JPH09169943A - 塗料用樹脂組成物 - Google Patents

塗料用樹脂組成物

Info

Publication number
JPH09169943A
JPH09169943A JP34986995A JP34986995A JPH09169943A JP H09169943 A JPH09169943 A JP H09169943A JP 34986995 A JP34986995 A JP 34986995A JP 34986995 A JP34986995 A JP 34986995A JP H09169943 A JPH09169943 A JP H09169943A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
coating
resin composition
polarity
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34986995A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Hiruta
修 蛭田
Kazuyuki Tate
和幸 舘
Hiroshi Watarai
弘志 度会
Takashi Sekiya
隆 関谷
Atsuko Fukuyama
敦子 福山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyoda Gosei Co Ltd
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyoda Gosei Co Ltd, Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyoda Gosei Co Ltd
Priority to JP34986995A priority Critical patent/JPH09169943A/ja
Publication of JPH09169943A publication Critical patent/JPH09169943A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐候性と付着性とを共に備えた,低極
性の素材に対する1コート塗料として使用可能な,塗料
用樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 低極性の素材に対する1コート塗料であ
って,低極性の塩素化された素材付着成分樹脂(A),
塩化水素を捕捉する基を含有する樹脂(B)及び上塗り
塗膜機能付与成分樹脂(C)とからなり,それぞれの樹
脂の溶解性パラメーターをSPA ,SPB 及びSPC
したとき,これらは,−2≦SPA −SPB ≦2,SP
B >SPC の関係にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,表面未処理の樹脂成形品及びフ
ィルム等の低極性素材に対して,1コートで使用するこ
とができる塗料用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来技術】従来,低極性の素材に対する1コート塗料
として,塩素化ポリオレフィン,エポキシ樹脂及びアク
リル樹脂からなる塗料用樹脂組成物が知られている。上
記塗料用樹脂組成物において,塩素化ポリオレフィンは
素材に対する付着性を確保するために,またエポキシ樹
脂は塩素化ポリオレフィンから脱離する塩化水素を捕捉
し,塗膜の耐候性を向上させるために,更にアクリル樹
脂は塗膜硬さ,耐溶剤性等の上塗り塗膜として要求され
る機能を付与するために,それぞれ配合されている。
【0003】
【解決しようとする課題】しかしながら,従来の上記塗
料用樹脂組成物においては,各樹脂の塗膜内での配置を
制御していないため,次のような問題が生じる。
【0004】まず,低極性の素材であるポリオレフィ
ン,特にトリクロロエタン洗浄などの表面処理を施さな
い素材に対する付着性を確保するためには,上記塗料用
樹脂組成物における上記塩素化ポリオレフィンの配合量
を塗料用樹脂組成物全体の20重量%以上とする必要が
ある。
【0005】この場合,上記塩素化ポリオレフィンより
脱離する塩化水素の量が増大するため,該塩化水素を捕
捉するためのエポキシ樹脂の配合量も増大させる必要が
ある。この結果,相対的にアクリル樹脂の配合量が減少
し,上記塗料用樹脂組成物の上塗り塗膜としての性能に
問題が生じる。なぜなら,上記塗料用樹脂組成物におい
て,上塗り塗膜としての性能を確保しているのは,上記
アクリル樹脂であるためである。
【0006】一方,上記塗料用樹脂組成物に上塗り塗膜
として満足するための性能を付与するためには,相対的
に塩素化ポリオレフィンの量を減らす必要がある。そし
て,塩素化ポリオレフィンの含有量が塗料用樹脂組成物
全体の20重量%未満となった場合には,上記塗料用樹
脂組成物の付着性に問題が生じる。
【0007】また,上記塗料用樹脂組成物においては,
従来は,エポキシ樹脂と塩素化ポリオレフィンとの相溶
性を考慮していない。このため,実使用下においては,
塩素化ポリオレフィンより脱離する塩化水素を,上記エ
ポキシ樹脂は効果的に捕捉することができず,塗膜の耐
候性が悪化する。そして,塗膜の耐候性を向上させるた
めには,塩素化ポリオレフィン中に含まれる塩素量と比
較して過剰となるように,エポキシ樹脂を上記塗料用樹
脂組成物に配合する必要があると考えられる。
【0008】しかし,エポキシ樹脂そのものは,元来耐
候性が低いため,上記塗料用樹脂組成物に対し,上記エ
ポキシ樹脂を多量に配合することは好ましくない。一
方,エポキシ樹脂の配合量が少なければ,塩素化ポリオ
レフィンから脱離する塩化水素を充分に捕捉することが
できず,やはり塗料用樹脂組成物の耐候性に問題が生じ
る。
【0009】このように,従来の塩素化ポリオレフィ
ン,エポキシ樹脂及びアクリル樹脂を配合した塗料用樹
脂組成物よりなる1コート塗料では,耐候性を含む上塗
り塗膜としての性能と素材に対する付着性との両立が難
しかった。
【0010】従って,従来の上記塗料用樹脂組成物は1
コート塗料として使用することが困難であり,上記塗料
用樹脂組成物は,2コート塗料のプライマーとして使用
されていた。しかしながら,2コート塗料による塗装作
業は,プライマーを素材に塗装した後,その後上塗り塗
料を再度塗装するという作業が必要であり,作業コスト
の観点から好ましくない。
【0011】本発明は,かかる問題点に鑑み,優れた耐
候性と付着性とを共に備えた,低極性の素材に対する1
コート塗料として使用可能な,塗料用樹脂組成物を提供
しようとするものである。
【0012】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,低極性の素材に
対する1コート塗料であって,低極性の塩素化された素
材付着成分樹脂(A),塩化水素を捕捉する基を含有す
る樹脂(B)及び上塗り塗膜機能付与成分樹脂(C)と
からなり,それぞれの樹脂の溶解性パラメーターをSP
A ,SPB 及びSPC としたとき,これらは, −2≦SPA −SPB ≦2 SPB >SPC の関係にあることを特徴とする塗料用樹脂組成物にあ
る。
【0013】本発明の作用につき,以下に説明する。本
発明における,樹脂(A)の溶解性パラメーター,即ち
SPA と樹脂(B)の溶解性パラメーター,即ちSPB
との差は2以下である。このため,樹脂(A)と樹脂
(B)との間の相溶性が良好となり,塗膜内で両者が充
分に混ざり合い,均一化することができる。よって,樹
脂(A)から脱離する塩化水素を,樹脂(B)が効率的
に捕捉することができ,樹脂(A)に含まれる塩素量に
対して,特に樹脂(B)が過剰となるよう配合する必要
がなくなる。
【0014】従って,樹脂(B)の配合量を減少させる
ことができ,その減少分だけ,上記樹脂(C)の配合量
を増やすことができる。そして,上記樹脂(C)は,塗
料用樹脂組成物に耐候性を付与するために配合される成
分である。以上により,耐候性に優れた塗料用樹脂組成
物を得ることができる。
【0015】更に,本発明においては,樹脂(B)の溶
解性パラメーター,即ちSPB が,樹脂(C)の溶解性
パラメーター,即ちSPC よりも大きい。このため,塗
膜中において,樹脂(C)は塗膜の大気側に配向するこ
とができる。よって,優れた耐候性を有する塗膜を得る
ことができる。更に,樹脂(C)が大気側に配向した
分,塗膜の素材側における樹脂(A)の濃度が相対的に
高くなる。この結果,仮に塗料用樹脂組成物全体におけ
る樹脂(A)の配合量が少くない場合でも,塗膜と素材
との間に優れた付着性を得ることができる。以上によ
り,本発明の樹脂組成物は優れた耐候性と付着性とを共
に備えることができる。また,1コート塗料として使用
することができる。
【0016】一方,上記SPA とSPB との差が2より
大きい場合には,樹脂(A)と樹脂(B)とが均一に混
じり難くなり,樹脂(A)より脱離する塩化水素を樹脂
(B)が効率良く捕捉できなくなるおそれがある。この
ため,塗料用樹脂組成物の耐候性が低下する。
【0017】また,上記塗料用樹脂組成物よりなる塗料
を特に長期間保存するためには,塗料内の各成分が分離
しないことが好ましい。このためには,SPA とSPC
との差が1.5以下(即ち,−1.5≦SPA −SPC
≦1.5)であることが好ましい。
【0018】更に,SPB がSPC の値以下である場合
には,樹脂(C)が大気側へ配向し難くなるため,塗膜
硬さや耐溶剤性などの樹脂(C)により発現されるべき
上塗り塗膜機能が塗膜表面に十分に発現され難くなる。
また,上記樹脂(C)が充分大気側に配向するために
は,SPB −SPC >0.2であることがより好まし
い。
【0019】なお,上記溶解性パラメーター,即ちSP
とは,樹脂の相溶性を判断するために用いられる値で,
SPの近い樹脂同士ほど相溶性がよく,混合した場合に
容易に均一な状態となる。上記SPの導出は,測定によ
る方法,計算による方法とがある。なお,本発明におけ
る各樹脂の特定に用いたSPは,計算による方法であっ
て,かつFedorsが提唱した方法に基づき導出した
SPである。
【0020】即ち,各樹脂における各単位官能基当たり
の凝集エネルギーΔei [cal/mol]と各分子容
ΔVi [cm3 /mol]を定め,その総和から[数
1]に示す式により求めた値がSPである。
【0021】
【数1】
【0022】また,本発明の塗料用樹脂組成物には各種
の添加物を添加することができる。上記添加物として
は,例えば硬化剤を用いることができる。上記塗料用樹
脂組成物に硬化剤を添加することにより,優れた耐溶剤
性を有する塗料用樹脂組成物を得ることができる。ま
た,上記硬化剤としては,イソシアネート化合物を使用
することができる。
【0023】また,上記硬化剤は,塗料用樹脂組成物中
の活性水素を含有する基及びイソシアネート基が,当量
比で0.8〜1.2となるよう添加量を調整することが
好ましい。上記当量比が0.8未満である場合には,上
記塗料用樹脂組成物の耐溶剤性が不十分となるおそれが
ある。一方,上記当量比が1.2を越えた場合には,塗
膜硬化後に,多く残存するイソシアネート基のために塗
膜性能が低下するおそれがある。
【0024】また,上記塗料用組成物の硬化性を向上さ
せるために,硬化触媒として有機金属化合物を添加する
こともできる。上記有機金属化合物は,上記塗料用樹脂
組成物に対して,0.001〜0.1重量%添加するこ
とが好ましい。上記添加量が0.001重量%未満であ
る場合には,その添加目的である硬化性向上の効果を十
分に得ることができないおそれがある。一方,上記添加
量が0.1重量%よりも大きい場合には,上記樹脂組成
物あるいは塗膜の安全性を損なうおそれがある。
【0025】更に,上記添加物として,酸化チタン,カ
ーボンブラック,タルク等の顔料,レベリング剤,ハジ
キ防止剤等を使用することができる。また,特に添加物
を加えず,上記塗料用樹脂組成物をそのまま使用するこ
ともできる。また,本発明が対象とする,被塗物として
の低極性の材料とは,炭素と水素を玩素とする基本骨格
を持った有機高分子材料を言う。かかる材料としては,
後述するポリオレフィンであるポリエチレン,ポリプロ
ピレン,またポリスチレン,ABS樹脂等が例示され
る。
【0026】次に,請求項2の発明のように,被塗物と
しての上記素材はポリオレフィンであり,上記樹脂
(A)が塩素化ポリオレフィンであることが好ましい。
上記樹脂(A)として塩素化ポリオレフィンを使用する
ことにより,ポリオレフィンに対する優れた付着性を有
する塗料用樹脂組成物を得ることができる。
【0027】また,ポリオレフィンは,特に難付着性の
素材である。従来においては,上記ポリオレフィンに対
する付着性を確保するために,前記理由から,塗料用樹
脂組成物に対し塩素化ポリオレフィンを多量に配合する
必要があった。上記塩素化ポリオレフィンの配合量が多
くなるにつれ,前述したごとく,塗膜の耐候性が低下す
る。よって,ポリオレフィンに対して使用する塗料用樹
脂組成物においては,耐候性と付着性との両立が困難で
あった。従って,本発明の塗料用樹脂組成物は特にポリ
オレフィンに対して効果的である。
【0028】なお,上記塩素化ポリオレフィンとして
は,エチレン,プロピレン,1−ブテン等のα−オレフ
ィンの単独重合体もしくは共重合体,上記α−オレフィ
ンと他の単量体との共重合体(例えば,エチレン−酢酸
ビニルの共重合体)を塩素化したものを使用することが
できる。また,上記塩素化ポリオレフィンを,更に酸変
性,アクリル変性,ウレタン変性したものを使用するこ
ともできる。
【0029】また,上記塩素化ポリオレフィンの極性が
高い場合には,ポリオレフィンに対する付着性が低下す
る。このため,上記塩素化ポリオレフィンの塩素含有率
は35%以下であることが好ましい。
【0030】次に,請求項3の発明のように,上記樹脂
(B)はグリシジル基含有のアクリル樹脂またはグリシ
ジル基含有のビニル樹脂であることが好ましい。上記グ
リシジル基含有のアクリル樹脂,グリシジル基含有のビ
ニル樹脂は,グリシジル基を含有する単量体と他のビニ
ル単量体との共重合体である。このため,単量体の組成
を変化させることにより,容易にSPA とSPB との差
を2以下とすることができる。なお,上記グリシジル基
含有のアクリル樹脂としては,例えば,グリシジルメタ
クリレートを単量体とするポリマーがある。
【0031】次に,請求項4の発明のように,上記樹脂
(B)がグリシジル基含有のアクリル樹脂であり,かつ
上記樹脂(C)がアクリル樹脂であることが好ましい。
これにより,SPC をSPB よりも低くすることが容易
となる。なお,上記以外にも,樹脂(C)としては,耐
候性,耐薬品性,耐水性,塗膜硬さ,光沢等の条件が所
望する条件と見合う樹脂であれば,使用することができ
る。例えば,上記樹脂(C)として,ポリエステル樹脂
を使用することもできる。
【0032】
【発明の実施の形態】
実施形態例 本発明の実施形態例にかかる塗料用樹脂組成物及びその
性能につき比較試料と共に説明する。本例の塗料用樹脂
組成物は,低極性の素材に対する1コート塗料であっ
て,後述する低極性の塩素化された素材付着成分樹脂
(A),塩化水素を捕捉する基を含有する樹脂(B)及
び上塗り塗膜機能付与成分樹脂(C)とよりなる。
【0033】そして,それぞれの樹脂(A)〜(C)の
溶解性パラメーターをSPA ,SPB 及びSPC とした
とき,これらは, −2≦SPA −SPB ≦2 SPB >SPC の関係を満たしている(表1参照)。
【0034】そして,本例において,上記樹脂(A)は
塩素化ポリプロピレン,樹脂(B)はグリシジル基含有
アクリル樹脂,樹脂(C)はアクリル樹脂である(表1
参照)。また,本例の塗料用樹脂組成物は,上記樹脂
(A)〜(C)以外の成分として硬化剤のビューレット
変性ヘキサメチレンジイソシアネートを配合してある。
なお,本例の塗料用樹脂組成物は表面未処理のポリプロ
ピレンよりなる素材に対し塗布可能な塗料である。
【0035】次に,本発明にかかる塗料用樹脂組成物を
塗布した塗装板である試料1,2を比較試料C1〜C4
と共に比較説明する。なお,以下の文中における
『部』,『%』は全て重量基準である。まず,各試料及
び比較試料にかかる塗料用樹脂組成物を構成する,樹脂
(A),(B),(C)の詳細につき説明する。上記樹
脂(A)はスーパークロン842LM(日本製紙(株)
製の塩素化ポリプロピレン;塩素化率=22.5%,N
V=20%)である。なお,上記NVとは不揮発分であ
る。
【0036】上記樹脂(B)は,以下に示す(B)−1
または(B)−2である。まず,(B)−1につき,そ
の製法より説明する。攪拌機及び冷却器を備えた反応器
に,トルエン120部及びメチルイソブチルケトン30
部を投入した。次いで,反応器内の温度を100℃に昇
温した。その後,上記反応器内に,メタクリル酸2−エ
チルヘキシル59部,メタクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル39部及びグリシジルメタクリレート57部からなる
混合物に,10部のアゾビスバレロニトリル(AVN)
を溶解した溶解物を5時間かけて滴下した。次いで,上
記反応器内をそのまま100℃に2時間維持して反応を
継続させた。
【0037】これにより,NVが52.4%,SPB
10.67であり,側鎖に塩化水素を捕捉する基である
グリシジル基を含有する樹脂(B)−1を得た。
【0038】次に,(B)−2は,上記(B)−1にお
ける製法工程とまったく同一の製法により得られた。但
し,メタクリル酸2−エチルヘキシル59部を,メタク
リル酸n−ブチル43部と置き換えて製造した。
【0039】これにより,NVが49.8%,SPB
11.07である,塩化水素を捕捉する基を含有する樹
脂(B)−2を得た。
【0040】上記樹脂(C)は,以下に示す(C)−1
〜(C)−3のいずれかである。まず,(C)−1につ
き,その製法より説明する。上述の樹脂(B)の製造に
使用したものと同様の反応器に,トルエン120部,メ
チルイソブチルケトンを30部投入した。次いで,反応
器内の温度を100℃に昇温した。そして,上記反応器
内に,メタクリル酸イソブチル70部,メタクリル酸2
−エチルヘキシル40部及びメタクリル酸2−ヒロドキ
シエチル39部からなる混合物に,10部のAVNを溶
解した溶解物を5時間かけて滴下した。次いで,上記反
応器内をそのまま100℃に2時間維持して反応を継続
させた。
【0041】これにより,NVが51.5%,SPC
10.22である,上塗り塗膜機能付与成分樹脂(C)
−1を得た。
【0042】次に,上記(C)−2につき説明する。上
述と同様の反応器に,トルエン120部,メチルイソブ
チルケトン30部を投入した。次いで,反応器内の温度
を100℃に昇温した。そして,上記反応器内に,スチ
レン20部,メタクリル酸イソブチル42部,メタクリ
ル酸2−エチルヘキシル40部及びメタクリル酸2−ヒ
ロドキシエチル39部からなる混合物に,10部のAV
Nを溶解した溶解物を5時間かけて滴下した。その後,
上記反応器内をそのまま100℃に2時間維持して反応
を継続させた。
【0043】これにより,NVが50.2%,SPC
10.46である,上塗り塗膜機能付与成分樹脂(C)
−2を得た。
【0044】次に,上記(C)−3につき説明する。上
述と同様の反応器に,トルエン120部,メチルイソブ
チルケトン30部を投入した。次いで,反応器内の温度
を100℃に昇温した。そして,上記反応器内に,メタ
クリル酸エチル57部,アクリル酸n−ブチル26部及
びメタクリル酸2−ヒドロキシエチル39部からなる混
合物に,10部のAVNを溶解した溶解物を5時間かけ
て滴下した。その後,上記反応器内をそのまま100℃
に2時間維持して反応を継続させた。
【0045】これにより,NVが43.3%,SPC
10.89である,上塗り塗膜機能付与成分樹脂(C)
−3を得た。
【0046】次に,各試料及び比較試料につき説明す
る。まず,試料1につき説明する。表1に示す配合量に
て,上記樹脂(A),(B)−1,(C)−1及び硬化
剤を配合した後,トルエンでフォードカップNo.4で
20秒となるよう粘度調節を行い,試料1にかかる塗料
用樹脂組成物を得た。そして,上記塗料用樹脂組成物
を,表面未処理のポリプロピレンよりなる素材に対し,
乾燥膜厚が20〜25μmとなるようスプレー塗装し,
その後80℃,30分にて乾燥することにより塗装板と
した。これが試料1である。
【0047】以下,試料2及び比較試料C1〜C4につ
いても同様に作成した。但し,表1に示すごとく,配合
する各樹脂(B),(C)の種類がそれぞれ異なる。
【0048】次に,上記試料及び比較試料の性能を比較
するための試験について説明する。まず,上記各試料に
かかる塗料用樹脂組成物を調製する際に,各樹脂(A)
〜(C)と硬化剤とを混合した直後の状態,即ちトルエ
ンを添加する前の状態を観察した。この結果を『塗料状
態』として表1に記した。また,各試料及び比較試料に
つき,光沢計(JIS Z 8741)により測定した
『60°光沢』を表1に記した。
【0049】また,各試料及び比較試料における塗膜の
『付着性』を以下の方法にて測定した。上記各試料及び
比較試料の表面に,カッターナイフを使用し,素材に到
達する深さで1mmの刻み目により,10×10個,合
計100個の碁盤目を形成した。そして,上記碁盤目に
対しセロハンテープを密着させ,該セロハンテープを密
着直後に剥離させた。そして,剥離後に塗膜の残留した
碁盤目の数を数えた。表1においては,『付着性』とし
て,分母を100,分子を塗膜の残留した碁盤目の数と
した分数を記した。
【0050】また,上記各試料及び比較試料の『2次付
着性』を,上記各試料及び比較試料を40℃の恒温水槽
に240時間浸漬した後,上記『付着性』の測定と同様
の方法により測定,その結果を表1に記した。
【0051】また,上記各試料及び比較試料の『耐候
性』を以下に示すごとく測定した。まず,各試料及び比
較試料に対し,サンシャイン・ウェザーメーター(スガ
試験機製)による800時間の暴露を行った。その後,
上記各試料及び比較試料に対し,上述と同様の方法に
て,『60°光沢』及び『付着性』を測定した。その結
果,(暴露後の『60°光沢』)/(暴露前の『60°
光沢』)を%で示した数値を『光沢保持率』として,表
1に記した。また,『付着性』については,上述と同様
の記載法により記した。
【0052】以上の測定により,表1に示すごとく,本
発明にかかる試料1及び2は,比較試料C1〜C4に比
べ,『60°光沢』が高く,塗膜の外観品質という点で
優れていることが分かった。また,『付着性』及び『2
次付着性』についても,共に100/100と,100
個の碁盤目の中で一つとして塗膜の剥離した部分がな
く,上記試料1及び2は優れた付着性を有することが分
かった。
【0053】また,上記試料1及び2は『光沢保持率』
が高く,かつ『付着性』においても暴露前より変化がな
く,優れた耐候性を有することが分かった。なお,上記
試料1及び2において,その『塗料状態』は『白濁せ
ず』と,比較試料と比べて,塗料成分の相溶性という点
で優れていることが分かった。
【0054】また,比較試料C1〜C4については,ま
ず,『付着性』及び『2次付着性』が低く,試料1及び
2と比較して劣っていることが分かった。また,耐候性
についても,『光沢保持率』が低く,『付着性』が暴露
前にくらべて大きく低下していることから,試料1及び
2よりも劣っていることが分かった。
【0055】
【表1】
【発明の効果】
【0056】従って,本発明によれば,優れた耐候性と
付着性とを共に備えた,低極性の素材に対する1コート
塗料として使用可能な,塗料用樹脂組成物を提供するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 舘 和幸 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 度会 弘志 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 関谷 隆 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 福山 敦子 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低極性の素材に対する1コート塗料であ
    って,低極性の塩素化された素材付着成分樹脂(A),
    塩化水素を捕捉する基を含有する樹脂(B)及び上塗り
    塗膜機能付与成分樹脂(C)とからなり,それぞれの樹
    脂の溶解性パラメーターをSPA ,SPB 及びSPC
    したとき,これらは, −2≦SPA −SPB ≦2 SPB >SPC の関係にあることを特徴とする塗料用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記素材はポリオレ
    フィンであり,上記樹脂(A)が塩素化ポリオレフィン
    であることを特徴とする塗料用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において,上記樹脂
    (B)はグリシジル基含有のアクリル樹脂またはグリシ
    ジル基含有のビニル樹脂であることを特徴とする塗料用
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2において,上記樹脂
    (B)がグリシジル基含有のアクリル樹脂であり,かつ
    上記樹脂(C)がアクリル樹脂であることを特徴とする
    塗料用樹脂組成物。
JP34986995A 1995-12-20 1995-12-20 塗料用樹脂組成物 Pending JPH09169943A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34986995A JPH09169943A (ja) 1995-12-20 1995-12-20 塗料用樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34986995A JPH09169943A (ja) 1995-12-20 1995-12-20 塗料用樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09169943A true JPH09169943A (ja) 1997-06-30

Family

ID=18406669

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34986995A Pending JPH09169943A (ja) 1995-12-20 1995-12-20 塗料用樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09169943A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013213173A (ja) * 2012-04-04 2013-10-17 Kansai Paint Co Ltd 塗料組成物および塗膜形成方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013213173A (ja) * 2012-04-04 2013-10-17 Kansai Paint Co Ltd 塗料組成物および塗膜形成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO1997008219A1 (fr) Composition de resine epoxy en une seule solution, composition de peinture resistant a la corrosion en une seule solution et procede d'enduction dans lequel lesdites compositions sont utilisees
EP3448902B1 (en) Aqueous dispersion and uses thereof
JPH04189874A (ja) 塗料用樹脂組成物
JPS5817174A (ja) 塗料用樹脂組成物
JPH09169943A (ja) 塗料用樹脂組成物
JPH028618B2 (ja)
JP2873151B2 (ja) 水性プライマー組成物
JPH09169947A (ja) ポリオレフィン素材用一液型塗料組成物
JP3194163B2 (ja) 塗料用樹脂
JPS5871966A (ja) 被覆用組成物
JP3805836B2 (ja) アニオン型艶消し電着塗料
JP3242177B2 (ja) 塗料用樹脂
JP2003253021A (ja) プラスチック用塗料組成物
JP3523281B2 (ja) 塗料用樹脂
JP2608466B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂用酸硬化型被覆組成物
JP3038273B2 (ja) プラスチック塗料用樹脂組成物
JP2001240727A (ja) エポキシ樹脂系エマルション及びこれを含む水性塗料組成物
JP3733612B2 (ja) 塗料用樹脂組成物
JPH01307478A (ja) 塗装方法
JP4572723B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂用コーティング組成物
JP2004292512A (ja) 水性被覆組成物
JPH0677718B2 (ja) 塗膜形成方法
JPH05171100A (ja) 塗料組成物、その製造方法および塗膜形成方法
JPS59140269A (ja) 塗料用樹脂組成物
JPH05156204A (ja) 被覆用樹脂の製造方法