JP2013238306A - 制振装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】制振対象物に容易に設置することができ、かつ高さを十分に低くし室内空間を広く使用することが可能な制振装置を提供する。
【解決手段】制振対象物50から垂設され、少なくとも2箇所設けられた支持棒10と、前記支持棒10に支持された支持板30と、前記支持板30の上面に載置された錘40と、前記支持棒10と前記支持板30との間に介在された皿バネと、を備え、前記支持板30の一方側には少なくとも一箇所の貫通孔と、他方側には少なくとも一箇所の切欠きが形成され、前記貫通孔には前記支持棒10が挿通され、前記切欠きには該切欠きにつながる開口から前記支持棒10が挿入可能とされていることを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】制振対象物50から垂設され、少なくとも2箇所設けられた支持棒10と、前記支持棒10に支持された支持板30と、前記支持板30の上面に載置された錘40と、前記支持棒10と前記支持板30との間に介在された皿バネと、を備え、前記支持板30の一方側には少なくとも一箇所の貫通孔と、他方側には少なくとも一箇所の切欠きが形成され、前記貫通孔には前記支持棒10が挿通され、前記切欠きには該切欠きにつながる開口から前記支持棒10が挿入可能とされていることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、例えば建物のスラブ等の振動する制振対象物に設けられ、制振対象物の振動を抑制する制振装置に関するものである。
集合住宅をはじめとする建物においては、上階の床の振動が下階の天井へと伝達され騒音が発生するため、従来からスラブ等(制振対象物)には振動を減衰するために、制振装置が設置されていることがある。
例えば、特許文献1には、振動板の隅角部に係合して振動板が制振対象物に対して垂直方向に振動できるように振動板を支持する支持手段を備えた構成の制振装置が開示されている。
また、特許文献2には、制振対象物の下方に設けられる天井材に設置される設置部と、この設置部から所定間隔離間して配置された錘と、この錘と設置部との間に設けられて錘を振動可能に支持する弾性体と、を備える制振装置が開示されている。
また、特許文献2には、制振対象物の下方に設けられる天井材に設置される設置部と、この設置部から所定間隔離間して配置された錘と、この錘と設置部との間に設けられて錘を振動可能に支持する弾性体と、を備える制振装置が開示されている。
ところで、制振対象物に制振装置を設置する場合、施工にかかるコストを低減するために、少ない作業人数で、短時間で施工できることが求められる。しかしながら、特許文献1に記載の制振装置を制振対象物に施工する場合には、振動板の全ての貫通孔にボルトを挿通し制振対象物に取り付けることになるので、制振装置の取付けの作業性が悪かった。そのため、制振装置を設置する際の施工性の改善が求められている。
また、制振対象物の下方には、制振対象物を覆うように、膜天井等の天井材が設けられる場合がある。制振対象物と天井材の隙間は、建物の室内空間を広くするためにできるだけ狭くすることが要求されている。
しかしながら、特許文献2に記載の制振装置を設置する場合には、弾性体として弾性定数の小さいコイルバネやゴムを用いており、錘をコイルバネやゴムの弾性限内で支えるためには、コイルバネやゴムの高さを高くしなければならず、制振装置の高さを十分に低くすることが困難であった。
しかしながら、特許文献2に記載の制振装置を設置する場合には、弾性体として弾性定数の小さいコイルバネやゴムを用いており、錘をコイルバネやゴムの弾性限内で支えるためには、コイルバネやゴムの高さを高くしなければならず、制振装置の高さを十分に低くすることが困難であった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、制振対象物に容易に設置することができ、かつ高さを十分に低くし室内空間を広く使用することが可能な制振装置を提供することを目的とする。
前述の課題を解決するために、本発明の制振装置は、振動する制振対象物に設置される制振装置であって、前記制振対象物から垂設され、少なくとも2箇所設けられた支持棒と、前記支持棒に支持された支持板と、前記支持板の上面に載置された錘と、前記支持棒と前記支持板との間に介在された皿バネと、を備え、前記支持板の一方側には少なくとも一箇所の貫通孔と、他方側には少なくとも一箇所の切欠きが形成され、前記貫通孔には前記支持棒が挿通され、前記切欠きには該切欠きにつながる開口から前記支持棒が挿入可能とされていることを特徴としている。
本発明の制振装置においては、振動する制振対象物から垂設された支持棒と、この支持棒に支持された支持板と、これら支持棒と支持板との間に介在された皿バネと、を備える構成とされており、制振対象物側からの振動は、支持棒を介して皿バネ及び支持板へと伝達され、制振装置全体を振動させることになる。そして、本発明の制振装置によれば、この制振装置に生じる振動の周波数を、制振対象物の振動の低減を行いたい周波数に調整することにより、制振対象物の振動を制振装置の振動によって減衰させ、制振することができる。この制振装置に生じる振動の周波数は、皿バネの弾性定数を調節したり、支持板の上面の錘の重さを調節したりすることによって、容易に制御することが可能である。例えば、重量衝撃音低減に有効な63Hzや125Hzなどに制振装置の振動の周波数を調節することによって、制振対象物の振動を効果的に減衰させ制振することができる。
ここで、制振対象物とは、建物の使用時において振動を生じがちな水平面に沿って伸びるスラブ、梁、根太等のことである。
ここで、制振対象物とは、建物の使用時において振動を生じがちな水平面に沿って伸びるスラブ、梁、根太等のことである。
さらに、本発明の制振装置によれば、支持板の一方側には貫通孔が形成され、他方側には切欠きが形成され、この切欠きには支持棒が挿入可能な開口があるので、制振装置を制振対象物に設置する場合に、切欠きにつながる開口から支持棒に挿通し、支持板を支持棒に支持させながら、支持板の他方側にある貫通孔に支持棒を挿通し支持板を固定することができる。そのため、支持板の取付けの際の作業性が向上し、容易に制振装置を設置できるようになる。つまり、少ない人数で当該制振装置を制振対象物に装着することが可能になる。また、切欠きが形成されている場合、貫通孔に支持棒を挿通する場合よりも、支持棒を配置できる領域が広いので、支持棒の配置位置が所定の位置から若干ずれても、支持板の切欠きに支持棒を確実に配置して支持板を支持棒に取り付けることが可能である。
さらに、本発明の制振装置においては、皿バネを備える構成とされており、この皿バネはコイルバネやゴムのような弾性体と比較して弾性定数が大きく、大きな荷重が負荷された場合においても変位が小さいことに加えて、皿バネは負荷容量が大きいので、コイルバネやゴムのような弾性体を用いた場合と比較して、高さが低くても弾性限を超えることなく弾性変形することができる。したがって、制振装置の高さを比較的低くすることが可能である。そのため、例えば制振装置の下方に膜天井などの天井材を設ける場合、制振対象物と天井材との隙間を狭くし、建物の室内空間を広く使用することができる。
また、前記支持棒の外周には、前記皿バネの貫通孔に挿入されて該皿バネの高さ方向の仮固定が可能な弾性材からなるバネ受け材が取付けられていても良い。
このような構成にすることによって、制振装置を制振対象物に設置する際に、皿バネをバネ受け材に仮固定させながら支持板を設置することができ、制振装置を施工する際の作業性が向上する。
このような構成にすることによって、制振装置を制振対象物に設置する際に、皿バネをバネ受け材に仮固定させながら支持板を設置することができ、制振装置を施工する際の作業性が向上する。
また、前記皿バネは複数あって、一の皿バネは、前記制振対象物と前記支持板との間に介在され、他の皿バネは、前記支持板と、前記支持棒の下部に設けられた受け座との間に介在されていても良い。
このように、一の皿バネを制振対象物と支持板との間に介在させ、他の皿バネを支持板と受け座との間に介在させることによって、制振装置に生じる振動の周波数をさらに広い範囲で制御することが可能となり、制振対象物の振動を確実に制振することが可能である。
ここで、一の皿バネ及び他の皿バネは、それぞれ一つ以上の皿バネで構成されるものである。
このように、一の皿バネを制振対象物と支持板との間に介在させ、他の皿バネを支持板と受け座との間に介在させることによって、制振装置に生じる振動の周波数をさらに広い範囲で制御することが可能となり、制振対象物の振動を確実に制振することが可能である。
ここで、一の皿バネ及び他の皿バネは、それぞれ一つ以上の皿バネで構成されるものである。
また、前記支持板は、底板部と、該底板部よりも上方に配置された上板部と、を有し、前記底板部の上面に、前記錘が載置され、前記上板部に前記貫通孔と前記切欠きが形成されていても良い。
このような構成にすることによって、底板部と上板部との間に設けられる例えば段差を介して、支持板の底板部の上面に錘を容易に位置決めするとともに載置することができる。また、上板部の下面側に皿バネや受け座を収容して配置することができるので、制振装置の高さを低くすることが可能となる。そのため、例えば制振対象物の下方に膜天井などの天井材を設ける場合に、制振対象物と膜天井の間を狭くし、室内空間を広く使用することができる。
このような構成にすることによって、底板部と上板部との間に設けられる例えば段差を介して、支持板の底板部の上面に錘を容易に位置決めするとともに載置することができる。また、上板部の下面側に皿バネや受け座を収容して配置することができるので、制振装置の高さを低くすることが可能となる。そのため、例えば制振対象物の下方に膜天井などの天井材を設ける場合に、制振対象物と膜天井の間を狭くし、室内空間を広く使用することができる。
本発明によれば、制振対象物に容易に設置することができ、かつ高さを十分に低くし室内空間を広く使用することが可能な制振装置を提供することができる。
以下に、本発明の実施の形態について添付した図面を参照して説明する。
本実施形態の制振装置1は、例えば集合住宅のスラブに設置され、騒音の原因となるスラブの振動を制振するためのものである。
本実施形態の制振装置1は、例えば集合住宅のスラブに設置され、騒音の原因となるスラブの振動を制振するためのものである。
制振装置1は、図1から図4に示すように、スラブ50から垂設され、少なくとも2箇所設けられたアンカー10(支持棒)と、このアンカー10(支持棒)に支持された支持板30と、この支持板30の上面に載置された錘40と、アンカー10(支持棒)と支持板30との間に介在された皿バネ20と、を備えている。
アンカー10は、図1で示すように、支持板30の四隅と中央部の5箇所に対応する箇所に設けられている。このアンカー10は、図3及び図4で示すように、くさび材11と、アンカー本体12と、アンカー本体12に接続された長ネジ13と、を有している。なお、本実施形態においては、アンカー10は金属製である。
くさび材11は、スラブ50に形成された穴の最深部に配置されている。
アンカー本体12はくさび材11に打ち込まれスラブ50内部に固定されている。このアンカー本体12の下方は、円筒形状をしており、この内部にはネジが切られている。
長ネジ13は、アンカー本体12の下方の内部に切られたネジにネジ込まれ、スラブ50から下方に突出している。
くさび材11は、スラブ50に形成された穴の最深部に配置されている。
アンカー本体12はくさび材11に打ち込まれスラブ50内部に固定されている。このアンカー本体12の下方は、円筒形状をしており、この内部にはネジが切られている。
長ネジ13は、アンカー本体12の下方の内部に切られたネジにネジ込まれ、スラブ50から下方に突出している。
本実施形態においては、皿バネは複数あって、第一の皿バネ21(一の皿バネ)と、第二の皿バネ22(他の皿バネ)とがある。この第一の皿バネ21及び第二の皿バネ22は、図3及び図4で示すように、それぞれ4つの皿バネ20が並列に重ねられて構成され、長ネジ13(支持棒)に挿通されており、スラブ50に対して垂直方向(図2において上下方向)に弾性変形可能に配置されている。
そして、第一の皿バネ21は、スラブ50と支持板30の間に介在され、第二の皿バネ22は、支持板30とアンカー10(支持棒)の下部に設けられたナット17(受け座)との間に介在されている。本実施形態においては、スラブ50と第一の皿バネ21、及び第二の皿バネ22とナット17の間にはワッシャー18がさらに介在されている。ワッシャー18、第一の皿バネ21、支持板30、第二の皿バネ22は、ナット17を締めつけることによって、押圧され固定されるようになっている。
支持板30は、図5及び図6で示すように、支持板30の一方側には少なくとも一箇所の貫通孔と、他方側には少なくとも一箇所の切欠き34が形成されている。そして、この貫通孔33には、アンカー10(支持棒)が挿通され、切欠き34には、この切欠き34につながる開口34aからアンカー10(支持棒)が挿入可能とされている。
本実施形態においては、支持板30は、底板部31と、この底板部31よりも上方に配置された上板部32(32A〜32C)と、を有している。この支持板30の一方側(図5において右側)に上板部32A(32)、他方側(図5において左側)に上板部32B(32)、及び中央部に上板部32C(32)が配置されており、底板部31と上板部32とが、底板部31及び上板部32に対して垂直方向に段差が形成されて接続されている。上板部32Aの両端部(図5において上下端)、及び上板部32Cには、貫通孔33が形成され、上板部32Bには、切欠き34が形成されている。そして、支持板30は、貫通孔33及び切欠き34のある位置においてアンカー10(支持棒)に挿通され、第一の皿バネ21及び第二の皿バネ22の間に挟まれて押圧固定されている。なお、本実施形態においては、支持板30は鋼板で構成されている。
さらに、本実施形態においては、長ネジ13(支持棒)の外周には、皿バネ20の貫通孔33に挿入されてこの皿バネ20の高さ方向の仮固定が可能な弾性材からなるゴムリング15(バネ受け材)が取り付けられている。このゴムリング15は、皿バネ20の内径と対応するサイズとされ、円筒形状をしている。
錘40は、板状をしており、支持板30の底板部31の上面に載置されている。本実施形態においては、図2で示すように、合計4枚の錘40が底板部31に固定されている。この錘40は、設置する個数を調節することによって、重量を調節できるようになっている。
次に、本実施形態の制振装置1の施工方法について、図7を参照して説明する。
まず、スラブ50の所定の位置に、ドリル等を用いて所定の深さまで穴をあけてくさび材11を配置し、そしてアンカー本体12をくさび材11に打ち込み、アンカー本体12をスラブ50に固定する。そしてアンカー本体12の下方の内部に長ネジ13をネジ込み、アンカー本体12と長ネジ13を接続する。こうして、スラブ50から下方に長ネジ13が垂設されたアンカー10(支持棒)が得られる。
まず、スラブ50の所定の位置に、ドリル等を用いて所定の深さまで穴をあけてくさび材11を配置し、そしてアンカー本体12をくさび材11に打ち込み、アンカー本体12をスラブ50に固定する。そしてアンカー本体12の下方の内部に長ネジ13をネジ込み、アンカー本体12と長ネジ13を接続する。こうして、スラブ50から下方に長ネジ13が垂設されたアンカー10(支持棒)が得られる。
次に、スラブ50から突出する長ネジ13の周囲を覆うように、ゴムリング15(バネ受け材)を装着する。次いで、支持板30の切欠き34に挿入されることになるアンカー10(支持棒)にワッシャー18と、第一の皿バネ21と、第二の皿バネ22と、ワッシャー18と、ナット17とをこの順に挿通する。これらワッシャー18と、第一の皿バネ21、第二の皿バネ22は、ゴムリング15(バネ受け材)によって仮固定して予め高さ方向の位置決めができるようになっており、図7で示すように、第一の皿バネ21と第二の皿バネ22の間に隙間を形成しておく。一方、支持板30の貫通孔33に挿通されることになるアンカー10には、ワッシャー18と第一の皿バネ21を順に挿通し、これらワッシャー18と第一の皿バネ21とをゴムリング15によって仮固定しておく。
そして、支持板30の底板部31の上面には、予め所定の重さとなるように錘40を固定しておき、図7の矢印Aで示すように、支持板30の切欠き34(合計二箇所)を第一の皿バネ21と第二の皿バネ22の間に開口34aから挿入して、支持板30を第一の皿バネ21と第二の皿バネ22の間に支持させる。
次いで、貫通孔33(合計三箇所)の下に第二の皿バネ22、ワッシャー18を挿通し、ナット17を所定の位置までねじ込み、第一の皿バネ21、第二の皿バネ22、及び支持板30を固定する。そして、切欠き34の下方のナット17を所定の位置までねじ込み、第一の皿バネ21、第二の皿バネ22、及び支持板30を固定する。このとき、第一の皿バネ21及び第二の皿バネ22は、スラブ50に対して垂直方向(図2の上下方向)に弾性変形可能に固定されている。
このようにして、本発明の実施形態である制振装置1が得られる。
このようにして、本発明の実施形態である制振装置1が得られる。
上述の構成の制振装置1では、スラブ50から垂設されたアンカー10(支持棒)と、このアンカー10に支持された支持板と、このスラブ50と支持板30の間に介在された第一の皿バネ21と、支持板30とナット17の間に介在された第二の皿バネ22と、を備えているので、スラブ50側からの振動が、アンカー10(支持棒)を介して第一の皿バネ21、第二の皿バネ22、及び支持板30へと伝達され、制振装置1全体を振動させることになる。この制振装置1に生じる振動の周波数は、予め第一の皿バネ21及び第二の皿バネ22の弾性定数、支持板30の底板部31に配置される錘40の重量及び位置、支持板30の剛性等を調整することによって、スラブ50の振動の低減を行いたい周波数に調節されている。
以上のような構成とされた本発明の実施形態の制振装置1によれば、制振装置1に生じる振動の周波数が、低減を行いたい周波数に調整されており、スラブ50の振動を制振装置1の振動によって減衰させ、制振することができる。この制振装置1に生じる振動の周波数は、第一の皿バネ21及び第二の皿バネ22の弾性定数を調節したり、支持板30の底板部31に配置される錘40の重さや位置を調節したりすることによって、容易に制御することが可能である。例えば、重量衝撃音低減に有効な63Hzや125Hzに制振装置1に生じる振動の周波数を調節することによって、スラブ50の振動を効果的に減衰することができる。
また、制振装置1は皿バネ20を備えており、この皿バネ20はコイルバネやゴムのような弾性体と比較して弾性定数が大きく、大きな荷重が負荷された場合においても変位が小さいことに加えて、皿バネ20は負荷容量が大きいので、コイルバネやゴムのような弾性体を用いた場合と比較して、高さが低くても弾性限を超えることなく弾性変形することができる。したがって、制振装置1の高さを比較的低くすることが可能である。そして、制振装置1の下方に膜天井などの天井材を設ける場合には、スラブ50と天井材との隙間を狭くし、建物の室内空間を広く使用することができる。
また、制振装置1は、第一の皿バネ21と第二の皿バネ22の間に支持板30を介在させている構成とされているので、制振装置1に生じる振動の周波数をさらに広い範囲で制御することが可能となり、スラブ50の振動を確実に制振することができる。さらには、第一の皿バネ21及び第二の皿バネ22は、皿バネ20を重ねる個数や直列又は並列の組み合わせを変えることによって弾性定数を調整することができ、容易に制振装置1に生じる周波数を制御することが可能である。
また、支持板30の一方側及び中央部には貫通孔33が形成され、他方側には切欠き34が形成されており、支持板30の切欠き34を開口34aからアンカー10(支持棒)に挿入し支持板30を支持させた後に、貫通孔33にアンカー10(支持棒)を挿通しナット17で固定することができるので、支持板30の取付けの作業性が大きく向上する。また、切欠き34が形成されている場合、貫通孔33にアンカー10(支持棒)を挿通する場合よりもアンカー10(支持棒)を配置できる領域が広いので、アンカー10(支持棒)がスラブ50に固定される位置が所定の位置から若干ずれても、アンカー10(支持棒)を切欠き34の位置に配置することができ、確実に支持板30を設置することが可能となる。
さらには、本実施形態においては、長ネジ13(支持棒)にゴムリング15(バネ受け材)が取付けられた構成とされており、このゴムリング15(バネ受け材)によって第一の皿バネ21及び第二の皿バネ22を仮固定して予め高さ方向の位置決めをすることができるので、第一の皿バネ21と第二の皿バネ22の間に切欠き34を容易に挿通することができる。したがって、制振装置1の施工の作業性が向上し、従来の制振装置と比較して、少ない人数で容易に施工を行うことが可能である。
また、前記支持板30は、一方側、他方側、及び中央部に上板部32(32A〜32C)を有する構成とされており、上板部32(32A〜32C)の下方に第二の皿バネ22やナット17(受け座)等を収容することができる。そのため、制振装置1の高さを低くすることが可能となり、スラブ50の下方に膜天井などを設ける場合に、スラブ50と膜天井の間を狭くし、室内空間を広く使用することができる。また、上板部32に対して一段下がった底板部31を有しているので、錘40を設置する空間を確保できるとともに錘40の位置決めが容易である。
また、本実施形態においては、支持板30の四隅と中央部の5箇所においてアンカー10(支持棒)に支持される構成とされており、四隅のみで支持されている場合と比較して、支持板30をより複雑に振動させることができ、より効果的にスラブ50の振動を制振することが可能である。
また、制振装置1はスラブ50に直接設置される構成とされているので、スラブ50の下方の天井材に設置する場合と比較して、スラブ50の振動を効果的に制振することが可能である。
以上、本発明の一実施形態である制振装置について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
なお、上記の実施形態においては、制振装置1は、第一の皿バネ21と第二の皿バネ22を有する場合について説明したが、図8で示すように、第一の皿バネ21のみを有する制振装置101とされても良い。また、図9で示すように第二の皿バネ22のみを有する制振装置201とされても良い。
また、第一の皿バネ21及び第二の皿バネ22は、それぞれ4つの皿バネ20で構成される場合について説明したが、少なくとも一つ以上の皿バネで構成されていれば良い。
また、第一の皿バネ21及び第二の皿バネ22は、それぞれ4つの皿バネ20で構成される場合について説明したが、少なくとも一つ以上の皿バネで構成されていれば良い。
また、上記の実施形態においては、アンカー(支持棒)が五箇所設けられる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、少なくとも二箇所以上設けられる構成とすれば良く、制振装置に生じる周波数を所望の振動数にするために、適宜最適なアンカー(支持棒)の設置数量及び設置位置を選択すれば良い。
また、上記実施の形態では、スラブ50から突出する長ネジ13(支持棒)をゴムリング15で覆い、施工時に第一の皿バネ21及び第二の皿バネ22を仮固定する場合について説明したが、アンカーをゴムリングで覆わずに施行しても良い。また、ゴムリングのような円筒状のものでなくとも、皿バネを仮固定できる形状のものであれば良く、例えば、四角形状や三角形状のゴム部材などの弾性材からなるバネ受け材であっても良い。
また、上記実施の形態では、支持板30は底板部31と上板部32とを有する場合について説明したが、支持板は、図10で示す制振装置301の支持板330のように平らな形状とされても良い。
また、支持板30の中央部に底板部32Cを有する場合について説明したが、底板部32Cを有していない構成とされても良い。
また、支持板30の中央部に底板部32Cを有する場合について説明したが、底板部32Cを有していない構成とされても良い。
また、上記実施の形態では、スラブ50にアンカー10(支持棒)を固定する場合について説明したが、建物の梁にアンカー10を固定し、制振装置を取付けても良い。
また、上記実施の形態では、金属製のアンカー10を用いる場合について説明したが、ケミカルアンカー(接着系アンカー)を用いても良い。
さらに、支持棒はアンカーに限定されるものではなく、木造の共同住宅の床、根太、梁などの制振対象物に、鋲やビス等を用いて支持棒を固定して制振装置を取付けても良い。具体的には、例えば、図11で示すように、木造住宅の床下451と根太452とが一体となって振動する制振対象物450に対して、ベースプレート412と長ネジ413が一体となった支持棒410を、根太452にビス414で固定し、根太452から長ネジ413を突出させる構成とすれば良い。このように固定された支持棒410の長ネジ413に対して、上記実施の形態と同様に、バネ受け材15、第一の皿バネ21(一の皿バネ)、第二の皿バネ22(他の皿バネ)、支持板30、ワッシャー18、ナット17を配置し、図12で示すように制振装置401を構成しても良い。
また、上記実施の形態では、金属製のアンカー10を用いる場合について説明したが、ケミカルアンカー(接着系アンカー)を用いても良い。
さらに、支持棒はアンカーに限定されるものではなく、木造の共同住宅の床、根太、梁などの制振対象物に、鋲やビス等を用いて支持棒を固定して制振装置を取付けても良い。具体的には、例えば、図11で示すように、木造住宅の床下451と根太452とが一体となって振動する制振対象物450に対して、ベースプレート412と長ネジ413が一体となった支持棒410を、根太452にビス414で固定し、根太452から長ネジ413を突出させる構成とすれば良い。このように固定された支持棒410の長ネジ413に対して、上記実施の形態と同様に、バネ受け材15、第一の皿バネ21(一の皿バネ)、第二の皿バネ22(他の皿バネ)、支持板30、ワッシャー18、ナット17を配置し、図12で示すように制振装置401を構成しても良い。
また、上記実施の形態では、支持板30の底板部31の上面に予め錘40を固定した後に、支持板30を所定の位置に設置する場合について説明したが、支持板30を設置した後に底板部31の上面に錘40を固定しても良い。
1、101、201、301、401 制振装置
10、410 アンカー(支持棒)
15 ゴムリング(バネ受け材)
17 ナット(受け座)
20 皿バネ
21 第一の皿バネ(一の皿バネ)
22 第二の皿バネ(他の皿バネ)
30、330 支持板
31 底板部
32(32A〜32C) 上板部
33 貫通孔
34 切欠き
34a 開口
40 錘
50 スラブ(制振対象物)
450 制振対象物
10、410 アンカー(支持棒)
15 ゴムリング(バネ受け材)
17 ナット(受け座)
20 皿バネ
21 第一の皿バネ(一の皿バネ)
22 第二の皿バネ(他の皿バネ)
30、330 支持板
31 底板部
32(32A〜32C) 上板部
33 貫通孔
34 切欠き
34a 開口
40 錘
50 スラブ(制振対象物)
450 制振対象物
Claims (4)
- 振動する制振対象物に設置される制振装置であって、
前記制振対象物から垂設され、少なくとも2箇所設けられた支持棒と、
前記支持棒に支持された支持板と、
前記支持板の上面に載置された錘と、
前記支持棒と前記支持板との間に介在された皿バネと、を備え、
前記支持板の一方側には少なくとも一箇所の貫通孔と、他方側には少なくとも一箇所の切欠きが形成され、前記貫通孔には前記支持棒が挿通され、前記切欠きには該切欠きにつながる開口から前記支持棒が挿入可能とされていることを特徴とする制振装置。 - 前記支持棒の外周には、前記皿バネの貫通孔に挿入されて該皿バネの高さ方向の仮固定が可能な弾性材からなるバネ受け材が取付けられていることを特徴とする請求項1に記載の制振装置。
- 前記皿バネは複数あって、
一の皿バネは、前記制振対象物と前記支持板との間に介在され、
他の皿バネは、前記支持板と、前記支持棒の下部に設けられた受け座との間に介在されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の制振装置。 - 前記支持板は、底板部と、該底板部よりも上方に配置された上板部と、を有し、
前記底板部の上面に、前記錘が載置され、
前記上板部に前記貫通孔と前記切欠きが形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の制振装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012113516A JP2013238306A (ja) | 2012-05-17 | 2012-05-17 | 制振装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012113516A JP2013238306A (ja) | 2012-05-17 | 2012-05-17 | 制振装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013238306A true JP2013238306A (ja) | 2013-11-28 |
Family
ID=49763504
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012113516A Pending JP2013238306A (ja) | 2012-05-17 | 2012-05-17 | 制振装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2013238306A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016148192A (ja) * | 2015-02-12 | 2016-08-18 | 三井住友建設株式会社 | 建築物の天井構造 |
JP2018090976A (ja) * | 2016-11-30 | 2018-06-14 | 株式会社フコク | 床用振動減衰装置および防振床構造 |
JP2020133905A (ja) * | 2019-02-21 | 2020-08-31 | 積水ハウス株式会社 | 動吸振装置 |
-
2012
- 2012-05-17 JP JP2012113516A patent/JP2013238306A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016148192A (ja) * | 2015-02-12 | 2016-08-18 | 三井住友建設株式会社 | 建築物の天井構造 |
JP2018090976A (ja) * | 2016-11-30 | 2018-06-14 | 株式会社フコク | 床用振動減衰装置および防振床構造 |
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