JPH0747131Y2 - プレスブレーキのパンチ取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はプレスブレーキのパンチ取付装置に関し、特に
プレスブレーキのパンチ交換を迅速に行うことができる
ようにしたプレスブレーキのパンチ取付装置に関する。

（従来の技術） 従来、プレスブレーキは第４図に示すように、フレーム
31の下部にテーブル32が設置され、上部にはビーム33が
上下動可能に装着されており、第４図のＰ部詳細を示す
第５図のように、テーブル32には下型であるダイ35が取
着されたダイベース34がセンタリングセット39を介して
固定されている。また、ビーム33には上型であるグース
ネックパンチ36が二枚のパンチ押さえ板37a,37bの間に
ボルト38により取り付けられている。前記プレスブレー
キにより板材の曲げ加工を行う場合には、第６図に示す
ように被加工材Ｗを前記ダイ35上に配置し、グースネッ
クパンチ36の固定されたビーム33を下降させて、前記被
加工材Ｗを（Ａ）→（Ｂ）→（Ｃ）→（Ｄ）の順序にし
たがって所定の形状に曲げ加工している。なお、40はコ
ントロールボックス、41は集中操作盤、42はハンドル式
デプス調整装着である。

（考案が解決しようとする課題） 前記従来の技術においてプレスブレーキのグースネック
パンチ36を交換する時にはボルト38を緩めてもパンチ36
が落下しない位置、即ちパンチ36がダイ35にほぼ接する
位置までビーム33を下降させた後、多数あるボルト38を
緩める。パンチ36が大きい場合にはグースネックパンチ
36は形状的に安定性が良くないので、二枚のパンチ押さ
え板37a,37bをガイドとしてプレスブレーキの左右方向
にパンチ36を引き抜き、新しいパンチ36を差し込んでボ
ルト38を締めつけた後、ビーム33を上昇させるという一
連の工程で行われる。しかし、このような従来の技術に
は次のような問題があった。

（１）ビーム33を下降させる際、パンチ36がダイ35に衝
突しないようビーム33を慎重に操作するため操作時間を
多く必要とする。

（２）ボルト38が多数あるため緩めたり、締めつけたり
するのに時間がかかる。

（３）パンチ36が一体型の場合は長くて重いため、プレ
スブレーキの二枚のパンチ押さえ板37a,37bをガイドと
してプレスブレーキの左右方向に引き抜き、新しいパン
チ36を差し込んでボルト38を締めつける作業が必要なた
め、作業者にとって重労働となる。

（課題を解決するための手段） 本考案は前記従来の技術における課題を解決するために
なされたもので、第１の考案は長手方向に複数分割した
各パンチに形成された保持部を、ビーム下端に形成した
パンチ支持部に遊嵌し、該パンチ支持部には前記パンチ
保持部に形成されたボールボタン嵌合溝に弾性体により
付勢されるボールボタンを装着すると共に、パンチ支持
部下端には下方に広がる傾斜面を形成し、該傾斜面に当
接する傾斜面を前記パンチ保持部の下方部に形成し、パ
ンチを取り外す時には前記パンチ保持部上端をノックア
ウトバーにより下方に突き出すことによってボールボタ
ンによるパンチ保持部の保持を解除するようになしたこ
とを特徴とし、第２の考案は前記第１の考案において、
複数分割した各パンチの最も外側に液圧シリンダを設置
して、該液圧シリンダにより前記複数分割した各パンチ
の側面同志を密着させるようにしたことを特徴とする。

（作用） 前記構成によれば次のように作用する。

パンチの保持部をパンチ支持部に遊嵌させながら、パン
チ支持部に形成されたボールボタンの弾性体による付勢
力に抗して押し込めば、前記ボールボタンはパンチ保持
部に形成されたボールボタン嵌合溝に嵌合してパンチ保
持部をビームのパンチ支持部に確実に保持する。この状
態でビームを下降させてパンチにより加工を開始する
と、ビームのパンチ支持部下端に形成された下方に広が
る傾斜面にパンチ保持部に形成された傾斜面が当接する
ことによりパンチが傾くことなく自動的に芯出しされ
る。また、パンチをビームから外す時にはパンチを手で
支えながらパンチ保持部上端をノックアウトバーにより
下方に突き出せばプレスブレーキ前面から容易にパンチ
を取り外すことができる。また、複数分割した各パンチ
の最も外側に設置した液圧シリンダにより複数分割した
各パンチの側面同志を密着させることができるので、パ
ンチを分割して軽量化し取り扱い易くしても一つのパン
チと同様に使用することができる。

（実施例） 以下に本考案の実施例につき添付図面を参照して詳述す
る。

第１図乃至第３図は本考案の実施例を示す図で、第１図
は本考案のプレスブレーキのパンチ取付装置に関する全
体図を示す図、第２図は第１図におけるＰ部詳細を示す
斜視図、第３図は第２図におけるＡ−Ａ断面図である。
第２図において１はパンチ、1aはパンチ保持部、1bはパ
ンチに形成されたボールボタン用溝、1cはパンチの加工
部、1d,1eは傾斜面、2a、2bはビーム３に固定された左
右の押さえ板、４はボールボタン用のボール、５はボー
ル４をパンチ保持部1aに形成されたボールボタン用溝1b
に付勢するためのばね、６はばね５のストッパである。
前記第２図に示されるように支持されたパンチ１を第１
図に示すプレスブレーキのフレーム７に装着し、パンチ
１の下方に設置されたテーブル８には前記従来の技術同
様に下型であるダイがセットされるが、図面では省略す
る。また、フレーム７上方には各パンチ１につき２本設
けられたノックアウトバー９をノックアウトするための
カム10が各パンチ１を順番にノックアウトする関係にな
るようにカムシャフト11に固定されており、該カムシャ
フト11はカムモータ12により一定角度づつ順次回転駆動
される。なお、14は集中操作盤、15はハンドル式デプス
調整装置、16はコントロールボックスである。

次に作動について説明する。

パンチ保持部1aをビーム３に固定された左右の押さえ板
2a,2b間に遊嵌させながら、該押さえ板2a,2bに装着され
たボールボタンのばね５による付勢力に抗して押し込む
と、前記ボールボタンのボール４がパンチ保持部1aに形
成されたボールボタン嵌合溝1bに嵌合してパンチ保持部
1aをビーム３に固定された左右の押さえ板2a,2b間に確
実に保持する。この状態においてビーム３を下降させ
て、パンチ１と図示されないダイにより被加工材に曲げ
加工を開始すると、ビーム３に固定された左右の押さえ
板2a,2b下端に形成された下方に広がる傾斜面2c,2dにパ
ンチ保持部1aに形成された傾斜面1d,1eが当接すること
によりパンチ１が傾くことなく自動的に芯出しされる。
また、パンチ１をビーム３に固定された左右の押さえ板
2a,2bから外す時には複数のパンチ１のうち、取り外そ
うとするパンチ１を手で支えながらカムモータ12を駆動
して前記取り外そうとするパンチ１上方のカム10により
パンチ保持部上端1eをノックアウトバー10により下方に
突き出せばプレスブレーキ前面から容易にパンチ１を取
り外すことができる。その次に取り外そうとするパンチ
１を手で支えながらカムモータ12を駆動して次に取り外
そうとするパンチ１上方のカム10によりパンチ保持部上
端1eをノックアウトバー10により下方に突き出せば同様
にしてプレスブレーキ前面から容易に次のパンチ１を取
り外すことができる。以下同様にして複数分割した各パ
ンチ１を全て取り外すことができる。以上のように複数
分割した各パンチ１は、最も外側に設置した液圧シリン
ダ13により複数分割した各パンチ１の側面同志を密着さ
せることができるので、パンチ１を分割して軽量化し取
り扱い易くしても一つのパンチ１と同様に使用すること
ができる。

（考案の効果） 以上詳述したごとく本考案によるときは次のような効果
を得ることができる。

第１の考案によれば、パンチの保持部をパンチ支持部に
遊嵌させながら、パンチ支持部に形成されたボールボタ
ンの弾性体による付勢力に抗して押むだけで前記ボール
ボタンはパンチ保持部に形成されたボールボタン嵌合溝
に嵌合してパンチ保持部をビームのパンチ支持部に確実
に保持することができるので、パンチの交換が簡単であ
る。また、パンチにより加工を開始すると、ビームのパ
ンチ支持部下端に形成された下方に広がる傾斜面にパン
チ保持部に形成された傾斜面が当接することによりパン
チが傾くことなく自動的に芯出しされる。更に、パンチ
をビームから外す時にはビームを下降させることなくパ
ンチを手で支えながらパンチ保持部上端をノックアウト
バーにより下方に突き出せばプレスブレーキ前面から容
易にパンチを取り外すことができる。第２の考案によれ
ば、複数分割した各パンチの最も外側に設置した液圧シ
リンダにより複数分割した各パンチの側面同志を密着さ
せることができるので、パンチを分割して軽量化し取り
扱いやすくしても一つのパンチと同様に使用することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の実施例を示す図で、第１図
は本考案のプレスブレーキのパンチ取付装置に関する全
体図を示す図、第２図は第１図におけるＰ部詳細を示す
斜視図、第３図は第２図におけるＡ−Ａ断面図、第４図
乃至第６図は従来の技術を示す図である。 １……パンチ 2a、2b……押さえ板 ３……ビーム ４……ボール ５……ばね ６……ストッパ ７……フレーム ８……テーブル ９……ノックアウトバー 10……カム 11……カムシャフト 12……カムモータ 13……液圧シリンダ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】長手方向に複数分割した各パンチに形成さ
   れた保持部を、ビーム下端に形成したパンチ支持部に遊
   嵌し、該パンチ支持部には前記パンチ保持部に形成され
   たボールボタン嵌合溝に弾性体により付勢されるボール
   ボタンを装着すると共に、パンチ支持部下端には下方に
   広がる傾斜面を形成し、該傾斜面に当接する傾斜面を前
   記パンチ保持部の下方部に形成し、パンチを取り外す時
   には前記パンチ保持部上端をノックアウトバーにより下
   方に突き出すことによってボールボタンによるパンチ保
   持部の保持を解除するようになしたことを特徴とするプ
   レスブレーキのパンチ取付装置。
2. 【請求項２】前記第（１）の請求項において、複数分割
   した各パンチの最も外側に液圧シリンダを設置して、該
   液圧シリンダにより前記複数分割した各パンチの側面同
   志を密着させるようにしたことを特徴とするプレスブレ
   ーキのパンチ取付装置。