JPH09177093A - 大重量体の据付け防振構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 設備機械などが地震時に移動したり大きく振
動するのを防止できるようにするとともに、設備機械の
設置位置を任意に選択できるようにした据付け防振構造
を提供する。 【解決手段】 厚板状基礎３の下面に、ゴム状弾性板２
が重ねられて、厚板状基礎３とゴム状弾性板２とが適宜
間隔の複数箇所で連結材４により連結され、ゴム状弾性
板２の下面がスラブ１の上面に載置され、厚板状基礎３
の上に設備機械５などの大重量体が載置されるようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、スラブ上に据付け
られた設備機械や鉢植などのような大重量体が地震時に
移動や転倒をしないようにした大重量体の据付け防振構
造に関する。

【０００２】

【従来の技術】設備機械などはその作動時に振動をとも
なうものがあり、またそのような設備機械は、大重量で
あり、長い間の使用で基礎が損傷するのを防いだり、設
備機械の高さを都合よいものにする必要がある。このた
め、図２に示すように、スラブ１１の上に一段高い据付
け基礎１２をコンクリートで形成し、その据付け基礎１
２の上に複数個の防振ゴム１３を適宜間隔で配置させ、
それら防振ゴム１３の上に設備機械１４を載置し、さら
に設備機械１４の下部周囲の適数箇所に振れ止め１５を
ボルト１６で固定して、地震時などに設備機械１４が移
動しないようにしている。また、設備機械などを据付け
る床を防振材で支持した浮き床構造にして、スラブ自体
を防振構造とし、地震時における設備機械の移動や転倒
を防止できるようにしたものもある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来のように、設備機
械を一段高い据付け基礎の上に防振ゴムを適宜間隔で配
置してそれらの上に設備機械を据付ける場合は、地震時
に設備機械の振れが防振ゴムにより大きくなるため、設
備機械の振れ止めを設ける必要がある。また、据付け基
礎をスラブの上に直接にコンクリートを打設して形成し
ているため、機械の設置場所が限定される。そこで本発
明は、地震時に機械設備などが大きく移動したり振動す
るのを防止できる据付け防振構造を提供するとともに、
設備機械などの設置場所を任意に設定できるようにする
ことを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成した大重量体の据付け防振構造であり、それは設備機
械などの大重量体の底面を載置させる厚板状基礎の下面
にゴム状弾性板が重ねられて、厚板状基礎とゴム状弾性
板とが適宜間隔の複数箇所で連結材により連結され、ゴ
ム状弾性板の下面がスラブ上面に接しられるようにした
ことを特徴とする。ゴム状弾性板は、その下面を多数の
小突起を有する凹凸状に形成して摩擦係数を大きくさ
せ、ゴム状弾性板がスラブ上を移動しにくくすることが
できる。また厚板状基礎とゴム状弾性板とを連結させる
ためには、厚板状基礎の下面に、複数のアンカーボルト
の基部を適宜間隔で取付け、ゴム状弾性板は前記アンカ
ーボルトに対応した位置に貫通孔と下面凹部とを有し、
アンカーボルトをゴム状弾性板の貫通孔に通してその先
端にナットを取付ける構成とすることができる。

【０００５】上記の大重量体の据付け防振構造では、地
震時に、スラブ上のゴム状弾性板が弾性変形して厚板状
基礎が移動しようとするが、ゴム状弾性板と厚板状基礎
とが連結材で連結されているので、厚板状基礎はゴム状
弾性板と一体のままであって移動することはなく、その
上の設備機械も厚板状基礎に対してほとんど移動するこ
とはなく両者は一体に小さく振動し、設備機械が大きく
移動したり転倒するのを防止できる。また、厚板状基礎
の下に連結されたゴム状弾性板をスラブ上のどの位置に
も載置できるので、従来のようにスラブ上にコンクリー
ト製の機械基礎を設ける場合と違って、設備機械の設置
場所が限定されることがない。また、ゴム状弾性板をそ
の下面に多数の小突起を有する凹凸状に形成した場合
は、地震時にゴム状弾性板がスラブ上で移動しにくく、
またゴム上弾性板の弾性変形で振動が吸収され、設備機
械の振動をより小さくさせることができる。さらに、上
記の据え付け防振構造を、屋外の大きな鉢植えの載置面
構造に適用し、鉢植えの下部を厚板状基礎に載置すれ
ば、風などにより鉢植えが移動したり転倒するのを防止
できる。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明の大重量体の据付け防振構
造を図１により説明する。なお、本実施例では、大重量
体が設備機械であるが、その代わりに屋外の大きな鉢植
えなどを置く据付け防振構造にも適用できる。据付け防
振構造では、スラブ１の上に載置されるゴム状弾性板２
とその上に重ねられる厚板状基礎３とを有し、ゴム状弾
性板２と厚板状基礎３とは重ねられた状態で連結材４で
適数箇所が連結され、厚板状基礎３の上に設備機械５を
載置させるようになっている。なお厚板状基礎３は、コ
ンクリート製であるが、鉄や鋳物あるいは強度が大きく
重量の大きな材料により形成することができる。また厚
板状基礎３の平面形は、設備機械５の底面形より少し大
きな形状に形成されている。

【０００７】ゴム状弾性板２はその平面形が厚板状基礎
３の底面とほぼ同一形であり、ゴム状弾性板３の下面に
適宜間隔で複数の凹部２ａが形成されるとともに、各凹
部２ａの位置に上面に貫通する貫通孔２ｂが設けられて
いる。また厚板状基礎３の下面側には、前記の貫通孔２
ｂに対応する位置にアンカーボルト４ａの基部が埋め込
まれ、各アンカーボルト４ａの先端がゴム状弾性板２の
貫通孔２ｂに通されて、その先端にナット４ｂをねじ込
むことにより、ゴム状弾性板２と厚板状基礎３とが一体
に連結されている。そして、アンカーボルト４ａの先端
部は、ゴム状弾性板２の凹部２ａに位置され、アンカー
ボルト４ａの先端部がゴム状弾性板２の下面から突出し
ないようになっている。

【０００８】なお、ゴム状弾性板２と厚板状基礎３とを
連結する連結材４は、前記のアンカーボルト４ａとナッ
トに限るものではなく、ネジあるいはその他の連結金具
などで連結するようにしてもよい。また前記では厚板状
基礎３にアンカーボルト４ａの基部を埋め込んだが、厚
板状基礎３が鉄製などの場合には、アンカーボルト４ａ
の基部を厚板状基礎３にネジ式に取付けるようにしても
よい。また、ゴム状弾性板２の下面は、多数の小突起を
有する凹凸状に形成されて大きな摩擦係数を有するよう
になっており、ゴム状弾性板２がスラブ１の上面で移動
しにくくなっている。

【０００９】そして、ゴム状弾性板２と厚板状基礎３と
を連結材４で連結した状態で、スラブ１の上の任意の位
置にゴム状弾性板２を下にして載置し、厚板状基礎３の
上に設備機械５を載置させれば、地震時でも設備機械５
を移動させることがなく、防振効果を持たせた据付け構
造となる。なお、設備機械５の下部と厚板状基礎３との
間に位置決めストッパーを取付けるようにして、設備機
械５の移動をより確実に防止できるようにしてもよい。

【００１０】

【発明の効果】本発明によれば、連結材で一体に連結さ
れたゴム状弾性板と厚板状基礎とをゴム状弾性板を下に
してスラブ上の任意位置に載置させて、厚板状基礎の上
に設備機械などを載置させるので、設備機械の設置位置
を任意に選択することができる。また、ゴム状弾性板は
厚板状基礎の下に連結材により連結されているので、地
震時に、ゴム状弾性体が振動を減衰するとともに、ゴム
状弾性板と厚板状基礎とが一体になって振動するので、
その上の設備機械などが大きく移動したり転倒するのを
防止できる。さらにゴム状弾性板の下面が凹凸状に形成
されて摩擦係数が大きくされている場合は、スラブ上で
ゴム状弾性板の移動をより防止できるので、設備機械な
どに対する防振や移動防止の効果がより一層大きくな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の大重量体の据付け防振構造を示す断面
図である。

【図２】従来の大重量体の据付け防振構造を示す断面図
である。

【符号の説明】

１ スラブ ２ ゴム状弾性板 ３ 厚板状基礎 ４ 連結材 ５ 設備機械

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 設備機械などの大重量体の底面を載置さ
   せる厚板状基礎の下面にゴム状弾性板が重ねられて、厚
   板状基礎とゴム状弾性板とが適宜間隔の複数箇所で連結
   材により連結され、ゴム状弾性板の下面がスラブ上面に
   接しられるようにしたことを特徴とする大重量体の据付
   け防振構造。
2. 【請求項２】 ゴム状弾性板の下面が、多数の小突起を
   有する凹凸状に形成されて摩擦係数が大きくされている
   ことを特徴とする請求項１に記載の大重量体の据付け防
   振構造。
3. 【請求項３】 厚板状基礎の下面に、複数のアンカーボ
   ルトの基部が適宜間隔で取付けられ、ゴム状弾性板は前
   記アンカーボルトに対応した位置に貫通孔と下面凹部と
   を有し、アンカーボルトをゴム状弾性板の貫通孔に通し
   てその先端にナットを取付けることにより厚板状基礎と
   ゴム状弾性板とが連結されていることを特徴とする請求
   項１又は２に記載の大重量体の据付け防振構造。