逃げ面２ｃは頂面２ｂから下
方に延長する下降斜面である。左アプローチ斜面２ｄは
アプローチ面２ａから左側の谷３へ延長した斜面であ
り、右アプローチ斜面２ｅはアプローチ面２ａから右側
の谷３へ延長した斜面である。左アプローチ斜面２ｄ
は、右アプローチ斜面２ｅと比較して平面視面積が小さ
い形状とし、これにより、アプローチ面２ａは、左側に
張出した///張出領域Ｚ₁を含む。また、左中央斜面２ｆ
は頂面２ｂから左側の谷３へ延長した斜面であり、右中
央斜面２ｇは頂面２ｂから右側の谷３へ延長した斜面で
ある。左右の逃げ斜面２ｈ，２ｈは逃げ面２ｃから左右
側の谷３へ延長した斜面である。

【００１５】図３は本発明に係るストレート歯（第１実
施例）の平面図である。上述したように、アプローチ面
２ａが左側に張出した張出領域Ｚ₁を含むので、左アプ
ローチ斜面２ｄは、右アプローチ斜面２ｅと比較して平
面視面積が小さくなる。

【００１６】図４（ａ）〜（ｃ）は本発明に係る歯成形
金型（第１実施例）の作用説明図である。（ａ）は歯成
形金型に素材の押込みを開始するときの断面図である。
円柱状の素材５の下端部を歯成形金型１内に嵌入して、
パンチで素材５を歯成形金型１内に押込む。

【００１７】（ｂ）は本発明に係るストレート歯の作用
の説明図である。素材５がストレート歯２まで進入する
と、矢印側が矢印側より素材５の流入量が多くな
る。従って、矢印側が矢印側より素材５の押出し長
さが多くなり、押出し長さの多い側は押出し長さの少
ない側の引張りを受ける。これにより、素材５に成形
される歯型全体は側に捩れを生じる。

【００１８】この作用により、ストレート歯２の頂面２
ｂ、左中央斜面２ｆ及び右中央斜面２ｇで、素材５の外
周にヘリカル状のスプライン溝７を成形することができ
る。即ち、このスプライン溝７は、底面７ａが頂面２ｂ
で成形され、左壁面７ｂが左中央斜面２ｆで成形され、
右壁面７ｃが右中央斜面２ｇで成形される。なお、この
場合、ストレート歯２の逃げ面２ｃ及び左右の逃げ斜面
２ｈ，２ｈは素材５に接触しない。

【００１９】（ｃ）は歯成形金型に素材の押込みが完了
したときの断面図である。素材５をパンチ６で押し込む
ことにより、素材５は時計回り方向に回動しながら歯成
形金型１内に進入して、素材５の外周にヘリカルスプラ
イン８を形成する。

【００２０】次に、第２実施例を示す。図５は本発明に
係るストレート歯（第２実施例）の拡大図である。図に
おいて、上下左右方向は図示した方向とする。ストレー
ト歯１０は、第１実施例のストレート歯２と略同一なの
で同一類似部には同一符号を付して説明を省略する。ス
トレート歯１０は、第１実施例の左アプローチ斜面２ｄ
（図２参照）を備えていないので、アプローチ面１０ａ
の張出領域Ｚ₂は、第１実施例の張出領域Ｚ₁より大きく
なる。なお、１０ｂは頂面２ｂから左側の谷３へ延長し
た左中央斜面である。

【００２１】図６は本発明に係るストレート歯（第２実
施例）の平面図である。上述したように、第２実施例の
場合、第１実施例の左アプローチ斜面２ｄ（図２参照）
がないので、アプローチ面１０ａは、第１実施例より大
きく左側に張出した張出領域Ｚ₂を含む。

【００２２】図７は本発明に係る歯成形金型（第２実施
例）の作用の説明図である。素材５がストレート歯１０
まで進入すると、矢印側が矢印側より素材５の流入
量が多くなる。従って、矢印側が矢印側より素材５
の押出し長さが多くなり、押出し長さの多い側は押出
し長さの少ない側の引張りを受ける。これにより、素
材５に成形される歯型全体は側に捩れを生じる。

【００２３】この作用により、ストレート歯１０の頂面
２ｂ、左中央斜面１０ｂ及び右中央斜面２ｇで、素材５
の外周にヘリカル状のスプライン溝１１を成形すること
ができる。即ち、このスプライン溝１１は、底面１１ａ
が頂面２ｂで成形され、左壁面１１ｂが左中央斜面１０
ｂで成形され、右壁面１１ｃが右中央斜面２ｇで成形さ
れる。従って、素材５にヘリカルスプラインを形成す
る。なお、第２実施例の張出領域Ｚ₂は第１実施例の張
出領域Ｚ₁より大きいので、第２実施例のヘリカルスプ
ラインは第１実施例のヘリカルスプライン８と比較して
捩り角が大きくなる。

【００２４】次に、第３実施例を示す。図８は本発明に
係るストレート歯（第３実施例）の拡大図である。図に
おいて、上下左右方向は図示した方向とする。ストレー
ト歯２０は、第２実施例のストレート歯１０と略同一な
ので同一類似部には同一符号を付して説明を省略する。
ストレート歯２０は、第２実施例の右アプローチ斜面２
ｅ（図７参照）を備えないで、アプローチ面２０ａを右
側に傾斜させた。２０ｇは頂面２ｂから右側の谷３へ延
長した右中央斜面である。

【００２５】図９は本発明に係るストレート歯（第３実
施例）の平面図である。上述したように、第３実施例の
場合、第２実施例の右アプローチ斜面２ｅ（図７参照）
をなくしてアプローチ面２０ａを右側に傾斜した。

【００２６】図１０は本発明に係る歯成形金型（第３実
施例）の作用の説明図である。素材５がストレート歯２
０まで進入すると、矢印側が矢印側より素材５の流
入量が多くなる。従って、矢印側が矢印側より素材
５の押出し長さが多くなり、押出し長さの多い側は押
出し長さの少ない側の引張りを受ける。これにより、
素材５に成形される歯型全体は側に捩れを生じる。

【００２７】この作用により、ストレート歯２０の頂面
２ｂ、左中央斜面１０ｂ及び右中央斜面２０ｇで、素材
５の外周にヘリカル状のスプライン溝２１を成形するこ
とができる。即ち、このスプライン溝２１は、底面２１
ａが頂面２ｂで成形され、左壁面２１ｂが左中央斜面１
０ｂで成形され、右壁面２１ｃが右中央斜面２０ｇで成
形される。従って、素材５にヘリカルスプラインを形成
する。

【００２８】次に、第４実施例を示す。図１１は本発明
に係るストレート歯（第４実施例）の拡大図である。図
において、上下左右方向は図示した方向とする。ストレ
ート歯２５は、第３実施例のストレート歯２０と略同一
なので同一類似部には同一符号を付して説明を省略す
る。ストレート歯２５は、第３実施例のストレート歯２
０に右アプローチ斜面２５ｅを備えたものである。２５
ｇは頂面２ｂから右側の谷３へ延長した右中央斜面であ
る。

【００２９】図１２は本発明に係るストレート歯（第４
実施例）の平面図である。上述したように、第４実施例
の場合、第３実施例のストレート歯２０に右アプローチ
斜面２５ｅを備えた。

【００３０】図１３は本発明に係る歯成形金型（第４実
施例）の作用の説明図である。素材５がストレート歯２
５まで進入すると、矢印側が矢印側より素材５の流
入量が多くなる。従って、矢印側が矢印側より素材
５の押出し長さが多くなり、押出し長さの多い側は押
出し長さの少ない側の引張りを受ける。これにより、
素材５に成形される歯型全体は側に捩れを生じる。

【００３１】この作用により、ストレート歯２５の頂面
２ｂ、左中央斜面１０ｂ及び右中央斜面２５ｇで、素材
５の外周にヘリカル状のスプライン溝２６を成形するこ
とができる。即ち、このスプライン溝２６は、底面２６
ａが頂面２ｂで成形され、左壁面２６ｂが左中央斜面１
０ｂで成形され、右壁面２６ｃが右中央斜面２５ｇで成
形される。従って、素材５にヘリカルスプラインを形成
する。

【００３２】

【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項１は、歯成形金型のストレート歯に、左右
の形状が異なるアプローチ面を形成したので、パンチで
素材を歯成形金型内に押し込むと、素材が右方向又は左
方向に進入する。従って、素材を右方向又は左方向に回
動しながら歯成形金型内に押し込むことができるので、
素材をヘリカルギアに成形することができる。

【００３３】また、ストレート歯は、長手方向がパンチ
の進行方向と平行な位置にあるので、例えばストレート
歯を放電加工などで加工した後、ストレート歯の形状を
ラップバー等で加工して精度を容易に補正することがで
きる。従って、高精度の歯成形金型を得ることができ
る。

【００３４】さらに、ストレート歯は、長手方向がパン
チの進行方向と平行な位置にあるので、歯成形金型内に
素材を押し込むとき、ストレート歯の側面が受ける押圧
力を小さく抑えることができる。従って、ストレート歯
の寿命が長くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る歯成形金型に形成したストレート
歯（第１実施例）の斜視図

【図２】本発明に係るストレート歯（第１実施例）の拡
大図

【図３】本発明に係るストレート歯（第１実施例）の平
面図

【図４】本発明に係る歯成形金型（第１実施例）の作用
説明図

【図５】本発明に係るストレート歯（第２実施例）の拡
大図

【図６】本発明に係るストレート歯（第２実施例）の平
面図

【図７】本発明に係る歯成形金型（第２実施例）の作用
の説明図

【図８】本発明に係るストレート歯（第３実施例）の拡
大図

【図９】本発明に係るストレート歯（第３実施例）の平
面図

【図１０】本発明に係る歯成形金型（第３実施例）の作
用の説明図

【図１１】本発明に係るストレート歯（第４実施例）の
拡大図

【図１２】本発明に係るストレート歯（第４実施例）の
平面図

【図１３】本発明に係る歯成形金型（第４実施例）の作
用の説明図

【図１４】従来の歯成形金型のストレート歯の正面図

【図１５】従来の歯成形金型のヘリカル歯の正面図

【符号の説明】

１…歯成形金型、２，１０，２０，２５…ストレート
歯、２ａ，１０ａ，２０ａ，２５ａ…アプローチ面、２
ｂ…頂面、２ｃ…逃げ面、２ｄ…左アプローチ斜面、２
ｅ…右アプローチ斜面、２ｆ、１０ｂ…左中央斜面、２
ｇ，２０ｇ，２５ｇ…右中央斜面、２ｈ…逃げ斜面、３
…谷、５…素材、８…ヘリカルスプライン（ヘリカルギ
ア）。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】素材にヘリカルスプライン等のヘリカル
ギア部を成形する為の歯成形金型において、この歯成形
金型に、歯の長手方向がパンチの進行方向と平行なスト
レート歯を備え、このストレート歯はアプローチ面、頂
面、逃げ面、頂面から谷へ傾斜した左右の中央斜面、逃
げ面から谷へ傾斜した左右の逃げ斜面とからなり、前記
アプローチ面の左右の形状を異ならせたことを特徴とす
る歯成形金型。