JPH09174162A - クイッククランプ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 クランプ力を解除した後、操作レバーを操作
することにより、上部ツールをツールホルダーの下方か
ら着脱できる装置でありながら構造が簡素化されたクイ
ッククランプ装置を提供すること。 【解決手段】 工作機械に固定される固定ツール保持手
段４と、前記固定ツール保持手段４と協働して、前記ク
イッククランプ装置に対して実質的に垂直な方向に着脱
可能に上部ツールのツールシャンクをクランプする、安
全・保持手段を有するクランプ板５と、を備え、前記ク
ランプ板５が、前記ツールシャンクに形成した係合溝２
０と係合するように予め付勢された係合ストリップ１３
と、該係合ストリップ１３を操作するために該クランプ
板５の外側に設けられた操作チルトレバー２２と、を有
する構成からなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械が具備す
る少なくとも１個のツール、特に折曲げ機又はエッジン
グ・プレスが具備する少なくとも１個の折曲げツール又
はエッジング・パンチツールのためのクイッククランプ
装置に係わり、詳細には、ツールホルダーに対して実質
的に垂直な方向に前記ツールを挿入又は取り外すことが
できる安全・保持手段を含んでなる、ツールシャンクと
係合してツールホルダーの可動部として作用するクラン
プ部材を備えたクイッククランプ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】折曲げ機又はエッジング・プレス等の金
属加工機械で実施されるツール交換操作は、１個のツー
ルホルダー内に複数のツール、特に折曲げツール又はエ
ッジング・パンチツールを保持させる可能性があり、か
つ、そのツールはかなりの重量を有するため、交換作業
に困難性を伴うことが多い。多くの場合、ツールホルダ
ーは、水平方向に突出した突起部が形成されていて、折
曲げ加工方向に延伸して前記ツールホルダーの突起部と
係合するようにツールシャンクに形成された突起部と係
合する。従って、このようなツールは、折曲げ加工又は
エッジング・プレス加工の加工線方向、つまりツールの
長手方向に沿って該ツールをスライドさせてツールホル
ダーへの挿入及び取外しを行わなければならない。この
ことは、比較的困難な操作を伴うばかりでなく、工作機
械の折曲げ加工又はエッジング・プレス加工の加工線方
向の側面部に隣接して十分な空間が必要となり、工作機
械の設置面積以上の据付け面積を必要としていた。

【０００３】上述の問題を解決するために改良され提案
されたクランプ装置が、ドイツ特許出願第３１３６４５
０号明細書に記載されている。当該クランプ装置は、前
記加工線方向に対して前後方向に作用するクランプ圧力
により、前記折曲げツール又はエッジング・パンチツー
ルの上部ツールをツールホルダーに保持する構成であ
り、かつ、ツールシャンクに形成された嵌め合い形状部
と係合する弾性手段により予め付勢されたを付与された
安全・保持手段を備えた構成である。上述構成により、
クランプ力が解除されても、ツールがツールホルダーか
ら落脱することを回避することができ、更に、ツールホ
ルダーに上部ツールを挿入する場合は、前記安全・保持
手段の予め付勢されたに対抗して、該ツールホルダーの
下方から挿入することができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述ク
ランプ装置は、比較的構造が複雑であり、別個に回動式
プレートを必要とする。前記回動式プレートは、前記安
全・保持手段を固定するために係脱位置に新たに設ける
必要があった。

【０００５】そこで、本発明の目的は、クランプ力を解
除した後、操作レバーを操作することにより、上部ツー
ルをツールホルダーの下方から着脱できる装置でありな
がら構造が簡素化されたクイッククランプ装置を提供す
ることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑
みなされたものであって、折曲げ機又はエッジング・プ
レス等の工作機械に使用される少なくとも１つの折曲げ
ツール又はエッジング・パンチツールをクランプするた
めのクイッククランプ装置において、前記工作機械に固
定される固定ツール保持手段と、前記固定ツール保持手
段と協働して、前記クイッククランプ装置に対して実質
的に垂直な方向に着脱可能に前記ツールのツールシャン
クをクランプする、安全・保持手段を有するクランプ手
段と、を備え、前記クランプ手段が、前記ツールシャン
クに形成した凹部と係合するように予め付勢された係合
部材と、該係合部材を操作するために該クランプ手段の
外側に設けられた操作レバーと、を有することを特徴と
するクイッククランプ装置にある。

【０００７】また、前記クランプ手段が、前記固定ツー
ル保持手段に回動自在に支承され、爪状に形成されるこ
とにより、前記ツールをクランプすると良い。

【０００８】更に、前記クランプ手段が、前記固定ツー
ル保持手段に回動自在に支承されるピボット軸受によ
り、該固定ツール保持手段に対して平行になる姿勢をな
すことができると好ましい。

【０００９】そして、前記ピボット軸受は、前記係合部
材を操作する前記操作レバーの両側に配置され、前記ク
ランプ手段をある程度のガタを有して支持する固着ネジ
により構成されても良い。

【００１０】また、前記係合部材は、前記ツールに形成
された凹部に隙間嵌めの状態で係合する係合手段として
作用し、前記操作レバーが作動しない限り前記凹部から
離脱しないように構成されると好ましい。

【００１１】更に、前記係合部材は、前記クランプ手段
の下方端部に形成されたテーパの領域に設けられると良
い。

【００１２】また、前記係合部材は、前記ツールを垂直
方向に挿入することを容易にする挿入テーパを形成され
ても良い。

【００１３】更に、前記クランプ手段が、該クランプ手
段を構成すると共に前記固定ツール保持手段との境界を
なすクランプ面から突出し、前記係合部材と前記ピボッ
ト軸受との間に弾性部材を有することを特徴とする。

【００１４】また、前記弾性部材は、予め付勢された弾
性材料からなり、前記クランプ手段に形成された凹部に
嵌合されていると良い。

【００１５】そして、前記操作レバーは、前記係合部材
に支承され、一部が折れ曲がったレバーであることを特
徴とする。

【００１６】上記構成において、クランプ力を解除した
場合であっても、ツールの自然落下を防止できる安全・
保持手段の作用を受けることができると共に、操作部材
の簡単な構造デザインを実施できる。操作レバーと係合
部材及び弾性部材により、ツールの全長に渡り、又は少
なくともツール長の比較的大きな部分に渡り効率的な安
全・保持手段が作用される。

【００１７】また、クランプ手段は、ツールホルダーと
実質的に平行になるよう、固着ネジのピボット軸受によ
り回動自在に保持され、折曲げツール又はエッジング・
パンチツールのツールシャンクの溝と緩く係合する係合
部材が設置され、この係合部材は操作レバーが作動され
ない限り前記ツールの系脱を不可能にして自然落下を回
避する。

【００１８】そして、制作品（薄板、又は板）が折曲げ
用の上部のツールに向かって上方に移動する極めて鋭角
な折曲げ角度が達成できるよう、クランプ手段が極細幅
である構造デザインとすることができる。

【００１９】

【発明の実施の形態】本発明に基づくクイッククランプ
装置の一実施の形態について説明する。本発明に基づく
クイッククランプ装置は、折曲げ機の上部金型としての
折曲げツールをワンタッチな操作によりクランプするた
めの装置である。

【００２０】図１及び図２は、ツール（以下「折曲げパ
ンチ１６」という）がクランプされていない状態のクイ
ッククランプ装置と折曲げパンチ１６を挿入され、クラ
ンプされた状態のクイッククランプ装置を示し、図３及
び図４は、実際にクランプする要部を詳細に示してい
る。

【００２１】詳細に図示はしてないが概要を図１及び図
２において示す通り、ツールホルダー１は、ボルト３に
より折曲げ機に設けられた固定板２を介して該折曲げ機
の上方部に固着されている。

【００２２】ツールホルダー１は、クイッククランプ装
置として構成される固定ツール保持手段４と、可動ツー
ル保持機構と、から成り、該可動ツール保持機構は、更
に、クランプ爪のように形成され、図２に明確に示すよ
うに、ツールをクランプできる状態となるよう一対のピ
ボット軸受(以下「固着ネジ６」という)を介し前記固定ツ
ール保持手段４に回動自在に支承されるクランプ手段
(以下「クランプ板５」という)を主要部として含んでい
る。

【００２３】前記一対の各固着ネジ６が有するヘッド７
には、略球面をなす軸受凸部７ａが形成され、クランプ
板５の軸受凹部８と協働してピボット軸受としての作用
をなす。従って、ヘッド７は、ある程度のガタを有し、
軸受凹部８に受け入れられる。前記固着ネジ６により構
成された前記ピボット軸受の上部側には、クイッククラ
ンプ・レバー９がクランプ板５の上部端とネジにより螺
合されている。前記クイッククランプ・レバー９には、
ネジ部９ａが形成された部材１０を設けてあり、該部材
１０の先端が固定ツール保持手段４上に当接することに
より、前記クランプ板５の下部側と前記固定ツール保持
手段４とが接近してクランプ力を与える。

【００２４】前記クランプ板５のクランプ要素として
は、クランプ面(以下「傾斜クランプ表面１１」という)よ
り成ることが望ましい。そして、前記傾斜クランプ表面
１１の一端は、前記クランプ板５の下方部に形成された
凹部１２であって、その中への滑り込みができるよう予
め付勢された係合部材(以下「係合ストリップ１３」とい
う)が収容される凹部１２によりその界が定められてい
る。前記傾斜クランプ表面１１の他方の端は、寸法、特
に厚さの異なる複数のツールシャンクが一つのクランプ
板５によりクランプされる場合であっても、前記複数の
折曲げパンチ１６へのクランプ圧伝達に特に適するよう
に、また均一にクランプされるように、弾性部材(以下
「弾力性材ストリップ１５」という)を保持、収納するの
に使われる段差部分１４により境界設定される。

【００２５】図３及び図４において詳細に示すように、
下方からツールホルダー内への折曲げパンチ１６の挿入
を容易にするための挿入テーパ(以下「挿入斜面１７」と
いう)が設置される係合ストリップ１３は、複数の板ば
ね１８により係合方向に予め付勢されている。複数の固
着ネジ１９は、係合ストリップ１３を保持すると共に凹
部１２の溝ベース部と係合ストリップ１３間において個
別に予め付勢力を付与するためのばね１８を締めるのに
使用される（図４と比較参照）。

【００２６】係合ストリップ１３は、その略中央におい
て、更にネジ２１を介し操作レバー(以下「操作チルトレ
バー２２」という)に接続される。角度付きの前記操作チ
ルトレバー２２は、クランプ板５の上方部に形成された
凹部内に受け入れられる。これにより、クイッククラン
プ・レバー９によりクランプ力が解除された時、操作チ
ルトレバー２２がオペレータの片方の手で押され、係合
ストリップ１３が板ばね１８による力に対抗して凹部１
２内に戻されることにより、折曲げパンチ１６がツール
ホルダー１から系脱され、もう一方の手により折曲げパ
ンチ１６が保持されながらツールホルダー１から下方に
垂直に取り除かれる。なお、クイッククランプ・レバー
９は、クランプ板５に嵌合された２本の割りピン２６、
２５により回転範囲を規制されている。

【００２７】クランプ板５によるクランプ力が解除さ
れ、係合ストリップ１３が引っ込められた時、クランプ
板５とツールシャンク１６ａとの間には1/100mm程度の
間隙が形成されているため、小幅の折曲げパンチ１６を
保持するの十分な残留圧力が存在している。これによ
り、オペレータは、クランプ板５によりクランプ可能な
複数の折曲げパンチ１６から所望のパンチツールを選
び、着脱することができるようになる。なお、前記固着
ネジ６には、前記クランプ板５と前記固定ツール保持手
段４とのあいだにばね２７が嵌合されている。

【００２８】係合ストリップ１３の係合のため、折曲げ
パンチ１６のツールシャンク１６ａには、十分な凹部
(以下「係合溝２０」という)が形成されている。

【００２９】次いで、本発明に基づくクイッククランプ
装置の作用について図に沿って説明する。

【００３０】図１に示す構成に基き、まず折曲げパンチ
１６は、係合ストリップ１３が折曲げパンチ１６のツー
ルシャンク１６ａの係合溝２０と固着係合するよう、ツ
ールホルダー１に緩く系脱不可の状態に保持される。次
ぎに、クランプ板５によりクイッククランプ・レバー９
を介しクランプされる。折曲げパンチ１６の交換中は、
クイッククランプ・レバー９が再び１／４回転解除さ
れ、これにより折曲げパンチ１６は係合ストリップ１３
によりツールホルダー１内に緩く保持される。折曲げパ
ンチ１６の排除は、操作チルトレバー２２がもう一度押
されるまで不可能である。このようにして、折曲げパン
チ１６がクランプ力の解除（クランプ板５とクイックク
ランプ・レバー９とピボット軸受６に起因する回動によ
り定められる）後ツールホルダー１から自然落下するの
を防ぐことができる極めて簡単な安全手段が提供され
る。この安全手段により、特に折曲げ機又はエッジング
・プレスにおいて、折曲げパンチ又はエッジング・パン
チの変更操作が安全で、容易、かつ、迅速になされる。

【００３１】また、固定ツール保持手段４の上部にネジ
３、伸長穴を備える調整手段２４を介することにより、
上部ツールクランプ手段の垂直方向の微調整も可能とな
る。

【００３２】更に、本発明のクイッククランプ装置は、
クランプ装置、つまりクイッククランプ・レバー９を具
備しない汎用の標準式のクランプ板（５）に操作チルト
レバー２２と係合ストリップ１３を設けることにより、
既に稼動中の工作機械への改善も可能となり、適用範囲
が更に拡大される点から見て特に有利である。

【００３３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
クランプ力を解除した後、更に操作レバーを操作するこ
とにより、上部ツールをツールホルダーの下方から着脱
できる装置でありながら構造を簡素化することができる
ため、コストダウンを図ることができる。

【００３４】また、構造を簡素化することができるた
め、クイッククランプ装置の前方の空間を確保できるこ
とにより、折曲げ加工の際、被加工材を十分に上方に移
動させることができるため、極めて鋭角な折曲げ加工を
達成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】折曲げ機又はエッジング・プレスに設置される
本発明のクイッククランプ装置の側方断面図。

【図２】図１の状態から折曲げパンチをクランプした状
態を示す側方断面図。

【図３】図１、２のクイッククランプ装置の正面図。

【図４】図３におけるIV−IV断面図。

【符号の説明】

１ ツールホルダー ２ 固定板 ３ ボルト ４ 固定ツール保持手段 ５ クランプ手段（クランプ板） ６ 固着ネジ（ピボット軸受） ９ クイッククランプ・レバー １１ クランプ面（傾斜クランプ面） １２ 凹部 １３ 係合部材（係合ストリップ） １５ 弾性部材（弾力性材ストリップ） １６ ツール（折り曲げパンチ） １６ａ ツールシャンク １７ 挿入テーパ（挿入斜面） ２０ 凹部（係合溝） ２２ 操作レバー（操作チルトレバー）

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 折曲げ機又はエッジング・プレス等の工
   作機械に使用される少なくとも１つの折曲げツール又は
   エッジング・パンチツールをクランプするためのクイッ
   ククランプ装置において、 前記工作機械に固定される固定ツール保持手段と、 前記固定ツール保持手段と協働して、前記クイッククラ
   ンプ装置に対して実質的に垂直な方向に着脱可能に前記
   ツールのツールシャンクをクランプする、安全・保持手
   段を有するクランプ手段と、を備え、 前記クランプ手段が、前記ツールシャンクに形成した凹
   部と係合するように予め付勢された係合部材と、該係合
   部材を操作するために該クランプ手段の外側に設けられ
   た操作レバーと、を有することを特徴とするクイックク
   ランプ装置。
2. 【請求項２】 前記クランプ手段が、前記固定ツール保
   持手段に回動自在に支承され、爪状に形成されることに
   より、前記ツールをクランプすることを特徴とする請求
   項１記載のクイッククランプ装置。
3. 【請求項３】 前記クランプ手段が、前記固定ツール保
   持手段に回動自在に支承されるピボット軸受により、該
   固定ツール保持手段に対して平行になる姿勢をなすこと
   ができることを特徴とする請求項１又は２記載のクイッ
   ククランプ装置。
4. 【請求項４】 前記ピボット軸受は、前記係合部材を操
   作する前記操作レバーの両側に配置され、前記クランプ
   手段をある程度のガタを有して支持する固着ネジにより
   構成されたことを特徴とする請求項３記載のクイックク
   ランプ装置。
5. 【請求項５】 前記係合部材は、前記ツールに形成され
   た凹部に隙間嵌めの状態で係合する係合手段として作用
   し、前記操作レバーが作動しない限り前記凹部から離脱
   しないように構成されたことを特徴とする請求項１乃至
   ４のいずれか１項記載のクイッククランプ装置。
6. 【請求項６】 前記係合部材は、前記クランプ手段の下
   方端部に形成されたテーパの領域に設けられたことを特
   徴とする請求項１乃至５のいずれか１項記載のクイック
   クランプ装置。
7. 【請求項７】 前記係合部材は、前記ツールを垂直方向
   に挿入することを容易にする挿入テーパを形成されたこ
   とを特徴とする請求項１乃至６のいずれか１項記載のク
   イッククランプ装置。
8. 【請求項８】 前記クランプ手段が、該クランプ手段を
   構成すると共に前記固定ツール保持手段との境界をなす
   クランプ面から突出し、前記係合部材と前記ピボット軸
   受との間に弾性部材を有することを特徴とする請求項３
   乃至７のいずれか１項記載のクイッククランプ装置。
9. 【請求項９】 前記弾性部材は、予め付勢された弾性材
   料からなり、前記クランプ手段に形成された凹部に嵌合
   されていることを特徴とする請求項８記載のクイックク
   ランプ装置。
10. 【請求項１０】 前記操作レバーは、前記係合部材に支
    承され、一部が折れ曲がったレバーであることを特徴と
    する請求項１乃至９のいずれか１項記載のクイッククラ
    ンプ装置。